JP2000303351A - 改質ポリウレタン弾性糸の製造法 - Google Patents
改質ポリウレタン弾性糸の製造法Info
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Abstract
いった基本糸物性を損なうことなく、優れた吸湿性,生
分解性を具備した改質ポリウレタン弾性糸の製造方法を
提供する。 【解決手段】 ウレタンプレポリマー溶液と鎖伸長剤お
よび末端停止剤の溶液を混合して反応させるに際し、該
反応と同時に又は該反応の後に両反応溶液溶媒と同じ溶
媒に溶解させたブチリルキチン溶液を添加し、均一に混
合して紡糸原液とし、該紡糸原液を紡糸した後、得られ
たブチリルキチン含有ポリウレタン弾性糸をアルカリ処
理して改質ポリウレタン弾性糸を製造する。
Description
優れた改質ポリウレタン弾性糸の製造法に関する。
水性を付与するには、吸湿性・吸水性を有する粉粒体を
ポリウレタン溶液に添加する方法が知られており、例え
ば特開昭63−215768号公報にはウレタンプレポ
リマーに、界面活性能を有するコハク酸エステル化合物
と、酢酸ビニルーアクリル酸エステル共重合体ケン化物
やポリアクリル酸、デンプン−アクリル酸共重合体等の
高吸水性樹脂を混合する方法が記載され、特開平8−1
13827号公報にはポリエステルとポリアルキレンエ
ーテルまたは脂肪族ポリエステルの一方または両者と、
調湿性を有する微細粒状シリカゲルとを含む混合組成物
を溶融紡糸する方法が記載されている。
の添加量を多くしないと、吸湿性・吸水性が発現しにく
く、この技術をポリウレタン弾性糸の製造に用いると、
ノズル詰まりが起き易く、更に、添加量を多くするに伴
い紡調が悪化し、得られたポリウレタン弾性糸の破断強
伸度、応力等といった基本糸物性も低下するという欠点
があった。
分の一部にポリエチレングリコールを用いる等、ポリウ
レタンを構成する成分に親水性の高いものを用い、吸湿
性を有するセグメントをポリウレタン分子鎖中に導入す
る方法も知られており、例えば特開昭62−29071
4号公報には平均分子量200〜600のポリエチレン
グリコールと有機ジカルボン酸又は有機ジカルボン酸と
ε−カプロラクトン及び/または短鎖ポリオールを反応
させてポリオキシエチレン含有率17〜70%、平均分
子量500〜3000のポリエーテルエステルポリオー
ルとなし、これを鎖伸長剤の存在下、有機ポリイソシア
ネートと反応させポリエチレングリコール含有量15〜
62重量%のポリウレタン重合体とする方法が記載され
ている。しかしこの方法では、吸湿性を有するセグメン
トを分子鎖中に導入するため、この技術を繊維に適用し
た場合には、得られたポリウレタン弾性糸の耐加水分解
性,耐熱性が劣ったり、破断強伸度,応力等といった基
本糸物性も低下するという欠点があった。また、特開平
10−251371号公報にはポリオール成分,イソシ
アネート成分にリグニンと浸透剤を均一分散させて成形
し、吸水性と生分解性を有するポリウレタンフォームを
得る方法が記載されているが、リグニンをポリウレタン
分子鎖中に導入するため、この方法を繊維に適用した場
合においても、得られたポリウレタン弾性糸の耐加水分
解性,耐熱性が劣ったり、破断強伸度,応力等といった
基本糸物性も低下するという欠点があった。
与するには、前述の吸湿性・吸水性を有する粉粒体をポ
リウレタン溶液に添加する方法において、吸湿性・吸水
性を有する粉粒体が生分解性を兼ね備えるものを用いる
方法がある。また、ポリマージオール成分の一部に生体
由来のものを用い、生分解性を有するセグメントを分子
鎖中に導入する方法として、例えば特開平6−1283
48号公報にはヒドロキシル基を含有する植物質微粉末
及び/または短繊維を糖蜜と2価または3価のアルコー
ルとの混合液中に添加分散させ、得られた分散液にポリ
イソシアネートを添加し反応させる方法が記載されてい
る。しかしこのような方法をポリウレタン繊維に適用し
た場合には、上述の吸湿性を付与する場合と同様に破断
強伸度,応力等といった基本糸物性が低下するという欠
点があった。
を克服し、簡単な方法で、紡調を悪化させることなく紡
糸することができ、得られるポリウレタン弾性糸の破断
強伸度,応力等といった基本糸物性を損なうことなく、
優れた吸湿性,生分解性を具備した改質ポリウレタン弾
性糸の製造方法を提供することを目的とする。
服するために鋭意検討を重ねた結果、キチン誘導体であ
るブチリルキチンがポリウレタン溶液の溶媒と同じ溶媒
に溶解し、しかも、アルカリ処理により容易にキチンに
再生可能であることに着目し、ブチリルキチンを液状に
てポリウレタン紡糸原液に含有させ、これを紡糸した後
にアルカリ処理して脱ブチリル化を行うことにより、得
られたポリウレタン弾性糸がキチンの有する水酸基に由
来する吸湿性,生分解性を発現することを見い出し、本
発明に至った。
(B)成分の溶液を混合して反応させるに際し、反応と
同時に又は反応の後に、両反応溶液の溶媒と同じ溶媒に
5〜40重量%の濃度で溶解させたブチリルキチン溶液
を添加し、均一に混合して紡糸原液とし、該紡糸原液を
紡糸した後、得られたブチリルキチン含有ポリウレタン
弾性糸をアルカリ処理する改質ポリウレタン弾性糸の製
造方法であり、ブチリルキチンの添加量が得られたポリ
ウレタン弾性糸の全体に対して3〜15重量%であり、
ポリウレタン弾性糸の紡糸法が乾式紡糸法である改質ポ
リウレタン弾性糸の製造方法である。 (A)数平均分子量1000〜2500のポリマージオ
ールと、そのジオールに対して110〜210モル%の
有機ジイソシアネートを反応して得られる末端にイソシ
アネート基を2個有するウレタンプレポリマー。 (B)イソシアネート基と反応しうる活性水素基を2個
有する鎖伸長剤およびイソシアネート基と反応しうる活
性水素基を1個有する末端停止剤。
ールとしては、ポリオキシエチレングリコール,ポリオ
キシプロピレングリコール,ポリオキシテトラメチレン
グリコール,ポリオキシペンタメチレングリコール,ポ
リオキシヘキサメチレングリコール,ポリオキシプロピ
レンテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオー
ルと、アジピン酸,セバシン酸,マレイン酸等のジカル
ボン酸の1種または2種以上とから構成されるポリエス
テルジオール,ポリエーテルポリエステルジオール,ポ
リラクトンジオール,ポリカーボネートジオール,ポリ
エステルポリカーボネートジオール等から選ばれる1種
または2種以上の数平均分子量1000〜2500のポ
リマージオールが80重量%以上含まれているものであ
れば、特に限定されるものではないが、本発明では紡糸
後にアルカリ処理をすることが必要であるため、耐アル
カリ性を考慮して選定することが好ましい。
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−
ブタンジオール等の低分子ジオールが混在しているもの
であっても良いが、数平均分子量1000〜2500の
ポリマージオールがジオール成分全体の80重量%に満
たないと、十分な鎖伸長ができなくなる為、好ましくな
い。
としては、例えば4,4´−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジフェニル
メタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネ
ート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート等の1種又は2種以上の組み合わせが挙げられる。
機ジイソシアネート成分を、夫々が固化しない温度にて
混合し、90℃以下にて30分〜2時間反応を行い、末
端にイソシアネート基を2個有するウレタンプレポリマ
ーを得る。このとき、ジオール成分に対する有機ジイソ
シアネート成分の量は110〜210モル%の範囲、好
ましくは150〜190モル%の範囲とする。ジオール
成分に対する有機ジイソシアネートの量が110モル%
未満の場合、得られるポリウレタン弾性糸の強度が十分
でなく、紡調も悪化するため好ましくなく、また210
モル%を越えると、重合体中に未反応の有機ジイソシア
ネートが多く残留するため、鎖伸長反応を行っても低分
子鎖の発生が多くなり好ましくない。
アネート基を2個有するウレタンプレポリマーに、イソ
シアネート基と反応しうる活性水素基を2個以上有する
鎖伸長剤、及びイソシアネート基と反応しうる活性水素
基を1個有する末端停止剤を反応させて、ポリウレタン
重合体溶液を得る。このときの反応方法は特に限定され
るものではなく、バッチ式、紡糸ノズルに直結して連続
的に供給する方法等が採用できる。またこのときの反応
時間は特に限定されないが、例えばバッチ式の場合は、
通常30分〜90分で良い。反応温度は、0〜70℃に
て行うのが好ましく、反応温度が低すぎると反応に長時
間を要し、効率が悪くなり、逆に高すぎると副反応が促
進されるため好ましくない。
応しうる活性水素基を2個有する鎖伸長剤としては、エ
チレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3
−プロピレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−
キシリレンジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジア
ミン、シクロヘキシレンジアミン、2,4−トリレンジ
アミン、2,6−トリレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ヒドラジン、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール等の1種または2種以上の組み合わせが挙
げられる。また、イソシアネート基と反応しうる活性水
素基を1個有する末端停止剤としては、ジメチルアミ
ン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチル−n
−プロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、ジイソ
プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ヘキ
シルアミン、ジシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
液を得る反応と同時にまたはこの反応の後に、反応溶媒
と同じ溶媒に5〜40重量%溶解させたブチリルキチン
溶液を、ブチリルキチンが全固形分の3〜15重量%に
なるように添加し、均一に混合して紡糸原液とする。得
られた紡糸原液中のポリウレタンとブチリルキチンの合
計の固形分濃度は、特に限定されるものではないが、紡
糸可能な粘度の範囲から考慮すると、通常20〜40重
量%とすることが好ましい。
に限定されるものではなくモノブチリルキチン,ジブチ
リルキチン或いはこれらの混合物のいずれであってもよ
い。例えば蟹や海老,昆虫類の外骨格を塩酸等の有機酸
により脱カルシウム処理し、更に水酸化ナトリウム等の
アルカリ溶液により脱タンパク質処理して得たキチン質
を、無水酪酸と過塩素酸の存在下にて20〜30℃に冷
却しながら2時間程度反応させることにより得られる。
ブチリルキチンの置換度は、溶媒への溶解性の面から、
置換度1.5〜2.5のジブチリルキチンを用いるのが
好ましい。
ウレタンプレポリマー、鎖伸長剤、末端停止剤、ブチリ
ルキチンを溶解することができ、通常用いられる条件に
て実質的に上記物質および反応生成物に対し不活性な極
性溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
光剤,紫外線吸収剤,ガス変色防止剤,染料,活性剤,
艶消剤、油剤等を含有させても良い。
ズルより高温雰囲気中に吐出してブチリルキチン含有ポ
リウレタン弾性糸を乾式紡糸法により紡糸するが、その
紡糸条件は特に限定されるものではなく、通常の方法で
行えばよい。また、湿式紡糸法にも適用できることはも
ちろんである。
ルキチン含有ポリウレタン弾性糸をアルカリ処理する
が、該アルカリ処理に用いられるアルカリとしては、水
酸化カリウム,水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水
酸化物,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム等のア
ルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。該アルカリ
処理の方法はポリウレタン弾性糸中のブチリルキチンが
十分脱ブチリル化する条件であれば特に限定されるもの
ではなく、例えば、40〜100℃の3〜20%水酸化
ナトリウム水溶液の浴中で20〜180分処理する方法
で良い。次に得られたポリウレタン弾性糸を十分に水洗
し、乾燥して、本発明の改質ポリウレタン弾性糸を得
る。
ン弾性糸中にキチンが一様に混在し、優れた吸湿性、生
分解性を具備した改質ポリウレタン弾性糸を得ることが
できる。
が、本発明はこの範囲に限定されるものではない。な
お、部はすべて重量部を示し、糸切数,弾性回復率,吸
湿率,放湿率,生分解性能,強伸度,モジュラスは以下
の方法により測定した。
1錘が24時間で切れる回数として算出した。
「ポリウレタンフィラメント糸試験方法」(昭和53年
10月)に準じて、300%伸長時における瞬間伸長回
復率を求めた。
分間乾燥しシリカゲルの入ったデシケータ中で30分間
冷却した後、重量を測定しておいた秤量瓶に試料を約1
gずつ入れ、蓋を開いた状態で105℃にて60分乾燥
し、シリカゲル入りデシケータ中にて30分間放置して
冷却し、重量(W0)を測定した。次いで湿度60%の
デシケータ中に一晩放置した後、35℃、90%に調湿
した恒温恒湿器内に秤量瓶の蓋を開けて入れ、60分後
に秤量瓶を取り出し、重量(W1)を測定した。更に2
5℃、53%に調湿した恒温恒湿器内に蓋を開けて秤量
瓶を入れ、60分後に秤量瓶を取り出し、重量(W2)
を測定した。これらの結果から、吸湿率・放湿率は次式
により求めた。 吸湿率(%)=(W1−W0)÷W0×100 放湿率(%)=(W1−W2)÷W2×100
き器にて300回転巻き、三重に束ねて両端をタコ糸で
結び、これを試料として地面より8cm下の土壌内に埋
設し、2ケ月後に引張り強さT1(g/d)を測定し
て、次式により強度保持率を算出した。強度保持率が低
いほど生分解性能が高いと判定する。 強度保持率(%)=T1/T0×100 但し、T0は土壌内に埋設する前の引張り強さ(g/
d)
ウレタンフィラメント糸試験方法」(昭和53年10
月)に準じて、破断時の引張り強さ(g/d)及びその
ときの伸度(%)を測定した。
「ポリウレタンフィラメント糸試験方法」(昭和53年
10月)に準じて、300%伸長時における繊維の引張
抵抗度(g/d)を測定した。
オキシテトラメチレングリコール2869部、4,4´
−ジフェニルメタンジイソシアネート631部を45℃
にて混合した後、75℃にて80分間反応させて、ウレ
タンプレポリマー3500部を得た。このときのイソシ
アネート基含有量はウレタンプレポリマー100g中
2.290gであった。
アミン56.4部と末端停止剤としてジエチルアミン
2.1部を、0℃に冷やしたN,N−ジメチルアセトア
ミド136.4部に加えて良く攪拌し、鎖伸長剤と末端
停止剤の混合溶液を得た。
00部を、0℃に冷やしたN,N−ジメチルアセトアミ
ド7933部に加え、良く攪拌した後、ウレタンプレポ
リマーのイソシアネート基に対して、鎖伸長剤と末端停
止剤の活性水素基が等モルとなるように鎖伸長剤と末端
停止剤の混合溶液を添加し反応させてポリウレタン重合
体溶液とし、得られたポリウレタン重合体溶液を7等分
した。これとは別に、ジブチリルキチンをN,N−ジメ
チルアセトアミドに溶解させて、濃度10%のブチリル
キチン溶液を得た。
にブチリルキチン溶液を添加するが、添加したブチリル
キチンが全固形分に対して1,3,5,10,15,2
0%の添加率となるように添加混合して、全固形分濃度
が30%である6種類の紡糸原液を得た。得られた各紡
糸原液を直径0.2mmのオリフィスを3個有する紡糸
ノズルを用いて乾式紡糸し、500m/分の速度で、2
5%伸長して捲取り、繊度40デニールのブチリルキチ
ン含有ポリウレタン弾性糸の6種類を得た。
ン弾性糸を10%水酸化ナトリウム水溶液に80℃にて
60分浸漬処理した後、十分水洗し、乾燥して、試料N
o.1〜No.6の改質ポリウレタン弾性糸を得た。ま
た、ブチリルキチン溶液を添加しない以外は全く同様に
して、比較試料No.1のポリウレタン弾性糸を得た。
得られた各試料の糸切数,繊度,強度,伸度,モジュラ
ス,弾性回復率,吸湿率,放湿率,強度保持率を測定
し、結果を表1に示した。
はブチリルキチンを添加していないため、吸湿率,放湿
率が低く、生分解性能も認められない。また、試料N
o.1はブチリルキチンの添加率が低いため吸湿率,放
湿率,生分解性能に十分な効果が認められず、試料N
o.6はブチリルキチンの添加率が高すぎるために糸切
数が多く、基本糸物性である強度,伸度,モジュラス,
弾性回復率の低下も顕著である。これに対して、ブチリ
ルキチンの添加率が3〜15重量%である本発明の試料
No.2〜No.5は、優れた吸湿率,放湿率,生分解
性能が得られ、且つ、強度,伸度,モジュラス,弾性回
復率の基本糸物性の低下も認められない。更には、糸切
数の結果から紡糸時の紡調も良好であることが明らかで
ある。
オキシテトラメチレングリコール2673部、1,4−
ブタンジオール22部、4,4´−ジフェニルメタンジ
イソシアネート805部を45℃にて混合した後、85
℃にて60分間反応させて、ウレタンプレボリマー35
00部を得た。このときのイソシアネート基含有量はウ
レタンプレポリマー100g中2.823gであった。
ミン46.4部、1,2−プロピレンジアミン28.6
部と末端停止剤としてジエチルアミン2.5部を、0℃
に冷やしたN,N−ジメチルアセトアミド180.8部
に加えて良く攪拌し、鎖伸長剤と末端停止剤の混合液を
得た。更に、これとは別に、ブチリルキチンをN,N−
ジメチルアセトアミドに溶解させて、濃度10%のブチ
リルキチン溶液を得た。
つのステンレス容器に340部ずつ採り、夫々に0℃に
冷やしたN,N−ジメチルアセトアミド793部を加
え、良く攪拌した後に、7つの各ウレタンプレポリマー
にウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対して鎖
伸長剤と末端停止剤の活性水素基が等モルとなるように
鎖伸長剤と末端停止剤の混合溶液を添加し、更にブチリ
ルキチン溶液を、添加したブチリルキチンが全固形分に
対して、1,3,5,10,15,20%の添加率とな
るように添加混合して反応させて、全固形分濃度が30
%である6種類の紡糸原液を得た。
スを3個有する紡糸ノズルを用いて乾式紡糸し、600
m/分の速度で、120%伸長して捲取り、繊度40デ
ニールのブチリルキチン含有ポリウレタン弾性糸の6種
類を得た。続いて、得られた6種類のブチリルキチン含
有ポリウレタン弾性糸を10%水酸化ナトリウム溶液に
80℃にて60分浸漬処理した後、十分水洗し、乾燥し
て、試料No.7〜No.12の改質ポリウレタン弾性
糸を得た。
外は全く同様にして、比較試料No.2のポリウレタン
弾性糸を得た。各試料の糸切数,繊度,強度,伸度,モ
ジュラス,弾性回復率,吸湿率,放湿率,強度保持率を
測定し、結果を表2に示した。
はブチリルキチンを添加していないため、吸湿率,放湿
率が低く、生分解性も認められない。また、試料No.
7はブチリルキチンの添加率が低いため、吸湿率,放湿
率,生分解性能について十分な結果が得られず、試料N
o.12はブチリルキチンの添加率が高すぎるため、糸
切数が多く、基本糸物性の低下も顕著である。これに対
して、ブチリルキチンの添加率が3〜15重量%である
本発明の試料No.8〜No.11は、基本糸物性であ
る強度,伸度,モジュラス,弾性回復率を損うことな
く、優れた吸湿率,放湿率,生分解性能を示し、更に
は、糸切数の結果から紡糸時の紡調が良好であることが
明らかである。
を有するキチンをブチリルキチンとして、通常のポリウ
レタン弾性糸の乾式紡糸法に使用される溶媒に溶解し、
液状にして紡糸原液に含有させるため、添加率を高めて
も紡調を悪化させにくく、さらに得られたブチリルキチ
ン含有ポリウレタン弾性糸をアルカリ処理し、ブチリル
キチンを脱ブチリル化してキチンに再生させることによ
り、ポリウレタン弾性糸内にキチンが一様に混在し、破
断強伸度,応力等の基本糸物性を損うことなく、優れた
吸湿性と生分解性を具備した改質ポリウレタン弾性糸を
得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記(A)成分の溶液と(B)成分の溶
液を混合して反応させるに際し、該反応と同時に又は該
反応の後に、両反応溶液の溶媒と同じ溶媒に5〜40重
量%の濃度で溶解させたブチリルキチン溶液を添加し、
均一に混合して紡糸原液とし、該紡糸原液を紡糸した
後、得られたブチリルキチン含有ポリウレタン弾性糸を
アルカリ処理することを特徴とする改質ポリウレタン弾
性糸の製造方法。 (A)数平均分子量1000〜2500のポリマージオ
ールと、該ジオールに対して110〜210モル%の有
機ジイソシアネートを反応して得られる末端にイソシア
ネート基を2個有するウレタンプレポリマー。 (B)イソシアネート基と反応しうる活性水素基を2個
有する鎖伸長剤およびイソシアネート基と反応しうる活
性水素基を1個有する末端停止剤。 - 【請求項2】 ブチリルキチンの添加量が、得られたブ
チリルキチン含有ポリウレタン弾性糸の全体に対して3
〜15重量%であることを特徴とする請求項1に記載の
改質ポリウレタン弾性糸の製造方法。 - 【請求項3】 ポリウレタン弾性糸の紡糸法が乾式紡糸
法であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
の改質ポリウレタン弾性糸の製造方法。
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JP10493799A JP3658678B2 (ja) | 1999-04-13 | 1999-04-13 | 改質ポリウレタン弾性糸の製造法 |
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WO2012166504A2 (en) | 2011-05-27 | 2012-12-06 | Toray Opelontex Co., Ltd. | Elastic fabric |
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