JP2000302959A - 光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる光反射板 - Google Patents

光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる光反射板

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JP2000302959A
JP2000302959A JP6741699A JP6741699A JP2000302959A JP 2000302959 A JP2000302959 A JP 2000302959A JP 6741699 A JP6741699 A JP 6741699A JP 6741699 A JP6741699 A JP 6741699A JP 2000302959 A JP2000302959 A JP 2000302959A
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JP6741699A
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Ichiro Sato
佐藤  一郎
Shinji Nukui
紳二 温井
Yutaka Yoshida
豊 吉田
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Sumitomo Dow Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、酸
化チタン(B)5〜25重量部、ポリオルガノ水素シロ
キサン(C)0.01〜3重量部、エポキシ変性エラス
トマー(D)0.5〜10重量部、難燃剤(E)1〜2
0重量部および滴下防止剤(F)0.01〜2重量部か
らなることを特徴とする光反射性に優れた難燃性ポリカ
ーボネート樹脂組成物。 【効果】本発明に係わるポリカーボネート樹脂組成物
は、光反射性および難燃性に優れ、さらには、ポリカー
ボネート樹脂の分子量低下が抑制されるために成形時の
熱安定性、機械的強度、外観にも優れていることから、
特に液晶ディスプレー等の反射板に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化チタン、ポリオル
ガノ水素シロキサン、エポキシ変性エラストマー、難燃
剤および滴下防止剤が配合された光反射性に優れた難燃
性ポリカーボネート樹脂組成物、および該組成物より成
形されてなる光反射板に関する。本発明に係わる樹脂組
成物は、光反射性に優れ、さらには、成形時の熱安定
性、機械的強度、難燃性、外観にも優れていることか
ら、特に液晶ディスプレー等の反射板に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリカーボネート樹脂に酸化チタ
ンを配合して、白度を向上させ、光隠蔽性を付与して光
反射性を高める方法が検討されている。しかし、酸化チ
タンの配合量が多くなると、その表面に存在する結晶水
等の化学的活性点により、高温加熱条件下においてポリ
カーボネート樹脂の分解を誘発するという問題点があっ
た。その結果、ポリカーボネート樹脂の黄変度の上昇や
分子量の低下が発生し、光反射性能の低下のみならず、
機械的強度や難燃性等の性能、さらには樹脂組成物の成
形性も損なわれるという問題が生じた。このような背景
から、市場にて要求されている性能を十分満足する光反
射板の出現が望まれていた。
【0003】上記問題点を解決する方法として、ポリカ
ーボネート樹脂に酸化チタンを配合する際、ポリオルガ
ノ水素シロキサンを配合する方法(特公昭63−261
40号公報)、特定のポリオルガノシロキサンで表面処
理された酸化チタンをポリカーボネート樹脂に配合する
方法(特開平4−202476号公報)、ポリオルガノ
水素シロキサンで表面処理された特定の酸化チタンをポ
リカーボネート樹脂に配合する方法(特開平7−258
554号公報)、酸化チタンをアルキルアルコキシシラ
ンおよび/またはアミノ系シランカップリング剤とポリ
オルガノ水素シロキサンで表面処理し、特定のエラスト
マーとともにポリカーボネート樹脂に配合する方法(特
開平9−12853号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの方法
もポリカーボネート樹脂の分解をある程度は抑制するも
のの、光反射特性、機械特性、難燃性等の改善は必ずし
も十分ではなく、光反射板としての市場ニーズを完全に
満たすには至っていなかった。本発明の目的は、高い光
反射特性、機械特性および難燃性、良好な成形性・外観
を具備した光反射板に好適なポリカーボネート樹脂組成
物および当該組成物より成形されてなる光反射板を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、ポリカーボネート
樹脂に酸化チタン、ポリオルガノ水素シロキサン、エラ
ストマー、難燃剤および滴下防止剤を特定量配合するこ
とにより、上記の目的が達成されることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹
脂(A)100重量部、酸化チタン(B)5〜25重量
部、ポリオルガノ水素シロキサン(C)0.01〜3重
量部、エポキシ変性エラストマー(D)0.5〜10重
量部、難燃剤(E)1〜20重量部および滴下防止剤
(F)0.01〜2重量部からなることを特徴とする光
反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、お
よび該樹脂組成物より成形されてなる光反射板を提供す
るものである。
【0007】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホ
スゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシ
ジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸
エステルとを反応させるエステル交換法によって得られ
る重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられ
る。
【0008】上記ジヒドロキシジアリール化合物として
は、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチ
ルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒド
ロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒド
ロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリール
スルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
ホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチ
ルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリ
ールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメ
チルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリー
ルスルホン類等が挙げられる。
【0009】これらは、単独または2種類以上混合して
使用される。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジル
ハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0010】さらに、上記のジヒドロキシアリール化合
物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混
合使用してもよい。
【0011】3価以上のフェノールとしてはフロログル
シン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル
−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘ
プタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキ
シフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−
(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシ
ル]−プロパンなどが挙げられる。
【0012】ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分
子量は、通常10000〜100000、好ましくは1
5000〜35000以下である。かかるポリカーボネ
ート樹脂(A)を製造するに際し、分子量調節剤、触媒
等を必要に応じて使用することができる。
【0013】本発明にて使用される酸化チタン(B)
は、製造方法、結晶構造または粒子径によって限定され
るものではないが、塩素法により製造された酸化チタン
であって、ルチルタイプの結晶形態をとるものが好まし
い。更に、アルミナおよび/またはシリカ等の無機系の
表面処理剤でコーティングされているものが好適に使用
される。一般的に顔料として使用される酸化チタンの粒
子径は0.1〜0.5μmであるが、粒子径が0.1μ
m未満のものを使用しても良い。
【0014】本発明に使用されるポリオルガノ水素シロ
キサン(C)としては、メチルハイドロジェンポリシロ
キサン、メチルハイドロジェンポリシクロシロキサン等
が挙げられ、とりわけ下記一般式(2)〜(4)の構成
単位から選択された化合物が好ましい。
【0015】一般式(2)
【化2】 (式中、Rは脂肪族不飽和を含まない一価の炭化水素
基、aは1.00〜2.10、bは0.1〜1.0、
(a+b)は2.00〜2.67である。)
【0016】一般式(3)
【化3】
【0017】一般式(4)
【化4】
【0018】これら以外のポリオルガノ水素シロキサン
を使用すると、高温下での溶融混練時にポリカーボネー
ト樹脂の分子量低下や黄色度の上昇がみられたり、成形
加工時に多量のガスの発生や成形品へのシルバーストリ
ーク等が発生することがある。
【0019】前記酸化チタン(B)とポリオルガノ水素
シロキサン(C)は、そのままの状態で直接ポリカーボ
ネート樹脂(A)に配合することも可能である。また、
ポリカーボネート樹脂(A)に配合する前に、酸化チタ
ン(B)を一旦ポリオルガノ水素シロキサン(C)で表
面処理し、これをポリカーボネート樹脂(A)に配合し
ても良い。
【0020】前記の表面処理の方法としては、湿式、乾
式いずれの方法を用いても良い。湿式法としては、ポリ
オルガノ水素シロキサン(C)と低沸点溶媒との混合溶
液に酸化チタン(B)を添加し、これを攪拌後、脱溶媒
処理を行う方法等が挙げられる。その後、さらに120
〜200℃の温度で熱処理しても良い。乾式法として
は、ポリオルガノ水素シロキサン(C)と酸化チタン
(B)をスーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、V型
タンブラー等の混合装置により混合攪拌処理する方法等
が挙げられる。この際に、120〜200℃の温度条件
で熱処理しても良い。
【0021】本発明にて使用されるエポキシ変性エラス
トマー(D)としては、エポキシ変性されたアクリル系
ゴム等が挙げられる。とりわけ、0.1〜5μmの一次
粒子径を有し、かつコアー部がポリアルキルアクリレー
ト、シェル部がグリシジルメタアクリレートで部分的に
変成されたポリメチルメタアクリレートであるコアー/
シェル構造のアクリルゴムが好適に用いられる。本発明
において、エポキシ変性エラストマー(D)は、樹脂組
成物の衝撃性能を向上させるにとどまらず、高温下での
溶融混練、成形加工時におけるポリカーボネート樹脂
(A)の黄色度の上昇を抑制して光反射性能を改善させ
る効果も併せもつ。
【0022】本発明にて使用される難燃剤(E)として
は、例えば有機ハロゲン系難燃剤、スルホン酸金属塩化
合物、シリコーン系難燃剤、リン系難燃剤等が挙げられ
る。とりわけ、テトラブロモビスフェノールAを主体と
する重合度が2〜25のカーボネートオリゴマーである
有機ハロゲン系難燃剤やレゾルシノールを使用する縮合
型の燐酸エステル系難燃剤が好適に使用される。
【0023】本発明にて使用される滴下防止剤(F)と
しては、ポリカーボネート樹脂(A)中でフィブリル状
構造を形成するものがよく、例えばポリテトラフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例え
ば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、等)、米国特許第4379910号に示さ
れる様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノール
から製造されるポリカーボネート等が挙げられる。とり
わけ、分子量1000000以上で二次粒子径100μ
m以上のフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロ
エチレンが好適に使用される。
【0024】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
ポリカーボネート樹脂(A)、酸化チタン(B)、ポリ
オルガノ水素シロキサン(C)、エポキシ変性エラスト
マー(D)、難燃剤(E)および滴下防止剤(F)から
構成され、組成比率は(A)100重量部あたり、
(B)5〜25重量部、(C)0.01〜3重量部、
(D)0.5〜10重量部、(E)1〜20重量部およ
び(F)0.01〜2重量部である。
【0025】酸化チタン(B)の配合量が5重量部未満
では、透過光量が多くなり、高い光反射性能が得られな
い。また、25重量部を超えるとポリカーボネート樹脂
(A)の分子量低下や衝撃強度の低下がみられたり、成
形品にガス焼けやシルバーストリークが発生しやすくな
り好ましくない。より好ましくは、9〜16重量部の範
囲である。
【0026】ポリオルガノ水素シロキサン(C)の配合
量が0.01重量部未満では、酸化チタン(B)表面の
活性点の不活性化が不十分となるため、高温での樹脂組
成物の溶融混練時、ポリカーボネート樹脂(A)の分子
量低下による黄色度の上昇が起こりことから、光反射性
能の低下や樹脂組成物の衝撃強度の低下を招いたり、成
形品に対しシルバーストリークがみられる等不具合が発
生するため、好ましくない。また、ポリオルガノ水素シ
ロキサン(C)の配合量が3重量部を超えると、樹脂組
成物の溶融混練時において溶融樹脂がスクリュー上をス
リップするため、未溶融物が発生し、衝撃強度の低下が
みられたり、ポリカーボネート樹脂(A)の分子量低下
が大きくなったり、成形時のガス発生量が多くなる等の
不具合が発生するので好ましくない。より好適には、
0.03〜2重量部の範囲である。
【0027】エポキシ変性エラストマー(D)の配合量
が0.5重量部未満では、衝撃性能の向上がみられず、
光反射性能の改善効果も不十分であり好ましくない。ま
た、10重量部を超えると、成形品の剛性が低下した
り、難燃性についてもUL94のV−0を達成すること
ができなくなり、光反射板の材料として好適ではない。
より好適には、2〜6重量部の範囲である。
【0028】難燃剤(E)が1重量部未満では、難燃性
の向上が不十分となり、光反射板に要求されているUL
94のV−0を達成することが困難となり、好ましくな
い。また、20重量部を超えると、樹脂組成物の衝撃強
度の低下が顕著となり好ましくない。より好適には、5
〜15重量部の範囲である。
【0029】滴下防止剤(F)は、目標とする樹脂組成
物の難燃レベルによって配合量が異なり、配合量が増加
するに伴い難燃レベルは向上する。配合量が0.01重
量部未満では滴下防止能が小さいため、燃焼時、ドリッ
ピングが発生し、UL94のV−0を達成することが困
難となるため好ましくない。また、2重量部を超えると
難燃レベルの顕著な改善効果は認められず、逆に成形品
の外観の悪化やシルバーストリークの発生がみられるよ
うになり、樹脂組成物の衝撃性能も低下するため好まし
くない。より好適には、0.1〜 1重量部の範囲であ
る。
【0030】上記の(A)〜(F)の各成分の混合方法
ならびに混合順序は、特に制限はなく、混合方法におい
ては公知の混合機、例えば、タンブラー、リボンブレン
ダー、高速ミキサー等で混合し、一軸または二軸押出機
により溶融混練しペレット化する方法、ならびに混合順
序としては上記各成分の一括同時混合または特定成分の
みを混合した後、残る成分を添加混合する方法等が挙げ
られる。この時、酸化チタン(B)や他の成分の一部を
押出機の途中のフィード口から投入添加しても良い。ま
た、成分の一部を予め混合、溶融混練した後、残りの成
分を添加しペレット化してもよい。
【0031】さらに、混合時、必要に応じて公知の添加
剤、例えば、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白
剤、有機金属塩、亜燐酸エステル系、燐酸エステル系の
熱安定剤、ヒンダーフェノール系の酸化防止剤、帯電防
止剤、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスフレーク、
ウィスカー(チタン酸カリウムウィスカー、硼酸アルミ
ニウムウィスカー等)、カーボン繊維等の強化剤を配合
しても良い。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はそれら実施例に制限されるものではな
い。尚、「部」は重量基準に基づく。
【0033】(実施例1〜9および比較例1〜13) ・樹脂組成物ペレットの製造 ポリカーボネート樹脂、酸化チタン、ポリオルガノ水素
シロキサン、エポキシ変性エラストマー、難燃剤および
滴下防止剤の各配合成分を、表1〜表4に示す配合比率
に基づき、タンブラーにより混合した後、溶融温度25
0℃、スクリュー径37mmの同方向二軸押出機'(神
戸製鋼社製KTX−37)にて混練し、各種ペレットを
得た。
【0034】使用した各種配合成分の詳細は、以下のと
おりである。 ・ポリカーボネート樹脂 ビスフェノールAとホスゲンから合成された粘度平均分
子量20500のポリカーボネート樹脂(住友ダウ社製
カリバー200−13) メルトフローレイト=13g/10分(300℃、1.
2Kg、ASTMD−1238に準拠) ・酸化チタン 塩素法で製造されたルチル型酸化チタン(タイオキサイ
ド社製RTC−30、粒径:0.2〜0.3μm) ・ポリオルガノ水素シロキサン 信越化学工業社製KF99(粘度:20cSt、25
℃)、または東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SH
1107(30cSt、25℃) ・エポキシ変性エラストマー 呉羽化学工業社製パラロイドEXL2314(エポキシ
変性、コア/シェル型アクリル系ゴム) ・アクリルエラストマー 比較のため、エポキシ変性されていないコア/シェル型
アクリル系ゴムを用いた。(呉羽化学工業社製パラロイ
ドEXL2313) ・難燃剤 テトラブロモビスフェノールAを主体とするカーボネー
トオリゴマー(グレートレークス社製BC52) 縮合型燐酸エステル (旭電化工業社製アデカスタブFP500:1,3−フ
ェニレンビス(ジキシレニルフォスフェート)) ・滴下防止剤 ポリテトラフルオロエチレン(旭ガラス社製フルオンC
D076) (分子量:4000000、二次粒子径:475μm)
【0035】・試験方法 得られた各種ペレットを使用し、日本製鋼社製の100
トン射出成形機(J100E−C5)により、溶融温度
300℃で、以下に述べる各種試験片を作成し、各試験
に供した。
【0036】・光反射性 長さ90mm、幅40mmの3段プレート(厚み3、
2、1mm)状試験片を作成し、厚み1mmの部分につ
き波長400〜800nmにおけるY値を分光光度計
(村上色彩技術研究所製CMS−35SP)により測定
した。Y値が92%以上となるものを合格とした。
【0037】・燃焼性 米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)の定
めるUL94垂直燃焼試験法に準じ、長さ127mm、
幅12.7mm、厚み1.6mmの試験片を用いて燃焼
試験を行った。難燃性レベルがUL94のV−0となる
ものを合格とした。
【0038】・耐衝撃性 ASTM D−256に準拠し、ノッチ付きアイゾット
衝撃強度を室温において測定した。試験片の厚みは、
3.2mmである。数値が35Kg・cm/cm以上を
合格とした。
【0039】・曲げ剛性 ASTM D−792に準拠し、引っ張り・曲げ試験機
(A&D社製UCT−1T)を用いて、曲げ剛性を室温
にて測定した。試験片の厚みは、6.4mmである。数
値が22000Kg/cm2以上を合格とした。
【0040】・試験片の外観 長さ90mm、幅40mmの3段プレート(厚み3、
2、1mm)状試験片を作成し、その表面を目視により
観察し、シルバーストリーク、ガス焼け等の有無を調べ
た。(○:無し、×:有りを表わす。)
【0041】・メルト・フローレイト 得られたペレットを用いて、ASTM D−1238に
準拠し、東洋精機製(セミオートメルトインデクサー)
を用いて、300℃、1.2Kgでのメルト・フローレ
イトを測定した。(単位:g/10分) 数値が大きい程、ポリカーボネート樹脂が分解を起こし
ており、その分子量の低下が大きいことを表している。
20g/10分以下を合格とした。
【0042】それぞれの試験項目の結果を表1〜表4に
まとめた。
【0043】
【表1】樹脂組成物の組成と評価結果 ホ゜リオルカ゛ノ水素シロキサン*1:信越化学工業社製KF99(粘
度:20cSt、25℃)ホ゜リオルカ゛ノ 水素シロキサン*2:東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン社製SH1107(粘度:30cSt、25℃) 難燃剤*3:テトラブロモビスフェノールAを主体とする
カーボネートオリゴマー(グレートレークス社製BC5
2)
【0044】表1および表4に示すとおり、それぞれの
配合成分の配合量が規定値の範囲を満足するもの(実施
例1〜9)は、優れた光反射性、耐衝撃性、曲げ剛性、
外観を示すとともに、V−0(UL94)等級の高い難
燃性を示した。また、メルト・フローレイトの上昇、す
なわちポリカーボネート樹脂の分子量低下も抑制されて
いる。
【0045】
【表2】樹脂組成物の組成と評価結果 ホ゜リオルカ゛ノ水素シロキサン*1:信越化学工業社製KF99(粘
度:20cSt、25℃) 難燃剤*3:テトラブロモビスフェノールAを主体とする
カーボネートオリゴマー(グレートレークス社製BC5
2)
【0046】
【表3】樹脂組成物の組成と評価結果 ホ゜リオルカ゛ノ水素シロキサン*1:信越化学工業社製KF99(粘
度:20cSt、25℃) 難燃剤*3:テトラブロモビスフェノールAを主体とする
カーボネートオリゴマー(グレートレークス社製BC5
2)
【0047】
【表4】樹脂組成物の組成と評価結果 ホ゜リオルカ゛ノ水素シロキサン*1:信越化学工業社製KF99(粘
度:20cSt、25℃) 難燃剤*4:縮合型燐酸エステル(旭電化工業社製アデカ
スタブFP500:1,3−フェニレンビス(ジキシレ
ニルフォスフェート))
【0048】表2〜4に示す様に、本発明の必須成分お
よび各配合成分の配合量の規定値範囲を満足しないもの
(比較例1〜13)は、それぞれ欠点を有している。具
体的には、 ・酸化チタン:酸化チタンの配合量が規定値を超える
(比較例1)場合には、光反射性は優れるものの、メル
ト・フローレイトの上昇、すなわちポリカーボネート樹
脂の分子量低下が起こり、耐衝撃性、外観、難燃性が低
下する。一方、酸化チタンの配合量が規定値より少ない
(比較例2)場合には、光反射性が劣る。
【0049】・ポリオルガノ水素シロキサン:ポリオル
ガノ水素シロキサンの配合量が規定値を超える(比較例
3)場合には、メルト・フローレイトの上昇、すなわち
ポリカーボネート樹脂の分子量低下が起こり、耐衝撃
性、外観、難燃性が低下すると共に光反射性も低下す
る。一方、ポリオルガノ水素シロキサンの配合量が規定
値より少ない(比較例4)場合には、耐衝撃性は良好な
るも、他の物性(光反射性、外観、難燃性の低下、メル
ト・フローレイトの上昇)が低下する。
【0050】・エポキシ変性エラストマー:エポキシ変
性エラストマーの配合量が規定値を超える(比較例6)
場合には、曲げ剛性および難燃性が低下する。一方、エ
ポキシ変性エラストマーの配合量が規定値より少ない
(比較例5)場合には、光反射性および耐衝撃性が低下
する。エポキシ変性エラストマー(実施例1)に代え
て、エポキシ変性されていないアクリルゴムを配合した
場合(比較例7)は、光反射性の低下がみとめられ、実
用に供するレベル迄には至っていなかった。
【0051】・難燃剤:難燃剤の配合量が規定値より少
ない(比較例8、12)場合には、難燃性の低下が認め
られた。一方、難燃剤の配合量が規定値より多い(比較
例9、13)場合には、耐衝撃性の低下が認められた。
【0052】・滴下防止剤:滴下防止剤の配合量が規定
値より少ない(比較例10)場合には、難燃性の低下が
認められた。一方、滴下防止剤の配合量が規定値より多
い(比較例11)場合には、耐衝撃性および外観の低下
が認められた。
【0053】
【発明の効果】本発明に係わるポリカーボネート樹脂組
成物は、光反射性および難燃性に優れ、さらには、ポリ
カーボネート樹脂の分子量低下が抑制されるために成形
時の熱安定性、機械的強度、外観にも優れていることか
ら、特に液晶ディスプレー等の反射板に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/08 G02B 5/08 A //(C08L 69/00 83:05 51:00 27:18) Fターム(参考) 2H042 DA06 DA11 DB06 DC00 DE00 4J002 BD155 BN123 CG011 CG034 CP042 DE136 EJ057 FD134 FD137 GP00 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート樹脂(A)100重量
    部、酸化チタン(B)5〜25重量部、ポリオルガノ水
    素シロキサン(C)0.01〜3重量部、エポキシ変性
    エラストマー(D)0.5〜10重量部、難燃剤(E)
    1〜20重量部および滴下防止剤(F)0.01〜2重
    量部からなることを特徴とする光反射性に優れた難燃性
    ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ変性エラストマー(D)が、0.
    1〜5μmの一次粒子径を有し、かつコアー部がポリア
    ルキルアクリレート、シェル部がグリシジルメタアクリ
    レートで部分的に変成されたポリメチルメタアクリレー
    トであるコアー/シェル構造のアクリルゴムである請求
    項1記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】難燃剤(E)が、テトラブロモビスフェノ
    ールAを主体とするカーボネートオリゴマーである請求
    項1記載の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】滴下防止剤(F)が、分子量100000
    0以上で二次粒子径100μm以上のポリテトラフルオ
    ロエチレンである請求項1記載の光反射性に優れた難燃
    性ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】難燃剤(E)が、下記一般式(1)に示す
    燐系化合物である請求項1記載の光反射性に優れた難燃
    性ポリカーボネート樹脂組成物。 【化1】一般式(1) 式中Xは、レゾルシノール、ビスフェノールA、ヒドロ
    キノンを表し、R1〜R4およびm1〜m4はそれぞれ炭素
    数1〜3のアルキル基および0〜2の整数であり、同一
    あるいは異なっていてもよく、nは1〜5の整数を表
    す。
  6. 【請求項6】難燃剤(E)の一般式(1)におけるXが
    レゾルシノールである請求項5記載の光反射性に優れた
    難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項6の何れかに記載の光反
    射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物より成
    形してなる光反射板。
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