JP2000306526A - 偏向ヨークおよび陰極線管 - Google Patents

偏向ヨークおよび陰極線管

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JP2000306526A
JP2000306526A JP11110572A JP11057299A JP2000306526A JP 2000306526 A JP2000306526 A JP 2000306526A JP 11110572 A JP11110572 A JP 11110572A JP 11057299 A JP11057299 A JP 11057299A JP 2000306526 A JP2000306526 A JP 2000306526A
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coil
coil circuit
coils
series
slider
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JP11110572A
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Toshiya Takagishi
敏哉 高岸
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 I型コアおよびこれに巻装されるコイルを不
使用としてコンバージェンスVCRと上下ピン歪みの補
正を実現しようとすると、左右非対称によるミスコンバ
ージェンス(TLV)の補正手段を失ってしまう。 【解決手段】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
互いに対向するように第1,第2のC型コアを配置す
る。第1のC型コアにはコイルL1,L2を、第2のC
型コアにはコイルL3,L4を巻装する。コイルL1,
L3を直列に接続して第1のコイル回路4を構成し、コ
イルL2,L4を直列に接続して第2のコイル回路5を
構成する。第1のコイル回路4を垂直偏向コイルLv,
lvに対して直列に接続する一方、第1,第2のコイル
回路4,5を直列に接続する。また、第1,第2のコイ
ル回路4,5に可変抵抗VR1を並列に接続し、かつそ
の摺動子S1を第1,第2のコイル回路4,5の接続点
P1に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏向ヨークおよび
陰極線管に関し、特にテレビジョン受像機やディスプレ
イモニター等で使用するカラー陰極線管に用いられる偏
向ヨークおよびこの偏向ヨークを用いたカラー陰極線管
に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管においては、電子銃から
出射される3本の電子ビームの進行方向を上下左右に偏
向することにより、画面上にカラー画像を組み立ててい
る。電子ビームの偏向には、水平偏向コイルと垂直偏向
コイルを有する偏向ヨークが用いられる。
【0003】偏向ヨークは、陰極線管のネック部からフ
ァンネル部に至る、コーン部と呼ばれる部分に装着され
る。この偏向ヨークにおいては、電子銃から出射される
3本の電子ビームの軌道上に、上記水平偏向コイルに水
平偏向電流を、上記垂直偏向コイルに垂直偏向電流をそ
れぞれ流すことにより偏向磁界を形成し、この偏向磁界
によって電子ビームを上下左右に偏向している。
【0004】ところで、カラー陰極線管の場合は、R
(赤),G(緑),B(青)の各色に対応する3本の電
子ビームを色選別電極(アパーチャグリル、シャドウマ
スク等)の一点に集中(コンバージェンス)させること
で、画面上に所望のカラー画像を再現している。ただ
し、3本の電子ビームが色選別電極の一点に集中しな
い、いわゆるミスコンバージェンスが発生すると、これ
が画面上での色ズレや色ムラとなって現れる。
【0005】カラー陰極線管におけるミスコンバージェ
ンスの形態には種々のものがある。その一例として、緑
の蛍光体を光らせる電子ビームをセンタービームG、
赤,青の蛍光体を光らせる各電子ビームをサイドビーム
R,Bとするインライン配列の電子銃を有するもので
は、図10(a),(b)に示す形態のミスコンバージ
ェンスが発生する場合がある。
【0006】図10(a)に示す形態のミスコンバージ
ェンスは、画面水平軸Hを境にした一方(画面の上側)
と他方(画面の下側)でサイドビームB,Rの列順が、
例えば一方(画面の上側)はB−R、他方(画面の下
側)はR−Bの如き上下で非対称となるミスコンバージ
ェンス(以下、YCHとも記す)である。一方、図10
(b)に示す形態のミスコンバージェンスは、画面垂直
軸V上での左側(画面の上側)と右側(画面の上側)の
サイドビームR,Bの列順が、例えば左側(画面の上
側)はB−R、右側(画面の上側)はR−Bの如き左右
で非対称となるミスコンバージェンス(以下、TLVと
も記す)である。このようなYCHやTLVは、偏向ヨ
ークを構成する部品のバラツキや、これを組み立てる際
の寸法のバラツキ、さらには陰極線管と偏向ヨークの中
心ズレ等によって発生する。
【0007】特に、近年においては、陰極線管が広角化
される一方、高画質化の要求が高まっているが、陰極線
管を広角化すると、偏向ヨークの磁界歪量を大きくする
必要があることから、上述の如き非対称によるミスコン
バージェンス(以下、非対称ミスコンと略称)の感度が
大きくなってしまう。そのため、このようなカラー陰極
線管に搭載される偏向ヨークには、非対称ミスコンを補
正するための手段が必要とされている。
【0008】従来、非対称ミスコンを補正する手段とし
て、偏向コイルの外部より磁性片を装着し、垂直偏向磁
界の上下,左右のバランスを調整することにより補正す
る方法が知られている。しかし、この方法では補正量に
限界があるうえ、水平偏向磁界に悪影響を与えるという
不都合がある。そこで、そうした不具合を解消する他の
補正手段として、垂直偏向電流が流されるコマ収差補正
コイルを用いて補正する方法がある。
【0009】図7はコマ収差補正コイルを備えた偏向ヨ
ークの構造を示すもので、図中(a)はこれを陰極線管
のネック側から見た図、(b)はこれを側方から見た図
である。図示した偏向ヨーク50においては、そのヨー
ク本体部を構成するコイル巻線用のヨークコア51の近
傍に、垂直軸Y上で互いに対向する一対のC型コア52
a,52bと、水平軸X上で互いに対向する一対のI型
コア53a,53bとが配設されている。このうち、ヨ
ークコア51部分には図示せぬ垂直偏向コイルと水平偏
向コイルが巻装されている。また、一対のC型コア52
a,52bにはコマ収差補正用のコイルL51,L52
が巻装され、一対のI型コア53a,53bにもコマ収
差補正用のコイルL53,L54が巻装されている。
【0010】図8は従来の偏向ヨークのコイル接続状態
を示す図である。図8において、コイルL51,L52
は接続点P1をもって互いに直列に接続され、これによ
って第1のコイル回路54が構成されている。また、コ
イルL53,L54は接続点P2をもって互いに直列に
接続され、これによって第2のコイル回路55が構成さ
れている。これら第1,第2のコイル回路54,55は
接続点P3をもって直列に接続され、かつ上記接続点P
3と反対側で第2のコイル回路55が接地されている。
また、第1のコイル回路54は、垂直走査のための垂直
偏向磁界を形成する垂直偏向コイルLv,Lvに対して
直列に接続されている。さらに、第1のコイル回路54
には第1の可変抵抗VR1が並列に接続され、第2のコ
イル回路55には第2の可変抵抗VR2が並列に接続さ
れている。第1の可変抵抗VR1の摺動子S1はコイル
L51,L52の接続点P1に接続され、第2の可変抵
抗VR2の摺動子S2はコイルL53,L54の接続点
P2に接続されている。
【0011】上記構成の偏向ヨークを装着した陰極線管
においては、図示せぬ水平偏向コイルに水平偏向電流
(ノコギリ波電流)が流れる一方、垂直偏向コイルL
v,Lvに垂直偏向電流(ノコギリ波電流)が流れる。
このとき、垂直偏向コイルLv,Lvに対して第1のコ
イル回路54が直列に接続され、さらに第1のコイル回
路54に第2のコイル回路55が直列に接続されている
ことから、第1,第2のコイル回路54,55には、垂
直偏向コイルLv,Lvを通して垂直偏向の周期で電流
が供給されることになる。
【0012】これにより、例えば電子ビームを下側に偏
向させる場合には、図9に示すように、陰極線管のネッ
ク部56内を進行するインライン配列の3本の電子ビー
ムR,G,Bの軌道上に、コイルL51,L52による
ピンクッション形のコマ収差補正磁界(以下、Cコマ補
正磁界と称す)と、コイルL53,L54によるバレル
形のコマ収差補正磁界(以下、Iコマ補正磁界と称す)
とが形成される。
【0013】その結果、図11(a)に示すように赤
(R)のラスター(図中実線で表示)とB(青)のラス
ター(図中破線で表示)に対して、緑(G)のラスター
(図中一点鎖線で表示)が画面内側にずれていた場合
は、そのGのラスターのずれが上記Cコマ補正磁界によ
って矢印の如く補正される。また、図11(b)に示す
ようにRのラスター(図中実線で表示)とBのラスター
(図中破線で表示)に対して、Gのラスター(図中一点
鎖線で表示)が画面外側にずれていた場合は、そのGの
ラスターのずれが上記Iコマ補正磁界によって矢印の如
く補正される。
【0014】さらに、かかる偏向ヨークにおいては、第
1の可変抵抗VR1の摺動子S1の位置を変えること
で、コイルL51に流れる電流とコイルL2に流れる電
流の割合を任意に調整できる。同様に、第2の可変抵抗
VR2の摺動子S2の位置を変えることで、コイルL5
3に流れる電流とコイルL4に流れる電流の割合を任意
に調整することができる。
【0015】これにより、コイルL51,コイルL52
によるCコマ補正磁界(ピンクッション形磁界)の上下
バランスを調整することができるため、先の図10
(a)に示した上下非対称によるミスコンバージェンス
(YCH)を補正することが可能となる。また、コイル
L53,L54によるIコマ補正磁界(バレル形磁界)
の左右バランスを調整することができるため、先の図1
0(b)に示した左右非対称によるミスコンバージェン
ス(TLV)を補正することが可能となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記C型コ
ア52a,52bとコイルL51,L52および上記I
型コア53a,53bとコイルL53,L54の各々を
偏向ヨーク50に設ける本来の目的は、垂直偏向コイル
の強いバレル磁界のために生じるコンバージェンスVC
R(バーティカル・センター・ラスター)や、ラスター
走査における画面上下のピンクッション歪み(以下、上
下ピン歪みと称す)を補正することにある。こうした本
来の目的に対して、最近、C型コア52a,52bのコ
ア形状を適宜選定することにより、特にI型コア53
a,53bとコイルL53,L54を設けなくても、上
記コンバージェンスVCRや上下ピン歪みを同様に補正
できるという事実が判明している。しかしながら、こう
した事実に基づいてI型コア53a,53bとコイルL
53,L54を不使用にすると、それまで併用してきた
Iコマ補正磁界のバランス調整が行えなくなるため、非
対称ミスコンの一つであるTLVの補正手段を失ってし
まうことになる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
偏向ヨークにおいては、偏向ヨークの後端部に垂直軸上
において互いに対向する状態で配置された第1,第2の
C型コアと、これら第1,第2のC型コアにそれぞれ巻
装されかつ互いに直列に接続された二つのコイルからな
り、垂直偏向コイルに対して直列に接続された第1のコ
イル回路と、前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装
されかつ互いに直列に接続された二つのコイルからな
り、前記第1のコイル回路に直列に接続された第2のコ
イル回路と、前記直列に接続された前記第1,第2のコ
イル回路に並列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2
のコイル回路の接続点に接続された可変抵抗とを備えた
構成を採用している。
【0018】上記構成からなる偏向ヨークにおいては、
垂直偏向コイルに対して第1のコイル回路が直列に接続
され、さらに第1のコイル回路に第2のコイル回路が直
列に接続されていることから、第1,第2のコイル回路
には、垂直偏向コイルを通して垂直偏向の周期で電流が
供給される。その際、可変抵抗の摺動子の位置を変える
と、第1のコイル回路に流れる電流と第2のコイル回路
に流れる電流の割合が変化する。これにより、偏向ヨー
クの垂直軸を基準に一方と他方でコマ収差補正磁界の左
右バランスを調整することが可能となる。したがって、
かかる偏向ヨークを用いた陰極線管(本発明の請求項2
に係る陰極線管)では、C型コアのコア形状の最適化に
より、従来におけるI型コアおよびこれに巻装されるコ
イルを不使用としてコンバージェンスVCRと上下ピン
歪みの補正を実現する場合でも、第1,第2のC型コア
およびこれに巻装された計4つのコイルを併用して、左
右非対称によるミスコンバージェンス(TLV)を補正
することが可能となる。
【0019】本発明の請求項3に係る偏向ヨークにおい
ては、偏向ヨークの後端部に垂直軸上において互いに対
向する状態で配置された第1,第2のC型コアと、これ
ら第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに
直列に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コイ
ルに対して直列に接続された第1のコイル回路と、前記
第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに直
列に接続された二つのコイルからなり、前記第1のコイ
ル回路に直列に接続された第2のコイル回路と、前記第
1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに直列
に接続された二つのコイルからなり、前記第2のコイル
回路に直列に接続された第3のコイル回路と、前記直列
に接続された前記第1,第2のコイル回路に並列に接続
されかつ摺動子が前記第1,第2のコイル回路の接続点
に接続された第1の可変抵抗と、前記第3のコイル回路
に並列に接続されかつ摺動子が前記第3のコイル回路の
二つのコイルの接続点に接続された第2の可変抵抗とを
備えた構成を採用している。
【0020】上記構成からなる偏向ヨークにおいては、
垂直偏向コイルに対して第1のコイル回路が直列に接続
され、さらに第1のコイル回路には第2のコイル回路
が、そして第2のコイル回路には第3のコイル回路が、
それぞれ直列に接続されていることから、第1,第2、
第3のコイル回路には、垂直偏向コイルを通して垂直偏
向の周期で電流が供給される。その際、第1の可変抵抗
の摺動子の位置を変えると、第1のコイル回路に流れる
電流と第2のコイル回路に流れる電流の割合が変化し、
第2の可変抵抗の摺動子の位置を変えると、第3のコイ
ル回路の各コイルに流れる電流の割合が変化する。これ
により、偏向ヨークの垂直軸を基準に一方と他方でコマ
収差補正磁界の左右バランスを調整することが可能とな
る。さらに、偏向ヨークの水平軸を基準に一方と他方で
コマ収差補正磁界の上下バランスを調整することが可能
となる。したがって、かかる偏向ヨークを用いた陰極線
管(本発明の請求項4に係る陰極線管)では、C型コア
のコア形状の最適化により、従来におけるI型コアおよ
びこれに巻装されるコイルを不使用としてコンバージェ
ンスVCRと上下ピン歪みの補正を実現する場合でも、
第1,第2のC型コアおよびこれに巻装された計6つの
コイルを併用して、左右非対称によるミスコンバージェ
ンス(TLV)と上下非対称によるミスコンバージェン
ス(YCH)の両方を補正することが可能となる。
【0021】本発明の請求項5に係る偏向ヨークにおい
ては、偏向ヨークの後端部に垂直軸上において互いに対
向する状態で配置された第1,第2のC型コアと、これ
ら第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに
直列に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コイ
ルに対して直列に接続された第1のコイル回路と、前記
第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに直
列に接続された二つのコイルからなり、前記第1のコイ
ル回路に直列に接続された第2のコイル回路と、前記直
列に接続された前記第1,第2のコイル回路に並列に接
続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイル回路の接続
点に接続された第1の可変抵抗と、前記第1のコイル回
路に並列に接続されかつ摺動子が前記第1のコイル回路
の二つのコイルの接続点に接続された第2の可変抵抗
と、前記第2のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子
が前記第2のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続
された第3の可変抵抗とを備えた構成を採用している。
【0022】上記構成からなる偏向ヨークにおいては、
垂直偏向コイルに対して第1のコイル回路が直列に接続
され、さらに第1のコイル回路に第2のコイル回路が直
列に接続されていることから、第1,第2コイル回路に
は、垂直偏向コイルを通して垂直偏向の周期で電流が供
給される。その際、第1の可変抵抗の摺動子の位置を変
えると、第1のコイル回路に流れる電流と第2のコイル
回路に流れる電流の割合が変化する。また、第2の可変
抵抗の摺動子の位置を変えると、第1のコイル回路の各
コイルに流れる電流の割合が変化し、第3の可変抵抗の
摺動子の位置を変えると、第2のコイル回路の各コイル
に流れる電流の割合が変化する。これにより、偏向ヨー
クの垂直軸を基準に一方と他方でコマ収差補正磁界の左
右バランスを調整することが可能となる。さらに、偏向
ヨークの垂直軸を境にした一方側と他方側とで、それぞ
れコマ収差補正磁界の上下バランスを調整することが可
能となる。したがって、かかる偏向ヨークを用いた陰極
線管(本発明の請求項6に係る陰極線管)では、C型コ
アのコア形状の最適化により、従来におけるI型コアお
よびこれに巻装されるコイルを不使用としてコンバージ
ェンスVCRと上下ピン歪みの補正を実現する場合で
も、第1,第2のC型コアおよびこれに巻装された計4
つのコイルを併用して、左右非対称によるミスコンバー
ジェンス(TLV)と上下非対称によるミスコンバージ
ェンス(YCH)の両方を補正することが可能となる。
【0023】本発明の請求項7に係る偏向ヨークにおい
ては、偏向ヨークの後端部に垂直軸上において互いに対
向する状態で配置された第1,第2のC型コアと、第1
のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに直列に接続さ
れた二つのコイルからなり、垂直偏向コイルに対して直
列に接続された第1のコイル回路と、第2のC型コアに
それぞれ巻装されかつ互いに直列に接続された二つのコ
イルからなり、前記第1のコイル回路に直列に接続され
た第2のコイル回路と、前記第1のコイル回路に並列に
接続されかつ摺動子が前記第1のコイル回路の二つのコ
イルの接続点に接続された第1の可変抵抗と、前記第2
のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前記第2の
コイル回路の二つのコイルの接続点に接続された第2の
可変抵抗と、前記互いに直列に接続された前記第1,第
2のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前記第
1,第2のコイル回路の接続点に接続された第3の可変
抵抗とを備えた構成を採用している。
【0024】上記構成からなる偏向ヨークにおいては、
垂直偏向コイルに対して第1のコイル回路が直列に接続
され、さらに第1のコイル回路に第2のコイル回路が直
列に接続されていることから、第1,第2コイル回路に
は、垂直偏向コイルを通して垂直偏向の周期で電流が供
給される。その際、第1の可変抵抗の摺動子の位置を変
えると、第1のコイル回路に流れる電流と第2のコイル
回路に流れる電流の割合が変化する。また、第2の可変
抵抗の摺動子の位置を変えると、第1のコイル回路の各
コイルに流れる電流の割合が変化し、第3の可変抵抗の
摺動子の位置を変えると、第2のコイル回路の各コイル
に流れる電流の割合が変化する。これにより、偏向ヨー
クの水平軸を基準に一方と他方でコマ収差補正磁界の上
下バランスを調整することが可能となる。さらに、偏向
ヨークの水平軸を境にした一方側と他方側とで、それぞ
れコマ収差補正磁界の左右バランスを調整することが可
能となる。したがって、かかる偏向ヨークを用いた陰極
線管(本発明の請求項8に係る陰極線管)では、C型コ
アのコア形状の最適化により、従来におけるI型コアお
よびこれに巻装されるコイルを不使用としてコンバージ
ェンスVCRと上下ピン歪みの補正を実現する場合で
も、第1,第2のC型コアおよびこれに巻装された計4
つのコイルを併用して、左右非対称によるミスコンバー
ジェンス(TLV)と上下非対称によるミスコンバージ
ェンス(YCH)の両方を補正することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の第
1実施形態に係る偏向ヨークの要部構造を説明する図で
あり、この図1では陰極線管のパネル側から見た偏向ヨ
ークの要部構造を拡大表示している。図1において、一
対のC型コア1,2は、水平偏向コイルおよび垂直偏向
コイルが巻装されるヨークコア(DYコア)の近傍に、
垂直軸Y上で互いに対向する状態で配置されている。こ
の一対のC型コア1,2は、偏向ヨークの後端部に配置
され、該偏向ヨークを陰極線管に装着した際には、C型
コア1,2同士が陰極線管のネック部3を上下から挟ん
で対向するように配置される。
【0026】各々のC型コア1,2は、ネック部3の直
径と略同一の長さを有する横架部1a,2aと、該横架
部1a,2aの両端からそれぞれ同一方向に略直角に折
曲した一対の脚部1b,1b,2b,2bとによって略
C型形状に成形されている。各横架部1a,2aは、そ
れぞれに対応する脚部1b,1b,2b,2bよりも厚
く形成されている。また、脚部1b,1bおよび2b,
2bは、偏向ヨークの垂直軸Yを境にして、それぞれ水
平軸X方向に同じ距離を隔てて配置されている。さら
に、脚部1b,1b,2b,2bの各端部は、ネック部
3の外周部に倣うよう、所定の角度で傾斜した状態に形
成されている。
【0027】上記一対のC型コア1,2のうち、上側の
C型コア1にはコマ収差補正用の一対のコイルL1,L
2が巻装され、下側のC型コア2にもコマ収差補正用の
一対のコイルL3,L4が巻装されている。このうち、
コイルL1はC型コア1の一方(図の左側)の脚部1b
に巻装され、コイルL2は同他方(図の右側)の脚部1
bに巻装されている。また、コイルL3はC型コア2の
一方(図の左側)の脚部2bに巻装され、コイルL4は
同他方(図の右側)の脚部2bに巻装されている。
【0028】ここで、C型コア1に対して一対のコイル
L1,L2を巻装するに当たっては、絶縁層を有する導
線を二本同時に巻くことで一回の巻線作業で二つのコイ
ルを作る、いわゆるバイファイラー巻にするのが好まし
い。このバイファイラー巻によれば、一対のコイルL
1,L2の巻線状態が等しくなり、両コイルL1,L2
に対してほぼ等しい磁気的特性を持たせることができ
る。この点はC型コア2に対する一対のコイルL3,L
4の巻装に際しても同様のことが言える。ただし、別個
にコイルを巻く場合でも、各コイルの特性がほぼ等しく
なるように巻線を調整すれば良いので、必ずしもバイフ
ァイラー巻に限定されるものではない。
【0029】図2は本第1実施形態に係る偏向ヨークの
コイル接続状態を示す図である。図2において、コイル
L1,L3は互いに直列に接続され、これによって第1
のコイル回路4が構成されている。また、コイルL2,
L4も互いに直列に接続され、これによって第2のコイ
ル回路5が構成されている。これら第1,第2のコイル
回路4,5は、接続点P1をもって直列に接続され、か
つ該接続点P1の反対側で第2のコイル回路5が接地さ
れている。また、第1のコイル回路4は、垂直走査のた
めの垂直偏向磁界を形成する垂直偏向コイルLv,Lv
に対して直列に接続されている。さらに、第1,第2の
コイル回路4,5には可変抵抗VR1が並列に接続され
ている。この可変抵抗VR1の摺動子S1は、第1,第
2のコイル回路4,5の接続点P1に接続されている。
【0030】上記構成の偏向ヨークにおいては、図示せ
ぬ水平偏向コイルに水平偏向電流(ノコギリ波電流)が
流れる一方、垂直偏向コイルLv,Lvに垂直偏向電流
(ノコギリ波電流)が流れる。このとき、垂直偏向コイ
ルLv,Lvに対して第1のコイル回路4が直列に接続
され、さらに第1のコイル回路4に第2のコイル回路5
が直列に接続されていることから、第1,第2のコイル
回路4,5には、垂直偏向コイルLv,Lvを通して垂
直偏向の周期で電流が供給される。
【0031】これにより、例えば電子ビームを下側に偏
向させる場合には、先の図1に示すように、陰極線管の
ネック部3を進行するインライン配列の3本の電子ビー
ムR,G,Bの軌道上に、コイルL1,L2によるコマ
収差補正磁界とコイルL3,L4によるコマ収差補正磁
界とが形成される。この場合のコマ収差補正磁界は、従
来におけるCコマ補正磁界と同様にピンクッション形で
はあるが、C型コア1,2のコア形状(コア幅等)を最
適化したことで、水平軸X方向の磁界成分を強めたピン
クッション形の磁界とし、従来におけるIコマ補正磁界
なしでコンバージェンスVCRと上下ピン歪みを補正し
得るものとなっている。
【0032】ここで、第1,第2のコイル回路4,5に
並列接続された可変抵抗VR1の摺動子S1の位置を変
えると、第1のコイル回路4(コイルL1,L3の直列
回路)に流れる電流と第2のコイル回路5(コイルL
2,L4の直列回路)に流れる電流の割合を任意に調整
することができる。即ち、摺動子S1をセンター位置に
すると、第1のコイル回路4と第2のコイル回路5に同
じ割合で電流が流れる。また、その状態から摺動子S1
を一方側(図2の左側)に摺動させると、第1のコイル
回路4により多くの割合で電流が流れ、摺動子S1を他
方側(図2の右側)に摺動させると、第2のコイル回路
5により多くの割合で電流が流れる。
【0033】これにより、従来におけるI型コアおよび
これに巻装されるコイルを不使用としてコンバージェン
スVCRと上下ピン歪みの補正を実現する場合でも、偏
向ヨークの垂直軸Yを基準に一方(図1の左)と他方
(図1の右)でコマ収差補正磁界の左右バランスを調整
することができる。その結果、かかる偏向ヨークを用い
た陰極線管では、C型コア1,2およびコイルL1〜L
4を併用して、左右非対称によるミスコンバージェンス
(TLV)を補正することが可能となる。
【0034】図3は本発明の第2実施形態に係る偏向ヨ
ークの要部構造を説明する図であり、この図3では陰極
線管のパネル側から見た偏向ヨークの要部構造を拡大表
示している。図3においては、先述の第1実施形態と同
様に一対のC型コア1,2の脚部1b,1b,2b,2
bにコイルL1,L2,L3,L4が巻装されている。
これに加えて、上側のC型コア1にはコイルL5が巻装
され、下側のC型コア2にはコイルL6が巻装されてい
る。
【0035】さらに詳述すると、コイルL5は、コイル
L1とL2との間でかつ偏向ヨークの垂直軸Y上に位置
してC型コア1の横架部1aに巻装されている。また、
コイルL6は、コイルL3とL4との間でかつ偏向ヨー
クの垂直軸Y上に位置してC型コア2の横架部1aに巻
装されている。
【0036】図4は本第2実施形態に係る偏向ヨークの
コイル接続状態を示す図である。図2においては、コイ
ルL1,L3を互いに直列に接続した第1のコイル回路
4と、コイルL2,L4を互いに直列に接続した第2の
コイル回路5とが、接続点P1をもって直列に接続され
ている。また、第1のコイル回路4は、垂直偏向コイル
Lv,Lvに対して直列に接続され、かつ第1,第2の
コイル回路4,5には、その間の接続点P1に摺動子S
1を接続した第1の可変抵抗VR1が並列に接続されて
いる。なお、これまで述べたコイル接続状態は先述の第
1実施形態の場合と同様である。
【0037】さらに、コイルL5,L6は接続点P2を
もって互いに直列に接続され、これによって第3のコイ
ル回路6が構成されている。この第3のコイル回路6
は、第2のコイル回路5に直列に接続され、かつ第2の
コイル回路5との接続点と反対側で第3のコイル回路6
が接地されている。さらに第3のコイル回路6には第2
の可変抵抗VR2が並列に接続されている。第2の可変
抵抗VR2の摺動子S2は、コイルL5とL6との間の
接続点P2に接続されている。
【0038】上記構成の偏向ヨークにおいては、図示せ
ぬ水平偏向コイルに水平偏向電流(ノコギリ波電流)が
流れる一方、垂直偏向コイルLv,Lvに垂直偏向電流
(ノコギリ波電流)が流れる。このとき、垂直偏向コイ
ルLv,Lvに対して第1のコイル回路4が直列に接続
され、さらに第1のコイル回路4には第2のコイル回路
5が、そして第2のコイル回路5には第3のコイル回路
6が、それぞれ直列に接続されていることから、第1,
第2,第3のコイル回路4,5,6には、垂直偏向コイ
ルLv,Lvを通して垂直偏向の周期で電流が供給され
る。
【0039】その際、第1の可変抵抗VR1の摺動子S
1の位置を変えることで、第1のコイル回路4(コイル
L1,L3の直列回路)に流れる電流と第2のコイル回
路5(コイルL2,L4の直列回路)に流れる電流の割
合を任意に調整することができる。また、第2の可変抵
抗VR2の摺動子S2の位置を変えることで、コイルL
5に流れる電流とL6に流れる電流の割合を任意に調整
することができる。
【0040】これにより、偏向ヨークの垂直軸Yを基準
に一方(図3の左)と他方(図3の右)でコマ収差補正
磁界の左右バランスを調整することができる。さらに、
偏向ヨークの水平軸Xを基準に一方(図3の上)と他方
(図3の下)でコマ収差補正磁界の上下バランスを調整
することができる。その結果、かかる偏向ヨークを用い
た陰極線管では、左右非対称によるミスコンバージェン
ス(TLV)に加えて、上下非対称によるミスコンバー
ジェンス(YCH)をも補正することが可能となる。
【0041】続いて、本発明の第3実施形態について説
明する。なお、本第3実施形態に係る偏向ヨークは、先
述の第1実施形態(図1)と同様のC型コア1,2およ
びコイルL1〜L4を備えたものにおいて、特に、コイ
ル接続状態に特徴がある。
【0042】図5は本発明の第3実施形態に係る偏向ヨ
ークのコイル接続状態を示す図である。図5において、
コイルL1,L3は接続点P2をもって互いに直列に接
続され、これによって第1のコイル回路4が構成されて
いる。また、コイルL2,L4は接続点P3をもって互
いに直列に接続され、これによって第2のコイル回路5
が構成されている。これら第1,第2のコイル回路4,
5は接続点P1をもって直列に接続され、かつ該接続点
P1の反対側で第2のコイル回路5が接地されている。
また、第1のコイル回路4は、垂直走査のための垂直偏
向磁界を形成する垂直偏向コイルLv,Lvに対して直
列に接続されている。さらに、第1,第2のコイル回路
4,5には第1の可変抵抗VR1が並列に接続されてい
る。この第1の可変抵抗VR1の摺動子S1は、第1,
第2のコイル回路4,5の接続点P1に接続されてい
る。
【0043】これに加えて、第1のコイル回路4には第
2の可変抵抗VR2が並列に接続され、第2のコイル回
路5には第3の可変抵抗VR3が並列に接続されてい
る。第2の可変抵抗VR2の摺動子S2は、コイルL1
とL3の接続点P2に接続され、第3の可変抵抗VR3
の摺動子S3は、コイルL2とL4の接続点P3に接続
されている。
【0044】上記構成の偏向ヨークにおいては、図示せ
ぬ水平偏向コイルに水平偏向電流(ノコギリ波電流)が
流れる一方、垂直偏向コイルLv,Lvに垂直偏向電流
(ノコギリ波電流)が流れる。このとき、垂直偏向コイ
ルLv,Lvに対して第1のコイル回路4が直列に接続
され、さらに第1のコイル回路4に第2のコイル回路5
が直列に接続されていることから、第1,第2コイル回
路4,5には、垂直偏向コイルLv,Lvを通して垂直
偏向の周期で電流が供給される。
【0045】その際、第1の可変抵抗VR1の摺動子S
1の位置を変えることで、第1のコイル回路4(コイル
L1,L3の直列回路)に流れる電流と第2のコイル回
路5(コイルL2,L4の直列回路)に流れる電流の割
合を任意に調整することができる。さらに、第1のコイ
ル回路4においては、これに並列接続された第2の可変
抵抗VR2の摺動子S2の位置を変えることで、コイル
L1に流れる電流とコイルL3に流れる電流の割合を任
意に調整することができる。同様に、第2のコイル回路
5においては、これに並列接続された第3の可変抵抗V
R3の摺動子S3の位置を変えることで、コイルL2に
流れる電流とコイルL4に流れる電流の割合を任意に調
整することができる。
【0046】これにより、偏向ヨークの垂直軸Y(図1
参照)を基準に一方(図1の左)と他方(図1の右)で
コマ収差補正磁界の左右バランスを調整することができ
る。さらに、偏向ヨークの垂直軸Y(図1参照)を境に
した一方側(図1の左側)ではコマ収差補正磁界の上下
バランスを調整することができ、同他方側(図1の右
側)でもコマ収差補正磁界の上下バランスを調整するこ
とができる。その結果、かかる偏向ヨークを用いた陰極
線管では、一対のC型コア1、2とこれに巻装された計
4つのコイルL1〜L4を併用して、左右非対称による
ミスコンバージェンス(TLV)と上下非対称によるミ
スコンバージェンス(YCH)の両方を補正することが
可能となる。また、コマ収差補正磁界の上下バランスを
一方側(図1の左側)と他方側(図1の右側)とで個別
に調整できることから、YCHをより精度良く補正する
ことが可能となる。
【0047】続いて、本発明の第4実施形態について説
明する。なお、本第4実施形態に係る偏向ヨークは、先
述の第1実施形態(図1)と同様のC型コア1,2およ
びコイルL1〜L4を備えたものにおいて、特に、コイ
ル接続状態に特徴がある。
【0048】図6は本発明の第4実施形態に係る偏向ヨ
ークのコイル接続状態を示す図である。図6において、
コイルL1,L2は接続点P2をもって互いに直列に接
続され、これによって第1のコイル回路7が構成されて
いる。また、コイルL3,L4は接続点P3をもって互
いに直列に接続され、これによって第2のコイル回路8
が構成されている。これら第1,第2のコイル回路7,
8は接続点P1をもって直列に接続され、かつ該接続点
P1の反対側で第2のコイル回路8が接地されている。
また、第1のコイル回路7は、垂直走査のための垂直偏
向磁界を形成する垂直偏向コイルLv,Lvに対して直
列に接続されている。さらに、第1,第2のコイル回路
7,8には第1の可変抵抗VR1が並列に接続されてい
る。この第1の可変抵抗VR1の摺動子S1は、第1,
第2のコイル回路7,8の接続点P1に接続されてい
る。
【0049】これに加えて、第1のコイル回路7には第
2の可変抵抗VR2が並列に接続され、第2のコイル回
路8には第3の可変抵抗VR3が並列に接続されてい
る。第2の可変抵抗VR2の摺動子S2は、コイルL1
とL2の接続点P2に接続され、第3の可変抵抗VR3
の摺動子S3は、コイルL3とL4の接続点P3に接続
されている。
【0050】上記構成の偏向ヨークにおいては、図示せ
ぬ水平偏向コイルに水平偏向電流(ノコギリ波電流)が
流れる一方、垂直偏向コイルLv,Lvに垂直偏向電流
(ノコギリ波電流)が流れる。このとき、垂直偏向コイ
ルLv,Lvに対して第1のコイル回路7が直列に接続
され、さらに第1のコイル回路7に第2のコイル回路8
が直列に接続されていることから、第1,第2のコイル
回路7,8には、垂直偏向コイルLv,Lvを通して垂
直偏向の周期で電流が供給される。
【0051】その際、第1の可変抵抗VR1の摺動子S
1の位置を変えることで、第1のコイル回路7(コイル
L1,L2の直列回路)に流れる電流と第2のコイル回
路8(コイルL3,L4の直列回路)に流れる電流の割
合を任意に調整することができる。さらに、第1のコイ
ル回路7においては、これに並列接続された第2の可変
抵抗VR2の摺動子S2の位置を変えることで、コイル
L1に流れる電流とコイルL2に流れる電流の割合を任
意に調整することができる。同様に、第2のコイル回路
8においては、これに並列接続された第3の可変抵抗V
R3の摺動子S3の位置を変えることで、コイルL3に
流れる電流とコイルL4に流れる電流の割合を任意に調
整することができる。
【0052】これにより、偏向ヨークの水平軸X(図1
参照)を基準に一方(図1の上)と他方(図1の下)で
コマ収差補正磁界の上下バランスを調整することができ
る。さらに、偏向ヨークの水平軸X(図1参照)を境に
した一方側(図1の上側)ではコマ収差補正磁界の左右
バランスを調整することができ、同他方側(図1の下
側)でもコマ収差補正磁界の左右バランスを調整するこ
とができる。その結果、かかる偏向ヨークを用いた陰極
線管では、一対のC型コア1、2とこれに巻装された計
4つのコイルL1〜L4を併用して、左右非対称による
ミスコンバージェンス(TLV)と上下非対称によるミ
スコンバージェンス(YCH)の両方を補正することが
可能となる。また、コマ収差補正磁界の左右バランスを
一方側(図1の上側)と他方側(図1の下側)とで個別
に調整できることから、TLVをより精度良く補正する
ことが可能となる。
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る偏向ヨークによ
れば、第1,第2のコイル回路に並列接続された可変抵
抗の摺動子の位置を変えて各コイル回路に流れる電流の
割合を変化させることにより、コマ収差補正磁界の左右
バランスを調整することができる。これにより、かかる
偏向ヨークを用いた陰極線管(本発明の請求項2に係る
陰極線管)においては、C型コアのコア形状の最適化に
より、従来におけるI型コアおよびこれに巻装されるコ
イルを不使用としてコンバージェンスVCRと上下ピン
歪みの補正を実現する場合でも、左右非対称によるミス
コンバージェンス(TLV)を補正することが可能とな
る。
【0054】本発明の請求項3に係る偏向ヨークによれ
ば、第1の可変抵抗の摺動子の位置を変えて、第1,第
2のコイル回路に流れる電流の割合を変化させることに
よっり、コマ収差補正磁界の左右バランスを調整するこ
とができる。また、第2の可変抵抗の摺動子の位置を変
えて第3のコイル回路の各コイルに流れる電流の割合が
変化させることにより、コマ収差補正磁界の上下バラン
スを調整することができる。これにより、かかる偏向ヨ
ークを用いた陰極線管(本発明の請求項4に係る陰極線
管)においては、C型コアのコア形状の最適化により、
従来におけるI型コアおよびこれに巻装されるコイルを
不使用としてコンバージェンスVCRと上下ピン歪みの
補正を実現する場合でも、左右非対称によるミスコンバ
ージェンス(TLV)に加えて、上下非対称によるミス
コンバージェンス(YCH)をも補正することが可能と
なる。
【0055】本発明の請求項5に係る偏向ヨークによれ
ば、第1の可変抵抗の摺動子の位置を変えて第1,第2
のコイル回路に流れる電流の割合を変化させることによ
り、コマ収差補正磁界の左右バランスを調整することが
できる。また、第2の可変抵抗の摺動子の位置を変えて
第1のコイル回路の各コイルに流れる電流の割合を変化
させるとともに、第3の可変抵抗の摺動子の位置を変え
て第2のコイル回路の各コイルに流れる電流の割合を変
化させることにより、コマ収差補正磁界の上下バランス
を調整することができる。これにより、かかる偏向ヨー
クを用いた陰極線管(本発明の請求項6に係る陰極線
管)においては、C型コアのコア形状の最適化により、
従来におけるI型コアおよびこれに巻装されるコイルを
不使用としてコンバージェンスVCRと上下ピン歪みの
補正を実現する場合に、より少ないコイル個数をもっ
て、左右非対称によるミスコンバージェンス(TLV)
と上下非対称によるミスコンバージェンス(YCH)の
両方を補正することが可能となる。
【0056】本発明の請求項7に係る偏向ヨークによれ
ば、第1の可変抵抗の摺動子の位置を変えて第1,第2
のコイル回路に流れる電流の割合を変化させることによ
り、コマ収差補正磁界の上下バランスを調整することが
できる。また、第2の可変抵抗の摺動子の位置を変えて
第1のコイル回路の各コイルに流れる電流の割合を変化
させるとともに、第3の可変抵抗の摺動子の位置を変え
て第2のコイル回路の各コイルに流れる電流の割合を変
化させることにより、コマ収差補正磁界の左右バランス
を調整することができる。これにより、かかる偏向ヨー
クを用いた陰極線管(本発明の請求項8に係る陰極線
管)においては、C型コアのコア形状の最適化により、
従来におけるI型コアおよびこれに巻装されるコイルを
不使用としてコンバージェンスVCRと上下ピン歪みの
補正を実現する場合に、より少ないコイル個数をもっ
て、左右非対称によるミスコンバージェンス(TLV)
と上下非対称によるミスコンバージェンス(YCH)の
両方を補正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る偏向ヨークの要部
構造を説明する図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る偏向ヨークのコイ
ル接続状態を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る偏向ヨークの要部
構造を説明する図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る偏向ヨークのコイ
ル接続状態を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る偏向ヨークのコイ
ル接続状態を示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る偏向ヨークのコイ
ル接続状態を示す図である。
【図7】従来の偏向ヨークの構造を示す図である。
【図8】従来の偏向ヨークのコイル接続状態を示す図で
ある。
【図9】従来の偏向ヨークにおけるコマ収差補正磁界を
示す図である。
【図10】ミスコンバージェンスの形態例を説明する図
である。
【図11】コマ収差補正を説明する図である。
【符号の説明】
1,2…C型コア、4,5,6…コイル回路、L1,L
2,L3,L4,L5,L6…コイル、Lv…垂直偏向
コイル、VR1,VR2,VR3…可変抵抗、S1,S
2,S3…摺動子、P1,P2,P3…接続点

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
    互いに対向する状態で配置された第1,第2のC型コア
    と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コ
    イルに対して直列に接続された第1のコイル回路と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、前記第1の
    コイル回路に直列に接続された第2のコイル回路と、 前記直列に接続された前記第1,第2のコイル回路に並
    列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイル回路
    の接続点に接続された可変抵抗とを備えたことを特徴と
    する偏向ヨーク。
  2. 【請求項2】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
    互いに対向する状態で配置された第1,第2のC型コア
    と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コ
    イルに対して直列に接続された第1のコイル回路と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、前記第1の
    コイル回路に直列に接続された第2のコイル回路と、 前記直列に接続された前記第1,第2のコイル回路に並
    列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイル回路
    の接続点に接続された可変抵抗とを備えた偏向ヨークを
    用いたことを特徴とする陰極線管。
  3. 【請求項3】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
    互いに対向する状態で配置された第1,第2のC型コア
    と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コ
    イルに対して直列に接続された第1のコイル回路と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、前記第1の
    コイル回路に直列に接続された第2のコイル回路と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、前記第2の
    コイル回路に直列に接続された第3のコイル回路と、 前記直列に接続された前記第1,第2のコイル回路に並
    列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイル回路
    の接続点に接続された第1の可変抵抗と、 前記第3のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第3のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第2の可変抵抗とを備えたことを特徴とする偏向ヨー
    ク。
  4. 【請求項4】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
    互いに対向する状態で配置された第1,第2のC型コア
    と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コ
    イルに対して直列に接続された第1のコイル回路と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、前記第1の
    コイル回路に直列に接続された第2のコイル回路と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、前記第2の
    コイル回路に直列に接続された第3のコイル回路と、 前記直列に接続された前記第1,第2のコイル回路に並
    列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイル回路
    の接続点に接続された第1の可変抵抗と、 前記第3のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第3のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第2の可変抵抗とを備えた偏向ヨークを用いたことを
    特徴とする陰極線管。
  5. 【請求項5】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
    互いに対向する状態で配置された第1,第2のC型コア
    と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コ
    イルに対して直列に接続された第1のコイル回路と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、前記第1の
    コイル回路に直列に接続された第2のコイル回路と、 前記直列に接続された前記第1,第2のコイル回路に並
    列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイル回路
    の接続点に接続された第1の可変抵抗と、 前記第1のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第1のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第2の可変抵抗と、 前記第2のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第2のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第3の可変抵抗とを備えたことを特徴とする偏向ヨー
    ク。
  6. 【請求項6】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
    互いに対向する状態で配置された第1,第2のC型コア
    と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コ
    イルに対して直列に接続された第1のコイル回路と、 前記第1,第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互い
    に直列に接続された二つのコイルからなり、前記第1の
    コイル回路に直列に接続された第2のコイル回路と、 前記直列に接続された前記第1,第2のコイル回路に並
    列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイル回路
    の接続点に接続された第1の可変抵抗と、 前記第1のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第1のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第2の可変抵抗と、 前記第2のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第2のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第3の可変抵抗とを備えた偏向ヨークを用いたことを
    特徴とする陰極線管。
  7. 【請求項7】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
    互いに対向する状態で配置された第1,第2のC型コア
    と、 前記第1のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに直列
    に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コイルに
    対して直列に接続された第1のコイル回路と、 前記第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに直列
    に接続された二つのコイルからなり、前記第1のコイル
    回路に直列に接続された第2のコイル回路と、 前記第1のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第1のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第1の可変抵抗と、 前記第2のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第2のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第2の可変抵抗と、 前記互いに直列に接続された前記第1,第2のコイル回
    路に並列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイ
    ル回路の接続点に接続された第3の可変抵抗とを備えた
    ことを特徴とする偏向ヨーク。
  8. 【請求項8】 偏向ヨークの後端部に垂直軸上において
    互いに対向する状態で配置された第1,第2のC型コア
    と、 前記第1のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに直列
    に接続された二つのコイルからなり、垂直偏向コイルに
    対して直列に接続された第1のコイル回路と、 前記第2のC型コアにそれぞれ巻装されかつ互いに直列
    に接続された二つのコイルからなり、前記第1のコイル
    回路に直列に接続された第2のコイル回路と、 前記第1のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第1のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第1の可変抵抗と、 前記第2のコイル回路に並列に接続されかつ摺動子が前
    記第2のコイル回路の二つのコイルの接続点に接続され
    た第2の可変抵抗と、 前記互いに直列に接続された前記第1,第2のコイル回
    路に並列に接続されかつ摺動子が前記第1,第2のコイ
    ル回路の接続点に接続された第3の可変抵抗とを備えた
    偏向ヨークを用いたことを特徴とする陰極線管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100410947B1 (ko) * 2001-07-25 2003-12-18 삼성전기주식회사 가변 저항을 이용한 편향 요크의 미스 컨버전스 및기하학적 왜곡 보정 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100410947B1 (ko) * 2001-07-25 2003-12-18 삼성전기주식회사 가변 저항을 이용한 편향 요크의 미스 컨버전스 및기하학적 왜곡 보정 장치

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