JP2729853B2 - 有機溶剤に不溶のポリウレタン弾性糸の製造法 - Google Patents
有機溶剤に不溶のポリウレタン弾性糸の製造法Info
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Description
に不溶性のポリウレタン弾性糸の製造方法に関するもの
である。
伸長性と優れた伸長回復性を有するために、フィットネ
ス等を要求される独自の分野に近年飛躍的に使用される
ようになった。この繊維は、一般には衣料として、しか
も肌に近いところに着用されるために、薬品に接触する
機会は少なかった。ところが、用途が広がるにつれ、薬
品に接する機会も発生するようになり、例えばストッキ
ングとして使用されると、その上から防虫剤の如き薬剤
が散布される状況も発生する。また、今後衣料以外の、
例えば工業用途に使用されるようになれば、有機薬品に
接する使われ方も極めて一般的となろう。
弾性糸は、耐薬品性に乏しいために容易に溶解または膨
潤し、その結果、糸または衣料は破断し、孔が開きまた
は形態を変化させてしまう。
となく、耐薬品性に優れたポリウレタン弾性糸の出現が
強く望まれていた。
し、またその不溶化は架橋反応による3次元化によって
もたらされているが、架橋によりその弾性特性は著しく
損なわれ、特に弾性糸としての価値は殆ど失われてしま
うのが普通であった。
エステルやポリエーテル(例えば特公昭43-7426号公
報)等反応性の高い化合物を用いているために生じるも
のと考えられる。また、特公昭44-20247号公報のように
架橋剤の導入を紡糸以前の段階で行えば、紡糸原液の粘
度安定性が失われ、長時間の安定した紡糸作業は不可能
であった。
優れた耐薬品性を備えたポリウレタン弾性糸を提供しよ
うとするものであり、且つその工業的にも容易な製造方
法を提供するものである。
を、ジアミンで鎖延長し、分子末端を2級アミンで停止
して得られたポリウレタンウレアの紡糸原液中へ、2個
の1級アミンを分子の末端に有し、且つ分子の内部に1
個以上の2級アミンを有する化合物をポリウレタンウレ
アの分子数に対し0.2〜2.0倍量添加混合して紡糸し、更
に加熱処理を加える、有機溶剤に不溶性のポリウレタン
弾性糸の製造方法である。
ンプレポリマーとは、末端に活性水素を持つ化合物、代
表的にはグリコールと過剰モル量の有機ジイソシアネー
トとを常法に従って反応させることにより得られる。
ル、ポリスルフィド、ポリシロキサンなども使用可能で
ある。
るグリコール成分としては、ポリテトラメチレングリコ
ール(エーテル)、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレンアジペートジオール、ポリカプロラクトンジオー
ルなどが使用される。これらグリコールの数平均分子量
は300〜2,500が好ましい。
ト成分としては、トリレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
レンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添−4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等を使用でき
る。
末端がイソシアネート基であるポリウレタンプレポリマ
ーをジアミンで鎖延長し、次いでその分子末端を2級ア
ミンで鎖停止することにより製造される。
ルホルミアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド等のような不活性有機溶剤中で行うことが好ま
しい。
して使用されるジアミンとしては、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、p−ジア
ミノベンゼン等が用いられる。
ン、ジプロピルアミン等が用いられる。
リウレタンウレアの紡糸原液に、ポリウレタンウレアの
分子数に対し0.2〜2.0倍の、2個の1級アミンを分子の
末端に有し、且つ分子の内部に1個以上の2級アミンを
有する化合物(以下、単にアミン化合物という)を添加
する必要がある。
アミンを分子の末端に有し、且つ分子の内部に1個以上
の2級アミンを有するものである。内部の2級アミンの
窒素は直接2個の炭素原子と結合している必要がある。
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペ
ンタエチレンヘキサミン等のエチレンジアミン縮合体、
プロピレンジアミン及びその縮合体、イミノビスプロピ
ルジアミン等の各種イミノ化合物が利用できる。
される。すなわち、ポリウレタンウレアに対して過少で
あれば不溶化反応はもとより、鎖延長効果さえ発揮でき
ないであろう。逆に、過剰にすぎれば、不溶化反応が過
度に起こり、ポリウレタンウレアの弾性特性は著しく損
なわれる。好ましい添加量は、ポリウレタンウレアの分
子数に対して0.2〜2.0倍である。
式紡糸により弾性糸とし、さらに加熱処理を加えること
により、ポリウレタンウレアに導入されたアミン化合物
中の残存2級アミンが残存の活性基と架橋反応して有機
溶剤に不溶な弾性糸を生成する。
に制限はされないが、一般には、40〜150℃で2〜24時
間程度が好ましい。
得られる作用効果は、2級アミンで鎖停止されたポリウ
レタンウレアの紡糸原液中に、2個の1級アミンを分子
の末端に有し、且つ分子の内部に1個以上の2級アミン
を有する化合物を添加混合して紡糸することによって発
現するものである。
レアの末端2級アミンを置換して(アミノリシスと呼
ぶ)ポリウレタンウレアの鎖長延長を行うことである。
元のポリウレタンウレアよりも優れた弾性伸長及び伸長
回復性を有するようになる。
付加した2級アミンが1級アミンで置換されるものであ
り、被置換アミンが1級アミンであったり、また置換ア
ミンが2級アミンの場合は、極めて起こりにくい。
たアミン化合物中の残存2級アミンが、追加の熱エネル
ギーによってポリウレタンウレア中の何らかの活性基と
反応して架橋反応し、不溶化をもたらすことである。
本発明のアミン化合物を添加することによって不溶化す
ることから、不溶化がこのアミン化合物による架橋作用
と考えざるを得ない。
はウレア結合の2級アミンが存在するが、ポリウレタン
ウレア糸のみを単に加熱しても不溶化は生じないことを
考えれば、2級アミンによる架橋は、一般には極めて起
こり難く、特に、ウレタンやウレア結合の如きアミドの
−N−Hには、その能力はないと見られる。
は、しれほど高くないと思われるが、僅かに高分子反応
が生成し、しかも僅かであるが故に、不溶化はするもの
の、弾性特性を著しく低下させる程のものではないと考
えることができる。
れらは本発明の範囲を制限しない。
保った湯浴中に固定た2l容のガラス製丸底セパラブルフ
ラスコに数平均分子量1,8000のポリテトラメチレングリ
コールエーテル(以下、PTMGと記す)500gを入れ、水分
を遮断するために乾燥窒素ガスを不断に流しつつ、この
中に45℃で溶融したジフェニルメタンジイソシアネート
(以下、MDIと記す)111gを投入し、良く攪拌混合す
る。約20分後、溶液を65℃に昇温し、更に3時間加熱攪
拌を続けて、PTMGの水酸基を100%反応させ、プレポリ
マーを得る。
ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと記す)917gを加え
て希釈冷却すると共に、外部からも冷却して、濃度40重
量%、温度15℃のプレポリマーを得た。
とをDMAc524gに溶解し、濃度1.32重量%のアミン溶液を
調製し、これを15℃に保ったプレポリマー溶液の入った
丸底フラスコの中へ、滴下漏斗を通して窒素圧を利用し
て圧入した。この間、プレポリマー溶液は、反応が均一
に進むように、200rpm以上の速度で攪拌を続けた。アミ
ン溶液の投入完了後も更に約15分間攪拌を続け、数平均
分子量約57,000のポリウレタンポリマー(ウレタンウレ
アポリマー)30重量%溶液を得た。
エチレントリアミン(0.811g)を加えて紡糸原液とし
た。紡糸原液は、ギアポンプにより0.2mm径の円形ノズ
ルから吐出線速度65m/分で、230℃の熱風が吹き出す紡
糸筒へ押出され、40d/4fの糸として巻き取られた。
入れて10時間熱処理された。
Ac、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラ
ン(THF)及びクロロホルムの各溶媒50mlに浸漬し、溶
解性を試験した。熱処理後の糸はいずれの溶媒にも溶解
せず形態変化すら示さなかった。
したところ、第1表に示した通り、いずれも弾性繊維と
しての優れた性質を保持し、熱処理糸は一層優れた回復
応力を有していた。
のポリウレタンポリマーの30%溶液を、ジエチレントリ
アミンを添加することなく、そのまま実施例1と同じ条
件で紡糸し、40d/4fの糸を得た。この糸を同じように70
℃で10時間熱処理し、熱処理前後の糸の引張特性を測定
した。
ず、しかも、伸度以外の性質は実施例1の糸よりも低い
値に留まった。
に、ポリマーと等モルのイミノビスプロピルアミン、ト
リエチレンテトラミン、テトラメチレンペンタミン、ペ
ンタメチレンヘキサミンを添加混合し、紡糸原液とし
た。紡糸原液は実施例1と同じ条件で紡糸し、40d/4fの
糸として巻き取った。これらの糸は、第2表に示すとお
り、50℃‐20時間の加熱時間により実施例1と同じ溶媒
に不溶化するとともに、優れた弾性特性を発現すること
が確認された。
ポリウレタンポリマーに対して、各10、20、50、70、12
0、150、230モル添加混合して紡糸原液とした。これか
ら実施例1と同じようにして得られた糸を加熱処理し、
物性を測定した結果、第3表に示すように添加量20モル
%以上で良好な結果が得られた。
ル%では、糸は加熱によっても溶媒不溶化しなかった。
一方、添加量230モル%では、特に復時応力と伸度の低
下が大きく且つ伸長残留歪みが大きくなり、もはや弾性
繊維としての特徴を失うに至る。
により測定されたものである。
量〕: ピリジンに溶解した33重量%溶液を、フェノールフタ
レンを支持薬として無水フタル酸により末端OH基を測定
して算出した。
ド)中に1重量%として溶解し、GPC(日本ミリポアリ
ミテド、Waters社製)にかけて、分子量既知の標準ポリ
スチレンのリテンシヨンタイムと比較して算出した。
m、引張速度50cm/分の条件で伸長した時の破断時強度及
び伸度である。
m/分の条件で300%まで伸長し、直ちに引張時と同じ速
度で元の長さまで回復させる。
を繰り返す。3回目の伸長と回復の際に描いた応力と歪
の関係曲線を用いて、各大きさの歪における応力を読み
取る。
力ゼロになった時の歪を表す。
ウレアの紡糸原液中に、特定のアミン化合物を添加混合
し、紡糸し、加熱処理することにより、弾力性と弾性回
復性に優れ且つ有機溶剤に不溶性のポリウレタン弾性糸
が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】末端がイソシアネート基であるウレタンプ
レポリマーをジアミンで鎖延長し、さらに分子末端を2
級アミンで停止して得られたポリウレタンウレアの紡糸
原液中へ、2個の1級アミンを分子の末端に有し、且つ
分子の内部に1個以上の2級アミンを有する化合物をポ
リウレタンウレアの分子数に対し0.2〜2.0倍量添加混合
して紡糸し、更に加熱処理を加えることを特徴とする、
有機溶剤に不溶性のポリウレタン弾性糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21498690A JP2729853B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 有機溶剤に不溶のポリウレタン弾性糸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21498690A JP2729853B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 有機溶剤に不溶のポリウレタン弾性糸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04100919A JPH04100919A (ja) | 1992-04-02 |
JP2729853B2 true JP2729853B2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=16664814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21498690A Expired - Lifetime JP2729853B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | 有機溶剤に不溶のポリウレタン弾性糸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2729853B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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WO2000056958A1 (fr) * | 1999-03-19 | 2000-09-28 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Fibre elastique en polyurethane-uree et son procede de fabrication |
CN112725928B (zh) * | 2020-12-29 | 2023-01-10 | 宁夏宁东泰和新材有限公司 | 耐高温聚氨酯弹性纤维的制备方法 |
-
1990
- 1990-08-16 JP JP21498690A patent/JP2729853B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH04100919A (ja) | 1992-04-02 |
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