JP2003277562A - 高誘電率ゴム組成物 - Google Patents

高誘電率ゴム組成物

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享 高橋
Hiroshi Niinobe
洋 新延
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Abstract

(57)【要約】 【課題】20以上の高誘電率を有するにもかかわらず、
誘電正接、絶縁破壊電圧、絶縁抵抗等の電気特性の低下
が少なく、加工性、機械特性がよく、エチレン・プロピ
レンゴム、シリコーンゴムとの融着一体化が可能な高誘
電率ゴム組成物を得ること、またこの高誘電率ゴム組成
物からなる電界緩和層などとして用いられるケーブル用
部品を得ることにある。 【解決手段】比誘電率5以上のフッ素ゴムにチタン酸バ
リウム系粉末を配合して比誘電率20以上の高誘電率ゴ
ム組成物とする。この高誘電率ゴム組成物からケーブル
接続部の電界緩和層2などの部品を形成する。この部品
は、エチレン・プロピレンゴムまたはシリコーンゴムを
主体とするゴム組成物からなる内部電極1や絶縁層3な
どの他の部品と共架橋して融着一体化した複合部品であ
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力ケーブルの
接続部、終端部等の電界不整部となりやすい箇所に配置
され、電界緩和を行うために用いられるテープ、チュー
ブ等の電力ケーブル用部品、この部品と他の部品との複
合部品およびこれら電力ケーブル用部品を構成する高誘
電率ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブルとして汎用されているCV
ケーブルの接続部、終端部では、ゴムモールド、ゴムテ
ープ巻き、エポキシ注型品などの絶縁部品が使用されて
手作業で絶縁層が形成されるため、電極処理部や界面部
が電気的欠陥になりやすい。このような部位の具体例と
しては、内部電極処理部、外部半導電層処理部、ストレ
スコーン立ち上がり部、ケーブルコア/接続部品界面部
などがある。
【0003】これらの接続部、終端部は、ほとんどが手
作業で組み立てられるため、電極処理部や界面部には、
突起、異物、ボイド等の欠陥が作業時に持ち込まれやす
く、組み立てには細心の注意と高度の専門技術が要求さ
れ、施工時間、施工コストの増大につながっている。
【0004】上記の欠陥が持ち込まれやすく、電界不整
となりやすい電極処理部や界面部の電界を緩和するため
に、これらの部位に比誘電率が高い電界緩和層を配置す
るアイデアが、古くから知られている。この場合、電界
緩和効果を大きくするためには電界緩和層の比誘電率は
できるだけ高いことが望ましい。
【0005】このため、カーボンブラックなどの導電性
フィラーを充填した高比誘電率ゴム組成物やアクリルゴ
ム、フッ素ゴムなどの高誘電性ゴムあるいはエチレン・
プロピレンゴム、シリコーンゴムにチタン酸バリウム系
粉末などの高誘電率フィラーを充填したゴム組成物など
の使用が検討されている。
【0006】しかしながら、カーボンブラックなどの導
電性フィラーを配合した導電性フィラー充填ゴムでは、
導電性粒子の連鎖が形成されることから、比誘電率の増
大に伴って誘電正接(tanδ)、絶縁破壊電圧(BD
V)、絶縁抵抗(ρ)の電気特性が大きく低下し、その
実際の適用には問題があった。
【0007】また、高誘電性ゴムであるアクリルゴム、
フッ素ゴムでは、比誘電率は高々5〜10程度であり、
大きな電界緩和効果を期待することはできない。また、
このアクリルゴム、フッ素ゴムからなる電界緩和層など
の部材にあっては、エチレン・プロピレンゴム、シリコ
ーンゴムからなる他の絶縁部材、例えば半導電性の内部
電極や絶縁層との融着性が、両者のゴムの相溶性が大き
く異なることから、乏しく一体化が困難であり、その界
面での電気的不整が生じて電気特性が低下する不都合あ
る。
【0008】また、エチレン・プロピレンゴム、シリコ
ーンゴムに、チタン酸バリウム、酸化チタンなどの高誘
電率フィラーを充填したゴム組成物においても、比誘電
率を20以上と高くするには、そのフィラーの充填量を
ゴム100重量に対して1000重量部程度と多量にす
る必要があり、誘電正接(tanδ)、絶縁破壊電圧
(BDV)の電気特性が大きく低下し、加工性、機械特
性も大幅に低下するなどの問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、比誘電率が20以上の高誘電率を有するにも
かかわらず、誘電正接(tanδ)、絶縁破壊電圧(B
DV)、絶縁抵抗(ρ)等の電気特性の低下が少なく、
加工性、機械特性がよく、エチレン・プロピレンゴム、
シリコーンゴムとの融着一体化が可能な高誘電率ゴム組
成物を得ること、またこの高誘電率ゴム組成物からなる
電界緩和層などとなるケーブル用部品を得ることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、請求項1にかかる発明は、比誘電率5以上のフッ
素ゴムにチタン酸バリウム系粉末が配合され、比誘電率
20以上であることを特徴とする高誘電率ゴム組成物で
ある。
【0011】請求項2にかかる発明は、比誘電率5以上
のフッ素ゴムにチタン酸バリウム系粉末が配合され、過
酸化物架橋され、比誘電率20以上であることを特徴と
する高誘電率ゴム組成物である。請求項3にかかる発明
は、請求項1または2記載の高誘電率ゴム組成物からな
ることを特徴とする電力ケーブル用部品である。
【0012】請求項4にかかる発明は、請求項3記載の
部品が、エチレン・プロピレンゴムまたはシリコーンゴ
ムを主体とする過酸化物架橋性ゴム組成物からなる他の
部品と接合され、この架橋性ゴム組成物からなる他の部
品との共架橋により一体化されていることを特徴とする
電力ケーブル用複合部品である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施形態に基づいて、本発
明を詳しく説明する。本発明の高誘電率ゴム組成物のベ
ースポリマーとなるゴムとしては、比誘電率が5以上の
フッ素ゴムが用いられ、非架橋状態または過酸化物架橋
による架橋状態で用いられる。
【0014】フッ素ゴムとは、分子内にフッ素原子を有
するエラストマーであって、例えば三フッ化塩化エチレ
ンとフッ化ビニリデンとの共重合体などが用いられる。
そして、その比誘電率が5以上のなるべく高い品種を選
択することが、後述するチタン酸バリウム系粉末の配合
量を低減できて好ましい。
【0015】また、このフッ素ゴムに充填、配合される
チタン酸バリウム系粉末としては、できるだけ比誘電率
が高いものが用いられ、具体的には室温(25℃)から
90℃の温度領域において、その比誘電率が2,000
〜20,000のものが選べれ、かつその粒子径が1〜
10μmの粉末が用いられる。チタン酸バリウム系粉末
には、種々のグレードがあるが、ストロンチウム系の添
加剤を添加して誘電率を高めた工業用グレードのものが
よい。
【0016】このチタン酸バリウム系粉末の比誘電率に
おいて、室温から90℃と温度範囲を定めたのは、この
温度域が電力ケーブルの使用温度域であるからである。
また、比誘電率を2,000以上としたのは、2,00
0未満ではフッ素ゴムへの充填量が多くなって、ゴム組
成物の誘電正接、絶縁破壊電圧、絶縁抵抗等の電気特
性、加工性、機械特性の低下が著しくなるからである。
【0017】ところで、工業用グレードのチタン酸バリ
ウム系粉末は、酸化チタンと炭酸バリウムとの水溶液中
での反応で得られた粉末を水洗、仮焼、粉砕等の工程を
経て製造される。このため、工業用グレードのチタン酸
バリウム系粉末には、多くのイオン性不純物が含まれて
いる。
【0018】このようなイオン性不純物を含むチタン酸
バリウム系粉末を多量に充填したゴム組成物にあって
は、高周波用途のコンデンサとは異なり、低周波の商用
周波数域では、ゴム組成物の誘電正接、絶縁破壊電圧、
絶縁抵抗等の電気特性を大きく低下させることになる。
【0019】このため、このイオン性不純物を除去した
チタン酸バリウム系粉末を用いることが好ましい。イオ
ン性不純物の除去には、例えば脱イオン水で水洗する方
法、脱イオン水を用い、超音波洗浄する方法などがあ
る。
【0020】このチタン酸バリウム系粉末のフッ素ゴム
への配合量は、得られるゴム組成物の比誘電率を20以
上とするために、フッ素ゴム100重量部に対して10
0〜300重量部の範囲とされ、チタン酸バリウム系粉
末の比誘電率により左右されるが、100重量部未満で
はゴム組成物の比誘電率が20未満となり、300重量
部を超えるとゴム組成物の誘電正接、絶縁破壊電圧、絶
縁抵抗等の電気特性、加工性、機械特性を低下させるこ
とになる。
【0021】また、フッ素ゴムが過酸化物架橋された場
合のチタン酸バリウム系粉末の配合による誘電正接、絶
縁破壊電圧、絶縁抵抗等の電気特性の低下原因は、上述
のチタン酸バリウム系粉末に付着したイオン性不純物の
単独作用ではなく、過酸化物架橋の際に生じる架橋剤分
解残渣、例えば過酸化物としてジクミルパーオキサイド
を用いたときには、アセトフェノン、クミルアルコール
と上記イオン性不純物との複合作用による界面分極に起
因していることが判明した。
【0022】したがって、過酸化物架橋された高誘電率
ゴム組成物では、誘電正接、絶縁破壊電圧、絶縁抵抗等
の電気特性の低下防止のためには、チタン酸バリウム系
粉末のイオン性不純物除去もしくは過酸化物架橋剤分解
残渣除去のいずれか一方もしくは両方を行えば良いこと
になる。架橋剤分解残渣の除去は、架橋後のゴム組成物
を100〜140℃の温度で、6〜24時間加熱するこ
とで行われる。この加熱は、窒素等の非酸化性雰囲気中
で行われることが望ましい。
【0023】一般に、フッ素ゴムは、アミン架橋、ポリ
オール架橋、過酸化物架橋などのいくつかの架橋方法で
架橋できることが知られている。この発明では、チタン
酸バリウム系粉末を配合したフッ素ゴムを過酸化物架橋
法により架橋することで、エチレン・プロピレンゴムま
たはシリコーンゴムとの共架橋を行い、両者のゴムを融
着一体化することができる。
【0024】電力ケーブルの接続部などにおいては、電
界緩和層以外に半導電性ゴム組成物からなる内部電極や
絶縁性ゴム組成物からなる絶縁層が存在し、これらの部
材はエチレン・プロピレンゴムまたはシリコーンゴムを
主体とするゴム組成物から構成されていることが多い。
そして、上記電界緩和層は、これら内部電極や絶縁層と
融着一体化していることが、上述のように、良好な電気
特性を得る上で重要とされている。
【0025】このため、本発明の高誘電率ゴム組成物か
らなる電界緩和層にあっても、これら内部電極や絶縁層
と融着一体化することが求められるのである。エチレン
・プロピレンゴムまたはシリコーンゴムの架橋は、通常
過酸化物架橋で行われており、本発明の高比誘電率ゴム
組成物でも過酸化物架橋を行うようにすれば、共架橋が
なされ、その架橋時に両者が融着一体化する。
【0026】図1は、半導電性エチレン・プロピレンゴ
ム組成物からなる内部電極1上に、本発明の高比誘電率
ゴム組成物からなる電界緩和層2を形成し、この電界緩
和層2上にエチレン・プロピレンゴム組成物からなる絶
縁層3を形成した構造のCVケーブルの接続部の例を示
すものである。
【0027】この接続部の構造において、内部電極1お
よび絶縁層3をなすエチレン・プロピレンゴム組成物に
過酸化物を配合しておき、電界緩和層2をなす本発明の
高比誘電率ゴム組成物には過酸化物を配合しないでお
き、これらを組み立て後に同時に加熱し、エチレン・プ
ロピレンゴム組成物に配合されている過酸化物を溶融
し、これを隣接する電界緩和層2をなす高比導電率ゴム
組成物に浸透させて、これら三者を同時に架橋し、融着
一体化することができる。
【0028】また、電界緩和層2をなす高誘電率ゴム組
成物を予めテープ状に成形し、軽く過酸化物架橋してお
き、このテープを巻回して内部電極1上に電界緩和層2
を形成し、この電界緩和層2上に絶縁層3を形成した状
態で、加熱して、同様に三者を共架橋し、融着一体化す
ることもできる。図1に例示した接続部において、内部
電極1および絶縁層3が、シリコーンゴム組成物からな
る場合でも、同様に共架橋により電界緩和層2と融着一
体化することができる。なお、図1において、符号4は
導体接続管を、5はケーブルの導体を、6はケーブルの
絶縁体を、7は外部電極を、8はケーブルの外部半導電
層を示す。
【0029】本発明で架橋に使用される過酸化物は、特
に限定されるものではなく、通常ゴムの架橋に使用され
ている過酸化物が使用され、例えばジクミルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル2,5−ジ(第3ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイドなどが用い
られる。また、トリアリルイソシアネートなどの架橋助
剤を併用することもできる。
【0030】本発明の高誘電率ゴム組成物では、チタン
酸バリウム系粉末以外に、加工性改善のためのプロセス
オイル、酸化防止剤、滑剤、ワックスなどの添加剤を誘
電率に影響がない範囲で適宜添加することができる。
【0031】本発明の電力ケーブル用部品は、この高誘
電率ゴム組成物からなり、非架橋あるいは架橋されたも
のである。具体的には、この高誘電率ゴム組成物を成形
してチューブやテープの形態とし、このものを電力ケー
ブルの接続部、終端部の電極処理部、ストレスコーン立
ち上がり部、界面部等に厚さ1〜5mm程度の電界緩和
層として設けられるものである。架橋は、電界緩和層2
としてから行っても良く、チューブやテープの状態で予
め架橋しておいても良い。
【0032】本発明の電力ケーブル用複合部品は、上記
高誘電率ゴム組成物からなり、電界緩和層として機能す
る部品と、エチレン・プロピレンゴムまたはシリコーン
ゴムを主体とする過酸化物が配合された架橋性ゴム組成
物からなる他の部品とが、共架橋され、融着一体化され
たものである。この他の部品とは、上述のように内部電
極や絶縁層となる部品を言う。共架橋は、電界緩和層、
内部電極、絶縁層等を組み立てた後、これらを同時に加
熱して行う。
【0033】このような高誘電率ゴム組成物にあって
は、20以上の高比誘電率を有し、しかも誘電正接、絶
縁破壊電圧、絶縁抵抗等の電気特性の低下がないものと
なり、良好な電界緩和効果を発揮しうるものとなる。ま
た、ベースゴムに比誘電率が5以上のフッ素ゴムを使用
しているため、チタン酸バリウム系粉末の配合量が少な
くとも20以上の比誘電率が得られ、これによりゴム組
成物の加工性、機械特性の低下が少ないものとなる。ま
た、チタン酸バリウム系粉末としてイオン性不純物を除
去したものを用い、架橋剤分解残渣を除去したもので
は、さらに誘電正接、絶縁破壊電圧、絶縁抵抗等の電気
特性の低下が抑えられたものとなる。
【0034】したがって、この高誘電率ゴム組成物を用
いて得られた電力ケーブル用部品では、このものを電力
ケーブルの接続部、終端部の電極処理部、ストレスコー
ン立ち上がり部、界面部等に電界緩和層として配置する
ことにより、これら部位に多少の突起、異物、ボイド等
の欠陥が作業時に持ち込まれたとしても、これによる電
界緩和が有効に作用し、これら欠陥に起因する放電等の
不具合が生じない。よって、組み立て作業に高い専門技
術を必要とすることが少なくなり、作業が簡単に短時間
で行うことができる。
【0035】また、この高誘電率ゴム組成物を過酸化物
架橋するようにすれば、エチレン・プロピレンゴムまた
はシリコーンゴムを主体とする過酸化物架橋性のゴム組
成物と共架橋することができ、両者のゴムを融着一体化
することができる。このため、高誘電率ゴム組成物から
なる電界緩和層と、エチレン・プロピレンゴムまたはシ
リコーンゴムからなる内部電極や絶縁層とを接合一体化
した複合部品が得られ、電気的特性の優れた接続部等が
得られる。
【0036】以下、具体例を示す。 (1)フッ素ゴム(ダイキン製 「ダイエルT−63
0」 比誘電率7.7)100重量部に、セラミックコ
ンデンサー用チタン酸バリウム系粉末(富士チタン製
「BT−206」 比誘電率16500(常温))を1
50重量部、過酸化物として2,5−ジメチル2,5−
ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン2重量部、架橋助
剤としてトリアリルイソシアヌレート4重量部を配合
し、この組成物を170℃で20分間加熱架橋し、さら
に180℃で240分加熱して架橋剤残渣および水分を
除去した。得られたゴム組成物の比誘電率は25であっ
た。
【0037】(2)エチレン・プロピレンゴム(一般的
なプロセスオイル、酸化防止剤を含む)100重量部
に、先のものと同じチタン酸バリウム系粉末を800重
量部、過酸化物としてジクミルパーオキサイド4重量部
を配合し、この組成物を160℃で30分間加熱架橋し
た。得られたゴム組成物の比誘電率は25であった。
【0038】この2種のゴム組成物を、図1に示すケー
ブル接続部における電界緩和層2として用いることによ
り、接続部を作製した。比較のため、電界緩和層2とし
て通常のエチレン・プロピレンゴムからなる絶縁ゴム組
成物(比誘電率3.5)を用いた接続部も作製した。内
部電極1および絶縁層3はエチレン・プロピレンゴムを
主体とするゴム組成物で作製した。電界緩和層2の被覆
厚さは1mm、絶縁層の厚さは16mmとした。
【0039】得られた3種のケーブル接続部の50Hz
での交流破壊電圧(BDV)を求めた。また、電界緩和
層2の誘電正接(tanδ)を求めた。結果を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果から、(1)のゴム組成物に比
べ、(2)のゴム組成物では比誘電率は同じであるが、
(2)のゴム組成物は誘電正接が大きいので絶縁破壊電
圧が低くなっている。また、比較のエチレン・プロピレ
ンゴムからなる絶縁ゴム組成物では比誘電率が低く、電
界緩和効果がないので、さらに絶縁破壊電圧はさらに低
い値となっている。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高誘電率
ゴム組成物にあっては、比誘電率5以上のフッ素ゴムに
チタン酸バリウム系粉末を配合したものであり、比誘電
率が20以上の高い値を有し、しかも 誘電正接、絶縁
破壊電圧、絶縁抵抗等の電気特性の低下がないものとな
り、良好な電界緩和効果を発揮しうるものとなる。ま
た、チタン酸バリウム系粉末の配合量を少なくすること
ができるので、得られる高誘電率ゴム組成物の加工性、
機械特性の低下が少ないものとなる。
【0043】本発明の電力ケーブル用部品では、このも
のを電力ケーブルの接続部、終端部の電極処理部、スト
レスコーン立ち上がり部、界面部等に電界緩和層として
配置することにより、これら部位に作業時に多少の突
起、異物、ボイド等の欠陥が持ち込まれたとしても、こ
の電界緩和層による電界緩和が有効に作用し、これら欠
陥に起因する放電等の不具合が生じない。よって、接続
部等の組み立て作業に高い専門技術を必要とすることが
少なくなり、作業が簡単に短時間で行うことができる。
【0044】本発明の電力ケーブル用複合部品では、上
記高誘電率ゴム組成物からなる誘電緩和層などの部品
と、内部電極や絶縁層などをなすエチレン・プロピレン
ゴムまたはシリコーンゴムを主体とするゴム組成物から
なる他の部品とが、共架橋により融着一体化しているの
で、良好な電気的特性を有する接続部を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力ケーブル用部品を用いたケーブル
接続部の概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・内部電極、2・・・電界緩和層、3・・・絶縁
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA26 AB20 AC08 AC12 AE02 AE17 AF36 AF40 AH12 4J002 BD121 DE186 EK007 EK037 EK047 FD016 FD147 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比誘電率5以上のフッ素ゴムにチタン酸バ
    リウム系粉末が配合され、比誘電率20以上であること
    を特徴とする高誘電率ゴム組成物。
  2. 【請求項2】比誘電率が以上のフッ素ゴムにチタン酸バ
    リウム系粉末が配合され、過酸化物架橋され、比誘電率
    20以上であることを特徴とする高誘電率ゴム組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の高誘電率ゴム組成
    物からなることを特徴とする電力ケーブル用部品。
  4. 【請求項4】請求項3記載の部品が、エチレン・プロピ
    レンゴムまたはシリコーンゴムを主体とする過酸化物架
    橋性ゴム組成物からなる他の部品と接合され、この架橋
    性ゴム組成物からなる他の部品との共架橋により一体化
    されていることを特徴とする電力ケーブル用複合部品。
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