JP2000310303A

JP2000310303A - オートテンショナ

Info

Publication number: JP2000310303A
Application number: JP11121872A
Authority: JP
Inventors: Tadashi Yamakawa; 規山川
Original assignee: Koyo Seiko Co Ltd
Current assignee: Koyo Seiko Co Ltd
Priority date: 1999-04-28
Filing date: 1999-04-28
Publication date: 2000-11-07

Abstract

(57)【要約】【課題】ベルト荷重Ｆにより揺動アーム４に作用するモ
ーメントに起因して、摩擦部材１１やブッシュ８が偏摩
耗したり、揺動抵抗が変動したりするのを防止すること
ができるオートテンショナを提供する。【解決手段】捻りばね９によって、揺動アーム４の鍔部
４ｂに偏荷重を負荷して、揺動アーム４がベルト荷重Ｆ
にて傾くのを抑制した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、プーリに巻き掛
けられたベルトに、所定の張力を付与するオートテンシ
ョナに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば自動車に搭載されたエアコンディ
ショナ用コンプレッサ等の機器に、エンジンからの動力
を伝達するためには、一般にベルトが用いられている。
このベルトの張力を一定に維持するとともに、ベルトの
振動を吸収するためにオートテンショナが用いられてい
る。図４は、従来のオートテンショナの一例を示す断面
図である。図において、ベルト１０１が巻き掛けられる
プーリ１０２は、揺動アーム１０３の揺動先端部１０３
ａを支軸として回転自在に保持されている。揺動アーム
１０３は、揺動先端部１０３ａと一体に、鍔部１０３ｂ
及び筒状部１０３ｃを有している。一方、支持部材１０
４は、ばね受け部１０４ａと支持基部１０４ｂとを有す
る成形部材であり、エンジン側に固定されている。

【０００３】前記揺動アーム１０３は、支持部材１０４
に対して、ナイロン製のブッシュ１０５を介して回動可
能に嵌合されている。支持部材１０４のばね受け部１０
４ａと揺動アーム１０３の鍔部１０３ｂとの間には、捻
りばね１０６が圧縮された状態で装填され、この捻りば
ね１０６は、揺動アーム１０３を所定の方向（ベルト１
０１を張る方向）に付勢するように、捩り抵抗に抗して
巻回方向に蓄勢した状態で係止されている。また、支持
部材１０４の支持基部１０４ｂには、ディスク状の摩擦
部材取付板１０８が、回り止めを施した状態で固定ねじ
１０９により固定されている。この摩擦部材取付板１０
８の片面には、合成樹脂からなる環状の摩擦部材１０７
が取り付けられており、この摩擦部材１０７は、揺動ア
ーム１０３の鍔部１０３ｂに圧接されている。前記の構
成により、揺動アーム１０３は、摩擦部材１０７により
揺動抵抗が付与された状態で、固定側である支持部材１
０４に対して、ブッシュ１０５を介して所定範囲で揺動
（回動）可能となる。このときの揺動中心軸は固定ねじ
１０９の中心軸上にある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記の構造のオートテ
ンショナにおいて、プーリ１０２に巻き掛けられたベル
ト１０１の荷重Ｆが作用する位置は、揺動アーム１０３
の揺動基部である筒状部１０３ｃよりも図において右側
にある。従って、例えば前記荷重Ｆが、図においてプー
リ１０２の上部から下方に向かって作用する場合には、
筒状部１０３ｃを中心として揺動アーム１０３を時計回
り方向に傾けるモーメントが生じる。このため、揺動ア
ーム１０３の鍔部１０３ｂに対する摩擦部材１０７の接
触圧は、その内周側と外周側とで異なることになる。こ
の結果、摩擦部材１０７に偏摩耗が生じて、その耐久性
が低下したり揺動抵抗が変動したりし易いという問題が
あった。また、前記モーメントによりブッシュ１０５に
偏荷重が作用する結果、当該ブッシュ１０５に偏摩耗が
生じて、その耐久性が低下するという問題もあった。こ
の発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、ベル
ト荷重により揺動アームに作用するモーメントに起因し
て、摩擦部材やブッシュが偏摩耗したり、揺動抵抗が変
動したりするのを防止することができるオートテンショ
ナを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明のオートテンショナは、揺動先端部にベルト
に接触させるプーリを軸支した揺動アームと、この揺動
アームを揺動自在に、かつ揺動中心軸に沿って移動可能
に支持する支持部材と、前記揺動アームと前記支持部材
との間に介在した摩擦部材と、前記揺動アームを揺動中
心軸に沿った方向に付勢して、前記摩擦部材を介して前
記支持部材に圧接させ、かつ前記揺動アームを所定の揺
動方向に付勢するばねとを備えたオートテンショナにお
いて、前記ばねが、ベルト荷重による揺動アームの傾き
を抑制すべく揺動アームに偏荷重を負荷していることを
特徴とするものである（請求項１）。このように構成さ
れたオートテンショナにおいては、前記ばねにより揺動
アームに偏荷重を負荷して、ベルト荷重により揺動アー
ムが傾くのを抑制することができる。

【０００６】前記オートテンショナは、揺動アームの、
ばねと摩擦部材とに挟まれた鍔部の厚みを、揺動部材の
揺動中心軸を挟んだ一方側と他方側とで異ならせて揺動
アームに偏荷重を負荷してもよく（請求項２）、この場
合には、簡単な構成で前記ばねにより揺動アームに偏荷
重を負荷することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１及び図２はそれぞれ、この発
明の一実施形態を示すオートテンショナの断面図及び側
面図である。図１において、ベルト１が巻き掛けられる
プーリ２は、その中心部に玉軸受３が装着されている。
この玉軸受３の内輪は、揺動部材としての揺動アーム４
の揺動先端部４ａに外嵌され、皿ワッシャ５とボルト６
とによって揺動先端部４ａに固定されている。これによ
って、プーリ２は、揺動アーム４の揺動先端部４ａを支
軸として回転自在に保持されている。揺動アーム４は、
揺動先端部４ａと一体に、鍔部４ｂ及び筒状部４ｃを有
しており、前記揺動先端部４ａは、これら鍔部４ｂ及び
筒状部４ｃよりも右側に突出している。

【０００８】一方、支持部材７は、内部に空洞部７ａ、
ばね受け部７ｂ、ねじ孔７ｃを有し、ねじ孔７ｃの周り
を支持基部７ｄとする成形部材であり、側面には一対の
取付部７ｅ（図２参照）が突設されている。支持部材７
は、前記取付部７ｅを挿通させたボルトを車体のシャシ
やエンジン等の固定部にねじ込むことにより、当該固定
部に固定される。また、前記支持基部７ｄの外周には、
ナイロン等の合成樹脂製のブッシュ８が装着されてい
る。

【０００９】揺動アーム４は、その筒状部４ｃがブッシ
ュ８の外周に挿入されることにより、支持部材７に対し
て揺動自在となっている。また、支持部材７のばね受け
部７ｂと揺動アーム４の鍔部４ｂとの間に捻りばね９が
装填されている。捻りばね９の一方の端部９ａは支持部
材７に係止され、他方の端部９ｂは揺動アーム４の下部
に係止されている。捻りばね９は、端部９ｂが揺動アー
ム４を図２の時計回り方向に付勢するように、捩り抵抗
に抗して巻回方向に蓄勢した状態で係止されている。従
って、ベルト１には一定の張力が与えられている。

【００１０】環状の摩擦部材１１が取り付けられたディ
スク状の摩擦部材取付板１２は、支持部材７に対して回
り止めを施して装着され、支持部材７のねじ孔７ｃに螺
着される固定ねじ１３によって固定されている。これに
より、捻りばね９を圧縮した状態で摩擦部材１１と揺動
アーム４の鍔部４ｂとが圧接している。

【００１１】前記揺動アーム４に対する捻りばね９の付
勢力は、プーリ２に負荷されるベルト荷重Ｆによって揺
動アーム４が傾くのを抑制できるように、当該揺動アー
ム４の揺動中心軸を挟んだ一方側と他方側とで異なって
いる。すなわち、図１に示すように、ベルト荷重Ｆがプ
ーリ２の上部から下方に向かって作用している場合に
は、筒状部４ｃを中心として揺動アーム４を時計回り方
向に傾けるモーメントが生じるので、捻りばね９の付勢
力は、このモーメントを打ち消すように、同図において
下部側が上部側よりも大きくなるように設定してある。
この実施の形態においては、前記揺動アーム４の捻りば
ね９と摩擦部材１１とに挟まれた鍔部４ｂの厚みを、上
部側から下部側に行くにしたがって漸次厚くして、捻り
ばね９の下部側を上部側に対してより多く圧縮させるこ
とにより、前記付勢力の差を生じさせている。

【００１２】前記の構成により、揺動アーム４は、固定
部材である支持部材７に対して、ブッシュ８を介して所
定範囲で揺動（回動）可能となる。このとき、揺動基部
は筒状部４ｃであり、揺動中心軸は固定ねじ１３の中心
軸上にある。ベルト１が振動を生じると、揺動アーム４
は、図２の時計回り方向及び反時計回り方向の揺動を繰
り返す。揺動アーム４の揺動は、互いに圧接された鍔部
４ｂと摩擦部材１１とを擦り合わせる動作を伴うので、
揺動アーム４には摩擦による揺動抵抗が付与される。従
って、ベルト１の振動エネルギーは摩擦による熱エネル
ギーに変化して、ベルト１の振動が急速に減衰する。

【００１３】以上の動作中において、揺動アーム４がベ
ルト荷重Ｆにて時計回り方向に傾くのを、揺動アーム４
の鍔部４ｂに負荷した捻りばね９の偏荷重によって抑制
することができるので、前記摩擦部材１１の摩擦面の内
周側と外周側とに偏荷重が生じるのを抑制することがで
きる。このため、摩擦部材１１に偏摩耗が生じて、その
耐久性が低下したり、揺動抵抗が変動したりするのを防
止することができる。また、前記揺動アーム４の傾きに
起因してブッシュ８に偏摩耗が生じ、その耐久性が低下
するのも防止することができる。

【００１４】なお、前記捻りばね９の付勢力を大きくす
る側は、ベルト荷重Ｆが負荷される位置及び方向によっ
て適宜変更して実施される。また、捻りばね９により揺
動アーム４に偏荷重を負荷する構造については、揺動ア
ーム４の鍔部４ｂの厚みを均一とし、当該鍔部４ｂと捻
りばね９との間にスペ―サを介在させること、ばね受け
部７ｂの内奥部の肉厚Ｗを部分的に厚くすること（図３
参照）、当該内奥部と捻りばね９との間にスペーサを介
在させること等、種々の構造を採用することができる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように請求項１のオートテンショ
ナによれば、ばねによって揺動部材に偏荷重を負荷し
て、ベルト荷重にて揺動部材が傾くのを抑制することが
できるので、摩擦部材に偏摩耗が生じて、その耐久性が
低下したり、揺動抵抗が変動したりするのを防止するこ
とができる。また、前記揺動部材の傾きに起因して揺動
部材と支持部材との間に介在したブッシュに偏摩耗が生
じて、その耐久性が低下するのも防止することができ
る。

【００１６】請求項２記載のオートテンショナによれ
ば、揺動部材の鍔部の厚みを、その揺動中心軸を挟んだ
一方側と他方側とで異ならせることにより、揺動アーム
に偏荷重を負荷しているので、部品点数を増やすことな
く簡単な構成で揺動アームに偏荷重を負荷することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態を示すオートテンショナ
の断面図である。

【図２】前記オートテンショナの側面図である。

【図３】他の実施形態を示す断面図である。

【図４】従来のオートテンショナの一例を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

２プーリ４揺動アーム４ａ揺動先端部４ｂ鍔部７支持部材８ブッシュ９捻りばね１１摩擦部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】揺動先端部にベルトに接触させるプーリを
軸支した揺動アームと、この揺動アームを揺動自在に、
かつ揺動中心軸に沿って移動可能に支持する支持部材
と、前記揺動アームと前記支持部材との間に介在した摩
擦部材と、前記揺動アームを揺動中心軸に沿った方向に
付勢して、前記摩擦部材を介して前記支持部材に圧接さ
せ、かつ前記揺動アームを所定の揺動方向に付勢するば
ねとを備えたオートテンショナにおいて、前記ばねが、ベルト荷重による揺動アームの傾きを抑制
すべく揺動アームに偏荷重を負荷していることを特徴と
するオートテンショナ。
【請求項２】前記揺動アームの、ばねと摩擦部材とに挟
まれた鍔部の厚みを、揺動部材の揺動中心軸を挟んだ一
方側と他方側とで異ならせて揺動アームに偏荷重を負荷
している請求項１記載のオートテンショナ。