JP2000309833A - 低酸素高純度チタン材の製造方法 - Google Patents

低酸素高純度チタン材の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体配線材料に用いられる低酸素の高純度チ
タン材をクロール法で製造することができる。 【解決手段】(1) クロール法によって製造されたスポン
ジチタンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造す
る方法であって、前記スポンジチタンの中心部分の温度
が実質的に100℃以下、または60℃以下になるまで冷却
した後、スポンジチタンの中心部を切断することを特徴
とする低酸素高純度チタン材の製造方法である。 (2) 同様に、高純度チタン材を製造する方法であって、
反応容器内でスポンジチタンの中心部分の温度が所定温
度になるまで冷却した後、反応容器から取り出してスポ
ンジチタンの中心部を切断することを特徴とする低酸素
高純度チタン材の製造方法である。 上記(1)、(2)の低酸素高純度チタン材の製造方法におい
て、不純物の混入を防止するため、反応容器はクラッド
鋼で構成するのが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用配線材料
の形成に用いられるターゲット用高純度チタン材の製造
方法に関し、さらに詳しくは、スパッタリング用ターゲ
ットの作製に適する、含有酸素濃度が200ppm以下と低酸
素で、且つ高純度のチタン材を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来から、半導体用配線材料として、高純
度の高融点金属材料が使用されている。具体的に配線材
料として用いられる金属材料としては、モリブデン、タ
ングステン、ニオブ、チタンまたはそれらのシリサイド
があげられるが、中でもチタンは優れた比強度、加工性
および耐食性を有することから、広く使用されている。
そして、最近のLSI素子の高密度化にともない、さら
に半導体用配線材料に使用されるチタンは高純度である
ことが要求され、特に含有される酸素濃度に関し一層の
低減が要請されている。
【0003】例えば、酸素含有量に関して、DRAMの
主流である64Mビットの配線材料に使用される高純度
チタン材では、酸素濃度は250ppm以下が要求される。さ
らに、近年、本格的な生産が検討され始めた128Mビ
ット、あるいは256Mビットという高い集積度の配線
材料に使用される高純度チタン材になると、含有される
酸素濃度はさらに低減させて、200ppm以下にするのが望
ましいとされる。
【0004】このような要請に対応して、特公平4−75
301号公報には、酸素含有量を250ppm以下に低減し、さ
らに鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)の含有量
が 10ppm以下、ナトリウム(Na)、カリウム(K)の含
有量が0.1ppm以下である薄膜形成ターゲット用高純度チ
タン材が開示され、その製造方法として溶融塩電解法で
得た粗チタン材を高真空中で電子線溶解する方法が提案
されている。このように製造されたチタン材は、薄膜形
成ターゲット用としてはもとより、LSI、VLSI、
ULSI等の薄膜材料としてみた場合にも、忌避すべき
不純物元素の含有量が非常に少ないとしている。
【0005】確かに、溶融塩電解法と電子線溶解法との
組み合わせでは、溶融塩電解法により得られた針状チタ
ンを、高真空中で電子ビームを利用して溶解するので、
針状チタンに多く含まれるNaやK等のアルカリ金属が効
率的に蒸発させることができ、高い精製効果が得られ
る。さらに、電子線溶解法は10-5torrという真空条件で
行われるため、溶製されたチタン材への酸素濃度の増加
はほとんど認められない。
【0006】ところで、現在、展伸用チタン材の製造方
法として工業的に使用されているものには、上記溶融塩
電解法の他に、中間原料であるチタン化合物の四塩化チ
タン(TiCl4)を純チタン金属に還元する方法があり、
二つの製造方法に大別される。すなわち、マグネシウム
(Mg)を還元剤として熱還元するクロール(Kroll)
法、ナトリウム(Na)を還元剤とするハンター(Hunte
r)法である。
【0007】これらの展伸用チタン材の製造方法を比較
すると、生産性および省エネルギーの観点からはクロー
ル法が最も優れているのに対し、溶融塩電解法は劣るも
のとなっている。さらに、前記特公平4−75301号公報
が開示しているターゲット用高純度チタン材の製造方法
では、溶融塩電解法の上記問題に加え、電子線溶解法の
高額な装置費用を要することも問題である。このため、
従来のクロール法を改善して、ターゲット用高純度チタ
ンを製造する方法が各種試みられている。
【0008】図1は、クロール法による展伸用スポンジ
チタンの製造工程を還元〜真空分離〜破砕に沿って説明
する図である。まず、還元工程()では、還元炉1内
のノズル2からTiCl4を噴霧させて、溶融Mgと反応させ
る。このとき還元炉1内の反応雰囲気中に酸素等の混入
があると、スポンジチタンを汚染することになるので、
反応は密閉した鋼製の反応容器3内で行われる。
【0009】反応に必要なMgを反応容器3に装入して、
容器内を不活性なアルゴンガスで置換したのち、加熱昇
温してMgを溶融させる。溶融Mgを収容した反応容器3内
にノズル2からTiCl4が供給され、Tiと副生物であるMgC
l2が生成される。副生物であるMgCl2は適宜反応容器3
の外へ抜き取られ、最終的には未反応Mgおよび残留Mg
Cl2を含むスポンジ状または針状のチタンが反応容器3
内で得られる。
【0010】真空分離工程()では、反応容器3を真
空分離炉4内に収納して、反応容器3の内部を真空状態
とするとともに、さらに反応容器3の外部からその内部
を加熱して、反応容器3内のスポンジチタンに含まれる
未反応Mgおよび残留MgCl2を蒸発させる。蒸発した未反
応Mgや残留MgCl2は真空分離炉4外の凝縮器5によって
回収される。真空分離を終えたスポンジチタンは、反応
容器3から円筒状の塊として押し出される。
【0011】破砕工程()では、押し出されたスポン
ジチタンの塊はその底部、頂部および円周部を除去され
てのち、切断プレス6で切断される。その後、ジョーク
ラッシャーで細粒(1/2 インチ以下)に破砕される。こ
のように所定の粒径まで破砕されたスポンジチタンは、
さらに品質を均一に維持するため混合したのち、アルゴ
ンガスを充填した密閉ドラム缶に入れて保管される。た
だし、ターゲット用高純度チタン材の製造においては、
酸素成分、金属成分の汚染を回避するため、細粒破砕や
混合は実施されない。
【0012】上記クロール法によるターゲット用高純度
チタン材の製造として、特開平7−258765号公報には、
反応容器を用いて製造された円筒状のスポンジチタンの
中心部分を選別し、これを10〜300mmに切断した後、得
られたスポンジチタンを消耗電極として溶解し、高純度
チタン材を製造する方法が開示されている。
【0013】言い換えると、クロール法によって製造さ
れた円筒状スポンジチタンは、その塊内部に存在する不
純物の分布は均一になっていない。例えば、酸素(O2
による汚染は、反応容器から押し出されたスポンジチタ
ン塊が大気雰囲気中のO2と接触し、塊の外表面から汚染
されることに起因する。そのため、採取するスポンジチ
タンを円筒状塊の中心部に限定することによって、含有
される酸素濃度を低減することができるとしている。こ
のため、特開平7−258765号公報で提案される製造方法
は、比較的低廉なコストで高純度のチタンを製造できる
ことから、一定の成果を達成している。
【0014】また、特開平10−259432号公報では、破砕
工程における湿度条件、または温度条件を規定すること
によって、酸素含有量が250ppm以下の高品位を有し、ス
パッタリング用ターゲットに適用することができる低酸
素チタン材の製造方法が提案されている。ここで、提案
された方法では、スポンジケーキに残留するMgC12が大
気中の水分を吸収することによって、スポンジケーキに
含有される酸素量が増加することに着目している。
【0015】具体的には、スポンジチタンの切断工程、
特に破砕工程での雰囲気中の湿度が高いと、スポンジチ
タン中の酸素含有量が増加し、逆に、破砕工程での雰囲
気中の湿度が低くなると、スポンジチタンに含有される
酸素が抑制されるとしている。このため、クロール法で
製造したスポンジチタンケーキを切断、選別したスポン
ジチタンを破砕する際に、絶対湿度が「10g-H2O/m3
下」の雰囲気下で、さらに望ましくは雰囲気温度も25℃
以下に保持して行うようにしている。
【0016】上記特開平10−259432号公報で提案の方法
を実施しようとすると、破砕工程における雰囲気湿度、
さらに雰囲気温度を調整するための装置が必要となり、
その設置費用および装置を稼働する費用が高純度チタン
の製造コストを高騰させることになる。また、酸素含有
量の低減には、後工程である破砕工程での雰囲気調整で
は不十分である。言い換えると、スポンジチタンに含有
される酸素を抑制するには、スポンジケーキに残留する
MgC12の吸湿を主な問題とするのではなく、大気雰囲気
中の酸素に対して活性な状態、すなわち、反応容器から
取り出されたスポンジチタンの切断に際して、対策を講
じなければならない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クロール法
で含有される酸素濃度が200ppm以下の低酸素高純度チタ
ンを製造することを意図してなされたものであり、反応
容器から取り出す段階における円筒状のスポンジチタン
中心部分の温度を制御することによって、スパッタリン
グ用ターゲットの作製に適する、低酸素高純度チタンを
製造する方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を達成するため、前記特開平7−258765号公報で提案
された方法を用いて、種々の検討を行った。通常、還元
反応後、真空分離を終えたスポンジチタンは、その表面
温度が100℃以下になるまで冷却された後、反応容器か
ら押出装置等を用いて取り出される。ここで、反応容器
から取り出す目安を「表面温度で100℃以下」としてい
るのは、押出装置の作業性、その後の切断プレスの作業
性や後述するスポンジチタンの特性を考慮した結果であ
る。
【0019】従来から、低酸素のスポンジチタンを得る
ために、反応容器から取り出されたスポンジチタンは、
大気雰囲気中に曝される時間を短くするため、可能な限
り速やかに中心部分が切断され、切断したまま、若しく
は必要ある場合は破砕工程で粒径10〜300mmに調整され
て、高純度の中心部分として採取される。採取されたス
ポンジチタンは、アルゴンガスを充填した密閉ドラム缶
に入れて保管される。
【0020】真空分離後のスポンジチタンの表面は活性
であるため、外部から酸化を受けやすく大気雰囲気に曝
されると、酸化膜が表面に形成される。このとき形成さ
れる酸化膜の厚さはスポンジチタンの温度に依存し、温
度が高くなるほど酸化膜が厚くなり、それに伴ってスポ
ンジチタンに含有される酸素濃度も上昇することにな
る。そして、酸化膜は緻密、且つ強固であるから、一旦
表面に酸化膜が形成されると、その後はスポンジチタン
の内部に酸素が供給されなくなり、酸素含有量の上昇は
殆ど認められない。
【0021】適正な酸化膜厚さを形成するには、「表面
温度で100℃以下」とすることが目安となる。しかし、
スポンジチタンの熱伝導率は著しく低い値であるため、
表面温度が100℃であっても、高純度チタンを採取する
中心部分では100℃を超える状態になっている。さらに
切断プレスで切断する際には、切断加工に伴って温度上
昇がみられることに留意しなければならない。発明者ら
の検討結果によれば、切断加工の速度にもよるが、20℃
〜40℃の温度上昇が見られ、表面温度が100℃を超える
ようになると、厚い膜厚の酸化膜が形成される。
【0022】上述したスポンジチタンの特性を考慮し
て、反応容器内のスポンジチタンの中心部分の温度が実
質的に100℃以下になるまで冷却した後取り出すように
して、その後速やかに中心部分の採取を行うことによっ
て、低酸素で、スパッタリング用ターゲットの作製に適
する高純度チタンを製造できることを知見した。本発明
は、このような知見に基づいて完成したものであり、下
記(1)、(2)および(3)の低酸素高純度チタン材の製造方
法を要旨としている。
【0023】(1) クロール法によって製造されたスポン
ジチタンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造す
る方法であって、前記スポンジチタンの中心部分の温度
が実質的に100℃以下になるまで冷却した後、スポンジ
チタンの中心部を切断することを特徴とする低酸素高純
度チタン材の製造方法である。
【0024】(2) クロール法によって製造されたスポン
ジチタンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造す
る方法であって、前記スポンジチタンの中心部分の温度
が60℃以下になるまで冷却した後、スポンジチタンの中
心部を切断することを特徴とする低酸素高純度チタン材
の製造方法である。
【0025】(3) 上記(1)、(2)と同様に、スポンジチタ
ンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造する方法
であって、反応容器内でスポンジチタンの中心部分の温
度が実質的に100℃以下、または60℃以下の所定温度に
なるまで冷却した後、反応容器から取り出してスポンジ
チタンの中心部を切断することを特徴とする低酸素高純
度チタン材の製造方法である。
【0026】上記(1)、(2)および(3)の低酸素高純度チ
タン材の製造方法において、Ni、Cr等の金属不純物の混
入を防止するため、反応容器は内側が低炭素鋼、外側が
ステンレス鋼としてクラッド鋼で構成するのが望まし
い。
【0027】本発明において、スポンジチタンの中心部
分とは、真空分離後、反応容器から取り出されたスポン
ジチタン塊の底部から厚さが塊高さの25%以上の部分と
頂部から厚さが塊高さの10%以上の部分とを切断除去
し、かつ円筒状塊の円周部から厚さが塊直径の18%以上
の円周部分を切断除去して、スポンジチタン塊重量の30
%未満に相当する部分とすることができる。この中心部
分は、スポンジチタンの不純物分布として、O2の他、N
i、Cr、Fe等の偏在状況を詳細に検討した結果得られた
ものである。
【0028】現状のクロール法の製造技術においては、
スポンジチタン塊の重量は、使用される反応容器の容量
の応じて6〜10tonが多用されている。本発明者らの検
討によれば、上記中心部分の規定は6〜10ton重量のス
ポンジチタン塊に限定されるものではなく、それ以外、
例えば、1Ton〜5Tonのスポンジチタン塊であっても、
上記で特定する中心部分が適用できることを確認してい
る。
【0029】また、上記(1)の低酸素高純度チタン材の
製造方法において、中心部分の温度を実質的に100℃以
下と規定しているのは、スポンジチタンの熱伝導率を考
慮した場合でも、または切断プレスの加工に伴って温度
上昇がみられる場合でも、スポンジチタン中心部分の温
度が100℃以下を満足することを意味する。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明では、反応容器内でスポン
ジチタンを冷却する場合、または反応容器から取り出し
てスポンジチタンを冷却する場合に拘わらず、反応容器
から取り出したスポンジチタンの中心部分の切断、採取
の際に、該当する中心部分の温度を低く制御することに
よって、その表面に膜厚の薄い酸化皮膜を形成するよう
にしている。採取されたスポンジチタンの表面に酸化皮
膜の形成されると、その内部への酸素供給が困難になる
ため、その後の酸素含有量の上昇を抑制することができ
る。
【0031】具体的な中心部分の温度としては、実質的
に100℃以下になるまで冷却すること、または60℃以下
になるまで冷却することとしている。通常、中心部分の
温度制御は、真空分離終了後の冷却時間によって管理さ
れる。そのため、反応を終了したスポンジチタンを冷却
し、上部からドリルで穿孔して中心部分に熱伝対を挿入
したのち、真空分離を行う温度まで昇温する。そして、
真空分離を行った後冷却し、冷却開始からの時間と中心
部分の温度との関係が実測される。この実測結果に基づ
いて、真空分離後の冷却時間が管理される。
【0032】さらに本発明では、不純物の濃度を一層低
減するため、還元工程および真空分離工程で用いれる反
応容器を、内側を炭素鋼とし外側をステンレス鋼として
構成されるクラッド鋼製にするのが望ましい。内側の炭
素鋼は溶融MgへのNi、Cr等の溶出を回避するために用い
るものであるから、JIS に規定する一般構造用圧延鋼材
(SS330 〜SS540 )、ボイラ及び圧力容器用炭素鋼(SB
410 〜SB480 )および圧力容器用鋼板(SPV315〜SPV49
0)等を採用すれば良い。一方、外側のステンレス鋼は
高温強度を確保する観点からオーステナイト系が好まし
く、JIS に規定するステンレス鋼板であるSUS304、SUS3
04L 、SUS310、SUS316、SUS316L およびSUS321等が用い
られる。
【0033】スポンジチタン中心部分の整粒に関して
は、可能であれば、切断プレスでの切断のみとし、ジョ
ークラッシャーでの細粒化を省略することができる。目
標とする粒径は10〜 300mmであり、さらに好ましくは 2
00〜 300mmである。切断プレスのみでは、このような粒
径が確保できない場合に、ジョークラッシャーを用いて
細粒化すれば良い。極力、細粒化の工程を省略すること
によって、スポンジチタン中心部分の比表面積を小さく
し、大気雰囲気からの酸素汚染を防止することができ
る。
【0034】
【実施例】本発明の製造方法による効果を、具体的な実
施例に基づいて詳細に説明する。クラッド鋼製反応容器
(外側:SUS304Lステンレス鋼/内側:SS400炭素鋼)を用
いクロール法によって製造された、真空分離後の重量が
約6Tである円筒状スポンジチタン塊(寸法:高さH20
00mm×直径D1500mm)を製造した。真空分離終了後から
の冷却時間を管理して、スポンジチタン塊の中心部分が
所定の温度になると、反応容器から取り出して直ちに中
心部分を切断、採取した。
【0035】中心部の採取に際して、スポンジチタン塊
の底部から厚さが550mm(塊高さの28%)の部分と頂部
から厚さが250mm(塊高さの13%)の部分とを切断除去
し、さらに円筒状塊の円周部から厚さが350mm(塊直径
の23%)の部分を切断除去して、塊重量の20%に相当す
る中心部分(高さ1200mm×直径 800mm×重量1,200Kg に
相当)を取り出し、切断プレスで粒径10〜300mm に切断
して整粒した。
【0036】実施例では、冷却時間と中心部の温度との
関係を実測したデータから推定して、切断開始時のスポ
ンジチタン中心部分の温度を40℃(室温)〜200℃の範
囲で変化させた。中心部分を採取した後に、800〜2000K
gを採取して酸素含有量を測定し、その結果を表1に示
す。なお、その他の不純物としては、Fe、Ni、Cr、Al、
Siの含有量が10ppm以下、Na、Kの含有量が0.1ppm以下
であることを確認している。
【0037】
【表1】
【0038】表1の結果から明らかなように、発明例
(No.A〜C)では反応容器からの取り出し時にスポン
ジチタン中心部の温度が実質的に100℃以下となってい
るため、含有される酸素濃度はいずれも200ppm以下であ
った。比較例のNo.Dは中心部の温度が100℃で管理した
が、切断加工に伴って温度上昇があり、酸素濃度は220p
pmと増加が見られた。
【0039】
【発明の効果】本発明の低酸素高純度チタン材の製造方
法によれば、反応容器から取り出す段階における円筒状
のスポンジチタンの中心部分の温度を制御することによ
って、スパッタリング用ターゲットの作製に適する、酸
素濃度が200ppm以下の低酸素高純度チタンを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロール法によるスポンジチタンの製造工程を
還元〜真空分離〜破砕に沿って説明する図である。
【符号の説明】
1…還元炉、 2…ノズル、 3…反応容器 4…真空分離炉、 5…凝縮器 6…切断プレス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月26日(2000.5.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
請求項4】反応容器内でスポンジチタンの上記中心部
分の温度が60℃以下になるまで冷却した後、反応容器か
ら取り出してスポンジチタンの中心部を切断することを
特徴とする請求項1または請求項2に記載の低酸素高純
度チタン材の製造方法。
請求項5】上記反応容器がクラッド鋼で構成されるこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の低酸素高純度チタン材の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】上述したスポンジチタンの特性を考慮し
て、反応容器内のスポンジチタンの中心部分の温度が10
0℃以下、すなわち、切断プレスの加工を伴って温度上
昇が見られる場合でも実質的に100℃以下になるまで冷
却した後取り出すようにして、その後速やかに中心部分
の採取を行うことによって、低酸素で、スパッタリング
用ターゲットの作製に適する高純度チタンを製造できる
ことを知見した。本発明は、このような知見に基づいて
完成したものであり、下記(1)、(2)および(3)の低酸素
高純度チタン材の製造方法を要旨としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】(1) クロール法によって製造されたスポン
ジチタンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造す
る方法であって、前記スポンジチタンの中心部分の温度
が100℃以下になるまで冷却した後、スポンジチタンの
中心部を切断することを特徴とする低酸素高純度チタ
ン材の製造方法である。ただし、本発明におけるスポン
ジチタンの中心部分は、後述する規定による。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】(2) クロール法によって製造されたスポン
ジチタンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造す
る方法であって、前記スポンジチタンの中心部分の温度
が60℃以下になるまで冷却した後、スポンジチタンの中
心部を切断することを特徴とする低酸素高純度チタン
材の製造方法である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】(3) 上記(1)、(2)と同様に、スポンジチタ
ンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造する方法
であって、反応容器内でスポンジチタンの中心部分の温
が100℃以下、または60℃以下の所定温度になるまで
冷却した後、反応容器から取り出してスポンジチタンの
中心部を切断することを特徴とする低酸素高純度チタ
ン材の製造方法である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】また、上記(1)の低酸素高純度チタン材の
製造方法において、中心部分の温度を100℃以下と規定
しているのは、スポンジチタンの熱伝導率を考慮した場
合でも、または切断プレスの加工に伴って温度上昇がみ
られる場合でも、スポンジチタン中心部分の温度が100
℃以下を満足することを意味する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】具体的な中心部分の温度としては、100
以下になるまで冷却すること、または60℃以下になるま
で冷却することとしている。通常、中心部分の温度制御
は、真空分離終了後の冷却時間によって管理される。そ
のため、反応を終了したスポンジチタンを冷却し、上部
からドリルで穿孔して中心部分に熱伝対を挿入したの
ち、真空分離を行う温度まで昇温する。そして、真空分
離を行った後冷却し、冷却開始からの時間と中心部分の
温度との関係が実測される。この実測結果に基づいて、
真空分離後の冷却時間が管理される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】表1の結果から明らかなように、発明例
(No.A〜C)では反応容器からの取り出し時にスポン
ジチタン中心部の温度が100℃以下となっているため、
含有される酸素濃度はいずれも200ppm以下であった。比
較例のNo.Dは中心部の温度が100℃で管理したが、切断
加工に伴って温度上昇があり、実質的に100℃を超え、
酸素濃度は207ppmと増加が見られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロール法によって製造されたスポンジチ
    タンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造する方
    法であって、前記スポンジチタンの中心部分の温度が実
    質的に100℃以下になるまで冷却した後、スポンジチタ
    ンの中心部を切断することを特徴とする低酸素高純度チ
    タン材の製造方法。
  2. 【請求項2】クロール法によって製造されたスポンジチ
    タンの中心部分を採取して高純度チタン材を製造する方
    法であって、前記スポンジチタンの中心部分の温度が60
    ℃以下になるまで冷却した後、スポンジチタンの中心部
    を切断することを特徴とする低酸素高純度チタン材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】反応容器内でスポンジチタンの中心部分の
    温度が所定温度になるまで冷却した後、反応容器から取
    り出してスポンジチタンの中心部を切断することを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の低酸素高純度チ
    タン材の製造方法。
  4. 【請求項4】上記反応容器がクラッド鋼で構成されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の低酸素高純度チタン材の製造方法。
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