JP2000309839A - 樹脂被覆缶胴用アルミニウム合金および缶胴用樹脂被覆アルミニウム合金板 - Google Patents

樹脂被覆缶胴用アルミニウム合金および缶胴用樹脂被覆アルミニウム合金板

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JP2000309839A
JP2000309839A JP11113221A JP11322199A JP2000309839A JP 2000309839 A JP2000309839 A JP 2000309839A JP 11113221 A JP11113221 A JP 11113221A JP 11322199 A JP11322199 A JP 11322199A JP 2000309839 A JP2000309839 A JP 2000309839A
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resin
alloy plate
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Kazuhiko Matsuzaki
和彦 松崎
Yukio Urayoshi
幸男 浦吉
Katsumi Koyama
克己 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂フィルムが密着性良く被覆された缶胴用
樹脂被覆Al合金板を提供する。 【解決手段】 Si0.30〜0.80wt%、Fe0.70wt%未
満、Cu0.01〜0.50wt%、Mn0.40〜1.50wt%、Mg0.
80〜6.00wt%、Ti0.001 〜0.15wt%およびZn0.10〜
0.40wt%を含む厚さ 0.1〜0.5mm のAl合金板であっ
て、前記Al合金板の片面または両面に樹脂フィルムが
被覆された缶胴用樹脂被覆Al合金板。 【効果】 前記MgとSiはMg2 Siとして晶出す
る。そして前記Mg2 Si晶出物が存在するアルミニウ
ム合金板の表面部分はアルミニウムが欠乏し、そのため
前記合金板表面上に形成されるアルミニウム酸化皮膜は
前記アルミニウム欠乏部分が凹部となり、この凹部がア
ンカー効果を発現して樹脂フィルムが良好に密着して被
覆され、缶成形時にも剥がれることなく高品質の缶胴が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂フィルムが密
着性良く被覆される缶胴用アルミニウム合金および樹脂
フィルムが密着性良く被覆された缶胴用樹脂被覆アルミ
ニウム合金板に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料缶の胴部は、通常、アルミニウムま
たはスチールの薄板に絞り加工としごき加工(DI加
工)を順に施して形成される。しかし、前記DI加工工
程では潤滑油を大量に使用するため排水処理に問題があ
り、この改善策としてスチール薄板に潤滑性に富む樹脂
フィルムを被覆し、これを薄肉化再絞り加工したラミネ
ート缶が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウムはスチー
ルよりリサイクル効果が大きいため飲料缶に適している
が、表面が酸化し易いため樹脂フィルムとの密着性が悪
く缶成形時(DI加工時など)に樹脂フィルムが剥離す
ることがありアルミニウム製ラミネート缶は実用されて
いない。このようなことから、本発明者等は、アルミニ
ウム合金板と樹脂フィルムとの密着性改善について鋭意
研究を行い、その結果、Mg2 Si晶出物が適量分散し
たアルミニウム合金板は樹脂フィルムの密着性が改善さ
れることを知見し、さらに研究を進めて本発明を完成さ
せるに至った。本発明は、樹脂フィルムが密着性良く被
覆される樹脂被覆缶胴用アルミニウム合金および樹脂フ
ィルムが密着性良く被覆された缶胴用樹脂被覆アルミニ
ウム合金板の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
Si0.30〜0.80wt%、Fe0.70wt%未満、
Cu0.01〜0.50wt%、Mn0.40〜1.50
wt%、Mg0.80〜6.00wt%、Ti0.001〜
0.15wt%およびZn0.10〜0.40wt%を含
み、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴
とする樹脂被覆缶胴用アルミニウム合金である。
【0005】請求項2記載の発明は、Si0.30〜
0.80wt%、Fe0.70wt%未満、Cu0.01〜
0.50wt%、Mn0.40〜1.50wt%、Mg0.
80〜6.00wt%、Ti0.001〜0.15wt%お
よびZn0.10〜0.40wt%を含み、残部がAlお
よび不可避不純物からなる厚さ0.1〜0.5mmのア
ルミニウム合金板であって、前記アルミニウム合金板の
片面または両面に樹脂フィルムが被覆されていることを
特徴とする缶胴用樹脂被覆アルミニウム合金板である。
【0006】請求項3記載の発明は、前記アルミニウム
合金板の片面または両面にエッチング処理が施され、そ
の上に樹脂フィルムが被覆されていることを特徴とする
請求項2記載の缶胴用樹脂被覆アルミニウム合金板であ
る。
【0007】請求項4記載の発明は、前記アルミニウム
合金板の片面または両面にエッチング処理が施され、そ
の上に化成皮膜処理が施され、更にその上に樹脂フィル
ムが被覆されていることを特徴とする請求項2記載の缶
胴用樹脂被覆アルミニウム合金板である。
【0008】請求項5記載の発明は、前記樹脂フィルム
上に高揮発性潤滑剤が塗布されていることを特徴とする
請求項2、3、4のいずれかに記載の缶胴用樹脂被覆ア
ルミニウム合金板である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム合金では、
Alマトリックス中にMg2 Siが適量晶出しており、
このMg2 Si晶出物がアルミニウム合金板の表面に存
在すると、その部分はアルミニウムが欠乏し、そのため
前記合金板表面上に形成されるアルミニウム酸化皮膜は
前記アルミニウム欠乏部分が凹部となり、この凹部がア
ンカー効果を発現して、樹脂フィルムは良好に密着して
被覆され缶成形時にも剥がれることなく高品質の缶胴が
得られる。
【0010】以下に、本発明のアルミニウム合金の合金
元素について説明する。Siは、Mgと反応してMg2
Siとして晶出し、前述のように樹脂フィルムの密着性
を改善する。Siの含有量を0.30〜0.80wt%に
規定する理由は、0.30wt%未満ではそのアンカー効
果が十分に得られず、0.80wt%を超えると固溶Mg
が減少して強度が低下するためである。固溶Mgの減少
分を補うためMgを添加すると粗大なMg2 Siが晶出
して缶成形性が低下する。
【0011】FeはAl地金中に不純物元素として含ま
れる。Feの含有量を0.70wt%未満に規定する理由
は、0.70wt%以上では、粗大なAl−Mn−Fe系
晶出物が生成して缶成形性が低下するためである。
【0012】Cuは強度向上に寄与し、また結晶粒を微
細化して製造加工性を改善する。Cuの含有量を0.0
1〜0.50wt%に規定する理由は、0.01wt%未満
ではその効果が十分に得られず、0.50wt%を超える
とCuを含む粗大な晶出物が生成して缶成形性が低下す
るためである。
【0013】Mnも強度向上に寄与する。Mnの含有量
を0.40〜1.50wt%に規定する理由は、0.40
wt%未満ではその効果が十分に得られず、1.50wt%
を超えると、その効果が飽和する上、Al―Mn系、A
l−Mn−Fe系などの粗大晶出物が生成して缶成形性
が低下するためである。
【0014】Mgも強度向上に寄与する。Mgの含有量
を0.80〜6.00wt%に規定する理由は、0.80
wt%未満ではMg2 Si晶出物が減少してその効果が十
分に得られず、6.00wt%を超えると製造加工性およ
び缶成形性が低下するためである。ここでSi含有量が
多い場合は、Mg含有量を増加させて強度を調整するこ
とが望ましい。
【0015】Tiは鋳造組織を微細化して製造加工性を
高める。Tiの含有量を0.001〜0.15wt%に規
定する理由は、0.001wt%未満ではその効果が十分
に得られず、0.15wt%を超えるとTiを含む粗大な
晶出物が増加して缶成形性が低下するためである。
【0016】Znは強度向上に寄与し、またMg2 Si
などの晶出物を微細化してそのアンカー効果を高める。
Znの含有量を0.10〜0.40wt%に規定する理由
は、0.10wt%未満ではその効果が十分に得られず、
0.40wt%を超えるとその効果が飽和する上、缶成形
性が低下するためである。
【0017】請求項1記載のアルミニウム合金は、半連
続鋳造→鋳塊の均質化処理→熱間圧延→冷間圧延(必要
に応じて中間焼鈍を施す)などの常法により容易に板材
に加工される。
【0018】請求項2記載の缶胴用樹脂被覆アルミニウ
ム合金板は、前記アルミニウム合金を常法により加工し
た板材であり、この合金板表面にはMg2 Si晶出物が
適量露出している。このMg2 Si晶出物が存在する部
分はアルミニウムが欠乏し、そのため前記合金板表面上
に形成されるアルミニウム酸化皮膜は前記アルミニウム
欠乏部分が凹部となり、この凹部がアンカー効果を発現
して樹脂フィルムが良好に密着して被覆される。この発
明において、前記アルミニウム合金板の厚さを0.1〜
0.5mmに規定する理由は、0.1mm未満では缶胴
に要求される強度が十分に得られず、0.5mmを超え
て厚くしても強度が必要以上に高くなり不経済なためで
ある。
【0019】請求項3記載の缶胴用樹脂被覆アルミニウ
ム合金板は、前記アルミニウム合金板の片面または両面
にエッチング処理が施されて表面に露出したMg2 Si
晶出物が離脱して離脱穴が形成され、Mg2 Si晶出物
のアンカー効果は一段と向上する。
【0020】樹脂フィルムの被覆方法には、樹脂フィル
ムを融点以上に加熱して熱圧着する方法と、接着剤を介
して被覆する方法とがあるが、前者は、Mg2 Si晶出
物に樹脂フィルムがアンカーされ、後者は、接着剤がア
ンカーされて、いずれの場合も樹脂フィルムは密着性良
く被覆される。
【0021】被覆された樹脂フィルムの潤滑性は、樹脂
フィルムの結晶化率或いは接着剤の硬化度などに大きく
影響されるので、樹脂フィルム被覆時またはその後の熱
処理の温度管理は十分注意して行う必要がある。
【0022】この発明において、樹脂フィルムには、ビ
スフェノールAなどの有害な環境ホルモンの放出の少な
いポリエステル系、ポリオレフィン系またはポリアミド
系の樹脂フィルムが望ましい。
【0023】この発明において、エッチング処理は、M
2 Si晶出物の離脱穴を形成して前記晶出物のアンカ
ー効果を高める他、表面の汚れや酸化膜を除去する点で
も樹脂フィルムの密着性を高める。
【0024】請求項4記載のアルミニウム合金板は、エ
ッチング処理後、さらに化成皮膜処理を施して樹脂フィ
ルムの密着性を一層向上させたものである。前記化成皮
膜処理にはMBV法(アルカリ−クロム酸塩系)、アロ
ヂン法(クロム酸塩系、りん酸−クロム酸塩系)、ベー
マイト法(酸化皮膜系)などの常法が適用される。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項2〜4記載
の発明において、樹脂フィルム上に高揮発性潤滑剤を塗
布して、缶成形性を高めたものである。高揮発性潤滑剤
は一般に潤滑性に劣るため単独で使用することはあまり
ないが、ここでは樹脂フィルムの潤滑性を助長するかた
ちで用いるのでその効果が十分に発現される。前記潤滑
剤は高揮発性のためDI加工後洗浄する必要がない。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)表1に示す本発明規定組成内(No.A〜G)の
アルミニウム合金鋳塊を常法により熱間圧延および冷間
圧延して厚さ0.3mmの圧延板を作製し、その上に厚
さ15μmのポリエチレンテレフタレート系熱可塑性樹
脂フィルムを低融点接着剤を介して被覆し、次いでこの
被覆した樹脂フィルムを一旦融点直上(270℃)に短
時間加熱したのち水冷して非晶質化して缶胴用樹脂被覆
アルミニウム合金板を製造した。
【0027】(比較例1)表2に示す本発明規定組成外
(No.H〜R)のアルミニウム合金鋳塊を用いた他は実施例
1と同じ方法により缶胴用樹脂被覆アルミニウム合金板
を製造した。
【0028】実施例1および比較例1で製造した各々の
缶胴用樹脂被覆アルミニウム合金板について、強度(引
張強さ、耐力)、缶の成形性、および樹脂フィルム密着
性を調査した。結果を表3、4に示す。強度は、JIS
H4000に準じて測定した。缶の成形性は、350m
lサイズの缶を、DI加工(内径66mm)→4段ネッ
キング加工→フランジング加工により連続的に成形した
ときの割れの発生程度により評価した。1000缶成形
して、破胴またはフランジ割れが皆無のとき極めて良好
(◎)、フランジ割れが50缶未満のとき良好(○)、
50缶以上200缶未満のときやや不良(△)、200
缶以上のとき不良(×)と判定した。樹脂フィルムの密
着性は、前記缶成形時における樹脂フィルムの剥がれの
状況を目視し、剥がれの認められないものを良好
(○)、剥がれが認められるものを不良(×)と判定し
た。
【0029】
【表1】 (注)単位:wt%。
【0030】
【表2】 (注)単位:wt%。
【0031】
【表3】 (注)口広げ:4段ネッキング加工→フランジング加工後
【0032】
【表4】 (注)口広げ:4段ネッキング加工→フランジング加工後
【0033】表3、4より明らかなように、本発明例の
No.1〜7 は缶胴に必要な強度(耐力が250MPa以
上)を満足し、缶成形性と樹脂フィルム密着性にも優れ
た。これに対し、比較例のNo.8はSiが少ないため、 N
o.14はMgが少ないため、両者ともMg2 Si晶出物が
不足して、また No.17はZnが少ないためMg2 Si晶
出物が十分微細化せず、いずれも樹脂フィルムの密着性
が悪化して缶成形性が低下した。 No.14は耐力も低下し
た。No.9はSiが多いためMgの固溶量が減少し、 No.
12はMnが少ないためいずれも耐力が低下した。 No.10
はFeが多いため、 No.11はCuが多いため、 No.13は
Mnが多いため、 No.15はMgが多いため、 No.16はT
iが多いため、 No.18はZnが多いため、いずれも粗大
晶出物が生成して缶成形性(DI加工性または/および
口広げ性)が低下した。
【0034】(実施例2)表1に示す本発明規定組成内
(No.G)のアルミニウム合金鋳塊を常法により熱間圧延お
よび冷間圧延して厚さ0.3mmの圧延板を作製し、こ
の圧延板の両面にエッチング処理(アルカリ洗浄または
酸洗浄)を施し、その上に厚さ15μmのポリエチレン
テレフタレート系熱可塑性樹脂フィルムを低融点接着剤
を介して被覆した他は、実施例1と同じ方法により缶胴
用樹脂被覆アルミニウム合金板を製造した。前記アルカ
リ洗浄は60℃の1wt%NaOH水溶液中に30秒間浸
漬して施し、酸洗浄は100℃のりん酸75vol%と硫酸
25vol%の混酸中に30秒間浸漬して施した。
【0035】(実施例3)実施例2において、厚さ0.
3mmの圧延板に、アルカリ洗浄または酸洗浄を施し、
さらにその上にりん酸クロメート処理(Cr付着量20
mg/m2 )またはベーマイト処理を施した他は、実施
例1と同じ方法により缶胴用樹脂被覆アルミニウム合金
板を製造した。前記ベーマイト処理はアンモニアを3wt
%含む105℃の水蒸気中に5分間暴露して施した。厚
さ約0.2μmのAlO3 ・H2 O皮膜が形成された。
【0036】実施例2、3で製造した各々の缶胴用樹脂
被覆アルミニウム合金板について、DI加工とレトルト
処理を行って樹脂フィルムの密着性を調べた。DI加工
後の樹脂フィルムの密着性は、樹脂フィルムのむしれの
発生率 (n=106)で評価した。レトルト処理は、密閉容
器内に水道水とサンプルを入れ、これを125℃で30
分間加熱保持して行った。樹脂フィルムの密着性は前記
加熱保持後の樹脂フィルムの剥がれの有無を目視により
調べ評価した。各100缶づつ調べて樹脂フィルムの剥
がれが皆無のとき極めて良好(◎)、剥がれが3缶以下
のとき良好(○)、4缶以上剥がれたとき不良(×)と
判定した。結果を表5に示す。比較のため表面処理を施
さないもの(No.24) と、Siの含有量の少ない合金
(H)にエッチング処理と化成皮膜処理を施したもの(N
o.25)についても同様の調査を行った。
【0037】
【表5】
【0038】表5より明らかなように、本発明例の No.
19〜23はいずれもDI加工時のむしれ率が低く、またレ
トルト処理後の樹脂フィルム密着性も良好であった。こ
れに対し、比較例の No.24はエッチングも化成皮膜処理
も行わなかったためNo.25はSiが少ないため、いずれ
も樹脂フィルムの密着性が低下した。
【0039】(実施例4)実施例3で製造した缶胴用樹
脂被覆アルミニウム合金板の表面に高揮発性潤滑油(低
融点ワックス)を塗布して缶成形を行い、缶成形後の樹
脂フィルムの密着性およびレトルト処理後の樹脂フィル
ム密着性を調べた。レトルト処理後の樹脂フィルムの密
着性は実施例3の場合と同様に判定した。結果を表6に
示す。
【0040】
【表6】
【0041】表6より明らかなように、本発明例の No.
26〜28は、樹脂フィルムの上に高揮発性潤滑油を塗布し
たため樹脂フィルムの摩擦抵抗が減少して、いずれも樹
脂フィルム密着性は極めて良好であった。なお、この潤
滑剤は高揮発性のため缶成形後、自然に蒸発したので洗
浄する必要がなかった。
【0042】以上、樹脂フィルムを接着剤を介して被覆
する場合について説明したが、本発明は樹脂フィルムを
熱圧着して被覆する場合にも同様の効果が発現される。
【0043】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明のアルミニ
ウム合金はSi、Fe、Cu、Mn、Mg、Tiおよび
Znを適量含有し、前記MgとSiはMg2 Siとして
晶出し、このMg2 Si晶出物が存在するアルミニウム
合金板の表面部分はアルミニウムが欠乏し、そのため前
記合金板表面上に形成されるアルミニウム酸化皮膜は前
記アルミニウム欠乏部分が凹部となり、この凹部がアン
カー効果を発現して樹脂フィルムが良好に密着して被覆
され、缶成形時にも剥がれることなく高品質の缶胴が得
られる。またこれにエッチング処理を施すとアルミニウ
ム合金板の表面に露出する前記Mg2 Si晶出物が離脱
して離脱穴が形成され、前記アンカー効果は一段と向上
する。エッチング処理後、化成皮膜処理を施すと樹脂フ
ィルムの密着性はさらに向上する。樹脂フィルム上に高
揮発性潤滑油を塗布しておくと樹脂フィルムの剥離は全
くなくなり缶成形性が著しく向上する。前記潤滑油は高
揮発性のため洗浄が不要で生産性を害さない。依って、
工業上顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 22/33 C23C 22/33 22/66 22/66 C23F 1/20 C23F 1/20 1/36 1/36 C23G 1/12 C23G 1/12 1/22 1/22 Fターム(参考) 4F100 AB10A AB31A AK01B AK01C AK42 BA03 BA05 BA08 BA10B BA10C BA26 CA30E EJ51A EJ68D EJ68E GB16 JL11 JM02D JM02E 4K026 AA09 AA22 BA07 BA08 BB06 BB10 CA16 CA36 EA08 EA10 EA12 EB11 4K053 PA10 PA12 RA15 RA18 RA22 TA06 TA07 ZA10 4K057 WA05 WA07 WB05 WB11 WE03 WE04 WE22 WK05 WK07 WN10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si0.30〜0.80wt%、Fe0.
    70wt%未満、Cu0.01〜0.50wt%、Mn0.
    40〜1.50wt%、Mg0.80〜6.00wt%、T
    i0.001〜0.15wt%およびZn0.10〜0.
    40wt%を含み、残部がAlおよび不可避不純物からな
    ることを特徴とする樹脂被覆缶胴用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 Si0.30〜0.80wt%、Fe0.
    70wt%未満、Cu0.01〜0.50wt%、Mn0.
    40〜1.50wt%、Mg0.80〜6.00wt%、T
    i0.001〜0.15wt%およびZn0.10〜0.
    40wt%を含み、残部がAlおよび不可避不純物からな
    る厚さ0.1〜0.5mmのアルミニウム合金板であっ
    て、前記アルミニウム合金板の片面または両面に樹脂フ
    ィルムが被覆されていることを特徴とする缶胴用樹脂被
    覆アルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム合金板の片面または両
    面にエッチング処理が施され、その上に樹脂フィルムが
    被覆されていることを特徴とする請求項2記載の缶胴用
    樹脂被覆アルミニウム合金板。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム合金板の片面または両
    面にエッチング処理が施され、その上に化成皮膜処理が
    施され、更にその上に樹脂フィルムが被覆されているこ
    とを特徴とする請求項2記載の缶胴用樹脂被覆アルミニ
    ウム合金板。
  5. 【請求項5】 前記樹脂フィルム上に高揮発性潤滑剤が
    塗布されていることを特徴とする請求項2、3、4のい
    ずれかに記載の缶胴用樹脂被覆アルミニウム合金板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004300457A (ja) * 2003-03-28 2004-10-28 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 缶ボディ用アルミニウム合金板
JP2011241433A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Furukawa-Sky Aluminum Corp 樹脂被覆アルミニウム合金板及びその製造方法
JP2013159834A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Nippon Light Metal Co Ltd 樹脂接合用アルミ鋳造合金部材の製造方法及びこの方法で得られた樹脂接合用アルミ鋳造合金部材
JP5580948B1 (ja) * 2013-09-27 2014-08-27 日本ペイント株式会社 アルミニウム缶の表面処理方法

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