JP3735060B2 - 低酸素チタン材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低酸素チタンの製造方法に関し、詳しくは、半導体素子の表面に配線網を形成する際に用いられる材料として有用な薄膜形成用高純度チタン材の製造方法に関し、さらに詳しくは、前記薄膜形成用高純度チタン材から作製されるスパッタリング用ターゲットの材料として適する、酸素濃度が200ppm以下と低酸素であるチタン材を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、半導体用配線材料として、高純度の高融点金属材料が使用されている。具体的に配線材料として用いられる金属材料としては、モリブデン、タングステン、ニオブ、チタンまたはそれらのシリサイドがあげられるが、中でもチタンは優れた比強度、加工性および耐食性を有することから、広く使用されている。
【0003】
現在、工業的に採用されているチタン材の製造方法としては、チタン酸化物を塩素化処理によってチタン塩素化合物を作製し、これを中間原料として還元し純チタン金属を製造する方法がある。具体的には、中間原料として四塩化チタン(TiCl4)を作製し、還元剤としてマグネシウム(Mg)を用いるクロール(Kroll)法と、還元剤としてナトリウム(Na)を用いるハンター(Hunter)法とに大別できる。これらのチタン材の製造方法を比較すると、生産性および省エネルギーの観点からは、クロール法が優れた製造方法とされている。
【0004】
図1は、クロール法によってチタン材として得られるスポンジチタンの製造工程を還元〜真空分離〜破砕に沿って説明する図である。
【0005】
還元工程(▲1▼)では、還元炉1内のノズル2からTiCl4を噴霧させて、溶融Mgと反応させる。このとき還元炉1内の反応雰囲気中に酸素等の混入があると、スポンジチタンを汚染することになるので、反応は密閉した鋼製の反応容器3内で行われる。
【0006】
反応に必要なMgを反応容器3に装入して、容器内を不活性ガスで置換したのち、加熱昇温してMgを溶融させる。溶融Mgを収容した反応容器3内にノズル2からTiCl4が供給され、Tiと副生物であるMgCl2が生成される。副生物であるMgCl2は適宜反応容器3の外へ抜き取られ、最終的には未反応Mgおよび残留MgCl2を含むスポンジ状のチタンが反応容器3内で得られる。
【0007】
真空分離工程(▲2▼)では、反応容器3を真空分離炉4内に収納して、反応容器3の内部を真空状態とするとともに、さらに反応容器3の外部からその内部を加熱して、反応容器3内のスポンジチタンに含まれる未反応Mgおよび残留MgCl2を蒸発させる。蒸発した未反応Mgや残留MgCl2は真空分離炉4外の凝縮器5によって回収される。真空分離を終えたスポンジチタンは、反応容器3から円筒状の塊として押し出される。
破砕工程(▲3▼)では、押し出されたスポンジチタンはその底部、頂部および円周部を除去されてのち、切断プレス6で切断される。その後、ジョークラッシャーで細粒(1/2 インチ以下)に破砕される。このように所定の粒径まで破砕されたスポンジチタンは、さらに品質を均一に維持するため混合したのち、アルゴンガスを充填した密閉ドラム缶に入れて保管される。その後、半導体用チタン材および展伸用チタン材の溶解原料として使用される。
【0008】
一方、最近のLSI素子の高密度化にともない、さらに半導体用として使用されるチタンは高純度であることが要求され、特に含有される酸素濃度に関し一層の低減が要請されている。例えば、DRAMの主流である64Mビットの配線材料に使用されるチタン材では、酸素濃度は250ppm以下が要求される。さらに、近年、本格的な生産が検討され始めた128Mビット、あるいは256Mビットという高い集積度の配線材料に使用されるチタン材になると、含有される酸素濃度はさらに低減させて、200ppm以下が要求されるに至っている。
【0009】
このような要請に対応して、各種の低酸素チタン材の製造方法が提案されている。例えば、特開平10−259432号公報では、破砕工程における湿度条件、または温度条件を規定することによって、酸素含有量が250ppm以下、さらには200ppm以下の高品位を有し、スパッタリング用ターゲットに適用することができる低酸素チタン材の製造方法が提案されている。ここで提案された方法では、スポンジケーキに残留するMgC12が大気中の水分を吸収することによって、スポンジケーキに含有される酸素量が増加することに着目している。
【0010】
具体的には、スポンジチタンの切断工程、特に破砕工程での雰囲気中の湿度が高いと、スポンジチタン中の酸素含有量が増加し、逆に、破砕工程での雰囲気中の湿度が低くなると、スポンジチタンに含有される酸素が抑制されるとしている。このため、クロール法で製造したスポンジチタンケーキを切断、選別したスポンジチタンを破砕する際に、絶対湿度が「10g-H2O/m3以下」の雰囲気下で、さらに望ましくは雰囲気温度も25℃以下に保持して行うようにしている。
【0011】
しかしながら、上記特開平10−259432号公報で提案の方法を実施しようとすると、破砕工程における雰囲気湿度、さらに雰囲気温度を調整するための装置が必要となり、それにともなう費用が高純度チタンの製造コストを高騰させることになる。また、反応容器から取り出されたスポンジチタンの吸湿による含有酸素を抑制することができるが、スポンジチタンは大気雰囲気中の酸素に対して活性であることから、酸化による酸素濃度の上昇に対しては有効な手段とはならない。
【0012】
また、特開2000−309833号公報では、クロール法によって製造されたスポンジチタンを、真空分離後に中心部分の温度が実質的に100℃以下になるまで冷却した後、スポンジチタンの中心部を切断して、酸素含有量が200ppm以下である低酸素高純度チタン材の製造方法が開示されている。この方法では、真空分離後のスポンジチタンの表面は活性であるため大気雰囲気に曝されると、酸化膜が表面に形成され、その酸化膜の厚さはスポンジチタンの温度に依存し、温度が高くなるほど酸化膜が厚くなり、それに伴ってスポンジチタンに含有される酸素濃度も上昇することに着目したものである。
【0013】
ところが、上記の中心温度を規定する方法では、真空分離後、反応容器内で比較的長時間の冷却を要することになる。したがって、低酸素チタン材の効率生産の観点からは、冷却時間の短縮に改善の余地がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低酸素チタン材、例えば、酸素濃度が200ppm以下のチタンを製造する際の問題を解決するためになされたものであり、スポンジチタンを冷却する反応容器内でスポンジチタン表面に窒化膜を形成させた後、スポンジチタンを取り出すことによって、スパッタリング用ターゲットの作製に適する、低酸素チタン材を製造する方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の課題を達成するため、前記特開2000−309833号公報で開示された方法を用いて、種々の検討を行った。反応容器内でスポンジチタンを実質的に100℃以下になるまで冷却すると、反応容器から取り出したスポンジチタンの中心部分の切断、採取の際に、その表面に膜厚の薄い酸化皮膜が形成されるようになる。そして、採取されたスポンジチタンの表面に酸化皮膜が形成されると、その内部への酸素供給が困難になるため、その後の酸素含有量の上昇を抑制することができる。
【0016】
次に、反応容器内の冷却時間を短縮して、中心温度が150℃程度でスポンジチタンを取り出すと、大気中の酸素と反応して、その表面に酸化皮膜が形成される。酸化皮膜の形成にともなう反応熱の影響から、局所的に表面温度が上昇しさらに酸化が進行することになり、スポンジチタンの表面には比較的厚い皮膜が形成される。さらに、切断、破砕を行う際には、加工にともなって新たな切断面、破砕面が現れることから、加工にともなう加工熱と、切断面または破砕面の反応熱とが相まって、さらにスポンジチタン表面の皮膜形成が促進されて、酸素含有量が上昇することになる。
【0017】
反応容器内での冷却時間を短縮しても、スポンジチタン表面に形成される酸化皮膜を抑制するため、窒素ガスを反応容器に導入してスポンジチタン表面に窒化膜を形成させた後、スポンジチタンを大気中に取り出すこととした。スポンジチタンの塊性状はポーラスであるため、窒素ガスが反応容器内のスポンジチタンの中心部まで浸透するため、窒化膜の形成はほぼ全面で行われる。
【0018】
窒化膜が形成されたスポンジチタンを大気中に曝しても、その後の酸化反応による酸化皮膜の形成は著しく抑制される。例えば、本発明者の調査によれば、上記特開2000−309833号公報で開示された方法によるスポンジチタン表面の酸化皮膜の厚さは100〜150Åであるのに対し、窒化膜が形成されたスポンジチタン表面の酸化皮膜の厚さは100Å以下に留まっている。
【0019】
さらに、切断、破砕を行う際には、加工にともなって新たな切断面、破砕面が現れ、温度上昇が生じたとしても、窒化膜が形成されたスポンジチタン表面における酸化皮膜の形成は抑制されることになる。
【0020】
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)および(2)の低酸素チタン材の製造方法を要旨としている。
(1)クロール法によって得られたスポンジチタンから酸素濃度が200ppm以下のチタン材を製造する方法であって、真空分離後のスポンジチタンを反応容器内で冷却し、次いで反応容器内のスポンジチタン表面に窒化膜を形成させた後、スポンジチタンを反応容器から取り出して切断または/および破砕することを特徴とする低酸素チタン材の製造方法である。
(2)上記(1)の製造方法においては、窒化膜の形成を窒素分圧/酸素分圧の比が20以上である低酸素含有窒素ガスを反応容器内に導入して行い、さらに、反応容器内でスポンジチタン中心部の温度が200℃以下になった後、窒素ガスを導入するのが望ましい。
【0021】
上記(1)および(2)の製造方法を採用すれば、酸素濃度が200ppm以下の低酸素であり、かつ高純度のチタン材を製造することができる。本発明では、高純度チタン材とは不純物としてFe、Ni、Cr、AlおよびSiの含有量が10ppm以下であり、NaおよびKの含有量が0.1ppm以下であることを意図している。
【0022】
現状のクロール法の製造技術においては、スポンジチタンの塊重量は、使用される反応容器の容量の応じて6〜10tonが多用されている。本発明者の検討によれば、本発明の製造方法は6〜10ton重量のスポンジチタンに限定されるものではなく、それ以外、例えば、1Ton〜5Tonのスポンジチタン塊であっても、適用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法では、真空分離後のスポンジチタンを反応容器内で冷却し、次いで反応容器内のスポンジチタン表面に窒化膜を形成させた後、スポンジチタンを反応容器から取り出して切断または破砕することを特徴としている。以下、本発明にかかる低酸素チタン製造における窒化膜の形成条件、冷却時間および切断、破砕の内容について説明する。
【0024】
通常、前記特開2000−309833号公報で開示された方法を用いて、反応容器内でスポンジチタンを実質的に100℃以下になるまで冷却する場合には、冷却時間は70〜80時間となる。これに対し、本発明の冷却時間は50〜70時間(後述する実施例参照)であれば良いから、冷却時間の大幅な削減が可能になる。
【0025】
窒化膜の形成は、窒素ガスを反応容器に導入して行われるが、その導入タイミングは、反応容器からスポンジチタンを取り出す直前であればよい。例えば、冷却完了時間、すなわち、反応容器の蓋を解放する15〜20分前に、反応容器内を真空引きした後窒素ガスを封入する。このとき、真空引きにより容器内のアルゴンガスが排出されるが、これはスポンジチタンの冷却速度を速めるため、および反応容器内への大気のリークを防止するため、冷却開始時から注入されているものである。
【0026】
窒素ガス導入時にアルゴンガスが反応容器内に残留していても、反応容器内の窒素が質量比率(mass%)で10%以上であれば、窒素ガスによる窒化膜の形成が適正に行われる。
【0027】
本発明で窒化層の形成に用いられる窒素ガスは、窒素分圧/酸素分圧の比が20以上である低酸素含有窒素ガスを用いるのが望ましい。これは窒素ガス中に酸素ガスを含有する場合であっても、酸素を低分圧、すなわち、低濃度に制御することによって、酸化膜の形成より窒化膜の形成を優先させるためである。
【0028】
したがって、窒素分圧/酸素分圧の比が20未満の窒素ガスを用いる場合には、酸化膜の形成が主となり、本来必要な窒素膜の形成が充分になされないおそれが生じる。一方、使用する窒化用ガスは純窒素ガスでもよいことから、窒素分圧/酸素分圧の比の上限は特に定める必要はない。
【0029】
本発明では、反応容器内で冷却されたスポンジチタン中心部の温度が200℃以下になった後、上記低酸素含有窒素ガスを導入するのが望ましい。さらに望ましくは、その中心部の温度が150℃以下になった後に導入することである。中心部の温度が200℃以上の状態で窒素ガスを導入すると、形成される窒化皮膜の厚さが急速に厚くなり、含有される窒素濃度が上昇し、高純度チタンに影響を及ぼすことが懸念される。
【0030】
通常、中心部分の温度コントロールは、真空分離終了後の冷却時間によって管理される。そのため、反応を終了したスポンジチタンを冷却し、上部からドリルで穿孔して中心部分に熱電対を挿入したのち、真空分離を行う温度まで昇温する。そして、真空分離を行った後冷却し、冷却開始からの時間と中心部分の温度との関係が実測される。この実測結果に基づいて、真空分離後の冷却時間が管理される。
【0031】
さらに、本発明の製造方法では、反応容器から取り出してのち、上記スポンジチタンを切断し、測定された酸素濃度が要求濃度を満たす切断塊を選んで切断、破砕するのが望ましい。製造されるチタンの濃度管理、品質管理を厳密に行うためである。
【0032】
現状において、高純度チタン材の用途であるスパッタリングターゲットで要求される不純物の含有量は、窒素濃度については30ppm以下であり、酸素濃度については250ppm以下である。最近において、要求される窒素濃度は問題とならないが、酸素濃度が厳しい条件に移行しつつあり、酸素濃度が高純度チタン材の歩留まりに影響を及ぼしている。したがって、ここで基準とする酸素濃度は180ppmである。
【0033】
実際の操業においては、スポンジチタンの全ての切断塊を測定対象とするのではなく、周辺部の除いた中心部の切断塊を測定対象としている。例えば、中心部としては、スポンジチタン塊の底部から厚さが塊高さの15%以上の部分と頂部から厚さが塊高さの5%以上の部分とを切断除去し、かつ円筒状塊の円周部から厚さが塊直径の10%以上の円周部分を切断除去した部分が該当する。
【0034】
本発明方法は、低酸素チタン材の製造において、真空分離後のスポンジチタンの表面に薄い窒化皮膜を形成して、その後、大気中に暴露させた場合に、酸化皮膜の形成を抑制させることは、新たな設備、装置を特に必要とすることもなく、有効な製造方法である。また、この方法は、高純度チタン材用として有効であるばかりでなく、展伸材用、粉末製造用および精密鋳造用のチタン材の製造用としても適用できるものである。
【0035】
【実施例】
本発明の製造方法による効果を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。クロール法によって真空分離後の重量が約6Tである円筒状スポンジチタンを製造した。
【0036】
発明例では、真空分離終了後からの冷却時間を50〜76時間で管理し、反応容器を開放する15分前から5分前の10分間にわたって、反応容器内を概ね真空引きした。その後、反応容器を開放する5分前から開放までの5分間に、容器蓋部から窒素分圧/酸素分圧の比が100以上の窒素ガスを導入し、蓋部を開放して反応容器内のスポンジチタン塊を大気中に取り出した。取り出されたスポンジチタンは、切断および破砕により粒径10〜30mmに整粒して均一に混合した後、塊中心部の酸素濃度および窒素濃度を測定した。
【0037】
比較例では、真空分離終了後からの冷却時間を50〜76時間として、窒素ガスを導入することなく、反応容器から取り出されたスポンジチタンは切断および破砕により粒径10〜30mmに整粒して均一に混合した後、塊中心部の酸素濃度および窒素濃度を測定した。
【0038】
【表1】
【0039】
表1の結果から明らかなように、発明例1では大幅な冷却時間の短縮を図ったことになるが、結果は酸素濃度は200ppm以下を満足するものであり、高純度チタン用として採用できる低酸素チタンが得られた。一方、発明例3では、従来と同様の冷却時間を確保すれば、従来得られなかった低酸素チタン材の製造が可能になる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の低酸素チタン材の製造方法によれば、反応容器内に窒素ガスを導入して、円筒状のスポンジチタンの中心部分まで窒化膜を形成することによって、スパッタリング用ターゲットの作製に適する、酸素濃度が200ppm以下の低酸素チタン材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロール法によるスポンジチタンの製造工程を還元〜真空分離〜破砕に沿って説明する図である。
【符号の説明】
1…還元炉、 2…ノズル、 3…反応容器
4…真空分離炉、 5…凝縮器
6…切断プレス
Claims (3)
- クロール法によって得られたスポンジチタンから酸素濃度が200ppm以下のチタン材を製造する方法であって、真空分離後のスポンジチタンを反応容器内で冷却し、次いで反応容器内のスポンジチタン表面に窒化膜を形成させた後、スポンジチタンを反応容器から取り出して切断または/および破砕することを特徴とする低酸素チタン材の製造方法。
- 上記窒化膜の形成を窒素分圧/酸素分圧の比が20以上である低酸素含有窒素ガスを反応容器内に導入することにより行うことを特徴とする請求項1記載の低酸素チタン材の製造方法。
- 反応容器内でスポンジチタン中心部の温度が200℃以下になった後、窒素分圧/酸素分圧の比が20以上である低酸素含有窒素ガスを導入することを特徴とする請求項1または2に記載の低酸素チタン材の製造方法。
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