JP2003278862A - オートテンショナ - Google Patents

オートテンショナ

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JP2003278862A
JP2003278862A JP2002087980A JP2002087980A JP2003278862A JP 2003278862 A JP2003278862 A JP 2003278862A JP 2002087980 A JP2002087980 A JP 2002087980A JP 2002087980 A JP2002087980 A JP 2002087980A JP 2003278862 A JP2003278862 A JP 2003278862A
Authority
JP
Japan
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taper ring
friction member
base
restoring force
pulley
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002087980A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiki Sawauchi
俊樹 澤内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP2002087980A priority Critical patent/JP2003278862A/ja
Publication of JP2003278862A publication Critical patent/JP2003278862A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0802Actuators for final output members
    • F16H2007/081Torsion springs

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期の組み付け精度が低くても、長期間に亘
って安定して摩擦力を得ることができると共に、伝動ベ
ルト11の張力に応じて摩擦力を増減する。 【解決手段】 一端面から他端面にかけて拡径されたベ
ース挿通穴2aを有したベース2と、ベース挿通穴2a
に内挿されたボス部4aを有した揺動アーム4と、ボス
部4aを揺動中心としてベース2の一端面側で揺動する
ように揺動アーム4に回転自在に設けられ、伝動ベルト
11が巻き掛けられるプーリ12と、ベース挿通穴2a
の周囲に設けられ、予め縮径および圧縮されることによ
り揺動アーム4に捻り復元力を付与すると共に、揺動ア
ーム4およびベース2間に伸張方向復元力を付与する捻
りコイルバネ10と、ベース挿通穴2aの内壁面との間
隙を一定にするように外周面が形成されたテーパーリン
グ6と、テーパーリング6の外周面とベース挿通穴2a
の内周面との間隙に設けられた円錐形状の摩擦部材7と
を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト駆動機構の
伝動ベルトの張力を自動的に適度に保つためのオートテ
ンショナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のオートテンショナは、例
えば特開平10−213197号公報に開示されている
ように、ベースおよび揺動アーム間に捻りコイルバネを
予め縮径および圧縮させながら介装する。そして、捻り
コイルバネの軸方向の付勢力(伸張方向復元力)により
揺動アームのボス部と摩擦板との面同士を伸張方向復元
力に対して垂直方向に圧接させると共に、捻りコイルバ
ネの周方向の付勢力(捻り復元力)により揺動アームお
よびプーリをその揺動方向の一側に向けて付勢し、揺動
アームに回転自在に設けられたプーリに張力を付与する
ように構成されている。
【0003】このような構成により、オートテンショナ
は、ボス部および摩擦板間に生じた摩擦力と捻り復元力
とで伝動ベルトの張力の緊張・弛緩の変動に応じたプー
リの動きを許容しつつ、伝動ベルトからの激しい振動や
衝撃を減衰することが可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、揺動アームのボス部と摩擦板との面同士を
伸張方向復元力に対して垂直方向に圧接させることによ
り摩擦力を得る構成では、例えば摩擦板が傾斜した状態
で組み付けられると、摩擦板とボス部とが不均一な圧力
で接触し続けることになる。この結果、摩擦板の一部が
早期に磨耗するため、摩擦力を長期間に亘って安定して
維持することができない。従って、従来においては、摩
擦板や揺動アーム、さらには捻りコイルバネを高精度に
組み付けるように作業しなければならないという問題が
ある。
【0005】さらに、オートテンショナは、伝動ベルト
の張力の増減に応じて摩擦力を増減できることが望まれ
ているが、上記従来の構成では、捻りコイルバネの伸張
方向復元力のみを摩擦力の対象にしようとするものであ
るから、伝動ベルトの張力の増減に拘らず常に一定の摩
擦力しか得ることができないという問題もある。
【0006】そこで、本発明は、初期の組み付け精度が
低くても、長期間に亘って安定して摩擦力を得ることが
できるように、円錐形状の摩擦部材のみで揺動アームの
揺動を支持することによって、オーバーハング荷重に依
存する摩擦力および捻りコイルバネの伸張方向復元力に
依存する摩擦力を個別に調節することができるオートテ
ンショナを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、伝動ベルトの張力変動を減衰す
るオートテンショナにおいて、一端面から他端面にかけ
て拡径された挿通穴を有したベースと、前記挿通穴に内
挿されたボス部を有した揺動アームと、前記ボス部を揺
動中心として前記ベースの一端面側で揺動するように前
記揺動アームに回転自在に設けられ、前記伝動ベルトが
巻き掛けられるプーリと、前記挿通穴の周囲に設けら
れ、予め縮径および圧縮されることにより前記揺動アー
ムに捻り復元力を付与すると共に、前記揺動アームおよ
び前記ベース間に伸張方向復元力を付与する捻りコイル
バネと、前記ボス部に固設され、前記挿通穴の内壁面と
の間隙を一定にするように外周面が形成されたテーパー
リングと、前記テーパーリングの外周面と前記挿通穴の
内周面との間隙に設けられた円錐形状の摩擦部材とを有
することを特徴としている。
【0008】上記の構成によれば、揺動アームとベース
との間に捻りコイルバネによる伸張方向復元力が付与さ
れると、これら揺動アームとベースとが引き離されるよ
うに付勢される。この際、テーパーリングと摩擦部材と
は、挿通穴の内壁面と同様に伝動ベルト側から他方側に
かけて拡径された傾斜面同士で接触している。これによ
り、摩擦部材や揺動アームの初期の組み付け精度が低く
ても、揺動アームとベースとが引き離されるように付勢
されることによって、テーパーリングが摩擦部材の傾斜
面に沿って中心部に向かうことにより高い組み付け精度
を実現する。そして、テーパーリングは、伸張方向復元
力に応じた力で摩擦部材の傾斜面に均等に圧接される。
この結果、テーパーリングと摩擦部材との間に安定した
状態で摩擦力が発生するため、伸張方向復元力に基づい
た減衰トルクを長期間に亘って安定して得ることができ
る。
【0009】また、伝動ベルトがプーリに巻き掛けられ
ると、プーリが摩擦部材の配設位置からオフセット状態
に設けられているため、オーバーハング荷重により摩擦
部材とテーパーリングとの傾斜面同士が圧接される。こ
の結果、テーパーリングと摩擦部材との間に摩擦力が発
生するため、オーバーハング荷重に基づいた減衰トルク
を得ることができる。そして、これらの伸張方向復元力
およびオーバーハング荷重による各減衰トルクを傾斜面
の角度や摩擦係数等を変更することによりそれぞれ調整
することによって、伝動ベルトの張力変動等の運転条件
に適したオートテンショナとすることができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載のオー
トテンショナであって、前記伸張方向復元力に基づいた
第1減衰トルクTg(N・m)は、捻りコイルバネの伸
張方向復元力をW(N)、テーパーリングの傾斜角度を
2φ(deg)、摩擦部材の平均径をDm(m)、摩擦
係数をμとしたとき、 Tg={(W/(sinφ+μcosφ))×μ}×
(Dm/2) の関係式で求められることを特徴としている。
【0011】上記の構成によれば、伸張方向復元力に基
づいた減衰トルクを容易に求めることができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1に記載のオー
トテンショナであって、前記プーリからのオーバーハン
グ荷重に基づいた第2減衰トルクTq(N・m)は、オ
ーバーハング荷重をP(N)、オーバーハング荷重Pを
発生させるプーリの中心点から摩擦部材の一端までのオ
ーバーハング距離をL(m)、摩擦部材の長さをB
(m)、テーパーリングの一端側における外径をD1、
テーパーリングの他端側における外径をD2、摩擦係数
をμとしたとき、 Tq=(μ×R1)・(D1/2)+(μ×R2)・
(D2/2) の関係式で求められることを特徴としている。
【0013】上記の構成によれば、オーバーハング荷重
に基づいた減衰トルクを容易に求めることができる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1に記載のオー
トテンショナであって、捻りコイルバネの伸張方向復元
力をW(N)、テーパーリングの傾斜角度を2φ(de
g)、摩擦部材の平均径をDm(m)、摩擦係数をμと
したときの、Tg={(W/(sinφ+μcos
φ))×μ}×(Dm/2)の関係式で得られる伸張方
向復元力に基づいた第1減衰トルクTg(N・m)と、
オーバーハング荷重をP(N)、オーバーハング荷重P
を発生させるプーリの中心点から摩擦部材の一端までの
オーバーハング距離をL(m)、摩擦部材の長さをB
(m)、テーパーリングの一端側における外径をD1、
テーパーリングの他端側における外径をD2、摩擦係数
をμとしたときの、Tq=(μ×R1)・(D1/2)
+(μ×R2)・(D2/2)の関係式で得られるオー
バーハング荷重に基づいた第2減衰トルクTq(N・
m)とを重畳することにより減衰特性を求めることを特
徴としている。
【0015】上記の構成によれば、容易に減衰特性を求
めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図3に基づいて以下に説明する。図1に示すように、本
実施の形態に係るオートテンショナ1は、円筒形状の外
形を有したベース2を備えている。ベース2は、図中左
側の一端面から図中右側の他端面にかけて拡径されたベ
ース挿通穴2aを有している。また、ベース2は、ベー
ス挿通穴2aと側周面2bとの間にバネ収容部2cを備
えている。バネ収容部2cは、一端面が開口された縦断
面凹形状に形成されていると共に、ベース挿通穴2aに
沿った横断面円環形状に形成されている。これにより、
ベース2は、ベース挿通穴2aとバネ収容部2cとで二
重円筒形状に形成されている。
【0017】さらに、ベース2の一端面側の外壁面に
は、図2に示すように、フランジ部2dが形成されてい
る。フランジ部2dには、2つのボルト挿通穴2e・2
eが形成されている。そして、図1に示すように、フラ
ンジ部2dは、ベース2が例えばエンジン周りの隔壁や
架台等の支持部材3に設けられたときに、ベース2を支
持部材3から脱落させないように固定可能にしている。
【0018】上記のベース挿通穴2aには、揺動アーム
4のボス部4aが回動自在に内挿されている。ボス部4
aは、軸心が揺動アーム4の回動中心と一致するように
配置されている。また、ボス部4aは、ベース挿通穴2
aの一端面側の内径よりも小さな外径を全長に渡って有
している。ボス部4aの全長は、先端面がベース2の他
端面と面一となるように設定されている。
【0019】上記のボス部4aには、テーパーリング6
が固定状態で外挿されている。テーパーリング6は、ボ
ス部4aの外径に略一致したリング貫通穴6aを有する
と共に、ベース挿通穴2aの内周面との間隙を一定にす
るように外周面が形成されている。このテーパーリング
6の外周面とベース挿通穴2aの内周面との間隙には、
円錐形状の摩擦部材7が設けられている。摩擦部材7
は、テーパーリング6との接触により摩擦力を発生させ
るようになっている。尚、摩擦部材7には、ポリアミド
や超高分子量ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等が用いられる。
【0020】上記のボス部4aは、アーム本体4bとで
揺動アーム4を構成している。揺動アーム4の中心部に
は、貫通穴4cが形成されている。貫通穴4cは、アー
ム本体4bおよびボス部4aを貫通されている。貫通穴
4cの他端面側(図中右側)の内壁面には、雌ネジ部4
dが形成されている。雌ネジ部4dには、締結ボルト5
が他端面側から螺合されている。そして、締結ボルト5
は、ワッシャ8を介してテーパーリング6の他端面をア
ーム本体4b方向に押圧することによって、テーパーリ
ング6をアーム本体4bとで挟持して固定状態にしてい
ると共に、テーパーリング6の外周面(傾斜面)を摩擦
部材7を介してベース挿通穴2aの内周面(傾斜面)に
当接させることにより揺動アーム4をベース2に対して
軸方向に固定している。
【0021】また、アーム本体4bの外周部には、バネ
収容部4eがベース2側に形成されている。バネ収容部
4eは、上述のベース2のバネ収容部2cに対向するよ
うに形成されている。揺動アーム4のバネ収容部4eお
よびベース2のバネ収容部2cには、捻りコイルバネ1
0が収容されており、この捻りコイルバネ10の一端部
および他端部がそれぞれ固定されている。捻りコイルバ
ネ10は、予め縮径および圧縮されることにより揺動ア
ーム4に捻り復元力を付与すると共に、揺動アーム4お
よびベース2間に伸張方向復元力を付与するようになっ
ている。
【0022】さらに、アーム本体4bの外縁部には、図
2にも示すように、プーリ支持部4fが設けられてい
る。プーリ支持部4fには、プーリ12が回転自在に設
けられている。これにより、プーリ12は、ボス部4a
を揺動中心としてベース2の一端面側で揺動するように
なっている。そして、このプーリ12には、伝動ベルト
11が巻き掛けられるようになっており、揺動アーム4
は、伝動ベルト11の張力の増減に応じた角度でボス部
4aを回動中心として揺動するようになっている。
【0023】上記の構成において、オートテンショナ1
の製造方法について説明する。
【0024】先ず、オートテンショナ1が組み付けれる
エンジンの出力変動等の仕様が調査され、この仕様に基
づいてオートテンショナ1に要望される減衰特性や捻り
コイルバネのバネ特性が求められる。尚、減衰特性と
は、捻りコイルバネの伸張方向復元力に基づいたテーパ
ーリング6および摩擦部材7の傾斜面同士間に生じる摩
擦による第1減衰トルクと、プーリ12からのオーバー
ハング荷重に基づいた傾斜面同士間に生じる摩擦による
第2減衰トルクとの合計減衰トルクが伝動ベルト11の
張力に応じてどのように変化するかを示したものであ
る。
【0025】次に、所望の減衰特性となるように、テー
パーリング6と摩擦部材7とが接触する傾斜面の傾斜角
度や、テーパーリング6および摩擦部材7の形状(最小
径、最大径、平均径、長さ)、摩擦係数等が求められ
る。
【0026】具体的には、図1に示すように、伸張方向
復元力に基づいた第1減衰トルクTg(N・m)は、捻
りコイルバネの伸張方向復元力をW(N)、テーパーリ
ングの傾斜角度を2φ(deg)、摩擦部材の平均径を
Dm(m)、摩擦係数をμとしたとき、 Tg={(W/(sinφ+μcosφ))×μ} ×(Dm/2) ・・・(1) の関係が簡易的に成立する。尚、(1)式は、プーリ面
の垂直反力に抗して伝動Vベルトが周方向に摺動すると
きの関係式から求めたものである。
【0027】一方、図3に示すように、プーリ12から
のオーバーハング荷重に起因する傾斜面同士間に生じる
摩擦によるアーム揺動方向の第2減衰トルクTq(N・
m)は、以下のように求めることができる。
【0028】即ち、オーバーハング荷重をP(N)、オ
ーバーハング荷重Pを発生させるプーリ12の中心点か
ら摩擦部材7の一端までのオーバーハング距離をL
(m)、摩擦部材7の長さをB(m)、テーパーリング
6の一端側における外径をD1、テーパーリング6の他
端側における外径をD2、摩擦係数をμとしたとき、P
×L=R2×B(モーメントの釣合い)、P+R2=R
1(力の釣合い)、R1=((L+B)/B)×P、R
2=(L/B)×Pが成立することから、 Tq=(μ×R1)・(D1/2)+(μ×R2)・(D2/2) ・・・( 2) の関係が簡易的に成立する。
【0029】そして、これらの第1減衰トルクTgと第
2減衰トルクTqとを重畳した値が上述の所望の減衰特
性に一致或いは近接するように、例えばトライアンドエ
ラーが繰り返される。これにより、テーパーリング6と
摩擦部材7とが接触する傾斜面の傾斜角度や、テーパー
リング6および摩擦部材7の形状(最小径、最大径、平
均径、長さ)、摩擦係数等が求められる。
【0030】上記のようにしてテーパーリング6や摩擦
部材7等の形状や摩擦係数等の設計仕様が求められられ
ると、この設計仕様に対応した材質で摩擦部材7が形成
されると共に、ベース挿通穴2a、摩擦部材7およびテ
ーパーリング6が加工される。
【0031】この後、図1に示すように、ベース2のバ
ネ収容部2cに捻りコイルバネ10が収容されると共
に、ベース挿通穴2aに揺動アーム4のボス部4aが内
挿される。そして、摩擦部材7およびテーパーリング6
がこの順にボス部4aに外挿され、締結ボルト5が貫通
穴4cの雌ネジ部4dに螺合される。この後、捻りコイ
ルバネ10が縮径および圧縮され、この状態を維持する
ようにベース2および揺動アーム4の所定角度位置に設
けられた図示しないストッパーピンに仮固定される。こ
れにより、ベース2および揺動アーム4が締結されるこ
とによって、捻りコイルバネ10がバネ収容部4e・2
cに収容された状態にされる。このとき、テーパーリン
グ6および摩擦部材7は、捻りコイルバネの伸張方向復
元力によりベース2が揺動アーム4から離隔するように
付勢されることによって、傾斜面に沿って中心部に案内
されながら所望位置にセットされる。この後、プーリ1
2がプーリ支持部4fに回転自在に取り付けられること
によって、オートテンショナ1が作成される。
【0032】上記のようにして製造されたオートテンシ
ョナ1の動作について説明する。
【0033】先ず、オートテンショナ1のベース2が支
持部材3の嵌合穴に嵌合され、フランジ部2dにおいて
ボルト締めすることにより固定される。この後、プーリ
12に図示しないエンジン等の駆動機構の駆動軸に張設
された伝動ベルト11が巻き掛けられる。この際、プー
リ12が設けられた揺動アーム4は、捻りコイルバネ1
0の捻り復元力と伝動ベルト11の張力とに応じた所定
の角度で揺動状態を維持する。
【0034】駆動機構が駆動を開始した後、例えば伝動
ベルト11の張力が変化した場合には、以下の減衰特性
を示す。即ち、揺動アーム4とベース2との間に捻りコ
イルバネ10による伸張方向復元力が付与されているた
め、テーパーリング6は、伸張方向復元力に応じた力で
摩擦部材7の傾斜面に均等に圧接される。そして、伸張
方向復元力に基づいた第1減衰トルクTg(N・m)が
発生する。
【0035】また、伝動ベルト11が巻き掛けられたプ
ーリ12が摩擦部材7の配設位置からオフセット状態に
設けられているため、オーバーハング荷重により摩擦部
材7とテーパーリング6との傾斜面同士が両端部で圧接
される。この結果、この両端部において傾斜面同士間に
オーバーハング荷重による摩擦力が発生するため、オー
バーハング荷重に基づいた第2減衰トルクTq(N・
m)が発生する。これにより、第1減衰トルクTgと第
2減衰トルクTqとの重畳された合計減衰トルク(Tg
+Tq)との減衰特性を示すことになる。
【0036】これにより、伝動ベルト11の張力が増大
方向に急激に変化した場合には、オーバーハング荷重に
よる第2減衰トルクTqが比例的に増大し、伸張方向復
元力による第1減衰トルクTgに対して相対的に大きな
力を発揮するため、急激な張力変動を十分に抑制するこ
とができる。一方、伝動ベルト11の張力が減少方向に
変化した場合には、オーバーハング荷重による第2減衰
トルクTqが、伸張方向復元力による第1減衰トルクT
gに対して相対的に小さな力になるため、伝動ベルト1
1の張力変化に対して揺動アーム4を高い追従性で揺動
させることができる。
【0037】以上のように、本実施形態のオートテンシ
ョナ1は、伝動ベルト11の張力変動を減衰するもので
あって、一端面から他端面にかけて拡径されたベース挿
通穴2a(挿通穴)を有したベース2と、ベース挿通穴
2aに内挿されたボス部4aを有した揺動アーム4と、
ボス部4aを揺動中心としてベース2の一端面側で揺動
するように揺動アーム4に回転自在に設けられ、伝動ベ
ルト11が巻き掛けられるプーリ12と、ベース挿通穴
2aの周囲に設けられ、予め縮径および圧縮されること
により揺動アーム4に捻り復元力を付与すると共に、揺
動アーム4およびベース2間に伸張方向復元力を付与す
る捻りコイルバネ10と、ボス部4aに固設され、ベー
ス挿通穴2aの内壁面との間隙を一定にするように外周
面が形成されたテーパーリング6と、テーパーリング6
の外周面とベース挿通穴2aの内周面との間隙に設けら
れた円錐形状の摩擦部材7とを有した構成にされてい
る。
【0038】上記の構成によれば、揺動アーム4とベー
ス2との間に捻りコイルバネ10による伸張方向復元力
が付与されると、これら揺動アーム4とベース2とが引
き離されるように付勢される。この際、テーパーリング
6と摩擦部材7とは、ベース挿通穴2aの内壁面と同様
に伝動ベルト11側から他方側にかけて拡径された傾斜
面同士で接触している。これにより、摩擦部材7や揺動
アーム4の初期の組み付け精度が低くても、揺動アーム
4とベース2とが引き離されるように付勢されることに
よって、テーパーリング6が摩擦部材7の傾斜面に沿っ
て中心部に向かうことにより高い組み付け精度を実現す
る。そして、テーパーリング6は、伸張方向復元力に応
じた力で摩擦部材7の傾斜面に均等に圧接される。この
結果、テーパーリング6と摩擦部材7との間に安定した
状態で摩擦力が発生するため、伸張方向復元力に基づい
た減衰トルク(減衰力)を長期間に亘って安定して得る
ことができる。
【0039】また、伝動ベルト11がプーリ12に巻き
掛けられると、プーリ12が摩擦部材7の配設位置から
オフセット状態に設けられているため、オーバーハング
荷重により摩擦部材7とテーパーリング6との傾斜面同
士が圧接される。この結果、テーパーリング6と摩擦部
材7との間に摩擦力が発生するため、オーバーハング荷
重に基づいた減衰トルクを得ることができる。そして、
これらの伸張方向復元力およびオーバーハング荷重によ
る各減衰トルクを傾斜面の角度や摩擦係数等をそれぞれ
調整することによって、伝動ベルト11の張力変動等の
運転条件に適したオートテンショナ1を得ることが可能
になっている。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、テーパーリン
グと摩擦部材との間に安定した状態で摩擦力が発生する
ため、伸張方向復元力に基づいた減衰トルクを長期間に
亘って安定して得ることができる。さらに、テーパーリ
ングと摩擦部材との間に摩擦力が発生するため、オーバ
ーハング荷重に基づいた減衰トルクを得ることができ
る。そして、これらの伸張方向復元力およびオーバーハ
ング荷重による各減衰トルクを傾斜面の角度や摩擦係数
等を変更することによりそれぞれ調整することによっ
て、伝動ベルトの張力変動等の運転条件に適したオート
テンショナとすることができる。
【0041】請求項2の発明によれば、伸張方向復元力
に基づいた減衰トルクを容易に求めることができる。
【0042】請求項3の発明によれば、オーバーハング
荷重に基づいた減衰トルクを容易に求めることができ
る。
【0043】請求項4の発明によれば、容易に減衰特性
を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートテンショナの概略構成図である。
【図2】オートテンショナに伝動ベルトが巻き掛けられ
た状態を示す説明図である。
【図3】オーバーハング荷重の状態を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 オートテンショナ 2 ベース 3 支持部材 4 揺動アーム 5 締結ボルト 6 テーパーリング 7 摩擦部材 8 ワッシャ 10 捻りコイルバネ 11 伝動ベルト 12 プーリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝動ベルトの張力変動を減衰するオート
    テンショナにおいて、一端面から他端面にかけて拡径さ
    れた挿通穴を有したベースと、 前記挿通穴に内挿されたボス部を有した揺動アームと、 前記ボス部を揺動中心として前記ベースの一端面側で揺
    動するように前記揺動アームに回転自在に設けられ、前
    記伝動ベルトが巻き掛けられるプーリと、 前記挿通穴の周囲に設けられ、予め縮径および圧縮され
    ることにより前記揺動アームに捻り復元力を付与すると
    共に、前記揺動アームおよび前記ベース間に伸張方向復
    元力を付与する捻りコイルバネと、 前記ボス部に固設され、前記挿通穴の内壁面との間隙を
    一定にするように外周面が形成されたテーパーリング
    と、 前記テーパーリングの外周面と前記挿通穴の内周面との
    間隙に設けられた円錐形状の摩擦部材とを有することを
    特徴とするオートテンショナ。
  2. 【請求項2】 前記伸張方向復元力に基づいた第1減衰
    トルクTg(N・m)は、捻りコイルバネの伸張方向復
    元力をW(N)、テーパーリングの傾斜角度を2φ(d
    eg)、摩擦部材の平均径をDm(m)、摩擦係数をμ
    としたとき、 Tg={(W/(sinφ+μcosφ))×μ}×
    (Dm/2) の関係式で求められることを特徴とする請求項1に記載
    のオートテンショナ。
  3. 【請求項3】 前記プーリからのオーバーハング荷重に
    基づいた第2減衰トルクTq(N・m)は、オーバーハ
    ング荷重をP(N)、オーバーハング荷重Pを発生させ
    るプーリの中心点から摩擦部材の一端までのオーバーハ
    ング距離をL(m)、摩擦部材の長さをB(m)、テー
    パーリングの一端側における外径をD1、テーパーリン
    グの他端側における外径をD2、摩擦係数をμとしたと
    き、 Tq=(μ×R1)・(D1/2)+(μ×R2)・
    (D2/2) の関係式で求められることを特徴とする請求項1に記載
    のオートテンショナ。
  4. 【請求項4】 捻りコイルバネの伸張方向復元力をW
    (N)、テーパーリングの傾斜角度を2φ(deg)、
    摩擦部材の平均径をDm(m)、摩擦係数をμとしたと
    きの、 Tg={(W/(sinφ+μcosφ))×μ}×
    (Dm/2) の関係式で得られる伸張方向復元力に基づいた第1減衰
    トルクTg(N・m)と、 オーバーハング荷重をP(N)、オーバーハング荷重P
    を発生させるプーリの中心点から摩擦部材の一端までの
    オーバーハング距離をL(m)、摩擦部材の長さをB
    (m)、テーパーリングの一端側における外径をD1、
    テーパーリングの他端側における外径をD2、摩擦係数
    をμとしたときの、 Tq=(μ×R1)・(D1/2)+(μ×R2)・
    (D2/2) の関係式で得られるオーバーハング荷重に基づいた第2
    減衰トルクTq(N・m)とを重畳することにより減衰
    特性を求めることを特徴とする請求項1に記載のオート
    テンショナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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