JP2001069658A - プレモールド型ゴム絶縁筒およびそれを用いたプラスチック絶縁電力ケーブル接続部 - Google Patents

プレモールド型ゴム絶縁筒およびそれを用いたプラスチック絶縁電力ケーブル接続部

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JP2001069658A
JP2001069658A JP24670199A JP24670199A JP2001069658A JP 2001069658 A JP2001069658 A JP 2001069658A JP 24670199 A JP24670199 A JP 24670199A JP 24670199 A JP24670199 A JP 24670199A JP 2001069658 A JP2001069658 A JP 2001069658A
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high dielectric
rubber insulating
rubber
layer
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JP24670199A
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Hiroaki Suzuki
宏明 鈴木
Shunichi Asakura
俊一 朝倉
Tsutomu Ono
努 小野
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック絶縁電力ケーブルの接続に用いる
一体型のプレモールド型ゴム絶縁筒の電気特性を向上さ
せて、寸法をコンパクトにし、現場における接続部の組
み立て作業を簡素化させる。 【解決手段】エチレンプロピレンゴムやシリコーンゴム
等をベースゴムとして形成された内部導電層11A、補
強絶縁層11Bおよび外部導電層11Cを備えたプラス
チック絶縁電力ケーブル接続用のプレモールド型ゴム絶
縁筒11において、前記内部導電層11Aの周上に、厚
さ4mm以下、誘電率5〜10の高誘電率層11Dが形
成され、この高誘電率層11Dは、シリコーンゴム、E
Pゴム等のベースゴム100重量部に対して、BaTi
3およびTiO2の少なくとも1種からなる高誘電体粒
子50〜200重量部を含む高誘電性組成物で構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック絶縁
電力ケーブルの接続に用いる一体型のプレモールド型ゴ
ム絶縁筒、詳しくは、電気特性を向上させることにより
寸法をコンパクトにして、現場における組み立て作業を
簡素化することを可能としたプレモールド型ゴム絶縁
筒、およびこの絶縁筒を装着したプラスチック絶縁電力
ケーブルの接続部に関する。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリエチレン絶縁に代表されるプラ
スチック絶縁電力ケーブル(以下CVケーブルともい
う)は、その優れた絶縁性と取り扱いの容易さによって
急速に汎用化の道をたどってきている。それに伴い、ケ
ーブルの接続作業の総数が増大し、これらの作業の簡素
化、短時間化に対する要求が大きくなっている。これら
のニーズに応えるべく、プレハブ型接続部や、さらには
図6に示す1ピース・プレモールド型ゴム絶縁筒を装着
した接続部が実用化され、ケーブル接続現場における作
業の簡略化が図られてきている。
【0003】図6に示す接続部は、導体の接続部2およ
びケーブル絶縁体3を覆い、且つケーブル外部半導電層
4に跨るように、これらの外周に装着されたプレモール
ド型ゴム絶縁筒1と、絶縁筒1を覆う2つ割り型の保護
カバー5と、その両端に形成された防水処理部6とを備
えている。特に図6に示したプレモールド型ゴム絶縁筒
1は、一般に絶縁性能が高く、また成形加工性に優れた
エチレンプロピレンゴムやシリコーンゴム等をベースゴ
ムとして使用し、内部導電層1A、補強絶縁層1Bおよ
び外部導電層1Cとが一体的にモールド成形された、全
体で1つの部品(1ピース)で構成されており、接続現
場における施工管理の面でも簡略化が進められている。
【0004】また、従来の押出モールド型接続部(EM
J)やテープ巻き接続部(TJ)、テープ巻きモールド
接続部(TMJ)といった接続方式では、図7(イ)に
示すようにケーブル端部の絶縁体をテーパー状に切削す
る処理が必要となるが、プレハブ型やプレモールド型ゴ
ム絶縁筒を用いる方式の接続部では、図7(ロ)に示す
ように切削処理が簡便であるという特徴も併せ持ってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレハ
ブ型やプレモールド型ゴム絶縁筒による接続部では、図
7(ロ)に示すように切削処理を簡便化しているため、
ケーブル端部の電界が集中する高電界部分に接する絶縁
筒内周に、金属製や導電性ゴムの内部導電層(=内部電
極)を設ける必要がある。
【0006】図8(イ)は、プレモールド型ゴム絶縁筒
1を用いた接続部の断面模式図(一部省略)であり、図
8(ロ)は、EMJの断面模式図(一部省略)である。
プレモールド型ゴム絶縁筒1の内部導電層1Aは、通
常、図8(イ)に示すようにその先端に丸みを持たせた
構造を採っているが、先端部分は高電界となる。そのた
め、その周上に形成されている補強絶縁層1Bは、所定
の耐電圧性能を満足するため、厚みaを、図8(ロ)に
示すEMJの補強絶縁層の厚みbよりも増して設計され
ている。このことは、接続部全体の大きさ、特に外径2
A(Aは半径値)が図8(ロ)に示すEMJの場合の外
径2B(Bは半径値)より大きくなることを意味する
(A>B)。
【0007】そうすると、EMJの場合は、図9(イ)
に示すように、接続部の外径が小さいので、複数接続部
の間隔およびオフセット部分の長さが短くなり、接続部
およびオフセット部分を合わせたケーブルセット部が小
型になって、その設置スペースが狭くて済むのに対し
て、プレモールド型ゴム絶縁筒を用いた接続部の場合
は、図9(ロ)に示すように、接続部の外径がEMJの
ものよりも大きいので、複数接続部の間隔およびオフセ
ット部分の長さが長くなり、接続部およびオフセット部
分を合わせたケーブルセット部が大型になって、その設
置スペースをEMJのものよりも広く採る必要が生じ
る。
【0008】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、高電界部分の電界
を緩和することにより、電気特性を向上させ、寸法をコ
ンパクトにして、現場における接続部の組立作業を簡素
化し、作業能率を高めると共に、接続部の設置スペース
を小さくして接続部の形成に要する費用を低減させるこ
とができるプレモールド型ゴム絶縁筒およびそれを用い
たプラスチック絶縁電力ケーブル接続部を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、(1)ゴム系材料をベースゴ
ムにして形成された内部導電層、補強絶縁層および外部
導電層を備えたプラスチック絶縁電力ケーブル接続用の
プレモールド型ゴム絶縁筒において、前記内部導電層の
周上に、厚さ4mm以下、誘電率5〜10の高誘電率層
が形成されてなることを特徴とするプレモールド型ゴム
絶縁筒、(2)(1)のプレモールド型ゴム絶縁筒を、
ケーブルの端部を段剥ぎして露出した導体の接続部、そ
の両側のケーブル絶縁体および外部半導電層を覆うよう
に装着したことを特徴とするプラスチック絶縁電力ケー
ブル接続部、が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
しながら詳細に説明する。図1は本発明に係るプレモー
ルド型ゴム絶縁筒11の構成およびそれを用いたプラス
チック絶縁電力ケーブル接続部10の主要構成を示す断
面図である。
【0011】この接続部10は、プラスチック絶縁電力
ケーブルの端部が段剥ぎされて露出した2本の導体端部
を導体スリーブの両側から挿入し、これを圧縮すること
により形成された導体の接続部12とその両側のケーブ
ル絶縁体13とを覆い、且つケーブル外部半導電層14
に跨るように、これらの外周に装着されたプレモールド
型ゴム絶縁筒11とを備えて構成される。
【0012】このプレモールド型ゴム絶縁筒11は、一
般に絶縁性能が高く、また成形加工性に優れたエチレン
プロピレンゴムやシリコーンゴム等をベースゴムとして
使用し、内部導電層11A、補強絶縁層11Bおよび外
部導電層11Cとが一体的にモールド成形された、全体
で1つの部品(1ピース)で構成されている。なお、1
5は導体の接続部12を覆うように設けられて導体とプ
レモールド型ゴム絶縁筒の内部導電層とを電気的に接続
する2つ割り構造の金属製金具であり、さらに図示され
ないが、プレモールド型ゴム絶縁筒の外側には、これを
覆うように保護カバーおよびその両端とケーブルシース
間を液密に密封する防水処理部が設けられている。
【0013】本発明に係るプレモールド型ゴム絶縁筒1
1は、図1に示すように、内部導電層11Aの周上に、
厚さ4mm以下、誘電率5〜10の高誘電率層11Dが
形成されてなることを特徴とするものであり、本発明に
係るプラスチック絶縁電力ケーブル接続部10は、この
ゴム絶縁筒11を備えていることを特徴とするものであ
る。なお、本発明のプレモールド型ゴム絶縁筒およびそ
の絶縁筒を用いた接続部のその他の構成は従来公知の構
成である。
【0014】このプレモールド型ゴム絶縁筒11の構成
をさらに詳細に説明すると、この高誘電率層11Dは内
部導電層11Aの周上に、ほぼ均一な厚さで内部導電層
11Aの先端部分を覆うように形成されている。そし
て、その厚さは4mmより大きくすると、そのゴム絶縁
筒11の外径を大きくすることなく、補強絶縁層11B
の所定の耐電圧性能を維持することが困難であり、4m
m以下に形成されている。
【0015】また、高誘電率層を構成する材料の誘電率
は、5未満であると、内部導電層11Aの特に先端部分
における所望の電界緩和効果を得ることが困難である。
また10を越えると、所望の電界緩和効果を得るため
に、高誘電率層の厚みを0.1〜0.3mmといったレベ
ルまで薄くする必要が生じ、そのゴム絶縁筒11の寸法
が大きくなる高電圧CVケーブルの用途において、内部
導電層11Aの周上全体に均一に、この様な薄い厚みの
ゴム系の高誘電率層を形成することは、実質上困難であ
る。さらに、誘電率が10を越える高誘電率層を厚み
0.5mm以上で形成すると、内部導電層11Aの表面
の電界は緩和されるものの、高誘電率層11Dの表面、
すなわち高誘電率層とその外周に形成される補強絶縁層
11Bとの界面における高電界部分の電界が逆に高くな
り、実質的な電界緩和効果を得ることが出来ない難点が
ある。このようなことから、前記高誘電率層11Dを構
成する材料の誘電率は5〜10に設定される。なお、上
記構成の高誘電率層11Dは、予めモールド等により成
形した内部導電層11Aの周上に、誘電率5〜10の上
記高誘電性組成物(コンパウンド)を直接モールド成形
することにより、あるいは、一度、テープ状に押し出し
成形した高誘電性組成物よりなるテープを巻き付けた
後、モールド成形することにより形成するのが好まし
い。
【0016】このように、本発明のプレモールド型ゴム
絶縁筒11は、その内部導電層11Aの周上に、厚さ4
mm以下、誘電率5〜10の高誘電率層11Dを形成し
て構成されるので、内部導電層11Aの外周部分の電界
を緩和することができる。特に最も電界の高い先端部分
の電界を緩和することができるので、そのゴム絶縁筒1
1全体の電界をより均一化して、その電気特性を向上さ
せることができる。その結果、前記ゴム絶縁筒11の絶
縁厚を薄くすることが可能となり、そのゴム絶縁筒11
の寸法をコンパクトにし、接続部の形状の小型化を図る
ことができ、現場における接続部の組立作業を簡素化
し、作業能率を高めると共に、接続部の設置スペースも
小さくできることにより、接続部の形成に要する費用を
低減させることができる。さらに、内部導電層11Aの
モールド成形時に発生するパーティング・ラインの処理
部分等に生成する微小な突起の先端に集中する高電界の
緩和も可能になるため、そのゴム絶縁筒11の製造にお
いて生じる局所的な欠陥を減少させ、プレモールド型ゴ
ム絶縁筒11の製造の歩留まりを高めることもできる。
【0017】高誘電率層11Dを構成する誘電率が5〜
10の材料としては、例えば、ベースゴム100重量部
に対してBaTiO3およびTiO2の少なくとも1種か
らなる高誘電体粒子50〜200重量部を含む高誘電性
組成物を使用することができる。ベースゴムとしては、
シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴ
ム、エチレン系エラストマーのいずれかの材料を用いる
が、この中で特に成形性、耐久性および機械、電気特性
の優れたシリコーンゴムが好ましい。また、高誘電率層
11Dのベースゴムとして、内部導電層11Aや補強絶
縁層11Bを構成する材料と同種の材料を用いると、そ
れぞれの層の界面における接着等をより容易に行うこと
が可能となり、プレモールド型ゴム絶縁筒としての高い
電気絶縁性能を維持することができるので好ましい。な
お、必要に応じてその界面にプライマー等を使用する
と、さらに接着力を増すことができる。
【0018】次に、本発明のプラスチック絶縁電力ケー
ブルの接続部、特に架橋ポリエチレン電力ケーブルの接
続部に使用されるプレモールド型ゴム絶縁筒11の内部
導電層11Aの周上は、極めて高い電界が生じると同時
に、90〜105℃の高温にさらされるので、高誘電率
層11Dを構成する高誘電性組成物のtanδが高い
と、同部を起点として熱破壊が発生する原因となる問題
があり、tanδを小さくすることが重要である。
【0019】これに鑑み、ベースゴム100重量部に対
する配合量を50重量部以上とする高誘電体粒子が、B
aTiO3およびTiO2の少なくとも1種からなるよう
に構成することにより、該高誘電性組成物の誘電体損失
(tanδ)を小さくすることができ、このような高誘
電性組成物からなる高誘電率層11Dを有するプレモー
ルド型ゴム絶縁筒11を備えた接続部では、その適用範
囲をより高い電界、すなわち、より高い電圧階級のケー
ブルのシステムにまで広く適用することが可能となる利
点がある。しかし、前記構成の高誘電体粒子の配合量が
200重量部を越えると、高誘電率層11Dの可とう性
や伸び特性が悪くなるといった、材料物性の面に新たな
問題が生じるほか、配合量が50重量部未満の場合に
は、高誘電率層11Dの誘電率を所望の5〜10にする
ことが容易でない。このような点を考慮し、前記高誘電
体粒子の配合量は50〜200重量部の範囲で選択する
のが適切である。
【0020】さらに、前記高誘電性組成物に含まれる高
誘電体粒子がTiO2であり、かつ該TiO2はルチル型
構造のものを95%以上含んでおり、かつ表面を無機水
酸化物および/または無機酸化物にて処理したものを使
用すると、tanδを著しく低減させることが可能とな
る。ここで、TiO2の表面を処理する無機水酸化物お
よび/または無機酸化物はチタン、アルミニウム、珪
素、ジルコニウム、錫、亜鉛、アンチモンからなる群か
ら選ばれた少なくとも1つの水酸化物または酸化物を使
用することが有効である。このようにTiO2の高誘電
体粒子に表面処理を施すことにより、シリコーンゴム等
のベースゴム中におけるTiO2の分散性は飛躍的に向
上し、結果として高誘電性組成物(コンパウンド)のt
anδを著しく低減することが可能となる。
【0021】こうして得られた高誘電率層11Dは、室
温から90〜105℃といった、CVケーブルの運転時
に起り得る温度域に至るまで、殆ど一定した誘電率εお
よびtanδを供するため、カーボンブラック等を配合
してこれまでに実用化されている従来の高誘電率材料と
比較して、接続部設計上、極めて有利である。従来の、
例えば、エチレン系重合体のベース材料にカーボンブラ
ックを配合し、室温において、誘電率が20前後、ta
nδが3〜4%を有する高誘電率材料では、90℃では
誘電率が30〜40、tanδが20%を越えてしまう
問題があるからである。
【0022】
【実施例】本発明に係るプレモールド型ゴム絶縁筒11
を110kVCV1×400mm 2の架橋ポリエチレン
絶縁電力ケーブルの接続部に適用した実施例を説明す
る。接続部は次の3つの手法により製作した。
【0023】<接続方法1>ケーブル端部を所定の寸法
に段剥ぎした後、電動削り機およびガラス削りにてケー
ブル外部半導電層14を除去し、図2に示すケーブル端
末16を形成した。さらに、図3に示すように、ケーブ
ルシースの外周に、あらかじめ拡径保持用パイプ17で
拡径状態に保持してあるプレモールド型ゴム絶縁筒11
を素通しして移動しておく。次いで、導体同士をスリー
ブ型の圧着端子にて接続して導体の接続部12を形成し
た後、その外周にケーブル絶縁体13の外径に対し1m
m以内の寸法分だけわずかに縮径した外径を有する2つ
割構造の金属製金具15を装着する。この金属製金具1
5は、その内部に介在する導体の接続部12の前記圧着
端子と電気的な接点を有するようにする。上記の作業が
終了した後、あらかじめ素通しし、ケーブルシース18
上に移動しておいた、拡径状態にある前記ゴム絶縁筒1
1を導体の接続部12の周上に移動する。さらに、この
ゴム絶縁筒11を拡径状態に維持しておいた拡径保持用
パイプ17を適宜、ゴム絶縁筒11の内面から除去する
ことにより、ゴム絶縁筒11を収縮させて、導体の接続
部12およびケーブル絶縁体13を覆い、且つケーブル
外部半導電層14に跨るように、これらの外周に装着し
て接続部を製作した。
【0024】<接続方法2>ケーブル端部を所定の寸法
に段剥ぎした後、電動削り機およびガラス削りにてケー
ブル外部半導電層14を除去し、図2に示すケーブル端
末16を形成した。次いで、プレモールド型ゴム絶縁筒
11を、図4に示すように予め段剥ぎしたケーブル絶縁
体13、ケーブル外部半導電層14の上に挿入する。さ
らに、導体同士をスリーブ型の圧着端子にて接続して導
体の接続部12を形成した後、その外周にケーブル絶縁
体13の外径に対し1mm以内の寸法分だけわずかに縮
径した外径を有する2つ割構造の金属製金具15を装着
する。この金属製金具15は、その内部に介在する導体
の接続部12の前記圧着端子と電気的な接点を有するよ
うにする。上記の作業が終了した後、あらかじめ挿入
し、ケーブル絶縁体13、ケーブル外部半導電層14の
上に移動しておいた、ゴム絶縁筒11を導体の接続部1
2の周上に移動することにより、導体の接続部12およ
びケーブル絶縁体13を覆い、且つケーブル外部半導電
層14に跨るように、これらの外周に装着して接続部を
製作した。
【0025】<接続方法3>ケーブル端部を所定の寸法
に段剥ぎした後、電動削り機およびガラス削りにてケー
ブル外部半導電層14を除去し、図2に示すケーブル端
末16を形成した。さらに接続するケーブル導体両端
に、それぞれプラグイン・コンタクト・タイプの圧着端
子12Aを圧縮形成する。次いで、あらかじめその内部
にプラグイン・コンタクト・タイプの導体接続端子12
Bを装着しているプレモールド型ゴム絶縁筒11内に、
図5に示すように上記圧着端子付ケーブルを両側より挿
入し、前記圧着端子12Aをゴム絶縁筒11に装着され
た導体接続端子12Bに挿入して導体の接続部12を形
成することにより、ゴム絶縁筒11を導体の接続部12
およびケーブル絶縁体13を覆い、且つケーブル外部半
導電層(図示せず)に跨るように、これらの外周に装着
して接続部を製作した。次に上記接続部の形成に使用し
たプレモールド型ゴム絶縁筒11の構造(組成、寸法)
および接続方法(施工方法)は表1に示す通りである。
すなわち、実験に供したゴム絶縁筒11は全部で21種
類(本発明の実施例16例、比較例5例)であり、ゴム
絶縁筒外径(表1の接続部外径)は155mmと160
mmの2種類であり、補強絶縁層11Bの組成はシリコ
ーンゴム、EPゴムおよびエチレン系エラストマーの3
種類であり、高誘電率層11Dの厚みは0.5mm、2
mm、4mmおよび5mmの3種類と高誘電率層を形成
しない場合であり、高誘電率層の組成は表2に示す通り
14種類であり、接続方法は上記の通り3種類である。
【0026】
【表1】
【0027】表2には、前記表1に提示された高誘電率
層11Dを構成する高誘電性組成物(組成1〜14)の
具体的組成および特性が提示されている(該表の番号1
〜14が表1の組成1〜14に対応する)。なお、表2
に示すεは誘電率を意味する。
【0028】
【表2】 ベース材料1;シリコーンゴム ベース材料2;エチレン−プロピレンゴム ベース材料3;エチレン系エラストマー 高誘電体粒子1;TiO2 商品名;RLX−A(古河機械金属社製) 高誘電体粒子2;TiO2 商品名;TM−1(富士チタン社製) 高誘電体粒子3;TiO2 商品名;FA−80(古河機械金属社製) 高誘電体粒子4;BaTiO3 商品名;BT−206(富士チタン社製)
【0029】さらに、上記3つの接続方法により形成し
たCVケーブルの接続部について、表3に示す試験条件
にて交流および雷インパルス電圧破壊試験を実施した。
それぞれの破壊電圧を表4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】上記表4に示す交流/雷インパルス電圧破
壊試験結果によると、本発明に係る実施例1〜16のプ
レモールド型ゴム絶縁筒を用いた接続部では、交流破壊
電圧320kVおよび雷インパルス破壊電圧±850k
Vにおいて、いずれも破壊(BD)しなかった。
【0033】これに対し、プレモールド型ゴム絶縁筒に
おいて、比較例1のように高誘電率層の誘電率が4.2
の場合、比較例2のように誘電率が11の場合、比較例
3のように高誘電率層の厚みが5mmの場合、および比
較例4〜5のように高誘電率層を形成しない場合、交流
破壊電圧では、320kVにおいて、いずれも破壊しな
かったものの、雷インパルス破壊電圧では、いずれも±
850kVより低い電圧値で破壊した。なお、比較例2
の接続部(試料)では、ゴム絶縁筒に亀裂が発生してい
た。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、ゴム系
材料をベースゴムにして形成された内部導電層、補強絶
縁層および外部導電層を備えたプラスチック絶縁電力ケ
ーブル接続用のプレモールド型ゴム絶縁筒において、前
記内部導電層の周上に、厚さ4mm以下、誘電率5〜1
0の高誘電率層が形成されてなるから、内部導電層の外
周部分、特に先端部分の電界を緩和することができ、そ
の電気特性を向上させることができ、その結果、前記ゴ
ム絶縁筒11の絶縁厚を薄くすることが可能となり、そ
のゴム絶縁筒の寸法をコンパクトにし、その取扱いが容
易になる。また、このゴム絶縁筒を用いたプラスチック
絶縁電力ケーブル接続部の形状の小型化を図ることがで
き、現場における接続部の組立作業を簡素化し、作業能
率を高めると共に、接続部の設置スペースも小さくでき
ることにより、接続部の形成に要する費用を低減させる
ことができる。また、内部導電層のモールド成形時に発
生するパーティング・ラインの処理部分等に生成する微
小な突起の先端に集中する高電界の緩和も可能になるた
め、そのゴム絶縁筒の製造において生じる局所的な欠陥
を減少させ、プレモールド型ゴム絶縁筒の製造の歩留ま
りを高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレモールド型ゴム絶縁筒を用い
たCVケーブルの接続部の主要構成を示す半部断面図で
ある。
【図2】各種接続方式におけるケーブル端部の切削処理
された状態を示す説明図である。
【図3】接続方法1の接続部形成方法を示す説明図であ
る。
【図4】接続方法2の接続部形成方法を示す説明図であ
る。
【図5】接続方法3の接続部形成方法を示す説明図であ
る。
【図6】1ピース・プレモールド型ゴム絶縁筒を用いた
CVケーブル接続部の断面説明図である。
【図7】(イ)(ロ)は各種接続方式におけるケーブル
端部の切削処理された状態を示す説明図である。
【図8】(イ)はプレモールド型ゴム絶縁筒を用いた接
続部の断面模式図(一部省略)、(ロ)はEMJの断面
模式図(一部省略)である。
【図9】接続部の外径とケーブルオフセット寸法の関係
を示すもので、(イ)はEMJの場合、(ロ)はプレモ
ールド型ゴム絶縁筒を用いた接続部の場合の説明図であ
る。
【符号の説明】
10 プラスチック絶縁電力ケーブル接続部 11 プレモールド型ゴム絶縁筒 11A 内部導電層 11B 補強絶縁層 11C 外部導電層 11D 高誘電率層 12 導体の接続部 12A 圧着端子 12B 導体接続端子 13 ケーブル絶縁体 14 ケーブル外部半導電層 15 金属製金具 16 ケーブル端末 17 拡径保持用パイプ 18 ケーブルシース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G375 AA02 BA26 BB46 CA02 CA14 CB03 CB05 CB21 CB39 CB44 CB47 CB53

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム系材料をベースゴムにして形成され
    た内部導電層、補強絶縁層および外部導電層を備えたプ
    ラスチック絶縁電力ケーブル接続用のプレモールド型ゴ
    ム絶縁筒において、前記内部導電層の周上に、厚さ4m
    m以下、誘電率5〜10の高誘電率層が形成されてなる
    ことを特徴とするプレモールド型ゴム絶縁筒。
  2. 【請求項2】 前記高誘電率層が、ベースゴム100重
    量部に対してBaTiO3およびTiO2の少なくとも1
    種からなる高誘電体粒子50〜200重量部を含む高誘
    電性組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の
    プレモールド型ゴム絶縁筒。
  3. 【請求項3】 前記高誘電性組成物に含まれる高誘電体
    粒子がTiO2であり、かつ該TiO2はルチル型構造の
    ものを95%以上含んでおり、かつ表面を無機水酸化物
    および/または無機酸化物にて処理したものであること
    を特徴とする請求項2に記載のプレモールド型ゴム絶縁
    筒。
  4. 【請求項4】 TiO2の表面を処理する無機水酸化物
    および/または無機酸化物がチタン、アルミニウム、珪
    素、ジルコニウム、錫、亜鉛、アンチモンからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1つの水酸化物または酸化物であ
    ることを特徴とする請求項3に記載のプレモールド型ゴ
    ム絶縁筒。
  5. 【請求項5】 ベースゴムが、シリコーンゴムであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のプレモールド型ゴム絶縁筒。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    のプレモールド型ゴム絶縁筒を、ケーブルの端部を段剥
    ぎして露出した導体の接続部、その両側のケーブル絶縁
    体および外部半導電層を覆うように装着したことを特徴
    とするプラスチック絶縁電力ケーブル接続部。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040046857A (ko) * 2002-11-28 2004-06-05 엘지전선 주식회사 Cv케이블용 가스중 종단 접속함
US6787703B2 (en) 2001-11-27 2004-09-07 Fujikura Ltd. Connection structure and connection member for electrical connection of power cables
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