JP2005331710A - 遮光性高反射積層シート及びそれを用いてなる熱成形体及び筐体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、少なくとも2層の多層シートであって、第一層表面の全光線反射率(Y値)が96%以上であり、該多層シート第一層の反対側最外層表面の全光線反射率(Y値)が30%以下であり、かつ積層シートの全光線透過率が0.3%以下であることを特徴とする遮光性高反射積層シート、それを用いた成形体及び筐体である。
【選択図】図1
Description
各バックライトは、蛍光管を光源として、その光を効率よく液晶ユニットへ送り込むために反射フィルムが用いられている。エッジ型では発泡ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが導光板の下にひかれ、直下型液晶用バックライトの反射板としては、発泡PETフィルム又は発泡ポリプロピレン(PP)フィルムとAl板との張り合わせ品、及び超臨界発泡PETシートなどが用いられている。なかでも発泡PETフィルム/Al板張り合わせ品を折り曲げ加工したものが多く用いられている。
直下型液晶バックライトにおいて、反射板は、複数の光源(冷陰極管)と近接して用いられるため、その光源波長に対する耐光性が求められる。冷陰極管からは、液晶光源として用いる可視領域の光の他に波長200〜400nmの紫外光が放射されており、この紫外光が反射部材の光劣化を促進する。反射板を形成する樹脂は光劣化に伴って黄変し、反射板の反射特性が低下する。そのため、白色PETフィルムでは、耐光性を付与するための練り込み型光安定剤及びコーティング技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
エッジ型のバックライトユニット(BLU)の重要な主要求特性として輝度とともに遮光性が挙げられ、液晶モニターでは、遮光性が不十分であると、画面端部で光のにじみを引き起こす。この光の透けを防ぐために、従来、金属製のランプハウスを用いたり、ユニットの各所に遮光テープを必要箇所に貼付したりしていた。
従来のエッジ型BLUは、上述のように部材が多く、遮光のための工夫も煩雑であるため、ユーザーからモジュール化の要望がある。
さらに、ノートパソコンの小型化に代表されるように、BLUの薄肉化も同時に進んでおり、これら製品のハウジング、フレーム、反射板には、高い反射率と、薄肉でも十分な遮光性を確保することが要求されている。
シートの厚みが薄いものは折り曲げなどの加工性に優れるが、光が透過しやすく遮光性に問題があり、一方厚みを厚くすると遮光性は向上するが加工性が損なわれると言う問題があった。
また、薄肉化が進むと、より高い遮光性を得るためにさらに多量の酸化チタン含有が必要となるが、安定化剤等を加えても、酸化チタン表面の反応基が原因で成形加工時にポリカーボネートの着色やシルバー(銀条)の発生が増加することは避けられない。
上記の背景により、加工性が失われずに遮光性に優れる高反射材料が強く求められる状況にあった。
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも2層の多層シートであって、第一層表面の全光線反射率(Y値)が96%以上であり、該多層シート第一層の反対側最外層表面の全光線反射率(Y値)が30%以下であり、かつ積層シートの全光線透過率が0・3%以下であることを特徴とする遮光性高反射積層シート、
(2)第一層がポリカーボネート系重合体と酸化チタンを含有する樹脂組成物からなる上記(1)の遮光性高反射積層シート、
(3)ポリカーボネート系重合体と酸化チタンとを質量比で60:40〜85:15の割合で含有する上記(2)の遮光性高反射積層シート、
(4)3層以上より構成された多層シートにおいて、反射層を第一層とした場合、第二層の全光線反射率(Y値)が80%以上である上記(1)〜(3)いずれかの遮光性高反射積層シート、
(5)第二層以降の少なくとも一層が、第一層のリサイクル材、または、上記(1)〜(4)のいずれかの多層高反射シートのリサイクル材を含む組成物からなる遮光性高反射積層シート、
(6)第一層と反対側の最外層が黒色塗料による遮光性コーティング層である上記(1)〜(5)いずれかの遮光性高反射積層シート、
(7)第一層表面に耐光コーティングが施されてなる上記(1)〜(6)いずれかの遮光性高反射積層シート、
(8)第一層が発泡体である上記(1)または(4)〜(7)のいずれかの遮光性高反射積層シート、
(9)折り曲げ用ヒンジ部を有する上記(1)〜(8)いずれかの遮光性高反射積層シート、
(10)上記(1)〜(9)のいずれかの遮光性高反射積層シートを用いてなる熱成形体、及び
(11)上記(9)記載の遮光性高反射積層シートを用い、その折り曲げヒンジ部を使用して組み立てられ、かつ当該遮光性高反射積層シートと他の熱可塑性樹脂成形体または当該遮光性高反射積層シート同士が接着されてなる筐体、
を提供するものである。
(遮光性高反射積層シート)
本発明の遮光性高反射積層シートは、少なくとも2層の多層シートであって、第一層表面の全光線反射率(Y値)が96%以上であり、該多層シート第一層の反対側最外層表面の全光線反射率(Y値)が30%以下であり、かつ積層シートの全光線透過率が0.3%未満であることを特徴とするものである。
本発明の遮光性高反射積層シートの第一層表面の全光線反射率(Y値)は、96%以上であることを要する。好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上である。ここでこのような高度の反射率を得るためには後述する酸化チタンの含有量を調整することによって達成することができる。
また、上記第一層の反対側最外層表面の全光線反射率(Y値)は30%以下であることを要する。好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。さらに、当該遮光性高反射積層シートの全光線透過率が0.3%以下であること要する。好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。このような低反射率及び光遮蔽性に優れたシートは後述する遮光性コーティング層の調整により達成することが出来る。
ここで光線反射率が96%未満あるいは光線透過率が0.3%以上であると、目的とする反射用途において充分な輝度が得られにくい。
また、当該遮光性高反射積層シートの厚みは、好ましくは0.2〜2mm、より好ましくは0.3〜1.8mm、さらに好ましくは0.4〜1.5mmである。ここで本シートの厚みが0.2mm未満であると大面積の反射板を熱成形する際にドローダウンが生じ偏肉の抑制が困難であり、面内の光反射のむらが生じやすい。2mmを超えると熱成形時の加熱において片側の表面、内部、反対側の表面の温度差が生じやすくなり結果として均質な反射特性の熱成形品が得られにくい。
で表される構造の繰返し単位を有するポリカーボネート部と、次の一般式(3)
で表される構造の繰返し単位を有するポリオルガノシロキサン部からなるものである。ここで、ポリカーボネート部の重合度は、3〜100が好ましく、また、ポリオルガノシロキサン部の重合度は、2〜500が好ましい。
剤法、すなわち塩化メチレンなどの溶剤中で公知の酸受容体、分子量調節剤の
存在下、次の一般式(4)
で表される二価フェノールと、ホスゲンなどのカーボネート前駆体とを反応させることによって容易に製造することができる。すなわち、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応により製造することができる。また、二価フェノールと炭酸エステル化合物のようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応などによっても製造することができる。
なお、n−ヘキサン可溶分が1.0質量%以下のPC−POS共重合体を製造するには、例えば共重合体中のポリオルガノシロキサン含有率を10質量%以下にするとともに、一般式(3) で表わされる繰返し単位の数が100以上のものを用い、かつ第3級アミンなどの触媒を5.3×10−3モル/(kg・オリゴマー)以上用いて上記共重合を行うことが好ましい。
炭酸エステル化合物及び分子量調節剤としては、上記と同様のものを使用することができる。
このポリカーボネート樹脂は、機械的強度、特にアイゾット衝撃強度及び成形性などの点から、粘度平均分子量が13,000〜30,000の範囲にあるもの、特に15,000〜25,000の範囲にあるものが好ましい。なお、その粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10−5Mv0.83の式により算出した値である。
このような特性を有するポリカーボネート樹脂は、例えばタフロンFN3000A、FN2500A、FN2200A、FN1900A、FN1700A、FN1500A(商品名,出光石油化学社製)のような芳香族ポリカーボネート樹脂として市販されている。
本発明で用いる酸化チタンの表面酸量は、10マイクロモル/g以上であることが好ましく、表面塩基量は10マイクロモル/g以上であることが好ましい。表面酸量が10マイクロモル/gより小さかったり、表面塩基量が10マイクロモル/gより小さい場合は、安定化剤であるオルガノシロキサン化合物との反応性が低くなるため酸化チタンの分散が不充分となり、成形体の高輝度化が不充分となるおそれがある。酸化チタンの表面酸量は、より好ましくは15マイクロモル/g以上、さらに好ましくは16マイクロモル/g以上、表面塩基量は、より好ましくは20マイクロモル/g以上、さらに好ましくは25マイクロモル/g以上である。
上記のようなフィブリル形成能を有するPTFEは、例えば、テトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウムあるいはアンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、0.007〜0.7MPaの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得ることができる。
アルキル水素シリコーンとしては、例えば、メチル水素シリコーン、エチル水素シリコーンなどがある。アルコキシシリコーンとしては、例えば、メトキシシリコーン、エトキシシリコーンなどが挙げられる。特に好ましいアルコキシシリコーンは、具体的にはアルコキシ基が直接又は二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合したアルコキシシリル基を含むシリコーン化合物であり、例えば、直鎖状、環状、網状及び一部分岐を有する直鎖状のオルガノポリシロキサンが挙げられ、特に直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。さらに具体的には、シリコーン主鎖に対してメチレン鎖を介してアルコキシ基と結合する分子構造を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。
このオルガノシロキサンの添加量は、酸化チタンの添加量にもよるが、ポリカーボネート系重合体混合物+酸化チタンの各成分の合計100質量部に対して0.05〜2.0質量部の範囲が好ましい。この量が0.05質量部未満であると、ポリカーボネート樹脂の劣化が起こり、樹脂の分子量が低下するおそれがある。また、2.0質量部を超えても添加量の割には効果の向上はあまり認められず経済的に不利となる上、成形体表面にシルバーが発生し、製品の外観を悪くするおそれがある。
得られた多孔性白色シートは、反射率がシート位置によらず均一で、生産性が良好である。
また、ポリプロピレン樹脂のビカット軟化点は、一般に130℃以上であることが好ましい。より好ましくは140℃以上である。
ベース剤としては通常アクリルウレタン系樹脂が用いられる。黒色顔料としては、カーボンブラック、ランププラック、ホーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、その他、染料又は顔料の混色系色材などから選択して用いることができ、特にカーボンブラックがこのましい。
このような遮光性コーティング層としては、例えば市販の東京インキ社製の塗料「SY915墨JK」大日本塗料社製の塗料「アクリタンTSR−5及びアクリタン硬化剤を10:1で混合したもの」などを好適に使用することができる。
光安定剤や紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン系、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾオキサジノン系、シアノアクリレート系、トリアジン系、ベンゾエート系、蓚酸アニリド系、有機ニッケル系などの有機系化合物、あるいはゾルゲルなどの無機系化合物が好適である。
ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピベリジルベンゾエート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6− テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)などが挙げられる。
サリチル酸系化合物としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−エトキシ−ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどが挙げられる。
シアノアクリレート系化合物としては、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、1,3−ビス−[2’−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリロイルオキシ]−2,2−ビス−[(2−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチルプロパンなどが挙げられる。
トリアジン系としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール、2−(4,6−ビス−2,4−ジメチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノールなどが挙げられる。
ベンゾオキサジノン系化合物としては、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−ワン]などが挙げられる。
マロン酸エステル系化合物としては、プロパンジオイック酸[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−ジメチルエステルなどが挙げられる。
これらの中では、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾフェノン系化合物及びベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
光安定剤及び/又は紫外線吸収剤と混合又は共重合する樹脂成分は特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、フッ素系系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。上記の樹脂成分のうち、アクリル系樹脂及びメタクリル系樹脂が好ましい。
本発明の遮光性高反射積層シートに施される耐光コーティング層においては、光安定剤成分及び/又は紫外線吸収剤成分が共重合されてなるアクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂を使用することが好ましい。共重合する場合には、重合性の光安定剤成分及び/又は紫外線吸収剤成分と、アクリルモノマー成分あるいはメタクリルモノマー成分とを共重合させることが好ましい。
重合性ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−アクリロイルオキシエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−アクリロイルオキシエチルフェニルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−メタクリロキシエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−メタクリロキシエチルフェニルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−アクリロイルエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−アクリロイルエチルフェニルピペリジン重縮合物などが挙げられる。
重合性ベンゾフェノン系化合物としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−メタクリロキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−アクリロイルエチルフェニルベンゾフェノンなどが挙げられる。
耐光コーティング層の厚さについては特に制限はないが、通常、0.5〜20μmの範囲が好ましい。
さらに、必要に応じて、たとえば、中間層の第三層として第一層と同じ全光線反射率(Y値)が96%以上の高反射層を設けることができる。
図1は、本発明の一実施態様を示す遮光性高反射積層シート断面の概略図である。1は耐光コート層、2は高反射層、3はリサイクル層、4は高反射中間層、5は遮光性コーティング層を示す。
図1に示す遮光性高反射積層シートは、紫外光をカット又は吸収する機能を有する耐光コーティング層1(必要に応じて設けられる)、第一層は全光線反射率が96%以上の高反射層2、中間層の第二層は前述したリサイクル材からなる全光線反射率が80%以上のリサイクル層3(必要に応じて設けられる反射層)、中間層の第三層は第一層と同じ全光線反射率が96%以上の高反射中間層4(必要に応じて設けられる)、及び耐光コーティング層1または高反射層2の反対側の最外層は全光線反射率が30%以下の可視光線をカットまたは透過を抑制する遮光性コーティング層5から構成され、積層シートとしての全光線透過率は0.3%未満である。
なお、図1に示されていないが、本発明の遮光性高反射積層シートは、必要に応じて成形体の組み立てを容易にするための折り曲げヒンジ部を有する。
本発明の遮光性高反射積層シートを構成する基材シートは、以下のようにして成形される。まず、上記ポリカーボネート樹脂組成物を、通常120〜140℃、2〜10時間程度乾燥させ、脱揮装置付き押出機で押出し、ダイス温度200〜260℃程度、ロール温度120〜180℃程度でシート成形する。ここでPC樹脂組成物の乾燥条件は好ましくは130〜140℃、2〜10時間であり、さらに好ましくは130〜140℃、4〜10時間である。
このPC樹脂組成物の乾燥は一般の加熱空気、乾燥空気、真空下などの雰囲気下で行うことができる。この乾燥により材料に含まれる水分、複合化の際に生ずる揮発性の反応複生成物の多くを除去することができる。
また、シート成形用の押出機には脱揮装置が必要である。この脱揮装置は、溶融状態のPC樹脂組成物を大気圧以下に減圧できるものであり、押出時に8.0kPa(60mmHg)以下、好ましくは4.0kPa(30mmHg)以下に減圧する。この減圧脱揮によりPC樹脂組成物に残存する水分、複合化の際に生ずる揮発性の反応複生成物を除去するとともに、本押出成形により生成する副次的な揮発性の反応複生成物をも除去することができる。
また、シート成形ではダイス温度は、通常200〜260℃、好ましくは200〜250℃、より好ましくは200〜240℃である。ダイス温度が260℃を超えるとドローレゾナンス現象が生じ易く、結果としてシートの幅方向(特に端部)及び長方向の偏肉を生じ、本シート単体及びその熱成形品の面としての反射むらが生じやすい。これは本発明に係るポリカーボネート樹脂組成物において酸化チタン粉末を多量に含む場合のシート成形に生じ易い現象である。
さらに、シート成形時の冷却ロール温度は、通常120〜180℃であり、好ましくは120〜170℃である。ここですべてのロール温度が120℃未満であると本材料の融体の剛性が高いためニップロール間でのサイジングが難しく、幅、長方向での表面状態の均質性が保てず、本シート単体及びその熱成形品の面としての反射むらが生じやすい。
またすべてのロール温度が170℃を超えるとロールへの粘着、密着により表面の密着、剥がしむらやシートのそりが生じ、均一な反射特性を有する基材シートを得ることができない。
上記の光安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する耐光コーティング層は、上記基材シート上に直接設けてもよいが、接着性が不足する場合には、基材シートの表面をコロナ放電処理したり下引き処理した後に耐光コーティング層を設けることが好ましい。下引き処理は、上記シート製造工程内で設ける方法(インラインコーティング法)でもよく、また、基材シートを製造した後、別途塗布して設ける方法(オフラインコーティング法)でもよい。下引き処理に使用する材料は特に限定するものではなく、適宜選択すればよいが、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、及び各種カップリング剤などが好適である。
基材シート上に耐光コーティング層を設ける際、塗液は任意の方法で塗布することができる。例えばグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピングなどの方法を用いることができる。塗布後、例えば熱風オーブンにて、通常80〜120℃で乾燥させる。また、塗布後に耐光コーティング層を公知の方法により硬化させる場合、公知の方法を採用することができる。例えば、熱硬化させる方法、紫外線、電子線、放射線などの活性線を用いて硬化させる方法、及びこれらの組み合わせによる硬化方法などが適用できる。このとき、架橋剤などの硬化剤を併用することが好ましい。また、耐光コーティング層の形成のための塗液は、基材シート製造時に塗布(インラインコーティング)してもよいし、結晶配向完了後の基材シート上に塗布(オフラインコーティング)してもよい。
本発明では上記シートの製造方法で押出成形されるシート上に遮光性コーティング層を形成する。形成する方法としては遮光性溶液の直接グラビアロールによるコート、ミスト状態での噴霧、スプレー等で乾燥厚さが1〜30μmになるように形成し、熱風オーブンにて80〜120℃程度で乾燥する。または遮光性樹脂との共押出も有効である。
本発明ではたとえば本積層シートのリサイクル材(端部スリット材、外観不良、熱成形での端材、歩留まり材)等を中間層とすることができる。中間層の形成方法としては共押出成形が一般的である。
共押出法としては積層する樹脂種各々を別々の押出機を用いて、先に記載のシートの成形方法と同条件で押し出し各樹脂を多層化する。主な共押出法としてはダイス手前で各樹脂を積層するフィードブロック法と、ダイス内で多層化するマルチマニホールド法の二つが挙げられるが、本発明での多層シートにおいてその製造法を特に制限するものではない。
本発明の高反射積層シートは熱成形性を有し、特定の熱成形条件により光源の本数、形状に合わせた反射面を有する反射板などの熱成形体を製造することが出来る。熱成形時のシート加熱温度(シート表面温度)は、通常160〜200℃、好ましくは170〜200℃であり、平均展開倍率は、通常1.1〜2倍、好ましくは1.2〜1.8倍である。
本発明における熱成形については特に限定されないが、プレス成形、真空成形、真空圧空成形、熱板成形、波板成形等を用いることが出来る。また一般的に真空成形と総称される成形法においてもドレープホーミング法、マッチドダイ法、プレッシャーバブルプラグアシスト真空成形法、プラグアシスト法、真空スナップバック法、エアースリップホーミング、トラッップドシート接触加熱―プレッシャーホーミング法、単純圧空成形法等が挙げられる。この真空成形の圧力は1MPa以下で適宜行えばよい。
ここでシート加熱温度が160℃未満であると熱成形が困難であり、200℃を越えるとシート表面に不均質な肌荒れが生じ易くなる。また平均展開倍率が1.2倍未満であると 光源の形状に合わせた反射板の設計が難しく、2倍を超えると熱成形品の厚みむらが大きくなり、反射率のむらが生じやすい。なお本熱成形時に用いるシートは予備乾燥をして用いることが好ましく、吸湿による発泡現象を防ぐことが出来る。この際の乾燥条件は120〜140℃、2〜10時間乾燥が適当である。
上記のシート製造条件、熱成形条件を適宜調整することにより、光反射面の成形品の厚みむらが0.2mm以下である成形品を得ることができる。反射面の厚みむらが0.2mmを超えると均一な面反射特性が得られにくい。成形品の形状は光源の形状、個数、特性に合わせ適宜選定すればよい。例えば直下型液晶バックライト用の反射板の場合は、特開2000−260213号公報、特開2000−356959号公報、特開2001−297613号公報及び特開2002−32029号公報に開示されている形状とすることができる。
本発明はまた、前述の本発明の遮光性高反射積層シートを用いてなる前記熱成形体又は当該遮光性高反射シート同士が接着されてなる筐体も提供する。
この筐体における前記接着は、例えば超音波溶着、レーザー溶着、熱版溶着などの方法を採用することができる。
(1)PCオリゴマーの製造
400リットルの5質量%水酸化ナトリウム水溶液に、60kgのビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。次いで、室温に保持したこのビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間の流量で、また、塩化メチレンを69リットル/時間の流量で、内径10mm、管長10mの管型反応器にオリフィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して10.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反応させた。ここで用いた管型反応器は二重管となっており、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温度を25℃に保った。また、排出液のpHは10〜11となるように調整した。
このようにして得られた反応液を静置することにより、水相を分離、除去し、塩化メチレン相(220リットル)を採取して、PCオリゴマー(濃度317g/リットル)を得た。ここで得られたPCオリゴマーの重合度は2〜4であり、クロロホーメイト基の濃度は0.7規定であった。
(2)反応性PDMSの製造
1,483gのオクタメチルシクロテトラシロキサン、96gの1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン及び35gの86%硫酸を混合し、室温で17時間攪拌した。その後、オイル相を分離し、25gの炭酸水素ナトリウムを加え1時間攪拌した。濾過した後、150℃、3torr(400Pa)で真空蒸留し、低沸点物を除きオイルを得た。
60gの2−アリルフェノールと0.0014gの塩化白金−アルコラート錯体としてのプラチナとの混合物に、上記で得られたオイル294gを90℃の温度で添加した。この混合物を90〜115℃の温度に保ちながら3時間攪拌した。生成物を塩化メチレンで抽出し、80%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰の2−アリルフェノールを除いた。その生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で115℃の温度まで溶剤を留去した。得られた末端フェノールの反応性PDMS(ポリジメチルシロキサン)は、NMRの測定により、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返し数は30であった。
(3)PC−PDMS共重合体の製造
上記(2)で得られた反応性PDMS138gを塩化メチレン2リットルに溶解させ、上は(1)で得られたPCオリゴマー10リットルを混合した。そこへ、水酸化ナトリウム26gを水1リットルに溶解させたものと、トリエチルアミン5.7ミリリットルを加え、500rpmで室温にて1時間攪拌、反応させた。
反応終了後、上記反応系に、5.2質量%の水酸化ナトリウム水溶液5リットルにビスフェノールA600gを溶解させたもの、塩化メチレン8リットル及びp−tert−ブチルフェノ−ル96gを加え、500rpmで室温にて2時間攪拌、反応させた。
反応後、塩化メチレン5リットルを加え、さらに、水5リットルで水洗、0.03規定水酸化ナトリウム水溶液5リットルでアルカリ洗浄、0.2規定塩酸5リットルで酸洗浄、及び水5リットルで水洗2回を順次行い、最後に塩化メチレンを除去し、フレーク状のPC−PDMS共重合体を得た。得られたPC−PDMS共重合体を120℃で24時間真空乾燥した。粘度平均分子量は17,000であり、PDMS含有率は3.0質量%であった。なお、粘度平均分子量 (Mv) 及びPDPS含有率は下記の方法により求めた。
ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式にて算出した。
[η]=1.23×10−5Mv0.83
(2)PDMS含有率
1H−NMRで1.7ppmに見られるビスフェノールAのイソプロピルのメチメチル基のピークと、0.2ppmに見られるジメチルシロキサンのメチル基のピークとの強度比を基に求めた。
製造例1で得られたポリカーボネートーポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS、Mv=17,000、PDMS含有率=3.0質量%)を46質量%、ビスフェノールA型直鎖状ポリカーボネート1(出光石油化学(株)製、商品名:タフロンFN1500、Mv=14,500)を24質量%、酸化チタン粉末(石原産業(株)製、商品名:PF726)を30質量%の合計100質量部に対し、オルガノシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)、商品名:BY16−161)を1.2質量部、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、旭硝子(株)製、商品名:CD076)を0.3質量部、トリフェニルホスフィン(城北化学(株)製、商品名:JC263)を0.1質量部を混合し、二軸押出機にて溶融混練し、ポリカーボネート系樹脂組成物を得た。
製造例1で得られたポリカーボネートーポリジメチルシロキサン共重合体(PC−PDMS、Mv=17,000、PDMS含有率=3.0質量%)を59質量%、ビスフェノールA型直鎖状ポリカーボネート1(出光石油化学(株)製、商品名:タフロンFN1500、Mv=14,500)を31質量%、酸化チタン粉末(石原産業(株)製、商品名:PF726)を10質量%の合計100質量部に対し、オルガノシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:BY16−161)を0.8質量部、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、旭硝子(株)製、商品名:CD076)を0.3質量部、トリフェニルホスフィン(城北化学(株)製、商品名:JC263)を0.1質量部を混合し、さらに紫外線吸収剤(ケミプロ化成(株)製、商品名:ケミソーブ79)1質量部を加え二軸押出機(東芝機械TEM35B)にて溶融混練(280℃、300rpm)し、ポリカーボネート系樹脂組成物を得た。
遮光コート処理前の下記実施例3に記載の積層体を粉砕機にて押出機にて噛みこみ可能なサイズ(平均粒子径2〜3mm)まで粉砕し、製造例3でえられたポリカーボネート系樹脂組成物−2に対して30質量%ドライブレンドした。
ビスフェノールA型直鎖状ポリカーボネート1(出光石油化学(株)製、商品名:タフロンA2200、Mv=21,600)を100質量部に対し、大東化成(株)製のカーボンブラック(ピグモカラー1603F04を1質量部混合し二軸押出機にて溶融混合し、黒着色のポリカーボネート系樹脂組成物を得た。
*東京インキ(株)製塗料「SY915墨JK」
[コーティング剤2]
*大日本塗料(株)製塗料「アクリタンTSR−5及びアクリタン硬化剤を質量比10:1で混合したもの」
[コーティング剤3]
*日本触媒(株)製「ユーダブルUW−G12」
[コーティング剤4]
*多層シートの層間に用いて層同士を接着させるためのコーティング剤:大日本インキ化学工業株式会社製ドライラミネート剤「ディックドライLX90」と「KW75」を9:1の比率で混合したものを酢酸エチルに溶かして、20%溶液とし、塗布厚み10μmで第三層の反遮光面上に塗布し、第一層と第三層とを張り合わせるために使用。
製造例2で得られたポリカーボネート系組成物−1(PC1ペレット)を熱風オーブンにて140℃、4時間乾燥した。この材料を用い、脱揮装置付きの65mmΦ単軸押出機、ギアポンプ、60cm幅コートハンガーダイを有する押出装置にて水平方向に押出し、縦3本冷却ロール方式にてシート成形を行い800μm厚みのシートを得た。
ここでシリンダー温度は250〜260℃、脱揮圧力1.3kPa(10mmHg)、ダイス温度210℃、ロール温度NO.1/NO.2/NO.3=120/150/170℃、押出量30kg/hrであった。
コーティング剤1をバーコーターを用いてシートの反射面の反対側に(最外層として)乾燥厚みが20μmとなるよう塗布し熱風オーブン中で100℃、30分の条件で乾燥した。
製造例2で得られたポリカーボネート系組成物−1(PC1ペレット)及び製造例3で得られたポリカーボネート系組成物−2(PC2ペレット)を熱風オーブンにて140℃、4時間乾燥した。この材料を用い、ポリカーボネート組成物−2は脱揮装置付きの65mmΦ単軸押出機、ポリカーボネート組成物−1は脱揮装置付きの30mmΦ単軸押出機、フィードブロック、60cm幅コートハンガーダイを有する各々の押出装置にて水平方向に共押出し、縦3本冷却ロール方式にてシート成形を行いポリカーボネート組成物−1層が100μm、ポリカーボネート組成物−2層が700μm、トータル厚み800μmのシートを得た。
ここでシリンダー温度は250〜260℃、脱揮圧力1.3kPa(10mmHg)、ダイス温度260℃、ロール温度NO.1/NO.2/NO.3=120/150/170℃、押出量はポリカーボネート組成物−1が7kg/hr、ポリカーボネート組成物−2が43kg/hrであった。
上記シート上にコーティング剤1をバーコーターを用いてPC2側に(最外層として)乾燥厚みが20μmとなるよう塗布し熱風オーブン中で100℃、30分の条件で乾燥した。
製造例2で得られたポリカーボネート系組成物−1(PC1ペレット)及び製造例3で得られたポリカーボネート系組成物−2(PC2ペレット)を熱風オーブンにて140℃、4時間乾燥した。この材料を用い、ポリカーボネート組成物−2は脱揮装置付きの65mmΦ単軸押出機、ポリカーボネート組成物−1は脱揮装置付きの30mmΦ単軸押出機、フィードブロック、60cm幅コートハンガーダイを有する各々の押出装置にて水平方向に2種3層で共押出し、縦3本冷却ロール方式にてシート成形を行いポリカーボネート組成物−1層が200μm、ポリカーボネート組成物−2層が400μm、さらにポリカーボネート組成物−1層200μm、トータル厚み800μmのシートを得た。
ここでシリンダー温度は250〜260℃、脱揮圧力1.3kPa(10mmHg)、ダイス温度260℃、ロール温度NO.1/NO.2/NO.3=120/150/170℃、押出量はポリカーボネート組成物−1が25kg/hr、ポリカーボネート組成物−2が25kg/hrであった。
上記シート上にコーティング剤1をバーコーターを用いてポリカーボネート組成物−1側に(最外層として)乾燥厚みが20μmとなるよう塗布し熱風オーブン中で100℃、30分の条件で乾燥した。
ポリカーボネート組成物−2(PC2)を実施例1と同様にシート成形し、最外層としてコーティング剤2を10μmの塗膜厚みで塗布した。
中間層(第二層)をポリカーボネート組成物―3(PC3)とした以外は実施例3と同様にシート成形し、コーティングした。
実施例1と同様に成形したシートの反射面に耐光コーティング剤3を10μmの塗膜厚みで塗布し、さらに反射面と反対側(最外層)にコーティング剤1を20μmの塗膜厚みで塗布した。
ポリカーボネート系組成物−1(PC1ペレット)及びポリカーボネート組成物−4(PC4ペレット)を熱風オーブンにて140℃、4時間乾燥した。この材料を用い、ポリカーボネート系組成物−1は脱揮装置付きの65mmΦ単軸押出機、ポリカーボネート系組成物−4は脱揮装置付きの30mmΦ単軸押出機、フィードブロック、60cm幅コートハンガーダイを有する各々の押出装置にて水平方向に2種二層で共押出し、縦3本冷却ロール方式にてシート成形を行いポリカーボネート系組成物−1層が600μm2層、ポリカーボネート系組成物−4層が200μm、トータル厚み800μmのシートを得た。
ここでシリンダー温度は250〜260℃、脱揮圧力1.3kPa(10mmHg)、ダイス温度260℃、ロール温度NO.1/NO.2/NO.3=120/150/170℃、押出量はポリカーボネート系組成物−1が35kg/hr、ポリカーボネート系組成物−4が15kg/hrであった。
第一層として、東レ株式会社製 発泡PETフィルム 商品名「ルミラーE60L」を200μmの厚みで多層化した他は、実施例1に準じて実施した。
第一層として、古河電工株式会社製 超臨界発泡PETフィルム 商品名「RA」を200μmの厚みで多層化した他は、実施例1に準じて実施した。
第一層として、三井化学株式会社製 発泡PPフィルム 商品名「ホワイトレフスター」を200μmの厚みで多層化した他は、実施例1に準じて実施した。
ポリカーボネート系組成物―1(PC1ペレット)を熱風オーブンにて140℃、4時間乾燥した。この材料を用い、脱揮装置付きの65mmΦ単軸押出機、ギアポンプ、60cm幅コートハンガーダイを有する押出装置にて水平方向に押出し、縦3本冷却ロール方式にてシート成形を行い0.6mm厚みのシートを得た。
ここでシリンダー温度は250〜260℃、脱揮圧力1.3kPa(10mmHg)、ダイス温度210℃、ロール温度NO.1/NO.2/NO.3=120/150/170℃、押出量30kg/hrであった。遮光性コーティング層は設けなかった。
ポリカーボネート樹脂組成物−2(PC2ペレット)を用いて比較例1と同様にシートを作製した。
実施例5と同様に積層シートを作製したが、遮光性コーティング層は設けなかった。
<全光線反射率:Y値>
Y値は、JIS K 7105に記載の方法に準じて試料(成形体)の色についての三刺激値X,Y,Zを分光測色法によって求めたときの刺激値Yを意味し、このY値は輝度率または視感反射率に相当し、マクベス(Mccbeth)社製のMS2020プラスを用いて、D65光源、視野角10度の条件で鏡面反射を含む400〜700nmの反射率を測定した。
<全光線透過率>
全光線透過率は、JIS K 7105に記載の方法に基づいて測定したもので、
日本電色工業株式会社製のSZシグマ90を用いて測定した。
<光漏れ評価>
液晶表示装置用蛍光管を点灯させシートの反射面を蛍光管表面にあて、蛍光管からの透過光有無を確認した。○:漏れなし、×:漏れあり
実施例1のシートを100℃で8時間乾燥した後、140℃のプレス成形にて幅2mm、深さ1mmの折り曲げ溝をつけた。該折り曲げ溝を折り曲げ15インチ(寸法23.4×30.7cm)直下型バックライトの反射板として箱型形状を作り、シートの重ね合わせ部を超音波溶着(条件:28.5kHz、発振時間0.08sec)により接着サイズ直径5mmで接着した。本バックライト内部に6本の冷陰極管を平行に配置して試験したところ、冷陰極管点灯時にサイド及び反対面からの光漏れが観察されなかった。また、2mm厚の光拡散板を乗せたところ、平均輝度500cd/cm2<が出せることがわかった。以上から、液晶用バックライトとして十分に実用に足るものを作製することができる。
2 高反射層
3 リサイクル層
4 高反射中間層
5 遮光性コーティング層
Claims (11)
- 少なくとも2層の多層シートであって、第一層表面の全光線反射率(Y値)が96%以上であり、該多層シート第一層の反対側最外層表面の全光線反射率(Y値)が30%以下であり、かつ積層シートの全光線透過率が0.3%以下であることを特徴とする遮光性高反射積層シート。
- 第一層がポリカーボネート系重合体と酸化チタンを含有する樹脂組成物からなる請求項1記載の遮光性高反射積層シート。
- ポリカーボネート系重合体と酸化チタンとを質量比で60:40〜85:15の割合で含有する請求項2記載の遮光性高反射積層シート。
- 3層以上より構成された多層シートにおいて、反射層を第一層とした場合、第二層の全光線反射率(Y値)が80%以上である請求項1〜3いずれか1項に記載の遮光性高反射積層シート。
- 第二層以降の少なくとも一層が、第一層のリサイクル材、または、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層高反射シートのリサイクル材を含む組成物からなる遮光性高反射積層シート。
- 第一層と反対側の最外層が黒色塗料による遮光性コーティング層である請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮光性高反射積層シート。
- 第一層表面に耐光コーティングが施された請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮光性高反射積層シート。
- 第一層が発泡体である請求項1または4〜7のいずれか1項に記載の遮光性高反射積層シート。
- 折り曲げ用ヒンジ部を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の遮光性高反射積層シート。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の遮光性高反射積層シートを用いてなる熱成形体。
- 請求項9記載の遮光性高反射積層シートを用いその折り曲げ用ヒンジ部を使用して組み立てられ、かつ当該遮光性高反射積層シートと他の熱可塑性樹脂成形体または当該遮光性高反射積層シート同士が接着されてなる筐体。
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