JP2005345327A - 脱塩用マイクロチップおよび脱塩装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平板状の基板11に、微細な溝から成るサンプル流路13と、該サンプル流路13に連結された夾雑イオン回収用の陰極室14および陽極室15を形成し、上記サンプル流路13と陰極室14、陽極室15の両端に対応する位置に貫通孔を設けた表面板12を上記基板11に貼り付け、更に、表面板12上面の各電極室14、15の入口に相当する貫通孔の周辺に電極16、17を形成することによりマイクロチップ10を形成する。
【選択図】 図1
Description
以上のように、本発明の脱塩用マイクロチップは、脱塩工程に従来のような固体表面への吸着や脱離を含まないため、目的分子のロスを抑えることができる。また、人手による煩雑なピペット操作等を必要としないため、前後の処理と脱塩処理とをシームレスに結ぶことができ、解析を効率化することができる。また、試料の微量化を実現できると共に、本発明の脱塩用マイクロチップを並列に接続して使用することにより、処理量を増大させることも可能である。
図1(a)は本実施例の脱塩用マイクロチップの斜視図であり、図1(b)は該マイクロチップ内に設けられたサンプル流路および各電極室の構成を示す概略図である。本実施例のマイクロチップ10は、石英製の基板11および表面板12から成り、基板11の接合面側にはフォトリソグラフィー/ウエットエッチングにより溝状のサンプル流路13、陰極室14、および陽極室15が形成される。また、表面板12にはサンドブラストによる掘削加工により、上記各流路の端部に対応する位置に各流路の入口および出口として各1対の貫通孔が形成される。上記基板11および表面板12はフッ酸接合によって、上記サンプル流路および各電極室が内側になるように貼り合わされ、更に、表面板12の接合面と反対側の面の陰極室の入口14aおよび陽極室の入口15aには、スパッタリングによって電極反応用のPt/Ti電極16、17が形成される。
本実施例の脱塩用マイクロチップは、上記実施例1のマイクロチップを改良したものであり、サンプル流路と各電極室との間にイオン交換膜を介在させたものである。
図3に本実施例の脱塩用マイクロチップ30の概略構成図を示す。図3(a)は斜視図であり、図3(b)は図3(a)のA-A'矢視断面図である。上記実施例1と同様の構成については同一符号を付与した。
基板11には、接合面側にフォトリソグラフィー/ウエットエッチングによりサンプル流路13を形成する。表面板12の接合面側には、上記基板11のサンプル流路13と略直行する向きに陰極室14および陽極室15をサンドブラスト加工によって形成すると共に、サンプル流路13および各電極室14、15の出口および入口として、それぞれの端部に相当する位置に超音波加工によって貫通孔を形成する。更に表面板12の他方の面には、電極反応用のPt/Ti電極16、17をスパッタリングにより形成する。基板11と表面板12の間には、サンプル流路13と陰極室14の隔絶膜として陽イオン交換膜31を、サンプル流路13と陽極室15との隔絶膜として陰イオン交換膜32を配置する。上記基板11、イオン交換膜31、32、および表面板12の接合にはフッ酸接合を用いる。
図4に本実施例の脱塩用マイクロチップの概略構成図を示す。図4(a)は斜視図であり、図4(b)は図4(a)のB-B'矢視断面図である。本実施例のマイクロチップ40は、上記実施例2の変形例であり、上記のサンプル流路、陰極室、陽極室に加えて、夾雑イオン回収用の中間流路を設けたものである。
このとき、図4(b)に示すようにサンプル流路の一方の溝13cまたは13dと各電極室14、15、および中間流路41とサンプル流路の2本の溝13c、13dとは互いに一部が重なるように配置されると共に、陰極室14とサンプル流路の第1の溝13cとの間、および中間流路41とサンプル流路の第2の溝13dとの間が陽イオン交換膜31によって隔絶され、陽極室15とサンプル流路の第2の溝13dとの間、および中間流路41とサンプル流路の第1の溝13cとの間が陰イオン交換膜32によって隔絶された構成となっている。
基板および表面板とイオン交換膜の接合手段も任意であり、機械的なシール等による膜保持も可能であるが、接合時のイオン交換膜の劣化を抑制するために、フッ酸接合などの低温で接合できる方法を用いることが望ましい。
また、本発明の脱塩装置における送液方法としては、上記実施例のようなポンプや、シリンジ等を用いた各種圧送送液の他、電気浸透流を利用した送液などを用いることができる。前者を用いる場合にはチップの接合強度や膜の耐圧性に応じて送液圧力を適宜設定する。
11…基板
12…表面板
13…サンプル流路
14…陰極室
15…陽極室
16…陰極
17…陽極
20…脱塩装置
22,23…ポンプ
24…電源装置
25…制御装置
31…陽イオン交換膜
32…陰イオン交換膜
41…中間流路
Claims (5)
- 平板状の基板と表面板とを貼り合わせて成るマイクロチップであって、
a)上記基板の接合面に設けられた溝状のサンプル流路と、
b)上記基板の接合面に上記サンプル流路にそれぞれ接続するように設けられた溝状の陽極室および陰極室と、
c)上記サンプル流路、陽極室、および陰極室の両端に対応する上記表面板上の位置にそれぞれ設けられた貫通孔と、
を有することを特徴とする脱塩用マイクロチップ。 - 平板状の基板と表面板とを貼り合わせて成るマイクロチップであって、
a)上記基板の接合面に設けられた溝状のサンプル流路と、
b)上記表面板の接合面に上記サンプル流路と交差するように設けられた溝状の陽極室および陰極室と、
c)上記サンプル流路、陽極室、および陰極室の両端に対応する上記表面板上の位置にそれぞれ設けられた貫通孔と、
d)上記基板と表面板の間に挟み込まれ、上記陽極室とサンプル流路との間に配置される陰イオン交換膜、および上記陰極室とサンプル流路との間に配置される陽イオン交換膜と、
を有することを特徴とする脱塩用マイクロチップ。 - 平板状の基板と表面板とを貼り合わせて成るマイクロチップであって、
a)上記基板の接合面に設けられた両端部で統合された第1の溝および第2の溝から成るサンプル流路と、
b)上記表面板の接合面に、上記サンプル流路と略平行且つ、一部が上記サンプル流路の2本の溝の双方と重なるように設けられた溝状の中間流路と、
c)上記表面板の接合面に、少なくとも一部がそれぞれ上記サンプル流路の2本の溝のうち一方と重なるように設けられた溝状の陽極室および陰極室と、
d)上記サンプル流路、陽極室、陰極室、および中間流路の両端に対応する上記表面板上の位置にそれぞれ設けられた貫通孔と、
e)上記基板と表面板の間に挟み込まれ、上記陰極室とサンプル流路の第1の溝との間、およびサンプル流路の第2の溝と中間流路との間に配置された陽イオン交換膜と、上記陽極室とサンプル流路の第2の溝との間、およびサンプル流路の第1の溝と中間流路との間に配置された陰イオン交換膜と、
を有することを特徴とする脱塩用マイクロチップ。 - 更に、上記表面板の接合面とは反対の面において、上記陰極室の両端部に設けられた貫通孔のいずれか一方の周辺部と、上記陽極室の両端部に設けられた貫通孔のいずれか一方の周辺部とに形成された一対の電極を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の脱塩用マイクロチップ。
- a)請求項1〜4に記載のマイクロチップと、
b)該マイクロチップに対して液体を送るための送液手段と、
c)上記マイクロチップに対して電圧を印加するための電圧印加手段と、
d)上記送液手段および電圧印加手段を制御するための制御手段と、
を備えることを特徴とする脱塩装置。
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2004
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