JP2007514142A - 積層装置 - Google Patents
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Abstract
マイクロ流体装置が、少なくとも四つの薄板から作り上げられ、これらの薄板は、二つの外側薄板と、これらの外側薄板の間に配置されるとともにマイクロ流体通路を画成する少なくとも二つの付加薄板とを有する。外側薄板の内側表面は流体通路の上側及び下側表面を画成し、前記付加薄板の第1のものは少なくとも一つの第1流体要素を画成し、前記付加薄板の少なくとも第2のものは少なくとも一つの第2流体要素を画成し、第1及び第2流体要素は流体的に連結されている。
Description
発明の分野
本発明は、マイクロ流体装置及びそのような装置を製造する方法に関する。本発明は、特に(ただしこれに限定するわけではないが)、体液試料のような流体試料内の検体の測定又は当該流体試料の特性の測定に適した診断装置に関する。
本発明は、マイクロ流体装置及びそのような装置を製造する方法に関する。本発明は、特に(ただしこれに限定するわけではないが)、体液試料のような流体試料内の検体の測定又は当該流体試料の特性の測定に適した診断装置に関する。
背景
体液試料内の検体の測定に適した使い捨ての簡単な診断装置が知られている。この診断装置は、典型的には、測定又は反応用の室と、適切な排気口と、試料流体を前記室に送出するための流体導管とを備えている(例えば欧州特許第EP537761号を参照のこと)。流体通路の寸法は、典型的には、流体が、外力を全く必要とすることなく(又は最小の外力のみを必要として)、流体通路に沿って毛管現象により進むように、少なくとも一単位の毛管寸法(one capillary dimension)を持っている。内部の流体容積空間は、上方及び下方の薄板の間に側壁スペーサを置くことにより実現される。側壁スペーサの高さは、流体チャネルの高さを効果的に規定することになるであろう。側壁スペーサは、例えば一方又は両方の薄片の内部表面上に接着剤スペーサを印刷することにより形成されてもよい。又は、スペーサは、それ自体が固体の材料から形成されていてもよい。このような装置は個別に製造される他、大型のシート状の基板材料を用いて大量製造されてもよい。大型のシート状の基板材料は、バッチ又は連続プロセスのいずれかを用いて積層された後に、所望の装置を製造するために切断される。
体液試料内の検体の測定に適した使い捨ての簡単な診断装置が知られている。この診断装置は、典型的には、測定又は反応用の室と、適切な排気口と、試料流体を前記室に送出するための流体導管とを備えている(例えば欧州特許第EP537761号を参照のこと)。流体通路の寸法は、典型的には、流体が、外力を全く必要とすることなく(又は最小の外力のみを必要として)、流体通路に沿って毛管現象により進むように、少なくとも一単位の毛管寸法(one capillary dimension)を持っている。内部の流体容積空間は、上方及び下方の薄板の間に側壁スペーサを置くことにより実現される。側壁スペーサの高さは、流体チャネルの高さを効果的に規定することになるであろう。側壁スペーサは、例えば一方又は両方の薄片の内部表面上に接着剤スペーサを印刷することにより形成されてもよい。又は、スペーサは、それ自体が固体の材料から形成されていてもよい。このような装置は個別に製造される他、大型のシート状の基板材料を用いて大量製造されてもよい。大型のシート状の基板材料は、バッチ又は連続プロセスのいずれかを用いて積層された後に、所望の装置を製造するために切断される。
このような装置は典型的には小さく、典型的な例では1〜50μLの体積の流体試料とともに使用されるのに適するように設計されている。
欧州特許第EP537761号明細書
発明の概要
本発明者らは、試薬(反応物)を反応室に投与する際に生じる問題の一つが、試薬の封じ込めの問題であることを理解した。試薬室に投与される液体は、前記室に接続される流体導管内に移動したり引き込まれたりする傾向がある。このことは、室と導管との間の接続領域に存在する毛管力により引き起こされ、そして、流体導管が試薬により部分的に又は完全に塞がれることにつながることにより、結果的に、装置内にて良好でない流体の流れ特性がもたらされる。このことは、非常に小さな室内に投与する際に特に問題となるものであるが、それは、試薬を具備ないし含有する液体が、室の側壁、及び/又は流体導管内への試薬の毛管移動をもたらす流体導管と室との間の接続領域に接触しないことを保証することが困難であるからである。正確な投与に関する問題はまた、自動化設備を用いて装置を大規模に製造する際に悪化する。この問題を避ける一つの可能な方法は、室がより大きな断面積を持つように設計することである。しかしながら、このことは、より大きな体積の流体試験試料を必要とする、より大きな室の容積につながる。別の解決方法は、毛管流出に必要とされる最小深さよりも大きな深さ、すなわち毛管寸法よりも大きな深さを持つ室を作ることである。このことは、しかしながら、より大きな体積の流体試料を必要とする、より大きな室を招くことにもなるという欠点を有している。また、流体導管内の毛管力(毛管現象)の高い領域から、流体室内の毛管力の低い領域へと、試料を移動させることは難しい。
本発明者らは、試薬(反応物)を反応室に投与する際に生じる問題の一つが、試薬の封じ込めの問題であることを理解した。試薬室に投与される液体は、前記室に接続される流体導管内に移動したり引き込まれたりする傾向がある。このことは、室と導管との間の接続領域に存在する毛管力により引き起こされ、そして、流体導管が試薬により部分的に又は完全に塞がれることにつながることにより、結果的に、装置内にて良好でない流体の流れ特性がもたらされる。このことは、非常に小さな室内に投与する際に特に問題となるものであるが、それは、試薬を具備ないし含有する液体が、室の側壁、及び/又は流体導管内への試薬の毛管移動をもたらす流体導管と室との間の接続領域に接触しないことを保証することが困難であるからである。正確な投与に関する問題はまた、自動化設備を用いて装置を大規模に製造する際に悪化する。この問題を避ける一つの可能な方法は、室がより大きな断面積を持つように設計することである。しかしながら、このことは、より大きな体積の流体試験試料を必要とする、より大きな室の容積につながる。別の解決方法は、毛管流出に必要とされる最小深さよりも大きな深さ、すなわち毛管寸法よりも大きな深さを持つ室を作ることである。このことは、しかしながら、より大きな体積の流体試料を必要とする、より大きな室を招くことにもなるという欠点を有している。また、流体導管内の毛管力(毛管現象)の高い領域から、流体室内の毛管力の低い領域へと、試料を移動させることは難しい。
診断試験装置の望ましい特徴は、必要とされる流体試料の体積ができるだけ小さいということである。このことは特に、フィンガースティックやランセットからの毛細管血試料のような体液試料の採取に関して当てはまるものであり、その理由は、大きな体積の採取が患者にとって苦痛であることが分かっているからである。より大きな流体室を提供することの更なる欠点は、単位面積あたりに存在する基板がより少なくなるために、装置が構造的により弱くなることにある。このような影響は多数の室及び/又は流体導管を有する装置に関してより大きくなる。
本発明は、マイクロ流体診断装置、及び比較的簡素で且つ低コストな製造方法を提供するものである。本発明は特に、一つよりも多くの室及び/又は流体導管を有する装置に適したものである。
一つの観点において、本発明は、少なくとも四つの薄板を備えたマイクロ流体装置であって、前記の薄板は、二つの外側薄板と、これらの外側薄板の間に配置されるとともにマイクロ流体通路を画成する少なくとも二つの付加薄板とを有し、前記外側薄板の内側表面は流体通路の上側及び下側表面を画成し、前記付加薄板の第1のものは少なくとも一つの第1流体要素を画成し、前記付加薄板の少なくとも第2のものは少なくとも一つの第2流体要素を画成し、第1及び第2流体要素は流体的に連結されているマイクロ流体装置を提供する。
この装置は、少なくとも三つの付加薄板であって、各付加薄板がそれぞれ少なくとも一つのマイクロ流体要素を画成するものを有していてもよい。
マイクロ流体要素の一つ又は複数に試薬が供与されているとよい。
第2の観点において、本発明は、マイクロ流体装置の製造方法であって、少なくとも一つの第1マイクロ流体要素又は領域を画成する役目を持つ少なくとも一つの第1薄板又は薄板組立体を準備すること、少なくとも一つの第2マイクロ流体要素又は領域を画成する役目を持つ少なくとも一つの第2薄板又は薄板組立体を準備すること、前記第1及び第2マイクロ流体要素が流体的に連結された状態となるように、少なくとも前記第1及び第2薄板又は薄板組立体を接続することを含む、マイクロ流体装置の製造方法を提供する。
前記第1及び第2薄板又は薄板組立体を接続する前に、マイクロ流体要素の一つに試薬が分与されるとよい。
前記試薬が、特定のマイクロ流体要素内に、液体の形態、又は適切な液体担体又は液体溶媒中に分散又は溶解された状態で配置されるとよい。
一つの実施形態において、マイクロ流体要素の一つは、他に比べてより高い毛管力を持つ。試薬は、より低い毛管力を持つマイクロ流体要素内に配置されるとよい。
より低い毛管力を持つマイクロ流体要素が流体室であり、より高い毛管力を持つマイクロ流体要素が流体導管であるとよい。
別の実施形態において、マイクロ流体要素は同一の毛管力であるとよい。
マイクロ流体要素の両方又はそれぞれに試薬が分与されるとよい。
本発明はまた、第2の観点に従って準備されたマイクロ流体装置、及び第2の観点に従って準備された診断分析装置にも関する。
別の観点によれば、本発明は、マイクロ流体診断分析装置、及び、その装置の製造方法であって、以下の工程、すなわち、
(a) それぞれが第1及び第2のマイクロ流体要素を収容又は画成する役目を持つ第1及び第2の薄板又は薄板組立体を準備する工程、
(b) 前記第1及び/又は第2のマイクロ流体要素に試薬を投与する工程、
(c) それぞれのマイクロ流体要素が流体的に連結された状態となるように、前記第1及び第2の薄板又は薄板組立体を組み立てる工程、
を含む製造方法を提供するものである。
(a) それぞれが第1及び第2のマイクロ流体要素を収容又は画成する役目を持つ第1及び第2の薄板又は薄板組立体を準備する工程、
(b) 前記第1及び/又は第2のマイクロ流体要素に試薬を投与する工程、
(c) それぞれのマイクロ流体要素が流体的に連結された状態となるように、前記第1及び第2の薄板又は薄板組立体を組み立てる工程、
を含む製造方法を提供するものである。
更なる観点によれば、マイクロ流体要素が薄板又は薄板組立体の一部分により画成され、且つ、更なるマイクロ流体要素が同一の薄板又は薄板組立体の別の部分により画成されていてもよい。積層構造は、それから、マイクロ流体要素を流体的に連結するように、折り畳まれるとよい。本発明は、必ずしも一回の折り畳みに限定される必要はなく、もし望むのであれば、複数回の折り畳みがなされてもよい。基板は、例えば、二つの薄板を提供するためにそれ自体が半分に折り畳まれたり、下側の薄板が上側の薄板よりも断面積が大きくなるように(又はその逆に上側の薄板が下側の薄板よりも大きくなるように)部分的に折り畳まれたりすることが可能である。従って、原理的には、診断装置の全体が一つの基板により提供されることが可能である。代替的には、折り畳まれた薄板が、更なる薄板又は薄板部分組立体が取り付けられることとなる薄板部分組立体を作るために使用されることも可能である。
試薬は、基板の折り畳み及びマイクロ流体要素の流体的な連結がなされる前に、マイクロ流体装置の一つに導入されることとなる。
このような折り畳みの方法によりもたらされる利点は、もし望むのであれば、全てのマイクロ流体要素が、一つの薄板又は薄板部分組立体の上に設けられてもよい、ということである。更なる利点は、個々の薄板の正確な位置決めをする必要性が取り除かれる、ということである。このことは特に、一つのマイクロ流体要素から別のマイクロ流体要素への流体的な連通を効果的に保証するために正確な位置決めが本質的となるような、非常に小さなマイクロ流体要素を有する構造に当てはまるものである。
マイクロ流体要素という用語は、流体試料がそれを通して又はその内部へ流れることとなる何らかのマイクロ流体構造に言及することを意図したものであり、限定するわけでないが、ガスを排気するための排気口、室、チャネル、導管、フィルター、時間ゲート等を含むものである。マイクロ流体要素は、規則的又は不規則的な寸法であってよい。
好ましくは、マイクロ流体要素は、流体が毛管現象の影響の下で一つのマイクロ流体要素に沿って流れ且つ当該マイクロ流体要素から別のマイクロ流体要素へ移動することができるように、少なくとも一単位の毛管寸法を持っている。代替的又は追加的には、流体試料は、重力や界面動電又は電気浸透ポンピング等の他の力の影響の下で、マイクロ流体要素に沿って、又はマイクロ流体要素の間で、流れが引き起こされるとよい。
マイクロ流体要素の典型的な寸法は、0.1〜500μmの断面寸法(断面直径のようなもの)を持つものであり、より典型的には、1〜100μmの断面寸法を持つものである。
本発明の基本的な観点は、マイクロ流体装置を作り上げる基本的なマイクロ流体要素が、装置の組み立て時(すなわち、各マイクロ流体要素を画成する各種の区分材、薄板又は薄板部分組立体の取り付け時)にのみ流体的に連結された状態となるような、マイクロ流体装置及びその製造方法を提供することにある。
基本的なマイクロ流体要素を分離することにより、特定のマイクロ流体要素に堆積される試薬が、第2のマイクロ流体要素へ流れ込むことができない。このことは、特定のマイクロ流体要素内に試薬を含ませておくのに役立つ。このことは、試薬を特定のマイクロ流体要素内に含ませておく必要がある場合、又は、一つのマイクロ流体要素から別のマイクロ流体要素への試薬の流れ又は二つのマイクロ流体要素間の接続領域への試薬の流れにより、マイクロ流体の流れの経路が妨害されたり遮断されたりするような場合に特に有利である。このことは、毛管現象により試薬が一つの要素から別の要素へと流れることが可能であるように少なくとも1単位の毛管寸法を持つマイクロ流体要素の場合に、特に当てはまる。このような効果は、例えば試薬が、特定の毛管力を持つマイクロ流体要素(より大きな毛管力を持つマイクロ流体要素(より小さな断面寸法を持つ流体導管のようなもの)に流体的に連結され且つ隣接する室のようなもの)に投与されるような場合に、増大され得るものである。従って、更なる観点によれば、本発明は、第1マイクロ流体要素内に設けられた試薬が引き続いて第2マイクロ流体要素に流体的に連結され、且つ、この第2マイクロ流体要素が、第1マイクロ流体要素よりも高い毛管力を持つか、又は、第2マイクロ流体要素が、より低い毛管力の領域を持つ第1マイクロ流体要素に隣接して位置付けられた、より高い毛管力の領域を持つような、マイクロ流体装置及びその製造方法を提供する。
基本的なマイクロ流体要素を分離することにより、試薬をマイクロ流体要素にかなり正確に投与する必要性が取り除かれ、例えば、(例えば試薬が要素の側壁に接触しないことを保証することにより)試薬が流れの傾向を持たないようにして当該試薬を投与する、というような必要性が取り除かれる。このことは、100nl以上のオーダーの非常に小さな体積の要素に試薬を投与する際に、特に有利である。
基本的なマイクロ流体要素という用語は、組み立て中に分離された状態に保つことが望ましいようなマイクロ流体要素に言及することを意図したものである。従って例えば、特定のマイクロ流体要素、特に試薬が投与されるマイクロ流体要素に隣接して位置付けられていないマイクロ流体要素については、それらを互いに分離することは、必ずしも必要ないかもしれない。例えば、一つの薄板には、流体導管要素に流体的に連結された流体導入要素が設けられていてよい。第2の薄板には従って、試薬が投与される室要素が設けられることが可能であり、第1及び第2の薄板が組み立てられたときに、流体室が、流体導管に対して流体的に連結されるとともにそれに対して隣接して位置付けられ、且つ、流体導入要素に対して流体的に連結されるとともにそれから離れて位置付けられる。
本発明は、必ずしも二つの薄板又は薄板部分組立体に限定されるものではなく、各種のマイクロ流体要素が任意の数の薄板に設けられていてもよい。個々の薄板は、もし望むのであれば、互いに流体的な接続がなされているか又はなされていない、一つよりも多くのマイクロ流体要素を備えているとよい。
試薬は、目的とされる検体と特定的又は非特定的に反応又は結合するものであるか、又は、粘性又はpHのような流体試料の特性を改変するのに役立つものであるとよい。使用される試薬の非限定的な例は、目的となる検体に対しての特定の結合パートナー(抗体、結合タンパク質、抗原等のようなもの)、酵素、流体試料の止血の特性に影響を与えるのに役立つ試薬(トロンボプラスチンのようなもの)、又は、何らかの方法ですなわち測定が行われるようにするために流体試料又はその内部に含まれている検体と相互作用するのに役立つ試薬(磁性のある又は磁化できる粒子のようなもの)である。
本発明に係る診断分析装置は、体液試料のような流体試料内の検体の量又は存在の測定又は当該流体試料の特性の測定に適したものである。
特定のマイクロ流体要素はまた、試料又はその内部に含まれている検体の特性が決定されるように流体試料を保持するのに役立つとよい。典型的には、このことは、流体室要素内にて実施されるであろう。目的とされる特定のパラメータを決定又は測定する方法としては、例えば光学的手段、電気化学的手段、磁気的手段、圧電性結晶を使用したもの等が可能である。室は、適切に位置付けられた光学構成部品や電極のような適切な変換手段を含むように又は当該変換手段と協働するように配置されることとなるであろう。
検体の例は、ホルモン、薬物、バクテリア、毒素、有機化合物、タンパク質、ペプチド、微生物、細菌、ウイルス、アミノ酸、核酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、ビタミン、汚染物、農薬、上述した物質のいずれかの代謝産物又は抗体等を含むものである。
診断分析装置で使用される流体試料は、血液、血清、血漿、唾液、間質液、眼の水晶体液、汗、尿等の生理的流体のような任意の供給源から得ることができる。生理的流体に加えて、水、食品、土壌抽出物等のような他の試料を、診断分析だけでなく、工業的な分析、環境的な分析又は食品の分析の履行のために使用することもできる。加えて、検体を含んでいる可能性がある固体材料は、それがいったん改変されて、液状媒質が形成されたり、検体が放出されたりすれば、試験試料として使用することができる。
反応室への試薬の投与は、スクリーン印刷、ペンプロッティング、エアブラッシングのような、技術的に知られた幾つかの手法を用いて実現されるとよい。試薬は、液体、半液体、ゲル又は半固体の形態、及び/又は、必要とされる適切な液体担体又は液体溶媒中に分散又は溶解された状態で導入されるとよい。一つよりも多くの試薬が追加されてもよい。例えば、凝固時間の測定のための診断分析の場合であれば、トロンボプラスチンが磁性粒子と一緒に加えられるとよい。
もし望むのであれば、溶液又は担体は、装置が組み立てられて基本的なマイクロ流体要素が流体的に連結される前に、乾燥した試薬又は実質的に静止した試薬をもたらすように、取り除かれるか、又は部分的に取り除かれる。
マイクロ流体構造は、例えば特定の基板、薄板又は薄板部分組立体を型打ちするような型押し方法により作られる。この方法は、マイクロ流体要素をシールするのに役立つ上側及び下側薄板を提供する必要性を取り除くものである。代替的には、マイクロ流体要素は、特定の薄板の厚さ全体に亘って切断することにより画成されてもよい。この場合、図1の薄板(1)及び(4)により例示されているように、上側及び下側薄板がマイクロ流体要素をシールするために設けられているとよい。
装置を作り上げる薄板は、ポリカーボネートのような任意の適切な材料からなるように選択される。薄板は、必要であればそれらの親水性を増加させるために、例えば適切な表面コーティングを提供することにより、処理されるとよい。薄板の寸法すなわち厚さ、長さ、又は幅は、任意の適切なものが選定されるとよい。薄板の個々の寸法及び材料は、同一となるように選定されるか、又は、異なったものとなるように選定されるとよい。個々の薄板の厚さは、原理的には任意の厚さを考えることができるが、典型的には、約50μMから約2000μMまでの範囲であるとよい。
薄板を互いに取り付けるための適切な方法は、それぞれの薄板の一方又は両方の表面に接着剤を設けることである。接着剤はまた、流体試料の向上した流れ特性を与えるのに役立つように親水性であるとよい。個々の薄板には、例えば接着剤コーティング及び更なる裏打ち薄板(薄層)が設けられているとよい。この裏打ち薄板(薄層)の除去は従って、接着剤コーティングを露出させることとなる。
一つの実施形態によれば、診断装置は、四つの薄板から製造され、これらの薄板は、流体通路の上側及び下側表面を画成するのに役立つ上側及び下側薄板と、少なくとも一つのチャネルを備えた第1中間薄板と、少なくとも一つの室を備えた第2中間薄板とを備えている。中間薄板は任意の順序で設けられていてよい。
以下、添付図面を参照して、本発明を具体化した実施例について説明する。
四つの部材からなる積層装置が図1に示されている。上側部材(1)及び下側部材(4)が、チャネル(9)を備えた第1中間部材(2)と、室領域(8)を備えた第2中間部材(3)とを挟み込んでいる。各部材は、薄いシート状物からなり、以下では薄板(薄層)という。
図1から分かるように、中間薄板(2)(3)は、材料の全深さに亘って切断されてマイクロ流体的な特徴を持っている。薄板(2)には、その上側表面に接着コーティングが設けられており、一方、薄板(3)には、その両面(図示せず)に接着コーティングが設けられている。
薄板(2)はさらに、室(8)からガスを排気する役目を持つ排気手段(6)に加えて、試料導入特徴部(5)と、流体試料を移送するためのチャネル(9)とを含んでいる。薄板(3)もまた、試料導入特徴部(5)を含んでいる。
排気手段は、任意の適切なものでよい。図1は、毛管現象を利用した停止特性を提供することにより、流体が装置から逃げるのが防止されている、排気手段を示している。
装置は、薄板(3)を下側薄板(4)に取り付けて、下側表面とともに側壁を持つ試薬室を提供することにより、製造されるとよい。必要なら、試薬がそれから一つ又は複数の室に投与され、乾燥が許されるようにするとよい。薄板(2)はそれから、引き続いて薄板(3)に取り付けられるとよい。上側薄板(1)はそれから、薄板(2)に取り付けられて、装置をシールするとともにチャネルを遮断するとよい。
本発明の基本的な観点が、特定のマイクロ流体要素が製造中に互いに分離されることを保証することにあること、及び、上述した工程に関して、代替となる組み立て工程を実行することが可能であること、が理解されるべきである。従って、例えば図1に示す装置においては、製造は以下のようにして行われる。すなわち、薄板(1)が薄板(2)に取り付けられて、第1薄板部分組立体Aが形成される。薄板(3)が薄板(4)に取り付けられて、第2薄板部分組立体Bが形成され、次いで、引き続き、薄板組立体A及びBの取り付けがなされる。
このような手法を用いることにより、試薬を室内に投与する際に室がチャネルから分離されることとなり、従って、試薬がチャネルに流れ出すことができないということを保証する。いったん乾燥してしまえば、室とチャネルとが流体的に連結された状態となるように装置が接続されたときでも、試薬はチャネルに流れ出すことができない。
第2の実施形態において、積層装置は、上側及び下側薄板と、切り抜かれたチャネルを備えた中間薄板と、チャネル付きの中間薄板と反応室付きの中間薄板とを流体的に接続する貫通穴を備えた中央薄板と、切り抜かれた反応領域を備えた更なる中間薄板とを備えたものとして準備される。
五つの薄板から準備された装置が図2に示されている。上側薄板(1)及び下側薄板(5)には、チャネル領域及び排気領域付きの中間薄板(2)と、室領域(4)付きの第2中間薄板(4)と、貫通穴(6)付きの中央薄板(3)とが設けられている。
装置の製造は、例えばウェブベースの製造プロセスを用いて実現することができ、これにより、薄板又は薄板部分組立体を独立した工程で組み立てることができる。
薄板又は薄板部分組立体は一緒に接合される。このような接合は、薄板部品の幾つかの各表面上にて接着剤薄板(薄層)を用いることにより実現される。好ましい実施形態において、接着剤薄板(薄層)は、図3に示されような位置にある。
図3は、四つの薄板からなる構造の装置の断面図であって、接着層の位置を示すものを示している。薄板(1)は、疎水性の上部表面(5)と、親水性の底部表面(6)とを有している。薄板(2)は、接着層(7)がコートされた上部表面と、親水性の底部表面(8)とを有している。薄板(3)は、親水性の接着剤層(9)(10)がコートされた上部及び底部表面を有している。薄板(4)は、親水性の上部表面(11)と、疎水性の底部表面(12)とを有している。
図4は、四つの薄板からなる構造の他の実施形態の断面図であって、接着層の位置を示すものを示している。薄板(1)は、疎水性の上部表面(5)と、親水性の接着剤層(6)がコートされた底部表面とを有している。薄板(2)は、親水性の上部表面(7)と、同様に親水性の底部表面(8)とを有している。薄板(3)は、親水性の接着剤層(9)(10)がコートされた上部及び底部表面を有している。薄板(4)は、親水性の上部表面(11)と、疎水性の底部表面(12)とを有している。
積層プロセスの基本的な観点は、装置の特定のマイクロ流体要素が接着剤から自由な状態で設けられるような、積層構造の提供にある。更なる基本的な観点は、疎水性又は親水性のいずれかであるような接着剤の提供にある。本発明の更なる観点は、特定の親水性又は疎水性の表面を有する薄板の提供にある。
例えば図3において、薄板(3)(4)により画成された室要素は、それを画成する壁上に接着剤が施されていないものである。このことは、室内に収容された一つ又は複数の試薬が、接着剤の存在によって、例えば室内に設けられた粒子の移動度に関して、影響されないことを保証するものである。この特別なケースにおいては、コートされていない表面(8)(11)は、室要素の充填を助けるために親水性で作られることが好ましい。
また、図3に示されているように、流体チャネルを画成する役目を持つ薄板(2)の上側表面には、親水性の接着剤が設けられている。このことは、チャネルに沿って流体が流れることを助けることになる。これに対し、薄板(3)の上側及び下側表面には、より良い接着剤特性を持つ疎水性の接着剤が設けられているが、これは、この特定の領域が流体試料に接触しないからである。
一般に、マイクロ流体要素を画成する役目を持つものとして、親水性の内側表面を提供することが望ましい。また、図4の(5)及び(12)により示されている上側及び/又は下側の外側表面としては、疎水性のものを提供することが望ましく、また、疎水性の側面を持つ装置を提供することが望ましい。このことは、装置に導入された流体試料が試料導入特徴部へ流入されることを促進することを保証するものである。
本発明は、低コストな製造方法、及び小さな体積(1μLよりも小さな値から約50μLまでの範囲)の流体試料内の検体の測定及び当該流体試料の特性の測定に適した装置の設計を提供するものである。本発明は特に、多数のマイクロ流体要素(特に多数のマイクロ流体室)を有する装置に適したものである。
図5は、分離した薄板(4)(2)上に室が設けられている代替的な実施形態を示すものである。
図7は、一つの基板上に種々のマイクロ流体構造があるような基板を示している。
基板は、それぞれのマイクロ流体要素を整列させるように、軸(a−a)の回りで折り畳まれる。いったん装置が組み立てられると、積層構造がそれから切断されて多数の装置が提供されることとなる。
基板は、それぞれのマイクロ流体要素を整列させるように、軸(a−a)の回りで折り畳まれる。いったん装置が組み立てられると、積層構造がそれから切断されて多数の装置が提供されることとなる。
図5は、室領域(6)(7)がそれぞれ、分離した薄板(4)(2)内に設けられている、他の実施形態を示している。また、室(6)は、室(7)の上方に直接位置付けられている。これら二つの室は、送出チャネル(8)及び排気チャネル(9)を含む薄板(3)により分離されている。この実施形態においては、この組み立てられた構造に試料が導入されたときに、試料が送出チャネルを下流側へ移動し、それから室(6)(7)に移動する。マイクロ流体要素(この場合は検出室)が互いの上方に実質的に直接位置付けられるように配列されている装置には、ソレノイドのような単一の変換要素が、両方の検出室と協働するように配列され得る、という利点があり、これにより、室ごとに一つずつ変換要素を設ける必要がなくなる。
図6に示されている他の実施形態においては、五つの層からなる積層構造(1〜5)が設けられており、ここでは、室(6)が室(7)の上方に直接設けられている。これら二つの室は、送出チャネル(10)及び排気チャネル(11)を含む薄板(3)により分離されている。薄板(3)から薄板(2)内の室(6)への流体接続(連通)は、一方が室(8)につながり、他方がチャネル(9)につながる、流体的な重なり合わせにより作られている。流体的な重なり合わせはまた、送出チャネル(10)を室(7)に接続したり、室(6及び7)から排気チャネル(11)へ接続したりするためにも作られる。流体的な重なり合わせを提供することにより、すなわち、個々のマイクロ流体要素を、それらが組み立てられたときに互いに重なり合うように設計することにより、装置を組み立てるときに厳しい公差が必要となることを減じることとなる。このような流体的な重なり合わせを提供することにより、個々のマイクロ流体要素が装置の組み立て時に流体的に連結されることが保証される。本発明は、図6に示されているような流体的な重なり合わせに限定されるものではなく、他の設計、例えば、一方の端部に円形又はより広い断面を持つ導管の提供のようなものも予想し得るものである。
実施例1
薄板の準備
図3に例示されているように、疎水性の上側表面(5)(60°より大きな接触角)と親水性の下側表面(30°よりも小さな接触角)とを有するシート(1)が調達された(テープ・スペシアルティズ社(英国、ハートフォードシア州))。このシートは175μmの厚さを持っていた。
薄板の準備
図3に例示されているように、疎水性の上側表面(5)(60°より大きな接触角)と親水性の下側表面(30°よりも小さな接触角)とを有するシート(1)が調達された(テープ・スペシアルティズ社(英国、ハートフォードシア州))。このシートは175μmの厚さを持っていた。
厚さ175μmのシート(2)は、図8に示されているような設計で、レーザ(C10、アルテックUK社(英国、ロザラム))により切断された。このシートは、装置が製造された際に試料の充填を促進するためのノッチ(1)と、装置が製造された際に室(2)を作る二つの貫通穴と、毛管現象中止領域(3)とを持っていた。このシートは、その上側表面上に厚さ25μmの疎水性の接着剤層を持っていた。
厚さ175μmのシート(3)は、図9に示されているような設計で、レーザ(C10、アルテックUK社(英国、ロザラム))により切断された。このシートは、装置が製造された際に試料の充填を促進するためのノッチ(1)と、チャネル(2)と、毛管現象中止領域(3)とを持っていた。このシートは、その上側及び下側表面の両方の上に厚さ25μmの親水性の接着剤層を持っていた。
親水性の上側表面(30°よりも小さな接触角)と疎水性の下側表面(60°より大きな接触角)とを有する、厚さ175μmのシート(4)が調達された(テープ・スペシアルティズ社(英国、ハートフォードシア州))。薄板(1)(4)は同一の材料からなり、それらが使用される向きのみが異なっていた。
薄板部分組立体の組み立て
薄板(2)の上側表面を覆うライナーが取り除かれ、薄板(1)の親水性の表面が、薄板(2)の露出した接着剤薄板(薄層)に対して、二つの材料を一緒に押圧することにより、接合された。これにより、薄板部分組立体(A)が作られた。
薄板(2)の上側表面を覆うライナーが取り除かれ、薄板(1)の親水性の表面が、薄板(2)の露出した接着剤薄板(薄層)に対して、二つの材料を一緒に押圧することにより、接合された。これにより、薄板部分組立体(A)が作られた。
薄板(3)の下側表面を覆うライナーが取り除かれ、薄板(4)の親水性の表面が、薄板(3)の露出した接着剤薄板(薄層)に対して、二つの材料を一緒に押圧することにより、接合された。これにより、薄板部分組立体(B)が作られた。
試薬の堆積
薄板部分組立体(B)が、二つの井戸状の室が一番上にくるように配置され、約50nlの兎の脳のトロンボプラスチン(技術的に知られた手法(例えば米国特許第4416812号)により準備されたもの)が、屋内組付型のエアブラシシステムを用いて、室全体に亘って吹き付けられた。これは、0.16μl/mmの噴出割合、0.6バールの噴出圧力で実施された。部分組立体(B)は、引き続いて、空気乾燥機(ヘジネア社(英国、エセックス州、ロンフォード)上に配置され、試薬が、6分20秒間に亘って55℃(セッティング4)に加熱されることにより乾燥された。トロンボプラスチン試薬の堆積に続いて、60%の蔗糖に超常磁性の粒子(約5μmの直径を持つ)を溶かした6%(重量体積比)の水溶液(リキッズ・リサーチ社(ウェールズ、バンゴア))が、室に対して、0.5μl/mmの割合で吹き付けられた。この第2の吹きつけ工程に続いて、部分組立体は、再度、空気乾燥機上に配置され、試薬が、6分20秒間に亘って55℃に加熱されることにより乾燥され、溶媒が除去された。
薄板部分組立体(B)が、二つの井戸状の室が一番上にくるように配置され、約50nlの兎の脳のトロンボプラスチン(技術的に知られた手法(例えば米国特許第4416812号)により準備されたもの)が、屋内組付型のエアブラシシステムを用いて、室全体に亘って吹き付けられた。これは、0.16μl/mmの噴出割合、0.6バールの噴出圧力で実施された。部分組立体(B)は、引き続いて、空気乾燥機(ヘジネア社(英国、エセックス州、ロンフォード)上に配置され、試薬が、6分20秒間に亘って55℃(セッティング4)に加熱されることにより乾燥された。トロンボプラスチン試薬の堆積に続いて、60%の蔗糖に超常磁性の粒子(約5μmの直径を持つ)を溶かした6%(重量体積比)の水溶液(リキッズ・リサーチ社(ウェールズ、バンゴア))が、室に対して、0.5μl/mmの割合で吹き付けられた。この第2の吹きつけ工程に続いて、部分組立体は、再度、空気乾燥機上に配置され、試薬が、6分20秒間に亘って55℃に加熱されることにより乾燥され、溶媒が除去された。
薄板の組み立て
図3に示されているように、接着剤層を露出させるために部分組立体B(9)の上部ライナーが取り除かれ、これが、部分組立体(A)の底部に対して、二つの材料を一緒に押圧することにより、接合された。乾燥した試薬を含む、組み立て後の装置は、シリカ乾燥剤を含むアルミホイル製パウチ内に密封することにより、4℃で保管された。
図3に示されているように、接着剤層を露出させるために部分組立体B(9)の上部ライナーが取り除かれ、これが、部分組立体(A)の底部に対して、二つの材料を一緒に押圧することにより、接合された。乾燥した試薬を含む、組み立て後の装置は、シリカ乾燥剤を含むアルミホイル製パウチ内に密封することにより、4℃で保管された。
血液凝固物の検出
組み立てられた薄板を含むホイル製パウチは、4℃の状態から取り去られ、5分間に亘って室温にて平衡状態を保つようにした。ホイル製パウチが開封され、薄板が取り出され、さらに、磁石の極が組み立て後の薄板の側縁に接触するように、薄板が電磁石の間に配置された。図10は、検出システムの配置の概略を示す平面図である。積層装置(1)は、室(2)が二つの電磁石(3,4)に対して近くに配置されるように、向けられた。発光ダイオード(エバーライト・エレクトロニクス社、カタログ番号11-21SURC/S530-A3/TR8、ピーク放射:632nm)と検出器(エバーライト・エレクトロニクス社、カタログ番号PD15-22C/TR8)とからなる光学アッセンブリが、発光ダイオードからの光が室(2)の領域(5)に対して働きかけるように、配置された。電磁石は、60mAの電流を一つの電磁石に250ms間に亘って通した後にその60mAの電流を切り替えて第2の電磁石に250ms間に亘って通す、簡単な電気回路により駆動され、これにより、(極で)約40mTの強度を持つ磁界が生成された。電流は、それらの電磁石の間で複数回切り替えられた。新鮮な毛細管全血が、薄板の前面に追加された。毛管現象により積層装置を通って移動する血が、反応室に入った。反応室に到達したときに、トロンボプラスチン及び磁性粒子試薬が血によって再懸濁され、粒子が反応室内で、電磁石によってそれらに与えられた力により前後に移動し始めた。発光ダイオードは、18mAを印加することにより発光し、検出器からの信号が収集された。
組み立てられた薄板を含むホイル製パウチは、4℃の状態から取り去られ、5分間に亘って室温にて平衡状態を保つようにした。ホイル製パウチが開封され、薄板が取り出され、さらに、磁石の極が組み立て後の薄板の側縁に接触するように、薄板が電磁石の間に配置された。図10は、検出システムの配置の概略を示す平面図である。積層装置(1)は、室(2)が二つの電磁石(3,4)に対して近くに配置されるように、向けられた。発光ダイオード(エバーライト・エレクトロニクス社、カタログ番号11-21SURC/S530-A3/TR8、ピーク放射:632nm)と検出器(エバーライト・エレクトロニクス社、カタログ番号PD15-22C/TR8)とからなる光学アッセンブリが、発光ダイオードからの光が室(2)の領域(5)に対して働きかけるように、配置された。電磁石は、60mAの電流を一つの電磁石に250ms間に亘って通した後にその60mAの電流を切り替えて第2の電磁石に250ms間に亘って通す、簡単な電気回路により駆動され、これにより、(極で)約40mTの強度を持つ磁界が生成された。電流は、それらの電磁石の間で複数回切り替えられた。新鮮な毛細管全血が、薄板の前面に追加された。毛管現象により積層装置を通って移動する血が、反応室に入った。反応室に到達したときに、トロンボプラスチン及び磁性粒子試薬が血によって再懸濁され、粒子が反応室内で、電磁石によってそれらに与えられた力により前後に移動し始めた。発光ダイオードは、18mAを印加することにより発光し、検出器からの信号が収集された。
Claims (13)
- 少なくとも四つの薄板を備えたマイクロ流体装置であって、前記の薄板は、二つの外側薄板と、これらの外側薄板の間に配置されるとともにマイクロ流体通路を画成する少なくとも二つの付加薄板とを有し、前記外側薄板の内側表面は流体通路の上側及び下側表面を画成し、前記付加薄板の第1のものは少なくとも一つの第1流体要素を画成し、前記付加薄板の少なくとも第2のものは少なくとも一つの第2流体要素を画成し、第1及び第2流体要素は流体的に連結されているマイクロ流体装置。
- 少なくとも三つの付加薄板であって、各付加薄板がそれぞれ少なくとも一つのマイクロ流体要素を画成するものを有する、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
- マイクロ流体要素の一つ又は複数に試薬が供与されている、請求項1又は請求項2に記載のマイクロ流体装置。
- マイクロ流体装置の製造方法であって、少なくとも一つの第1マイクロ流体要素又は領域を画成する役目を持つ少なくとも一つの第1薄板又は薄板組立体を準備すること、少なくとも一つの第2マイクロ流体要素又は領域を画成する役目を持つ少なくとも一つの第2薄板又は薄板組立体を準備すること、前記第1及び第2マイクロ流体要素が流体的に連結された状態となるように、少なくとも前記第1及び第2薄板又は薄板組立体を接続することを含む、マイクロ流体装置の製造方法。
- 前記第1及び第2薄板又は薄板組立体を接続する前に、マイクロ流体要素の一つに試薬が分与される、請求項4に記載の方法。
- 前記試薬が、特定のマイクロ流体要素内に、液体の形態、又は適切な液体担体又は液体溶媒中に分散又は溶解された状態で配置される、請求項5に記載の方法。
- マイクロ流体要素の一つが、他に比べてより高い毛管力を持つ、請求項4、請求項5又は請求項6のいずれか一項に記載の方法。
- マイクロ流体要素が同一の毛管力を持つ、請求項4、請求項5又は請求項6のいずれか一項に記載の方法。
- より低い毛管力を持つマイクロ流体要素内に試薬が配置される、請求項7に記載の方法。
- より低い毛管力を持つマイクロ流体要素が流体室であり、より高い毛管力を持つマイクロ流体要素が流体導管である、請求項7又は8に記載の方法。
- マイクロ流体要素の両方に試薬が分与される、請求項4に記載の方法。
- 請求項4に記載の方法に従って準備されたマイクロ流体装置。
- 請求項4に記載の方法に従って準備された診断分析装置。
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