JPH08334505A - 小型化全分析システム - Google Patents

小型化全分析システム

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JPH08334505A
JPH08334505A JP16693396A JP16693396A JPH08334505A JP H08334505 A JPH08334505 A JP H08334505A JP 16693396 A JP16693396 A JP 16693396A JP 16693396 A JP16693396 A JP 16693396A JP H08334505 A JPH08334505 A JP H08334505A
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/60Construction of the column
    • G01N30/6095Micromachined or nanomachined, e.g. micro- or nanosize

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  • Optical Measuring Cells (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に平坦な基板にレーザ切削された小型
化カラムデバイスを提供する。 【解決手段】 小型化カラムデバイス2から成る小型化
全分析システム200であって、(a)第1平坦表面6
にレーザ切削された第1マイクロチャネル10を有する
が、シリコン又は二酸化ケイ素以外の材料から構成さ
れ、かつ第1マイクロチャネルが少なくとも2つの試料
操作領域202〜220から成る基板4と、(b)試料
操作領域が試料取り扱い要素214〜220と流体連絡
して試料流路要素202〜212を定めている、第1平
坦表面上に配置され、第1マイクロチャネルとの組合せ
で第1試料処理区画14を形成するカバー板12と、
(c)第1試料処理区画に連絡し、外部の流体源から該
試料処理区画を通して流体を通過させる、少なくとも1
つの入口ポート18と出口ポート22とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、概して、液相分析のた
めの小型化平坦カラム技術に関する。より詳細には、本
発明は、レーザ切削(アブレーション)技術を使って新
規の分離支持メディアに作り込まれる小型化全分析シス
テム(μ−TAS)に関し、本明細書に開示されたμ−
TASは、特に小被検体及び/又は巨大分子被検体の液
相分析に応用される。
【0002】
【技術背景】試料分析の計装、特に液体クロマトグラフ
ィー及び毛管電気泳動システムのような分離システムに
おいては、一般的に、寸法が小さいほど性能特性が改善
され、かつ同時に生産及び分析費用が低減されることに
なる。これに関連して、小型化分離システムによってよ
り効率的なシステム設計が実現され、結果として計装サ
イジングの減少により経費低減をもたらし、加えて、分
析速度を上げ、試料と溶媒の消費量を減じ、かつ高い分
析効率を上げることが可能となる。
【0003】液相分析のための小型化を志向したいくつ
かのアプローチ、例えば、引抜き融解石英毛管(延伸石
英ガラスキャピラリー)を利用する従来のアプローチ、
及びシリコンのマイクロマシーニングを使う進展中のア
プローチ、が当分野で開発されている。小型化技術にお
いて、従来より一般的に考えられていることは、通常、
分離システムの寸法の低減を目指す何らかの処理であ
る。
【0004】従来の小型化技術では、計装は寸法が削減
されたのではなく、むしろ顕著に削減されたのは分離区
画の寸法である。一例として、マイクロカラム液体クロ
マトグラフィー(μLC)では、ほぼ4.6mmという
直径の従来型カラムに較べ100〜200μmの直径を
有するカラムが採用されている。
【0005】小型化を志向する別のアプローチは、直径
25〜100μmのキャピラリーで実施される分離技術
を伴う電気泳動(CE)の利用であった。CEは小被検
体の分離方法として有用なものであることが立証されて
いる。J.Chromatogr.218:209(1
981);Analytical Chemistr
y 53:1298(1981)。対照的に、ポリアク
リルアミド・ゲル電気泳動は、元来、直径1mmの管で
実行された。上述の「従来型の」両小型化技術(μLC
とCE)は、液相分析システムの化学部分の寸法を削減
するための最初の重要な処理法を象徴するものである。
しかし、前述の従来型小型化デバイスでの実験は、原理
的に小型化の利点を立証する一助になったが、それでも
これらの技術に固有のいくつかの主要な問題が残されて
いる。
【0006】例えば、従来の電気泳動技術には実質的な
検出限界がある。例えば、CEでは、一般に、光学検出
が単一経路検出技術によってオンカラム(on−col
umn)で実施されており、この場合、電磁エネルギー
は試料中を通過し、光ビームはキャピラリー軸に垂直に
進みかつ一度だけキャリラリーを横切る。従って、従来
型のCEシステムでは、検出経路長は、本質的にキャピ
リラリーの直径で限定される。
【0007】下記の関係によって経路長に対する吸光度
に関するベール(Beer)の法則 :A=ε・b・C ここで、A=吸光度 ε=モル吸光計数、(l/m・cm) b=経路長(cm) C=濃度(m/l) が与えられる。25μmのキャピラリー中の試料の吸光
度(A)は、典型的にUV/Vis分光に用いられるよ
うな在来型の1cmの経路長セルにおけるものより40
0倍小さい率になることが容易に分かる。
【0008】この重大な検出限界を考え合わせて、検出
経路長を拡大し、従ってCEシステムの分析感度を向上
させるための多数の試みが従来技術で採用されてきた。
Gordonに対する米国特許第5,061,361号
では、検出点で気泡を形成するキャピラリーフローセル
の顕微操作を伴う対処法が記載されている。Cherv
etに対する米国特許第5,141,548号では、形
状がZ型のキャピラリーを用いて、そのZの延長部分を
横切って検出を実行する方法が記載されている。さらに
別のアプローチでは、キャピラリーの主軸に沿った検出
(軸ビーム検出)により経路長を増やそうとしている
(Xi等、Analytical Chemistry
62:1580(1990)参照)。
【0009】Wangに対する米国特許第5,273,
633号では、CEでの拡大検出経路長に対するさらに
進んだアプローチが記載されており、このシステムでは
キャピラリーの外側に反射表面を設け、当該システムは
さらに入射窓とその入射窓の下流に出口窓を包含するも
のである。Wangによれば、入射窓に入る光は、多重
内部反射によってキャピラリー部分を通過しその後で出
口窓を通過して検出されるもので、当該多重内部反射に
よって経路長の有効な延長が行われる。前述のアプロー
チの各々は経路長を拡大するという課題の達成を目指し
ているが、各アプローチは、キャピラリーの事後加工又
はそうでなければ分析コストの増大を伴うことで制限さ
れる。
【0010】小型化に対する現行アプローチの第2の主
な欠点は、通常、CE及びμLCシステムに用いられて
いるシリカ、石英(クォーツ)又はガラスのような二酸
化ケイ素(SiO)基板の化学活性と化学的不安定性
とを伴うことである。より詳細には、二酸化ケイ素基板
は、その高エネルギー表面を特色としており、かつ多く
の化合物を激しく、塩基類を最も顕著に吸収する。分離
システムにおける二酸化ケイ素材料の使用は、SiO
材料の溶解が(7.0を上回るpHの)塩基状態で増大
するという、それらの基板の化学的不安定性によりさら
に制限される。
【0011】二酸化ケイ素材料固有の化学活性から生ず
る諸問題を避けるために、従来の分離システムは、キャ
ピラリー壁のシリカ内面に対して化学的改質を試みてき
た。一般に、そのような事後形成改質は、例えば、Si
−O−Si−C結合を作るためにシリル化剤を用いてキ
ャピラリー表面に所望の表面処理物を結合するために、
界面層を準備しなければならないので困難である。前述
の改質は、キャピラリー表面による溶質分子の不可逆吸
着を減少できるが、それでもこれらのシステムは7.0
以上ののpHでのSi−O−Si結合の化学的不安定性
という問題を抱える。従って、SiO材料の化学的不
安定性は主要な問題として残ることになる。
【0012】しかし、SiO基板の化学的性質に関し
て諸欠点が認識されても、これらの材料は、それらのも
つ望ましい光学特性の故に、分離システムに依然として
用いられている。この点に関して、二酸化ケイ素に比し
て優れた化学特性を示す可能な置換材料は、それらも検
出が不可欠のUV領域において高い吸収性をもつことか
ら一般に制限される。
【0013】在来型のμLC及びCEの技術に現存する
いくつかの実質上の限界を避けるために、さらには分離
システムの寸法のより大幅な削減をも可能にするため、
キャピラリー分離のマイクロストラクチャー(微細構
造)を有する平坦化システムの実現を目指す傾向があっ
た。この点に関して、マイクロマシーニング又はマイク
ロリソグラフィー技術によるケイ素のマイクロストラク
チャーの組立てに関連した小型化分離システムの製造法
が知られている(例えば、Fan等、Anal.Che
m.66(1):177〜184(1994);Man
z等、Adv.Chrom.33:1〜66(199
3);Harrison等、Sens.Actuato
rs,B10(2):107〜116(1993);M
anz等、Trends Anal.Chem.10
(5):144〜149(1991);及びManz
等、Sensors and Actuators B
(Chemical)B1(1〜6):249〜255
(1990)を参照)。
【0014】薬品製造、環境分析、医学診断及び基本的
な研究分析に用いられる現代の化学分析システムは、完
全な自動化ができなければならない。そのような全体的
分析システム(TAS)(Fillipini等、(1
991)J.Biotechnol.18:153;G
arn等、(1989)Biotechnol.Bio
eng.34:423;Tshulena(1988)
Phys.Scr.T23:293;Edmonds
(1985)Trends Anal.Chem.4:
220;Stinshoff等、(1985)Ana
l.Chem.57:114R;Guibault(1
983)Anal.Chem Symp.Ser.1
7:637;Widmer(1983)Trends
Anal.Chem.2:8)は、そのシステムへの試
料導入、システム全域における試料の搬送、試料作成、
分離、精製及び検出に及ぶ諸機能をデータの蓄積と評価
を併せて自動的に実行するものである。小型化全分析シ
ステムは「μ−TAS」と呼ばれている。
【0015】最近、試料作成技術は成功裏に小型化形式
に変わってきた。ガスクロマトグラフィー(Widme
r等、(1984)Int.J.Environ.An
al.Chem.18:1)、高圧液体クロマトグラフ
ィー(Muller等、(1991)J.High R
esolut.Chromatogr.14:174;
Manz等、(1990)Sensors&Actua
tors B1:249;Novotny等、eds.
(1985)Microcolumn Separat
ions:Columns,Instrumentat
ion andAncillary Techniqu
es(J.Chromatogr.Library,V
ol.30);Kucera,ed.(1984)Mi
cro−Cokumn High Performan
ce Liquid Chromatography,
Elsevier,Amsterdam;Scott,
ed.(1984)Small Bore Liqui
d Chromatography Columns:
Their Properties and Use
s,Siley,NY;Jorgenson等、(19
83)J.Chromatogr.255:335;K
nox等、(1979)J.Chromatogr.1
86:405;Tsuda等、(1978)Anal.
Chem.50:632)及び毛管電気泳動(Manz
等、(1992)J.Chromatogr.593:
253;Manz等、TrendsAnal.Che
m.10:144;Olefirowicz等、(19
90)Anal.Chem.62:1872;Seco
nd Int’l Symp.High−Perf.C
apillary Electrophoresis
(1990)J.Chromatogr.516;Gh
owsi等、(1990)Anal.Chem.62:
2714)は、小型化形式に変わってきた。
【0016】毛管電気泳動は、その分離効率がキャピラ
リー長に関係なく印加電圧に比例する故、特に小型化が
可能である(Harrison等、(1993)Sci
ence261:895〜897参照)。電気浸透流体
ポンピング及びレーザ蛍光学検出を用いる毛管電気泳動
デバイスが平坦ガラスのマイクロストラクチャー上に作
り込まれている(Effenhauser等、(199
4)Sensorsand Actuators B2
0:103〜110参照)。シリコン材料とは対照的に
(Harrison等、(1993)Sensors
and Actuators B10:107〜116
参照)、ポリイミドは極めて高い降伏電圧を有し、それ
故、相対的に著しく高い電圧を使うことができる。
【0017】シリコンで分離システムを作るのにマイク
ロマシーニング技術を用いることで該システムの大量生
産ができるという実用的利点がもたらされる。この点に
関して、シリコンのような平坦材料のマイクロマシーニ
ングを含む、マイクロエレクトロニクス工業で開発され
た多数の確立技術が現存しており、これは小型化に対す
る有用でかつ十分受け入れられるアプローチを提供する
ものである。シリコン又はボロシリケートガラスのチッ
プ上に小型化分離デバイスを組立てるための前述のマイ
クロマシーニング技術の利用例は、Clark等に対す
る米国特許第5,194,133号;Miura等に対
する米国特許第5,132,012号;Paceに対す
る米国特許第4,908,112号;及びSethi等
に対する米国特許第4,891,120号に記載されて
いる。
【0018】小型化分離システムを作るためのシリコン
基板のマイクロマシーニングは、多数の三次元構造を作
り込むための薄膜堆積、フォトリソグラフィー、エッチ
ング及びボンディング技術の組合せからなる。シリコン
は高い強度と硬度特性を示しかつマイクロマシーニング
されて数ミクロンオーダの寸法を有する構造を提供し得
るという理由から、上記の点に関してシリコンは有用な
基板となる。
【0019】シリコンのマイクロマシーニング法は単一
表面における小型化システムの組立には有用であった
が、小型化分離システムの分析デバイス部分を作り出す
のにこのアプローチを用いることに対しては重大な欠点
がある。
【0020】第1に、シリコンのマイクロマシーニング
法は、エッチングかもしくは加工した2つの部分品間に
高度のアライメントを生じ難い。このことはマイクロマ
シーニングで形成された分離チャネルの対称性と形状に
マイナスの影響を及ぼし、それがまた分離効率に影響す
ることがある。第2に、マイクロマシーニングしたシリ
コン表面の封止(シーリング)は、一般に、液相分析で
課せられる分離条件によって侵されがちな接着剤を用い
て実施されることである。さらに、酸化条件下で、シリ
カ表面がシリコンチップ基板上に形成されることであ
る。この点に関して、シリコンのマイクロマシーニング
法もSiOの化学作用によって根本的に制限される。
従って、慣用の小型化及びシリコンマイクロマシーニン
グ技術がもつ固有の欠点を避けることができる改善され
た小型化全分析システムに対する要請は残存するのであ
る。
【0021】
【発明の目的】本発明は、液相分析システムにおいて使
用するための小型化平坦カラムデバイスに関する。本発
明の主要な目的は、実質的に平坦な基板にレーザ切削さ
れた小型化カラムデバイスを提供することにあり、この
場合、前記基板は、シリコン及び従来の二酸化ケイ素を
素地としたデバイス基板で経験される固有の化学活性と
pHの不安定性を避けるべく選択した材料から成る。
【0022】本発明はまた、小型化平坦カラムデバイス
に作り込まれ、それによって液体試料中の成分の精密な
オンカラム分析又は検出が可能となる検出手段の装備に
関する。さらに目的とされていることは、従来技術に比
して極めてコンパクトな形でデバイス中に設けられた検
出手段を有する液相分析用カラムデバイスを実現するこ
とである。本発明の1つの特殊な態様では、小型化平坦
カラムデバイスにおいても切削され、かつ実質的に改善
された検出経路長を有する光学式検出手段を提供するこ
とを目的としている。
【0023】本発明のさらに別の関連目的は、試料注入
を含む液体取扱いのための改良型手段を特徴とするデバ
イスを提供し、かつ種々の外部液体容器とインタフェー
スできる手段を有する小型化カラムデバイスを提供する
ことである。特に、ここで意図していることは、平坦構
造に対して、加圧注入、流体力学的注入又は動電学的注
入のような様々な注入法を容易に採用できるようにする
システム設計である。
【0024】本発明のさらに別の関連目的は、単一の平
坦表面に完全に包含される小型化全化学分析システム
(μ−TAS)を実現することである。この点に関し
て、本発明による小型化システムは、技術者の操作と介
入を軽減した複雑な試料の処理、分離、及び検出を実行
できるものである。従って、本発明は、工業化学、生物
学、生化学及び医学的諸処理等において成分のモニタリ
ング及び/又は分析における重要な用途を見い出すもの
である。
【0025】
【発明の概要】本発明の特に有利なところは、分離シス
テムの分析部分に関して所望の属性を有する様々な種類
のポリマー及びセラミック基板に小型化カラム群を作り
込むのにシリコンマイクロマシーニング技術やエッチン
グ技術以外の諸プロセスを利用することである。より詳
細には、ここでは、レーザ放射を使って基板に構成成分
のマイクロストラクチャーを切削することにより小型化
平坦カラムデバイスを実現することが意図されている。
1つの好ましい実施例では、小型化カラムデバイスは、
その上にレーザ切削されたマイクロストラクチャーを有
する実質上平坦な2つの半分部分を与えることによって
形成され、その2つの半分部分が互いに折り重ねられる
ときに高度の対称性と軸一致性を特徴とする試料処理区
画を定めるものである。
【0026】本発明に従って小型化デバイスを形成する
ためにレーザ切削技術を使うことで、シリコン又は二酸
化ケイ素材料に諸システムを形成するのに用いられる従
来のエッチング及びマイクロマシーニング技術に勝るい
くつかの利点が与えられる。第1に、レーザ切削処理に
対して精密なコンピュータ化制御を適用できるためマイ
クロストラクチャーの形成を優れた精度で実行でき、従
って、諸構成部品によって形成される構造において高度
のアライメントが可能となる。レーザ切削処理はまた、
エッチング中にマスキングの下をくり抜いて、湾曲側面
と平坦底部を有する非対称構造を生ずるかも知れないマ
イクロリソグラフィー等方エッチング技術で経験される
諸問題を避けるものである。
【0027】レーザ切削はさらに部品寸法を大幅に縮小
したマイクロストラクチャーの生成を可能にするもので
ある。この点に関して、本発明によって形成されるマイ
クロストラクチャーは従来のエッチング技術を使って可
能なのもより数桁高いアスペクト比(縦横比)を有する
ことができ、従って、該デバイスにおける応用性の高い
試料処理を提供することができる。ポリマーのような基
板にマイクロストラクチャーを形成するのにるレーザ切
削処理を応用すれば、シリコンに諸手段をマイクロマシ
ーニングするような従来のアプローチと比較して組立が
より容易になりかつ標記デバイスのユニット当りの製造
コストが低減される。この点に関して、本発明に従って
低コストのポリマー基板で形成されたデバイスは、実質
上使い捨て式の小型化カラムユニットとして使用できる
という別の特徴をももつ。
【0028】本発明の別の態様では、平坦基板における
レーザ切削法は、殆ど任意の寸法形状をもつマイクロス
トラクチャーの形成を考慮している。この特徴は、複雑
なデバイス配置の形成を可能にするばかりではなく、さ
らに、全体寸法が大幅に縮小された小型化全分析システ
ムにおける試料作成、試料注入、後カラム(post−
column)反応及び検出手段の集積化をも考慮に入
れたものである。
【0029】さらに、本発明の下で作られたデバイスの
分析部分のコンパクト性は、注入、試料操作及び検出の
ような集積機能を標記デバイスに特別に作り込んでμ−
TASデバイスを実現してよいという特徴と共に、シス
テムのハードウェアの集積化設計を可能にして大幅縮小
のシステム占有面積(footprint)を達成する
ものである。
【0030】本発明により、液相分離デバイスの小型化
を目指す従来のアプローチに存在している固有の諸々の
弱点と、小型化カラムデバイスを形成するためにシリコ
ン微細技術を用いる際の諸問題とが扱われた。それに応
じて、本発明は、多数の液体試料について様々な液相分
析ができる小型化全分析システムを開示するものであ
る。
【0031】
【実施例】本発明を詳細に説明するに先立ち、デバイス
類及び諸方法は様々に変わってよいという理由から、本
発明は、説明されたデバイスの特定構成部品又は説明さ
れた諸方法の各処理ステップに限定されるものではない
と理解すべきである。また、本明細書に用いた専門用語
は、特定の実施例を説明することだけを目的としたもの
であって、制限しようとするものではないと理解すべき
である。本明細書と前出の請求の範囲に用いられている
ように、単数形として記載されている場合でも、その関
係が別途明確に指図されない限り、複数の関係を含むも
のと留意すべきである。従って、例えば、「被検体」に
対する引用は複数の被検体からなる混合物を含み、「検
出手段」に対する引用は2つ以上の該検出手段を含み、
「試料流動成分」に対する引用は少なくとも2つの該成
分を含み、「オンデバイス流動容器区画」に対する引用
は2つ以上の該区画を含み、その他についても同様であ
る。
【0032】本明細書と前出の請求の範囲において、多
くの用語に対して言及がなされ、それらは下記の意味を
もつものと定義される。
【0033】用語「基板」は、ここでは、UV吸着性が
あり、レーザ切削ができる材料で、クォーツ、融解シリ
カ又はガラス(ボロシリケートガラス)のような、シリ
コン又は二酸化ケイ素材料でない任意の材料を指すのに
用いる。従って、小型化カラムデバイスは、ここでは、
適当な基板、例えば、レーザ切削可能な(ポリイミド及
びその類を含む)ポリマー及び(酸化アルミニウム及び
その類を含む)セラミックスを使って作られる。さら
に、小型化カラムデバイスは、ここでは、ラミネートの
ような複合基板を使って作られる。「ラミネート」は、
同一か又は異なった材料の数段の異なった結合層から成
る複合材料を指す。1つの特に好ましい複合基板は、K
apton(商標)(DuPont;Wilmingt
on,Delaware)のようなポリイミドの第1層
が、第2層のKJ(商標)(DuPont)として知ら
れている熱接着方式のポリイミド薄層と共押出しされて
形成されたポリイミドのラミネートから成る。この熱可
塑性接着剤は、第1ポリイミド層の一方又は両側に塗布
してよく、これによって所望の厚みをもつラミネートを
作り出す手段を提供することができる。
【0034】用語「試料操作領域」は、マイクロチャネ
ルの一部分、即ち、以下に詳細に説明するようにマイク
ロチャネルの鏡像がそこにレーザ切削されたカバー板又
は基板によってマイクロチャネルの囲い上に形成される
「試料処理区画」の部分を指し、これは「試料流動成
分」又は「試料取り扱い要素」を含む。試料流動成分に
より、試料取り扱い要素を相互連絡させる試料処理区画
の部分を意味する。
【0035】「試料取り扱い要素」は、特定の試料作成
の化学作用がそこで行われる試料処理区画の部分であ
る。特に、対象の被検体は、一般に、その被検体の検出
と分析に潜在的に干渉するかも知れない他の種のものを
含有しているマトリックスで得られる。従って、試料取
り扱い要素は、マトリックスからの被検体の分離が実行
される試料処理区画の部分である。試料取り扱い要素に
よって提供できる諸機能の例には、クロマトグラフィー
分離、電気泳動分離、電気クロマトグラフィー分離、及
びその類がある。
【0036】本明細書で用いられているように、用語
「検出手段」は、当分野で周知の分析検出技術を使って
試料処理区画内部の試料を、それによって人が検出する
ことができる任意の手段、構造又は構成を指す。従っ
て、検出手段は、試料処理区画と連絡しかつ外部検出装
置又はデバイスを試料処理区画とインタフェースさせて
その区画を通過する被検体の検出を可能にする1つ以上
のアパチャー(開口)、細形のアパチャー又はグルーブ
(みぞ)を包含する。
【0037】試料処理区画を通過する液体試料の電気化
学的性質の変化は、試料処理区画を通過する試料と物理
的に接触する検出手段を使って検出することができる。
1つの実施例では、アパチャー又はグルーブのような検
出手段に電極を内蔵するか又はそれに突合せ連結してよ
く、それによって電極を試料の流れに直接接触させるこ
とが可能となる。試料処理区画に対して(外部伝導回路
で接続した)2つの異質の電極を互いに対向させること
によって、試料処理区画に電界を(試料流動方向を横断
して)発生させることができ、よって、その区画を通過
する被検体の電気化学的検出についての準備手段が設定
される。
【0038】試料処理区画を通過する液体試料の電気化
学的性質の変化は、試料処理区画を通過する試料と物理
的に接触しない検出手段を使って検出することができ
る。従って、試料処理区画を通過する試料の「電気的性
質の変化」は、特定試料中の被検体の有無に起因する該
試料の導電率、誘電率、もしくはその両方の検出可能な
変化を指す。試料の「導電率」は、同試料中の電界に対
する電流密度の比を指す。試料の「誘電率」は、試料の
誘電定数に真空中の誘電率を乗じたものを指し、ここで
真空中の誘電率(ε)は、クーロンの法則に現れる定
数でセンチメートル−グラム−秒(cm−gr−se
c)の静電単位で1の値をもつ。
【0039】試料処理区画を通過する液体試料の電気的
性質の変化は、ここでは、液体試料のインピーダンスの
検出により測定される。回路の「インピーダンス」又は
「電気インピーダンス」は、その回路が交流(「A
C」)に対して呈する全抵抗を指し、複素表示の電流に
対する電圧の複素比に等しい。従って、回路が交流に対
して呈する全抵抗の大きさは、AC回路における最大電
圧の最大電流に対する比に等しい。「電気インピーダン
ス・メータ」は、与えられた回路における与えられた周
波数での電圧対電流の複素比を測定する装置を指す。
【0040】電流を搬送及び/又は伝送できる複数の電
気的「連絡経路」は、その連絡経路が、組み合って、回
路を形成するよう、試料処理区画に隣り合わせて配置す
ることができる。ここで用いられているように、連絡経
路は、AC信号を送信又は受信できる任意の伝導性材料
を含む。特に好ましい伝導性材料は銅である。従って、
一実施例では、アンテナ回路(例えば、1対の銅アンテ
ナ)を形成する複数の連絡経路が試料処理区画に隣り合
わせて配置され、それによって、試料処理区画中を流れ
る液体試料のインピーダンスの変化に応答する振動電圧
をそこを通して流すことができる回路が形成される。
「アンテナ」は、交流(AC)信号のような電磁波を放
射及び/又は受信できるデバイスを指す。「アンテナ回
路」は、1つのアンテナを含む完全な電気回路を意味す
る。「アンテナコイル(antenna coil)」
は、そこを通してアンテナ電流(例えば、AC信号)が
流れるコイルを指す。
【0041】さらに、試料処理区画に関して2つの検出
手段を互いに対向させて配置することにより、「検出経
路」が都合良く形成され、よって、当分野で周知の検出
技術を使って試料処理区画中を通過する被検体の検出が
可能となる。
【0042】「光学的検出経路」は、光線のような、放
射線がそれによって外部の線源からそれを受ける手段ま
で進行できる経路を形成する検出手段の構成または配置
を指す(ここで放射線は試料処理区画中を通り、そして
試料処理区画中を流れる試料又は試料中の分離被検体に
よって影響を受けることになる)。光学的検出経路は、
一般に、本発明に従い、試料処理区画に関して1対の検
出手段を互いに直接対向させて配置することにより形成
される。この構成において、試料処理区画中を通過する
被検体は、試料処理区画の主軸に直交する(そして、従
って、電気泳動分離における電気浸透の流れ方向に直交
する)放射線の伝達を介して検出することができる。種
々の外部光学的検出技術は、限定はされないが、UV/
Vis(紫外/可視)、近赤外線、蛍光、屈折率(R
I)及びラマン技術を含む光学的検出経路を使って、試
料処理区画と容易にインタフェースされてよい。
【0043】ここで用いられているように、用語「透
明」は、異なった波長をもつ光を透過できる物質の能力
を指し、該能力は、特定物質において1メートルの距離
を浸透する放射線についてのパーセントとして評価して
よい。従って、発明に従い、「透明シート」は、対象と
される放射線又は粒子の一定の種類に対して透過性であ
る物質のシートとして定義される。光学的検出構成に関
連して本発明に特に採用されている透明シートは、限定
はされないが、クォーツ、サファイア、ダイヤモンド及
び融解シリカのような物質から作られる。
【0044】ここでの試料被検体のUV〜可視吸収検出
の関連では、用語「経路長」、又は「光学経路長」は、
ベールの法則(Beer’s law)から誘導される
光学経路長「b」を指し、これはA=log(I/I
)=ε・b・Cで明確に示されるもので、ここでAは
吸光度、Iは被検体が無いときに測定された光強度、
は被検体中を透過した光強度、εは試料のモル吸光
係数(l/m・cm)、Cは被検体の濃度(m/l)、
及びbは光学経路長(cm)である。従って、試料被検
体のUV〜可視吸収が光学検出経路を介して試料処理区
画の主軸に垂直な経路に沿って光を試料処理区画中に通
すことにより測定される検出構成では、その測定の経路
長(b)は、実質的に、試料処理区画の寸法で定められ
る。
【0045】「検出交点」は、試料処理区画と連絡する
複数の検出手段が試料処理区画の特定の位置で収れんす
る構成を指す。この方法では、試料もしくは分離被検体
に関して多数の検出技法を検出交点で同時に実行でき
る。本発明に従い、検出交点は、複数の検出経路が交差
するか、又はアパチャーのような検出手段が検出経路と
同じ点で同時に試料処理区画と連絡するときに形成され
る。従って、試料、もしくは分離被検体を、UV/Vi
sと蛍光との技法、光学的なものと電気化学的技法、光
学的なものと電気的技法といった組合せ、又は類似の組
合せを使って検出することで、高感度検出情報をもたら
すことができる(例えば、Beckers等、(198
8)J.Chromatogr.452:591〜60
0;Brownleeに対する米国特許第4,927,
265号参照)。
【0046】ここで用いられているように、「導光手
段」は、光を透過させるために用いることができる透明
な物質の実質的に長くて細い線条を指す。本発明の実施
上有用な導光手段には、光ファイバー、一体化レンズ構
成及びその類がある。特に好ましい実施例では、光ファ
イバーを、検出手段とインタフェースさせて、当分野で
周知の光学的検出技法が使えるようにする。ここでは、
用語「光ファイバー」、「ファイバー光導波管」又は
「光ファイバー手段」は、単一の光ファイバーもしくは
保護被覆材料で随意に包装された光ファイバー束を指す
のに用いる。適当な光ファイバーの基板材料の例には、
ガラス、プラスチック、ガラス/ガラス複合、及びガラ
ス/プラスチック複合ファイバーがある。光ファイバー
の臨界特性は光信号の減衰である。さらに、化学的セン
サは、その化学的センサが液体試料の被検体と交差する
ような方法でファイバー光導波管に内蔵してよい。該フ
ァイバーの光化学センサに関する構造、性質、機能及び
動作詳細は、Hirschfeldに対する米国特許第
4,577,109号、Kaneに対する米国特許第
4,785,814号、及びBlaylockに対する
米国特許第4,842,783号に見い出すことができ
る。
【0047】本発明の実施においてレーザ切削技術を用
いれば、従来のシリコン又はガラス基板を素地としたデ
バイスでは困難であったか又は不可能であった微小規模
の構成部品と構造体とのアライメントが高精度ででき
る。従って、ここで用いられる用語「マイクロアライメ
ント」は、相補的なマイクロチャネル群又はマイクロ区
画群相互の、入口及び/又は出口ポートとマイクロチャ
ネル又は分離区画との、検出手段とマイクロチャネル又
は分離区画との、検出手段と他の検出手段との、及びそ
の類との高精度アライメントを含む、レーザ切削した特
徴構造の精密かつ的確なアライメントを指す。
【0048】用語「マイクロアライメント手段」は、こ
こでは、小型化カラムデバイスにおけるレーザ切削した
特徴構造の精密なマイクロアライメントを保証する任意
の手段を指すものとする。マイクロアライメント手段
は、レーザ切削法によるか又は当分野で周知の成形部品
類の別の組立法によって、カラムデバイスに形成してよ
い。ここに採用し得る代表的マイクロアライメント手段
には、構成部品にレーザ切削した複数の共軸配置アパチ
ャー及び/又はカラムデバイス基板における複数の対応
する特徴構造、例えば、突起とそれに組み合う凹部、グ
ルーブとそれに組み合うエッジ部又はその類がある。さ
らに、構成部品の正確なマイクロアライメントは、基板
部分を他の部分の上に乗せ、折り重ねて複合した微小規
模の区画を形成し、アパチャー又は分離区画を有する検
出手段のような特徴構造群をアライメントし、又はマイ
クロチャネルから微小規模の分離区画を形成できるよ
う、そこにレーザ切削された少なくとも1つの折曲げ手
段を有するフレキシブル基板に小型化カラムを作り込む
ことによって実行できる。前述の折曲げ手段は、個々の
基板に間隔を持たせて切削した送り穴、基板中に部分通
路だけを延長できるよう間隔を置いて切削した溝(み
ぞ)穴様の凹部又はアパチャー、もしくはその類の列で
作り付けてよい。送り穴又は凹部は、円形、ダイヤモン
ド形、六角形又は予定の直線に沿って蝶番を形成しやす
い他の形状を持っていてよい。
【0049】用語「液相分析」は、液相中の小量の及び
/又は巨大分子のいずれか又は両方の溶質について実行
される任意の分析を指すのに用いる。従って、ここで用
いる「液相分析」には、クロマトグラフィー的分離、電
気泳動的分離、及び電気クロマトグラフィー的分離が含
まれる。
【0050】この点に関して、「クロマトグラフィー」
処理は、一般に、成分の優先分離から成り、逆相、疎水
的相互作用、イオン交換、分子ふるいクロマトグラフィ
ー及び類似法を包含する。
【0051】「電気泳動的」分離は、実効電荷を有する
粒子又は巨大分子の移動を指し、この場合、前記移動は
電界によって影響を受ける。従って、本発明における利
用が予想される電気泳動的分離は、(ポリアクリルアミ
ド、アガロース及びその組合せのような)ゲルを充填し
たカラムで実施される分離並びに溶体で実施される分離
を含む。
【0052】「電気クロマトグラフィー的」分離は、電
気泳動とクロマトグラフィーの両技法の組合せを指す。
模範的な電気クロマトグラフィー的分離は、起電力を利
用する充填カラム分離(Knox等、(1987)Ch
romatographia24:2435;Knox
等、(1991)Chromatographia3
2:317)、及びミセル電気泳動分離(Terabe
等、(1985)Anal.Chem.57:834〜
841)を包含する。
【0053】用語「推進力」は、液相分析においてカラ
ムに沿って試料の移動を誘発する任意の手段を指し、カ
ラムの任意の部分のわたる電位の印加、カラムの任意の
部分にわたる差動圧力の付加又はその任意の組合せを包
含する。
【0054】用語「表面処理」は、分離中、試料と接触
することになるマイクロチャネル表面の作成又は改質を
指すのに用い、それによって、デバイスの分離特性が変
更され、又は改善される。従って、ここで用いる「表面
処理」には、物理的表面吸着、マイクロチャネル基板表
面上の官能基(例えば、縮合重合体上のアミン、ヒドロ
キシル又はカルボン酸基)への選択部分(moieti
es)の共有結合、(媒質への界面活性剤の付加による
ような)チャネル表面の動的失活(ダイナミック デア
クチベーション)、(ポリスチレン又はジビニルベンゼ
ンのような)チャネル基板の表面に対するポリマー移植
及びマイクロチャネル基板に対するダイヤモンド又はサ
ファイアのような物質の薄膜堆積を含む表面コーティン
グが含まれる。
【0055】用語「レーザ切削」は、エキシマーレーザ
のような高エネルギー光子レーザを使って適当な基板に
特徴構造を切削する加工処理を指すのに用いる。エキシ
マーレーザは、例えば、F、ArF、KrCl、Kr
F、又はXeClのタイプであってよい。
【0056】一般に、UV吸収性である基板はどれも特
徴構造をそこにレーザ切削できる適当な基板となる。従
って、選択された形状をもつマイクロストラクチャー
は、本発明の下で、ポリマー又はセラミック材料のよう
な適当な基板上にリソグラフィー用マスクを撮像し、次
いでそのリソグラフィー用マスクで保護されていない基
板領域をレーザ光でレーザ切削することにより形成でき
る。
【0057】レーザ切削では、短パルスの強力な紫外光
が材料の薄い表面層にその表面から約1μm未満の範囲
内で吸収される。好ましいパルスエネルギーはcm
り約100mJ(ミリジュール)を上回るもので、パル
ス持続時間は約1μ秒より短い。これらの条件下で、強
い紫外光が材料の化学結合を光解離する。さらに、吸収
された紫外線エネルギーは、それが解離した断片を素早
く加熱してそれらを材料の表面から追い出せるような材
料の小容積に集中される。これらの諸プロセスは急速に
行われるので、熱が周囲の材料へ伝播する時間はない。
結果として、周囲の領域は溶解されないかそうでなけれ
ば損傷されず、切削された特徴構造の周辺部は、約1ミ
クロンの尺度の精度で入射光ビームの形状を複製できる
のである。
【0058】ここでは、レーザ切削はエキシマーレーザ
を使って説明したが、実質上同じ光波長とエネルギー密
度を有する他の紫外線源もレーザ処理を実行するのに用
いてよい、ということを理解すべきである。好ましく
は、前述の紫外線源の波長は、切削すべき基板での高吸
収を可能にする150〜400nmの範囲に入る。さら
に、エネルギー密度は、周囲の残りの材料を実質上加熱
しないで切削した材料の速やかな追い出しを実施するに
は、約1μ秒より短いパルス長でcm当り約100m
Jを上回るものでなければならない。上述のようなレー
ザ切削技術は当分野で説明されている。Znotin
s,T.A.等、Laser FocusElectr
o Optics,(1987)pp.54〜70;S
chantz等に対する米国特許第5,291,226
号及び第5,305,015号。
【0059】用語「射出成形」は、一定量の溶解したプ
ラスチック又はセラミック基体をダイ(即ち型)中に射
出することにより塑性又は非塑性のセラミック形状を成
形するプロセスを指すのに用いる。本発明の一実施例で
は、射出成形を用いて小型化カラムデバイスが作られ
る。
【0060】より詳細には、小型化カラムデバイスの型
即ちダイを作ることが考えられており、そこでは適当な
ポリマー基板に原型のマイクロストラクチャーパターン
を定めるのにエキシマーレーザ切削が使われる。そのよ
うにして作られたマイクロストラクチャーは、次いで、
極めて薄い金属層でコーティングしかつキャリアを与え
るためニッケルのような金属で(電型法によるように)
電気めっきしてよい。金属キャリアが元のポリマーから
切り離されると、ポリマーのネガ(凹)構造を有する型
挿入物(即ち治具)が得られる。従って、切削されたマ
イクロストラクチャーパターンの多重複製を、当分野で
よく知られている射出成形技術を使って適当なポリマー
又はセラミック基板に作り込んでよい。
【0061】用語「LIGA処理」は、シンクロトロン
放射リソグラフィー、電型法、及び塑性成形法を使って
高アスペクト比と高い構造精度を有するマイクロストラ
クチャーを組み立てる処理法を指すのに用いる。LIG
A処理では、放射線に鋭敏な樹脂にシンクロトロン源を
使ってリソグラフィーできるよう高エネルギー放射量を
照射して、(チャネル、ポート、アパチャー及びマイク
ロアライメント手段のような)所望のマイクロストラク
チャーを作り出し、それで一次の型板を形成する。
【0062】次いで、その一次型板に電着技術で金属を
充填する。このようにして形成した金属の構造体は、一
次型板にとって代わる二次の樹脂型板組立用の型挿入物
から成る。この方法で射出又は反応性射出成形技術を使
って種々の基板に元のマイクロストラクチャーの高精密
レプリカ(複製品)を形成してよい。LIGA技術は、
Becker,E.W.,等によるMicro ele
ctric Engineering(1986)4:
35〜56に記載されている。LIGA型板を使って射
出成形してよいもので、かつ本発明の実施に適する基板
である多数のポリマー基板の記述は、「Contemp
orary Polymer Chemistry」,
Allcock,H.R. and Lampe,F.
W.(Prentice−Hall,Inc.) Ne
w Jersey(1981)に見い出すことができ
る。
【0063】「選択的」又は「選択的に」は、その次ぎ
に記述される特徴もしくは構造がμ−TASに存在して
も存在しなくてもよいこと又はその次ぎに記述される事
象もしくは状況が起きても起きなくてもよいことを、及
びその記述は前記の特徴もしくは構造が存在する場合
と、特徴もしくは構造が存在しない場合、又は事象もし
くは状況が起きる場合と起きない場合を包含すること、
を意味する。例えば、文節「選択的に検出手段を持つμ
−TAS」は、アクセスポートがデバイス上にあっても
無くてもよいこと及びその記述はアクセスポートがある
場合と無い場合の両方の状況を包含することを意味す
る。
【0064】従って、本発明は、適当な基板にレーザ切
削法を使って行うμ−TASを含む小型化カラムデバイ
スの作成に関する。また、射出成形技術を使って本発明
に従うカラムデバイスとμ−TASとを形成することが
意図されており、この場合、原型のマイクロストラクチ
ャーはエキシマーレーザ切削処理で予め形成されるか、
又は原型のマイクロストラクチャーはLIGA処理で予
め形成される。
【0065】より詳細には、試料処理区画、注入手段、
検出手段及びマイクロアライメント手段のようなマイク
ロストラクチャーは、エキシマーレーザ切削によって平
坦基板に形成してよい。周波数逓倍ヤグ(YAG)レー
ザもエキシマーレーザの代わりに用いてよい。そのよう
な場合、発明を実施するのに有用な複合マイクロストラ
クチャーパターンは、ステップ・アンド・レピート処理
におけるように、マスキング処理とレーザ切削手段とを
組み合わせて適当なポリマー又はセラミック基板上に形
成してよく、この場合における前述の諸処理法は熟練し
た当業者には容易に理解されるであろう。
【0066】本発明の実施において、好ましい基板は、
DuPont社から商標Kapton又はUpilex
で市販されているもののようなポリイミド材料から成る
が、選択された特定の基板は他の任意の適当なポリマー
又はセラミック基板から成ってよい。特に、ここで予想
されるポリマー材料は、次の部類から選択される材料、
ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリエーテル、ポリオレフィン、又はその混合
物、を包含する。さらに、選択されたポリマー材料はリ
ールに巻いた長い線条の形で製造してよく、また、ステ
ップ・アンド・レピート処理を通して基板を正確かつ確
実に搬送するために、材料の側面に沿う選択なスプロケ
ット穴を設けてよい。
【0067】本発明に従い、選択ポリマー材料はレーザ
処理室へ搬送され、1つ以上のマスクで限定されたパタ
ーンがレーザ放射を使ってレーザ切削される。好ましい
実施例においては、該マスクは、例えば、(入口及び出
口ポートを含む)多重アパチャー(開口部)、マイクロ
アライメント手段及び試料処理チャンバーを包含する、
材料の拡張領域について切削した特徴構造の全てを限定
する。
【0068】あるいは、アパチャーパターン、試料処理
チャネルパターン、等のような諸パターンは、実質的に
レーザビームより大きい共通マスク基板上に並べて配置
してよい。次いで、そのようなパターンを順次ビーム中
へ移動してよい。他の意図した製造法では、1つ以上の
マスクを用いて基板を通してアパチャー群を形成してよ
く、そして別のマスクとレーザエネルギー強度(及び/
又はレーザ放射(ショット)数)を用いて基板の厚み部
分を貫いて専ら形成される試料処理チャネルを定めてよ
い。前述のマスクに用いられるマスキング材料は、好ま
しくは、レーザ波長で十分反射するものであって、例え
ば、多層誘電材料又はアルミニウムのような金属から成
るものである。
【0069】本発明に採用されるレーザ切削システム
は、一般的に、ビーム送り出し光学系、アライメント用
光学系、高精度で高速のマスクシャットルシステム、及
び材料の操作及び位置決め機構を含む処理チャンバを包
含する。好ましい実施例では、レーザシステムは投影マ
スク配列構成を用いており、この構成では、マスクと基
板との間に挿入された精密レンズがエキシマーレーザ光
をマスクで限定されたパターン像として基板上へ投影す
るものである。
【0070】レーザ切削は、広範囲の形状寸法の小型化
試料処理チャネル群及びアパチャー群を形成するのに用
いてよい、ということは通常の技能を持つ当業者には容
易に理解されるであろう。アンダーカッティングを包含
しない形状寸法はどれも、基板全域でのレーザ光強度の
変調のような切削技術を使い、対応する深さを制御する
ため光束を表面全域でステップ状に切換えるか又は各位
置に加えられる誘導とパルス数をステップ状に切換えて
設定してよい。さらに、本発明に従って作成されたレー
ザ切削チャネル又はチャンバーは、シリコンのマイクロ
マシーニングのようなエッチング技術を使って以前に可
能であったより、はるかに大きいチャネル深さ対チャネ
ル幅の比をもって容易に製造されるものである。そのよ
うなアスペクト比は難なく1を超え、10に達すること
さえあり得る。
【0071】発明の好ましい実施例では、半円の断面を
持つチャネルは、露光強度を制御して又は各露光間でビ
ームを再度方向決めする多重露光を実施してレーザ切削
される。従って、対応する半円形チャネルがそのように
形成されたチャネルとアライメントして合体されると、
高度に対称的な円形断面を持つ試料処理チャンバーが定
められ、これは分離デバイス中の流体の流れを増進する
には望ましいものといえる。
【0072】本発明で予測されるレーザ切削工程の最終
段階として、洗浄処理が実施され、ここでは基板のレー
ザ切削部分が洗浄ステーションの下に置かれる。洗浄ス
テーションでは、レーザ切削で出る破片は、標準の工業
上の慣用手段によって取り除かれる。
【0073】液相分析デバイスの分野に携わる人には理
解されるように、上述の方法は広範囲の小型化デバイス
を製造するのに用いてよい。そのようなデバイスの1つ
が図1に示されており、ここでは、小型化カラムデバイ
スの特定の実施例は全体的に符号2で表されている。一
般に、小型化カラム2は、レーザ切削技術を使って選択
した基板4に形成する。基板4は、一般に、それぞれ6
と8で表される第1及び第2の実質上平坦な対向表面か
ら成り、かつレーザ吸収性であるシリコン以外の材料か
ら選択されるもので、従って、レーザ切削可能である。
【0074】本発明の特定実施例では、小型化カラム
(デバイス)2はチップ上に切削されたカラム構造から
成り、それは、本発明の実施において、Vespel
(商標)のような塑性ポリイミドの加工可能な形であっ
てよい。本発明において特に意図されることは、融解石
英の欠点に関する相当の経験とその代替物への研究に基
づいて、ポリイミドが液相分離システムの分離部分とし
て非常に望ましい基板材料であることが証明されている
ようなポリイミド基板を用いることである。
【0075】この点に関して、ポリイミドは、従来の二
酸化ケイ素を素地とした分離システムでは分析が特に困
難であることが分かっているタンパク質に対して低吸着
性を示すことが立証されている。この困難な部類の溶質
の分離についての好結果の実例から、他の溶質の分離は
問題とならないであろうことが特徴的に保証される。さ
らに、ポリイミドは縮合重合体であるため、その表面に
複数の基(groups)を化学的に結合させることが
可能であり、これによって目的とする分析に依存して様
々な所望の表面特性を実現することができる。従来の二
酸化ケイ素を素地としたシステムとは異なり、ポリマー
基板に対するこれらの結合で塩基性領域(pH9〜1
0)におけるpHの安定性が証明されるのである。
【0076】次に、図1〜図3に参照されるように、基
板4は、第1平坦表面6にレーザ切削されたマイクロチ
ャネル10を有する。マイクロチャネル10は全体的に
拡大された形で表されているが、本発明のもとに形成さ
れたマイクロチャネル群は、多様な形状、例えば、直線
状、ヘビ状、螺旋状、又は所望の任意の湾曲経路状に切
削してよい、ということは容易に分かるであろう。さら
に、上文で比較的詳細に説明したように、マイクロチャ
ネル10は、半円、矩形、菱形、及びその類を含む多様
なチャネル形状で形成してよく、かつそのチャネル群は
広範囲のアスペクト比で形成してよい。また、留意すべ
きは、その上にレーザ切削された複数のマイクロチャネ
ルを有するデバイスは、本発明の精神の範囲内に帰着す
るということである。
【0077】特に、図1と図4を参照して、カバー板1
2は、前記の第1平坦表面6上に配置され、レーザ切削
されたマイクロチャネル10と組み合わせて、細長の試
料処理区画14を形成する。カバー板12は、ポリイミ
ドのような、任意の適当な基板で作ってよく、基板の選
択は、シリコン(ケイ素)又は二酸化ケイ素材料のよう
な望ましくない分離表面を避けることで制限されるだけ
である。
【0078】本発明に基づき、カバー板12は、第1平
坦表面6上に固定できるようにアライメントして、加圧
シーリング技術を使うことにより、(クリップ、応力ば
ね又は関連締付け器具のような)部分品を合体する外部
手段を使うことにより又はポリマー、セラミックス及び
その類を連結する分野でよく知られている接着剤を使う
ことにより、液体の漏れない(液密)試料処理区画を形
成してよい。
【0079】図1〜図4を参照して、カバー板12がさ
らにそこに切削されたアパチャーを包含する発明の特殊
な実施例を示す。この点に関して、第1アパチャーはそ
の第1末端16で試料処理区画14と通じて外部源から
前記試料処理区画への流体の通過を可能にする入口ポー
ト18を形成する。第2アパチャーはその第2末端20
で試料処理区画14と連絡して試料処理区画から外部の
容器への流体の通過を可能にする出口ポート22を形成
する。従って、小型化カラムデバイスは、試料処理区画
の第1末端16から延びてその第2末端20まで通過す
る流体経路をもって形成され、それによって試料の液相
分析が周知の諸技術を使って実行できるのである。
【0080】やはり図1〜図4を参照して、基板4とカ
バー板12の両方にレーザ切削された試料導入手段を包
含する本発明の特殊な実施例を示す。内部切削されたバ
イパスチャネル24が基板4に形成され、前記チャネル
24は試料処理区画の第1末端16近くで露出する。2
つの別のアパチャー26及び28をカバー板12に作り
かつそれをバイパスチャネル24の第1及び第2末端
(それぞれ30及び32で表示)に連携するよう配置す
る。この方法で、外部容器に保持されている試料をバイ
パスチャネル24に導入して(チャネル24の寸法で決
まる)既知容積を持つ試料プラグ(栓)を形成してよ
い。このように形成した試料プラグは、次いで、入口ポ
ート18を介して試料処理区画14の第1末端16に、
外部の機械的弁機構を前記入口ポートとレーザ切削アパ
チャー26と28とに連絡させかつ溶液をバイパスチャ
ネル24を通して試料処理区画の中へ流すことにより導
入してよい。
【0081】バイパスチャネル24及びアパチャー26
と28により様々な試料導入技術が本発明に従ってさら
に実施できるようになる、ということは留意すべきであ
る。特に、試料処理区画に接続されないバイパスチャネ
ルを設けることで、ユーザは、試料のキャリーオーバー
(残余)又はカラム汚染を被らないでバイパスチャネル
を通して試料を流すことができる。本明細書を読めば通
常技術をもつ当業者に明らかになるように、前述の試料
導入技術は、関連回転子を小型化カラムの外表面の固定
子に突合せ結合して実行してよく、この場合、回転子は
外部の配管及び流体源を入口ポート18及びアパチャー
26と28とに選択的にインタフェースして、試料をバ
イパスチャネル24から外部配管に流し、次いでそこか
らその液相分析を行うためその試料を入口ポート18を
介してカラム中へ導入してよい。この点に関して、ポリ
イミド基板に作り込まれた小型化カラムデバイスは、
(液密シールを形成するため)応力を使ってそのデバイ
スに押しつけられているセラミックの回転子をデバイス
上の選択されたアパチャー位置の間で2つの材料の摩擦
特性によってさらに回転させる。他の適当な回転子は、
限定しないが、ガラス及び非伝導性物質のような堅い材
料で作ってよい。
【0082】従って、本発明の実施において、外部ハー
ドウェアにより、カバー板12の中へ向けてレーザ切削
された穴を経由して電解液、フラッシュ(流し)液又は
試料のような個々の外部液体の容器に小型化カラムデバ
イスを連絡させるのに必要な機械的弁機構が与えられ
る。この特徴から、本発明に従って構築された小型化平
坦カラムデバイスに、加圧注入、流体力学的注入又は界
面動電注入を含む種々の注入法を適用することが可能と
なる。図1〜図3の特定実施例では、外部の弁機構と注
入手段とはレーザ切削アパチャーへの突合せ結合によっ
て試料処理デバイスに連絡することが意図されている
が、当分野で知られている他の適当な接続法はどれも本
発明に容易に適用することができる。さらに、留意すべ
きは、他の多数の試料注入法及び流体をインタフェース
する諸構想が実施されてよくかつそれらもやはり本発明
の精神の範囲内に帰着するということである。
【0083】また、本発明に従い、試料処理区画14の
長手方向に沿って推進力を加えるための各種手段を標記
デバイスと結合させてよい。この点に関して、駆動手段
を入口ポート18と出口ポート22とにインタフェース
させて試料処理区画の長手方向全体に沿って圧力差又は
電位を印加してよい。
【0084】本発明のもとで小型化カラムの構築にポリ
イミドのような基板を使用することにより、標記カラム
を通過する対象の分離被検体を検出するために屈折率
(RI)検出法を用いることが可能となる。この点に関
して、ポリイミドが「透明」になる(即ち、ポリイミド
を透過する)波長の(例えば、>500nmの)放射線
を放射する関連レーザダイオードの装備は、カラムデバ
イスにそれ以上の付帯的な特徴構造を何ら切削する必要
のない検出法の設定を考慮したものである。
【0085】ここで図2〜図4に参照されるように、本
発明の好ましい実施例では、検出手段は基板4及びカバ
ー板12中に切削してよく、この場合、前記検出手段は
試料処理区画14の第1末端16の事実上下流に露出す
る。より詳細には、アパチャー34は、試料処理区画1
4と連絡させるため基板4を通して切削してよい。対応
するアパチャー36も同様にカバー板12に形成し、か
つカバー板を基板に貼り付けるときにそれがアパチャー
34と共軸にアライメントされて試料処理区画14を形
成するよう配置してよい。この方法で、試料処理区画を
通過する対象の分離被検体を電気化学的検出技術によっ
て検出するため、アパチャー34及び36を経由して電
極(表示しない)を小型化カラムデバイスに接続してよ
い。
【0086】図5を参照して、全体を42で表示した好
ましい検出手段から成る本発明の別の実施例(符号2′
で表示)を示す。より詳細には、第1透明シート38を
設け、ここでカバー板12が前記第1透明シートと基板
4との間に挟まれる。第2透明シート40も設け、この
場合は、第2シートは基板4の第2平坦表面8の上に配
置される。この方法で、試料処理区画の主軸に直交する
(及び、従って、電気泳動分離における電気浸透の流れ
方向に直交する)放射線の伝達を介して、マイクロチャ
ネル10とカバー板12との組合せで形成された試料処
理区画を通過する分離被検体の光学的検出が検出手段4
2により可能となる。さらに、本発明の実施において、
透明シートは、クォーツ、ダイヤモンド、サファイア、
融解シリカ又はその中を光が通過できる他の任意の適当
な基板のような材料から成ってよい。
【0087】標記透明シートは、検出アパチャー34と
36とを覆いかつシールできるだけの表面積をもたせて
作ってよく、又は前記シートはカラムデバイスの全表面
積を完全に覆うことができる寸法であってもよい。この
点に関して、例えば、融解シリカの実質的に共平面シー
トを用いて、特に薄い基板フィルム、例えば、薄膜ポリ
イミド基板で形成されたカラムデバイスに対して構造的
補強を施してよい。
【0088】従って、上述の光学的検出手段42では、
本発明によって構成されるカラムを小型化するため種々
の外部光学検出手段を採用することが可能となる。さら
に、例えば、基板4とカバー板12とが熱接着性のポリ
イミドの層を含むポリイミド材料で形成されるときは、
前述の接着剤を用いて形成されたクォーツ/Kapto
n(商標)結合は極めて弾力性があることが分かってい
るので、小型化カラムデバイス2′に対する透明シート
38と40のシーリングが容易にできる。標記デバイス
に対する他の好ましい透明シート材、例えば、ダイヤモ
ンド、サファイア又は融解シリカのシーリングは、当分
野で周知の接着技術を使って実行してよい。
【0089】電磁波長の範囲を越える放射で検出ができ
るということは、UV/Vis、蛍光、屈折率(RI)
及びラマンを含む種々の分光光度検出法を、本発明によ
る小型化カラムとインタフェースで接続できることにな
る。
【0090】さらに、容易に理解できるように、基板と
カバー板とに切削されたアパチャーから成る光学的検出
手段を用いることによって、本発明により構成された小
型化カラムデバイスの有効検出経路長にわたって十分な
制御が実行される。この点に関して、検出経路長は、基
板4とカバー板12の複合厚に実質上等しく、250μ
m未満の検出経路長は、ポリイミドのような薄膜基板の
標記検出手段42を使って容易に得ることができる。
【0091】次に、図6を参照して、アパチャー34と
36によって、試料処理区画14の細長い容積が検出手
段42との交差点で設定され、ここでその容積は基板4
とカバー板12の複合厚に比例する。この方法で、試料
処理区画14を通過する試料プラグは、検出領域におけ
る区画容積の増加によってそのプラグが影響されると
き、特に、基板とカバー板の複合厚が約250μmを越
える場合は不都合にひずみ、それによってデバイスの検
出効率が多分低下するかも知れない。
【0092】従って、本発明において、250μmを越
える検出経路長が望まれる場合、基板の2つの対向する
表面上に特徴構造がレーザ切削された代替デバイスの実
施例が与えられる。より詳細には、図7と図8におい
て、小型化カラムデバイスのさらに別の実施例が全体を
52で表示されている。その小型化カラムは、それぞれ
56及び58で表示された第1及び第2の実質上平坦な
対向表面を有する基板54から成る。基板54は、第1
平坦表面56にレーザ切削された第1マイクロチャネル
60と第2平坦表面58にレーザ切削された第2マイク
ロチャネル62を有し、そのマイクロチャネルは、上述
のように、様々な寸法、形状及びアスペクト比をもって
与えられてよい。
【0093】図7と図8の小型化カラムデバイスはさら
に、それぞれ64及び66で表示された第1及び第2カ
バー板を含み、それらは、第1及び第2マイクロチャネ
ル60及び62と組み合わされて、基板54が第1及び
第2カバー板の間にサンドイッチされるときに第1及び
第2の細長い分離区画を定める。
【0094】同じく図7と図8を参照して、複数のアパ
チャーをデバイスにレーザ切削して拡張された分離区画
を設定し、さらに流体伝達手段を設けてよい。より詳細
には、第1及び第2平坦表面56と58とに直交する軸
を有する基板54にレーザ切削されたアパチャーから成
るコンジット手段72は、第1マイクロチャネル60の
末端74を第2マイクロチャネル62の第1末端76に
連絡させて拡張分離区画を形成する。
【0095】さらに、第1カバー板64にレーザ切削さ
れた第1アパチャー68によって、第1マイクロチャネ
ル60との流体伝達が可能となり、第2カバー板62に
レーザ切削された第2アパチャー70によって、第2マ
イクロチャネル62との流体伝達が可能となる。容易に
理解されるように、第1アパチャー68が入口ポートと
して使われ、かつ第2アパチャー70が出口ポートとし
て使われるとき、第1及び第2マイクロチャネル60及
び62の複合長に沿って拡張する流路を有する小型化カ
ラムデバイスが設定される。
【0096】図7と図8に示す本発明の実施例におい
て、上述したような様々な試料導入手段を採用すること
ができる。液体処理能力を与えるために外部ハードウェ
アも当該デバイスにインタフェースで接続でき、また、
分離区画の長手方向に沿って推進力を加えるための様々
な手段も、例えば、上述のように推進デバイスを第1及
び/又は第2アパチャー68と70にインタフェースで
接続して、同デバイスに結合してよい。
【0097】加えて、種々の検出手段は標記実施例に容
易に包含される。この点に関して、第1アパチャー78
を第1カバー板64にレーザ切削し、第2アパチャー8
0を第2カバー板66に同様に形成して、結果的に、基
板54が第1及び第2カバー板の間にサンドイッチされ
るときに第1及び第2アパチャーアがコンジット手段7
2と共軸で並ぶようにしてよい。従って、例えば、電極
をアパチャー78と80とを介して小型化カラムに接続
しかつ電気化学的技法を使うことにより、コンジット手
段を通過する分離試料の被検体の検出が容易にできるこ
とになる。
【0098】しかし、レーザ切削したコンジット手段7
2の主要な特徴は、検出点での分離区画容積の増加に起
因する不都合な試料プラグの歪みを経験しないで、1m
m未満、もしくはそれより大きい、拡張光学検出経路長
を実現できるという能力である。図7、図8及び図11
に参照されるように、それぞれ82及び84で表示され
た第1及び第2透明シートは、第1カバー板64が第1
透明シートと第1平坦表面56との間に挟まれ、かつ第
2カバー板66が第2透明シートと第2平坦表面58と
の間に挟まれるように、設けることができる。透明シー
ト82と84は、石英結晶(クォーツ)、融解シリカ、
ダイヤモンド、サファイア及びその類のような適当な材
料から選択してよい。さらに、透明シートは、検出アパ
チャー78と80とを覆いかつシールできるだけの表面
積をもたせて作ってよく、又はそれらのシートはカラム
デバイスの全表面積を完全に覆うことができる寸法であ
ってもよい。上述のように、この特徴のため、特に薄い
基板で形成されたカラムデバイスに対して構造的補強を
施すことが可能となる。
【0099】図11に最もよく示されているように、標
記配置によって、小型化カラムデバイスを通過する試料
被検体の光学的検出がコンジット手段72の主軸に対応
する光学検出経路長86に沿って実行できることにな
る。容易に分かるように、光学検出経路長86は、基板
54の厚みによって実質的に決められ、かつ、従って、
μmのカラム寸法と1mm未満又はそれより大きい光学
経路長を有する小型化カラムデバイスを調製する上で大
幅の柔軟性を持たせることが、本発明のもとで可能とな
る。この方法において、関連した様々な光学検出手段
は、本発明によって構成された小型化カラムデバイスに
インタフェースさせてよく、かつコンジット手段72を
通過する試料被検体の検出は、UV/Vis、蛍光、屈
折率(RI)、ラマン及び類似の分光光度検出法を使っ
て実行してよい。
【0100】次に、図9と図10を参照して、小型化カ
ラムデバイス52′から成る本発明の関連実施例を示
し、この場合、カラム部分と第1及び第2カバー板が全
体的に88で表示された単一のフレキシブルな基板で形
成される。このように、フレキシブルな基板88は3つ
の別々の領域:それぞれ第1及び第2の実質的に平坦な
対向表面56′及び58′を有するカラム部分88B、
そのカラム部分を挟む第1カバー板部分88A、及び第
2カバー板部分88C、から構成される。第1及び第2
カバー板部分は、少なくとも1つの実質的に平坦な表面
を持つ。第1カバー板部分88Aとカラム部分88Bと
は、少なくとも1つの折曲げ手段90で区切られてお
り、その結果、第1カバー板部分はカラム部分88Bの
実質的に平坦な第1表面56′の上に容易に折り重ねる
ことができる。同様に、第2カバー板部分88Cとカラ
ム部分88Bとは、少なくとも1つの折曲げ手段92で
区切られており、その結果、第2カバー板部分はカラム
部分88Bの第2の実質的に平坦な表面58′の上に容
易に折り重ねることができる。特に好ましい実施例で
は、各折曲げ手段90及び92は、フレキシブル基板に
間隔を持たせて切削した送り穴、基板を通して部分通路
だけを延長できるよう間隔を置いて切削した溝(みぞ)
穴様の凹部又はアパチャー、もしくはその類の列で構成
されてよい。送り穴又は凹部は、円形、ダイヤモンド
形、六角形又は予定の直線に沿って蝶番(ヒンジ)を形
成しやすい他の形状を持っていてよい。
【0101】従って、小型化カラムデバイス52′は、
カラム部分88Bの第1平坦表面56′に第1マイクロ
チャネル60′をレーザ切削し、かつカラム部分の第2
平坦表面58′に第2マイクロチャネル62′をレーザ
切削することによって作られる。各マイクロチャネル
は、様々な寸法、形状及びアスペクト比をもって与えら
れてよい。その後、第1カバー板部分88Aが第1マイ
クロチャネル60′を覆って細長い分離区画を形成する
ように第1折曲げ手段90の所でフレキシブル基板88
を折り曲げて第1分離区画を形成する。その後、第2カ
バー板部分88C、が第2マイクロチャネル62′を覆
って上述のように細長い分離区画を形成するように、第
2折曲げ手段92の所でフレキシブル基板88を折り曲
げて、第2分離区画を作る。第1及び第2平坦表面5
6′と58′とに直交する軸を有するカラム部分88B
にレーザ切削されたアパチャーから成るコンジット手段
72は、第1マイクロチャネル60′の末端を第2マイ
クロチャネル62′の第1末端に連絡させて単一の拡張
分離区画を形成する。
【0102】さらに、第1カバー板部分88Aにレーザ
切削されたアパチャー68′によって、第1マイクロチ
ャネル60′との流体伝達が可能となり、第2カバー板
部分88Cにレーザ切削された第2アパチャー70′に
よって、第2マイクロチャネル62′との流体伝達が可
能となる。容易に理解されるように、第1及び第2アパ
チャーがそれぞれ入口ポートと出口ポートとして使われ
るとき、第1及び第2マイクロチャネルの複合長に沿っ
て拡張する流路を有する小型化カラムデバイスが設定さ
れる。
【0103】図9と図10のデバイスに、選択的に、検
出手段を包含させてよい。1つの特定実施例では、第1
アパチャー78′を第1カバー板部分88Aにレーザ切
削し、かつ第2アパチャー80′を同様に第2カバー板
部分88Cに形成してよく、この場合、両アパチャー
は、フレキシブル基板88が上述のようにヒンジで折り
曲げられてアパチャー78′と80′とをコンジット手
段72′に正確にアライメントするとき、互いに共軸的
に連絡しかつコンジット手段72′と連絡するよう配置
される。
【0104】本発明のさらに別の関連態様では、レーザ
切削技術によるか又は当分野で周知の成形部品の別の組
立方法によって形成された、選択的なマイクロアライメ
ント手段は、小型化カラムデバイス52′に設けられ
る。より詳細には、複数のレーザ切削した対応アパチャ
ー(表示しない)を、フレキシブル基板88のカラム部
分88Bと第1及び第2カバー板部分、それぞれ88A
及び88Cとに設けることができる。標記アパチャー
は、選択的な検出手段のような種々の特徴構造を切削し
たコンジットにアライメントするため、その共軸のアラ
イメントによってカラム部分とカバー板部分の1つ、又
は両方との正確なアライメントができるよう配置され
る。前述の選択的なアライメントは、共軸アパチャーと
協同する(ピンのような)手段を備えた外部装置を使っ
て実施して、諸構成部品と諸部分とを互いに正確な軸一
致状態に維持することができる。
【0105】シリコン又は二酸化ケイ素材料以外の基板
にレーザ切削され、かつマイクロカラムデバイスを供給
するに当って以前の試みに関連して生じたいくつかの主
要な問題を避ける、新規の小型化カラムデバイスを説明
してきた。本発明の実施においてレーザ切削技術を用い
ることにより、高度に対称的でかつ精密に限定されたマ
イクロカラムデバイスを各種のポリマー及びセラミック
基板で組み立てて種々の小型化液相分析システムを実現
することが可能となる。この点に関して、(直径5〜2
00μmの範囲の)マイクロキャピラリーの寸法と1m
m未満又はそれを上回るカラム検出経路長とを有する小
型化カラムを与えてよい。この特徴は、小型化を目指す
従来の試み、例えば、毛管電気泳動においては、キャピ
ラリー作成後にデバイスに実質的加工を加えないで、達
成はできなかった。さらに、ポリイミドのような不活性
物質における小型化カラムのレーザ切削によって、シリ
コン又は二酸化ケイ素素地の材料で形成された従来のデ
バイスが遭遇した諸問題が避けられる。そのような問題
には、シリコン又は二酸化ケイ素材料の物質固有の化学
活性とpHの不安定性が含まれ、そのためそれらのデバ
イスで実施し得る分離法の種類が制限されることにな
る。
【0106】本発明の実施において、個別ユニットを作
成するために選択された基板にステップ・アンド・レピ
ート処理を使って1組の所望の特徴構造をレーザ切削す
ることによって小型化カラムデバイスを形成してよい。
この点に関して、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステ
ル及びポリカーボネートを含む縮合ポリマー基板に標記
デバイスをレーザ切削することは特に意図されるところ
である。さらに、本発明は、1組の所望の特徴構造を包
含する型板を作成するのにレーザ切削処理かもしくはL
IGA処理を使って実施してよく、これによって、小型
化カラムの多重コピーを当分野で周知の射出成形技術を
使って大量生産してよい。より詳細には、ここでは、次
のような材料、ポリカーボネート、ポリ(エチレン・テ
レフタラート)とポリ(ブチレン・テレフタラート)を
含むポリエステル、ポリアミド、(例えばナイロン)、
ポリホルムアルデヒドとポリ(フェニレン・スルフィ
ド)を含むポリエーテル、ポリイミド(例えば、Kap
ton(商標)及びUpilex(商標))、ABSポ
リマー,Kel−Fコポリマー,ポリ(メチル・メタク
リレート),ポリ(スチレンーブタジエン)コポリマ
ー,ポリ(テトラフルオロエチレン),ポリ(エチレン
ー酢酸ビニル)コポリマー,ポリ(N−カルバゾール)
を含むポリオレフィン化合物及びポリスチレン、から成
る基板の射出成形によって小型化カラムを作ることが意
図されている。
【0107】上述の基板の表面におけるマイクロチャネ
ルのレーザ切削法は、試料処理区画の形成以前に様々な
表面処理をマイクロチャネルに適用できるというさらに
別の特徴をもっている。即ち、本発明の方法を用いて作
られたレーザ切削マイクロチャネルの開放型形状(op
enconfiguration)により、従来のマイ
クロキャピラリーにおけるような、密閉型構造では不可
能であるところの、多数の表面処理又は改質を実施する
ことができる。より詳細には、縮合ポリマー基板におけ
るレーザ切削は、カルボキシル基、ヒドロキシル基及び
アミン基のような官能基を特色とする表面を持つマイク
ロチャネルを与え、そのため、当分野で周知の技術を使
って標記マイクロチャネル表面に選択した種を化学的に
結合することが可能となる。本デバイスの開放型形状に
よって可能となる他の表面処理には、表面吸着、高分子
移植及びマスキングと堆積技術並びに液体分離の分野で
周知の動的失活技術を用いるマイクロチャネル表面への
ダイヤモンド又はサファイアのような材料の薄膜堆積が
ある。
【0108】標記レーザ切削処理全般に対し厳密なコン
ピュータ化制御を加えることができるため、極めて精密
なマイクロチャネルの形成が可能となり、それがまた、
2つの実質的に平坦な構成部品に特徴構造が切削された
小型化カラムの形成を可能にし、そのときに、それらの
部品をアライメントして対称性と軸一致性が向上された
複合試料処理区画を定めることができる。この点に関し
て、折り曲げられ又は互いにアライメントされるときに
単一の小型化カラムデバイスを定めるところの2つの要
素半分を作製するのに、レーザ切削法を用いる発明のさ
らに別の実施例を与えることが意図されている。
【0109】次に図12を参照して、試料の液相分析用
小型化カラム全体を102で表示する。小型化カラム1
02は、それぞれ、106及び108で示された第1及
び第2の要素半分を有する支持体104を設けることに
よって作られる。支持体は、レーザ切削が可能でかつ切
削後折り曲げられるようにフレキシブルであって、実質
的に平坦なポリイミドフィルムのような基板から構成さ
れてよい。しかし、選択された特殊な基板も本発明にお
いて限定されるものではない。
【0110】第1及び第2の要素半分106及び108
は共に、それぞれ110及び112で表示された実質的
に平坦な内表面を有し、そこに小型化カラムの特徴構造
をレーザ切削してよい。より詳細には、第1マイクロチ
ャネルのパターン114を第1平坦内表面110にレー
ザ切削し、第2マイクロチャネルパターン116を第2
平坦内表面112にレーザ切削する。本発明に従い、前
記第1及び第2マイクロチャネルパターンは、相互の鏡
像を与えるよう支持体104に切削する。
【0111】次に、図13と図14を参照して、第1及
び第2マイクロチャネルパターン114と116で定め
られる細長い穴から成る試料処理区画118は、第1及
び第2の要素半分106と108を互いに接合点に面し
て(折り曲げることによるような)アライメントをして
形成してよい。本発明の実施において、第1及び第2の
要素半分は互いに固定できるようにアライメントして保
持し、応力を掛けることによるか、又は液相分離デバイ
スの分野で周知の接着剤の使用によるような加圧密封技
術を用いて液密試料処理区画を形成してよい。発明によ
りさらに意図されることは、半円型の断面を有する第1
及び第2マイクロチャネルパターン114及び116を
形成し、そのとき、構成半分のアライメントで高度に対
称的な円形断面を有する試料処理区画を定めてそこを通
る流体の流れを増すことができるようにすることであ
る。しかし、上で議論したように、様々なマイクロチャ
ネルの形状も本発明の精神の範囲内である。
【0112】発明のさらに好ましい実施例において、特
に意図されることは、KJ(商標)と呼ばれDuPon
t社から市販されている熱塑性の種類のポリイミドの薄
層と共押出しされたKapton(商標)フィルムから
成るポリマーの積層基板から支持体104を作ることで
ある。この方法で、第1及び第2の要素半分106及び
108は、一緒に熱シールしてよく、結果として、バル
ク(塊状)のKapton(商標)の材料と同じ化学的
性質及び、従って、同じ機械的、電気的かつ化学的安定
性を備えた液密溶接となる。
【0113】次に図12〜図14を参照して説明する
と、小型化カラムデバイス102は、さらに、関連外部
流体収容手段(表示しない)を試料処理区画118に連
絡させるための手段を包含して、液相分離デバイスを実
現する。より詳細には、複数のアパチャーを支持体10
4にレーザ切削してよく、その場合、前記アパチャーは
支持体の少なくとも1つの外表面から伸びかつ少なくと
も1つのマイクロチャネルと連絡して、その中に流体を
通過させることができる。この点に関して、入口ポート
120は、第1の要素半分106にレーザ切削されてよ
く、そして前記の第1マイクロチャネル114の第1末
端122に連絡する。同様に、出口ポート124は、第
1の要素半分にレーザ切削されてよく、そして前記の第
1マイクロチャネル114の第2末端126に連絡す
る。
【0114】容易に分かるように、液相試料処理デバイ
スは、マイクロチャネル114の第1末端122から伸
びてその第2末端126に至る流路をもたせて形成して
よい。この構成では、入口ポート120を通して関連し
た流体源(ソース)(表示しない)から流体を伝達し、
その流体をマイクロチャネル114と116とのアライ
メントをして作製した試料処理区画118中を通過さ
せ、そしてその流体を出口ポート124を介して試料処
理区画から外へ出すことにより行われる。この方法で、
当分野で周知の技術を使って広範囲の液相分析処理を標
記小型化カラムデバイスで実行してよい。さらに、試料
処理区画118の長手方向に沿って推進力、例えば、圧
力差又は電位を加えるための種々の手段を、入口及び出
口ポート経由でカラムデバイスに容易にインタフェース
させるか、又は支持体104に切削してよい別のアパチ
ャーを経由して試料処理区画にインタフェースさせてよ
い。
【0115】入口ポート120は、種々の外部流体及び
/又は試料導入手段が、小型化カラムデバイス102と
容易にインタフェースできるように設けてよい。既に比
較的詳細に議論したように、前述の手段は、外部圧注
入、流体力学的注入又は界面動電的(electrok
inetic)注入メカニズムを包含する。
【0116】次に、図12と図13に参照されるよう
に、小型化カラムデバイス102は、さらに、支持体1
04にレーザ切削された検出手段を包含する。より詳細
には、第1アパチャー128は、前記の第1の要素半分
106に切削され、その第2末端126に近い点で第1
マイクロチャネル114に連絡する。第2アパチャー1
30も前記の第2の要素半分108に同様に形成されて
第2マイクロチャネル116に通ずる。従って、様々な
関連検出手段は、次いで、試料処理区画118にインタ
フェースさせて、例えば、第1及び第2アパチャー12
8及び130を介して小型化カラムに電極を接続して、
その中を通過する対象の分離された被検体を検出してよ
い。
【0117】本発明のさらに別の好ましい実施例では、
光学的検出手段が小型化カラムデバイス102に設けら
れる。この点に関して、第1及び第2アパチャー128
及び130は、各要素半分の軸を合わせて試料処理区画
118を形成するときに、支持体104の面に直交する
軸をさらに有する前記アパチャーが、互いに共軸でアラ
イメントされるように、前記支持体に切削してよい。通
常技術をもつ当業者に容易に理解されるように、支持体
104の外面上に配置して、透明シート(表示しない)
を設けかつ前記第1及び第2アパチャー128及び13
0を覆うことにより、試料処理区画118を通過する試
料は、透明シートを通して分光光度検出手段を試料とイ
ンタフェースさせて、当分野で周知の技術を使って分析
することができる。光学検出経路長は、前記第1及び第
2の要素半分106及び108の複合厚によって実質的
に決められてよい。この方法で、250μm未満の光学
検出経路長は、125μmのポリマーフィルムに小型化
カラムデバイスを切削することにより容易に与えられ
る。
【0118】それに応じて、発明により、構成部品上に
マイクロストラクチャーをレーザ切削しかつその部品を
アライメントして優れた対称性を有するカラムを作るこ
とによって形成された、小型化カラムデバイスの好まし
いいくつかの実施例を説明した。既に詳しく記述したよ
うに、開放型形状で標記マイクロチャネルを作成するこ
とにより、様々な表面処理及び改質を試料処理区画の作
成以前にチャネルの内表面に施すことができる。この方
法で、このようにして作成された複合試料処理区画にお
いて、クロマトグラフィー、電気泳動及び電気クロマト
グラフィー的分離を含む広範囲の液相分析技法を実施し
てよい。
【0119】本発明の実施において、さらに意図されて
いることは、部品支持体の半分の精密なアライメント用
の光学手段を提供することであり、これによって、本発
明によって作成された複合試料処理区画の精密な設定が
可能となる。より詳細には、発明のさらに好ましい実施
例において、マイクロチャネル、検出アパチャー及びそ
の類のようなレーザ切削した構成部品の高精度のアライ
メントができるようマイクロアライメント手段が提供さ
れる。
【0120】次ぎに、図15と図16に参照されるよう
に、本発明に従って構成された小型化カラムデバイス
は、全体的に150で表示されており、フレキシブル基
板152に形成されている。そのカラムデバイスは、そ
れぞれ、154及び156で表された第1及び第2の支
持体半分から成り、各々は、それぞれ、158及び16
0で表された実質的に平坦な内表面をもつ。その内表面
は、全体が162で表示された、レーザ切削したマイク
ロストラクチャーを包含し、そこでは前記マイクロスト
ラクチャーは、既ににより詳細に記述したものと同様の
方法で、互いに鏡像を与えるように配置される。
【0121】構成部品の精密なアライメントは、第1の
本体半分154を第2の本体半分156の上に重ねて折
り曲げられるように、全体が180で表示された、少な
くとも1つの折曲げ手段を有するフレキシブル基板15
2に小型化カラムデバイスを形成することにより実現し
てよい。折曲げ手段180は、基板152に間隔を持た
せて切削した送り穴、基板を通して部分通路だけを延長
できるよう間隔を置いて切削した溝(みぞ)穴様の凹部
又はアパチャー、もしくはその類の列で構成されてよ
い。送り穴又は凹部は、円形、ダイヤモンド形、六角形
又は予定の直線に沿って蝶番(ヒンジ)を形成しやすい
他の形状を持っていてよい。
【0122】それに応じて、本発明の実施において、折
曲げ手段180によって、前記の第1及び第2の支持体
の各本体半分154及び156を互いにヒンジで折り曲
げかつ前記の第1及び第2の平坦内表面158及び16
0上に切削された前記マイクロストラクチャーにより定
められた複合特徴構造を正確にアライメントすることが
可能となる。
【0123】さらに意図されていることは、レーザ切削
技術によるか又は当分野で周知の成形部品の別の組立方
法によって形成された付帯のマイクロアライメント手段
を設けることである。より詳細には、複数のレーザ切削
したアパチャー(表示しない)を、前記第1及び第2の
支持体の各本体半分154及び156に設けてよく、こ
こで前記のアパチャーは、その共軸アライメントによっ
て支持体の各半分同士の精密なアライメントができ、そ
れによって切削された細長い穴のような複合特徴構造が
定められるよう配置する。アライメントは、前記共軸ア
パチャーと協同する(ピンのような)手段を備えた外部
装置を使って実施して、各本体半分を互いに正確な軸一
致状態に維持することができる。
【0124】図15と図16に参照されるように、本発
明のさらに別の特定実施例では、マイクロアライメント
手段は、当分野で周知の組立技術、例えば、成形又はそ
の類を使って前記第1及び第2の支持体の各本体半分1
54及び156に作り込んでよい。この方法において、
符号164、166及び168で表された、複数の突起
を前記第1支持体の本体半分154に形成してよい。ま
た、符号170、172及び174で表された、複数の
凹部を前記第2支持体の本体半分156に形成してよ
い。
【0125】これに応じて、容易に分かるように、マイ
クロアライメント手段は、互いに対応する構造を形成す
るよう作られ、それによって、前記の支持体の各本体半
分同士が接合点で互いに向き合ってアライメントされる
とき、突起164が凹部170と噛み合い、突起166
が凹部172と噛み合い、そして突起168が凹部17
4と噛み合う。この方法において、支持体の各本体半分
154及び156の明確かつ正確なアライメントが可能
となり、それによって、前記のレーザ切削したマイクロ
ストラクチャー162によって限定された複合特徴構造
を精密に定めることができる。
【0126】本明細書を読めば通常技術をもつ当業者に
は容易に分かるように、対応するマイクロアライメント
の様々な特徴構造は、本発明の精神から逸脱しないで標
記小型化カラムデバイスに形成することができる。その
ような付帯特徴構造は、穴及び/又は前記の構成部品に
おけるグルーブ(溝)及びエッジのような対応構造体の
任意の組合せを包含し、そこで前記の特徴構造が協同し
て構成体部品の正確なアライメントを可能にするもので
ある。
【0127】図17は、μ−TASの一実施例を説明す
るものである。この実施例は生体分析の応用(実施例1
参照)について記述されているが、複合マトリックスに
おける(約1000分子量未満の)小さい溶質種と(約
1000分子量を越える)大きい種を含む、任意の溶質
種に関して初めから終わりまでの一貫分析を実現するこ
とは、本発明の目的とするところである。
【0128】一般に、μ−TAS200は、上に詳述し
たように、第1及び第2の平坦な対向表面を有し、その
第1の平坦な基板に少なくとも2つの試料操作領域(2
02〜212及び214〜220)を有するマイクロチ
ャネルをレーザ切削し、さらに選択的に、複数のレーザ
処理したアクセスポート(222〜232)と検出手段
(234〜240)を有する基板を設けることによって
構成することができる。試料流路の構成要素(202〜
212)と試料操作領域に対応する試料取り扱い部の構
成要素(214〜220)とを有する試料処理区画は、
平坦表面上にカバー板を配置して作ることができる(例
えば、図1〜図4参照)。
【0129】あるいは、μ−TAS200は、平坦な内
表面をもつ第1及び第2の要素半分有し、その第1及び
第2の要素の内表面に少なくとも2つの試料操作領域
(202〜212及び214〜220)を有するマイク
ロチャネルの鏡像をレーザ切削し、さらに選択的に、レ
ーザ処理したアクセスポート(222〜232)と検出
手段(234〜240)を有する基板を設けることによ
って構成してよい。試料流路の構成要素(202〜21
2)と試料操作領域に対応する試料取り扱い部の構成要
素(214〜220)とを有する試料処理区画は、内表
面を互いに突合せ対向させてアライメントすることによ
り形成してよい。
【0130】さらに別の実施例では、μ−TAS200
は、図9と図10に参照されるように、上述した3つの
明確な領域、即ち、第1及び第2の実質的に平坦な対向
表面を有するカラム部分、第1カバー板部分及び第2カ
バー板部分を有する単一のフレキシブル基板を設けるこ
とによって作ってよい。従って、例えば、少なくとも2
つの試料操作領域(202〜212及び214〜22
0)を有するマイクロチャネルは、フレキシブル基板の
カラム部分の第1内表面にレーザ切削してよい。次い
で、第1折曲げ手段のところで第1カバー板部分がカラ
ム部分の第1平坦表面を覆うようにフレキシブル基板を
折り曲げることによって試料処理区画を形成する。ある
いは、少なくとも2つの試料操作領域(202〜212
及び214〜220)を有するマイクロチャネルの鏡像
をフレキシブル基板のカラム部分と第1カバー板部分の
内表面にレーザ切削して、結果として、上述のように、
第1折曲げ手段のところでフレキシブル基板を折り曲
げ、カラム部分の第1平坦表面を第1カバー板部分の内
表面に互いに突合せ対向させてアライメントすることに
より、試料処理区画を形成できる。
【0131】一般に、試料流路の構成要素(202〜2
12)が形成されるマイクロチャネルの試料操作領域
は、細長くかつ半円形状である。しかし、既にに比較的
詳細に述べたように、マイクロチャネルは、半円、方
形、菱形、及びその類を含む様々なチャネル形状で作ら
れてよく、かつそのチャネル群は種々のアスペクト比で
作られてよい。試料取り扱い部の構成要素(214〜2
20)が形成されるマイクロチャネルの試料操作領域
は、典型的には方形である。しかし、それは所望の任意
の形状でレーザ切削してよい。さらに、特定のどのμ−
TASにおいても、マイクロチャネルの試料操作領域
は、方形、正方形、三角形、及びその類を含む形状の任
意の組合せで作られてよい。加えて、図17に説明され
ているμ−TASは高アスペクト比(即ち、マイクロス
トラクチャーの深さが幅より大きいアスペクト比)をも
つ試料流路成分と低アスペクト比(即ち、マイクロスト
ラクチャーの幅が深さより大きいアスペクト比)をもつ
試料取り扱い要素を包含しているとはいえ、これは制限
しようとするものではない。例えば、第4試料取り扱い
要素220におけるように、試料取り扱い要素は高アス
ペクト比を有してよい。
【0132】図17に描写したように、μ−TAS20
0は、試料流路成分(202〜212)と試料取り扱い
要素(214〜220)とを交互に配する連続した配列
である。選択的に、検出手段232〜240を試料流路
成分に沿って配置する。検出手段は、上で詳述したよう
に、カバー板、基板自体、又はカバー板と基板の両方に
形成してよい。
【0133】加えて、図17に示す選択的なアクセスポ
ート(222〜232)は、試料流路成分に沿って配置
する。このアクセスポートにより、μ−TASによる試
料作成を実施するのに必要な試料流路成分からの試料、
緩衝液及びその類の導入又は除去に要する、例えば、外
部の液体容器又は弁機構との試料流路成分の流体伝達が
可能となる。液体操作機能を与えるため外部ハードウェ
アも標記μ−TASにインタフェースで接続してよく、
試料処理区画の長手方向に沿って推進力を加えるための
各種手段もμ−TASに結合してよい。従って、アクセ
スポートは、アクセスポートに通じる弁が個別に「起
動」できるよう、即ち、流れをアクセスポートを通して
流すために開き、又は流れを遮るために閉じるように、
弁機構のマニホルドとの流体の伝達が転換及び切り換え
できる状態であってよい。
【0134】図17を特に参照して、ここで描写された
μ−TAS200は、第1試料取り扱い要素214と流
体伝達状態にある第1試料流路成分中へそれによって試
料を導入できる第1アクセスポート222を包含する。
その試料は、事前に処理をしないで第1アクセスポート
222経由で試料流路成分へ直接加えてよい。選択的
に、第1アクセスポート222を外部のプレカラム試料
作成デバイスと、例えば、濾過デバイスと、インタフェ
ースさせてよい。
【0135】一実施例では、試料取り扱い要素214は
濾過作用を行い、粒子、シート又は膜から作られた多孔
性媒質を充填してよい。好ましい実施例では、媒質は、
45〜60μmの有効孔寸法をもつ。好ましくは、媒質
はバイオコンパチブル型であり、ナイロン、セルロー
ス、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、
アガロース、又はその類のような材料から作ってよい。
代替実施例では、濾過作用は、試料取り扱い要素214
中への試料導入以前にインラインデバイスで実行してよ
い。
【0136】図17に示した特定の実施例では、試料取
り扱い要素214は、「捕獲機能」が働くよう設計され
る。従って、試料取り扱い要素214は、アフィニティ
ークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、錯化反応又はそうした定量クロマトグラフィー技法
(即ち、流れている試料流よりはそれとは別のバッチモ
ードで実行されるクロマトグラフィー技法)であってよ
い。アフィニティークロマトグラフィーのマトリックス
は、試料の性質に応じて、生物親和剤、抗体、レクチ
ン、酵素基質又は類似物、酵素阻害剤又は類似物、酵素
補因子又は類似物、捕獲オリゴヌクレオチド、又はその
類、を含んでよい。イオン交換のマトリックスは、陰イ
オン又は陽イオン交換媒質であってよい。錯化反応は、
例えば、ポルフィリン又はフェナントロリンとの、ボロ
ネート反応、ジチオール反応、金属イオン反応、もしく
は試料がクロマトグラフィーマトリックスと可逆反応す
るその他の反応、を含んでよい。
【0137】第1及び第2アクセスポート222及び2
24は、それぞれ、第1試料取り扱い要素214から上
流及び下流に配置される。第1アクセスポート222が
入力ポートとして用いられ、第2アクセスポート224
が回収ポートとして用いられるときは、試料取り扱い要
素214は、下流側のμ−TASの試料操作領域から切
り離すことができる。従って、試料が試料取り扱い要素
214上に充填されると同時に、被検体捕獲中に試料取
り扱い要素から流される異質の物質は、回収でき、か
つ、この方法で、下流側のμ−TASの試料操作領域へ
のその侵入が防止がれる。あるいは、第2アクセスポー
ト224は、外部流体源又はオンデバイス(on−de
vice)流体収容区画であってよい流体源に接続され
たときは、流量制御、試料誘導化、又は他の類似の機能
をもたらす流体入力ポートとして用いてよい(図18〜
図20参照)。
【0138】試料がいったん第1試料取り扱い要素21
4に導入されてしまうと、試料の流れは、第1アクセス
ポート222にインタフェースされる外部の推進デバイ
スを介して作用されてよい。あるいは、試料取り扱い要
素214への試料の流れは、オンデバイス推進手段、例
えば、オンデバイス流体収容区画の起動でもたらされて
よい。
【0139】第1検出手段234は、第1試料取り扱い
要素214とは下流側で第2試料流路要素204と直接
的又は間接的に連絡していてよい。第1検出手段234
は、第2試料取り扱い要素216上に充填されることに
なる、流路要素204における試料の存在をモニタする
ため、又は第1試料取り扱い要素214からの試料の溶
離をモニタするために用いることができる。後者の場
合、第1検出手段234は、第2アクセスポート224
から上流側の第2試料流路要素204に置くのが好まし
い。
【0140】図17に示した特定の実施例では、第2試
料取り扱い要素216は、第1試料取り扱い要素214
から溶離される被検体を脱塩又は中和する働きがある。
従って、第2試料取り扱い要素216は、電気泳動脱
塩,pH中和、サイズ排除クロマトグラフィー要素、又
はその類であってよい。
【0141】第1試料取り扱い要素214での場合のよ
うに、第2試料取り扱い要素216も、その両側に第2
及び第3アクセスポート224及び226が配置され
る。第1、第2及び第3アクセスポート222、224
及び226は、入口及び出口ポートの任意の組合せで用
いてよい。一般に、試料がいったんに第1試料取り扱い
要素214から溶離されて第2試料取り扱い要素216
上に充填されてしまうと、第2アクセスポート224は
入口ポートとして作用し、第3アクセスポート226は
出口ポートとして働き、それによって、μ−TASの試
料操作領域の下流側から第2試料取り扱い要素216を
切り離す。第1試料取り扱い要素214への逆流を防止
するため、第1アクセスポート222は閉じることがで
きる。
【0142】図17に説明したように、第3試料取り扱
い要素218は、被検体を集束しかつ最終前の試料を処
理する区画として形作られている。それなので、第3試
料取り扱い要素218は、等電集束要素、等速電気泳動
的試料積層要素、またはその類であってよい。再度、第
3試料取り扱い要素218は、その両側に第3及び第4
アクセスポート226及び228が配置され、アクセス
ポートの対、222/224及び224/226に関し
て説明したそれと類似の方法で作動されて、第3試料取
り扱い要素218を下流側の試料操作領域から分離す
る。第2及び第3検出手段236及び238も第1検出
手段234に関して上述したように用いられてよい。
【0143】第4試料取り扱い要素220は、クロマト
グラフィー、電気泳動、又は電気クロマトグラフィー機
能から選択される単一又は多重機能を包含してよい。図
17には、試料取り扱い要素220が1個だけ示されて
いるが、様々な寸法をもつ多種の要素が連続して切削さ
れかつ、特に、異なった試料処理機能として連続して作
成されてよい。第4試料取り扱い要素220に包含され
てよいクロマトグラフィー機能の例は、逆相クロマトグ
ラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィ
ニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラ
フィー、イオン交換クロマトグラフィー、キラル分離ク
ロマトグラフィー、及びその類である。クロマトグラフ
ィー機能については、固定相は、粒子表面又は要素部品
の壁に結合されるかさもなければ接着されてよい。電気
泳動クロマトグラフィーの例には、開放細管電気泳動、
ミセル界面動電キャピラリー電気泳動(Terabe
等、(1985)Anal.Chem.57:834〜
841参照)、キャピラリーキラル電気泳動、及びその
類がある。開放細管電気泳動は、種々の無機又は有機試
薬、等電集束、及びその類の何れかを使う結合層、動的
不活化を含む。ミセル界面動電キャピラリークロマトグ
ラフィーは、ドデシル硫酸ナトリウム、臭化セチルアン
モニウム、アルキルグルコシド、アルキルマルトーシド
のような界面活性剤、3−[(3−コラミドプロピル)
−ジメチルアンモニア]−1−スルホン酸プロパン
(「CHAPS」)、3−[(3−コラミドプロピル)
−ジメチルアンモニア]−2−ヒドロキシ−1−スルホ
ン酸プロパン(「CHAPSO」)、又はその類のよう
な両性イオン界面活性剤を使って実行してよい。キャピ
ラリーキラル電気泳動は、シクロデキストリン、クラウ
ンエーエル、胆汁酸塩、又はその類を使って実行してよ
い。
【0144】第4検出手段240は、第4試料取り扱い
要素220から下流側にある試料流路要素に配置してよ
い。その検出手段は、基板、カバー板、又は基板とカバ
ー板の両方に切削してよい。
【0145】選択的に、図7と図8、及び図9と図10
を参照して詳しく説明記述されているように、第4検出
手段240は、基板の第1平坦表面56及び第2平坦表
面58に直交する軸を有する基板54にレーザ切削され
たアパチャーから成り、第2マイクロチャネル62の第
1末端76と試料処理区画60の末端74とを連絡する
コンジット手段72であってよい。図11に示すよう
に、この配置によって、コンジット手段72の主軸に一
致する光学検出経路長に沿ってμ−TASを通過する試
料被検体の光学的検出が実行できる。この方法で、各種
の関連光学検出手段を発明により構成されるμ−TAS
にインタフェースさせてよく、それによって、コンジッ
ト手段72を通過する試料の被検体の検出が、UV/V
is、蛍光、屈折率(RI)、ラマン及び類似の分光光
度技術を使って可能となる。
【0146】μ−TASについてのさらに別の選択的な
実施例では、第4アクセスポート230は、1つ以上の
数の機能を提供してよい。上述のように、第4アクセス
ポート230は、第4試料取り扱い要素220の出口ポ
ートとして機能してよい。それを外部の又はオンデバイ
スの流体収容区画に選択的に取り付けてよく、それによ
って、μ−TAS中の試料の流速を調節する手段又は第
4試料流路要素210中へ試料と反応する試薬を導入し
て第4検出手段240による試料検出を助長する手段を
実現できるのである。
【0147】第6アクセスポート232は、最終検出後
の試料の回収を含む以外に1つ以上の各種機能を提供し
てよい。選択的に、第4アクセスポート230による場
合のように、第6アクセスポート232も流体収容区画
に取り付けてよい。第6アクセスポート232は、試料
の液滴を後カラム回収デバイスへ伝達するためのレーザ
切削した別のマイクロストラクチャーをインタフェース
してよい(図21〜図25参照)。
【0148】図18〜図20は、基板上に集積「オンデ
バイス」マイクロストラクチャーとしてレーザ切削した
流体収容区画を有するμ−TAS250を図解するもの
である。流体収容区画252は、緩衝液又は他の試薬を
保持できる区画を与えるために基板に適当なマイクロス
トラクチャーをレーザ切削して形成してよい。該収容区
画は、メークアップ(補給)流体、流量調節機能を与え
るかもしくは後分離前検出(post−separat
ionpre−detection)の被検体誘導化用
試薬を与えるのに用いてよい。
【0149】図18に表示した一例では、入口ポート2
54及び出口ポート256を有する流体収容区画252
は、平坦基板258にレーザ切削される。その容器のマ
イクロストラクチャーは、所望の容積を有する収容区画
を実現できるよう任意の形状寸法でかつ任意のアスペク
ト比で形成してよい。出口ポート256は、マイクロチ
ャネル262を相互接続する方法で試料処理区画260
と流体伝達状態であってよい。入口ポートは、選択的
に、収容区画がそこから充填されてよい外部流体源に切
り換えできるように接続する。容器流路要素262を相
互接続する収容区画252と試料処理区画260とは、
カバー板264との組み合わせで、それぞれ、容器マイ
クロストラクチャーと相互接続マイクロチャネルとから
形成される。
【0150】図19で図解されている別の実施例では、
流体収容区画252は、入口ポート254及び出口ポー
ト256を有する容器マイクロストラクチャー252を
第1平坦基板に、また鏡像構造252′、254′及び
256′を第2平坦基板258′にレーザ切削して形成
してよい。収容区画252は、第1及び第2基板が上に
詳述したようにアライメントされるときに形成される。
【0151】流体収容区画に保持される緩衝液又は試薬
は、接続マイクロチャネルを経由して試料処理区画26
0、試料流路要素又は試料取り扱い要素収容区画252
へ送達されてよい。収容区画から試料処理区画への流体
の流れは、受動拡散を介して生じてよい。選択的に、流
体は、作動手段によって収容区画から移動させてよい。
ここに開示された発明に従う作動手段としての効用を見
いだすであろう各種マイクロポンプ及びマイクロバルブ
は、当分野でよく知られており、例えば、Manz等、
(1993)Adv.Chromatogr.33:1
〜66及びここに引用した参考文献に記述されている。
【0152】図20の断面図に示したように、収容区画
252は、選択的に、薄膜266で覆われて薄板式ポン
プを形成する。受動1方向マイクロバルブ268は、選
択的に、相互接続マイクロチャネル262中に統合され
て移動流体の収容区画への逆流を防ぐ。選択的な、ガス
(又は液体)充填キャビティ270は、膜の上方に置か
れる。作動手段272は、膜266のたわみによって収
容区画252から流体の移動を生じさせるために採用し
てよい。
【0153】作動手段272は、膜266を直接歪ませ
るよう作用してよい。従って、作動手段は、圧電気、ピ
ストン、ソレノイド又は他の方式の、膜たわみデバイス
であってよい。あるいは、作動手段は、キャビティ27
0内部の温度がそれによって調節できる加熱手段であっ
てよい。該加熱手段は、抵抗式加熱手段又は当分野で周
知の適当な任意の方式の加熱手段であってよい。作動さ
れると、加熱手段の温度が上昇し、それによって、キャ
ビティ270の内容物を加熱しかつその容積を増加さ
せ、膜266の下方へのたわみを生じさせ、そして流体
を収容区画252から相互接続マイクロチャネル26
2、パストバルブ268及び試料処理区画260へ移動
させる。
【0154】あるいは、加熱手段272は、収容区画2
52そのものと熱接触して配置されてよい。この配置で
は、加熱手段の温度が上昇するにつれ、収容区画内の流
体の容積が増大し、そのため収容区画から試料処理区画
へ移動するのである。
【0155】本明細書で開示・クレームされたμ−TA
Sに組み込まれてよいポンピング機構の他の例には、超
音波誘導搬送(Moroney等、(1991)Pro
cMEM S’91,p.277)又は電気水力学的誘
導搬送(Richter等、(1991)Proc M
EM S’91,p.271)の原理に基づいて作動す
るものがある。加えて、電気駆動多電解ゲルから構成さ
れた化学バルブ(Osada(1991)Adv.Ma
terials 3:107;Osada等、(199
2)Nature 355:242)を用いてよい。
【0156】試料液滴を後カラム回収デバイス(32
0)へ伝達するために基板にレーザ切削されたマイクロ
ストラクチャーを全体的に図21〜図23で示す。図2
1、図22及び図23は、試料液滴がそれによって作ら
れ、そして後カラム回収できるようμ−TASから排出
される手段を図解するμ−TASの断面図である。い
ま、図21を参照して説明すると、第6試料流路要素2
12と第6アクセスポート232とは、第6アクセスポ
ート232、流体伝達手段306及び出口ノズル308
と流体連絡しかつ軸が一致している混合室304から成
る試料送達手段と流体連絡状態にある。流体伝達手段3
06は、基板にレーザ切削された外部流体源(図21)
又はマイクロチャネル(図23)にインタフェースされ
たコンジットであってよい。図21に示すように、流体
伝達手段306は、ガス又は液体の外部容器(表示しな
い)とガス又は液体のパルスがそれによって外部容器か
ら排出されて試料液滴310を作ってよい手段と転換可
能な流体伝達状態にある。図21において、ここに断面
で示された後カラム回収デバイス320は、試料液滴を
受ける微小井戸322がそこにレーザ切削されている基
板であってよい。レーザ切削法で形成された他のマイク
ロストラクチャーに関連して説明されたように、微小井
戸322は任意の形状及び任意のアスペクト比であって
よい。後カラム回収デバイス320を図24及び図25
により詳細に示す。
【0157】μ−TASから試料液滴を生成させかつ排
出させる手段のさらに別の例を、図22に断面で示す。
加熱手段312は、試料送達手段302と熱接触して配
置してよい。加熱手段312の温度が上昇するにつれ、
蒸気の気泡が混合室304で増加して、それにより液滴
310を作り出す。この方法を使う流体送達のさらに詳
しい議論については、Allen等、(1985)He
wlett−PackardJ.May1985:21
〜27を参照のこと。図21におけるように、図22に
断面図で示した後カラム回収デバイス320は、試料液
滴用の受け微小井戸322がそこにレーザ切削されてい
る基板であってよい。加えて、カバー板324は、μ−
TASと後カラム回収デバイス320間に動けるよう挿
入されてよい。カバー板324は、ノズル308及び微
小井戸322と軸が一致した開口部を有し、かつ空もし
くは充填された井戸を以前に回収された試料液滴の汚染
又は蒸着から防御する目的を持たせた構造である。
【0158】μ−TASから試料液滴を生成させかつ排
出させる手段のさらに別の例を、図23に断面で示す。
図23に示すように、及びさらに図18〜図20に参照
されるように、流体伝達手段306は、第6アクセスポ
ート232と流体連絡している第1末端とオンデバイス
の流体収容区画252と流体連絡している第2末端とを
有する相互接続しているマイクロチャネルであってよ
い。あるいは、流体伝達手段306は、第6アクセスポ
ート232と流体連絡している第1末端と外部の流体容
器(表示しない)と流体連絡しているアクセスポートで
終わる第2末端とを有するマイクロチャネルであってよ
い。加熱手段312は、流体伝達手段306と熱接触し
て配置されてよい。上述のように、加熱手段312の起
動によって、その温度の上昇、混合室304での蒸気の
気泡の増加、及び試料液滴の生成と排出が起こることに
なる。流体伝達手段306は、選択的に、カバー板26
4にレーザ切削したミクロチャネルから、又は内表面2
58と258′とにレーザ切削した鏡像のマイクロチャ
ネルから作られる。図21及び図22におけるように、
図23で断面で示されている後カラム回収デバイス32
0は、固相試料回収用の吸湿性シート手段328を保持
する基板であってよい。固相試料回収用の吸湿性シート
手段328は、ろ紙、吸収膜、又はその類であってよ
い。図22に関連して説明したように、カバー板324
は、選択的に、μ−TASと後カラム回収デバイス32
0の間に可動できるよう挿入されてよい。
【0159】図24及び図25に示すように、試料を受
ける井戸322又は吸湿性シート手段328であってよ
い試料受け手段から成る後カラム回収デバイス320
は、ノズル手段308に相関して配置されて該ノズル手
段から液滴310を受けてよい。試料受け手段は、液相
試料回収用の基板にレーザ切削した微小井戸322であ
るか又は固相試料回収用の吸湿性シート手段328であ
ってよい。後カラム回収デバイス320用基板は、選択
的に、シリコン又は二酸化ケイ素以外の材料であり、微
小井戸322はその基板にレーザ切削される。図24及
び図25に示すように、受け手段は、選択的に、多重画
分が回収できるよう出口ノズルと回転可能にアライメン
トされる。あるいは、図25に示すように、後カラム回
収デバイス320は、出口ノズルと軸一致した開口部3
26を有する保護手段324を包含し、ここで保護手段
324は、μ−TASと試料を受ける井戸322との間
に挿入される。後カラム回収デバイス320は、μ−T
AS200に回転可能にアライメントされたディスクと
して描写されているが、回収デバイスの形状はそのよう
に制限される必要はない、ということは熟練した当業者
には分かるであろう。従って、後カラム回収デバイス3
20は、例えば、試料を受ける井戸322の直線配置、
又はその類のように形作ってよい。
【0160】発明は、その好ましい特定実施例に関連し
て説明されてきたが、上記の説明並びに次の実施例は、
説明を目的としたものであって、本発明の範囲を限定す
るものではない、と理解すべきである。本発明の範囲内
の他の諸態様、諸利点及び諸修正は、本発明が属する分
野の熟練した当業者には明らかになるであろう。
【0161】次の実施例は、通常技術のもつ当業者に本
発明の方法の用法についての完全な開示と説明を提供で
きるよう公表されるものであって、発明者が彼らの発明
とみなすものの範囲を限定しようとするものではない。
数値(例えば、量、温度、等)に関して正確を確保すべ
く多々努力を払ってきたが、いくつかの誤りと逸脱は説
明されるべきである。表示されない限り、部は重量部、
温度は℃かつ圧力は大気圧かもしくはその近辺である。
表1に示す実施例では、血清成分は、以下の免疫グロブ
リンの被検体で構成されている。
【0162】
【表1】 IgG IgA IgM 濃度(mg/dl) 1200 200 100 μ γ fast γ to β fast γ to β マス(kDa) 150 160 900
【0163】免疫グロブリンの被検体がそこから抽出さ
れる他の血清成分の例には、アルブミン(4600mg
/dl)、ビリルビン(0.4mg/dl)、コレステ
ロール(211mg/dl)、クレアチン(1.1mg
/dl)、グルコース(108mg/dl)、カルシウ
ム(9/8mg/dl)及び尿酸(5.9mg/dl)
がある。
【0164】約20mm×60mmの外寸を有するμ−
TASデバイスは、DuPont社から商標Kapto
nで市販されているポリイミド材料に上述のレーザ切削
技術を使って組立てる。言及しない限り、試料取り扱い
要素部品のミリメートル単位の寸法は、以下では、幅×
長さ×深さとして表示する。
【0165】第1試料取り扱い要素214は、約5×1
0×0.2である。これは、容積2.0μlをもつ要素
を与える。同要素には、微粒子又は膜材のような高表面
積を有し、かつ被検体に関する特異性、この場合は免疫
グロブリンG、A又はMを有するマトリックスを充填す
る。被検体ーマトリックスの相互作用の特異性は、例え
ば、被検体の疎水性(例えば、逆相又は疎水性相互作用
クロマトグラフィー)又は被検体のイオン特性(例え
ば、イオン交換クロマトグラフィー)に基づいている。
他方、該特異性は、被検体のマトリックスの特異的親和
性に基づいてもよい。いずれの場合でも、第1試料取り
扱い要素の機能は、所望の被検体を「捕捉」することで
あり、従って事前濃縮機能をもたらす。第1及び第2ア
クセスポート222及び224は、基板にレーザ切削さ
れ、第1試料取り扱い要素の側面に配置される第1及び
第2試料流路要素202及び204へ流体を導入もしく
はそこから流体を排出し、かつそれらと流体連絡してい
る手段を提供する。第1及び第2アクセスポート222
及び224は、指定された部品と特異的に関連したバル
ブ(弁)が「捕捉」段階中に個別に「作動」されてこの
要素を切り離すことができるようバルブ機構のマニホル
ドと転換可能な連絡状態にある。この方法で、試料中の
好ましくない成分は、試料充填中かつ第1試料取り扱い
要素から被検体が溶離される以前に、廃水口に流され
る。
【0166】本実施例の目的で、全部で約150フェム
トモルのIgG、2.2フェムトモルのIgM及び25
フェムトモルのIgAMを含んでいる5μlのヒトの血
清を第1試料取り扱い要素214に充填した。それはI
gG、IgA及びIgMへ結合するタンパク質A/G
(Pierce)を含有する膜物質を含むものである。
試料の充填は、第1アクセスポート222を経由してそ
の要素中へその全量を注入するか又は試料をポンプで送
ることによって実行してよい。試料は、第1試料取り扱
い要素214にあるタンパク質と平衡させる。次いで、
その要素は緩衝液を流して試料中の他の未結合溶質を取
り除いてチャンバーを清浄する。
【0167】試料が第1試料取り扱い要素214におい
て捕捉マトリックスと釣り合った後、第1及び第2アク
セスポート222及び224と関連するバルブが起動さ
れ、そしてデカップリング溶液が要素を通してポンプで
送られてマトリックスから被検体を溶離する。第1検出
手段234に光学的に結合された定性分光光度計をモニ
タして被検体がいつ第1試料取り扱い要素214から溶
離されて第2試料取り扱い要素216に充填されたかを
決める。
【0168】第2試料取り扱い要素216(3×30×
0.2;18μl)は脱塩機能を実施するよう設計され
ている。被検体を脱塩するのに使ってよいモードがいく
つかある。例えば、脱塩は、特定マトリックスにおける
大小の溶質の移動度が異なっていることに基礎を置く起
電分離法を使って達成してよい。代わりの1つの脱塩法
は、物質搬送を実行する手段として流体圧力を使い、分
離モードとしてサイズ排除クロマトグラフィーを用い
る。さらに、電気クロマトグラフィー分離モードを使っ
て、両推進力を組み合わせるモードを同時に適用するこ
とは可能である(例えば、Knox等、(1987)C
hromatographia 24:135;Kno
x等、(1989)J.Lig.Chromatogr
12:2435;Knox等、(1991)Chro
matographia 32:317参照)。
【0169】この実施例の目的で、第2試料取り扱い要
素216は、ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリ
レート又はアガロースのような抗対流媒質を包含する。
第2及び第3アクセスポート224及び226と関連す
るバルブが起動されて、この操作中、第2試料取り扱い
要素216を切り離す。
【0170】第3試料取り扱い要素218(3×40×
0.2;24μl)は、被検体のバンド集束機能を働
く。捕捉及び脱塩操作の後、バンドの拡大が起こりそう
であり、それでバンド集束操作が必要になる。被検体の
集束は、ゲルマトリックスにおける等電集束(IEF)
メカニズム、クロマトフォーカシング、又は等速電気泳
動の何れかによって実行してよい。
【0171】この実施例の目的で、第3試料取り扱い要
素218は、次の研究者によって説明されているように
液体の両性電解質又はゲルマトリックスにおける両性電
解質を含む(Wehr等、(1989)Electro
phoresis 10:23〜29参照)。
【0172】第3及び第4アクセスポート226及び2
28に結合されたバルブは、第3試料取り扱い要素21
8におけるマトリックスを適当な緩衝液と平衡させるた
めに起動される。次いで、第2及び第4アクセスポート
224及び228に連絡するバルブが起動されて第2試
料取り扱い要素216から被検体を溶離する。第2検出
手段236は、全ての被検体がいつ第3試料取り扱い要
素218に充填されたかを決められるようモニタされ
る。最後に、第3及び第4アクセスポート226及び2
28に連絡しているバルブを起動させることによりpH
勾配を生ずる。pH7〜4又は9〜6(Sigma)と
いう動作範囲をもついわゆるポリバッファ(polyb
uffer)を用いる。この段階で、IgMとIgAか
らIgGの分離が起こる。
【0173】第4試料取り扱い要素220(50μm×
50mm;100nl)は、IgMからIgAの最終分
離を実行する。同分離は、キャピラリーゾーン電気泳動
(CZE)を使って達成され、この場合、IgAとIg
Mとの分離は、電荷/寸法比の間の大差に基づいて生ず
る。上記のように、この要素は、第4及び第5アクセス
ポート228及び230に連絡するマニホルドにおける
バルブの起動によって充填・分離され、試料の充填は第
3検出手段238を介してモニタする。
【0174】μ−TASによる血清の免疫グロブリンの
被検体の典型的測定の最終段階は、第4検出手段240
をモニタすることによって第4試料流路要素210で見
られる。これは、被検体の定量化が基礎を置く検出であ
る。分光光度計の検出は、必要とされる定量的データを
与えるであろう。第5アクセスポート230は、後カラ
ム誘導体化、例えば、ダンシル化又はDABSYLAT
ION、及び検出用試薬を導入するための手段として用
いられる。最終溶離緩衝液のナノリットル単位の疫グロ
ブリンのフェムトモルは、ミクロモル〜高ナノモルの濃
度を生ずる。分光高度計検出の経路長及びモードによっ
ては、試薬を何ら必要としなくてよい。
【0175】以上に述べたように、本発明は、〔1〕小
型化カラムデバイス(2)から成るμ−TAS(20
0)であって、(a)第1平坦表面(6)及び第2平坦
表面(8)の実質的に平坦な対向表面をもつ基板(4)
であり、前記基板(4)は、前記第1平坦表面(6)に
レーザ切削された第1マイクロチャネル(10)を有す
るが、シリコン又は二酸化ケイ素以外の材料から構成さ
れ、かつ前記第1マイクロチャネル(10)が少なくと
も2つの試料操作領域(202,204,206,20
8,210,212,214,216,218,22
0)から成る、前記基板(4)と、(b)前記第1平坦
表面(6)上に配置され、前記第1マイクロチャネル
(10)との組合せで第1試料処理区画(14)を形成
するカバー板(12)であり、試料操作領域(202,
204,206,208,210,212,214,2
16,218,220)が試料取り扱い要素(214,
216,218,220)と流体連絡して試料流路要素
(202,204,206,208,210,212)
を定めている、前記カバー板(12)と、(c)第1試
料処理区画(14)に連絡し、外部の流体源から該試料
処理区画(14)を通して流体を通過させる、少なくと
も1つの入口ポート(18)と少なくとも1つの出口ポ
ート(22)と、を含んで成ることを特徴とするμ−T
AS(200)、を要旨とし、〔2〕〜
〔9〕の好適な
実施態様を含む。
【0176】〔2〕第1試料処理区画(14)が、互い
違いになる試料流路要素(202,204,206,2
08,210,212)と試料取り扱い要素(214,
216,218,220)とを定める試料操作領域(2
02,204,206,208,210,212,21
4,216,218,220)の連続配列から成ること
を特徴とする〔1〕に記載のμ−TAS(200)。
【0177】〔3〕さらに、基板(4)にレーザ切削し
た検出手段(232,234,236,238.24
0)から成り、かつ前記の検出手段(232,234,
236,238.240)が、第1試料処理区画(1
4)と連絡して該試料処理区画(14)を通過する試料
の検出を可能にすることを特徴とする〔2〕に記載のμ
−TAS(200)。
【0178】〔4〕さらに、(a)第1平坦表面(6)
にレーザ切削された容器のマイクロストラクチャー(2
52)であって、かつカバー板(12)が前記マイクロ
ストラクチャーとの組合せで入口手段(254)と出口
手段(256)とを有する容器区画(252)を定め
る、容器のマイクロストラクチャー(252)と、
(b)第1平坦表面(6)にレーザ切削された誘導マイ
クロチャネル(262)であって、かつカバー板(1
2)が前記誘導マイクロチャネル(262)との組合せ
で第1試料処理区画(14)及び容器区画の出口手段
(256)とそれぞれ流体連絡した第1及び第2末端を
有する試料流路要素(202,204,206,20
8,210,212)を定める、誘導マイクロチャネル
(262)と、(c)容器区画の入口手段(254)と
転換可能な状態で流体連絡し、外部源から容器区画(2
52)中への流体の通過を可能にするオリフィス(1
8)と、(d)容器区画(252)から試料流路要素
(202,204,206,208,210,212)
を介して第1試料処理区画(14)中への流体の移動を
可能にする推進デバイス(266,270,272)
と、を含んで成ることを特徴とする〔1〕に記載のμ−
TAS(200)。
【0179】〔5〕さらに、(a)第1試料処理区画の
出口ポート(232)と流体連絡した試料送達手段(3
02)であって、前記試料送達手段(302)が流体伝
達手段(306)と流体連絡しかつ軸が一致している混
合室(304)と出口ノズル(308)とから成る試料
送達手段(302)と、(b)流体伝達手段(306)
と転換可能な状態で流体連絡した流体源(252)と、
(c)出口ノズル(308)に関して配置されてノズル
手段からの溶離液を受ける試料受け手段(322,32
4,328)から成る後カラム回収デバイス(320)
と、とを含んで成ることを特徴とする〔2〕及び〔4〕
に記載のμ−TAS(200)。
【0180】〔6〕さらに、(a)第2平坦表面(8)
にレーザ切削した入口ポート(68)と出口ポート(7
0)とを有する第2マイクロチャネル(62)と、
(b)第2平坦表面(8)上に配置され、第2マイクロ
チャネル(62)との組合せで第2試料処理区画(6
2)を定める第2カバー板(66)と、(c)第1試料
処理区画(14)の出口ポート(22)と第2試料処理
区画(62)の入口ポート(68)とを互いに連絡さ
せ、それによって、単一の連続した試料処理区画を形成
するコンジット手段(72)であって、前記のコンジッ
ト手段(72)が基板にレーザ切削されたアパチャーか
ら成り、前記アパチャーが平坦表面に直交する軸を有す
ることを特徴とするコンジット手段(72)と、を含ん
で成ることを特徴とする〔2〕に記載のμ−TAS(2
00)。
【0181】〔7〕さらに、それぞれ、第1(12)及
び第2(66)カバー板にレーザ切削されかつコンジッ
ト手段(72)と共軸的に連絡して配置されたアパチャ
ーから成る検出手段(78,80)を包含することを特
徴とする〔6〕に記載のμ−TAS(200)。
【0182】〔8〕さらに、(a)第1平坦表面(6)
にレーザ切削された容器のマイクロストラクチャー(2
52)であって、かつカバー板(12)が前記マイクロ
ストラクチャーとの組合せで、入口手段(254)と出
口手段(256)とを有する容器区画(252)を定め
る、容器マイクロストラクチャー(252)と、(b)
第1平坦表面(6)にレーザ切削された誘導マイクロチ
ャネル(262)であって、かつカバー板(12)が前
記誘導マイクロチャネル(262)との組合せで第1試
料処理区画(14)及び容器区画の出口手段(256)
とそれぞれ流体連絡した第1及び第2末端を有する試料
流路要素(202,204,206,208,210,
212)を定める、誘導マイクロチャネル(262)
と、(c)容器区画の入口手段(254)と転換可能な
状態で流体連絡したオリフィス(18)であって、外部
源から容器区画(252)中への流体の通過を可能にす
るオリフィス(18)と、(d)容器区画(252)か
ら試料流路要素(202,204,206,208,2
10,212)を介して第1試料処理区画(14)中へ
の流体の移動を可能にする推進デバイス(266,27
0,272)と、を含んで成ることを特徴とする〔6〕
に記載のμ−TAS(200)。
【0183】
〔9〕さらに、(a)第1試料処理区画の
出口ポート(232)と流体連絡した試料送達手段(3
02)であって、前記試料送達手段(302)が流体伝
達手段(306)と流体連絡しかつ軸が一致している混
合室(304)と出口ノズル(308)とから成る、試
料送達手段(302)と、(b)流体伝達手段(30
6)と転換可能な状態で流体連絡した流体源(252)
と、(c)出口ノズル(308)に関して配置されてノ
ズル手段からの溶離液を受ける試料受け手段(322,
324,328)から成る後カラム回収デバイス(32
0)と、を含んで成ることを特徴とする〔4〕及び
〔6〕に記載のμ−TAS(200)。
【0184】また、本発明は、〔10〕(a)シリコン
又は二酸化ケイ素以外の材料から成る基板(4)から形
成され、各々が実質的に平坦な内表面(110,11
2)をもつ第1の構成要素半分(106)及び第2の構
成要素半分(108)を有する支持体(104)と、
(b)第1支持体半分(104)の内表面(110)に
レーザ切削された第1マイクロチャネル(114)と、
第2支持体半分(108)の内表面(112)にレーザ
切削された第2マイクロチャネル(116)とであり、
前記第1及び第2のマイクロチャネル(114,11
6)が相手方の鏡像を与えるよう配置された、第1及び
第2マイクロチャネル(114,116)と、(c)支
持体半分(106,108)の内表面(110,11
2)を互いに対向突合せでアライメントすることによっ
て形成される第1試料処理区画(14)であって、それ
によって、マイクロチャネル(114,116)が前記
第1試料処理区画(14)を定めかつ前記第1試料処理
区画(14)が試料取り扱い要素(214,216,2
18,220)と流体連絡した試料流路要素(202,
204,206,208,210,212)を定める試
料操作領域(202,204,206,208,21
0,212,214,216,218,220)から成
る、第1試料処理区画(14)と、(d)第1試料処理
区画(14)に連絡し、外部の流体源から該試料処理区
画(14)を通して流体を通過させる少なくとも1つの
入口ポート(120)と少なくとも1つの出口ポート
(124)と、を含んで成ることを特徴とするμ−TA
S(200)、を要旨とし、〔11〕〜〔14〕の好適
な実施態様を含む。
【0185】〔11〕第1試料処理区画(14)が、互
い違いになる試料流路要素(202,204,206,
208,210,212)と試料取り扱い要素(21
4,216,218,220)とを定める試料操作領域
(202,204,206,208,210,212,
214,216,218,220)の連続配列から成る
ことを特徴とする〔10〕に記載のμ−TAS(20
0)。
【0186】〔12〕さらに、基板(4)にレーザ切削
した検出手段(232,234,236,238.24
0)から成り、かつ前記の検出手段(232,234,
236,238.240)が第1試料処理区画(14)
と連絡して該試料処理区画(14)を通過する試料の検
出を可能にする〔11〕に記載のμ−TAS(20
0)。
【0187】〔13〕さらに、(a)第1平坦表面
(6)にレーザ切削された容器のマイクロストラクチャ
ー(252)であって、かつカバー板(12)が前記マ
イクロストラクチャーとの組合せで入口手段(254)
と出口手段(256)とを有する容器区画(252)を
定める、容器マイクロストラクチャー(252)と、
(b)第1平坦表面(6)にレーザ切削された誘導マイ
クロチャネル(262)であって、かつカバー板(1
2)が前記誘導マイクロチャネル(262)との組合せ
で第1試料処理区画(14)及び容器区画の出口手段
(256)とそれぞれ流体連絡した第1及び第2末端を
有する試料流路要素(202,204,206,20
8,210,212)を定める、誘導マイクロチャネル
(262)と、(c)容器区画の入口手段(254)と
転換可能な状態で流体連絡し、外部源から容器区画(2
52)中への流体の通過を可能にするオリフィス(1
8)と、(d)容器区画(252)から試料流路要素
(202,204,206,208,210,212)
を介して第1試料処理区画(14)中への流体の移動を
可能にする推進デバイス(266,270,272)
と、を含んで成ることを特徴とする〔11〕に記載のμ
−TAS(200)。
【0188】〔14〕さらに、(a)第1試料処理区画
の出口ポート(232)と流体連絡した試料送達手段
(302)であって、前記試料送達手段(302)が流
体伝達手段(306)と流体連絡しかつ軸が一致してい
る混合室(304)と出口ノズル(308)とから成
る、試料送達手段(302)と、(b)流体伝達手段
(306)と転換可能な状態で流体連絡した流体源(2
52)と、(c)出口ノズル(308)に関して配置さ
れてノズル手段からの溶離液を受ける試料受け手段(3
22,324,328)から成る後カラム回収デバイス
(320)と、を含んで成ることを特徴とする〔11〕
及び〔13〕に記載のμ−TAS(200)。
【0189】
【発明の効果】シリコン及び従来の二酸化ケイ素を素地
としたデバイス基板で経験される、固有の化学活性とp
Hの不安定性を避けるべく選択した材料から基板を構成
したので、実質的に平坦な基板にレーザ切削された小型
化カラムデバイスを提供することができる。
【0190】液体試料中の成分の精密なオンカラム分析
又は検出が可能となり、また従来技術に比して極めてコ
ンパクトな形でデバイス中に設けられた検出手段を有す
る液相分析用カラムデバイスを実現することができる。
【0191】さらに、単一の平坦表面に完全に包含され
る小型化全化学分析システム(μ−TAS)の実現によ
り、技術者の操作と介入を軽減した複雑な試料の処理、
分離、及び検出を実行できるものであり、従って、工業
化学、生物学、生化学及び医学的諸処理等において成分
のモニタリング及び/又は分析における重要な応用が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により構成された小型化カラムデバイス
の分解図である。
【図2】図1の小型化カラムデバイスの内表面の平面図
である。
【図3】図1のデバイスの外表面の平面図である。
【図4】図1の小型化カラムデバイスの線IV−IVに
よる側面断面図であり、本発明による試料処理区画の形
成を示す図である。
【図5】光学的検出手段を含む、本発明の好ましい実施
例の分解図である。
【図6】図5の小型化カラムデバイスにおける試料処理
区画と光学的検出手段との交差面の縦方向断面図であ
る。
【図7】支持基板の2つの対向する平坦表面上に形成さ
れたマイクロチャネルを有する小型化カラムデバイスの
第1側面の分解図である。
【図8】図7のカラムデバイスの第2側面の分解図であ
る。
【図9】単一のフレキシブル基板から作られた図7
(A)の小型化カラムデバイスの好ましい実施例の第1
側面の絵画表示である。
【図10】図9のカラムデバイスの第2側面の絵画表示
である。
【図11】図8の小型化デバイスの拡張した光学的検出
経路長の線IX−IXによる横方向断面図である。
【図12】第1及び第2の構成要素の半分部分を有する
本発明により構成された小型化カラムデバイスの平面図
である。
【図13】図12のカラムデバイスの概略図であり、単
一デバイスを形成するための要素半分の折曲げアライメ
ントを示す。
【図14】図12のデバイスにおける要素半分のアライ
メントにより形成された試料処理区画の縦方向断面図で
ある。
【図15】第1及び第2の要素半分上に光学式マイクロ
アライメント手段を有する本発明のさらに別の好ましい
実施例の平面図である。
【図16】図15のカラムデバイスの概略図であって、
要素半分のマイクロアライメントを示す。
【図17】典型的μ−TASの線図である。
【図18】基板上に一体化マイクロストラクチャーとし
てレーザ切削した容器区画を有するμ−TASの第1例
の説明図である。
【図19】基板上に一体化マイクロストラクチャーとし
てレーザ切削した容器区画を有するμ−TASの第2例
の説明図である。
【図20】基板上に一体化マイクロストラクチャーとし
てレーザ切削した容器区画を有するμ−TASの第3例
の説明図である。
【図21】図17のμ−TASの断面図であって、圧力
パルスで生成した試料液滴をレーザ切削した試料液滴を
受ける微小井戸を有する後カラム回収デバイスへ連絡す
るためのレーザ切削したマイクロストラクチャーを示
ず。
【図22】図17のμ−TASの断面図であって、発生
する蒸気の気泡で生成した試料液滴をレーザ切削した試
料液滴を受ける微小井戸とカバー板とを有する後カラム
回収デバイスへ連絡するためのレーザ切削したマイクロ
ストラクチャーを示す。
【図23】図17のμ−TASの断面図であって、メー
クアップ流体流において発生する蒸気の気泡で生成した
試料液滴をレーザ切削した試料液滴を受ける吸湿性シー
トを有する後カラム回収デバイスへ連絡するためのレー
ザ切削したマイクロストラクチャーを示す。
【図24】試料液滴を受ける井戸を有する後カラム回収
デバイスとインタフェース接続された図17のμ−TA
Sの概略図である。
【図25】試料液滴を受ける井戸とカバー板とを有する
後カラム回収デバイスとインタフェース接続された図1
7のμ−TASの絵画表示である。
【符号の説明】
200 小型化全分析システム 4 実質的に平坦な対向表面をもつ基板 6 第1平坦表面 8 第2平坦表面 10 第1マイクロチャネル 12 カバー板 14 第1試料処理区画 18 入口ポート 22 出口ポート 202,204,206,208,210,212,2
14,216,218,220 試料操作領域 214,216,218,220 試料取り扱い要素 202,204,206,208,210,212 試
料流路要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウス・イー・ウィット ドイツ連邦共和国ケルターン クエレンス トラーセ 16 (72)発明者 フリッツ・ベク ドイツ連邦共和国ワルドブロン ダイミエ ストラーセ 1 (72)発明者 ロウリー・エイ・ミッテルシュタット アメリカ合衆国カリフォルニア州ベルモン ト ライアル・ウェイ 2355

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小型化カラムデバイス(2)から成る小
    型化全分析システム(200)であって、(a)第1平
    坦表面(6)及び第2平坦表面(8)の実質的に平坦な
    対向表面をもつ基板(4)であり、 前記基板(4)は、前記第1平坦表面(6)にレーザ切
    削された第1マイクロチャネル(10)を有するが、シ
    リコン又は二酸化ケイ素以外の材料から構成され、かつ
    前記第1マイクロチャネル(10)が少なくとも2つの
    試料操作領域(202,204,206,208,21
    0,212,214,216,218,220)から成
    る、前記基板(4)と、(b)前記第1平坦表面(6)
    上に配置され、前記第1マイクロチャネル(10)との
    組合せで第1試料処理区画(14)を形成するカバー板
    (12)であり、 試料操作領域(202,204,206,208,21
    0,212,214,216,218,220)が試料
    取り扱い要素(214,216,218,220)と流
    体連絡して試料流路要素(202,204,206,2
    08,210,212)を定めている、前記カバー板
    (12)と、(c)第1試料処理区画(14)に連絡
    し、外部の流体源から該試料処理区画(14)を通して
    流体を通過させる、少なくとも1つの入口ポート(1
    8)と少なくとも1つの出口ポート(22)と、を含ん
    で成ることを特徴とする小型化全分析システム。
  2. 【請求項2】(a)シリコン又は二酸化ケイ素以外の材
    料から成る基板(4)から形成され、各々が実質的に平
    坦な内表面(110,112)をもつ第1(106)及
    び第2(108)の構成要素半分を有する支持体(10
    4)と、(b)第1支持体半分(104)の内表面(1
    10)にレーザ切削された第1マイクロチャネル(11
    4)と、第2支持体半分(108)の内表面(112)
    にレーザ切削された第2マイクロチャネル(116)と
    であり、相互に相手方の鏡像を与えるよう配置された、
    第1及び第2マイクロチャネル(114,116)と、
    (c)支持体半分(106,108)の内表面(11
    0,112)を互いに対向突合せでアライメントするこ
    とによって形成される第1試料処理区画(14)であっ
    て、それによって、マイクロチャネル(114,11
    6)が前記第1試料処理区画(14)を定め、かつ前記
    第1試料処理区画(14)が試料取り扱い要素(21
    4,216,218,220)と流体連絡した試料流路
    要素(202,204,206,208,210,21
    2)を定める試料操作領域(202,204,206,
    208,210,212,214,216,218,2
    20)から成る、第1試料処理区画(14)と、(d)
    第1試料処理区画(14)に連絡し、外部の流体源から
    該試料処理区画(14)を通して流体を通過させる少な
    くとも1つの入口ポート(120)と少なくとも1つの
    出口ポート(124)と、を含んで成ることを特徴とす
    る小型化全分析システム(200)。
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