JP2000309700A - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法

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JP2000309700A
JP2000309700A JP11999699A JP11999699A JP2000309700A JP 2000309700 A JP2000309700 A JP 2000309700A JP 11999699 A JP11999699 A JP 11999699A JP 11999699 A JP11999699 A JP 11999699A JP 2000309700 A JP2000309700 A JP 2000309700A
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polyphenylene ether
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ptfe
based resin
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Tadayuki Ishii
忠幸 石井
Kazuo Yoshida
和郎 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物製
造工程において優れた生産性を得るとともに、燃焼時の
適下防止性能を発揮し、機械的物性、表面外観に優れる
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法を提供
する。 【解決手段】 ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の
混練押出工程の前処理として、予め30℃以下の温度で
PTFEと酸化防止剤を混合しておき、この混合物を用
いてポリフェニレンエーテル系樹脂を混練押出すること
を特徴とする、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物製造工程において優れた生産性を得
るとともに、燃焼時の滴下防止性能を発揮し、機械的物
性、表面外観に優れるポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
は、機械的特性、電気的特性、耐酸、耐アルカリ性、耐
熱性等に優れ、しかも吸水性が低く寸法安定性が良いな
どの性質を備えており、電気製品、コンピューターやワ
ープロなどのOA機器のハウジング、シャーシ材料など
として幅広く利用されているが、安全上の問題からこれ
らの材料には高い難燃性が要求されることが多い。
【0003】ポリフェニレンエーテル系樹脂の難燃性を
改良する目的で、トリフェニルホスフェート、クレジル
ジフェニルホスフェート等のリン酸エステル化合物を難
燃剤として配合することが従来から知られている。さら
には前記のリン酸エステル化合物配合時の欠点である耐
熱性の低下、成形加工時のリン酸エステル化合物の揮
発、ブリード等を改良する目的で、分子量の大きい縮合
型のリン酸エステル化合物であるレゾルシノール・ビス
フェニルホスフェート化合物、ビスフェノールA−ポリ
フェニルホスフェート化合物等が使われてきている。
【0004】さらに、近年火災に対する安全性の要求が
とみにクローズアップされ、家電製品、OA機器等に対
する米国UL(アンダーライターズ・ラボラトリー)垂
直法燃焼試験の規制が年とともに厳しくなってきた。ま
た、軽量化、経済性向上のため、製品、部品の肉厚が薄
くなってきたことで燃焼時に火種が滴下し、このため他
の製品や部品を損傷するといったことが生じるようにな
り、この火種の落下を防止する技術、いわゆる滴下防止
技術の開発が強く望まれている。滴下防止技術として、
難燃剤を増量する方法が知られているが、元来高価な難
燃剤を大量に使用するのは経済的でなく、また、有毒ガ
スの発生や機械的性質の低下を助長するために好ましく
ない。
【0005】ポリフェニレンエーテル系樹脂の滴下防止
の従来技術として、米国特許4355126号にはポリ
テトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記述す
る。)を配合する技術が開示されている。滴下防止剤と
して用いられるPTFEは一般に、剪断力を受けること
により容易に繊維化したり凝集し易く、ポリフェニレン
エーテル系樹脂に混練り添加されたPTFEは、ネット
ワーク状に繊維化して滴下防止などの効果を発揮すると
言われている。しかし、このようなPTFEの繊維化や
凝集し易い性質は、PTFEを取扱う上で非常に困難で
ある。
【0006】上記記載のPTFEの特徴から、PTFE
を単独でポリフェニレンエーテル系樹脂の滴下防止剤と
して用いた場合、混練押出工程において、せん断がかか
りPTFEが容易に凝集し、供給装置や押出機の内壁や
スクリューへの付着、押出機ダイヘッドに装着したスク
リーンフィルターに目詰まりにより押出を続けることが
できない。また、得られる樹脂組成物の性能を十分に発
揮されない等の問題を有していた。
【0007】上記問題を改良する技術として、特開平1
0−30046号公報では、PTFEを予め、高級脂肪
酸類の分散剤で処理した後、混合する製造方法が開示さ
れている。しかし、この方法ではポリフェニレンエーテ
ル系樹脂組成物の混練押出工程では、長期間にわたる安
定した生産性を得るには十分でなく、押出機ダイヘッド
に装着したスクリーンフィルターに目詰まりを起こした
り、混練押出時の熱劣化により発生する分解物やゴミ
が、押出機のノズル部分に目やに状に付着してストラン
ド切れを発生したりして、長期間安定した混練押出を続
けることができない等の問題を有していた。また、得ら
れる樹脂組成物中でPTFEの分散不良を生じ、樹脂組
成物の性能において、滴下防止効果が十分でないばかり
ではなく、機械物性の低下、表面外観不良、混濁物の発
生を起こす等の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂組成物製造工程において、ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂にPTFEを配合する際の問題点
であるPTFEの取扱性を改善し、かつ優れた熱安定性
を有し長期間にわたる安定した生産性を得るとともに、
製造される樹脂組成物中でPTFEの分散不良を解消
し、燃焼時の滴下防止性能を発揮し、機械的物性、表面
外観に優れ、混濁物の発生がないポリフェニレンエーテ
ル系樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、混練押出工程の前処
理として、予め30℃以下の温度でPTFEと特定の添
加剤を混合しておき、この混合物を用いてポリフェニレ
ンエーテル系樹脂組成物を製造することにより混練押出
工程において、安定した生産性を得るとともに、樹脂組
成物の性能を十分に発揮するポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物の製造方法を見出し本発明に至った。
【0010】即ち本発明は、(A)ポリフェニレンエー
テル樹脂単独又はスチレン樹脂との混合物100重量
部、(B)リン系難燃剤1〜30重量部と(C)ポリテ
トラフルオロエチレン0.01〜2重量部よりなるポリ
フェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法であって、
(A)、(B)および(C)を混練するにあたり、
(C)としてポリテトラフルオロエチレンを予め、30
℃以下の温度で、(D)軟化温度が40℃以上である芳
香環を含有する酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種
の添加剤と前処理した混合物を用いることを特徴とする
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法に関す
る。
【0011】本発明で用いられる、成分(A)のポリフ
ェニレンエーテル樹脂とは、下記一般式(1)を繰り返
し単位とした単独重合体、あるいは共重合体である。
【0012】
【化1】
【0013】(式中、R1、R2、R3、R4は炭素1
〜4のアルキル基、アリール基、水素等の1価の残基で
あり、R3、R4は同時に水素ではない。) ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例として
は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,3,6−ト
リメチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられ
る。この内、特に好ましいものは、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレン)エーテルである。
【0014】ポリフェニレンエーテル共重合体として
は、例えば、2,6−ジメチルフェノールと、2,3,
6−トリメチルフェノールとの共重合体あるいは2,6
−ジフェニルフェノールとの共重合体あるいはo−クレ
ゾールとの共重合体などが挙げられる。
【0015】さらにポリフェニレンエーテルの重合法に
より、末端あるいは主鎖中にアミン化合物等が付加した
もの、また、スチレンやアクリレート化合物等のビニル
化合物により末端変性されたものを含む。
【0016】本発明で用いられる成分(A)のスチレン
樹脂とは、スチレン系化合物の単独重合体または共重合
体、およびそれらのゴム変性重合体である。
【0017】スチレン系化合物としては、スチレンの
他、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチ
レン、などの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチ
レン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アル
キル置換スチレン等が挙げられる。また、スチレン系化
合物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステ
ル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不
飽和ニトリル化合物類、無水マレイン酸等の酸無水物、
ブタジエン、イソプレンなどの共役2重結合を有するジ
エン化合物類さらにこれらの水添物などが挙げられる。
これらの重合体の中で特に好ましい重合体は、ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ゴム変性
ポリスチレン、ゴム変性スチレン−アクリロニトリル共
重合体である。
【0018】本発明における成分(A)は、ポリフェニ
レンエーテル樹脂を単独で用いることも可能であるが、
加工流動性などの観点からスチレン樹脂との混合物が一
般的である。好ましい混合比としては、ポリフェニレン
エーテル樹脂とスチレン樹脂の重量比で10/90〜8
0/20の範囲である。
【0019】本発明で用いる(B)リン系難燃剤とは、
有機リン化合物、赤リン、及び無機系リン酸塩等の当業
界で知られたリン含有難燃剤であればいずれも使用でき
る。例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホス
フェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホス
フェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホ
スフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリ
キシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェ
ート、ジクレジルフェニルホスフェート、ジメチルエチ
ルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチル
ジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニ
ルホスフェート等のリン酸エステルやこれらを各種置換
基で変性した化合物、各種の縮合タイプのリン酸エステ
ル化合物が挙げられるが、縮合リン酸エステル化合物が
好ましい。
【0020】これらの中で、一般式(2)で表されるリ
ン酸エステル化合物が特に好ましい。
【0021】
【化2】
【0022】(式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、炭素
数1から6のアルキル基、または水素を表し、R1、R
2、R3、R4はメチル基、または水素を表す。nは1
以上の整数を、n1、n2は0から2の整数を示し、m
1、m2、m3、m4は、1から3の整数を示す。)
で、表される。
【0023】一般式(2)におけるQ1、Q2、Q3、
Q4のうち特に好ましいのは水素、またはメチル基であ
る。
【0024】一般式(2)におけるR1、R2で好まし
いのは水素であり、R3、R4で好ましいのははメチル
基である。
【0025】一般式(2)におけるnは1以上の整数で
あってその数により耐熱性、加工性が異なってくる。好
ましいnの範囲は1〜5であり、さらに好ましくはn=
1である。また該リン酸エステルはn量体の混合物であ
ってもかまわない。
【0026】(B)リン系難燃剤としての好ましいリン
酸エステル化合物は、“特定の二官能フェノール”によ
る結合構造と”特定の単官能フェノール”による末端構
造を有す。
【0027】“特定の二官能フェノール”としては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通
称ビスフェノールA〕、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタンなどのビスフェノール類が挙げら
れるが、これに限定されない。特にビスフェノールAが
好ましい。
【0028】“特定の単官能フェノール”としては、無
置換フェノール、モノアルキルフェノール、ジアルキル
フェノール、トリアルキルフェノールを単独または2種
以上の混合物として使用できる。特にフェノール、クレ
ゾール、ジメチルフェノール(混合キシレノール)、
2,6−ジメチルフェノール、トリメチルフェノールが
好ましい。
【0029】(B)リン系難燃剤の配合量は、(A)ポ
リフェニレンエーテル系樹脂100重量部に対して、1
〜30重量部の範囲であるが、難燃性能と経済性、耐熱
性等の物性を考えた場合、好ましくは5〜25重量部の
範囲となる。
【0030】本発明で用いられる(C)ポリテトラフル
オロエチレンは、テトラフルオロエチレンの単独重合体
およびテトラフルオロエチレンとジフルオロエチレン、
トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等と
の共重合体である。
【0031】これらPTFEの製造方法は、米国特許第
2,393,697号および米国特許第2,534,0
58号に開示され、例えばテトラフルオロエチレンを水
性媒体中で過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等のラ
ジカル開始剤を用いて、7〜70kg/cm2の加圧
下、0〜200℃の温度で重合し、次いで懸濁液、分散
液または乳濁液から凝析により、または沈殿によりポリ
テトラフルオロエチレン粉末が得られる。
【0032】例えば、4フッ化エチレンモノマーを原料
とし、過酸化物を用いたラジカル重合による乳化重合
法、もしくは懸濁重合法により製造される。また、フッ
素原子の一部を別の置換基もしくは元素で置き換えた変
性タイプも用いられる。この方法によって得られるPT
FEは、粉体もしくはディスバージョンの形態を取る
が、高度に結晶質となりかつ容易にフィブリル化するも
のが好ましい。
【0033】PTFEの配合量は、ポリフェニレンエー
テル系樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部の
範囲である。好ましくは、0.03〜1.0重量部であ
るが、0.01重量部程度の少量の添加でもある程度の
滴下防止性能を発現する。むしろ必要以上の添加は、経
済的に不利であり、流動性の悪化とともに成形品の外観
を悪化させる。特に好ましい添加量は、0.05〜0.
5重量部である。
【0034】本発明で用いられる(D)軟化温度が40
℃以上である芳香環を含有する酸化防止剤とは、一般的
にプラスチック用の酸化防止剤として使用されているも
ので、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フォスファ
イト系酸化防止剤等である。好ましくは粉末状のヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤が望ましい。
【0035】本発明のPTFEを前処理する(D)軟化
温度が40℃以上である芳香環を含有する酸化防止剤の
量については特に制限はなく、PTFEが分散可能な量
で有ればよい。好ましい混合比としては、PTFEと
(D)軟化温度が40℃以上である芳香環を含有する酸
化防止剤の重量比で10/90〜70/30の範囲であ
る。
【0036】本発明のPTFEを前処理する方法は、予
め30℃以下の温度に保持したPTFEと(D)軟化温
度が40℃以上である芳香環を含有する酸化防止剤をヘ
ンシェルミキサー等の混合機を使用して約5分以下の短
時間で混合させる事が望ましい。長い時間混合をすると
PTFEが繊維化し凝集するため、製造される樹脂組成
物中でPTFEが分散不良を起こし好ましくない。
【0037】また、本発明のポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物には、他の難燃剤や滴下防止剤、例えば、デ
カブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノ
ールA、ヘキサブロモベンゼン等のハロゲン系難燃剤、
アンモニウムブロマイドなどの含ハロゲン無機化合物、
赤リン、ポリリン酸、リン酸アンモニウムなどの有機、
あるいは無機のリン化合物、ホスフォノアミド系等の含
窒素リン化合物、メラミン系等のトリアジン骨格含有化
合物、酸化アンチモン等の無機化合物、金属水酸化物、
フェノール樹脂、シリコン樹脂、ガラス繊維、カーボン
繊維等を併用してもかまわない。
【0038】また、本発明のポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物には、耐衝撃性向上のために熱可塑性エラス
トマーを適宜配合することができる。例えば、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエンの一部また
は全てが水素添加されたスチレン−ブタジエンブロック
共重合体が例示される。
【0039】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物には、更に他の特性を付与するため、または本発明
の効果を損なわない範囲で他の添加剤、例えば各種無機
充填剤、ガラス繊維やカーボン繊維などの繊維状強化
剤、可塑剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの安定
剤、帯電防止剤、離型剤、染顔料、あるいはその他の樹
脂を添加することができる。
【0040】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂成
物の製造方法は、特に規定するものではなく、押出機、
加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機
を用いて溶融混練することにより製造することができ
る。その中でも押出機による混練りが、生産性の面で好
ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明を具体
的に説明する。以下の実施例は、いずれも例示的なもの
であって、本発明の内容を限定するものではない。
【0042】
【実施例1】30℃のクロロホルム溶液で測定したηs
p/cが0.54のポリ−2,6−ジメチル−1,4−
フェニレンエーテルを30重量部、ゴム含量約9%の体
積平均ゴム粒子径が約1.5μmのゴム補強ポリスチレ
ンを58重量部、トリフェニルホスフェートを11重量
部、および、予め25℃に保持したPTFEファインパ
ウダー(ダイキン工業(株)製、商品名ポリフロンFA
500)と酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製、商品名IRGANOX1010)を重量
比1/4の割合で配合し、ヘンシェルミキサーを使用し
て1分間混合した混合物を0.5重量部の割合で配合
し、円筒型ブレンダーを使用して5分間混合したもの
を、加熱シリンダーの最高温度320℃に設定したスク
リュー直径40mmの二軸押出機に供給し、スクリュー
回転数300rpmで約2時間連続して溶融混練した。
ストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。
その間、押出機のダイヘッドには目やにの発生はなく、
ストランド切れも起こらず、またダイヘッドに装着した
200メッシュのスクリーンが目詰まりすることなく押
出性は良好であった。得られた樹脂組成物ペレットを、
シリンダー温度240℃および金型温度60℃に設定さ
れた型締め圧力80トンの射出成形機により射出成形を
行い、物性試験片を得た。以下の試験法により難燃性試
験および物性試験を行い、表1の結果を得た。
【0043】(1)難燃性試験 UL−94 垂直燃焼試験に基づき、1/16インチ厚
みの射出成形試験片を用いて測定した。
【0044】(2)引っ張り試験 ASTM D638に基づき引張り強度および伸度を測
定した。
【0045】(3)落錘衝撃試験 50mm×90mm×厚み2.5mmの平板成形片を用
い、東洋精機製作所(株)製、商品名、グラフィックイ
ンパクトテスターにより落錘衝撃強度としての全吸収エ
ネルギー値(J:ジュール)を測定した。
【0046】(4)外観 射出成形された50mm×90mm×厚み2.5mmの
平板を目視判定し、PTFEの分散性を評価した。PT
FEの凝集物が見られない場合は○、凝集物が見られる
場合は×とした。
【0047】(5)混濁物 樹脂組成物ペレットをコンプレッション成形により薄く
引き延ばした試験片を目視判断し、混濁物の発生を評価
した。混濁物の発生がないか少ない場合は○、混濁物の
発生が多量に見られる場合は×とした。
【0048】
【実施例2】実施例1において、トリフェニルホスフェ
ートに代えて縮合タイプのリン酸エステル化合物を主成
分とするリン系難燃剤(大八化学(株)製、商品名CR
741)を14重量部とした以外は同様にして溶融混練
りを行った。押出機のダイヘッドの目やに、ストランド
切れ、およびスクリーンの目詰まりするをことなく押出
性は良好であった。得られた樹脂組成物ペレットを、実
施例1と同様に評価し、表1の結果を得た。
【0049】
【比較例1】実施例1において、PTFEファインパウ
ダー0.1重量部と酸化防止剤を前処理せずにそれぞれ
単独で使用した以外は同様にして溶融混練りした。押出
機のダイヘッドに装着した200メッシュのスクリーン
が5分ほどで目詰まりを起こし、ベント部から樹脂が溢
れ出し、押出運転の継続はできなかった。
【0050】次に、スクリーンを目の粗い40メッシュ
に代えて押し出し運転を行った。得られたペレットを、
実施例1と同様に評価し、表1の結果を得た。
【0051】
【比較例2】実施例1において、PTFEを配合せずに
酸化防止剤のみを添加して、同様に溶融混練りした。押
出機のダイヘッドの目やに、ストランド切れ、およびス
クリーンの目詰まりするをことなく押出性は良好であっ
た。得られたペレットを、実施例1と同様に評価し、表
1の結果を得た。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物製造工程において優れた生産性を得るととも
に、製造される樹脂組成物中でPTFEの分散不良を解
消し、燃焼時の滴下防止性能を発揮し、機械的物性、表
面外観に優れ、混濁物の発生がないポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物の製造方法を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 71/12 25:04 27:18)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテル樹脂単独
    又はスチレン樹脂との混合物100重量部、(B)リン
    系難燃剤1〜30重量部および(C)ポリテトラフルオ
    ロエチレン0.01〜2重量部よりなるポリフェニレン
    エーテル系樹脂組成物の製造方法であって、(A)、
    (B)および(C)を混練するにあたり、(C)として
    ポリテトラフルオロエチレンを予め、30℃以下の温度
    で、(D)軟化温度が40℃以上である芳香環を含有す
    る酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤と前
    処理した混合物を用いることを特徴とするポリフェニレ
    ンエーテル系樹脂組成物の製造方法。
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Cited By (2)

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