JP2001126562A - 複合碍管及びcvケーブル乾式終端接続部 - Google Patents
複合碍管及びcvケーブル乾式終端接続部Info
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Abstract
芯材1の上端及び下端に装着された金具2、3と、芯材
1の外周に被覆された高分子材料の絶縁被覆部4とから
なる複合碍管の、耐電圧特性を向上させる。 【解決手段】 絶縁被覆部4の下端から絶縁被覆部の長
さの1/3までの区間の、絶縁被覆部4の内層部分を、
絶縁被覆部4より誘電率の高い高誘電率層5で構成す
る。電界が緩和され、耐電圧特性が向上する。
Description
端部等に設置される複合碍管と、CVケーブル乾式終端
接続部に関するものである。
配電線での利用が増加している。従来の複合碍管は、図
14に示すように、ガラス繊維強化樹脂よりなる中空
(又は中実)の芯材1と、この芯材1の上端及び下端に
取り付けられた上部金具2及び下部金具3と、前記芯材
1の外周面に被覆された高分子材料の絶縁被覆部4とで
構成されている。絶縁被覆部4は円筒部4aの外周に一
定間隔で多数の笠部4bを形成した形態である。
インド材としては機械的強度と絶縁性にすぐれたエポキ
シ系樹脂が主に使用され、絶縁被覆部の高分子材料とし
ては絶縁性と撥水性にすぐれたシリコーンゴムが主に使
用されている。
ブル端末部を挿入した後、ケーブル端末部と芯材内面の
間の空隙に、絶縁性の油又はコンパウンド等を充填し
て、電気絶縁性を高めている。複合碍管に電力ケーブル
端末部を挿入する場合は、ケーブルの端末部を段剥ぎし
た状態で挿入するが、そのままではケーブル絶縁層のシ
ース先端部に電界が集中してしまうため、ケーブル端末
部にストレスコーンを装着して電界を緩和している。
コーンを装着したとしても、ストレスコーンの外側に位
置する複合碍管の芯材及び絶縁被覆部で電界が集中し、
この電界集中部で絶縁破壊または表面閃絡を引き起こす
という問題がある。さらに、ケーブル導体と直結してい
る上部金具付近においても、電界の集中に起因する絶縁
破壊または表面閃絡を引き起こすという問題がある。
チレン絶縁電力ケーブル)端部のケーブル絶縁体の外周
に多段に笠部を有する高分子材料の絶縁被覆部を設け、
この絶縁被覆部の基部とケーブル絶縁体との間にストレ
スコーンを設けてなるCVケーブル乾式終端接続部にお
いても生じている。
み、電界の集中を緩和して耐電圧特性を向上させた複合
碍管及びCVケーブル乾式終端接続部を提供することに
ある。
本発明は、ガラス繊維強化樹脂よりなる芯材と、この芯
材の上端及び下端に取り付けられた金具と、前記芯材の
外周に被覆された多段に笠部を有する高分子材料の絶縁
被覆部とからなる複合碍管において、前記絶縁被覆部の
上端から中間まで若しくは下端から中間まで又はその両
方の、少なくとも内層部分を、前記絶縁被覆部より誘電
率の高い高誘電率絶縁層で構成したことを特徴とするも
のである。上記のように高誘電率絶縁層を設けると、電
界の集中が緩和され、耐電圧特性が向上する。
い、絶縁被覆部の下端からの中間までの区間、好ましく
は絶縁被覆部の下端から絶縁被覆部の長さの1/3の区
間に設けるとよい。また高誘電率絶縁層は、電界の集中
が厳しい、絶縁被覆部の上端からの中間までの区間、好
ましくは絶縁被覆部の上端から絶縁被覆部の長さの2/
3の区間に設けるとよい。
材料で構成することが好ましい。これは、誘電率が5未
満では所望の電界緩和効果をもたらすことができず、ま
た誘電率が20を越えると高誘電率絶縁層の先端に電界
が集中し、そこが新たな電気的弱点となり易いからであ
る。また高誘電率絶縁層の厚さは、絶縁被覆部の円筒部
の厚さの3/4以下であることが好ましい。これは、絶
縁被覆部の外面まで高誘電率絶縁層が形成されている
と、高誘電率絶縁層の先端部分への電界集中度が高くな
り、高誘電率絶縁層を設けた効果が少なくなるからであ
る。
にも形成されていてもよい。また本発明の中空の複合碍
管を用いて電力ケーブル終端部を構成する場合は、内部
に用いるモールド絶縁体、ストレスコーン及びケーブル
絶縁体のいずれかの外周部又は全ての外周部に高誘電率
絶縁層を設けると、同終端部の耐電圧特性の向上にさら
に効果的である。さらに、碍管の上端に位置する上部金
具に、シールドリングを形成すると、碍管上端部におけ
る電界の緩和に、より効果的である。
ル絶縁体の外周に、多段に笠部を有する高分子材料の絶
縁被覆部を設け、この絶縁被覆部の基部とケーブル絶縁
体との間にストレスコーンを設けてなるCVケーブル乾
式終端接続部にも適用でき、その場合は、前記ストレス
コーン近傍の絶縁被覆部内に高誘電率絶縁層を設けたこ
とを特徴とするものである。
参照して詳細に説明する。図1〜図6はそれぞれ本発明
に係る複合碍管の実施形態を示す。図において、1はガ
ラス繊維強化樹脂よりなる中空の芯材、2は芯材1の上
端に取り付けられた上部金具、3は芯材1の下端に取り
付けられた下部金具、4は芯材1の外周に被覆されたシ
リコーンゴムよりなる絶縁被覆部、5は絶縁被覆部4の
上端又は下端から中間までの区間に設けられた高誘電率
絶縁層である。絶縁被覆部4は従来同様、円筒部4aと
笠部4bから構成されている。
ら絶縁被覆部の長さの1/3までの区間の、絶縁被覆部
4の内層部分を高誘電率絶縁層5で構成したものであ
る。図2の複合碍管は、絶縁被覆部4の上端から絶縁被
覆部の長さの2/3までの区間の、絶縁被覆部4の内層
部分を高誘電率絶縁層5で構成したものである。図3の
複合碍管は、絶縁被覆部4の下端から絶縁被覆部の長さ
の1/5までの区間の、絶縁被覆部4の内層部分を高誘
電率絶縁層5で構成したものである。図4の複合碍管
は、絶縁被覆部4の下端から絶縁被覆部の長さの1/3
までの区間の、絶縁被覆部4の全層を高誘電率絶縁層5
で構成したものである。図5の複合碍管は、絶縁被覆部
4の上端から絶縁被覆部の長さの2/3までの区間の、
絶縁被覆部4の全層を高誘電率絶縁層5で構成したもの
である。図6の複合碍管は、絶縁被覆部4の下端から絶
縁被覆部の長さの1/3までの区間の、絶縁被覆部4の
内層部分を笠部4bの内部も含めて高誘電率絶縁層5で
構成したものである。
リコーンゴムに、充填材としてカーボンブラック又は炭
化珪素、酸化チタン若しくはチタン酸バリウム等の高誘
電率粒子を配合したものである。ベースゴムにシリコー
ンゴムを使用すると、絶縁被覆部4との接着性がよくな
るため界面特性が向上するという利点がある。また高誘
電率絶縁層5は絶縁被覆部4と一体で架橋することが好
ましい。両者を一体で架橋すると、両者間の接着性がさ
らによくなり、複合碍管の絶縁破壊特性をさらに向上さ
せることができる。また、高誘電率絶縁層及び/又は絶
縁被覆部を構成するゴム組成物のベース材料として、接
着性を有するものを使用すると、その界面あるいはゴム
層とFRP層の界面の接着性が向上し、碍管全体の特性
向上に効果的である。
合、その添加量はベース樹脂100重量部に対して10
〜100重量部とすることが好ましい。また充填材とし
て高誘電率粒子を用いる場合、その添加量はベース樹脂
100重量部に対して50〜500重量部とすることが
好ましい。これは、ベース樹脂100重量部に対し、カ
ーボンブラックを100重量部を越えて又は高誘電率粒
子を500重量部を越えて配合すると、得られるコンパ
ウンドの可撓性が著しく低下するからである。
説明する。まずガラス繊維強化樹脂で中空円筒状の芯材
1を製作し、その両端に金具2、3を圧着により取り付
ける。次に芯材1の表面に高誘電率絶縁層5を設ける。
高誘電率絶縁層5は芯材1上に金型成形するか、予めチ
ューブ状に成形したものをゴム弾性力で芯材1上に被せ
ることにより設けられる。
る架橋剤によって異なる。架橋剤として過酸化物を使用
する場合は、150℃から180℃で5分から30分程
度加熱する必要がある。また架橋剤として白金化合物を
使用する場合は、70℃から180℃で1分から60分
程度の加熱が必要となる。後者は比較的低温で架橋反応
が進むのが特徴であり、架橋剤として白金化合物を使用
することは、高誘電率絶縁層を架橋する際の熱履歴で芯
材1の強度を低下させないという利点がある。また、高
誘電率絶縁層5を芯材1上で架橋する際に、芯材表面に
プライマー層を形成することにより芯材1と高誘電率絶
縁層5の接着性を向上させることができる。
ち、絶縁被覆部4を形成する。絶縁被覆部を形成する場
合は、ベースゴムとしてシリコーンゴムを使用し、架橋
剤として過酸化物又は白金化合物を使用する。シリコー
ンゴムは液状のものを使用すると笠部の成形性がよい。
また高誘電率絶縁層の表面にプライマリー層を形成して
おくと、高誘電率絶縁層と絶縁被覆部との接着性を高め
ることができる。
終端接続部についての試験結果を、従来の複合碍管を使
用したケーブル終端接続部と比較して表1に示す。交流
破壊電圧は、初期課電電圧/時間が200kV/30
分、ステップ課電電圧/時間が20kV/30分の条件
で測定した。
ば、絶縁被覆部の上端から中間まで又は下端から中間ま
での少なくとも内層部分を高誘電率絶縁層で置換した複
合碍管は、従来の複合碍管に比較して交流破壊電圧が向
上していることがわかる。また実施例1と8、6と9の
比較によれば、交流破壊電圧を向上させる効果は、高誘
電率絶縁層の厚さが、シリコーンゴム層の厚さ4mmに
対して2〜3mmである場合に最も大きいことがわか
る。また実施例1と7の比較によれば、交流破壊電圧を
向上させる効果は、高誘電率絶縁層の長さが長いほど大
きいことがわかる。さらに実施例1〜4と従来例1の比
較によれば、交流破壊電圧を向上させる効果は、高誘電
率絶縁層の誘電率が5〜20のときに大きいことがわか
る。
複合碍管は、シリコーンゴムよりなる絶縁被覆部4の両
端から笠2枚目までの区間(碍管表面の電界集中部)
の、絶縁被覆部4の全層を高誘電率絶縁層5で構成した
ものである。それ以外の構成は図1〜図6に示した実施
形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付して
ある。図7のような構成にすると、絶縁被覆部4の両端
部表面の電界集中が緩和され、碍管表面の漏れ電流を抑
制することができ、耐電圧の高い複合碍管を得ることが
できる。
析結果を、図9は同じサイズの従来の複合碍管の電界の
解析結果を示したものである。図8の方が絶縁被覆部の
両端部で絶縁被覆部表面の電界が緩和されていることが
分かる。図7の複合碍管の高誘電率絶縁層5はシリコー
ンゴムにカーボンブラックを混入して誘電率ε=10と
したものである。カーボンブラックを混入しないシリコ
ーンゴムは誘電率ε=3〜4である。
ブル乾式終端接続部の一実施形態を示し、同図(b)は
それに対応する従来のCVケーブル乾式終端接続部を示
す。図において、11はCVケーブル、12はケーブル
絶縁体、13はケーブル導体、14は導体引出棒、15
は上部金具、16は下部金具、17は多段に笠部を有す
るシリコーンゴム製の絶縁被覆部、18はストレスコー
ンである。(a)の本発明の終端接続部が(b)の従来
の終端接続部と異なる点は、ストレスコーン18近傍の
絶縁被覆部17内に2層に高誘電率絶縁層5a、5bを
設けたことである。内層側の高誘電率絶縁層5aはスト
レスコーン18の内部から外部にかけて設けられ、外層
側の高誘電率絶縁層5bはストレスコーン18の外部に
内層側の高誘電率絶縁層5aと一部ラップするように設
けられている。高誘電率絶縁層5a、5bとしては誘電
率ε=10〜20のものが用いられる。
ストレスコーン付近の電界の解析結果を示す。これに対
し高誘電率絶縁層が内層のみの場合の電界の解析結果は
図12のとおりであり、高誘電率絶縁層のない従来の乾
式終端接続部の電界の解析結果は図13のとおりであっ
た。いずれも154kV乾式終端接続部で、高誘電率絶
縁層5a、5bの誘電率ε=15、絶縁被覆部17の胴
部の最大径170mm、笠部の最大径290mm、基準電圧
は93kV(=154 ×√3 ×1.15/1.1)である。図12
のものは図13のものより絶縁被覆部表面の電界が緩和
され、図11のものは図12、図13のものより絶縁被
覆部表面の電界が大幅に緩和されることが分かる。絶縁
被覆部17の表面の最大電界は、図13のもので1.08k
V/mm、図12のもので1.04kV/mm(従来より3%低
減)、図11のもので0.98kV/mm(同10%低減)であ
った。
ラス繊維強化樹脂よりなる芯材の外周に高分子材料の絶
縁被覆部を設けた複合碍管及び高分子材料の絶縁被覆部
を有するCVケーブル乾式終端接続部の耐電圧特性を向
上させることができる。
截正面図。
半截正面図。
を示す半截正面図。
を示す半截正面図。
を示す半截正面図。
を示す半截正面図。
を示す断面図。
フ。
電界の解析結果を示すグラフ。
端接続部の一実施形態を示す半截正面図、(b)は
(a)の終端接続部に対応する従来のCVケーブル乾式
終端接続部を示す半截正面図。
果を示すグラフ。
電率絶縁層が1層の場合の解析結果を示すグラフ。
のCVケーブル乾式終端接続部の電界の解析結果を示す
グラフ。
Claims (7)
- 【請求項1】ガラス繊維強化樹脂よりなる芯材と、この
芯材の上端及び下端に取り付けられた金具と、前記芯材
の外周に被覆された多段に笠部を有する高分子材料の絶
縁被覆部とからなる複合碍管において、前記絶縁被覆部
の上端から中間まで若しくは下端から中間まで又はその
両方の、少なくとも内層部分を、前記絶縁被覆部より誘
電率の高い高誘電率絶縁層で構成したことを特徴とする
複合碍管。 - 【請求項2】高誘電率絶縁層が、絶縁被覆部の下端から
絶縁被覆部の長さの1/3の区間に設けられていること
を特徴とする請求項1記載の複合碍管。 - 【請求項3】高誘電率絶縁層が、絶縁被覆部の上端から
絶縁被覆部の長さの2/3の区間に設けられていること
を特徴とする請求項1記載の複合碍管。 - 【請求項4】高誘電率絶縁層が、誘電率5〜20の材料
で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の
いずれかに記載の複合碍管。 - 【請求項5】高誘電率絶縁層の厚さが、絶縁被覆部の円
筒部の厚さの3/4以下であることを特徴とする請求項
1〜4のいずれかに記載の複合碍管。 - 【請求項6】絶縁被覆部の笠部が高誘電率絶縁層で構成
されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
かに記載の複合碍管。 - 【請求項7】CVケーブル端部のケーブル絶縁体の外周
に、多段に笠部を有する高分子材料の絶縁被覆部を設
け、この絶縁被覆部の基部とケーブル絶縁体との間にス
トレスコーンを設けてなるCVケーブル乾式終端接続部
において、前記ストレスコーン近傍の絶縁被覆部内に高
誘電率絶縁層を設けたことを特徴とするCVケーブル乾
式終端接続部。
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- 1999-10-27 JP JP30494399A patent/JP4043670B2/ja not_active Expired - Fee Related
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