JP3287763B2 - 絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板 - Google Patents
絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板Info
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Description
含む加工により製造される2ピース缶に用いる材料に関
する。より詳細には、水、あるいは水系潤滑剤などによ
る冷却、あるいは潤滑を行うことなく、製缶後の缶の洗
浄を必要としない、絞りしごき加工を含む加工により缶
壁厚が薄い2ピース缶を製造するのに適した、熱可塑性
樹脂を被覆した絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合
金板に関する。
ース缶としては、ぶりきまたはアルミニウム合金板を絞
り加工、およびしごき加工により得られるDI缶(Draw
n andIroned Can)が従来より製造されている。DI缶
はぶりきまたはアルミニウム合金板を絞り加工した後、
連続的に配置された数個のしごきダイスとポンチを用い
て、大量の水、あるいは水系潤滑剤で冷却および潤滑し
ながら缶壁厚を元板厚の1/3程度に薄肉化し、その後
脱脂洗浄、乾燥し、塗装が施される。近年、特開平6−
312223号公報に、絞りしごき加工を含む複合加工
法により、樹脂被覆金属板から2ピース缶を製造する方
法が開示されている。この方法は従来のDI缶の製造法
とは異なり、高温揮発性の潤滑剤を塗布した樹脂被覆金
属板を絞り加工した後、水、あるいは水系潤滑剤を用い
ることなく、乾式で再絞りおよびしごき加工を同時に行
う複合加工法により、缶壁厚が薄い2ピース缶を製造す
るものである。この複合加工法によれば、2ピース缶に
成形した後の缶の脱脂洗浄、乾燥、塗装工程が不要とな
り、環境を殆ど汚染することなく、2ピース缶を製造す
ることが可能である。本発明は、この複合加工法に適し
た樹脂被覆アルミニウム合金板を提供することを目的と
して検討したものである。複合加工法に適した材料に関
しては、特開平7−266496号公報に、降伏強度、
抗張力、板厚、中心線粗さなどを限定した材料が開示さ
れ、実施例にJIS 3004 H19のアルミニウム合
金の使用が示されている。
312223号公報に示されるような複合加工法に適し
た樹脂被覆アルミニウム合金板を提供することを目的と
する。本発明が対象とする複合加工法は、再絞り加工部
としごき加工部が一対となったダイスを用い、再絞りお
よびしごき加工を同時に行う加工法である。複合加工法
の一つの特徴は、再絞り加工を行う部分のダイスの肩ア
ールの寸法を小さくし、このダイス肩アール部において
材料を曲げ・曲げ戻し加工し、缶壁厚を薄肉化すること
にある.この複合加工においては、加工する板厚の2〜
数倍程度の小さなダイス肩ア−ルで厳しい曲げ・曲げ戻
し加工を行うため、材料表面に肌荒れ、割れを生じ易
く、加工条件によってはこのダイス肩アール部で缶壁破
断が生じる。また、ダイス肩アール部で破断を生じない
場合においても、肌荒れ、表面割れは、被覆樹脂被膜と
アルミニウム合金板との密着性の低下をもたらし、続く
しごき加工において缶壁破断が極めて生じやすくなる。
本発明は、小さな肩ア−ルのダイス肩アール部における
曲げ・曲げ戻し加工、および続くしごき加工を含む複合
加工を乾式で行うに際して、缶壁破断が生じ難く、かつ
缶として必要な強度を有する樹脂被覆アルミニウム合金
板を導くことを課題とする。なお、特開平7−2664
96号公報の実施例に示されるJISアルミニウム合金
3004H19は、必要とされる強度は有するものの、
加工性は本発明の目標に対しては、不十分なものであ
る。
樹脂被覆アルミニウム合金板は、重量%でMn:0.5
〜1.6%、Mg:0.2〜2.0%、残部がアルミニウ
ム及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物として
Si:≦0.3%、Fe:≦0.5%を含有し、(Si+
Fe):≦0.6%、Fe/Si比が 1.5以下であ
り、(Fe+1.07×Mn):≦1.8%の関係を有す
る板厚:0.18〜0.35mm、降伏強度:180〜4
00 N/mm2 であり、圧延方向に垂直方向の引張強
度と圧延方向に平行方向の引張強度との差が 10N/
mm2以下である、アルミニウム合金板をエッチング
後、その両面に、ポリエチレンテレフタレート、エチレ
ンテレフタレート繰り返し単位を主体とする共重合ポリ
エステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ブチレン
テレフタレート繰り返し単位を主体とするポリエステル
樹脂、またはこれらのポリエステル樹脂を少なくとも2
種類ブレンドしたポリエステル樹脂、または上記のポリ
エステル樹脂を少なくとも2種類積層してなる複層のポ
リエステル樹脂のいずれか、が被覆され、再絞り加工部
としごき加工部が一対になったダイスを用い、再絞り及
びしごきを同時に行う複合加工により製造されるもので
あることを特徴とする。このような絞りしごき缶用樹脂
被覆アルミニウム合金板においては、前記Fe/Si比
が1以下であることが望ましく、前記アルミニウム合金
板の両面に前記樹脂を被覆した後、その両面に高温揮発
性の潤滑剤を塗布してなるものであることが望ましい。
に優れ、乾式での絞りしごき加工性に優れる樹脂被覆ア
ルミ合金板を提供するために多岐にわたり検討を行った
結果、合金組成、板厚、降伏強度、引張強度の異方性、
熱可塑性樹脂の種類などを定めることにより、目的とす
る樹脂被覆アルミニウム合金板を開発したものである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
合金板の被覆基板となるアルミニウム合金板の合金成分
などを限定する理由を以下に説明する。各合金成分は重
量%で示す。 [Mn]Mnは安価に強度が得られるために添加する。
0.5 %未満では効果が不十分である。一方、1.6 %
を超えるとAl−Fe−Mn系の晶出物が増加し、本発
明が課題とする曲げ・曲げ戻し加工性が著しく損なわれ
る。広く工業生産されているDI加工においては、Al
−Fe−Mn系の晶出物は、しごき加工時に潤滑作用を
有し、しごき加工性を向上させるため不可欠とされる。
しかし、本発明においては表面に樹脂が被覆されたアル
ミニウム合金板を加工するため、Al−Fe−Mn系の
晶出物の潤滑作用は必要ではなく、むしろ加工性が損な
われる。すなわち、該晶出物は本発明の樹脂被覆アルミ
合金板の適用を図る複合加工方法には適さないものであ
る。複合加工方法は、再絞り加工部としごき加工部が一
対となったダイスを用いて再絞り加工としごき加工を同
時に行い、再絞りダイスの肩ア−ルを板厚の数倍程度以
下の小さな肩ア−ルとすることを特徴とするが、晶出物
はそのダイス肩アール部における曲げ・曲げ戻し加工性
を著しく損なう。すなわち、曲げ・曲げ戻し加工時に、
アルミニウム合金表面に荒れ、割れが生じやすく、それ
に基づく被覆樹脂被膜の密着性を低下をもたらす。さら
に晶出物の量、サイズ、加工条件によっては缶壁破断を
もたらす。このようにAl−Fe−Mn系晶出物は、D
I加工におけるのとは異なり、本発明にとって好ましか
らざるものであり、極力少なくすることが望ましい。
のある元素である。缶として必要な強度、主として缶底
の耐圧強度を得るため、0.2 %以上添加する。Mgは
高価な元素であり、また添加量が多くなると成形性が低
下するため、成形性、経済性の点から2%を上限とす
る。本発明による樹脂被覆アルミニウム合金板を前記の
複合加工を用いて成形した2ピ−ス缶は、ビ−ル、炭酸
飲料、窒素ガス充填飲料など、缶内圧が陽圧となる内容
物に適用するが、缶底強度が不足すると缶底が座屈変形
し、商品として使用に耐えなくなる。缶底強度には、主
として、板の降伏強度、板厚が影響し、降伏強度が低い
場合は板厚を厚くすることが必要であり、経済性を損な
うことになる。
相変態を生じさせ、いわゆる硬質のα相を形成する。こ
のα相はDI缶の製造においてはしごき加工性を向上さ
せるため必要とされるが、本発明にとっては相変態前の
晶出物以上に曲げ・曲げ戻し加工性を低下させ、好まし
くない。したがって、その上限を0.3 %とする。
−Mn系晶出物を形成する。Al−Fe−Mn系は、前
述のように曲げ・曲げ戻し加工性の点から本発明にとっ
て好ましくなく、その形成元素であるFeの上限を0.
5 %とする。好ましくは0.3 %以下とする。
Fe−Mn系晶出物の量、特に硬質なα相の量を低いレ
ベルとするため上限を定める。Fe、Si量の上限を前
記の如く定めるが、それぞれが上限近傍である場合、A
l−Fe−Mn系晶出物が加工性を損なう。よってその
上限を0.6%、好ましくは0.4%以下とする。
Fe−Mn系晶出物の量ならびに粗大化を抑制するため
上限を定める。(Fe+1.07×Mn)の値が1.8を
超えると巨大な晶出物が形成されやすすくなるためと考
えられ、本発明の主たる課題である曲げ・曲げ戻し加工
性が劣化する。
−Mn系晶出物のα相を低いレベルとするために限定す
る。FeおよびSiが低いレベルにおいてはFe/Si
比は特に制限する必要はないが、Fe、Siの値が請求
する範囲の上限に近い領域においては、Fe/Si比を
1.5以下、望ましくは1以下にすることが好ましい。
定しないが、Cu、Znは以下の理由により下記の範囲
が好ましい。CuはMgとともにAl−Cu−Mg系析
出物による析出硬化を示し、高強度化の点からは有効で
あるが、多くなると加工性を低下させるため、0.3%
以下であることが好ましく、0.2%以下がより好まし
い。Zn添加は晶出物の分散を適正にする効果があり、
晶出物の弊害を軽減するため、0.01〜0.5%含有す
ることが好ましい。
について説明する。板厚、および降伏強度の下限はいず
れも缶底耐圧の点から限定する。缶底の耐圧強度に関し
ては、板厚が厚い場合は降伏強度は低くても差し支えな
く、降伏強度が高い場合は板厚は薄くても差し支えな
い、という関係にある。降伏強度はアルミの合金組成、
および圧延などによる加工硬化により高めることが可能
であるが、400N/mm2 を越えると加工性が不十分
になる。しかし、降伏強度を400N/mm2とした場
合でも、板厚は0.18mm以上必要である。一方、降
伏強度を低くした場合はアルミニウム合金板の板厚を厚
くすることが必要となり、経済的でない。よって、降伏
強度の下限を180N/mm2 とする。その場合、板厚
が 0.5mmであれば、十分な缶底の耐圧強度が得られ
る。
は、圧延方向に垂直方向の引張強度と圧延方向に平行方
向の引張強度との差が10N/mm2 以下とする必要が
ある。DI缶の製造に用いられるアルミニウム合金板
は、大略、溶解−均質化処理−熱間圧延−冷間圧延−再
結晶焼鈍−二次冷間圧延の工程を経て製造される。アル
ミニウム合金板の引張強度は、主として合金組成、二次
冷間圧延率により定まり、二次圧延率に関しては高いほ
ど引っ張り強度は大きく、また直角方向と平行方向の引
張強度の差も増大する。この差分の増加は、圧延集合組
織の集積が増大するためと考えられる。また、圧延率の
増大とともに晶出物は圧延方向に延在するようになる。
一方、本発明の課題である曲げ・曲げ戻し加工性も圧延
率の増加とともに低下する。曲げ・曲げ戻し加工性の低
下が、圧延集合組織の発達、晶出物の延在のいずれの影
響が大きいか明確ではないが、前記差分が10N/mm
2 以下であれば、曲げ・曲げ戻し加工性は本願発明の目
的に適する範囲にある。
金板は、電解クロム酸処理、浸漬クロム酸処理、リン酸
クロム酸処理、アルカリ溶液、酸溶液によるエッチング処
理、陽極酸化処理など公知の方法で表面処理されたアル
ミニウム合金板がより好ましい。特に、アルミニウム合
金板に電解クロム酸処理により金属クロムとクロム水和
酸化物からなる二層皮膜を形成させる場合、積層される
樹脂フィルムの加工密着性の点から、クロム水和酸化物
の量はクロムとして3〜25mg/m2 の範囲が好まし
く、7〜20mg/m2 の範囲がより好ましい。また金
属クロム量は特に限定する必要はないが、加工後の耐食
性、積層される樹脂フィルムの加工密着性の観点から1
〜100mg/m2の範囲が好ましく、3〜50mg/
m2の範囲がより好ましい。
の少なくとも片面に積層される熱可塑性樹脂としては、
ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂などを主成分とした単層また
は複層の樹脂フィルム、これらの樹脂を2種以上をブレ
ンドした樹脂フィルム、あるいは共重合した樹脂フィル
ムなどを用いることができる。特に本発明の厳しい成形
加工が施される絞りしごき缶用には、ポリエチレンテレ
フタレート、エチレンテレフタレート繰り返し単位を主
体とする共重合ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主体
とするポリエステル樹脂、またはこれらのポリエステル
樹脂を少なくとも2種類ブレンドしたポリエステル樹
脂、または上記のポリエステル樹脂を少なくとも2種類
積層してなる複層のポリエステル樹脂のいずれか、さら
にポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート樹脂
と上記のポリエステル樹脂を少なくとも1種類ブレンド
した樹脂、さらに、ポリカーボネート樹脂と上記のポリ
エステル樹脂を少なくとも2種類積層した複層樹脂から
なり、公知の押し出し機によりフィルム成形後、縦横二
方向に延伸し、熱固定して製造される二軸配向樹脂フィ
ルムが好ましい。
μmの範囲が好ましく、10〜30μmの範囲がより好
ましい。厚さが5μm以下の場合、連続的に高速で金属
板に積層することがむずかしい。一方、積層される樹脂
フィルムの厚さが50μm以上になると、製缶用材料に
広く使用されているエポキシ系樹脂塗料などと比較し経
済性の点からも好ましくない。
に直接積層されてもよいし、樹脂フィルムとアルミニウ
ム合金板の間にエポキシ−フェノール樹脂のような熱硬
化性接着剤を介在させて積層されてもよい。熱硬化性接
着剤を樹脂フィルムまたはアルミニウム合金板のどちら
かの、互いと接着する片面に予め塗布しておくことによ
り、熱硬化性接着剤を介在させて樹脂フィルムをアルミ
ニウム合金板に積層することができる。
上記のアルミニウム合金板に上記の熱可塑性樹脂フィル
ムを積層することによって得られる。積層は以下のよう
にして行われる。すなわち、アルミニウム合金板供給手
段から連続的に送り出されたアルミニウム合金板を、加
熱手段を用いて熱可塑性樹脂フィルムの融点以上の温度
に加熱し、その両面に、フィルム供給手段から送り出さ
れた熱可塑性樹脂フィルムを接触させ、1対のラミネー
トロールの間で重ね合わせ、挟みつけて圧着した後、直
ちに急冷する。
塑性樹脂フィルムの上面に、高温揮発性潤滑剤を塗布す
る。高温揮発性潤滑剤は、絞りしごき加工後に200℃
程度の温度で数分の加熱を施した時に50%以上飛散す
ることが望ましく、具体的には、流動パラフィン、合成
パラフィン、天然ワックスなどの単体、またはこれらの
混合物から加工条件、加工後の加熱条件に応じ選択す
る。塗布される潤滑剤の特性としては融点が25〜80
℃、沸点が180〜400℃の範囲にあるものが本発明
の目的を果たすのに望ましい。また、塗布量は缶外面と
なる面、缶内面となる面、加工条件、加工後の加熱条件
等を考慮し、決定されるべきであるが、5〜100mg
/m2、好ましくは30〜60mg/m2の範囲が適して
いる。
組成、板厚、降伏強度、圧延方向と圧延方向と直角方向
の引張強度の差、熱可塑性樹脂の特性などを限定し、さ
らに積層された熱可塑性樹脂の上に高温揮発性潤滑剤を
塗布することなどにより、絞りしごき加工により缶壁厚
の薄い缶を成形するのに適した熱可塑性樹脂被覆アルミ
ニウム合金板が得られる。
法により溶解、鋳造、面削し、550℃で均質化熱処理
を行った後、熱間圧延、さらに冷間圧延を行い種々の板
厚とした。ついで520℃で10秒加熱する連続焼鈍を
行い、その後再び冷間圧延し、安定化処理を施し、 0.
16mm、0.18mm、0.25mm、0.35mm、
0.40mmの板厚とし、アルカリ溶液によるエッチン
グ処理を施した後板温を240℃に加熱し、その両面に
ポリエチレンイソフタレート12モル%とポレエチレン
テレフタレート88モル%からなる厚み20μmの共重
合ポリエステル樹脂二軸配向フィルムを積層し、直ちに
水中に浸漬冷却した。乾燥した後、その両面にグラマー
ワックス(沸点115℃)を約50mg/m2 塗布し供
試板とした。供試板の評価は、前述の曲げ・曲げ戻し後
の強度、複合加工による加工性、耐圧強度、加工後の被
覆樹脂フィルムとアルミ合金板表面の密着性について行
った。曲げ・曲げ戻し後の強度は、曲げ半径 0.5mm
での曲げ・曲げ戻し加工を施した供試板の引っ張り強度
が加工前の供試板の強度の30%以上の場合を○(良)、
30%未満を×(不良)とした。複合加工性の評価はアル
ミニウム合金板の板厚が 0.25mm、0.35mm、
0.40mmの供試板について、下記に示すようにして
行った。絞り比 1.6で成形した直径100mmの絞り
缶を直径75mm、缶壁厚が元板厚の80%である一次
再絞り缶に加工し、続く二次再絞り加工性を評価した。
二次再絞り加工は、再絞り比を 1.15とし、再絞りダ
イス肩ア−ル 0.4mmとし、しごきダイスのクリアラ
ンスを変更してダイス肩部、しごき加工部での加工性を
加工時の缶壁破断の発生の有無で評価し、缶壁破断が無
い場合を○(良)、缶壁破断が発生した場合を×(不良)と
した。耐圧強度は、樹脂被覆アルミニウム合金板を通常
の絞り加工により直径65mmの缶に成形し、缶底部を
ド−ム加工した後内圧を付加し、缶底が座屈する圧力で
良否を評価し、座屈圧力が 6.3kg/cm2以上の場
合を○(良)、6.3kg/cm2 未満を×(不良)とし
た。密着性は、上記と同一条件で二次再絞り加工を行っ
た後の缶壁内面について、被覆樹脂の剥離の有無により
により評価し、剥離無しを○(良)、剥離無しを×(不良)
とした。評価結果を表3〜4に示す。
%、Mg:0.2〜2.0%、不可避的不純物としてS
i:≦0.3%、Fe:≦0.5%を含有し、かつ(Si
+Fe):≦0.6%、および(Fe+1.07×M
n):≦1.8%の関係を有する板厚:0.18〜0.3
5mm、降伏強度:180〜400 N/mm2のアルミ
ニウム合金板の両面に、熱可塑性樹脂を被覆してなる絞
りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板であり、前記
のアルミニウム合金板の圧延方向に垂直方向の引張強度
と圧延方向に平行方向の引張強度との差が10N/mm
2 以下であることを特徴とし、またFe/Si比が 1.
5以下、より好ましくは1以下であることを特徴とし、
さらにまた、前記熱可塑性樹脂が熱可塑性ポリエステル
樹脂であることを特徴とし、さらにまた、前記アルミニ
ウム合金板の両面に前記熱可塑性樹脂を被覆した後、そ
の両面に高温揮発性の潤滑剤を塗布してなることを特徴
としており、本発明の目的とする、小さな肩ア−ルのダ
イス肩アール部における曲げ・曲げ戻し加工、および続
くしごき加工を含む複合加工を乾式で行うに際して、缶
壁破断が生じ難く、缶として必要な強度を有する絞りし
ごき缶を得ることが可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】重量%でMn:0.5〜1.6%、Mg:
0.2〜2.0%、残部がアルミニウム及び不可避的不純
物からなり、不可避的不純物としてSi:≦0.3%、
Fe:≦0.5%を含有し、(Si+Fe):≦0.6
%、Fe/Si比が1.5以下であり、(Fe+1.07
×Mn):≦1.8%の関係を有する板厚:0.18〜
0.35mm、降伏強度:180〜400 N/mm2
であり、圧延方向に垂直方向の引張強度と圧延方向に平
行方向の引張強度との差が 10N/mm2以下である、
アルミニウム合金板をエッチング後、 その両面に、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテ
レフタレート繰り返し単位を主体とする共重合ポリエス
テル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンテレ
フタレート繰り返し単位を主体とするポリエステル樹
脂、またはこれらのポリエステル樹脂を少なくとも2種
類ブレンドしたポリエステル樹脂、または上記のポリエ
ステル樹脂を少なくとも2種類積層してなる複層のポリ
エステル樹脂のいずれか、が被覆され、再絞り加工部と
しごき加工部が一対になったダイスを用い、再絞り及び
しごきを同時に行う複合加工により製造される絞りしご
き缶用樹脂被覆アルミニウム合金板。 - 【請求項2】前記Fe/Si比が1以下であることを特
徴とする、請求項1に記載の絞りしごき缶用樹脂被覆ア
ルミニウム合金板。 - 【請求項3】前記アルミニウム合金板の両面に前記樹脂
を被覆した後、その両面に高温揮発性の潤滑剤を塗布し
てなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の絞り
しごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板。
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JPH09279283A JPH09279283A (ja) | 1997-10-28 |
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