JP2000307456A - チューナ及び分波器 - Google Patents

チューナ及び分波器

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JP2000307456A JP11846499A JP11846499A JP2000307456A JP 2000307456 A JP2000307456 A JP 2000307456A JP 11846499 A JP11846499 A JP 11846499A JP 11846499 A JP11846499 A JP 11846499A JP 2000307456 A JP2000307456 A JP 2000307456A
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  • Superheterodyne Receivers (AREA)
  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】広い周波数帯域に亘って、受信性能を維持及び
向上させることができるチューナ及び分波器を提供する
こと。 【解決手段】受信周波数にほぼ一致する、前記周波数可
変型BPF14uの通過帯域においては低挿入損失であ
り、受信周波数から外れる、周波数可変型BPF14u
の反射帯域においては所定のインピーダンスに調整され
る周波数可変型終端器13uを、周波数可変型BPF1
4uの前段に配したことにより、周波数可変型BPF1
4uの前段に従来使用されていた減衰器や増幅器を設け
ることなく、分波器11のアイソレーションを確保する
ことが可能であり、受信C/Nや非線形歪みの劣化を抑
えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CATV、衛星放
送、地上波放送などにおけるデジタル変調された信号
(QPSK、64QAM、OFDM、8VSBなど)を
受信するチューナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のディジタル化、マルチメディア化
に伴い、放送分野においては、現行のTVなどの無線系
の放送だけでなく、放送と通信の融合化がなされたCA
TVなどの有線系放送も注目されている。
【0003】従来、CATV伝送線路を用いた双方向の
データ伝送の方式が開発され、ビデオ・オンデマンドな
どへのサービスへ応用されている。
【0004】一方、CATV回線は、電話回線と比較し
て大容量のデータ伝送能力を有することから、CATV
回線を用いてネットワークを構成し、例えばインターネ
ット等に加入者端末の通信機器(例えばパソコン)から
高速にアクセスできるデータ通信サービスが開発されて
いる。このサービスでは、加入者宅にケーブルモデムと
呼ばれるCATV回線とのインターフェースが設置さ
れ、ケーブルモデムにデータ通信機器としてのパソコン
を接続する。これによって、ユーザーがCATV放送セ
ンターを介してインターネット等の外部ネットワークに
接続するサービスを可能としている。
【0005】図15は、ケーブルモデムを含むCATV
放送システムの概略構成を示すブロック図である。
【0006】図15において、CATV放送センター20
1 は、映像供給装置202 と、外部ネットワーク203 と接
続するサーバー装置204 と、このサーバー装置204 に接
続する信号変換回路205 と、映像供給装置202 からの変
調された映像信号と信号変換回路205 からの変調された
データ信号を混合したり、或いはCATV回線207 から
の混合された映像信号とデータ信号を分波する混合分波
回路206 を具備して構成されている。
【0007】CATV放送センター201 には、地上波放
送,衛星放送波等の通常の放送サービスに伴う映像信号
が、映像供給装置202 から変調されて混合分波回路206
に供給され、その後CATV回線207 に送出される。C
ATV回線207 は、光ケーブルと同軸ケーブルのハイブ
リッドで構成され、複数(図示の場合は2つ)の加入者
端末208 に接続される。光ケーブルと同軸ケーブルのハ
イブリッドで構成するとは、センターから伸びる幹線の
部分に光ケーブルを利用し加入者宅に引き込むところは
同軸ケーブルを利用するシステムである。
【0008】また、上記CATV放送センター201 に
は、インターネット等の外部ネットワーク203 と接続さ
れるサーバー装置204 が設置されており、このサーバー
装置204 では加入者の管理や外部とのセキュリティ,ネ
ットワークの管理等を行っている。
【0009】このサーバー装置204 と接続された信号変
換回路205 の下りに関しては、このCATV通信系のデ
ータ生成と変調処理及び周波数変換がなされ、混合分波
回路206 に供給され、CATV回線207 に出力される。
【0010】また、上記加入者端末208 から送出された
上り信号は、CATV回線207 から混合分波回路206 を
経由して、信号変換回路205 で上りデータの復調、サー
バー用のフォーマットデータの変換がなされ、サーバー
装置204 に供給される。
【0011】一方、加入者端末28では、CATV回線
27より送られてくる放送信号を、セットトップボック
ス211 で受信し、選局処理及び復調処理等を行った後、
表示装置としてのテレビジョン受信機212 で再生する。
【0012】また、放送センター21よりCATV回線
27を介して送られる下り信号は、ケーブルモデム209
にて復調処理が行れた後、ケーブルモデム用の制御デー
タが取り出され、かつ接続されたデータ通信機器として
のパソコン210 に必要なデータを供給する。
【0013】一方、パソコン210 より送出される上りデ
ータは、ケーブルモデム209 により変調処理がなされ、
上り信号としてCATV回線207 を介してCATV放送
センター201 に送出される。
【0014】上記のように、このCATV放送システム
は、従来よりある加入者端末と異なり、CATVセット
トップボックス211 による放送センター201 からの放送
信号受信のみでなく、各端末のケーブルモデム209 から
積極的に放送センター201 への送信を行うことができる
ようになっている。
【0015】放送センター201 と加入者端末208 間の通
信は、上り/下りの各データについて、上り/下りそれ
ぞれ6MHz ,1.5MHz の周波数帯域を持ったQP
SK変調にて送受信を行っている。
【0016】CATV放送の場合、デジタル変調された
通常90〜860MHz程度の高周波信号をケーブルに
よってセンター局から各家庭に配信し、この信号をセッ
トトップボックス内のチューナに入力し、チューナによ
って一回ないし三回の周波数変換によって中間周波数に
周波数変換した後、デジタル復調が行われる。
【0017】ケーブルモデムなどの双方向CATVの場
合には、上記の通常90〜860MHz程度の高周波信
号(下り信号:Downstream)に加えて、通常5〜50MH
z程度のQPSKや16QAMなどのデジタル変調され
た高周波信号(上り信号:Upstream)で各家庭からセンタ
ー局に向けて送信を行う。このように5〜50MHzの
帯域を加入者側からセンター局への方向(つまり放送と
は逆方向)に割り当て、加入者宅やイベント会場などの
映像をセンターに送信したり、中継器やCATVセット
トップボックスの異常などをセンターに知らせるために
利用している。
【0018】上記下り信号と上り信号は、分波器(Diple
xer)によって周波数的に分別される。分波器は下り信号
と上り信号が互いに干渉しないようにアイソレーション
を十分に確保する必要がある。
【0019】或いは、これらのメディアは一本の同軸ケ
ーブルによって家庭内に引き込まれた後、家庭内におけ
る受信機器(端末)の内外で分配器によって分配されて
セットトップボックス内の各メディアに対応したチュー
ナのRF部に入力される。分配器はチューナ相互のアイ
ソレーションを十分確保する必要がある。
【0020】図16は従来のチューナを示すブロック図
である。図16において、高周波信号は入出力端子100
から入力され分波器101 の高域通過フィルタ(以下HP
Fという)101h、減衰器102 、増幅器103 を通り、U
HF/VHF切替スイッチ104 に供給される。UHF/
VHF切替スイッチ104では、受信周波数帯域がUHF
帯かVHF帯かによって、一方の信号経路(105u〜109u
の経路、または105v〜109vの経路)が選択される。
【0021】UHF/VHF切替スイッチ104 でUHF
帯が選択されている場合には、高周波信号は、受信周波
数に同調した周波数可変型BPF105u、増幅器106u、さ
らに受信周波数に同調した周波数可変型BPF107uを介
して混合器108uの一方の入力端に入力される。混合器10
8uの他方の入力端には局部発振器109uからの局部発振信
号が入力される。
【0022】UHF/VHF切替スイッチ104 でVHF
帯が選択されている場合には、高周波信号は、受信周波
数に同調した周波数可変型BPF105v、増幅器106v、さ
らに受信周波数に同調した周波数可変型BPF107vを介
して混合器108vの一方の入力端に入力される。混合器10
8vの他方の入力端には局部発振器109vからの局部発振信
号が入力される。(なお、VHF帯域用周波数可変型B
PF105v,107vは2つの周波数帯域(VHFロー帯,V
HFハイ帯)に分割することが多いがここではVHF帯
とし省略している。) 前記局部発振器109u,109vは電圧制御型の高周波発振器
で構成され、入力端子116 からの選局電圧Vt にて受信
周波数に対応した局部発振周波数の信号が得られるよう
制御される。また、選局電圧Vt にて周波数可変型BP
F105u,107u,105v,107vが制御され、受信周波数に同
調した通過帯域が得られるよう制御される。
【0023】前記の混合器108u及び局部発振器109uはU
HF帯の高周波信号を中間周波信号に変換するUHF帯
側の周波数変換手段を構成し、混合器108v及び局部発振
器109vはVHF帯の高周波信号を中間周波信号に変換す
るVHF帯側の周波数変換手段を構成している。
【0024】混合器108uまたは108vからの中間周波信号
は、UHF/VHF切替スイッチ110 を経由して、増幅
器111 ,表面弾性波フィルタ(以下SAWフィルタ)11
2 ,及び増幅器113 を構成する中間周波増幅段に供給さ
れ、ここで中間周波信号の増幅及び中間周波帯域への帯
域制限がなされて出力端子114 から出力される。
【0025】入力端子115 には図示しないケーブルモデ
ムからの上り信号(家庭→センター方向)が入力され、
分波器101 のローパスフィルタ(LPF)101lを通って
入出力端子100 から出力される。
【0026】図17に、周波数可変型BPF105uの入力
端反射損失(リターンロス)を示す。横軸に周波数(MHz
)を、縦軸に反射損失(dB)をとってある。周波数可
変型BPF105uの入力端反射損失は、BPF105uの入力
端で反射する信号の電力の減衰量を表すもので、受信周
波数においては大きく、受信周波数の上下では小さい。
(VHF帯域用周波数可変BPF105vの場合も同様な特
性を示す。) このような特性を持つフィルタ回路に分波器101 を前置
した場合は、分波器101 の端子間アイソレーションが十
分得られないことが知られているため、図16に示すよ
うに前記周波数可変型BPF105u及び105vの前に減衰器
102 や増幅器103 を設けて同調周波数以外での反射損失
を確保して前段の分波器101 にリターンする周波数成分
を少なくするようにして分波器101 と接続している。
【0027】図18は他の従来例のチューナを示すブロ
ック図である。チューナの入力部に分配器121 を接続し
た例を示す。
【0028】図18において、高周波信号は入力端子12
0 から分配器121 に入力され、分配器121 の第1の出力
端子は増幅器123 以降の回路に接続され、分配器121 の
第2の出力端子122 は別のメディアに対応した図示しな
いチューナに接続される。
【0029】前記増幅器123 の出力は減衰器124 を通
り、UHF/VHF切替スイッチ125に供給される。U
HF/VHF切替スイッチ125 では、受信周波数帯域が
UHF帯かVHF帯かによって、一方の信号経路(126u
〜130uの経路、または126v〜130vの経路)が選択され
る。
【0030】UHF帯の経路における周波数可変型BP
F126u,増幅器127u,周波数可変型BPF128u,混合器
129u,及び局部発振器130uは、図16における周波数可
変型BPF105u,増幅器106u,周波数可変型BPF107
u,混合器108u,及び局部発振器109uと同様である。ま
た、VHF帯の経路における周波数可変型BPF126v,
増幅器127v,周波数可変型BPF128v,混合器129v,及
び局部発振器130vは、図16における周波数可変型BP
F105v,増幅器106v,周波数可変型BPF107v,混合器
108v,及び局部発振器109vと同様である。選局電圧Vt
の入力端子136 についても、図16の入力端子116 と同
様であり、入力端子136 からの選局電圧Vt により受信
周波数に応じて、前記局部発振器130u,130vの局部発振
周波数を制御すると共に、周波数可変型BPF126u,12
8u,126v,128vの通過帯域を制御するようになってい
る。(なお、VHF帯域用周波数可変型BPF126v,12
8vは2つの周波数帯域(VHFロー帯,VHFハイ帯)
に分割することが多いがここではVHF帯とし省略して
いる。) 混合器129uまたは129vからの中間周波信号は、UHF/
VHF切替スイッチ131 を経由して、増幅器132 ,SA
Wフィルタ133 ,及び増幅器134 で構成される中間周波
増幅段に供給され、ここで中間周波信号の増幅及び中間
周波帯域への制限がなされて出力端子135 から出力され
る。
【0031】周波数可変型BPF126uの入力端反射損失
は図17と同様である。このような入力端反射特性を持
つフィルタ回路に分配器121 を前置した場合は、分配器
121の端子間アイソレーションが十分得られないことが
知られているため、図18に示すように前記周波数可変
型BPF126u及び126vの前に増幅器123 や減衰器124を
設けて同調周波数以外での反射損失を確保して前段の分
配器121 と接続している。
【0032】なお、図16及び図18では減衰器102,12
4と増幅器103,123を、ともに記載してあるが、減衰器か
増幅器いずれか一方の場合もあり得る。
【0033】ところで、図16又は図18のチューナで
は、周波数可変型BPFの前に減衰器や増幅器を設けな
いと分波器や分配器のアイソレーションが確保できない
が、周波数可変型BPFの前に減衰器を設けると受信C
/Nが劣化し、増幅器を設けると入力レベルが高まるこ
とによって前記周波数可変型BPF以降の非線形回路
(増幅器や周波数変換器)の非線形歪みが劣化するとい
う問題点があった。
【0034】一般に、上り信号と下り信号を分別する分
波器(図16の符号101 に相当する)は、図19〜図2
1に示すように構成されている。
【0035】図19は分波器の回路図、図20は図19
の分波器を、シールド枠140 を備えたチューナの入力部
に配設した状態を示している。図21は図20のA−A
線から見た断面であり、シールド枠140 内には分波器10
1 を搭載した配線基板141 が収納され、シールド枠140
の上部及び下部には金属製の蓋体143,142が配設されて
いる。
【0036】図19において、分波器101 は、上り信号
を通し下り帯域を遮断する低域通過フィルタ(LPF
部)と、上り帯域を遮断し下り信号を通す高域通過フィ
ルタ(HPF部)から構成され、ケーブルモデムを含む
端末では、図16に示したようにチューナ内部の入力部
に構成されている。LPF部は、入出力端子100 と入力
端子115 との間に接続したインダクタLL1 ,LL2 ,
…,LLn と、各インダクタLL1 ,LL2 ,…,LL
n の接続点と基準電位点間及び入力端子115 と基準電位
点間に接続したコンデンサCL1 ,CL2 ,…,CLn
と、各インダクタLL2 ,LL3 ,…,LLn に並列接
続したコンデンサCL12,C13,…,CLn とで構成さ
れている。HPF部は、入出力端子100 に直列接続した
コンデンサCH1 ,CH2 ,…,CHn+1と、各コンデ
ンサCH1 ,CH2 ,…,CHn+1の接続点と基準電位
点間に接続した、コンデンサCH11とインダクタLH1
,コンデンサCH12とインダクタLH2 ,…,コンデ
ンサCH1nとコンデンサLHn の各直列回路とから構成
されている。
【0037】ケーブルモデムを含む端末において、入力
される下り信号のレベルは通常−15〜+15dBmV
であるのに対し、センターヘ送信する上り信号は、セン
ターに到達するまでのタップやケーブルによる損失を補
う必要から、最大+60dBmVの高出力レベルになる
ため、分波器には以下の性能が要求される。
【0038】(イ) 上り帯域の高域端がチューナの中間
周波数帯に被るため、上り帯域の高域端で上り信号を送
信する際に、下り信号を中間周波信号に変換した後の信
号に妨害を与えないために、分波器の高域通過フィルタ
は前記中間周波数帯で十分な減衰特性を必要とする。
【0039】(ロ) 端末内のケーブルモデムにおける上
り信号変調器で生成した上り信号には、増幅器等の歪み
による上り帯域外の高調波成分が含まれていたり、デジ
タルシンセサイザー方式の変調器では上り帯域外に変調
成分が発生したりする。これらは下り帯域の信号への妨
害となるため、分波器の低域通過フィルタは遮断域で十
分な減衰特性を必要とする。
【0040】ところで、分波器の高域通過フィルタ及び
低域通過フィルタがそれぞれ最適設計されていても、前
述(図19〜図21)のように、チューナ内部に、分波
器を構成する場合には、チューナの小型化のため、各フ
ィルタ間距離が十分に確保できず、各々のフィルタを構
成するインダクタ等が互いに結合することになる。図1
9〜図21では、図19の点線で示したように、LPF
部のインダクタLL1とHPF部のインダクタLH1 と
が相互に電磁誘導で空間的に結合し易い。これにより、
高域通過フィルタと低域通過フィルタのアイソレーショ
ンが取れず、各フィルタの遮断域において互いのインダ
クタの共振による盛り上がりや、信号の直接飛び込みに
よる見掛け上のフィルタの段数の減少により、減衰特性
が悪化する問題点があった。
【0041】デジタル変調された信号は位相情報を有す
るため、これを受信するチューナは位相情報の純度を劣
化させないために、局部発振器などに用いられる高周波
発振器の位相雑音を小さくする必要がある。
【0042】チューナにおける発振器はCATVや地上
波の放送を受信する際には、入力信号より中間周波数
(約30〜60MHz)だけ高く概ね120〜910M
Hzの範囲で発振する必要がある。通常使用される可変
容量ダイオードでは制御電圧範囲(概ね1〜25V)で
は、発振周波数の上限と下限の比は1.5倍〜2.5倍
程度である。このため、複数の周波数帯域に分割するこ
とで全周波数範囲(120〜910MHz)をカバーし
ている。一般には概略120〜250MHz、250〜
500MHz、500〜910MHzの3つの周波数帯
域に分割して、それぞれにつき1〜25V程度の連続し
た制御電圧範囲でカバーしている。図22は従来のチュ
ーナにおける高周波発振器の回路図である。この図に示
す高周波発振器はコレクタ接地型と呼ばれる回路であ
る。
【0043】図22において、高周波発振器は、トラン
ジスタQ1 のベースと基準電位点間にコンデンサC1 ,
C2 を接続し、エミッタをコンデンサC1 ,C2 の接続
点に接続する一方抵抗R1 を介して基準電位点に接続
し、コレクタを直流電圧Vccの電源端子150 に接続する
一方コンデンサC3 を介して基準電位点に接続し、電源
端子150 の直流電圧Vccを抵抗R2 ,R3 で分圧した電
圧をQ1 のベースに供給するようになっている。Q1 の
ベースは、コンデンサC4 を介して可変容量ダイオード
Cv1及びCv2の各カソードに接続し、Cv1のアノードは
コンデンサC5 と抵抗R4 の並列回路を介して基準電位
点に接続し、選局電圧Vt の入力端子151がコンデンサ
C6 を介して基準電位点に接続する一方抵抗R5 を介し
て可変容量ダイオードCv1及びCv2の各カソードの接続
点に接続し、選局電圧Vt が可変容量ダイオードCv1及
びCv2の各カソードに供給されるようになっている。C
v2のアノードは、インダクタL1 ,コンデンサC7 ,及
びインダクタL2 を直列接続してなる共振回路の一端に
接続し、該共振回路の他端は抵抗R11を介して直流電圧
Vccの電源端子153 に接続している。前記インダクタL
1 とコンデンサC7 の接続点は抵抗R7 を介して基準電
位点に接続し、前記コンデンサC7 とインダクタL2 の
接続点はスイッチ用ダイオードD1 のカソードに接続
し、そのアノードはコンデンサC8 を介して基準電位点
に接続する一方抵抗R8 を介して周波数帯域切替え制御
信号SWの入力端子152 に接続している。前記入力端子
152 は抵抗R9 とコンデンサC9 の並列回路を介して基
準電位点に接続し、インダクタL2と抵抗R11の接続点
はコンデンサC10と抵抗R10の並列回路を介して基準電
位点に接続し、電源端子153 はコンデンサC11を介して
基準電位点に接続している。
【0044】図22に示された回路においては、第1の
周波数帯域(120〜250MHz)と第2の周波数帯
域(250〜500MHz)に対して共通のトランジス
タQ1 が用いられ、共振回路のインダクタL1 ,L2 を
ダイオードD1 により切り換えて2つの発振周波数範囲
をカバーしている。この例においては、バンド切替え制
御電圧SWのロジックが“ロー(Low )”の場合にダイ
オードD1 が開放インピーダンスになり、選局電圧Vt
の印加電圧を可変することにより120〜250MHz
で発振する。反対にバンド切替え制御電圧SWのロジッ
クが“ハイ(High)”の場合にダイオードD1 が短絡イ
ンピーダンスになり、選局電圧Vt の印加電圧を可変す
ることにより250〜500MHzで発振する。このた
めトランジスタQ1 とコンデンサC1 およびコンデンサ
C2 によって発振周波数範囲である120〜500MH
zの範囲で負性対抗を発生させる必要がある。
【0045】図23に、図22の回路におけるコンデン
サC3 からトランジスタQ1 のベース側を見た場合の負
性抵抗を示す。250MHz付近では十分な負性抵抗が
得られるが、120MHz付近および500MHz付近
では十分な負性抵抗が得られない。
【0046】このため、図22の従来の高周波発振器で
は、120〜500MHzの範囲で負性抵抗を発生さ
せ、希望の発振範囲で十分余裕を持って発振することが
困難であり、結果として位相雑音を劣化させるという問
題がある。
【0047】デジタルCATV放送において、下り帯域
で伝送される信号は、QPSK、QAM等のデジタル変
調波であり、一般にアナログ波より10dB程度低いレ
ベルで伝送されている。従って、復調する際には隣接チ
ャンネルにアナログ波が有る場合にも隣接波のレベルを
十分に落とす必要があるため、帯域制限フィルタとして
中間周波段に表面弾性波フィルタ(以下SAWフィル
タ)を使用している。しかし、SAWフィルタは挿入損
失が大きいため、所望の雑音指数及び信号レベルを得る
ために、図24に示すように、SAWフィルタ162 の前
後に増幅器161,163を配して使用するのが一般的であ
り、さらに後段に配される増幅器163 は、復調に際し比
較的高い信号レベルが必要となる場合が多いため、高利
得の増幅器になる場合が多い。また、SAWフィルタの
実装方法としては、(イ)SAWフィルタ162 をチュー
ナの外に配する場合と、(ロ)図25に示すようにチュ
ーナに内蔵する場合がある。
【0048】ところで、中間周波数帯のSAWフィルタ
の実装方法によって以下の問題が生じる。
【0049】(イ) SAWフィルタをチューナの外、す
なわちチューナが実装されるセットのメインボード上に
実装される場合は、メインボード上を伝わる中間周波数
帯の妨害(例えば、デジタル系のノイズや、上り信号)
が直接飛び込む問題が有る。
【0050】(ロ) チューナに内蔵する場合は、シール
ド効果のあるチューナのシャーシに覆われているため、
メインボード上の妨害に対しては有利な構成であり、取
り扱いも簡便になるものの、小面積中にSAWフィルタ
と高利得増幅器が実装されるため、SAWフィルタの入
出力間のアイソレーションが取り難く、SAWフィルタ
外を伝わる信号成分が多くなり、SAWフィルタ中を伝
送した信号との干渉で発生する帯域内リップルが大きく
なる問題があった。
【0051】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来のチ
ューナには次の(1)〜(4)のような問題点があった。
【0052】(1) 周波数可変型BPFの前に減衰器や増
幅器を設けないと分波器や分配器のアイソレーションが
確保できないが、周波数可変型BPFの前に減衰器を設
けると受信C/Nが劣化し、増幅器をRけると入力レベ
ルが高まることによって前記周波数可変型BPF以降の
非線形回路(増幅器や周波数変換器)の非線形歪みが劣化
するという問題点があった。
【0053】(2)分波器の高域通過フィルタ及び低域
通過フィルタがそれぞれ最適設計されていても、前述の
ように、チューナ内部に、分波器を構成する場合には、
チューナの小型化のため、各フィルタ間距離が十分に確
保できず、各々のフィルタを構成するインダクタ等が互
いに結合することになる。これにより、高域通過フィル
タと低域通過フィルタのアイソレーションが取れず、遮
断域において互いのインダクタの共振による盛り上がり
や、信号の直接飛び込みによる見掛け上のフィルタの段
数の減少により、減衰特性が悪化する問題点があった。
【0054】(3) 120〜500MHzの範囲で負性抵
抗を発生させ、希望の発振範囲で十分余裕を持って発振
することが困難であり、結果として位相雑音を劣化させ
る問題点があった。
【0055】(4)中間周波数帯のSAWフィルタの実装
方法によって以下の問題が起きる。
【0056】イ) SAWフィルタをチューナの外、すな
わちチューナが実装されるセットのメインボード上に実
装される場合は、メインボード上を伝わる中間周波数帯
の妨害(例えば、デジタル系のノイズや、上り信号)が
直接飛び込む問題が有る。
【0057】ロ) チューナに内蔵する場合は、シールド
効果のあるチューナのシャーシに覆われているため、メ
インボード上の妨害に対しては有利な構成であり、取り
扱いも簡便になるものの、小面積中にSAWフィルタと
高利得増幅器が実装されるため、SAWフィルタの入出
力間のアイソレーションが取り難くなるため、SAWフ
ィルタ外を伝わる信号成分が多くなり、SAWフィルタ
中を伝送した信号との干渉で発生する帯域内リップルが
大きくなる問題があった。
【0058】そこで、本発明は以上の問題に鑑み、広い
周波数帯域に亘って、受信性能を維持及び向上させるこ
とができるチューナ及び分波器を提供することを目的と
するものである。
【0059】より詳しくは、本発明は上記問題点(1)に
鑑み、周波数可変型BPFの前に減衰器や増幅器を設け
ること無しに、これに接続される分波器や分配器のアイ
ソレーションを確保することができるチューナを提供す
ることを目的とする。
【0060】さらに、本発明は上記問題点(2)に鑑み、
分波器を構成する、低域通過フィルタと高域通過フィル
タのアイソレーションを確保し、分離特性の良い分波器
を提供することを目的とする。
【0061】さらに、本発明は上記問題点(3)に鑑み、
希望の発振範囲で十分な負性抵抗を得ることによって、
位相雑音の改善を図ることができるチューナを提供する
ことを目的とする。
【0062】さらに、本発明は上記問題点(4)に鑑み、
中間周波増幅段のSAWフィルタの入出力のアイソレー
ションを確保し、帯域内特性及び遮断特性の良いSAW
フィルタを備えたチューナを提供することを目的とす
る。
【0063】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
るチューナは、入力された高周波信号の受信周波数に同
調する周波数可変型フィルタ手段と、前記周波数可変型
フィルタ手段に前置され、前記受信周波数にほぼ一致す
る、前記周波数可変型フィルタ手段の通過帯域において
は低挿入損失であり、前記受信周波数から外れる、前記
周波数可変型フィルタ手段の反射帯域においては所定の
インピーダンスに調整される周波数可変型終端器と、前
記周波数可変型フィルタ手段を通過した高周波信号とこ
れに対応する局部発振信号とを混合して中間周波信号を
生成する周波数変換手段と、を具備したことを特徴とす
る。
【0064】請求項1の発明においては、周波数可変型
BPFの通過帯域においては低挿入損失であり、かつ周
波数可変型BPFの反射帯域においては所定のインピー
ダンスに調整される周波数可変型終端器を、前記周波数
可変型BPFに前置したことにより、周波数可変型BP
Fの前に減衰器や増幅器を設けること無しに分波器や分
配器のアイソレーションを確保することができるため、
従来技術のように受信C/Nや非線形歪みが劣化すると
いう問題が発生しない。
【0065】請求項2記載の発明は、所定の第1の周波
数以下の信号を通す低域通過フィルタと前記第1の周波
数より高い所定の第2の周波数以上の信号を通す高城通
過フィルタと全帯域通過可能な入出力端子を有し、前記
低域通過フィルタの一端と前記高域通過フィルタの一端
を結合し、該結合点と前記入出力端子を接続し、前記低
域通過フィルタの前記結合点とは異なる側の入力端から
入力した前記第1の周波数以下の信号を前記入出力端子
から出力し、前記入出力端子から入力された前記第2の
周波数以上の信号を前記高域通過フィルタの前記結合点
とは異なる側の出力端から出力する分波器において、前
記低域通過フィルタと前記高域通過フィルタの間にシー
ルド板を具備したことを特徴とする。
【0066】請求項2の発明においては、分波器を構成
する低域通過フィルタと高域通過フィルタの間にシール
ド板を設けた構造とすることにより、分波器の低域通過
フィルタと高域通過フィルタの互いのアイソレーション
が改善し、選択度の良い分波器を得ることができる。
【0067】請求項3記載の発明は、所定の第1の周波
数以下の信号を通す低域通過フィルタと前記第1の周波
数より高い所定の第2の周波数以上の信号を通す高城通
過フィルタと全帯域通過可能な入出力端子を有し、前記
低域通過フィルタの一端と前記高域通過フィルタの一端
を結合し、該結合点と前記入出力端子を接続し、前記低
域通過フィルタの前記結合点とは異なる側の入力端から
入力した前記第1の周波数以下の信号を前記入出力端子
から出力し、前記入出力端子から入力された前記第2の
周波数以上の信号を前記高域通過フィルタの前記結合点
とは異なる側の出力端から出力する分波器において、前
記低域通過フィルタと前記高域通過フィルタを構成する
インダクタの内、前記低域通過フィルタと前記高域通過
フィルタの結合部分に隣接するそれぞれのインダクタを
前記低域通過フィルタと前記高域通過フィルタが実装さ
れた基板に相互に反対面に配置したことを特徴とする。
【0068】請求項3の発明においては、分波器の低域
通過フィルタと高域通過フィルタの結合部に隣り合うそ
れぞれのインダクタを相互に基板の反対面に配置するこ
とにより、分波器の低域通過フィルタと高域通過フィル
タの互いのアイソレーションが改善し、選択度の良い分
波器を得ることができる。
【0069】請求項4記載の発明は、局部発振手段とし
て電圧制御型高周波発振器を備えており、前記高周波発
振器は、トランジスタと少なくとも4つの可変容量ダイ
オードとを備えており、第1の可変容量ダイオードは前
記トランジスタのベース対エミッタ間の容量を可変する
ように接続されており、第2の可変容量ダイオードは前
記トランジスタのエミッタ対コレクタ間あるいはエミッ
タ対接地間の容量を可変するように接続されており、第
3の可変容量ダイオードの一方の端子はコンデンサを介
して前記トランジスタのベースに接続されており、前記
第3の可変容量ダイオードの他方の端子は少なくとも高
周波的に接地されており、第4の可変容量ダイオードの
一方の端子はコンデンサを介して前記トランジスタのベ
ースに接続されており、前記第4の可変容量ダイオード
の他方の端子は少なくとも高周波的にインダクタと接続
されていることを特徴とする。
【0070】請求項4においては、発振器のトランジス
タのベース対エミッタ間の容量を可変するための第1の
可変容量ダイオードと、前記トランジスタのエミッタ対
コレクタ間あるいはエミッタ対接地間の容量を可変する
ための第2の可変容量ダイオードとを備えたことによ
り、希望する発振周波数帯域において十分な負性抵抗を
得ることができるため、位相雑音が改善する。
【0071】請求項5記載の発明は、入力された高周波
信号と局部発振手段からの局部発振信号とを混合して中
間周波信号を生成する周波数変換手段と、前記周波数変
換手段の後段に配され、前記中間周波信号を増幅する第
1の増幅手段と、前記第1の増幅手段で増幅された中間
周波信号を帯域制限する表面弾性波フィルタと、前記表
面弾性波フィルタの後段に配される第2の増幅手段とか
らなる中間周波増幅段を具備したチューナにおいて、前
記表面弾性波フィルタがシールド壁に囲まれたことを特
徴とする。
【0072】請求項5の発明においては、表面弾性波フ
ィルタを、シールド壁で囲まれた専用の領域内に実装し
た構成とすることにより、表面弾性波フィルタの入出カ
アイソレーションが改善し、裾切れが良く帯域内リップ
ルも小さい中間周波増幅段を得ることができる。
【0073】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の
チューナを示すブロック図である。
【0074】図1において、高周波信号は入出力端子1
0から入力され分波器11の高域通過フィルタ(HP
F)11hを通り、UHF/VHF切替スイッチ12に
供給される。UHF/VHF切替スイッチ12では、受
信周波数帯域がUHF帯かVHF帯かによって、一方の
信号経路(13u〜18uの経路、または13v〜18
vの経路)が選択される。
【0075】UHF/VHF切替スイッチ12でUHF
帯が選択されている場合には、周波数可変型終端器13
uを通り、受信周波数に同調した周波数可変型BPF1
4uを介して増幅器15uに入力される。
【0076】前記増幅器15uの出力は周波数可変型B
PF16uを介して混合器17uの一方の入力端に入力
される。混合器17uの他方の入力端には局部発振器1
8uからの発振信号が入力される。
【0077】UHF/VHF切替スイッチ12でVHF
帯が選択されている場合には、周波数可変型終端器13
vを通り、受信周波数に同調した周波数可変型BPF1
4vを介して増幅器15vに入力される。
【0078】前記増幅器15vの出力は周波数可変型B
PF16vを介して混合器17vの一方の入力端に入力
される。混合器17vの他方の入力端には局部発振器1
8vからの発振信号が入力される。
【0079】前記周波数可変型終端器13u,13vの
構成については後述する。
【0080】前記局部発振器18u,18vは電圧制御
型の高周波発振器で構成され、入力端子26からの選局
電圧Vt にて受信周波数に対応した局部発振周波数の信
号が得られるよう制御される。また、選局電圧Vt にて
周波数可変型BPF14u,16u,14v,16vが
制御され、受信周波数に同調した通過周波数帯域が得ら
れるよう制御される。
【0081】混合器17uおよび局部発振器18uはU
HF帯の高周波信号を中間周波信号に変換するUHF帯
側の周波数変換手段を構成し、混合器17v及び局部発
振器18vはVHF帯の高周波信号を中間周波信号に変
換するVHF帯側の周波数変換手段を構成している。
【0082】混合器17uまたは17vからの中間周波
信号は、UHF/VHF切替スイッチ19を経由して、
増幅器21,SAWフィルタ22,及び増幅器23を構
成する中間周波増幅段20に供給され、ここで中間周波
信号の増幅及び中間周波帯域への制限がなされて出力端
子24から出力される。
【0083】入力端子25には図示しないケーブルモデ
ムからの上り信号(家庭→センター方向)が入力され、
分波器11のLPF11lを通って入出力端子10から
出力される。
【0084】前記周波数可変型終端器13u,13vは
ブリッジT型BPFの形態をなしている。以下前記周波
数可変型終端器13uの構成について説明を行う。イン
ダクタLu1とコンデンサCu1は直列共振回路13u-1
を構成している。インダクタLu2とコンデンサCu2
は並列共振回路13u-2を構成している。コンデンサCu
1とコンデンサCu2は可変容量ダイオードを使用し、
前記周波数可変型BPF14uと同様に入力端子26か
らの選局電圧Vtによって容量値が変わり、これによっ
て前記直列共振回路13u-1および並列共振回路13u-2の共
振周波数が変化する。前記2つの共振周波数の共振回路
13u-1,13u-2の受信周波数と一致させることにより、受
信周波数において、前記直列共振回路13u-1は短絡イン
ピーダンスを呈し、前記並列共振回路13u-2は開放イン
ピーダンスを呈するため、挿入損失が殆ど零で前記周波
数可変型BPF14uに入力される。受信周波数から周
波数が離れるに従って、前記直列共振回路13u-1は次第
に開放インピーダンスを呈していき、一方前記並列共振
回路13u-2は短絡インピーダンスを呈していくため、前
記周波数可変型終端器13uの入力および出力端子は終
端抵抗器Ru1および終端抵抗器Ru2で終端される。
終端抵抗器Ru1,Ru2は、CATVなどの場合は、
75Ω程度が選ばれる。なお、前記周波数可変型終端器
13vの構成についても上記と同様である。
【0085】図2に前記周波数可変型終端器13u以降
の入力端反射損失を示す。横軸に周波数(MHz )を、
縦軸に反射損失(dB)をとってある。
【0086】図2から分かるように、前記周波数可変型
終端器13uの入力端反射損失は、後段の周波数可変型
BPF14uのインピーダンスによらず、受信周波数以
外の周波数帯域においても良好である。
【0087】以上説明した通り、図1の分波器11のH
PF11hの出力端子には、受信周波数によらずほぼ一
定(例えば76Ω)のインピーダンスを有した回路が接
続される。また、上り信号入力端子25から入力された
上り信号は分波器11のLPF11l を通って入出力端
子10から出力される。この場合、前記周波数可変型終
端器13u以降のインピーダンスがほぼ一定で有るた
め、前記分波器11のHPF11hおよびLPF11l
は優れた特性を得ることができ、HPF11hの出力端
子とLPF11l の入力端子は十分なアイソレーション
を確保できる。
【0088】図3は本発明の第2の実施の形態のチュー
ナを示すブロック図である。
【0089】図3の実施の形態では、高周波信号は入力
端子30から分配器31に入力され、分配器31の第1
の出力端子はUHF/VHF切替スイッチ32以降の回
路に接続され、分配器31の第2の出力端子36は別の
メディアに対応した図示しないチューナに接続される。
【0090】UHF/VHF切替スイッチ31では、受
信周波数の帯域がUHF帯かVHF帯かによって、一方
の信号経路(33u〜38uの経路、または33v〜3
8vの経路)が選択される。図1とは、周波数可変型終
端器33u,33vの構成が主に異なっている。
【0091】UHF帯の経路における周波数可変型終端
器33u,周波数可変型BPF34u,増幅器35u,
周波数可変型BPF36u,混合器37u,及び局部発
振器38uは、図1における周波数可変型終端器13
u,周波数可変型BPF14u,増幅器15u,周波数
可変型BPF16u,混合器17u,及び局部発振器1
8uと同様である。また、VHF帯の経路における周波
数可変型終端器33v,周波数可変型BPF34v,増
幅器35v,周波数可変型BPF36v,混合器37
v,及び局部発振器38vは、図1における周波数可変
型終端器13v,周波数可変型BPF14v,増幅器1
5v,周波数可変型BPF16v,混合器17v,及び
局部発振器18vと同様である。選局電圧Vt の入力端
子37についても、図1の入力端子26と同様であり、
入力端子37からの選局電圧Vt にて受信周波数に応じ
て、前記局部発振器38u,38vの局部発振周波数を
制御すると共に、周波数可変型BPF34u,36u,
34v,36vの通過帯域を制御するようになってい
る。(なお、VHF帯域用周波数可変型BPF34v,
36vは2つの周波数帯域(VHFロー帯,VHFハイ
帯)に分割することが多いがここではVHF帯とし省略
している。) 混合器37uまたは37vからの中間周波信号は、UH
F/VHF切替スイッチ39を経由して、増幅器41,
SAWフィルタ42,及び増幅器43で構成される中間
周波増幅段40に供給され、ここで中間周波信号の増幅
及び中間周波帯域への制限がなされて出力端子44から
出力される。
【0092】前記周波数可変型終端器33uは、インダ
クタLu3及びコンデンサCu3の並列共振回路33u-1
と、抵抗器Ru3とを直列接続し、該直列接続回路を切
替えスイッチ39のUHF側出力端子と基準電位点との
間に接続して構成されている。コンデンサCu3は後述
のコンデンサCv3と同様に可変容量ダイオードを使用
し、その容量値が選局電圧Vt により受信周波数に応じ
て可変されるようになっている。インダクタLu3とコ
ンデンサCu3で構成される並列共振回路33u-1は、受
信周波数で開放インピーダンスを呈し、受信周波数から
周波数が離れるに従って前記並列共振回路33u-1は次第
に短絡インピーダンスを呈していく。従って、周波数可
変型BPF34uの受信周波数帯域外が開放インピーダ
ンスを呈するような回路の場合は、前記周波数可変型終
端器Ru3で終端されることによって、周波数可変終端
器33u以降の入力端反射損失は図2と同様な特性を得
ることができる。
【0093】なお、VHF帯域用周波数可変型終端器3
3vは、インダクタLv3,Lv3′とコンデンサCv
3の並列共振回路33v-1と、抵抗器Ru3とを直列接続
し、かつインダクタLv3′の両端を開放又は短絡する
スイッチSWを設けて、この直列接続回路を切替えスイ
ッチ39のUHF側出力端子と基準電位点との間に接続
して構成されている。スイッチSWは、VHF帯の2つ
の周波数帯域(VHFロー帯,VHFハイ帯)を切り替
えるのに使用される。
【0094】前記コンデンサCu3,Cv3には、選局
電圧Vt によって容量値が変わる可変容量ダイオードが
用いられる。
【0095】以上説明した周波数可変型終端器33u,
33vが前記分配器31の一方の出力端子に接続され、
他方の出力端子36にも入力端反射損失が良好な回路を
接続することにより、前記分配器31の2つの出力端子
間アイソレーションが十分確保できる。
【0096】図4は本発明の第3の実施の形態のチュー
ナに用いられる分波器を示す回路図、図5はチューナ内
に図4の分波器を配設した状態の斜視図、図6は図5の
A−A線断面図であり、シールド枠40内には分波器1
1を搭載した配線基板42が収納され、シールド枠40
の上部及び下部には金属製の蓋体44,43が配設され
ている。
【0097】図4において、分波器11は、上り信号を
通し下り帯域を遮断する低域通過フィルタ(LPF部)
と、上り帯域を遮断し下り信号を通す高域通過フィルタ
(HPF部)から構成され、ケーブルモデムを含む端末
では、図1に示したようにチューナ内部の入力部に構成
されている。LPF部は、入出力端子10と入力端子2
5との間に接続したインダクタLL1 ,LL2 ,…,L
Ln と、各インダクタLL1 ,LL2 ,…,LLn の接
続点と基準電位点間及び入力端子25と基準電位点間に
接続したコンデンサCL1 ,CL2 ,…,CLn と、各
インダクタLL2 ,LL3 ,…,LLn に並列接続した
コンデンサCL12,C13,…,CLn とで構成されてい
る。HPF部は、入出力端子10に直列接続したコンデ
ンサCH1 ,CH2 ,…,CHn+1と、各コンデンサC
H1 ,CH2 ,…,CHn+1の接続点と基準電位点間に
接続した、コンデンサCH11とインダクタLH1 ,コン
デンサCH12とインダクタLH2 ,…,コンデンサCH
1nとコンデンサLHn の各直列回路とから構成されてい
る。
【0098】そして、図5及び図6にも示されるよう
に、HPF部のインダクタLH1〜LHnと、LPF部
のインダクタLL1〜LLnを分離するように、HPF
部とLPF部間にシールド板41が設けられており、H
PF部内及びLPF部内の各インダクタは、それぞれ互
いに結合し難い向きに配置されているものとする。
【0099】上記の構成にすることにより、HPF部の
インダクタとLPF部のインダクタの相互誘導による空
間的な結合が無くなり、各フィルタの減衰域の減衰特性
の劣化を無くすことが可能となる。
【0100】図7は本発明の第4の実施の形態のチュー
ナに配設した分波器の断面図であり、シールド枠40内
には分波器11を搭載した配線基板42が収納され、シ
ールド枠40の上部及び下部には金属製の蓋体44,4
3が配設されている。
【0101】図7において、図中LH1は、HPF部の
インダクタLH1〜LHnのうちLPF部との結合部に
最も近いインダクタであり、LL1はLPF部のインダ
クタLL1〜LLnのうちHPF部との結合部に最も近
いインダクタを示す。HPF部の前記インダクタLH1
を基板42の表面に、LPF部の前記インダクタLL1
を基板42の裏面に配設した。なお、HPF部内及びL
PF部内の各インダクタは、それぞれ互いに結合し離い
向きに配置されているものとする。
【0102】上記の構成にすることにより、結合し易い
位置関係にある結合部に最も近いインダクタ同士が結合
し難くなるため、遮断域の減衰特性の劣化を抑えること
が可能となる。図7の実施の形態では、HPF部のイン
ダクタLH1を基板42の表面に、LPF部のインダク
タLL1を基板42の裏面に配したが、HPF部のイン
ダクタLH1を基板42の裏面、LPF部のインダクタ
LL1を基板42の表面に配しても同様の効果を得るこ
とができる。また、図7では、基板裏面のインダクタL
L1を基板表面同様に空芯コイルで示したが、表面実装
可能なチップタイプのインダクタを使用しても良い。
【0103】なお、図4〜図6に示したシールド板の配
置、及び図7に示したような基板42の表裏面における
インダクタの配置、の両方を併用することも本発明に係
わるもう1つの実施の形態であり、HPFとLPFのア
イソレーションを取る上で、効果的な実施の形態とな
る。
【0104】図8は本発明の第5の実施の形態のチュー
ナにおける局部発振器を示す回路図である。この図に示
す高周波発振器はコレクタ接地型と呼ばれる回路であ
る。図22と同一部分には同一符号を付してある。
【0105】図8において、高周波発振器は、トランジ
スタQ1 のベースと基準電位点間にコンデンサC1 ,C
2 を接続し、エミッタをコンデンサC1 ,C2 の接続点
に接続する一方抵抗R1 を介して基準電位点に接続し、
コレクタを直流電圧Vccの電源端子50に接続する一方
コンデンサC3 を介して基準電位点に接続し、電源端子
50の直流電圧Vccを抵抗R2 ,R3 で分圧した電圧を
Q1 のベースに供給するようにしている。
【0106】Q1 のベースとエミッタ間には、コンデン
サC21,第1の可変容量ダイオードCv11及びコンデン
サC22からなる直列回路を接続し、Q1 のエミッタと基
準電位点間には、コンデンサC23及び第2の可変容量ダ
イオードCv12からなる直列回路を接続している。
【0107】Q1 のベースは、コンデンサC4 を介して
第3,第4の可変容量ダイオードCv1及びCv2の各カソ
ードに接続し、Cv1のアノードはコンデンサC5 と抵抗
R4の並列回路を介して基準電位点に接続し、選局電圧
Vt の入力端子51がコンデンサC6 を介して基準電位
点に接続する一方抵抗R5 を介して第3,第4の可変容
量ダイオードCv1及びCv2の各カソードの接続点に接続
し、選局電圧Vt が可変容量ダイオードCv1及びCv2の
各カソードに供給されるようになっている。また、前記
コンデンサC21と前記第1の可変容量ダイオードCv11
のアノードの接続点は抵抗R21を介して基準電位点に接
続しており、選局電圧Vt の入力端子51が抵抗R22を
介して第1の可変容量ダイオードCv11のカソードに接
続する一方抵抗R23を介して前記第2の可変容量ダイオ
ードCv12のカソードに接続し、選局電圧Vt が第1,
第2の可変容量ダイオードCv11及びCv12の各カソード
に供給されるようになっている。
【0108】前記第4の可変容量ダイオードCv2のアノ
ードは、インダクタL1 ,コンデンサC7 ,及びインダ
クタL2 を直列接続してなる共振回路の一端に接続し、
該共振回路の他端は抵抗R11を介して直流電圧Vccの電
源端子53に接続している。前記インダクタL1 とコン
デンサC7 の接続点は抵抗R7 を介して基準電位点に接
続し、前記コンデンサC7 とインダクタL2 の接続点は
スイッチ用ダイオードD1 のカソードに接続し、そのア
ノードはコンデンサC8 を介して基準電位点に接続する
一方抵抗R8 を介して周波数帯域切替え制御信号SWの
入力端子52に接続している。前記入力端子52は抵抗
R9 とコンデンサC9 の並列回路を介して基準電位点に
接続し、インダクタL2 と抵抗R11の接続点はコンデン
サC10と抵抗R10の並列回路を介して基準電位点に接続
し、電源端子53はコンデンサC11を介して基準電位点
に接続している。
【0109】図8に示された回路においては、第1の可
変容量ダイオードCv11はトランジスタQ1 のベース対
エミッタ間の容量値を可変するように接続されており、
第2の可変容量ダイオードCv12は前記トランジスタQ1
のエミッタ対基準電位点間の容量値を可変するように
接続されている。第3,第4の可変容量ダイオードCv
1,Cv2はそれぞれ、図22の従来例におけるCv1,Cv
2と同一のものである。
【0110】共振回路のインダクタL1 とL2 をダイオ
ードD1 により切り換えて、概ね120〜250MHz
と250〜500MHzの2つの発振周波数範囲を共通
のトランジスタQ1 でカバーしている。
【0111】バンド切替え制御電圧SWのロジックが
“ロー(Low )”の場合にダイオードD1 が開放インピ
ーダンスになり、選局電圧Vt の印加電圧を可変するこ
とにより120〜250MHzで発振する。反対にバン
ド切替え制御電圧SWのロジックが“ハイ(High)”の
場合にダイオードD1 が短絡インピーダンスになり、選
局電圧Vt の印加電圧を可変することにより250〜5
00MHzで発振する。
【0112】言い換えると、選局電圧Vtが約1Vの場
合にSWのロジックが“ロー”の場合は120MHzで
発振し、SWのロジックが“ハイ”の場合は250MH
zで発振するためには、選局電圧Vtが1Vのときに1
20〜250MHzまでの周波数範囲で負性抵抗が必要
になる。また、選局電圧Vtが約25Vの場合にSWの
ロジックが“ロー”の場合は250MHzで発振し、S
Wのロジックが“ハイ”の場合は500MHzで発振す
るためには、選局電圧Vtが25Vのときに250〜5
00MHzまでの周波数範囲で負性抵抗が必要になる。
【0113】図8の回路によれば、図9に示されるよう
に希望発振範囲で十分な負性抵抗を得ることができる。
【0114】図9に、図8の回路におけるコンデンサC
4 からトランジスタQ1 のベース側を見た場合の負性抵
抗を示す。実線の曲線AはVtの印加電圧が1Vの場合
の負性抵抗を示し、点線の曲線BはVtの印加電圧が2
5Vの場合の負性抵抗を示す。Vtの印加電圧を1Vか
ら25Vまで次第に上昇させると負性抵抗の曲線は図9
の実線の曲線Aから点線の曲線Bに次第に変化してい
く。このように、図22の従来のチューナにおけるC4
からQ1 のベース側を見た場合の負性抵抗が、選局電圧
Vt の変化に関係なく図23のように変化する特性であ
るのに対して、図8のチューナでは選局電圧Vt の1〜
25Vの変化に対して図9のように選局電圧Vtが1V
のときに120〜250MHzまでの周波数範囲で負性
抵抗が変化し、選局電圧Vtが25Vのときに250〜
500MHzまでの周波数範囲で負性抵抗が変化する。
結果として、希望発振範囲で十分な負性抵抗を得て、位
相雑音の劣化を抑えることができる。
【0115】図10は本発明の第6の実施の形態のチュ
ーナにおける局部発振器を示す回路図である。この図に
示す回路は、図8の回路と同様にコレクタ接地型の高周
波発振器である。
【0116】図10において、図8の回路と異なる点
は、第2の可変容量ダイオードCv12をトランジスタQ1
のエミッタ対コレクタ間の容量値を可変するように接
続したことである。また、図8に対して、選局電圧Vt
を供給する手段に関する変更を行った例を示している。
【0117】図10の構成を以下に説明する。高周波発
振器は、トランジスタQ1 のベースと基準電位点間にコ
ンデンサC1 ,C2 を接続し、エミッタをコンデンサC
1 ,C2 の接続点に接続する一方抵抗R1 を介して基準
電位点に接続し、コレクタを直流電圧Vccの電源端子5
0に接続する一方コンデンサC3 を介して基準電位点に
接続し、電源端子50の直流電圧Vccを抵抗R2 ,R3
で分圧した電圧をQ1のベースに供給するようにしてい
る。
【0118】Q1 のベースとエミッタ間には、コンデン
サC21及び第1の可変容量ダイオードCv11からなる直
列回路を接続し、Q1 のエミッタとコレクタ間には、第
2の可変容量ダイオードCv12及びコンデンサC23から
なる直列回路を接続している。
【0119】Q1 のベースは、コンデンサC4 ,C5 を
介して第3の可変容量ダイオードCv1のカソードに接続
し、Cv1のアノードはコンデンサC5 と抵抗R4 の並列
回路を介して基準電位点に接続している。Q1 のベース
は、コンデンサC4 を介して第4の可変容量ダイオード
Cv2のカソードに接続し、Cv2のアノードは抵抗R7を
介して基準電位点に接続する一方インダクタL1 ,コン
デンサC7 ,及びインダクタL2 を直列接続してなる共
振回路の一端に接続し、該共振回路の他端は抵抗R11を
介して直流電圧Vccの電源端子53に接続している。
【0120】選局電圧Vt の入力端子51はコンデンサ
C6 を介して基準電位点に接続する一方、抵抗R4 を介
して第3の可変容量ダイオードCv1のカソードに接続
し、かつ抵抗R5 を介して第4の可変容量ダイオードC
v2のカソードに接続し、選局電圧Vt が可変容量ダイオ
ードCv1及びCv2の各カソードに供給されるようになっ
ている。
【0121】また、前記コンデンサC21と前記第1の可
変容量ダイオードCv11のアノードの接続点は抵抗R21
を介して基準電位点に接続しており、さらに前記コンデ
ンサC23と前記第2の可変容量ダイオードCv12のアノ
ードの接続点は抵抗R23を介して基準電位点に接続して
おり、選局電圧Vt の入力端子51が抵抗R22を介して
第1,第2の可変容量ダイオードCv11及びCv12の各カ
ソードに接続し、選局電圧Vt が第1,第2の可変容量
ダイオードCv11及びCv12の各カソードに供給されるよ
うになっている。
【0122】前記コンデンサC7 とインダクタL2 の接
続点はスイッチ用ダイオードD1 のカソードに接続し、
そのアノードはコンデンサC8 を介して基準電位点に接
続する一方抵抗R8 を介して周波数帯域切替え制御信号
SWの入力端子52に接続している。前記入力端子52
は抵抗R9 とコンデンサC9 の並列回路を介して基準電
位点に接続し、インダクタL2 と抵抗R11の接続点はコ
ンデンサC10と抵抗R10の並列回路を介して基準電位点
に接続し、前記電源端子53はコンデンサC11を介して
基準電位点に接続する構成となっている。図10の作用
効果は、図8と同様である。
【0123】図11は本発明の第7の実施の形態のチュ
ーナにおける中間周波増幅段の構成を示すブロック図、
図12はその構造を示す斜視図である。
【0124】本実施の形態は、図1又は図3における中
間周波増幅段20又は40の改善に関するものである。
【0125】図11の中間周波増幅段は、入力端子61
と出力端子66間に、第1の増幅手段としての増幅器6
2と、例えば金属製パッケージのSAWフィルタ63
と、第2の増幅手段としての増幅器65と、が直列に接
続している。ここで、SAWフィルタ63は、シールド
壁64で囲んだ構成としている。
【0126】図示しない周波数変換手段からの中間周波
信号は入力端子61に供給され、該中間周波信号は増幅
器62で増幅された後、SAWフィルタ63で所定の中
間周波帯域に制限される。その後さらに増幅器65で中
間周波増幅され、出力端子66にチューナ出力として取
り出される。
【0127】図12に示すように、SAWフィルタ63
の周りをシールド壁64で囲んだ構成となっており、各
シールド壁64とも少なくとも一部が配線基板65の表
面の接地パターンに半田付けされているか、基板65の
裏面に貫通し、基板65の裏面の接地パターンと半田付
けされているものとする。
【0128】以上の構成にすることにより、SAWフィ
ルタ63の周囲が低インピーダンスであるシールド壁6
4で仕切られることにより、回路パターンを介してSA
Wフィルタ63の入力端子から出力端子に回り込む信号
が少なくなり、更に、シールドされたSAWフィルタ6
3の領域で前段の増幅器62と後段の増幅器65が隔て
られることにより、増幅器65の出力から増幅器62の
入力に回り込む信号も減少するため、SAWフィルタ6
3の遮断域の減衰特性および、帯域内リップル特性の劣
化を抑えることが可能になる。
【0129】なお、図11及び図12の実施の形態で
は、SAWフィルタ63は金属パッケージの場合を示し
ているが、図13及び図14に示すようなプラスチック
パッケージのSAWフィルタでも同様の効果を得ること
ができる。
【0130】図13は本発明の第8の実施の形態のチュ
ーナにおける中間周波増幅段の他の構成例を示す斜視
図、図14は図13におけるA−A線断面図である。本
例では、図12における金属性パッケージのSAWフィ
ルタ63に代えて、プラスチックパッケージのSAWフ
ィルタ70を配設したものであり、しかも図13及び図
14では、一定の厚みを有し、基板65の表面に対して
垂直方向に伸びた縦型のプラスチックパッケージのSA
Wフィルタ70が配設されている。
【0131】縦型のプラスチックパッケージのSAWフ
ィルタ70の場合、図14に示すようにSAWフィルタ
70の傾きを変えることができるため、パッケージとシ
ールド壁64の距離により、パッケージ内にあるSAW
フィルタの表面パターンとシールド壁64とで形成され
る静電容量が変わり、SAWフィルタの人出カインピー
ダンスを微調整することができる。すなわち、SAWフ
ィルタ70の傾きを変えることによりSAWフィルタの
通過帯域特性の微調整が可能になる。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、広
い周波数帯域に亘って、受信性能を維持及び向上させる
ことができる。特に、広い周波数帯域に亘って反射損失
が良好であり、分波器や分配器のアイソレーションを確
保することができ、分波器を構成する、低域通過フィル
タと高域通過フィルタの電磁的に結合し易い部分を分離
できるようにして両フィルタ間のアイソレーションを確
保し、分離特性の良い分波器を得ることができ、さらに
希望の発振範囲で十分な負性抵抗を得ることによって、
高周波発振器の位相雑音による劣化を抑えることがで
き、中間周波増幅段のSAWフィルタの入出力のアイソ
レーションを確保し、帯域内特性及び遮断特性の良いS
AWフィルタを得ることができるため、良好な特性を持
ったチューナを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のチューナを示すブ
ロック図。
【図2】図1の周波数可変型終端器以降の入力端反射損
失を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態のチューナを示すブ
ロック図。
【図4】本発明の第3の実施の形態のチューナにおける
分波器を示す回路図。
【図5】図4の分波器をチューナ内に配設した状態の斜
視図。
【図6】図5のA−A線断面図。
【図7】本発明の第4の実施の形態のチューナにおける
分波器の断面図。
【図8】本発明の第5の実施の形態のチューナにおける
局部発振器を示す回路図。
【図9】図8における、コンデンサC4 からQ1 のベー
ス側を見た場合の負性抵抗を示す図。
【図10】本発明の第6の実施の形態のチューナにおけ
る局部発振器を示す回路図。
【図11】本発明の第7の実施の形態のチューナにおけ
る中間周波増幅段の構成を示すブロック図。
【図12】図11の構造を示す斜視図。
【図13】本発明の第8の実施の形態のチューナにおけ
る中間周波増幅段の他の構成例を示す斜視図。
【図14】図13のA−A線断面図。
【図15】一般的な双方向のCATV送受信システムを
示すブロック図。
【図16】従来例のチューナを示すブロック図。
【図17】図16の周波数可変型BPFの入力端反射損
失を示す図。
【図18】他の従来例のチューナを示すブロック図。
【図19】図16のチューナに用いられる分波器を示す
回路図。
【図20】図19の分波器をチューナ内に配設した状態
の斜視図。
【図21】図20のA−A線断面図。
【図22】従来例のチューナ内の局部発振器を示す回路
図。
【図23】図22における、コンデンサC4 からQ1 の
ベース側を見た場合の負性抵抗を示す図。
【図24】従来例のチューナ内の中間周波増幅段の構成
を示すブロック図。
【図25】図24の構造を示す斜視図。
【符号の説明】
10…入出力端子 11…分波器 11h…高域通過フィルタ(HPF) 11l…低域通過フィルタ(LPF) 12,32…UHF/VHF切替えスイッチ 13u,l3v,23u,33v…周波数可変型終端器 14u,14v,34u,34v…周波数可変型BPF
(周波数可変型フィルタ手段) 15u,15v,35u,35v…増幅器 18u,18V,38u,38V…局部発振器(高周波
発振器) 20,40…中間周波増幅段 21,41,62…増幅器(第1の増幅手段) 22,42,63,70…表面弾性波フィルタ(SAW
フィルタ) 23,43,65…増幅器(第2の増幅手段) 25…入出力端子 31…分配器 40…シールド枠 41…シールド板 42…基板 64…シールド壁 LH1,LH2,…,LHn…HPF側インダクタ LL1,LL2,…,LLn…LPF側インダクタ Q1 …トランジスタ Cv11…第1の可変容量ダイオード Cv12…第2の可変容量ダイオード Cv1 …第3の可変容量ダイオード Cv2 …第4の可変容量ダイオード
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月7日(1999.5.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図14】
【図24】
【図3】
【図4】
【図7】
【図9】
【図11】
【図12】
【図8】
【図10】
【図13】
【図17】
【図20】
【図21】
【図23】
【図25】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図22】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C025 AA25 DA01 DA04 5C064 BA01 BB05 BC13 BC14 BC20 5K020 AA02 AA03 AA05 BB09 DD03 DD21 EE01 EE04 GG04 GG22 HH02 HH11 HH12 MM03 MM05 MM12 MM13 5K062 AA06 AB01 AB06 AC02 AD04 BB03 BB09 BB13 BC02 BC04 BC11 BE08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された高周波信号の受信周波数に同調
    する周波数可変型フィルタ手段と、 前記周波数可変型フィルタ手段に前置され、前記受信周
    波数にほぼ一致する、前記周波数可変型フィルタ手段の
    通過帯域においては低挿入損失であり、前記受信周波数
    から外れる、前記周波数可変型フィルタ手段の反射帯域
    においては所定のインピーダンスに調整される周波数可
    変型終端器と、 前記周波数可変型フィルタ手段を通過した高周波信号と
    これに対応する局部発振信号とを混合して中間周波信号
    を生成する周波数変換手段と、 を具備したことを特徴とするチューナ。
  2. 【請求項2】所定の第1の周波数以下の信号を通す低域
    通過フィルタと前記第1の周波数より高い所定の第2の
    周波数以上の信号を通す高城通過フィルタと全帯域通過
    可能な入出力端子を有し、前記低域通過フィルタの一端
    と前記高域通過フィルタの一端を結合し、該結合点と前
    記入出力端子を接続し、前記低域通過フィルタの前記結
    合点とは異なる側の入力端から入力した前記第1の周波
    数以下の信号を前記入出力端子から出力し、前記入出力
    端子から入力された前記第2の周波数以上の信号を前記
    高域通過フィルタの前記結合点とは異なる側の出力端か
    ら出力する分波器において、 前記低域通過フィルタと前記高域通過フィルタの間にシ
    ールド板を具備したことを特徴とする分波器。
  3. 【請求項3】所定の第1の周波数以下の信号を通す低域
    通過フィルタと前記第1の周波数より高い所定の第2の
    周波数以上の信号を通す高城通過フィルタと全帯域通過
    可能な入出力端子を有し、前記低域通過フィルタの一端
    と前記高域通過フィルタの一端を結合し、該結合点と前
    記入出力端子を接続し、前記低域通過フィルタの前記結
    合点とは異なる側の入力端から入力した前記第1の周波
    数以下の信号を前記入出力端子から出力し、前記入出力
    端子から入力された前記第2の周波数以上の信号を前記
    高域通過フィルタの前記結合点とは異なる側の出力端か
    ら出力する分波器において、 前記低域通過フィルタと前記高域通過フィルタを構成す
    るインダクタの内、前記低域通過フィルタと前記高域通
    過フィルタの結合部分に隣接するそれぞれのインダクタ
    を前記低域通過フィルタと前記高域通過フィルタが実装
    された基板に相互に反対面に配置したことを特徴とする
    分波器。
  4. 【請求項4】局部発振手段として電圧制御型高周波発振
    器を備えており、 前記高周波発振器は、トランジスタと少なくとも4つの
    可変容量ダイオードとを備えており、第1の可変容量ダ
    イオードは前記トランジスタのベース対エミッタ間の容
    量を可変するように接続されており、第2の可変容量ダ
    イオードは前記トランジスタのエミッタ対コレクタ間あ
    るいはエミッタ対接地間の容量を可変するように接続さ
    れており、第3の可変容量ダイオードの一方の端子はコ
    ンデンサを介して前記トランジスタのベースに接続され
    ており、前記第3の可変容量ダイオードの他方の端子は
    少なくとも高周波的に接地されており、第4の可変容量
    ダイオードの一方の端子はコンデンサを介して前記トラ
    ンジスタのベースに接続されており、前記第4の可変容
    量ダイオードの他方の端子は少なくとも高周波的にイン
    ダクタと接続されていることを特徴とするチューナ。
  5. 【請求項5】入力された高周波信号と局部発振手段から
    の局部発振信号とを混合して中間周波信号を生成する周
    波数変換手段と、前記周波数変換手段の後段に配され、
    前記中間周波信号を増幅する第1の増幅手段と、前記第
    1の増幅手段で増幅された中間周波信号を帯域制限する
    表面弾性波フィルタと、前記表面弾性波フィルタの後段
    に配される第2の増幅手段とからなる中間周波増幅段を
    具備したチューナにおいて、 前記表面弾性波フィルタがシールド壁に囲まれたことを
    特徴とするチューナ。
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