JP2000310613A - 電気泳動用チップとその製造方法、該電気泳動用チップを用いた電気泳動装置及び荷電性物質の分離方法 - Google Patents

電気泳動用チップとその製造方法、該電気泳動用チップを用いた電気泳動装置及び荷電性物質の分離方法

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JP2000310613A
JP2000310613A JP11093451A JP9345199A JP2000310613A JP 2000310613 A JP2000310613 A JP 2000310613A JP 11093451 A JP11093451 A JP 11093451A JP 9345199 A JP9345199 A JP 9345199A JP 2000310613 A JP2000310613 A JP 2000310613A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電性物質の分離に適し、取り扱い性と簡便
性とを合わせ持ち、しかも再現性と生産性の良い電気泳
動用チップ及びその製造方法と、その電気泳動用チップ
を用いた電気泳動装置を提供する。 【解決手段】板状部材(A)とシール部材(B)とから
なり、板状部材(A)が、板厚方向に貫通した1個以上
の注入孔(C)と、板厚方向に貫通又は非貫通の1個以
上の排出孔(D)と、一方の面に形成される注入孔
(C)と排出孔(D)とを連結する1個以上の溝(E)
とを有し、シール部材(B)が電極(F)を有し、シー
ル部材(B)が板状部材(A)の溝形成面に接合されて
いることを特徴とする電気泳動用チップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャピラリー電気泳
動に利用される電気泳動用チップとその製造方法、該電
気泳動用チップを用いた電気泳動装置及び荷電性物質の
分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン、有機酸、アミノ酸、タンパク
質、核酸、糖、ウイルス、細胞等の荷電性物質を分離す
る一般的な方法として電気泳動法が広く利用されてい
る。特に核酸やタンパク質等の生体物質やその他の低分
子物質といったごく微量物質を分離同定する手法として
キャピラリー電気泳動法がある。これは、内径が100
ミクロン以下程度のガラス細管(キャピラリー)を用
い、この中に電気泳動用緩衝液や分子ふるい用ポリマ等
の分離用媒体を充填し、キャピラリーの一端に試料を導
入した後その両端に高電圧を印加して試料をキャピラリ
ー内で移動させ、その電荷や分子量の差などにより分離
し、これをUV吸収や蛍光などにより検出するものであ
る。このキャピラリー電気泳動法は長所として、1)必
要試料量がごく微量で済む、2)分離特性に優れる、
3)高速分離が可能、4)様々の分離モードにより幅広
い試料分析に対応可能、などが挙げられるが、従来、キ
ャピラリーは内径が100ミクロン以下程度のファイバ
ー状であるためその強度は非常に低く、キャピラリーの
交換等の作業は極めて取り扱いにくいものであった。ま
た、複数回キャリピラリを使用するためにはその度に洗
浄する必要もあり、分析方法としてはユーザの簡便性の
面でも問題があった。
【0003】これに対し、キャピラリー電気泳動法の概
念をさらに推し進めた一般に「マイクロチップケミスト
リー」と呼ばれる手法が提案されている(D.J.Harriso
n.ら:Analytical Chemistry,1992年,64巻,1926-1932
頁)。これは、ガラス基板上に微細溝をつくり、それを
もう一枚の基板と貼り合わせることによりキャピラリー
を形成させて、この流路中でキャピラリー電気泳動を行
うというというものである。このキャピラリーを内在し
たガラス基板を貼り合わせたものがマイクロチップと呼
ばれている。構造としては、2枚のガラス基板を張り合
わせて形成されたキャピラリー部の端部に、電気泳動用
緩衝液や分子ふるい用ポリマ、及び分析試料を供給する
ための液溜め部を有したものが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のマイクロチップ
ケミストリーという手法では、キャピラリーがマイクロ
チップ内に形成されたことで、取り扱い性は従来のキャ
ピラリー電気泳動法に比べ大きく改善されたが、簡便性
の面では、分析作業における電圧印加の為の電極接合や
装置への固定といった面倒な付随作業が伴い、十分なも
のではない。例えば、電極接合は、分析装置或いは高電
圧電源からの電気端子の白金線を液溜まり部に挿入固定
するという作業が必要で、高価な白金線を分析毎に洗浄
して使うといった面倒さがあり、この洗浄作業が不十分
であると分析対象物質以外のコンタミの心配があった。
また、ガラス基板の孔加工の難しさから、従来のチップ
は、キャピラリー形成のための2枚のガラス基板のうち
の一方の基板部材に溝を、他方の基板部材に液溜まり用
孔を設けていた。このため、それぞれの部材が構造体と
しての必要強度から、厚さが1mm程で剛性が高いこと
が必要であり、貼り合わせ時に密着不足が生じ易くエア
の巻き込み等の問題があり、品質の再現性が低かった。
【0005】本発明はかかる状況に鑑みなされたもの
で、荷電性物質の分離に適し、取り扱い性と簡便性とを
合わせ持ち、しかも再現性と生産性の良いキャピラリー
を内在する電気泳動用チップとその製造方法、その電気
泳動用チップを用いた電気泳動装置及び荷電性物質の分
離方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記の課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、注入孔と排出
孔、それらを連結する溝を有する板状部材と電極を有す
るシール部材とを接合した電気泳動用チップを作製する
ことにより上記の目的を達成し得ることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)板状部材
(A)とシール部材(B)とからなり、板状部材(A)
が、板厚方向に貫通した1個以上の注入孔(C)と、板
厚方向に貫通又は非貫通の1個以上の排出孔(D)と、
一方の面に形成される注入孔(C)と排出孔(D)とを
連結する1本以上の溝(E)とを有し、シール部材
(B)が電極(F)を有し、シール部材(B)が板状部
材(A)の溝形成面に接合されていることを特徴とする
電気泳動用チップ、(2)注入孔(C)と排出孔(D)
をそれぞれ2個以上有し、溝(E)を2本以上有し、か
つ溝(E)のうちの少なくとも2本が交差していること
を特徴とする上記(1)記載の電気泳動用チップ、
(3)電極(F)が接合する板状部材(A)の注入孔
(C)及び排出孔(D)の開口部及び/又はその周辺部
に相当するシール部材(B)の接合面上にあることを特
徴とする上記(1)又は上記(2)記載の電気泳動用チ
ップ、(4)シール部材(B)がさらに電極(F)と密
接した電気回路(G)を有することを特徴とする上記
(1)〜(3)記載のいずれかの電気泳動用チップ、
(5)板状部材(A)及び/又はシール部材(B)がア
クリル系樹脂又はスチレン系樹脂製であることを特徴と
する上記(1)〜(4)記載のいずれかの電気泳動用チ
ップ、(6)シール部材(B)がフィルム状であること
を特徴とする上記(1)〜(5)記載のいずれかの電気
泳動用チップ、(7)板状部材(A)が電気泳動用装置
に位置決めされるための突起、凹み及び穴のうちのいず
れかひとつ以上を有することを特徴とする上記(1)〜
(6)記載のいずれかの電気泳動用チップ、(8)板厚
方向に貫通する1個以上の注入孔(C)と、板厚方向に
貫通又は非貫通の1個以上の排出孔(D)と、片面上に
注入孔(C)と排出孔(D)とを連結する1本以上の溝
(E)とを形成した板状部材(A)を、溝(E)形成面
を内側にして、注入孔(C)及び排出孔(D)の開口部
及び/又はその周辺部に相当する位置に電極(F)を形
成したシール部材(B)と接合して、製造することを特
徴とする電気泳動用チップの製造方法、(9)電極
(F)を印刷、真空蒸着、スパッタリング及びイオンプ
レーティングのいずれかにより形成することを特徴とす
る上記(8)記載の電気泳動用チップの製造方法、(1
0)板厚方向に貫通する1個以上の注入孔(C)と、板
厚方向に貫通又は非貫通の1個以上の排出孔(D)と、
片面上に注入孔(C)と排出孔(D)とを連結する1本
以上の溝(E)とを形成した板状部材(A)を、溝
(E)形成面を内側にして、注入孔(C)及び排出孔
(D)の開口部及び/又はその周辺部に相当する位置に
電極(F)を形成したシール部材(B)と接合し、次に
電気回路(G)をシール部材(B)の接合面の反対面上
に電極(F)密接するよう形成して、製造することを特
徴とする電気泳動用チップの製造方法、(11)電極
(F)及び電気回路(G)を印刷、真空蒸着、スパッタ
リング及びイオンプレーティングのいずれかにより形成
することを特徴とする上記(10)記載の電気泳動用チ
ップの製造方法、(12)板状部材(A)とシール部材
(B)との接合が熱融着によりなされることを特徴とす
る上記(8)〜(11)記載のいずれかの電気泳動用チ
ップの製造方法、(13)上記(1)〜(7)記載のい
ずれかの電気泳動用チップ若しくは請求上記(8)〜
(12)記載のいずれかの製造方法により得られる電気
泳動用チップを用いる電気泳動用装置、(14)上記
(1)〜(7)記載のいずれかの電気泳動用チップ若し
くは請求上記(8)〜(12)記載のいずれかの製造方
法により得られる電気泳動用チップを用いることを特徴
とする荷電性物質の分離方法。(15)上記(13)記
載の電気泳動用装置を用いることを特徴とする荷電性物
質の分離方法、(16)荷電性物質が荷電性分子又は荷
電性粒子である上記(14)又は上記(15)記載の荷
電性物質の分離方法、(17)荷電性分子がイオン、有
機酸、アミノ酸、タンパク質、核酸及び糖のいずれか
で、荷電性粒子がウイルス又は細胞である上記(16)
記載の荷電性物質の分離方法、(18)分離用媒体とし
て高分子ゲルを用いることを特徴とする上記(14)〜
上記(17)記載のいずれかの荷電性物質の分離方法、
(19)高分子ゲルが非交差型高分子ゲルであることを
特徴とする上記(18)記載の荷電性物質の分離方法、
(20)非交差型高分子ゲルが直鎖状ポリアクリルアミ
ド、直鎖状ハイドロキシエチルセルロース、直鎖状ハイ
ドロキシプロピルメチルセルロース、直鎖状ハイドロキ
シプロピルセルロース、直鎖状メチルセルロース、直鎖
状ポリエチレングリコール及び直鎖状ポリエチレンオキ
サイドのいずれかである上記(19)記載の荷電性物質
の分離方法、である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる板状部
材(A)は、板厚方向に貫通した注入孔(C)と、貫通
又は非貫通の排出孔(D)と、それらを連結する溝
(E)とを有する部材である。
【0009】板状部材(A)に用いられる材料は、UV
吸収や蛍光などにより検出することを考慮し透明又は半
透明の材料であることが必要であるが、特に限定される
ものではない。再現性向上の観点からは、注型可能なガ
ラス、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の型で成形可能な
ものが好ましい。絶縁性や成形の自由度から樹脂材料で
あることがより好ましい。また、樹脂材料は、弾力性が
あるために接触面積が面圧により確保でき、ガラス基材
のものより有利な電気条件となり好ましい。特に熱可塑
性樹脂材料は生産性の面からも有効であり、ポリメチル
メタクリレート、ポリアクリレート等のアクリル系樹
脂、ポリスチレン、スチレンコポリマ等のスチレン系樹
脂、ポリカーボネート、ナイロン6、ナイロン66、ポ
リエチレンテレフタレートなどが好ましい。中でも、透
明性及び蛍光特性の面で、アクリル系樹脂とスチレン系
樹脂がより好ましく、ポリメチルメタクリレート、ポリ
スチレンがさらに好ましい。また、本発明の電気泳動用
チップは生産性が高く化学的検体を扱うために、使い捨
て製品として使用されることも考えられ、このような観
点からは生分解性プラスチックであることが好ましい。
生分解性プラスチックとしては、例えば、マタービー
(ノバモント社(伊)製商品名)等の澱粉を利用したポ
リマ、セルグリーンP−CA(ダイセル化学工業株式会
社製商品名)、ルナーレZT(日本触媒化学工業株式会
社製商品名)等のセルロースエステル系ポリマ、ビオノ
ーレ(昭和高分子社製商品名)等の脂肪族ポリエステル
系ポリマ、エコプレ(カーギル社(米)製商品名)等の
ポリ乳酸系ポリマ、ポリヒドロキシブチレート/バリレ
ート等の微生物ポリエステルなどが挙げられる。
【0010】板状部材(A)のサイズは、片手で取り扱
い易いように10mm角〜150mm角程度の大きさが
好ましく、20mm角〜100mm角がより好ましく、
電気泳動装置小型化の観点からは30mm角〜50mm
角がさらに好ましい。また、板状部材(A)の板厚は、
成形性、取り扱い性の観点から0.2mm〜5mm程度
が好ましく、1mm〜2mmがより好ましい。板状部材
(A)の成形方法は特に限定するものではないが、例え
ば、金型を用いて射出成形、注入成形、プレス成形等で
成形する方法や、機械加工で成形する方法などが挙げら
れるが、金型を用いる方法が寸法、形状共に再現性が高
いものが得られるために好ましい。
【0011】板状部材(A)に形成される注入孔(C)
は、電気泳動用緩衝液、分子ふるい用ポリマ等の分離用
媒体を含む泳動液や分析対象物質を含む試料液等の供給
のための液溜め部であり、板厚方向に貫通した形で1個
以上の孔が形成されることが必要である。注入孔(C)
のサイズは、泳動液や試料液が注入できる大きさであれ
ば特に制限はないが、注入作業の観点から内径が0.5
〜10mmの範囲に設定されることが好ましく、1〜5
mmがより好ましい。
【0012】板状部材(A)に形成される排出孔(D)
は、電気泳動用緩衝液、分子ふるい用ポリマ等の分離用
媒体を含む泳動液や分析対象物質を含む試料液等の排出
のための液溜め部であり、板厚方向に貫通又は非貫通の
形で1個以上の孔が形成されることが必要である。排出
孔(D)のサイズは、注入孔(C)に注入された泳動液
や試料液が十分排出できる大きさであれば特に制限はな
いが、作業上の観点から内径が1〜10mmの範囲に設
定されることが好ましく、2〜5mmがより好ましい。
【0013】板状部材(A)に形成される溝(E)は、
分析対象試料や電気泳動用緩衝液や分子ふるい用ポリマ
等の分離用媒体を含む泳動液を導入したり、分離したり
するための流路(導入流路または分離流路)となるため
のもので、注入孔(C)と排出孔(D)とを連結するよ
う形成されることが必要である。試料を分離するための
分離流路は必ず必要であるが、この分離流路は導入流路
を兼ねることができるので、溝(E)は板状部材(A)
に少なくとも1本は形成されることが必要である。分離
流路と導入流路とは兼用が可能であるが、分析精度の観
点からは、分離流路と導入流路とを互いに接する別々の
溝とすることが好ましい。分析精度の向上には、分析対
象試料液の容量を制御する手法が有効であるが、試料の
導入流路と分離流路とが同一の溝で構成される場合は分
離流路中に導入される試料液の容量の制御が難しい。分
離流路と導入流路とを互いに接する別々の溝とした場合
には、導入された試料液の一部を分離流路に導入するこ
とが可能であるため、試料液量の制御が容易で分析精度
が向上する。試料液量の制御の観点からは、分離流路と
導入流路とは互いに交差していることがより好ましく、
交差角は特に限定はないが、交差部の試料液が分離流路
に導入されることを鑑みると、交差空間は菱形形状より
も直方形状の方が泳動像がよりシャープになり好ましい
ので、交差角は直角に近いほうが好ましい。また、分離
流路と導入流路を別に設けることも、分離流路と導入流
路をそれぞれ複数設けることも可能であるので、溝
(E)は2本以上の複数形成されていてもよい。分離流
路を複数設けることで、複数の分析対象物質を同時に分
離分析することが可能となる。分離流路となる複数の溝
(E)は、それぞれ並列に形成され、ほぼ平行に並んで
いることが、分析感度の観点から好ましい。複数の分析
対象物質を同時に分離分析する場合、分析対象物質を含
む試料液の供給や排出のための液溜め部である注入孔
(C)と排出孔(D)は、分析対象物質ごとに別々に用
意されることが好ましいので、分離流路が試料の導入流
路を兼ねている2本以上の溝(E)には、それぞれ両端
に独立した別個の注入孔(C)と排出孔(D)とが連結
していることが好ましい。試料の導入流路が分離流路と
は別に用意されいる場合は、導入流路となる2本以上の
溝(E)には、それぞれの両端に独立した別個の注入孔
(C)と排出孔(D)とが連結していることが好ましい
が、分離流路となる2本以上の溝(E)にはそれぞれ独
立した別個の注入孔(C)と排出孔(D)を用意しなく
てもよい。すなわち、1個の注入孔(C)と1個の排出
孔(D)とを連結する溝(E)が2本以上あって、別個
の溝(E)が同じ注入孔(C)と排出孔(D)を共有す
る場合があってもかまわない。この場合、2本以上の溝
(E)に連結した注入孔(C)と排出孔(D)は、泳動
液の導入又は排出のための液溜り部として使用すること
ができるが、分析対象物質を含む試料液の導入用の液溜
り部として使用することは好ましくない。溝(E)の形
状は、分析の精度、形態により任意に設計でき、例え
ば、直線状でも、ループ状でも、くの字型でも、複雑に
折れ曲がった形状でもかまわない。複数の溝を形成させ
る場合には、溝同士を平行に並列しても、交差させて
も、並列と交差が混在していてもよく、いかなる設計も
可能であるが、取り扱い性と分析精度の観点からは、分
析試料の分離流路と導入路とを別々の溝として、それら
を直交するよう設計することが好ましい。溝(E)のサ
イズは分析対象の物質が分離できれば特に限定はなく任
意に設計できるが、取り扱い性、成形性、電気泳動装置
の小型化の観点から、幅は10〜2000μmが好まし
く、20〜1000μmがより好ましく、30μm〜5
00μmがさらに好ましい。深さは5〜1000μmが
好ましく、5〜500μmがより好ましく、10μm〜
100μmがさらに好ましい。長さは5mm〜150m
m程度が好ましく、より好ましくは10mm〜100m
m、さらに好ましくは、15〜50mmである。
【0014】注入孔(C)、排出孔(D)及び溝(E)
の形成方法は特に限定するものではないが、例えば、金
型を用い、射出成形や注入成形、プレス成形といった生
産性の高い工法を適用することで寸法、形状共に再現性
が高いものが得られるが機械加工で形成することもでき
る。注入孔(C)、排出孔(D)及び溝(E)の形成
は、それぞれべつべつにどの順序で行ってもかまわない
が、1回の成形で全てを同時に行う手法が工程が少なく
なり簡便である。
【0015】本発明において用いられるシール部材
(B)は、電極(F)を有する部材であり、キャピラリ
ーを形成するために、板状部材(A)の溝(E)が形成
されている面に接合させることが必要である。
【0016】シール部材(B)の材料は、UV吸収や蛍
光などにより検出することを考慮し透明又は半透明の材
料で、シールしやすいようフィルム状に成形できる樹脂
材料が好ましい。特に熱可塑性樹脂材料は生産性の面か
らも有効であり、ポリメチルメタクリレート、ポリアク
リレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン
コポリマ等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ナイ
ロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレートな
どが好ましい。中でも、透明性及び蛍光特性の面で、ア
クリル系樹脂とスチレン系樹脂がより好ましく、ポリメ
チルメタクリレート、ポリスチレンがさらに好ましい。
また、使い捨て製品として使用される場合は、生分解性
プラスチックが好ましい。生分解性プラスチックとして
は、例えば、マタービー(ノバモント社(伊)製商品
名)等の澱粉を利用したポリマ、セルグリーンP−CA
(ダイセル化学工業株式会社製商品名)、ルナーレZT
(日本触媒化学工業株式会社製商品名)等のセルロース
エステル系ポリマ、ビオノーレ(昭和高分子社製商品
名)等の脂肪族ポリエステル系ポリマ、エコプレ(カー
ギル社(米)製商品名)等のポリ乳酸系ポリマ、ポリヒ
ドロキシブチレート/バリレート等の微生物ポリエステ
ルなどが挙げられる。
【0017】シール部材(B)に形成される電極(F)
は、電圧印加して電位差により分析対象試料を溝(E)
によって形成された流路(キャピラリー)を移動させる
ことにより、試料を分離するために使用するもので、試
料や泳動液の導入流路及び分離流路の両端の液溜め部す
なわち注入孔(C)及び排出孔(D)の開口部周辺にあ
ることが必要であるので、板状部材(A)とシール部材
(B)が接合した時注入孔(C)及び排出孔(D)の開
口部に対応する位置に来るように形成されることが必要
である。但し、この電極(F)を接合面側に設けるとシ
ールが不完全となり、注入孔(C)及び排出孔(D)か
らの液漏れの不具合が発生しやすくなる。そこで、接合
面側に設けた電極は、スルーホール構造にしてその一部
をシール部材(B)の反対面側に回し、すきまがないよ
うに成形することが好ましい。
【0018】電極(F)への電圧印加には、パワーサプ
ライ等の高電圧供給源から白金等の配線を用いて行うこ
とが可能であるが、操作の簡便性の観点から、シール部
材(B)にさらに電気回路(G)を形成することが好ま
しい。電気回路(G)は、電極(F)に密接するように
形成されることが必要である。本発明においては、溝
(E)形成面にシール部材(B)が接合しており、この
面に回路形成するとシールが不完全となる場合が生じ、
液漏れの不具合を招き易いため、電気回路(G)はその
大部分がシール部材(B)の接合面とは反対側の面上に
形成されることが好ましいが、電極(F)と接触させる
ために一部が接合面に出ていてもよい。電極(F)を接
合面のみに形成しておき、電気回路(G)をスルーホー
ル回路の構造にして、接合面の電極(F)部からシール
部材(B)の反対面に回りこむよう成形してもよい。
【0019】電極(F)及び電気回路(G)の形成方法
としては、特に限定はなく、メッキ工法、印刷工法、蒸
着工法等従来からある種々の工法が適用できるが、メッ
キ工法は板状部材(A)が透明樹脂の場合は薬液に対す
る保護等の面で取り扱いが難しく、生産性の観点から印
刷工法又は蒸着工法が好ましい。中でも真空蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティング等の蒸着工法が好ま
しい。スルーホール部については密着性を考慮した設計
を適用することが好ましい。電極(F)及び電気回路
(G)は、両者が一体化した形の一体化物として形成し
てもよい。電極(F)及び電気回路(G)の材質は、導
電性のある材料であれば特に限定はなく、例えば、金、
銀、銅、白金、アルミニウム、カーボン等が挙げられ
る。中でも、電極(F)の材質は、電極表面部での液に
よる腐食等で接触電気抵抗が変化すると泳動条件に悪影
響を及ぼす可能性があるため、金、銀、白金、カーボン
等の耐食性の良い材料が好ましい。電気回路(G)の材
質は、価格や使い易さの観点から銀、白金、銅、アルミ
ニウムが好ましく、銀、白金がより好ましい。板状部材
(A)及び/又はシール部材(B)が樹脂製の場合に
は、この樹脂と密着性のよい樹脂系のバインダーを用い
た銀ペースト等が好ましい。電極(F)及び電気回路
(G)の厚みは、通電に支障がなければ特に限定される
ものではないが、印刷工法の導電膜の場合、1〜100
μmが好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。ス
パッタリングまたはイオンプレーティングの金属膜の場
合、0.005μm〜20μmが好ましく、0.01μ
m〜5μmがより好ましい。電極(F)及び電気回路
(G)の幅は、0.1mm〜20mmが好ましく、0.
5mm〜10mmがより好ましく、1〜5mmがさらに
好ましい。
【0020】シール部材(B)に電極(F)が形成され
ることで、従来の煩わしい電極接続作業をすることな
く、簡単に電気泳動チップ上の電極と配線とを接触させ
ることができる。また、電気回路(G)が形成されるこ
とで配線もさらに簡便化され、試料液に配線が直接触れ
ないために分析毎の洗浄も不要となる。
【0021】シール部材(B)と板状部材(A)とを接
合させる方法としては、両者が密着して溝(E)の開口
部がシール部材によって封鎖されてキャピラリーが形成
され、注入孔(C)と排出孔(D)の開口部の少なくと
も一方がシール部材によって封鎖されて液溜め部が形成
される方法であれば特に限定はないが、例えば、機械的
に対向する面を圧接させるように接合させる方法、接着
剤を用いる方法、熱融着による方法等が挙げられる。シ
ール部材(B)が弾力性を持つ場合は、別の部材を介し
てシール部材(B)を板状部材(A)に押し付け固定す
るか、または、シール部材を変移(圧縮)させた状態で固
定する等の方法により、溝(E)、電極(F)及び電気
回路(G)の周りでの密着したシールが容易にでき、キ
ャピラリー形成ができる。接着剤を用いてシール部材
(B)と板状部材(A)とを接合させる場合は、溝
(E)のサイズによっては接着剤が流れ込み管路が消失
或いは大きく変化する心配があり、微細な溝には適用が
難しい。本発明の板状部材(A)は、液溜まり用の注入
孔(C)及び排出孔(D)と溝(E)とを有するので、
従来の溝を有する部材と液溜まり孔を有する部材とを貼
り合わせたマイクロチップと比較して溝と孔の位置を合
わせるなどの手間が省け、シール部材(B)を板状部材
(A)に接合する際の位置決めが容易で、自由度の高い
設計、選択ができる。また、再現性が高く、分析精度が
向上する利点を有する。
【0022】シール部材(B)の形状は、シールできる
形状であれば特に限定はなく、板状、フィルム状等が挙
げられるが、成形性の観点からは、フィルム状が好まし
い。特に、シール部材(B)と板状部材(A)とを熱融
着により接合させる場合は、フィルム状のシール部材を
用いることが好ましい。フィルムは薄くすることで低い
熱量で熱融着でき、しかも低熱量であるために溝(E)
を変形させることも少ない。また、蛍光やUV吸光によ
る検出時のノイズ低減の観点からもフィルム状であるこ
とが好ましい。溝(E)が微細な溝の場合にもフィルム
状のシール部材が好適である。シール部材(B)のサイ
ズは、接合する板状部材(A)と同程度の大きさが好ま
しい。シール部材(B)の厚みは、成形性、密着性の観
点から、フィルム状の場合は1〜250μm程度が好ま
しく、5〜100μmがより好ましく、10μm〜80
μmがさらに好ましい。板状の場合は、0.05mm〜
10mm程度の厚さが好ましく、0.2mm〜5mmが
より好ましく、0.5mm〜2mmがさらに好ましい。
【0023】シール部材(B)の成形方法は、シールし
やすい形に成形されれば特に限定はないが、例えば、金
型を用いて射出成形、注入成形、プレス成形等で成形す
る方法や、機械加工で成形する方法、インフレーション
成形、カレンダー成形、ダイ押出成形等のフィルム状に
成形される方法などが挙げられ、中でもフィルム状に成
形される方法が好ましい。板状に成形する場合には、金
型を用いる方法が寸法、形状共に再現性が高いものが得
られるために好ましい。また、フィルム状に成形された
市販の材料をシール部材(B)として用いることもでき
る。
【0024】本発明の電気泳動用チップは、板状部材
(A)とシール部材(B)とを、板状部材(A)の溝
(E)形成面を内側にして接合し、溝(E)の開口部が
シール部材によって封鎖されてキャピラリーが形成され
ればよく、いかなる方法においても製造することができ
るが、例えば次のような方法が挙げられる。注入孔
(C)、排出孔(D)及び溝(E)を形成した板状部材
(A)と電極(F)を形成したシール部材(B)とを接
合する方法、注入孔(C)、排出孔(D)及び溝(E)
を形成した板状部材(A)と電極(F)及び電気回路
(G)を形成したシール部材(B)とを接合する方法、
注入孔(C)、排出孔(D)及び溝(E)を形成した板
状部材(A)と電極(F)を形成したシール部材(B)
とを接合した後に、シール部材(B)に電気回路(G)
を形成する方法、注入孔(C)、排出孔(D)及び溝
(E)を形成した板状部材(A)とシール部材(B)と
を接合した後に、シール部材(B)に電極(F)及び電
気回路(G)を形成する方法等が挙げられる。本発明の
電気泳動用チップは、電気泳動用緩衝液や分子ふるい用
ポリマ等の分離用媒体があらかじめ充填されていてもよ
い。
【0025】本発明の電気泳動用チップを用いて分析を
行う電気泳動用装置は、分析対象物質を含む試料の導入
流路または分離流路の両端に電位差を与えて分析対象物
質を電気泳動させるために電極(F)又は電気回路
(G)に電圧を印加するための手段、分析対象物質に光
を照射するための手段、分析対象物質からの検出光を測
定するための手段、電気泳動用チップを位置決めする手
段とを備えるものである。
【0026】電圧を印加するための手段は、パワーサプ
ライ等の電圧を発生させるための電源と配線を備えるも
ので、電源は装置と一体化したものでなくてもよいが、
装置を小型化する観点からは装置の中に一体に組み込ま
れたものが好ましい。
【0027】分析対象物質に光を照射するための手段
は、少なくとも光を発生するための光源を備えるもの
で、光源から発せられる光を効率的に照射するためには
集光手段も備えていることが好ましい。光源としては特
に制限はないが、例えば、水銀ランプ、QIランプ(石
英ーヨウ素ランプ)、フォトダイオード、発光ダイオー
ド(LED)、EL(electroluminescence)等が挙げ
られる。また、レーザ光源も用いることができる。集光
手段も特に制限はないが、例えば、ダイクロイックミラ
ー、光フィルタ、対物レンズ、プリズムレンズ等のレン
ズ、マイクロレンズ、光ファイバーなどが挙げられ、こ
れらを1種あるいは2種以上組み合わせて用いることが
できる。集光手段としてレンズを用いる場合、球面レン
ズと非球面レンズのどちらを用いてもかまわないが、焦
点の合わせやすさの観点から集光面積が小さい場合には
非球面レンズが好ましく、これらレンズは集光面積に応
じて1枚又は2枚以上複数重ねて用いることができる。
励起光を照射する場合には、ダイクロイックミラーや光
フィルタを用いることが好ましい。レーザ光源を用いる
場合には、複数のプリズムレンズを備えてドット状のレ
ーザ光源を拡大して全走査線を含有するようにすること
が好ましい。
【0028】分析対象物質からの検出光を測定するため
の手段は、少なくとも光検出器を備えるもので、測定感
度の観点からは集光手段を備えていることが好ましい。
励起光が照射される場合には検出する光は蛍光となる。
光検出器は特に限定はないが、例えば、蛍光検出器、光
電子倍増管(フォトマル)、CCD、フォトダイオード
等が挙げられる。集光手段も特に制限はないが、例え
ば、ダイクロイックミラー、光フィルタ、球面又は非球
面のレンズ、マイクロレンズ等が挙げられる。
【0029】電気泳動用チップを位置決めする手段とし
ては特に制限はないが、例えば、電気泳動用チップの形
状に合うように設計された突起、凹み、穴、ピン等の位
置決め用の型や、コイル、バネ状物質等を挙げることが
できる。これらは1種類1個でも複数でも、複数種類の
手段を併設してもよく、必要に応じて用いることができ
る。
【0030】本発明の電気泳動用装置は、電気泳動用チ
ップを移動させての分析も可能なように電気泳動用チッ
プの移動手段を備えていてもよい。また、光照射部や検
出部の位置を変更可能なように光を照射するための手段
及び/又は検出光を測定するための手段に移動手段を備
えていてもよい。測定した検出光を分析するための解析
器を装置の内部に一体化して、または外部に接続して備
えていてもよい。
【0031】本発明の電気泳動用チップは、電気泳動装
置に簡便にセット位置決めされることが好ましい。電気
泳動用チップは、前記の電気泳動用装置の位置決め手段
に板状部材(A)の端面を接触することにより通常位置
決めされる。電気泳動用チップを測定時に動かないよう
固定するためには、電気泳動装置側だけでなく、電気泳
動用チップ側にも位置決めの手段を有していることが好
ましい。この場合、電気泳動用装置の位置決め手段と電
気泳動用チップの位置決め手段の形状との一致している
ことが有効である。電気泳動用チップの位置決め手段と
しては特に限定はないが、板状部材(A)に位置決めの
ための突起、凹み及び穴のうちいずれか1つ以上を有し
ていることが好ましい。この突起、凹み及び穴のサイズ
は任意に設計できるが、単一の形状であれば内径1〜5
mm程度のもの、ライン状の形状であれば幅1〜3mm
程度のものが好ましい。
【0032】本発明の電気泳動用チップは、イオン、有
機酸、アミノ酸等の低分子や、タンパク質、核酸、糖等
の高分子からなる荷電性分子、ウイルス、細胞等の荷電
性粒子、などの荷電性物質を分離して、対象物質を分析
するのに有効な手段として用いることができる。また、
本発明の電気泳動用チップは、荷電性ラテックスビーズ
を利用して間接的に分析対象物質を分析する方法にも利
用可能である。具体的には、本発明の電気泳動用チップ
の溝(E)の中に分離用緩衝液、分離用高分子ゲル、分
離用等電性フォーカッシング緩衝液等の分離用媒体を充
填させて、分析対象物質を含む試料を注入し、溝(E)
の両端に電圧を印加することによって、分離用媒体中で
分析対象物質を電位差で移動させて分離することができ
る。
【0033】分離用媒体を電気泳動用チップの溝(E)
に充填するためには、注入孔(C)と排出孔(D)の液
溜まり部に分離用媒体を介して溝(E)に注入すればよ
い。注入方法としては特に制限はないが、例えば、毛細
管現象を利用する方法、注射筒等を用いる加圧注入法、
一方の液溜まり部に滴下した媒体をもう一方の液溜まり
部から水流ポンプ、真空ポンプ等を用いて減圧すること
によって注入する減圧注入法などが挙げられる。この
際、気泡やホコリ等のその他の夾雑物が溝(E)に入ら
ないようにすることが重要である。
【0034】荷電性物質等の分離対象物質は、分離流路
用の溝(E)に一定量導入されることが必要である。分
離対象物質を溝(E)に導入する方法としては、例え
ば、動電学的導入法(electrokinetic injection)や動水
力学的導入法(hydrodynamic injection)等が挙げられ
る。動電学的導入法は、試料の導入流路と分離流路とを
別にして、試料導入用液溜まり部に荷電性物質を含む試
料溶液を少量滴下し、この液溜まり部と導入流路を挟ん
で逆端に位置する液溜まり部とに適当な電界をかけるこ
とによって、試料を導入流路と直交する分離流路の溝交
差部に移動させて、試料を導入する方法である。この方
法は、シャープな検出像が得られるので好ましい。本電
気泳動用チップを用いて電気泳動分離した荷電性物質
は、その光学的特性や電気化学的特性等を利用して検出
することができる。例えば、核酸分子の有するUV吸収
特性を利用して吸光度を測定したり、核酸分子に蛍光色
素を標識して蛍光を測定することにより検出することが
可能で、DNAやRNAのような核酸断片を分離してそ
の断片の大きさを分析することができる。
【0035】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明するが、本
発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】実施例1 電気泳動用チップの作製1 50トン射出成形機で、成形温度240℃、射出圧力4
00kg/cm2の成形条件で透明樹脂材料であるPM
MA(ポリメチルメタクリレート)樹脂(三菱レーヨン
株式会社製アクリペットVH)を成形し、内径5mmの
2個の注入孔4(4a、4b)、内径5mmの2個の貫通
した排出孔5(5a、5b)と、片側表面に100μm
幅、40μm深の溝3(3a、3b)を有する、外形寸法
20mm×75mm×1mm厚の図1に示す板状部材1
を得た。溝3の長さは、長い方の3aが45mm、短い
方の3bが6mmで、3aと3bの交差部から4a、4
cの外周部までの長さはそれぞれ3mmである。外形成
形及び溝3、注入孔4及び排出孔5の形成は、一度の射
出成形で同時に行った。次に、シール部材(B)として
PMMA製の50μmフィルム2(三菱レーヨン株式会
社製アクリプレン)を用いて、これに20μm厚の電極
と15μm厚の電気回路の形成を行った。まず、図2の
左図に示すように板状部材とシール部材とを接合した時
に注入孔4及び排出孔5の開口部に対応する位置の中心
にそれぞれ内径1mmの貫通孔6を開け、次に、図2の
右図に示すように、ここにエポキシ系のバインダを用い
た銀ペーストを塗布、乾燥しフィルムの厚み方向に導通
するスルーホール電気回路7を形成させると同時に配線
電気回路8を形成し、続けて、スルーホール電気回路7
の接合面側の銀ペースト電極の上にカーボン電極9を形
成して、電極及び電気回路が形成されたフィルムシール
部材を得た。次に、この電極及び電気回路が形成された
フィルムを、プレス圧1kg/cm2、104℃の条件
で、板状部材1の溝3がある平面側に熱融着させること
によって接合させて、電気泳動用チップを得た。得られ
た電気泳動用チップの断面図を図3に、フィルム側から
見た平面図を図4にそれぞれ示す。
【0037】実施例2 電気泳動用チップの作製2 実施例1と同様にして図5に示す板状部材11を得た。
板状部材11には電気泳動装置に位置決めするための貫
通孔12が設けてある。貫通孔12の形成も射出成形に
より、外形成形と溝3、注入孔4及び排出孔5の形成と
同時に行った。次に、シール部材(B)として位置決め
孔12用の逃げ形状13を設けた図6に示すフィルムを
用いた以外は実施例1と同様にして、電極及び電気回路
の形成、板状部材とシール部材との接合を行い、図7に
示す電気泳動用チップを得た。
【0038】実施例3 ΦX174HaeIII分解断片
の分離 0.5g/Lハイドロキシプロピルメチルセルロース(Al
drich社製、平均分子量90,000)、5mg/Lエチジ
ウムブロマイド、44.75mM TRIS(2−アミ
ノー2−ヒドロキシメチルー1,3−プロパンジオー
ル)、44.75mMホウ酸(pH8.2)を含む分離
用ゲル緩衝液を用いてΦX174(DNA)のHaeII
I分解断片を分離した。ΦX174のHaeIII分解断片
は、DNA鎖長で72bpから1353bpの11個の
断片から構成されている。分離は実施例1で作製した電
気泳動用チップ10を用いて行った。2本の溝3のう
ち、3aを分離流路、3bを試料導入流路として使用し
た。まず、上記分離用ゲル緩衝液を、泳動液導入用液溜
まり4dに12.5μl、4cと4bに各12.5μl
滴下し、毛細管現象を利用して分離流路3a及び試料導
入流路3bに緩衝液を充填した。次に、ΦX174のH
aeIII分解断片を分離用ゲル緩衝液に溶解(40μg/
ml)し、3μLを試料導入用液溜まり4aに滴下し、試
料導入用溝3bの両端に1000V/cmの電圧を印加
して、試料を溝交差部まで移動させ分離用溝3aに導入
し、続けて分離用溝3aの両端に300V/cmの電圧
を印加して電気泳動を実施し、DNA断片を分離した。
分離したDNA断片の検出は水銀ランプ、ダイクロイッ
クミラー、対物レンズを有する蛍光顕微鏡(オリンパス
光学工業株式会社製)と光電子倍増管(Photon Technolog
y International社製)を組み合わせた検出系で検出し
た。水銀ランプからダイクロイックミラー、対物レンズ
を通して545nmの励起光を分離用溝3aの溝交差部
から2.5cm離れた位置に照射し、DNAにインター
カレートしたエチジウムブロマイドの蛍光を蛍光フィル
タを通して光電子倍増管に送り検出した検出結果を図8
に示す。
【0039】実施例4 細胞抽出総RNAの分離 ヒト肺ガン細胞CRL5800株培養細胞から全自動R
NA抽出機(MFX−2000、東洋紡績株式会社製商
品名)を用いて総RNAを抽出した。抽出RNAをジエ
チルピロカーボネート(RNase阻害剤)処理して、
0.4g/Lハイドロキシプロピルメチルセルロース(Al
drich社製、平均分子量90,000)、5mg/Lエチジ
ウムブロマイド、44.75mM TRIS、44.7
5mMホウ酸(pH8.2)を含む分離用ゲル緩衝液に
25μg/ml濃度となるよう溶解した試料液とし、分
離用溝3aの両端に印加する電圧を200V/cmと
し、蛍光照射位置(検出位置)を溝交差部から1cmと
した以外は実施例3と同様にして電気泳動による分離を
行い、検出した。検出結果を図9に示す。
【0040】この実施例1及び実施例2で作製された電
気泳動用チップは、キャピラリーが内蔵された板状形態
であるので、取り扱いが簡便で、容易に電気泳動装置に
セットすることが可能である。また、電極及び電気回路
を備えているので、電気泳動装置に用意された電極とコ
ンタクトプローブ等で接触させるなどして、高電圧供給
源と接続するだけで容易に電気泳動に供することがで
き、従来の接続配線等の洗浄作業が不要となり、配線等
が直接試料に触れない構造なので、ここからのコンタミ
の心配もなくなった。また、実施例1で作製した電気泳
動用チップを使用して、実施例3、実施例4で示したよ
うに、DNA、RNAといった核酸の分離分析を簡便に
行うことができた。RNAの分析に際しては、RNas
e(RNA分解酵素)による分解に特に注意が必要であ
るが、本発明の電気泳動用チップは上述したようにコン
タミを受けにくい構造のため、分析の過程でのRNas
eコンタミによる分解が起こりにくくなっている。実施
例3では、図8に示したように、ΦX174HaeIII
分解断片DNAの全ての断片の分離が確認できた。27
1bpと281bpのHaeIII分解断片DNAが分離
できているので、10bp以上の分離解像度(検出感
度)が得られた。実施例4では、図9に示したように、
5s、18s及び28sのリボゾームRNAの分離が確
認できた。これらの分離は、1cmの泳動距離で十分可
能でであった。
【0041】
【発明の効果】実施例に示したように、本発明によって
取り扱い易く、しかも再現性と生産性の良い電気泳動用
チップの製造が可能となり、またこの電気泳動用チップ
を用いることによってDNA、RNA等の核酸などの荷
電性物質を簡便に分離分析することができるので、その
工業的価値は大である。最近、メッセンジャーRNAを
用いた遺伝子解析が多く実施されているが、メッセンジ
ャーRNAは極微量しか存在しないために、生体試料等
から抽出したメッセンジャーRNAがRNaseによる
分解をうけていないことの確認が困難である。本発明の
電気泳動用チップを用いた分離を行えば、実施例で示し
たように微量の試料で高感度の分析が可能であるので、
メッセンジャーRNAを直接分析することにより、ある
いはメッセンジャーRNAと共存する大過剰のリボゾー
ムRNAを分析することにより間接的に、簡便にメッセ
ンジャーRNAの分解の有無を調べることが可能とな
り、この分野における利用も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した板状部材の全体像を示す斜
視図
【図2】実施例1のシール部材作製の工程を示すシール
部材の断面図
【図3】実施例1で作製した電気泳動用チップの一部を
示す拡大断面図
【図4】実施例1で作製した電気泳動用チップの電極及
び電気回路の形成パターンを示す平面図
【図5】実施例2で作製した板状部材の全体像を示す斜
視図
【図6】実施例2で作製したシール部材の全体像を示す
斜視図
【図7】実施例2で作製した電気泳動用チップの一部を
示す拡大断面図
【図8】実施例3のΦX174HaeIII分解断片の検
出結果を示す図
【図9】実施例4の細胞抽出総RNAの検出結果を示す
【符号の説明】
1:実施例1の板状部材(A) 2:シール部材(B) 3(3a、3b):溝(C) 4(4a、4b):注入孔(D) 5(5a、5b):排出孔(E) 6:貫通孔 7:スルーホール電気回路(G) 8:配線電気回路(G) 9:カーボン電極(F) 10:実施例1の電気泳動用チップ 11:実施例2の板状部材(B) 12:位置決め用貫通孔 13:実施例2のシール部材の位置決め貫通孔用の逃げ
形状 14:実施例2の電気泳動用チップ
フロントページの続き (72)発明者 嶋山 隆 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 渡辺 博夫 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状部材(A)とシール部材(B)とから
    なり、板状部材(A)が、板厚方向に貫通した1個以上
    の注入孔(C)と、板厚方向に貫通又は非貫通の1個以
    上の排出孔(D)と、一方の面に形成される注入孔
    (C)と排出孔(D)とを連結する1本以上の溝(E)
    とを有し、シール部材(B)が電極(F)を有し、シー
    ル部材(B)が板状部材(A)の溝形成面に接合されて
    いることを特徴とする電気泳動用チップ。
  2. 【請求項2】注入孔(C)と排出孔(D)をそれぞれ2
    個以上有し、溝(E)を2本以上有し、かつ溝(E)の
    うちの少なくとも2本が交差していることを特徴とする
    請求項1記載の電気泳動用チップ。
  3. 【請求項3】電極(F)が接合する板状部材(A)の注
    入孔(C)及び排出孔(D)の開口部及び/又はその周
    辺部に相当するシール部材(B)の接合面上にあること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気泳動用チ
    ップ。
  4. 【請求項4】シール部材(B)がさらに電極(F)と密
    接した電気回路(G)を有することを特徴とする請求項
    1〜3記載のいずれかの電気泳動用チップ。
  5. 【請求項5】板状部材(A)及び/又はシール部材
    (B)がアクリル系樹脂又はスチレン系樹脂製であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかの電気泳動
    用チップ。
  6. 【請求項6】シール部材(B)がフィルム状であること
    を特徴とする請求項1〜5記載のいずれかの電気泳動用
    チップ。
  7. 【請求項7】板状部材(A)が電気泳動用装置に位置決
    めされるための突起、凹み及び穴のうちのいずれかひと
    つ以上を有することを特徴とする請求項1〜6記載のい
    ずれかの電気泳動用チップ。
  8. 【請求項8】板厚方向に貫通する1個以上の注入孔
    (C)と、板厚方向に貫通又は非貫通の1個以上の排出
    孔(D)と、片面上に注入孔(C)と排出孔(D)とを
    連結する1本以上の溝(E)とを形成した板状部材
    (A)を、溝(E)形成面を内側にして、注入孔(C)
    及び排出孔(D)の開口部及び/又はその周辺部に相当
    する位置に電極(F)を形成したシール部材(B)と接
    合して、製造することを特徴とする電気泳動用チップの
    製造方法。
  9. 【請求項9】電極(F)を印刷、真空蒸着、スパッタリ
    ング及びイオンプレーティングのいずれかにより形成す
    ることを特徴とする請求項8記載の電気泳動用チップの
    製造方法。
  10. 【請求項10】板厚方向に貫通する1個以上の注入孔
    (C)と、板厚方向に貫通又は非貫通の1個以上の排出
    孔(D)と、片面上に注入孔(C)と排出孔(D)とを
    連結する1本以上の溝(E)とを形成した板状部材
    (A)を、溝(E)形成面を内側にして、注入孔(C)
    及び排出孔(D)の開口部及び/又はその周辺部に相当
    する位置に電極(F)を形成したシール部材(B)と接
    合し、次に電気回路(G)をシール部材(B)の接合面
    の反対面上に電極(F)密接するよう形成して、製造す
    ることを特徴とする電気泳動用チップの製造方法。
  11. 【請求項11】電極(F)及び電気回路(G)を印刷、
    真空蒸着、スパッタリング及びイオンプレーティングの
    いずれかにより形成することを特徴とする請求項10記
    載の電気泳動用チップの製造方法。
  12. 【請求項12】板状部材(A)とシール部材(B)との
    接合が熱融着によりなされることを特徴とする請求項8
    〜11記載のいずれかの電気泳動用チップの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1〜7記載のいずれかの電気泳動
    用チップ若しくは請求項8〜12記載のいずれかの製造
    方法により得られる電気泳動用チップを用いる電気泳動
    用装置。
  14. 【請求項14】請求項1〜7記載のいずれかの電気泳動
    用チップ若しくは請求項8〜12記載のいずれかの製造
    方法により得られる電気泳動用チップを用いることを特
    徴とする荷電性物質の分離方法。
  15. 【請求項15】請求項13記載の電気泳動用装置を用い
    ることを特徴とする荷電性物質の分離方法。
  16. 【請求項16】荷電性物質が荷電性分子又は荷電性粒子
    である請求項14又は請求項15記載の荷電性物質の分
    離方法。
  17. 【請求項17】荷電性分子がイオン、有機酸、アミノ
    酸、タンパク質、核酸及び糖のいずれかで、荷電性粒子
    がウイルス又は細胞である請求項16記載の荷電性物質
    の分離方法。
  18. 【請求項18】分離用媒体として高分子ゲルを用いるこ
    とを特徴とする請求項14〜17記載のいずれかの荷電
    性物質の分離方法。
  19. 【請求項19】高分子ゲルが非交差型高分子ゲルである
    ことを特徴とする請求項18記載の荷電性物質の分離方
    法。
  20. 【請求項20】非交差型高分子ゲルが直鎖状ポリアクリ
    ルアミド、直鎖状ハイドロキシエチルセルロース、直鎖
    状ハイドロキシプロピルメチルセルロース、直鎖状ハイ
    ドロキシプロピルセルロース、直鎖状メチルセルロー
    ス、直鎖状ポリエチレングリコール及び直鎖状ポリエチ
    レンオキサイドのいずれかである請求項19記載の分離
    方法。
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