JP2000307560A - 高速ロックによる遅延ロックループ回路の妨害なしの初期化用回路装置 - Google Patents

高速ロックによる遅延ロックループ回路の妨害なしの初期化用回路装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カウンタ制御信号の不活性化によるカウンタ
値の不安定性が回避される、高速ロックによるDLL回
路の妨害なしの初期化用回路装置を提供することであ
る。 【解決手段】 上記課題は、冒頭に記載の回路装置にお
いて、制御信号は遅延された制御信号に変換され、この
遅延された制御信号はカウンタクロック信号の立ち上が
りエッジにおいて一定保持されることによって解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速ロックによる
遅延ロックループ回路(DLL回路)の妨害なしの初期
化用回路装置であって、チップ内部クロックは、位相検
出器、フィルタ、カウンタ装置及びアナログ/デジタル
変換器を介して制御される遅延ラインを用いて外部クロ
ックに同期され、カウンタ装置は少なくとも1つの上位
カウンタ及び下位カウンタから成り、カウンタ装置はそ
れぞれカウンタクロック信号によって制御可能であり、
カウンタ装置はDLLの調整のための時間を短縮するた
めに交互に制御信号によって活性化可能及び不活性化可
能である、高速ロックによる遅延ロックループ回路(D
LL回路)の妨害なしの初期化用回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばいわゆるランバスインターフェー
スを有する集積回路においてこの集積回路に外部から供
給されるクロックは多数の箇所で必要とされる。これ
は、外部から供給されるクロックに対する大きなゲイン
を前提とする。しかし、このような大きなゲインは必然
的に相応の遅延時間と結びついている。従って、有利に
は外部クロックから内部クロックが発生され、この内部
クロックはそれぞれ正確な位相角で時間的にシフトされ
てこの集積回路のこのようなクロックを必要とする箇所
に供給される。
【0003】外部クロックを所望の位相角を有するチッ
プ内部クロックに変換することは、それゆえ集積回路に
おいて一般的に発生する問題である。
【0004】図4はブロック回路図によって外部クロッ
クTeから内部クロックTiを得るための回路装置の構
成を示す。このために、外部クロックTeは電圧制御さ
れた遅延ライン1に供給される。この遅延ライン1は外
部クロックTeに同期された内部クロックTiを供給す
る。このために、電圧制御される遅延ライン1はこの遅
延ライン1の遅延が可変的であるように制御信号によっ
て制御可能である。この制御信号は有利には位相検出器
2及びフィルタ3によって発生される。この位相検出器
2によってまず最初に電圧制御された遅延ライン1の出
力側における内部クロックTiの位相をこの電圧制御さ
れた遅延ライン1の入力側における外部クロックの位相
と比較される。比較結果を表す信号がフィルタ3に供給
される。このフィルタ3は有利には電圧制御された遅延
ライン1の遅延時間をゆっくりと所望の長さにするため
にローパスフィルタコンポーネントを含む。
【0005】図4に相応する回路装置は詳細には例えば
Stefanos Sidiropoulos and MarkA.Horowitz, A semid
igital Dual Delay-Locked-Loop, IEEE Journal of Sol
id-State Circuits,Vol.32,No.11,Nov.1997,p.1683-169
2 に記述されている。
【0006】図5は上位の印刷物から周知の回路装置か
ら導出されている回路装置を示す。詳細には、図5では
DLL回路が図示されている。このDLL回路では電圧
制御される遅延ライン1の入力側と出力側との間に設け
られた位相検出器2の出力側がデジタルローパスフィル
タ4、デジタルカウンタ5及びデジタル/アナログ変換
器6を介して電圧制御される遅延ライン1の制御入力側
に接続されている。デジタルカウンタ5はデジタルロー
パスフィルタ4の出力信号のレベルに依存してカウント
アップ又はカウントダウンする。このデジタルカウンタ
5に対するクロック信号clk_countは高周波外
部クロック信号Teから周波数分周器7によってこのク
ロック信号Teを分周することによって発生される。こ
の結果、ローパスフィルタ特性がデジタルカウンタ5に
対して達成される。
【0007】デジタルカウンタ5の瞬時の計数状態はデ
ジタル/アナログ変換器6によってアナログ制御信号d
elay_controlに変換され、このアナログ制
御信号delay_controlは最終的に電圧制御
される遅延ライン1の遅延時間の長さに影響を与える。
【0008】この回路装置では初期化中にDLL調整用
の時間を短縮するために、制御信号“fast”が導入
される。この制御信号“fast”は初期化の間にデジ
タルカウンタ5を制御する。さらに、この初期化は2つ
のフェーズに分割される:第1のフェーズでは信号“f
ast”が活性化され、他方で第2のフェーズではこの
信号“fast”は不活性化されている。信号“fas
t”が活性化されている第1のフェーズ中にデジタルカ
ウンタ5の下位ビットが不活性化され、直接的に上位ビ
ットが呼び出される。
【0009】このために、デジタルカウンタ5は2つの
ユニットに分割されている。すなわち、図6に図示され
ているように、下位のnビットカウンタ8及び上位のm
ビットカウンタ9に分割されている。
【0010】第1のフェーズでは信号“fast”が活
性化され、よって、論理1になる。この結果、トランス
ミッションゲート10が開かれ、他方でトランスミッシ
ョンゲート11及び12が阻止され、さらにトランスミ
ッションゲート13も開かれている。これによってカウ
ンタに対する活性化信号cenが直接トランスミッショ
ンゲート10を介して上位カウンタ9に供給され、他方
で下位カウンタ8が不活性化されている。
【0011】従って、上位カウンタ9の活性化の結果と
してカウンタ5はノーマル動作モードに比べて明らかに
大きなステップでカウントし、このDLLはより高速に
所望の出力位相に接近する。次いで第2のフェーズにお
いて制御信号“fast”が不活性化され、よって、論
理0になると、活性化信号cenがトランスミッション
ゲート12を介して直接下位カウンタ8にスイッチさ
れ、この下位カウンタ8のキャリビット乃至は桁上げビ
ット“count”がトランスミッションゲート11を
介して上位カウンタ9のキャリ入力側cinにスイッチ
スルーされる。
【0012】これによって、全てのビットが活性化さ
れ、カウンタ5は相応の比較的小さいステップでカウン
トする。このDLLは所望の出力位相を比較的高い時間
分解能で調整することができる。
【0013】図6は図5のようにクロック入力側clk
_countならびにカウンタ8、9の計数方向のため
の制御入力側up及びカウンタ8の出力信号count
[n−1:0]乃至はカウンタ9の出力信号count
[m+n−1:n]を供給するための出力端子“cou
ntvalue”を示している。
【0014】図5及び6に示された既存の回路装置で
は、制御信号“fast”が任意の時点に不活性化され
る場合に問題が生じる。図2の(a)はクロック信号c
lk_countの経過を示し、他方で図2の(b)に
は既存の回路装置に示されているような制御信号“fa
st”が示されている。図2において二重矢印14によ
って示されているように、制御信号“fast”の不活
性化がクロック信号のレベルの変化と時間的にほぼ又は
全く一致するならば、カウンタ値countvalue
において不安定性が発生しうる。このことはDLL全体
を次のような状態にもたらす。すなわち、このDLL全
体がもはや内部クロックTiの所望の位相角を調整する
ことができないような状態にもたらす。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、カウ
ンタ制御信号の不活性化によるカウンタ値の不安定性が
回避される、高速ロックによるDLL回路の妨害なしの
初期化用回路装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題は、冒頭に記載
の回路装置において、制御信号は遅延された制御信号に
変換され、この遅延された制御信号はカウンタクロック
信号の立ち上がりエッジにおいて一定保持されることに
よって解決される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態では、遅延回路
が設けられ、この遅延回路はカウンタクロック信号を遅
延されたカウンタクロック信号に変換し、この遅延され
たカウンタクロック信号によって制御信号はカウンタク
ロック信号の立ち上がりエッジの直ぐ後でサンプルされ
る。
【0018】本発明の回路装置では、従って、制御信号
“fast”が遅延された制御信号に変換される。この
制御信号“fast”の立ち下がりエッジそれ自体は任
意の時点に発生しうる。しかし、この遅延された制御信
号はカウンタの不安定性を発生しえない時点に発生す
る。このために、まず最初にカウンタに対する遅延され
たクロック信号が発生され、この遅延されたクロック信
号によって制御信号はクロック信号の立ち上がりエッジ
の直ぐ後で引き継がれる。カウンタに対するこの遅延さ
れたクロック信号の立ち下がりエッジにおいて、遅延さ
れた制御信号は次のサンプリング時点まで一定保持され
る。これによって次のことが達成される。すなわち、こ
の遅延された制御信号がカウンタ出力信号に影響を与え
ることができる間、すなわちクロック信号の立ち上がり
エッジの間、この遅延された制御信号が一定保持され
る。言い換えれば、本発明の回路装置によって、カウン
タの安定動作が保障される。
【0019】本発明の回路装置は、まず最初に遅延回路
によってカウンタクロック信号の遅延された「コピー」
を作る。カウンタに対する制御信号はこの遅延されたク
ロック信号によってサンプルされ、こうして遅延された
制御信号の立ち下がりエッジはカウンタ動作に対してク
リティカルでない時間領域にシフトされる。
【0020】遅延回路において、有利には場合によって
は容量性負荷が設けられたインバータ段、ただし最後の
インバータ段には負荷をかけないべきである、が使用さ
れるか、又は、フリップフロップが使用される。このフ
リップフロップは十分に高い高周波クロックによって制
御される。
【0021】
【実施例】次に本発明を図面に基づいて詳しく説明す
る。
【0022】図4から6までならびに図2の(a)及び
(b)は既に説明した。これらの図面にではそれぞれ相
互に対応する構成部材に対して同一の参照符号が使用さ
れている。図1の実施例の構成部材は図6のカウンタに
相応するので、もはや詳しくは説明しない。
【0023】図1は本発明の回路装置の実施例を示す。
この回路装置では、図6(及び図5)の回路装置に加え
てさらに遅延回路15が設けられている。この遅延回路
15はクロック信号clk_countから遅延された
クロック信号clk_count_lateを発生す
る。この遅延されたクロック信号clk_count_
lateはクロック信号clk_countと同一の周
波数を有するが、このクロック信号clk_count
に対して時間的に遅延されている。この結果、この遅延
されたクロック信号clk_count_lateは若
干遅れて発生する。この遅延されたクロック信号は論理
0で開かれるトランスミッションゲート16及び論理1
で開かれるトランスミッションゲート17に供給され
る。このトランスミッションゲート17は制御信号“f
ast”の信号路に設けられている。トランスミッショ
ンゲート17の出力側はNORゲート18乃至はトラン
スミッションゲート16及びインバータ19を介してイ
ンバータ20の入力側に接続されており、このインバー
タ20の出力側で遅延された制御信号“fast_de
l”が得られる。この回路装置においてクロック信号c
lk_count_lateは次のことのために使用さ
れる。すなわち、この遅延されたクロック信号clk_
count_lateが“1”乃至はハイである間に、
制御信号“fast”を遅延された制御信号“fast
_del”にトランスペアレントにスイッチし、さら
に、この遅延されたクロック信号clk_count_
lateが“0”乃至はローである間、この遅延された
制御信号“fast_del”を一定保持するために使
用される。
【0024】言い換えれば、遅延されたクロック信号c
lk_count_lateは、クロック信号clk_
countを基準にしてΔtだけ遅延された、図2の
(c)に示された経過となる。他方で、遅延された制御
信号“fast_del”は、まず最初に制御信号に相
応する期間Aの間に“1”にあり、この状態を期間Bの
間保持した後でようやくクリティカルでない時間領域に
おいてロー状態に移行する。期間Cにおいてこの遅延さ
れた制御信号は再び制御信号“fast”の経過を引き
継ぎ、この経過を引き続いて保持する。
【0025】リセットの後では、原理的には制御信号
“fast”がハイ状態であるモードで作動されるの
で、ゲートゲート18によって“reset”(乃至は
リセット)=ハイである間には遅延された制御信号“f
ast_del”のセットがインテグレートされてい
る。
【0026】図3は遅延回路15の様々な実施例を示
す。この遅延回路15は例えば偶数個のインバータの直
列回路(図3の(a))から構成されうる。この直列回
路にはインバータの間に容量性負荷を設けること(図3
の(b))ができ、最後のインバータ段には負荷がかか
らないようにすべきである(図3の(c))。同様に、
インバータの代わりに、フリップフロップから成るデジ
タル回路によってこの遅延回路15を実現することも可
能であり、このフリップフロップは十分に高い高周波ク
ロックclkによって制御される(図3の(d))。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路装置の実施例のブロック回路図で
ある。
【図2】既存の回路装置の信号経過((a)及び
(b))と本発明の回路装置の信号経過((c)及び
(d))とを示す線図である。
【図3】遅延回路の可能な構成を示す概略図である。
【図4】既存の回路装置を説明するためのブロック回路
図である。
【図5】図4の回路装置のための詳細なブロック回路図
である。
【図6】図5のデジタルカウンタの詳細図である。
【符号の説明】
1 電圧制御される遅延ライン 2 位相検出器 3 フィルタ 4 デジタルローパスフィルタ 5 デジタルカウンタ 6 デジタル/アナログ変換器 7 分周器 8 下位カウンタ 9 上位カウンタ 10 トランスミッションゲート 11 トランスミッションゲート 12 トランスミッションゲート 13 トランスミッションゲート 14 二重矢印 15 遅延回路 16 トランスミッションゲート 17 トランスミッションゲート 18 NORゲート 19 インバータ 20 インバータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04L 7/04 H03K 5/00 U // H03K 5/13 H03L 7/08 J

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速ロックによる遅延ロックループ回路
    (DLL回路)の妨害なしの初期化用回路装置であっ
    て、 チップ内部クロック(Ti)は、位相検出器(2)、フ
    ィルタ(3)、カウンタ装置(5)及びアナログ/デジ
    タル変換器(6)を介して制御される遅延ライン(1)
    を用いて外部クロック(Te)に同期され、 前記カウンタ装置(5)は少なくとも1つの上位カウン
    タ(9)及び下位カウンタ(8)から成り、前記カウン
    タ装置(5)はそれぞれカウンタクロック信号(clk
    _count)によって制御可能であり、前記カウンタ
    装置(5)はDLLの調整のための時間を短縮するため
    に交互に制御信号(fast)によって活性化可能及び
    不活性化可能である、高速ロックによる遅延ロックルー
    プ回路(DLL回路)の妨害なしの初期化用回路装置に
    おいて、 前記制御信号(fast)は遅延された制御信号(fa
    st_del)に変換され、該遅延された制御信号(f
    ast_del)は前記カウンタクロック信号(clk
    _count)の立ち上がりエッジにおいて一定保持さ
    れることを特徴とする、高速ロックによる遅延ロックル
    ープ回路(DLL回路)の妨害なしの初期化用回路装
    置。
  2. 【請求項2】 遅延回路(15)はカウンタクロック信
    号(clk_count)を遅延されたクロック信号
    (clk_count_late)に変換し、該遅延さ
    れたクロック信号(clk_count_late)に
    よって制御信号(fast)は前記カウンタクロック信
    号(clk_count)の立ち上がりエッジの直ぐ後
    で引き継がれることを特徴とする、請求項1記載の回路
    装置。
  3. 【請求項3】 遅延回路(15)にはトランスミッショ
    ンゲート(17)が後置接続されており、該トランスミ
    ッションゲート(17)の入力側には制御信号(fas
    t)が供給されることを特徴とする請求項2記載の回路
    装置。
  4. 【請求項4】 遅延回路(15)にはさらに別のトラン
    スミッションゲート(16)が後置接続されており、該
    さらに別のトランスミッションゲート(16)はトラン
    スミッションゲート(17)の出力側とインバータ(1
    9)との間に設けられることを特徴とする請求項3記載
    の回路装置。
  5. 【請求項5】 トランスミッションゲート(17)には
    NORゲート(18)が後置接続されており、該NOR
    ゲート(18)の出力側は2つのインバータ(19、2
    0)間の接続点に接続されていることを特徴とする請求
    項4記載の回路装置。
  6. 【請求項6】 遅延回路はインバータから構成される
    (図3の(a))ことを特徴とする請求項2から5のう
    ちの1項記載の回路装置。
  7. 【請求項7】 インバータには容量性負荷が設けられて
    いる(図3の(b))ことを特徴とする請求項6記載の
    回路装置。
  8. 【請求項8】 最終インバータ段は容量性負荷を持たな
    い(図3の(c))ことを特徴とする請求項7記載の回
    路装置。
  9. 【請求項9】 遅延回路はフリップフロップから構成さ
    れている(図3の(d))ことを特徴とする請求項2か
    ら5のうちの1項記載の回路装置。
JP2000065505A 1999-03-11 2000-03-09 高速ロックによる遅延ロックループ回路の妨害なしの初期化用回路装置 Expired - Fee Related JP3440050B2 (ja)

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