JP2011123000A - マイクロ流路チップ用部品、マイクロ流路チップおよび分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のマイクロ流路チップ用部品は、一方の面に第1流路用溝が形成された第1樹脂基板と、一方の面に第2流路用溝が形成された第2樹脂基板と、前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板とを回動可能に連結する連結部とを有し、前記第1樹脂基板、前記第2樹脂基板および前記連結部が一体的に成形されてなり、前記連結部を介して、前記第1樹脂基板の前記第1流路用溝が形成された面と前記第2樹脂基板の前記第2流路用溝が形成された面とが当接するように折り畳むことが可能なことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
しかし、ガラスのエッチングにはフッ酸などの非常に危険な薬品を用い、1枚ごとに露光、現像、エッチング処理を行うため非常に効率が悪く、高コストである。
(1)一方の面に第1流路用溝が形成された第1樹脂基板と、一方の面に第2流路用溝が形成された第2樹脂基板と、前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板とを回動可能に連結する連結部とを有し、前記第1樹脂基板、前記第2樹脂基板および前記連結部が一体的に成形されてなり、前記連結部を介して、前記第1樹脂基板の第1流路用溝が形成された面と前記第2樹脂基板の第2流路用溝が形成された面とが当接するように折り畳むことが可能なことを特徴とするマイクロ流路チップ用部品。
(2)前記連結部は、樹脂材料で構成されているものである上記(1)に記載のマイクロ流路チップ用部品。
(3)前記連結部は、板状体である上記(1)または(2)に記載のマイクロ流路チップ用部品。
(4)前記板状体の中央部付近には、切り欠き部、薄肉部を有するものである上記(3)に記載のマイクロ流路チップ用部品。
(5)前記板状体の薄肉部の平均厚さは、0.5mm以下である上記(4)に記載のマイクロ流路チップ用部品。
(6)前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板を折り畳んだ際に、前記第1流路用溝と前記第2流路用溝とが少なくとも一部で重なる部分を有するものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品。
(7)前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板を折り畳んだ際に、前記第1流路用溝および前記第2流路用溝のいずれか一方が、他方に包含されるものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品。
(8)前記第1樹脂基板と前記第2樹脂基板とを折り畳んだ際に、前記第1流路用溝と前記第2流路用溝とが、平面視の面積で90%以上重なるものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品。
(9)前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板には、位置決め手段が設けられているものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品。
(10)前記位置決め手段は、前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板の一方に設けられた凸部と、他方に設けられた前記凸部に嵌合する凹部とで構成される上記(9)に記載のマイクロ流路チップ用部品。
(11)前記位置決め手段は、前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板の前記連結部と反対側の端部に設けられているものである上記(9)または(10)に記載のマイクロ流路チップ用部品。
(12)上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品の前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板とを、前記第1樹脂基板の第1流路用溝が形成された面と前記第2樹脂基板の第2流路用溝が形成された面とが当接するように接合されてなることを特徴とするマイクロ流路チップ。
(13)前記接合は、熱溶着、粘着剤、接着剤および超音波溶着のいずれかによってされたものである上記(12)に記載のマイクロ流路チップ。
(14)上記(12)または(13)に記載のマイクロ流路チップを備えることを特徴とする分析装置。
また、上述したようなマイクロ流路チップを用いることで迅速かつ安価な分析装置を提供することができる。
本発明のマイクロ流路チップ用部品は、一方の面に第1流路用溝が形成された第1樹脂基板と、一方の面に第2流路用溝が形成された第2樹脂基板と、前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板とを回動可能に連結する連結部とを有し、前記第1樹脂基板、前記第2樹脂基板および前記連結部が一体的に成形されてなり、前記連結部を介して、前記第1樹脂基板の第1流路用溝が形成された面と前記第2樹脂基板の第2流路用溝が形成された面とが当接するように折り畳むことが可能なことを特徴とする。
また、本発明のマイクロ流路チップは、上記に記載のマイクロ流路チップ用部品の前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板とを、前記第1樹脂基板の第1流路用溝が形成された面と前記第2樹脂基板の第2流路用溝が形成された面とが当接するように接合されてなることを特徴とする。
また、本発明の分析装置は、上記に記載のマイクロ流路チップを備えることを特徴とする。
まず、本発明のマイクロ流路チップ用部品について、好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、マイクロ流路チップ用部品の平面図である。図2は、マイクロ流路チップ用部品のA−A断面図である。
マイクロ流路チップ用部品100は、第1樹脂基板1と、第2樹脂基板2と、第1樹脂基板1と第2樹脂基板2とを回動可能に連結する連結部3とが一体的に成形されている。これにより、蓋を有するマイクロ流路チップの生産性を向上することができる。
図1および図2に示すように、第1樹脂基板1には、その表面に第1マイクロ流路を構成する第1流路用溝11が、第1樹脂基板1の長尺方向に沿って形成されている。第1流路用溝11の幅は、特に限定されないが、0.01〜0.5mmが好ましく、特に0.03〜0.2mmが好ましい。これにより、第1流路用溝11で形成される第1マイクロ流路を使用する際に分析試料、試薬等の使用量を低減することができる。
なお、第1流路用溝11の幅および深さは、それぞれ同じであっても異なっても良いが、成形金型の精度、転写性、離型性等の点を考慮すると深さが幅より若干小さい方が好ましく、マイクロ流路チップ用部品の生産性を向上することができる。これにより、第1流路用溝11より第1マイクロ流路を形成する際の位置合わせを容易にすることができる。
図1および図2に示すように、第2樹脂基板2には、その表面に第2マイクロ流路を構成する第2流路用溝21が、第2樹脂基板2の長尺方向に沿って形成されている。第2流路用溝21の幅は、特に限定されないが、0.01〜0.2mmが好ましく、特に0.03〜0.2mmが好ましい。これにより、第2流路用溝21で形成される第2マイクロ流路を使用する際に分析試料、試薬等の使用量を低減することができる。さらに、成形金型の精度、転写性、離型性等の点を考慮すると生産性を向上することができる。
なお、第1流路用溝11の幅および深さは、それぞれ同じであっても異なっても良いが、成形金型の精度、転写性、離型性等の点を考慮すると深さが幅より若干小さい方が好ましく、マイクロ流路チップ用部品の生産性を向上することができる。これにより、第1流路用溝11より第1マイクロ流路を形成する際の位置合わせを容易にすることができる。
なお、第1樹脂基板1と第2樹脂基板2との外形形状は、同じであっても異なっていても良いが、異なっていることが好ましい。このことにより、折り畳む際に、位置精度よく折り畳むことができる。
なお、第1樹脂基板1を蓋として用いる場合には、第2樹脂基板2の厚さは、第1樹脂基板1の厚さよりも厚いことが好ましい。これにより、折り畳む際に、位置精度よく折り畳むことができる。
図1および図2に示すように、本発明のマイクロ流路チップ用部品では、上述したような第1樹脂基板1と第2樹脂基板2とを回動可能に連結する連結部3を有している。
連結部3は、第1樹脂基板1の端部と、第2樹脂基板2の端部とを連結する板状体である。
例えば、連結部3の回転軸となる部分は薄肉形状である必要はなく、例えば、折り曲げたい位置に切り込みが入っていてもよい。
また、連結部3は単一の連結構造である必要はなく、例えば、複数の連結部を有していてもよい。その際には、全ての連結部にある薄肉形状部分が同一直線上に並び折り曲がり回転軸となることが好ましい。
第1樹脂基板1および第2樹脂基板2の連結部3と反対側の端部には、位置決め手段4が設けられている。
このような位置決め手段4は、連結部3での基点(折り曲げ点)とした折り曲げで誤差が生じた場合に、その誤差を吸収することができるものである。
すなわち、連結部3の基点(折り曲げ点)で折り畳みが正確に行われるのであれば、特にこのような位置決め手段は不要となるが、ずれを生じる場合には、位置決め手段4で、その誤差を補正し、第1樹脂基板1と第2樹脂基板2に、それぞれ形成されている流路用溝(11、21)の位置合わせを正確に行うことができる。
なお、突起部41は、先端が細くなっているような形状が好ましく、さらに先端が丸みを帯びていることが好ましい。これにより、突起部41と凹部42との位置がずれている場合であっても、突起部41と凹部42との嵌合を容易にできる。
凹部42の直径は、突起部41の直径に依存するが、0.2mm以上であることが好ましく、特に0.5〜1.5mmが好ましい。直径が前記範囲内であると、位置ずれの防止効果に特に優れる。
このように、突起部41を凹部42に挿入することで、第1樹脂基板1と第2樹脂基板2との位置決めを簡便に行うことができ、かつその位置決めを正確に行うことができる。さらに、突起部41を凹部42に挿入することで、第1樹脂基板1と第2樹脂基板2とを、接合した際における樹脂基板同士の位置ずれを防止することもできる
また、第1樹脂基板1に凹部を形成し、第2樹脂基板2に突起部を形成しても良い。また、第1樹脂基板1および第2樹脂基板2の両方に、突起部と凹部とを設けても良い。
このような第1樹脂基板1、第2樹脂基板2および連結部3が、一体成形されたマイクロ流路チップ用部品は、例えば射出成形やプレス成形等の方法で作製することができる。特に、量産性の観点から射出成形で作製することが好ましい。射出成形によって本発明のマイクロ流路チップ用部品を作製する場合、金型成形における成形性(転写性、離型性)の観点から連結部3の薄肉部は0.03mm以上が好ましい。さらには、0.05mm以上がより好ましい。具体的な射出成形の条件は、使用する樹脂によって異なるが、例えば射出シリンダー温度120〜300℃、金型温度40〜120℃、射出速度50〜150mm/秒、保圧40〜100MPaの条件で安定に射出成形を行うことができる。
次に、第1流路用溝11および第2流路用溝21で形成されるマイクロ流路について、図3および図4を用いて詳細に説明する。図3は、上述したマイクロ流路チップ用部品を折畳んで第1流路用溝が形成された面と、第2流路用溝が形成された面とを接合して得られるマイクロ流路チップ110を示している。図4は、図3のB−B’断面図である
図4に示すように、マイクロ流路チップ110は、長さの異なる直線状の第1流路用溝11および第2流路用溝21があり、第1流路用溝11の長さが第2流路用溝21に比べて短くなっている。これにより、第2流路用溝21が第1流路用溝11を包含するようになっている。また、第1流路用溝11の両端部に貫通孔111および112が、第2流路用溝21に重なるように形成されている。これにより、貫通孔111より液体を導入することができ、貫通孔112より液体を排出することが可能となっている。
具体的には、第1樹脂基板1および第2樹脂基板2に、それぞれ複数の流路用溝が形成されていても良い。また、図5(a、b)に示すように流路用溝が分岐しても良い。また、図6に示すように流路用溝が直線でなく、曲線であっても良い。
また、図7(a、b)に示すように第1流路用溝11と、第2流路用溝21とが、交差する場合(a)であっても重ならない場合(b)であっても良い。
また、第1流路用溝11および第2流路用溝21が、それぞれ途中で幅、深さ等が変わるものであっても良い。
図4に示すように、上述したようなマイクロ流路チップ用部品100の第1樹脂基板1の第1流路用溝11が形成された面と第2樹脂基板2の第2流路用溝21が形成された面とが当接するように接合して、マイクロ流路チップ110を得ることができる。これにより、第1流路用溝11と第2流路用溝21のデザインを組み合わせて3次元的なマイクロ流路構造を設計することが可能となり、より複雑なマイクロ流路チップ110が得られる。
この場合、第1樹脂基板1および第2樹脂基板2の接合面に接着剤を塗布し、その後、第1樹脂基板1と第2樹脂基板2とを重ねることで、両樹脂基板を接合する。これにより、第1流路用溝11および第2流路用溝21による微細流路が形成されたマイクロ流路チップ110が製造される。
また、両樹脂基板に対して超音波を照射しながら基板を加圧することで、両樹脂基板を接合する場合、超音波の照射条件、加圧条件は、1〜10kg/cm2
の加圧状態で、20〜40kHzの超音波を0.05〜1秒間印加することで両基板を接合する。
このようなマイクロ流路は、例えばマイクロ流路に流体を導入したときに、マイクロ効果が現れるもの、すなわち、流体に何らかの挙動変化が現れる断面形状を有するチャネルを意味する。
上述したようなマイクロ流路チップは、例えばゲル電気泳動分析装置、血液分析装置に用いることができる。
射出成形機で環状ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン社製、ゼオノア、1060R)を、射出温度250℃、射出速度100mm/秒、保圧60MPaで射出し、マイクロ流路チップ用部品に押し出し、第1樹脂基板(外形寸法が25mm×25mm×1mm)と第2樹脂基板(外形寸法が25mm×25mm×1mm)とが、連結部(薄肉部の厚さ0.2mm、端部の厚さ0.5mm)で連結された構造のマイクロ流路チップ用部品を作製した。
第1樹脂基板には、幅0.05mm、深さ0.05mmの第1流路用溝と、第1流路用溝の両端部の位置にチップ厚み方向に直径1mmの貫通孔と、直径0.2mmの突起部とが形成されている。また、第2樹脂基板には幅0.05mm、深さ0.05mmの第2流路用溝と、内径0.2mmの凹部とが形成されている。
上述のマイクロ流路チップ用部品の第1樹脂基板を固定した状態で、第2樹脂基板に力を加え、2つの基板を連結する連結部の薄肉部を基点(折り曲げ点)に折り曲げ、2つの樹脂基板を重ね合わせた。このとき、突起部を凹部に挿入した。
そして、両樹脂基板に対して熱を加えながら基板を加圧することで、両樹脂基板を接合して、マイクロ流路チップを得た。このときの加熱条件、加圧条件は、加熱プレス機にて100℃、1,000Nの条件下で15分間保持した。
また、本発明のマイクロ流路チップは、微小空間を用いた分析等に使用されるラボ・オン・ア・チップ(lab−on−a−chip)等に使用できる。
11 第1流路用溝
111 貫通孔
112 貫通孔
2 第2樹脂基板
21 第2流路用溝
3 連結部(板状体)
31 中央部(薄肉部)
32 端部
4 位置決め手段
41 突起部
42 凹部
100 マイクロ流路チップ用部品
110 マイクロ流路チップ
Claims (14)
- 一方の面に第1流路用溝が形成された第1樹脂基板と、
一方の面に第2流路用溝が形成された第2樹脂基板と、
前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板とを回動可能に連結する連結部とを有し、
前記第1樹脂基板、前記第2樹脂基板および前記連結部が一体的に成形されてなり、
前記連結部を介して、前記第1樹脂基板の第1流路用溝が形成された面と前記第2樹脂基板の第2流路用溝が形成された面とが当接するように折り畳むことが可能なことを特徴とするマイクロ流路チップ用部品。 - 前記連結部は、樹脂材料で構成されているものである請求項1に記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記連結部は、板状体である請求項1または2に記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記板状体の中央部付近には、切り欠き部、薄肉部を有するものである請求項3に記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記板状体の薄肉部の平均厚さは、0.5mm以下である請求項4に記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板を折り畳んだ際に、前記第1流路用溝と前記第2流路用溝とが少なくとも一部で重なる部分を有するものである請求項1ないし5のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板を折り畳んだ際に、前記第1流路用溝および前記第2流路用溝のいずれか一方が、他方に包含されるものである請求項1ないし6のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記第1樹脂基板と前記第2樹脂基板とを折り畳んだ際に、前記第1流路用溝と前記第2流路用溝とが、平面視の面積で90%以上重なるものである請求項1ないし7のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板には、位置決め手段が設けられているものである請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記位置決め手段は、前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板の一方に設けられた凸部と、他方に設けられた前記凸部に嵌合する凹部とで構成される請求項9に記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 前記位置決め手段は、前記第1樹脂基板および前記第2樹脂基板の前記連結部と反対側の端部に設けられているものである請求項9または10に記載のマイクロ流路チップ用部品。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載のマイクロ流路チップ用部品の前記第1樹脂基板と、前記第2樹脂基板とを、前記第1樹脂基板の第1流路用溝が形成された面と前記第2樹脂基板の第2流路用溝が形成された面とが当接するように接合されてなることを特徴とするマイクロ流路チップ。
- 前記接合は、熱溶着、粘着剤、接着剤および超音波溶着のいずれかによってされたものである請求項12に記載のマイクロ流路チップ。
- 請求項12または13に記載のマイクロ流路チップを備えることを特徴とする分析装置。
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