JP3270682B2 - 絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法

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JP3270682B2 JP11213396A JP11213396A JP3270682B2 JP 3270682 B2 JP3270682 B2 JP 3270682B2 JP 11213396 A JP11213396 A JP 11213396A JP 11213396 A JP11213396 A JP 11213396A JP 3270682 B2 JP3270682 B2 JP 3270682B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絞りしごき加工を
含む加工により製造される2ピース缶に用いる材料の製
造方法に関する。より詳細には水、あるいは水系潤滑剤
などによる冷却、あるいは潤滑を行うことなく、製缶後
の缶の洗浄を必要としない、絞りしごき加工を含む加工
により缶壁厚が薄い2ピース缶を製造するのに適した、
熱可塑性樹脂を被覆した絞りしごき缶用樹脂被覆アルミ
ニウム合金板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】缶胴部と缶底部が一体で成形される2ピ
ース缶としては、ぶりきまたはアルミニウム合金板を絞
り加工、およびしごき加工により得られるDI缶(Draw
n andIroned Can)が従来より製造されている。DI缶
はぶりきまたはアルミニウム合金板を絞り加工した後、
連続的に配置された数個のしごきダイスとポンチを用い
て、大量の水、あるいは水系潤滑剤で冷却および潤滑し
ながら缶壁厚を元板厚の1/3程度に薄肉化し、その後
脱脂洗浄、乾燥し、塗装が施される。近年、特開平6−
312223号公報に、絞りしごき加工を含む複合加工
法により、樹脂被覆金属板から2ピース缶を製造する方
法が開示されている。この方法は従来のDI缶の製造法
とは異なり、高温揮発性の潤滑剤を塗布した樹脂被覆金
属板を絞り加工した後、水、あるいは水系潤滑剤を用い
ることなく、乾式で再絞りおよびしごき加工を同時に行
う複合加工法により、缶壁厚が薄い2ピース缶を製造す
るものである。この複合加工法によれば、2ピース缶に
成形した後の缶の脱脂洗浄、乾燥、塗装工程が不要とな
り、環境を殆ど汚染することなく、2ピース缶を製造す
ることが可能である。本発明は、この複合加工法に適し
た樹脂被覆アルミニウム合金板を提供することを目的と
して検討したものである。複合加工法に適した材料に関
しては、特開平7−266496号公報に、降伏強度、
抗張力、板厚、中心線粗さなどを限定した材料が開示さ
れ、実施例にJIS 3004 H19、およびJIS
5052 H38のアルミニウム合金の使用が示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特開平6−
312223号公報に示されるような複合加工法に適し
た樹脂被覆アルミニウム合金板を提供することを目的と
する。本発明が対象とする複合加工法は、再絞り加工部
としごき加工部が一対となったダイスを用い、再絞りお
よびしごき加工を同時に行う加工法である。複合加工法
の一つの特徴は、再絞り加工を行う部分のダイスの肩ア
ールの寸法を小さくし、このダイス肩アール部において
材料を曲げ・曲げ戻し加工し、缶壁厚を薄肉化すること
にある.この複合加工においては、加工する板厚の2〜
数倍程度の小さなダイス肩ア−ルで厳しい曲げ・曲げ戻
し加工を行うため、材料表面に肌荒れ、割れを生じ易
く、加工条件によってはこのダイス肩アール部で缶壁破
断が生じる。また、ダイス肩アール部で破断を生じない
場合においても、肌荒れ、表面割れは、被覆樹脂被膜と
アルミ合金板との密着性の低下をもたらし、続くしごき
加工において缶壁破断が極めて生じやすくなる。本発明
は、小さな肩ア−ルのダイス肩アール部における曲げ・
曲げ戻し加工、および続くしごき加工を含む複合加工を
乾式で行うに際して、缶壁破断が生じ難く、かつ缶とし
て必要な強度を有する樹脂被覆アルミ合金板を導くこと
を課題とする。なお、特開平7−266496号公報の
実施例に示されるJISアルミニウム合金3004H1
9は、必要とされる強度は有するものの、加工性は本発
明の目標に対しては、不十分なものである。一方、JI
Sアルミニウム合金5052H38は、加工性は本発明
の目的とする複合加工方法に適するが、許容Mn量が少
なく、この合金の製造において投入可能な3004合金
のスクラップの量が大幅に制限される。すなわち、スク
ラップの再利用が制限される。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の絞りしごき缶
用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法は、重量%
で、Mn:0.01〜1.0%、Mg:2.0〜6.0%、
不可避的不純物としてSi:≦0.3%、Fe:≦0.7
%を含有し、かつ(Si+Fe):≦0.8 %であるア
ルミニウム合金鋳塊を均質化熱処理し、熱間圧延を行い
熱延板とし、ついで冷間圧延し、連続焼鈍を行い、その
後圧延率:30〜50%未満で二次冷間圧延して、その
組成中にAl−Fe−Mn系の晶出物を含まないアルミ
ニウム合金板を製造し、次いで、前記アルミニウム合金
板表面を、エッチング処理、および/または電解クロム
酸処理を施し、該処理を施したアルミニウム合金板を2
20〜300℃の範囲に加熱し、その両面に熱可塑性樹
脂を被覆し、被覆後急冷する工程からなり、再絞り加工
を行う部分のダイスの肩アールの寸法を小さくし、この
ダイス肩アール部において材料を曲げ・曲げ戻し加工
し、缶壁厚を薄肉化することを特徴とする。請求項2の
絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法
は、重量%で、Mn:0.01〜1.0%、Mg:2.0
〜6.0%、不可避的不純物としてSi:≦0.3%、F
e:≦0.7%を含有し、かつ(Si+Fe):≦0.8
%であるアルミニウム合金鋳塊を均質化熱処理し、熱
間圧延を行い熱延板とし、ついで冷間圧延し、連続焼鈍
を行い、その後圧延率:30〜50%未満で二次冷間圧
延して、その組成中にAl−Fe−Mn系の晶出物を含
まないアルミニウム合金板を製造し、次いで、前記アル
ミニウム合金板表面をリン酸クロム酸処理し、該処理を
施したアルミニウム合金板を220〜300℃の範囲に
加熱し、その両面に熱可塑性樹脂を被覆し、被覆後急冷
する工程からなり、再絞り加工を行う部分のダイスの肩
アールの寸法を小さくし、このダイス肩アール部におい
て材料を曲げ・曲げ戻し加工し、缶壁厚を薄肉化するこ
とを特徴とする。請求項3の絞りしごき缶用樹脂被覆ア
ルミニウム合金板の製造方法は、重量%で、Mn:0.
01〜1.0%、Mg:2.0〜6.0%、不可避的不純
物としてSi:≦0.3%、Fe:≦0.7%を含有し、
かつ(Si+Fe):≦0.8% であるアルミニウム合
金鋳塊を均質化熱処理し、熱間圧延を行い熱延板とし、
ついで冷間圧延し、連続焼鈍を行い、その後圧延率:5
0〜80%で二次冷間圧延して、220〜280℃の温
度で1分間〜5時間安定化加熱して、その組成中にAl
−Fe−Mn系の晶出物を含まないアルミニウム合金板
を製造し、次いで、前記アルミニウム合金板表面を、エ
ッチング処理、および/または電解クロム酸処理を施
し、該処理を施したアルミニウム合金板を220〜30
0℃の温度範囲に加熱し、その両面に熱可塑性樹脂を被
覆し、被覆後急冷する工程からなり、再絞り加工を行う
部分のダイスの肩アールの寸法を小さくし、このダイス
肩アール部において材料を曲げ・曲げ戻し加工し、缶壁
厚を薄肉化することを特徴とする。請求項4の絞りしご
き缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法は、重量
%で、Mn:0.01〜1.0%、Mg:2.0〜6.0
%、不可避的不純物としてSi:≦0.3%、Fe:≦
0.7%を含有し、かつ(Si+Fe):≦0.8% で
あるアルミニウム合金鋳塊を均質化熱処理し、熱間圧延
を行い熱延板とし、ついで冷間圧延し、連続焼鈍を行
い、その後圧延率:50〜80%で二次冷間圧延して、
220〜280℃の温度で1分間〜5時間安定化加熱し
て、その組成中にAl−Fe−Mn系の晶出物を含まな
いアルミニウム合金板を製造し、次いで、前記アルミニ
ウム合金板表面をリン酸クロム酸処理し、該処理を施し
たアルミニウム合金板を220〜300℃の温度範囲に
加熱し、その両面に熱可塑性樹脂を被覆し、被覆後急冷
する工程からなり、再絞り加工を行う部分のダイスの肩
アールの寸法を小さくし、このダイス肩アール部におい
て材料を曲げ・曲げ戻し加工し、缶壁厚を薄肉化するこ
とを特徴とする。請求項5の絞りしごき缶用樹脂被覆ア
ルミニウム合金板の製造方法は、請求項1〜4のいずれ
かにおいて、被覆する熱可塑性樹脂が熱可塑性ポリエス
テル樹脂であることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、強度、加工性、密着性
に優れ、乾式での絞りしごき加工性に優れる樹脂被覆ア
ルミ合金板の製造方法を提供するために多岐にわたり検
討を行った結果、合金組成、熱可塑性樹脂および表面処
理の種類などを定めることにより、目的とする樹脂被覆
アルミ合金板を得ることが可能な製造方法を開発したも
のである。以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0006】
【実施例】まず、本発明において樹脂被覆アルミニウム
合金板の被覆基板となるアルミニウム合金板の合金成分
などを限定する理由を以下に説明する。なお、各合金成
分の%は重量%で示す。本発明においては、アルミニウ
ム合金板の製造時に発生するスクラップや、使用後のア
ルミニウム缶のスクラップを混合し、溶解して再使用す
ることを容易にするため、アルミニウムDI缶の缶胴材
である3004合金、および蓋材である5052合金の
合金成分、特にMnとMgの量を考慮し検討した。JI
S規格においては3004材は Mn:1.0 〜1.5
%、Mg:0.8〜1.3%、5052材は Mn:0.1
%以下、Mg:2.2〜2.8%と規定されている。本発
明の樹脂被覆アルミニウム合金板の被覆基板となるアル
ミニウム合金板のMn量は、3004合金の下限のMn
量までを含みうることを前提とする。このようにするこ
とにより、本発明に使用するアルミニウム合金を製造す
る際に、多量に存在する3004合金のスクラップの混
合割合を格段に大きくすることが可能となる。
【0007】[Mn]Mnは安価であり、強度が得られる
ために添加するが、0.01 %未満では効果が不十分で
ある。一方、添加量の上限に関しては缶胴材のスクラッ
プを混合再利用することを考慮し、添加量は3004合
金の下限の1.0 %以下の範囲を前提とした。Mnの添
加によりAl−Fe−Mn系の晶出物が形成されるが、
その変態生成物である硬質のα相は、本発明が課題とす
る曲げ・曲げ戻し加工性には好ましくない。市販のアル
ミニウムDI加工においては、Al−Fe−Mn系の晶
出物はしごき加工時に潤滑作用を有し、しごき加工性を
向上させるため不可欠とされる。しかし、本発明におい
ては表面に樹脂が被覆されたアルミニウム合金板を加工
するため、Al−Fe−Mn系の晶出物の潤滑作用は必
要ではなく、むしろ加工性が損なわれる。すなわち、該
晶出物は本発明の樹脂被覆アルミ合金板の適用を図る複
合加工方法には適さないものである。複合加工方法は、
再絞り加工部としごき加工部が一対となったダイスを用
いて再絞り加工としごき加工を同時に行い、再絞りダイ
スの肩ア−ルを板厚の数倍程度以下の小さな肩ア−ルと
することを特徴とするが、晶出物はそのダイス肩アール
部における曲げ・曲げ戻し加工性を著しく損なう。すな
わち、曲げ・曲げ戻し加工時にアルミニウム合金表面に
荒れ、割れが生じやすく、それに基づく被覆樹脂被膜の
密着性を低下をもたらす。さらに晶出物の量、サイズ、
加工条件によっては缶壁破断をもたらす。そのため、後
述するMg量も考慮しMn量の上限を 1.0%とする。
【0008】[Mg]Mgは、Mn以上に強度向上に効果
のある元素であり、缶として必要な強度を得るために添
加するが、添加量が多くなると加工性が低下する。本発
明においては前記の理由によりMn量の上限を 1.0%
とするが、加工性に十分余裕のある範囲ではない。その
ため、加工性の低下、および加工性の変動を少なくする
ために、Mg量の範囲を2.0〜6.0%とする。Mn量
が本発明の上限の 1.0%近傍にある場合は、Mgが
6.0%を越えると加工性が不良となり、厳しい加工用
途には適用困難となる。。一方、Mg量が2.0%未満
では強度が不十分となり、経済性を向上させるため、板
厚を薄くすることが不可能となる。本発明による樹脂被
覆アルミニウム合金板を前記の複合加工を用いて成形し
た2ピ−ス缶は、ビ−ル、炭酸飲料、窒素ガス充填飲料
など、缶内圧が陽圧となる内容物に適用されるが、内容
物によって缶内圧が異なる。このため、缶内圧が高い内
容物を充填する缶用材には、Mn、Mgの量が多い材料
を適用する。缶底の耐圧強度が不足すると缶底が座屈変
形し、商品として使用に耐えなくなる。缶底の耐圧強度
には、主として、板の降伏強度、板厚が影響し、降伏強
度が低い場合は板厚を厚くすることが必要であるが、経
済性が損なわれることになる。このため、経済性の点か
らMn、Mgの添加量の多い、高強度の薄板厚の材料に
適するが、Mn、Mgの添加量の増加による高強度化を
行うと材料の加工性が低下する。本発明のアルミニウム
合金はMg量が一般的な缶用のアルミニウム合金より多
く、高強度が得られるが加工性はやや不十分である。そ
のため板製造時に板厚を薄肉化し、複合加工時に低加工
度で成形加工することが好ましい。
【0009】[Si]SiはAl−Fe−Mn系晶出物に
相変態を生じさせ、いわゆる硬質のα相を形成する。こ
のα相はDI缶の製造においてはしごき加工性を向上さ
せるため必要とされるが、本発明にとっては相変態前の
晶出物以上に曲げ・曲げ戻し加工性を低下させ、好まし
くない。したがって、その上限を0.3%、好ましくは
0.2%以下とするとする。
【0010】[Fe]FeはMnとの関係で、Al−Fe
−Mn系晶出物を形成する。Al−Fe−Mn系は、前
述のように曲げ・曲げ戻し加工性の点から本発明にとっ
て好ましくなく、その形成元素であるFeの上限を0.
7%とする。好ましくは0.4%以下とする。
【0011】[Si+Fe](Si+Fe)量も、Al−
Fe−Mn系晶出物の量、特に硬質なα相の量を低いレ
ベルとするため上限を定める。Fe、Si量の上限を前
記の如く定めるが、それぞれが上限近傍である場合、A
l−Fe−Mn系晶出物が加工性を損なう。よってその
上限を0.8%、好ましくは0.5%以下とする。
【0012】その他の元素として、Cu、Znは特に限
定しないが、Cu、Znは以下の理由により下記の範囲
が好ましい。CuはMgとともにAl−Cu−Mg系析
出物による析出硬化を示し、高強度化の点からは有効で
あるが、多くなると加工性を低下させるため、0.3%
以下であることが好ましく、0.2%以下がより好まし
い。Zn添加は晶出物の分散を適正にする効果があり、
晶出物の弊害を軽減するため、0.01〜0.5%含有す
ることが好ましい。
【0013】次に、本発明の製造方法について説明す
る。上記の化学成分を有するアルミニウム合金を、常法
により溶解、鋳造し、得られた鋳隗に熱間圧延前に均質
化熱処理を施す。この均質化熱処理は、ミクロ偏析の均
質化、過飽和元素の析出などを図り、材質の均質化、お
よび以後の熱間圧延性を向上させる。500℃未満では
効果は不十分であり、600℃を超えると、バ−ニング
などにより、板表面の性能が低下する。上記温度範囲で
の保持時間は、好ましくは1時間以上である。
【0014】上記の均質化熱処理に引き続いて、常法に
より熱間圧延を行う。熱間圧延時の温度は特に限定しな
いが、熱間開始温度は400〜520℃、仕上げ圧延温
度は230〜350℃の範囲が好ましい。
【0015】上記の熱間圧延後、冷間圧延を行い、つい
で連続焼鈍を行う。連続焼鈍を行う場合の加熱速度、お
よび冷却速度は、100℃/分以上が好ましい。100
℃/分未満の場合は結晶粒の粗大化が生じ、強度、加工
性が不十分となる。また加熱温度は400〜580℃と
する。400℃未満では再結晶が不十分であり加工性の
改善が果たされない。また、580℃を越えると板表面
がバ−ニングし、表面性状が悪化する。また、5分を越
えて加熱を行うと軟化し、必要な強度を得ることが出来
ない。
【0016】上記の連続焼鈍処理を行った後二次冷間圧
延を行う。この二次冷間圧延、および圧延後の熱処理の
一つの態様として、圧延率を低くし、30〜50%未満
とする。圧延率の増大に伴い晶出物が圧延方向に延伸さ
れ、かつ晶出物の周囲にボイドの形成、加工歪の蓄積が
生じ、曲げ・曲げ戻し加工性が低下する。このため加工
性の点から圧延率を50%未満とする。また必要強度を
得るために、圧延率の下限を30%とする。この条件で
冷間圧延した場合は、後の工程で表面処理を施した後、
直ちにアルミニウム合金板を220〜300℃に加熱
し、その両面に樹脂を被覆する。
【0017】二次冷間圧延、および圧延後の他の態様と
して、圧延率を上記の態様より高めの50〜80%とす
る。この条件で冷間圧延した場合は、圧延後に220〜
280℃の温度範囲で1分間〜5時間の安定化加熱処理
を施す。圧延率が80%を超えると、安定化加熱の加熱
温度下限の220℃以下で5時間以上加熱しても加工性
が不十分となる。また圧延率が50%以下のものを22
0℃以上で5時間以上加熱すると強度が不足するため、
圧延率の下限を50%とする。一方、この態様において
は、冷間圧延率が50〜80%と高いため、その加工性
を回復するためには最低でも220℃で5時間加熱する
ことが必要である。しかし220℃を越える温度で5時
間以上加熱すると必要強度が得られなくなるので、加熱
時間の上限は5時間とする。また、加熱温度が280℃
を越えると、極めて短時間で軟化し、必要強度に制御で
きなくなるので、加熱温度の上限を280℃、加熱時間
の下限を1分間とする。
【0018】上記の2通りの二次冷間圧延、および二次
冷間圧延とその後の安定化加熱処理のいずれかを施され
た後、アルミニウム合金板は陽極酸化処理、浸漬クロム
酸処理、リン酸クロム酸処理、アルカリ溶液、酸溶液に
よるエッチング処理、電解クロム酸処理など公知の方法
による表面処理が施されるが、本発明にはエッチング処
理、およびまたは電解クロム酸処理、またはリン酸クロ
ム酸処理がより好ましい。特に、アルミニウム合金板に
電解クロム酸処理により金属クロムとクロム水和酸化物
からなる二層皮膜を形成させる場合、積層される樹脂フ
ィルムの加工密着性の点から、クロム水和酸化物の量は
クロムとして3〜25mg/m2 であればよく、7〜2
0mg/m2 の範囲がより好ましい。また、金属クロム
量は特に限定する必要はないが、加工後の耐食性、積層
される樹脂フィルムの加工密着性の観点から1〜100
mg/m2の範囲が好ましく、5〜30mg/m2の範囲
がより好ましい。また、リン酸クロム酸処理を施す場
合、形成されるクロメート皮膜の量はクロムとして5〜
50mg/m2 の範囲であればよく、15〜30mg/
2 の範囲がより好ましい。
【0019】次に、本発明においてアルミニウム合金板
の少なくとも片面に積層される熱可塑性樹脂としては、
ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂などを主成分とした単層また
は複層の樹脂フィルム、これらの樹脂を2種以上をブレ
ンドした樹脂フィルム、あるいは共重合した樹脂フィル
ムなどを用いることができる。特に本発明の厳しい成形
加工が施される絞りしごき缶用には、ポリエチレンテレ
フタレート、エチレンテレフタレート繰り返し単位を主
体とする共重合ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主体
とするポリエステル樹脂、またはこれらのポリエステル
樹脂を少なくとも2種類ブレンドしたポリエステル樹
脂、または上記のポリエステル樹脂を少なくとも2種類
積層してなる複層のポリエステル樹脂のいずれか、さら
にポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート樹脂
と上記のポリエステル樹脂を少なくとも1種類ブレンド
した樹脂、さらに、ポリカーボネート樹脂と上記のポリ
エステル樹脂を少なくとも2種類積層した複層樹脂から
なり、公知の押し出し機によりフィルム成形後、縦横二
方向に延伸し、熱固定して製造される二軸配向樹脂フィ
ルムが好ましい。
【0020】積層される樹脂フィルムの厚さは5〜50
μmの範囲が好ましく、10〜30μmの範囲がより好
ましい。厚さが5μm以下の場合、連続的に高速で金属
板に積層することがむずかしい。一方、積層される樹脂
フィルムの厚さが50μm以上になると、製缶用材料に
広く使用されているエポキシ系樹脂塗料などと比較し経
済性の点からも好ましくない。
【0021】また、樹脂フィルムはアルミニウム合金板
に直接積層されてもよいし、樹脂フィルムとアルミニウ
ム合金板の間にエポキシ−フェノール樹脂のような熱硬
化性接着剤を介在させて積層されてもよい。熱硬化性接
着剤を樹脂フィルムまたはアルミニウム合金板のどちら
かの、互いと接着する片面に予め塗布しておくことによ
り、熱硬化性接着剤を介在させて樹脂フィルムをアルミ
ニウム合金板に積層することができる。
【0022】樹脂フィルムを被覆する際のアルミニウム
合金板の温度は、被覆する樹脂の種類により異なるが、
220〜300℃とする。220℃以下では得られた樹
脂被覆アルミニウム合金板を絞りしごき加工した場合、
加工密着性に乏しく被覆した樹脂フィルムが容易に剥離
する。一方、300℃以上では被覆する樹脂フィルムが
溶融し、ラミネートロ−ルなどに付着し、被覆作業が不
可能となる。以上の理由により、樹脂フィルムを被覆す
る際のアルミニウム合金板の温度の上限、および下限を
定める。
【0023】次に、上記の温度に加熱されたアルミニウ
ム合金板の両面に、上記の熱可塑性樹脂フィルムを接触
させ、1対のラミネートロールの間で重ね合わせ、挟み
つけて圧着した後、直ちに熱可塑性樹の再結晶温度以下
に急冷する。以上の工程から絞りしごき缶用樹脂被覆ア
ルミニウム合金板が得られる。
【0024】上記のように、本発明の製造方法を用いて
製造された熱可塑性樹脂フィルム被覆アルミニウム合金
板の上面に高温揮発性潤滑剤を塗布し、絞りしごき加工
を施すことにより、水、あるいは水系潤滑剤などによる
冷却、あるいは潤滑を行うことなく、製缶後の缶の洗浄
を必要としない、缶壁厚が薄い2ピース缶を製造するこ
とができる。高温揮発性潤滑剤としては、絞りしごき加
工後に200℃程度の温度で数分の加熱を施した時に5
0%以上飛散することが望ましく、具体的には流動パラ
フィン、合成パラフィン、天然ワックスなどの単体、ま
たはこれらの混合物から加工条件、加工後の加熱条件に
応じ選択する。塗布される潤滑剤の特性としては融点が
25〜80℃、沸点が180〜400℃の範囲にあるも
のが本発明の目的を果たすのに望ましい。また、塗布量
は缶外面となる面、缶内面となる面、加工条件、加工後
の加熱条件等を考慮し、決定されるべきであるが、5〜
100mg/m2、好ましくは30〜60mg/m2の範
囲が適している。
【0025】(実施例)表1〜3に示す組成のアルミニ
ウム合金を常法により溶解、鋳造、面削し、550℃で
1時間均質化熱処理を行った後、常法により熱間圧延、
冷間圧延、連続焼鈍を行い、その後表1〜3に示す圧延
率で二次冷間圧延し、0.25mm の板厚とし、下記に
示すエッチング処理(A)、電解クロム酸処理(B)、また
はエッチング処理後にさらに電解クロム酸処理する
(C)、リン酸クロム酸処理(D)のいずれかの表面処理を
施した。 [A]60℃の水酸化ナトリウム水溶液(50g/l)に
15秒間浸漬後水洗し、ついで15℃の硫酸(15g/
l)に15秒間浸漬後水洗し、乾燥する。 [B]無水クロム酸:100g/lを主剤とし、フッ化ナ
トリウム5g/lを助剤とからなる40℃の水溶液中
で、100A/dm2 の電流密度で陰極電解し、金属ク
ロムが32〜41mg/m2、クロム水和酸化物が12
〜15mg/m2からなる2層皮膜を形成させる。 [C]60℃の水酸化ナトリウム水溶液(50g/l)に
15秒間浸漬後水洗し、ついで15℃の硫酸(15g/
l)に15秒間浸漬後水洗し、引き続いて無水クロム
酸:100g/lを主剤とし、フッ化ナトリウム5g/
lを助剤とからなる40℃の水溶液中で、100A/d
2 の電流密度で陰極電解し、金属クロムが21〜28
mg/m2、クロム水和酸化物が7〜11mg/m2から
なる2層皮膜を形成させる。 [D]リン酸:70g/l、無水クロム酸:12g/l、
およびフッ化ナトリウム5g/lとからなる60℃の水
溶液をスプレーし、クロム量として13〜20mg/m
2のクロメート皮膜を形成させる。ついで上記のいずれ
かの方法により表面処理を施した後、表1〜3に示す条
件でアルミニウム合金板を加熱し、その両面にポリエチ
レンイソフタレート12モル%とポレエチレンテレフタ
レート88モル%からなる厚み20μmの共重合ポリエ
ステル樹脂二軸配向フィルムを積層し、直ちに水中に浸
漬冷却した。乾燥した後、その両面にグラマーワックス
(沸点115℃)を約50mg/m2 塗布し供試板とし
た。供試板の評価は、前述の曲げ・曲げ戻し後の強度、
複合加工による加工性、耐圧強度、加工後の被覆樹脂フ
ィルムとアルミ合金板表面の密着性について行った。曲
げ・曲げ戻し後の強度は、曲げ半径 0.5mmでの曲げ
・曲げ戻し加工を施した供試板の引っ張り強度が加工前
の供試板の強度の30%以上の場合を○(良)、30%未
満を×(不良)とした。耐圧強度は通常の絞り加工により
缶形65mmの缶を成形し、缶底部をドーミング加工し
た後内圧を付加し、缶底が座屈する圧力で良否を評価
し、座屈圧力が 6.3kg/cm2以上の場合を ○
(良)、6.3kg/cm2 未満の場合を ×(不良)とし
た。複合加工性の評価は、絞り比 1.6で成形した直径
100mmの絞り缶を直径75mm、缶壁厚が元板厚の
80%である一次再絞り缶に加工し、続く二次再絞り加
工性を評価した。二次再絞り加工は再絞り比を1.15
とし、再絞りダイス肩ア−ル 0.4mmとし、しごきダ
イスのクリアランスを変更してダイス肩部、しごき加工
部での加工性を加工時の缶壁破断の発生の有無で評価
し、缶壁破断が無い場合を○(良)、缶壁破断が発生した
場合を×(不良)とした。密着性は、上記と同一条件で二
次再絞り加工を行った後の缶壁内面について、被覆樹脂
の剥離の有無によりにより評価し、剥離無しを○(良)、
剥離無しを×(不良)とした。評価結果を表4〜6に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】 (注) −: 評価せず
【0029】
【表5】 (注) −: 評価せず
【0030】
【表6】 (注) −: 評価せず
【0031】
【発明の効果】本発明は、重量%でMn:0.01〜1.
0%、Mg:2.0〜6.0%、不可避的不純物としてS
i:≦0.3%、Fe:≦0.7%を含有し、かつ(Si
+Fe):≦0.8 %の関係を有するアルミニウム合金
鋳隗を均質化熱処理した後、常法により熱間圧延を行い
熱延板とする工程、ついで冷間圧延を行う工程、引き続
き連続焼鈍を行う工程、その後圧延率:30〜50未満
で二次冷間圧延し、ついで表面処理する工程、表面処理
を施したアルミニウム合金板を加熱し、板温を220〜
300℃の範囲に保持し、その両面に熱可塑性樹脂を被
覆する工程、被覆後急冷する工程からなる絞りしごき缶
用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法であり、また
は、重量%でMn:0.01〜1.0%、Mg:2.0〜
6.0%、不可避的不純物としてSi:≦0.3%、F
e:≦0.7%を含有し、かつ(Si+Fe):≦0.8
%の関係を有するアルミニウム合金鋳隗を均質化熱処理
した後、常法により熱間圧延を行い熱延板とする工程、
ついで冷間圧延を行う工程、引き続き連続焼鈍を行う工
程、その後、圧延率:50〜80で二次冷間圧延した
後、220〜280℃の温度で1分間〜5時間安定化加
熱する工程、ついで表面処理する工程、表面処理を施し
たアルミニウム合金板を、220〜300℃の温度範囲
に加熱し、その両面に熱可塑性樹脂を被覆する工程、被
覆後急冷する工程からなる絞りしごき缶用樹脂被覆アル
ミニウム合金板の製造方法であり、さらに、被覆する熱
可塑性樹脂が熱可塑性ポリエステル樹脂であることを特
徴とし、またアルミニウム合金板に施される表面処理が
エッチング、およびまたは電解クロム酸処理、またはリ
ン酸クロム酸処理であることを特徴としており、小さな
肩ア−ルのダイス肩アール部における曲げ・曲げ戻し加
工、および続くしごき加工を含む複合加工を乾式で行う
に際して、缶壁破断が生じ難く、かつ缶として必要な強
度を有する樹脂被覆アルミ合金板を製造することが可能
となる。さらに、本発明の樹脂被覆アルミニウム合金板
の被覆基板となるアルミニウム合金板のMn量を、30
04合金の下限のMn量まで含みうるものとすることに
より、本発明に使用するアルミニウム合金を製造する際
に、多量に存在する3004合金のスクラップの混合割
合を格段に大きくすることが可能となり、リサイクル性
にも優れたものとなる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 623 C22F 1/00 623 630 630K 686 686A 694 694A (72)発明者 駒井 正雄 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋 鋼鈑株式会社 技術研究所内 (72)発明者 谷口 歩 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋 鋼鈑株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−182257(JP,A) 特開 昭61−261466(JP,A) 特開 平4−228551(JP,A) 特開 平7−238355(JP,A) 特開 平5−5149(JP,A) 特開 平7−252610(JP,A) 特開 平7−266496(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 - 21/18 C22C 1/04 - 1/57 B32B 15/08 B21D 51/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Mn:0.01〜1.0%、M
    g:2.0〜6.0%、不可避的不純物としてSi:≦
    0.3%、Fe:≦0.7%を含有し、かつ(Si+F
    e):≦0.8 %であるアルミニウム合金鋳塊を均質化
    熱処理し、熱間圧延を行い熱延板とし、ついで冷間圧延
    し、連続焼鈍を行い、その後圧延率:30〜50%未満
    で二次冷間圧延して、その組成中にAl−Fe−Mn系
    の晶出物を含まないアルミニウム合金板を製造し、 次いで、前記アルミニウム合金板表面を、エッチング処
    理、および/または電解クロム酸処理を施し、 該処理を施したアルミニウム合金板を220〜300℃
    の範囲に加熱し、その両面に熱可塑性樹脂を被覆し、被
    覆後急冷する工程からなり、再絞り加工を行う部分のダイスの肩アールの寸法を小さ
    くし、このダイス肩アール部において材料を曲げ・曲げ
    戻し加工し、缶壁厚を薄肉化することを特徴とする、
    りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法。
  2. 【請求項2】重量%で、Mn:0.01〜1.0%、M
    g:2.0〜6.0%、不可避的不純物としてSi:≦
    0.3%、Fe:≦0.7%を含有し、かつ(Si+F
    e):≦0.8 %であるアルミニウム合金鋳塊を均質化
    熱処理し、熱間圧延を行い熱延板とし、ついで冷間圧延
    し、連続焼鈍を行い、その後圧延率:30〜50%未満
    で二次冷間圧延して、その組成中にAl−Fe−Mn系
    の晶出物を含まないアルミニウム合金板を製造し、 次いで、前記アルミニウム合金板表面をリン酸クロム酸
    処理し、 該処理を施したアルミニウム合金板を220〜300℃
    の範囲に加熱し、その両面に熱可塑性樹脂を被覆し、被
    覆後急冷する工程からなり、再絞り加工を行う部分のダイスの肩アールの寸法を小さ
    くし、このダイス肩アール部において材料を曲げ・曲げ
    戻し加工し、缶壁厚を薄肉化することを特徴とする、 絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】重量%で、Mn:0.01〜1.0%、M
    g:2.0〜6.0%、不可避的不純物としてSi:≦
    0.3%、Fe:≦0.7%を含有し、かつ(Si+F
    e):≦0.8% であるアルミニウム合金鋳塊を均質化
    熱処理し、熱間圧延を行い熱延板とし、ついで冷間圧延
    し、連続焼鈍を行い、その後圧延率:50〜80%で二
    次冷間圧延して、220〜280℃の温度で1分間〜5
    時間安定化加熱して、その組成中にAl−Fe−Mn系
    の晶出物を含まないアルミニウム合金板を製造し、 次いで、前記アルミニウム合金板表面を、エッチング処
    理、および/または電解クロム酸処理を施し、 該処理を施したアルミニウム合金板を220〜300℃
    の温度範囲に加熱し、その両面に熱可塑性樹脂を被覆
    し、被覆後急冷する工程からなり、再絞り加工を行う部分のダイスの肩アールの寸法を小さ
    くし、このダイス肩アール部において材料を曲げ・曲げ
    戻し加工し、缶壁厚を薄肉化することを特徴とする、 絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】重量%で、Mn:0.01〜1.0%、M
    g:2.0〜6.0%、不可避的不純物としてSi:≦
    0.3%、Fe:≦0.7%を含有し、かつ(Si+F
    e):≦0.8% であるアルミニウム合金鋳塊を均質化
    熱処理し、熱間圧延を行い熱延板とし、 ついで冷間圧延し、連続焼鈍を行い、その後圧延率:5
    0〜80%で二次冷間圧延して、220〜280℃の温
    度で1分間〜5時間安定化加熱して、その組成中にAl
    −Fe−Mn系の晶出物を含まないアルミニウム合金板
    を製造し、 次いで、前記アルミニウム合金板表面をリン酸クロム酸
    処理し、 該処理を施したアルミニウム合金板を220〜300℃
    の温度範囲に加熱し、その両面に熱可塑性樹脂を被覆
    し、被覆後急冷する工程からなり、再絞り加工を行う部分のダイスの肩アールの寸法を小さ
    くし、このダイス肩アール部において材料を曲げ・曲げ
    戻し加工し、缶壁厚を薄肉化することを特徴とする、 絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 被覆する熱可塑性樹脂が熱可塑性ポリエ
    ステル樹脂であることを特徴とする、請求項1〜4いず
    れか記載の絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板
    の製造方法。
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