JP7139741B2 - 光学用保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ディスプレイ表示装置などの構成部材として好適に用いることができる光学用保護フィルム、特に、蛍光体を含有する蛍光体層を備えた蛍光体シートの保護フィルムとして好適に用いることができる光学用保護フィルムに関する。
近年、液晶表示装置の高精細化や色再現性の向上を目的として、バックライトの発光スペクトルをよりシャープにする傾向がみられる。例えば特許文献1では、青色LED光源と導光板との間に、蛍光体として赤色光及び緑色光を放出する量子ドットを利用して白色光を再現することで高輝度化色再現性向上を図る技術が提案されている。
このような量子ドット技術を利用した液晶表示装置の一例として、光源側から順に、青色LEDを搭載した反射板、蛍光体としての量子ドット(「QD」とも称される)を含有した樹脂シート(表裏に保護フィルムが貼り合わされている)、プリズムシート、拡散シート及び偏光板を積層してなる構成の液晶表示装置を挙げることができる。発光特性の異なる2種又は3種の量子ドットがLEDから入射された光により励起され、白色光を具現化することができる。
量子ドットなどの蛍光体を含有する樹脂シートの表面に保護フィルムを貼りあわせた積層体をディスプレイユニットに組み込むと、光干渉による縞模様、いわゆるニュートンリング現象を発生し易く、液晶表示装置など、特に高度な視認性が必要とされる用途においては深刻な技術課題であった。
上記ニュートンリング現象を防止する対応策として、例えば特許文献2において、蛍光体を含有した樹脂シート表面に貼り合わせる保護フィルムの外側表面を凹凸化して、ニュートンリング現象を防止する方法が提案されている。
特許文献3においては、フィルム表面に凹凸を付与したマット調にすることで、ニュートンリングの課題が改善する反面、凹凸表面の光散乱によって、液晶表示装置としての輝度が低下する傾向があるため、かかる課題を解決するため、表示輝度の低下を引き起こすことなく、前記表示品位の低下(表示ムラ、輝度ムラの発生など)を防止することができるマット性光学フィルムとして、透明支持体上にハードコート層を有し、該ハードコート層が架橋しているバインダーポリマーと透明微粒子とを含み、表面粗さRaが0.1~0.3μm、Rzが1~3μmであることを特徴とするマット性光学フィルムが提案されている。
また、特許文献4は、光ロスの少ない波長変換部材を提供するべく、量子ドットを含む波長変換層の少なくとも一面に、基材フィルムを備え、該基材フィルムは、積分球を用いて測定される波長450nmの光の吸収率が0.9%未満であり、且つ全光線透過率は、92%未満である波長変換部材を提案している。また、光ロスの少ない波長変換部材を備えた高輝度なバックライトユニットを提供するべく、一次光を出射する面状光源と、該面状光源上に備えられてなる前記波長変換部材と、該波長変換部材を挟んで前記面状光源と対向配置される再帰反射性部材と、前記面状光源を挟んで前記波長変換部材と対向配置される反射板とを備えたバックライトユニットであって、前記波長変換部材は、前記面状光源から出射された前記一次光の少なくとも一部を前記励起光として、前記蛍光を発光し、該蛍光からなる二次光を含む光を少なくとも出射するものであるバックライトユニットを提案している。
特開2012-169271号公報 特開2017-217919号公報 特開2001-33625号公報 特開2016-071341号公報
上記のように、保護フィルム表面に凹凸を付与してマット調にすると、ニュートンリング現象の発生を抑制できる反面、表示装置の輝度が低下してしまうという課題を抱えていた。
そこで本発明の目的は、ニュートンリング現象の発生を抑制することができ、しかも、輝度の向上を図ることもできる、新たな光学用保護フィルムを提供することにある。
本発明は、かかる目的達成のため、基材フィルム(1)の表裏一面側に粒子含有層を備えた光学用保護フィルムであって、粒子含有層とは反対側のフィルム面の反射率R2と、粒子含有層側表面の反射率R1との差が4%より大きいことを特徴とする光学用保護フィルムを提案する。
本発明が提案する光学用保護フィルムは、基材フィルム(1)の表裏一面側に粒子含有層を備えた光学用保護フィルムであって、粒子含有層とは反対側のフィルム面の反射率R2と、粒子含有層側表面の反射率R1との差が4%より大きいという特殊な光学特性を有している。そのため、ニュートンリング現象の発生を抑制することができ、しかも、例えば蛍光体シートの表裏一側に、前記粒子含有層とは反対側が、当該蛍光体シート側に位置するように、本発明が提案する光学用保護フィルムを配置することにより、蛍光体が発光する光のうち、粒子含有層に入射する光を蛍光体シート側に反射することができ、蛍光体の発光効率を高めることができるから、輝度の向上を図ることができる。
本発明の実施例に係る光学用保護フィルムの一例を示した断面図である。 本発明の実施例に係る光学用保護フィルムの他例を示した断面図である。 本発明の実施例に係る光学用フィルム積層体(波長変換フィルム積層体)の一例及びこれを用いたバックライトの一例を示した断面図である。 本発明の実施例に係る光学用フィルム積層体(波長変換フィルム積層体)の他例及びこれを用いたバックライトの一例を示した断面図である。 本発明の実施例に係る光学用フィルム積層体(波長変換フィルム積層体)の一例とプリズムシートとを組み合わせた構成の一例を示した断面図である。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<<本保護フィルム>>>
本発明の実施形態の一例に係る光学用保護フィルム(「本保護フィルム」と称する)は、基材フィルム(「本基材フィルム」と称する)の表裏一面側に粒子含有層(「本粒子含有層」と称する)を備えたフィルムである。
本保護フィルムは、本基材フィルムの表裏一面側に粒子含有層を備えた構成を有していればよく、例えば図1に示すように、基材フィルム(1)の表裏一面側に本粒子含有層(3)を備えた非対称構成であってもよいし、また、基材フィルム(1)の表裏一面側に本粒子含有層(3)を備え、基材フィルム(1)の表裏他面側に、基材フィルム(2)を備えた非対称構成であってもよい。また、図2に示すように、基材フィルム(1)の表裏一面側に本粒子含有層(3)を備え、基材フィルム(1)の表裏他面側に、接着剤層(4)を介して基材フィルム(2)を備えた非対称構成であってもよい。
また、基材フィルム(2)の表裏他面側、又は、本粒子含有層(3)の表裏一面側、又は、基材フィルム(1)と基材フィルム(2)との間、又は、基材フィルム(1)と本粒子含有層(3)との間、又は、これらのうちの2か所以上に、各種機能を備えた層(「機能層」とも称する)を備えた構成としてもよい。
上記機能層としては、例えばアンカーコート層、無機物含有層、易接着層、中間緩衝層などの層を挙げることができる。各機能層については後述する。
<<本保護フィルムの光学特性>>
本保護フィルムは、ニュートンリング現象発生抑制と輝度向上の観点から、粒子含有層とは反対側のフィルム面の反射率R2と、粒子含有層側表面の反射率R1との差が4%より大きいことが好ましく、中でも5%より大きい、その中でも6%より大きい、その中でも10%より大きいことがさらに好ましい。上限値は特に限定するものではないが、光制御効果を考慮すると、20%程度であると考えることができる。
本保護フィルムが、このように基材フィルム(1)の表裏一面側に粒子含有層を備えた光学用保護フィルムであって、粒子含有層とは反対側のフィルム面の反射率R2と、粒子含有層側表面の反射率R1との差が4%より大きいという光学特性を有していれば、例えば図3及び図4に示すように、基材フィルムよりも粒子含有層が光源側に位置するように本保護フィルムを配置すると共に、本保護フィルムの表示画面側、言い換えれば光源とは反対側に、蛍光体を含有する蛍光体シートを配置すれば、本保護フィルムは、粒子含有層によってニュートンリング現象の発生を抑制することができ、しかも、光源からの光は好適に透過させて蛍光体シートに供給することができ、蛍光体により励起されて360°方向に放射される光のうち、本保護フィルム側に入射した光を蛍光体シート側に反射することができるから、蛍光体の発光効率を高めて表示画面の輝度を高めることができる。
ニュートンリング現象発生抑制と輝度向上の観点から、前記反射率R1は14%より小さいことが好ましく、その中でも10%より小さい、その中でも6%より小さいことがさらに好ましい。下限値は特に限定するものではないが、光制御効果を考慮すると、5%程度であると考えることができる。
他方、ニュートンリング現象発生抑制と輝度向上の観点から、前記反射率R2は14%より大きいことが好ましく、その中でも16%より大きい、その中でも18%より大きいことがさらに好ましい。上限値は特に限定するものではないが、光制御効果を考慮すると、26%程度であると考えることができる。
本保護フィルムはまた、ニュートンリング現象発生抑制と輝度向上の観点から、粒子含有層側から光を照射した際に測定される光線透過率T1が、粒子含有層とは反対側から光を照射した際に測定される光線透過率T2より大きいという光学特性を有するのが好ましい。
この際、ニュートンリング現象発生抑制と輝度向上の観点から、上記光線透過率T1と上記光線透過率T2との差は4%より大きいことが好ましく、中でも5%より大きい、その中でも6%より大きい、その中でも10%より大きいことがさらに好ましい。上限値は特に限定するものではないが、光制御効果を考慮すると、20%程度であると考えることができる。
中でも、前記光線透過率T1は87%より大きいことが好ましく、その中でも88%より大きい、その中でも89%より大きいことがさらに好ましい。上限値は特に限定するものではないが、光制御効果を考慮すると、90%程度であると考えることができる。
他方、前記光線透過率T2が85%より小さいことが好ましく、その中でも80%より小さい、その中でも76%より小さいことがさらに好ましい。下限値は特に限定するものではないが、光制御効果を考慮すると、74%程度であると考えることができる。
さらに、前記光線透過率T1と前記反射率R1の合計値は97%より大きく、中でも98%より大きく、且つ、前記光線透過率T2と前記反射率R2の合計値が97%より大きく、中でも98%より大きいことが好ましい。このように該合計値が97%より大きければ、光源からの光を効率良く表示画面に供給することができるから、好ましい。
また、本保護フィルムのフィルムヘーズ値は、ニュートンリング現象発生抑制の観点から、40%より大きいことが好ましく、中でも50%より大きい、その中でも60%より大きい、その中でも70%より大きいことがさらに好ましい。
光学用途に用いるフィルムのヘーズ値が40%より大きいということは、技術常識的には考えられないかもしれないが、本保護フィルムは上記のような特殊な光学特性を兼ね備えているため、ヘーズ値が40%より大きい場合であっても光学用途に好適に用いることができる。
<<本保護フィルムの水蒸気透過率特性>>
本保護フィルムは、水蒸気透過率(WvTR)が1g/m/dayより小さいことが好ましい。
光学部材、例えば量子ドットなどの蛍光体を含有するシートは水蒸気によって劣化する可能性があるため、当該光学部材を保護する観点から、本保護フィルムは水蒸気透過率(WvTR)が1g/m/dayより小さいことが好ましく、中でも0.5g/m/dayより小さい、その中でも0.1g/m/dayより小さいことがさらに好ましい。
ここで、上記水蒸気透過率(WvTR)は後述する実施例で示した測定方法で測定することができる。
本保護フィルムにおいて、水蒸気透過率(WvTR)を1g/m/dayより小さくする手段としては、例えば後述する無機物含有層を積層する方法を挙げることができる。但し、この方法に限定するものではない。
<<本粒子含有層>>
本粒子含有層は、本保護フィルムに上記光学特性を付与するため、バインダー樹脂と平均粒径3μm~10μmの粒子とを含有するのが好ましい。
本粒子含有層が含有する粒子の平均粒径が3μm以上であれば、上記光学特性を付与するのに有効であり、10μm以下であれば、フィルムの表面粗度が粗くなり過ぎることがなく、後工程において、粒子の脱落等の不具合発生を抑えることができる。
かかる観点から、本粒子含有層が含有する粒子の平均粒径は3μm~10μmであるのが好ましく、中でも3μm以上或いは8μm以下、その中でも3μm以上或いは6μm以下、その中でも3μm以上或いは5μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、本粒子含有層における粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって、本粒子含有層に存在する10個以上の粒子を任意に選択し、各粒子の直径を測定し、その平均値として求めることができる。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値((短径+長径)/2)を各粒子の直径として測定することができる。
本粒子含有層は、本保護フィルムに上記光学特性を付与するため、粒径3μm~10μmの大きさの大きな粒子と、粒径1μm~5μmの大きさの小さな粒子とを組み合わせて存在させるのがさらに好ましい。
この際、各粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって求めることができ、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定することができる。
上記大きな粒子の粒径は、5μm以上或いは10μm以下であるのがさらに好ましく、中でも5μm以上或いは8μm以下であるのがさらに好ましい。
他方、上記小さな粒子の粒径は、2μm以上或いは5μm以下であるのがさらに好ましく、中でも2μm以上或いは4μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、本粒子含有層は、上記粒径の大きな粒子及び上記粒径の小さな粒子のほかに、異なる大きさの粒子が存在してもよい。
本粒子含有層が、粒径3μm~10μmの大きさの大きな粒子と、粒径1μm~5μmの大きさの小さな粒子とを含有し、さらに必要に応じてその他の大きさの粒子を含有する場合、粒径3μm~10μmの大きさの大きな粒子が、粒子含有層に含まれる粒子の40~80量%を占めるのが好ましく、中でも50質量%以上或いは80質量%以下、その中でも50質量%以上或いは70質量%以下であるのがさらに好ましい。
本粒子含有層が含有する粒子の種類は、特に限定されるものではない。例えばシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機粒子であってもよいし、また、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などの有機微粒子であってもよいし、これらのうちの2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、粒子の透明性及び耐擦傷性の観点から、アクリル架橋樹脂から構成されるアクリルビーズを用いるのが好ましい。
粒子の形状については、特に限定されるわけではない。例えば球状、塊状、棒状、扁平状等を挙げることができる。これら粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
他方、本粒子含有層を構成する前記バインダーとしては、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂からなる高分子樹脂を用いることができる。
本粒子含有層中の粒子含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して40~300質量部であるのが好ましい。当該範囲を満足することで、フィルムの光散乱性による透過率と反射率との制御、いわゆる光制御と透明性との両立が可能となるので好ましい。
かかる観点から、粒子含有層中の粒子含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して40~300質量部であるのが好ましく、中でも50質量部以上或いは200質量部以下、その中でも60質量部以上或いは100質量部以下であるのがさらに好ましい。
本粒子含有層の最大厚さに対する、本粒子含有層中の粒子の平均粒径との比率は1/6~1/2であるのが好ましく、中でも1/5以上或いは1/2以下、その中でも1/4以上或いは1/2以下であるのがさらに好ましい。
<<本基材フィルム>>
本基材フィルム(なお、上記基材フィルム(1)及び基材フィルム(2)も「本基材フィルム」に属する)は、透明性を有し、且つ、保護フィルムとして必要十分な剛性を備えたフィルムであれば、材質及び構成を限定するものではない。
本基材フィルムは、単層構成であっても、多層構成であってもよい。
本基材フィルムが多層構成の場合、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
本基材フィルムが単層構成であっても、多層構成であっても、各層の主成分樹脂はポリエステルであるのが好ましい。
この際、「主成分樹脂」とは、本基材フィルムを構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂を意味し、例えば本基材フィルムを構成する樹脂のうち50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂である。
本基材フィルムの各層は、ポリエステルを主成分樹脂として含有すれば、ポリエステル以外の樹脂或いは樹脂以外の成分を含有していてもよい。
上記ポリエステルは、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。
ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができる。
前記脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等を例示することができる。
他方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、セバシン酸などの1種または2種以上を挙げることができ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1、4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の1種または2種以上を挙げることができる。
ポリエステルの具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアリレート類、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル系液晶ポリマー、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリイミド、ポリシクロオレフィン類等を例示することができる。この中でも、PET、PENが取扱い性の点で好ましい。
本基材フィルムは、フィルム表面を粗面化して易滑性を付与する目的および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を含有してもよい。
当該粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではない。例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等を挙げることができる。これらは1種単独で用いても、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
上記粒子の形状は、特に限定されるわけではない。例えば球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれであってもよい。
また、上記粒子の硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
上記粒子の平均粒径は、5μm以下であるのが好ましく、中でも0.01μm以上或いは3μm以下、その中でも0.5μm以上或いは2.5μm以下であるのがさらに好ましい。5μmを超える場合には、本基材フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において各種の表面機能層を形成させる場合等に不具合が生じる場合がある。
粒子含有量は、本基材フィルムの5質量%以下であるのが好ましく、中でも0.0003質量%以上或いは3質量%以下、その中でも0.01質量%以上或いは2質量%以下であるのがさらに好ましい。粒子含有量をこのような範囲とすることで、フィルムの滑り性と透明性との両立が可能となるので好ましい。
本基材フィルムに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができる。好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
本基材フィルムには、必要に応じて、従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等を添加することができる。
本基材フィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではなく、9μm~100μmであるのが好ましく、中でも12μm以上或いは75μm以下、その中でも15μm以上或いは60μm以下であるのがさらに好ましい。
本基材フィルムは、例えば樹脂組成物を溶融製膜方法や溶液製膜方法によりフィルム形状にすることにより形成することができる。多層構造の場合は、共押出してもよい。
また、一軸延伸又は二軸延伸したものであってもよく、剛性の点から、二軸延伸フィルムが好ましい。
<<接着剤層>>
本基材フィルムは、上述したように、図2に示すように、基材フィルム(1)の表裏一面側に本粒子含有層(3)を備え、基材フィルム(1)の表裏他面側に、接着剤層(4)を介して基材フィルム(2)を備えた非対称構成であってもよい。
この際の接着剤層(4)は、公知の接着剤を適宜選択して用いればよい。中でも、ポリエステルフィルム同士を接着することができ、透明性を確保することができる公知の接着剤を適宜選択して用いればよい。例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース及びヒドロキシセルロースなどのうちの一種又は二種以上の組合せからなる接着剤を挙げることができる。
<<機能層>>
上述したように、基材フィルム(2)の表裏他面側、又は、本粒子含有層(3)の表裏一面側、又は、基材フィルム(1)と基材フィルム(2)との間、又は、基材フィルム(1)と本粒子含有層(3)との間、又は、これらのうちの2か所以上に、必要に応じて、各種機能を備えた層、すなわち機能層を設けることができる。
上記機能層としては、例えば次に説明するアンカーコート層、無機物含有層、易接着層、中間緩衝層などの層を挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
<アンカーコート層>
アンカーコート層は、基材フィルム(1)と基材フィルム(2)、基材フィルム(1)と本粒子含有層(3)、基材フィルム(1)と各機能層、又は、基材フィルム(2)と各機能層との接着性を高めるための層であり、必要に応じて設けることができる。
アンカーコート層は、アンカーコート剤から形成することができる。
当該アンカーコート剤としては、溶剤性又は水性のポリエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂、アルコキシル基含有樹脂、変性スチレン樹脂及び変性シリコーン樹脂等を挙げることができ、これらを単独或いは2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、密着性及び耐熱水性の点から、ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート含有樹脂及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましく、その中でも、ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の1種類以上と、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂から選ばれる少なくとも1種を単独で又は2種以上と、を組み合わせて用いることが好ましい。
アンカーコート層の厚さが5μm以下であれば、滑り性が良好であり、アンカーコート層自体の内部応力による本基材フィルムからの剥離もほとんどなく、また、0.005μm以上の厚さであれば、均一な厚さを保つことができるから好ましい。
かかる観点から、アンカーコート層の厚さは0.005~5μmであることが好ましく、中でも0.01μm以上或いは1μm以下、その中でも0.02μm以上或いは0.5μm以下であることがより好ましい。
<無機物含有層>
無機物含有層は、主にガス透過を抑制する役割の層であり、必要に応じて設けることができる。
無機物含有層は、無機物、特に無機酸化物を主成分として含有する層であり、ガスバリア特性、特に水蒸気バリア特性に優れているばかりか、成膜が容易であり、さらには他層との密着性にも優れている。
なお、主成分とは、無機物含有層の50質量%以上、中でも70質量%以上、中でも80質量%以上、中でも90質量%以上を無機物が占めるという意味である。
無機物含有層は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム及び酸化炭化アルミニウムからなる群から選択される1種又は2種以上の無機化合物を含有するものが好ましい。
無機物含有層は、次に説明するように、例えば物理的気相蒸着法(PVD)法、化学的気相蒸着法(CVD)法のほか、無機粒子を有機ポリマーに分散させて塗布する方法などにより形成することができる。
(PVD無機物含有層)
無機物含有層は、PVD法により形成されたPVD無機物含有層を少なくとも1層備えていることが好ましい。これにより高いガスバリア性を発揮させることができる。
PVD無機物含有層は、例えばSiOx(1.0<X≦2.0)で表される珪素酸化物から構成された層であることが好ましい。
PVD無機物含有層が、SiOx(1.0<X≦2.0)で表される珪素酸化物から構成される、該Xの値(下限値)が小さくなれば、ガス透過度は小さくなるが、珪素酸化物膜自体が黄色性を帯び、透明性が低くなる場合がある。上記組成であることはXPS(X線光電子分光)分析などで確認することが可能である。
PVD無機物含有層形成時の好ましい圧力は、ガスバリア性と真空排気能力と製膜するSiOx層の酸化度の観点から、1×10-7~1Paであるのが好ましく、中でも1×10-6以上或いは1×10-1Pa以下、その中でも1×10-4以上或いは1×10-2Pa以下であるのがさらに好ましい。酸素の導入時の分圧は全圧に対して10~90%の範囲、さらに好ましくは20~80%である。
無機物含有層は、上記PVD無機物含有層からなる単層構成でもよいし、また、より高いガスバリア性確保のために、当該PVD無機物含有層上に、化学的気相(例えば、特開2013-226829号公報など)蒸着法により形成したCVD無機物含有層や、組成が同一もしくは異なるPVD無機物含有層を形成した複層(二層以上)構成としてもよい。
PVD無機物含有層とCVD無機物含有層とが交互に形成された構成(例えば、PVD無機物含有層とCVD無機物含有層とPVD無機物含有層との3層構成等)でもよい。特に、PVD無機物含有層上に、CVD無機物含有層を形成することにより、PVD無機物含有層に生じた欠陥等の目止めが行われ、ガスバリア性や層間の密着性が向上する傾向にある。
(CVD無機物含有層)
CVD無機物含有層は炭素を含有し、その炭素含有量は、ガスバリア性の観点から20at.%未満であることが好ましく、中でも10at.%以下であるのがより好ましく、その中でも5at.%以下であるのが最も好ましい。炭素含有量が上記範囲を満足することで、無機物含有層の表面エネルギーが大きくなり、無機物含有層同士の間の密着性が良好となるため、バリアフィルムの耐折曲げ性、耐剥離性が向上する。
また、CVD無機物含有層の炭素含有量は0.5at.%以上、好ましくは1at.%以上、より好ましくは2at.%以上がよい。CVD無機物含有層中間層に炭素を微量含有することで、応力緩和が効率よくなされ、バリアフィルム自体のカール低減効果にもつながる。
なお、「at.%」とは、原子組成百分率(atomic%)を示す。また、組成に関してはXPS分析などで確認することが可能である。
CVD無機物含有層の形成は、10Pa以下の減圧環境下、且つ本基材フィルム、特にアンカーコート層を設けた本基材フィルムの搬送速度が100m/分以上でなされることが好ましい。化学的気相蒸着法(CVD)により薄膜を形成する際の圧力は、緻密な薄膜を形成するため減圧下で行うことが好ましく、成膜速度とバリア性の観点から、10Pa以下であるのが好ましく、中でも1×10-2以上或いは10Pa以下、その中でも1×10-1以上或いは1Pa以下であるのがより好ましい。
CVD無機物含有層には耐水性、耐久性向上のため、必要に応じて、電子線照射による架橋処理を施してもよい。
CVD無機物含有層は、金属、金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる少なくとも一種を含む薄膜から構成されるのが好ましい。さらに好ましくは、ガスバリア性、密着性の点から、珪素、アルミニウム等の金属がよい。また、金属酸化物又は金属窒化物としては、ガスバリア性、密着性の点から、前記金属の酸化物、窒化物及びこれらの混合物を用いるのが好ましい。
CVD無機物含有層として、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、窒化珪素及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種からなるものが更に好ましい。また、金属酸化物又は金属窒化物としては、有機化合物をプラズマ分解して得られるものが好ましい。
酸化珪素膜等のCVD無機物含有層形成のための原料としては、珪素化合物等の化合物であれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても使用できる。気体の場合にはそのまま放電空間に導入できる。液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。また、溶媒希釈してから使用してもよく、溶媒は、メタノール、エタノール、n-ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒を使用することができる。
上記珪素化合物としては、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn-ブトキシシラン、テトラt-ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3-トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4-ビストリメチルシリル-1,3-ブタジイン、ジ-t-ブチルシラン、1,3-ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1-(トリメチルシリル)-1-プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等を挙げることができる。
無機物含有層の厚さ(無機物含有層が複層構成である場合はそれらの合計厚)は、0.1nm~500nmであることが好ましく、中でも1nm以上或いは300nm以下、その中でも5nm以上或いは100nm以下であるのがさらに好ましい。
無機物含有層の厚さがこのような範囲であれば、所望するガスバリア性を確保することが可能となる。
(無機物含有層の層構成)
無機物含有層は、上記無機物含有層に柔軟な層を積層して2層以上の構成とするのが好ましい。すなわち、基材フィルムの粗大突起部が起点となって生じたり、加熱蒸着によって上記無機物含有層を形成した際に原料が塊となって飛来し付着したりするなどして、上記無機物含有層中には、ピンホールと呼ばれる微小な欠陥が生じることがあり、この欠陥による空隙をガスが通過することによってガスバリア性が低下することがあるため、上記無機物含有層に、柔軟な材料からなる層を積層して2層以上の構成とし、ガスバリア性をより一層高めるのが好ましい。
この際、柔軟な層は、上記無機物含有層の空隙を充填しやすい柔軟な組成物、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)などの有機物のほか、無機系若しくは有機系のフィラーを主成分として含有する層であるのが好ましい。
主成分とは、柔軟な層の50質量%以上、中でも70質量%以上、中でも80質量%以上、中でも90質量%以上を上記主成分が占めるという意味である。
<易接着層>
易接着層は、基材フィルム(1)と基材フィルム(2)、基材フィルム(1)と本粒子含有層(3)、基材フィルム(1)と各機能層、又は、基材フィルム(2)と各機能層、又は、基材フィルム(2)と各種光学部材、例えば蛍光体含有シートとの接着性を高めるための層であり、必要に応じて設けることができる。
基材フィルム(2)と蛍光体含有シート、特に量子ドット層若しく量子ドットフィルムとの接着性を良好にする観点からは、易接着層は、少なくとも炭素-炭素二重結合を有する化合物およびウレタン樹脂のいずれかを含有する層とするのが好ましい。
(炭素-炭素二重結合を有する化合物)
上記炭素-炭素二重結合を有する化合物は、例えば単官能(メタ)アクリレート基、二官能(メタ)アクリレート基、多官能(メタ)アクリレート基、ビニル基、アリル基等を有する化合物を挙げることができる。
なお、「(メタ)アクリレート化合物」の表記は「アクリレート化合物およびメタクリレート化合物」を表す。
単官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではない。例えばメチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、ジアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリール(メタ)アクリレート、フェニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではない。例えば1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート、エポキシジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではない。例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等のウレタンアクリレート等を挙げることができる。
これら単官能(メタ)アクリレート基を有する化合物、二官能(メタ)アクリレート基を有する化合物、多官能(メタ)アクリレート基を有する化合物、ビニル基を有する化合物及びアリル基を有する化合物を有する化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
密着性向上の観点から、これらの(メタ)アクリレート化合物の中でも、二官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートが好ましく、その中でも多官能(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、炭素-炭素二重結合部の(メタ)アクリレート化合物に対する割合は、量子ドット層への密着性を考慮すると、3重量%以上であるのが好ましく、より好ましくは5重量%以上である。その上限は通常40重量%である。
(ウレタン樹脂)
上記ウレタン樹脂は、ウレタン結合を分子内に有する高分子化合物であればよく、ポリオールとイソシアネートの反応により得られる高分子化合物であればよい。
当該ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類などを挙げることができ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。密着性向上の観点から、ポリカーボネートポリオール類またはポリエステルポリオール類が好ましく、ポリカーボネートポリオール類がより好ましい。
上記ウレタン樹脂を構成するポリカーボネートポリオール類としては、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られるものを挙げることができる。
この際、多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン等を挙げることができる。
カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等を挙げることができ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6-ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレン)カーボネート等を挙げることができる。
上記ウレタン樹脂を構成するポリエステルポリオール類としては、多価カルボン酸(マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、1,8-オクタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-ヘキシル-1,3-プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジメタノールベンゼン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、アルキルジアルカノールアミン、ラクトンジオール等)の反応から得られるもの、ポリカプロラクトン等のラクトン化合物の誘導体ユニットを有するもの等を挙げることができる。
上記ウレタン樹脂を構成するポリエーテルポリオール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等を挙げることができる。
上記ウレタン樹脂を構成するポリイソシアネート類としては、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を例示することができる。これらは単独で用いても複数種併用してもよく、これらのポリイソシアネート化合物は2量体やイソシアヌル環に代表されるような3量体、あるいはそれ以上の重合体であってもよい。また、上記イソシアネートの中でも、活性エネルギー線硬化性塗料との密着性向上、および紫外線による黄変防止の点から、芳香族イソシアネートよりも脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートがより好ましい。
ウレタン樹脂を合成する際に鎖延長剤を使用してもよく、鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、一般的には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル-4,4’-ジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環族ジアミン等を挙げることができる。
ウレタン樹脂は、溶剤を媒体とするものであってもよいし、また、水を媒体とするものでもよい。
水系のウレタン樹脂の場合、ウレタン樹脂を水に分散または溶解させるには、乳化剤を用いる強制乳化型、ウレタン樹脂中に親水性基を導入する自己乳化型あるいは水溶型等がある。特に、ウレタン樹脂の骨格中にイオン基を導入しアイオノマー化した自己乳化タイプが、液の貯蔵安定性や得られる塗布層の耐水性、透明性、密着性に優れており好ましい。また、導入するイオン基としては、カルボキシル基、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、第4級アンモニウム塩等、種々のものを挙げることができ、中でもカルボキシル基が好ましい。
ウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法を採用することができる。例えば、プレポリマー合成時に、カルボキシル基を持つ樹脂を共重合成分として用いる方法や、ポリオールやポリイソシアネート、鎖延長剤などの一成分としてカルボキシル基を持つ成分を用いる方法を採用することができる。特に、カルボキシル基含有ジオールを用いて、この成分の仕込み量によって所望の量のカルボキシル基を導入する方法が好ましい。例えば、ウレタン樹脂の重合に用いるジオールに対して、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス-(2-ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス-(2-ヒドロキシエチル)ブタン酸等を共重合させることができる。またこのカルボキシル基はアンモニア、アミン、アルカリ金属類、無機アルカリ類等で中和した塩の形にするのが好ましい。特に好ましいものは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。かかるウレタン樹脂は、塗布液の乾燥工程において中和剤が外れたカルボキシル基を他の架橋剤による架橋反応点として利用できる。これにより、塗布液状態での安定性に優れ、得られる易接着層の耐久性、耐水性、耐ブロッキング性等を更に改善することが可能となる。
(バインダーポリマー)
易接着層は、ウレタン樹脂又は炭素-炭素二重結合を有する化合物の他に、塗布外観、透明性、密着性向上の観点から、バインダーポリマーを含有するのが好ましい。
バインダーポリマーとは、高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するポリマーであり、必要条件として数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するポリマーであればよい。
バインダーポリマーの具体例としては、例えばポリエステル樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等を挙げることができ、これらは単独で用いてもよいし、又、これらのうちの2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
バインダーポリマーとしての上記ポリエステル樹脂は、主な構成成分として下記のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物から構成される樹脂であればよい。
多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸および、2,6-ナフタレンジカルnボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-カリウムスルホテレフタル酸、5-ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができる。
多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオ-ル、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオ-ル、2-メチル-1,5-ペンタンジオ-ル、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノ-ル、p-キシリレングリコ-ル、エチレングリコール変性ビスフェノールA、ジエチレングリコール変性ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ-ル、ポリプロピレングリコ-ル、ポリテトラメチレングリコ-ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ-ル、ジメチロ-ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ-ルプロパン、ジメチロ-ルエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロ-ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができる。これらの多価カルボン酸と多価ヒドロキシ化合物の中からそれぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合成すればよい。
バインダーポリマーとしての上記ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコール部位を有する化合物であればよい。例えば、ポリビニルアルコールに対し、部分的にアセタール化やブチラール化等された変成化合物も含め、従来公知のポリビニルアルコールを使用することができる。
ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではなく、100以上であるのが好ましく、中でも300以上或いは40000以下、その中でも500以上或いは10000以下であるのがさらに好ましい。かかる範囲を満足することで塗布層の耐水性を確保できる。
ポリビニルアルコールのケン化度は、特に限定されなく、70モル%以上であるのが好ましく、中でも80モル%以上或いは99.9モル%以下、その中でも86モル%以上或いは97モル%以下、その中でも95モル%以下であるのがさらに好ましい。
易接着層中のバインダーポリマーの含有量は、量子ドット層との良好な密着性を得る観点から、30重量%以上であるのが好ましく、中でも40重量%以上、その中でも50重量%以上であるのがさらに好ましい。
他方、良好な塗膜強度を得る観点からは、易接着層中のバインダーポリマーの含有量は、90重量%以下であるのが好ましく、中でも80重量%以下、その中でも75重量%以下であるのがさらに好ましい。
(架橋剤)
易接着層は、さらに架橋剤を含有することにより、該易接着層の架橋度を高めて、その接着性及び耐久性を高めることができる。
架橋剤としては、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物、カルボジイミド化合物を使用することが好ましい。中でも密着性向上の観点から、オキサゾリン化合物またはイソシアネート化合物の少なくとも1種を使用することがより好ましい。
架橋剤に用いる上記オキサゾリン化合物とは、分子内にオキサゾリン基を有する化合物であり、特にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。中でも2-イソプロペニル-2-オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα-オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の含ハロゲンα,β-不飽和モノマー類;スチレン、α-メチルスチレン等のα,β-不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
密着性向上の観点から、オキサゾリン化合物のオキサゾリン基量は、0.5~10mmol/gであるのが好ましく、中でも1mmol/g以上或いは9mmol/g以下、その中でも3mmol/g以上或いは8mmol/g以下、その中でも4mmol/g以上或いは6mmol/g以下であるのがさらに好ましい。
架橋剤に用いる上記イソシアネート化合物とは、イソシアネート、あるいはブロックイソシアネートに代表されるイソシアネート誘導体構造を有する化合物のことである。イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等を例示することができる。また、これらイソシアネートのビュレット化物、イソシアヌレート化物、ウレトジオン化物、カルボジイミド変性体等の重合体や誘導体も挙げられる。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。上記イソシアネートの中でも、紫外線照射による黄変対策として、脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートが好適である。
ブロックイソシアネートの状態で使用する場合、そのブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩類、フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール系化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール系化合物、イソブタノイル酢酸メチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、ε‐カプロラクタム、δ‐バレロラクタムなどのラクタム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物が挙げられ、これらは単独でも2種以上の併用であってもよい。
イソシアネート系化合物は単体で用いてもよいし、各種ポリマーとの混合物や結合物として用いてもよい。イソシアネート系化合物の分散性や架橋性向上の点において、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂との混合物や結合物を使用することが好ましい。
架橋剤に用いる上記エポキシ化合物とは、分子内にエポキシ基を有する化合物であり、例えば、エピクロロヒドリンとエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ビスフェノールA等の水酸基やアミノ基との縮合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等がある。ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等を挙げることができる。密着性向上の観点から、ポリエーテル系のエポキシ化合物が好ましい。また、エポキシ基の量としては、2官能より、3官能以上の多官能であるポリエポキシ化合物が好ましい。
架橋剤に用いる上記メラミン化合物とは、化合物中にメラミン骨格を有する化合物のことであり、例えば、アルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。エーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブタノール等が好適に用いられる。また、メラミン化合物としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したタイプ、メラミン化合物の反応性向上のために触媒を併用することもできる。
架橋剤に用いる上記カルボジイミド化合物とは、カルボジイミド構造を有する化合物のことであり、分子内にカルボジイミド構造を1つ以上有する化合物であるが、より良好な密着性等のために、分子内に2つ以上有するポリカルボジイミド系化合物がより好ましい。
このカルボジイミド化合物は従来公知の技術で合成することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物の縮合反応が用いられる。ジイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、芳香族系、脂肪族系いずれも使用することができ、具体的には、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
カルボジイミド化合物に含有されるカルボジイミド基の含有量は、カルボジイミド当量(カルボジイミド基1molを与えるためのカルボジイミド化合物の重さ[g])で、100~1000であるのが好ましく、中でも250以上或いは800以下、その中でも300以上或いは700以下であるのがさらに好ましい。上記範囲で使用することで、塗膜の耐久性が向上する。
また、本発明の主旨を損なわない範囲において、ポリカルボジイミド化合物の水溶性や水分散性を向上するために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加して用いてもよい。
かかる架橋成分を含有する場合、同時に架橋を促進するための成分、例えば架橋触媒などを併用することができる。
なお、このようにして易接着層を形成すれば、その易接着層中には、これら架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測できる。
易接着層中の架橋剤の含有量は、良好な塗膜強度が得られる観点から、10重量%以上であるのが好ましく、中でも20重量%以上、その中でも25重量%以上であるのがさらに好ましい。
他方、蛍光体シート、特に量子ドット層との良好な密着性が得られる観点から、易接着層中の架橋剤の含有量は、70重量%以下であるのが好ましく、中でも60重量%以下、その中でも50重量%以下の範囲であるのがさらに好ましい。
(含有成分)
易接着層は、滑り性やブロッキングの改良のため、粒子を含有してもよい。
易接着層が粒子を含有する場合、その平均粒径は、フィルム透明性の観点から、1.0μm以下の範囲であるのが好ましく、中でも0.5μm以下、その中でも0.2μm以下であるのがさらに好ましい。
易接着層が含有する粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、有機粒子等の粒子を挙げることができる。
易接着層は、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等を含有してもよい。
これらの添加剤は単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
(易接着層の形成方法)
易接着層を設ける方法は、例えばリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
易接着層は、例えばインラインコーティングによって設けることができる。但し、この形成方法に限定するものではない。
インラインコーティングによって設ける場合、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1~50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布するようにするのが好ましい。
また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
易接着層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより易接着層を設ける場合、通常、80~200℃で3~40秒間、好ましくは100~180℃で3~40秒間を目安として熱処理を行うのがよい。
一方、インラインコーティングにより易接着層を設ける場合、通常、70~280℃で3~200秒間を目安として熱処理を行うのがよい。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。
なお、易接着層を形成する対象面には、予めコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
(易接着層の層構成)
易接着層は、単層であっても、2層以上の層からなるものであってもよい。
ここで言う「2層」とは、易接着層自体が二層以上から構成されてもよいし、易接着層を有するフィルム構成として、二層構成以上であってもよく、いずれの場合でもよいと解釈するものである。
例えば接着基材層と接着層とを備えた2層以上の構成例を挙げることができる。
この際、接着層は、上述した易接着層の説明のとおりであればよく、その厚みや形成方法も上述したようにすればよい。
他方、接着基材層は、当該接着層の基材として機能する層であればよい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリトニトリル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ABS、環状オレフィン・コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロースなどを主成分樹脂とする樹脂層又は樹脂フィルムを挙げることができる。強度を高めるため、これらの延伸フィルムであってもよい。
接着基材層の厚さは、支持特性を確保する観点から、3μm~50μmが好ましく、中でも4μm以上或いは30μm以下、その中でも5μm以上或いは25μm以下であるのがさらに好ましい。
(厚さ)
易接着層の膜厚(乾燥後)は、0.002μm~10.0μmであるのが好ましく、中でも0.005μm以上或いは5μm以下、その中でも0.01μm以上或いは2μm以下、その中でも0.01μm以上或いは0.5μm以下の範囲であるのがさらに好ましい。
易接着層の膜厚が上記の範囲であれば、密着性を確保することができると共に、ブロッキングの悪化やヘーズ上昇等を抑制することができる。
<中間緩衝層>
前記無機物含有層及び前記易接着層を設ける場合、必要に応じて、前記無機物含有層と前記易接着層との間に無機物含有層の表面凹凸を吸収する中間緩衝層を設けてもよい。
この中間緩衝層は、トップコート層とも称される層であり、無機物含有層の表面凹凸を吸収して当該無機物含有層に起因する黄色化抑制或いは黄褐色化抑制を目的として設ける層である。
中間緩衝層は、(a)ポリビニルアルコール及び(b)珪素化合物を含有する層であり、必要に応じて(c)エチレン-不飽和カルボン酸共重合体又は(d)架橋剤を含有するのが好ましい。
中間緩衝層を設けることで、ヘーズ値を低くし、色調及び透明性を良好なものとすることができる。
(中間緩衝層の組成)
中間緩衝層における(a)ポリビニルアルコールと(b)珪素化合物の含有割合は、ガスバリア性及び透明性の観点から、質量比で1/6~1/2であることが好ましく、1/5~1/3であることがより好ましい。
中間緩衝層において、ガスバリア性、耐印刷性の点から、(a)ポリビニルアルコールを5~70質量%含有することが好ましく、10~30質量%含有することがさらに好ましい。
また、高速グラビアコーティング性、耐印刷性、耐熱水密着性の点から、(b)珪素化合物粒子を20~70質量%含有することが好ましく、中でも30質量%以上或いは60質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
また、ガスバリア性、高速グラビアコーティング性、耐熱水密着性の点から、(c)エチレン-不飽和カルボン酸共重合体を10~70質量%含有することが好ましく、中でも20質量%以上或いは60質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
さらに、耐熱水性の点から、(d)架橋剤を2~30質量%含有することが好ましく、中でも3質量%以上或いは10質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
((a)ポリビニルアルコール)
中間緩衝層の構成成分としてのポリビニルアルコールは公知の方法で製造することができ、通常は、酢酸ビニルの重合体をケン化することで得られる。ケン化度は80%以上、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、98%以上であることが特に好ましい。
ポリビニルアルコールの平均重合度は、通常200~3500であり、ガスバリア性、強度、塗工性を良好とする点から、300~2000が好ましく、中でも500以上或いは1500以下であるのがさらに好ましい。
また、ポリビニルアルコールとしては、40%以下の割合でエチレンを共重合したタイプも使用することができ、カルボキシル変性したタイプも使用することができる。
ケン化度及び平均重合度は、JIS K6726(ポリビニルアルコール試験方法)に従い、測定することができる。
ポリビニルアルコール水性液は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂を常温水中で攪拌しながら供給して昇温し、80~95℃で30~60分攪拌することで調製することができる。
((b)珪素化合物)
珪素化合物としては、珪素の酸化物が好ましく、例えば二酸化珪素粒子、SiOxで表される珪素酸化物粒子、シリカゾル等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、SiOxのXは1.0よりも大きく、2.0以下であることが好ましい。
また、その平均粒子径は、耐熱水性及び耐凝集破壊性の点から、0.5nm~2μmであることが好ましく、中でも1nm以上或いは200nm以下、その中でも100nm以下であることが特に好ましい。
上記珪素化合物粒子の平均粒子径は、例えば、窒素ガス吸着(BET)法、電子顕微鏡観察、小角X線散乱分析法、動的光散乱法などの方法により測定できる。但し、本発明では動的光散乱法により測定した値を用いる。
珪素化合物粒子の調製方法は特に限定はされない。例えば、国際公開パンフレットWO95/17349号の第2頁16行~10頁26行、あるいは特開平6-16414号公報の段落[0012]~[0031]に記載された方法、具体的には、アルコキシシランを加水分解し熟成する方法や、水ガラスを溶解しイオン交換し濃縮するなどの方法により調製することができる。
前者の調製方法の場合の官能基比率の算出は、例えば上記国際公開パンフレットの第15頁19行~16頁8行に記載された方法で行うことができ、後者の調製方法の場合はシラノール基100モル%と見積もることができる。
一般に、アルコキシシランの使用については、樹脂にアルコキシシランまたはその加水分解物を混合した塗布液を、無機物含有層を有するフィルムに塗布することが知られているが、アルコキシシランやその加水分解物は、凝集応力が大変強いため、むしろ無機物含有層を損傷し、ガスバリア性を低下させてしまう。特に熱水下においてはその傾向は甚だしい。
アルコキシシランを加水分解縮合し熟成させ部分架橋反応を十分進ませることにより、シリカを粒子形状とし且つ好ましくはシラノール基を含有させたものを用いることにより、塗布層の樹脂成分との相互作用や凝集力を調整することができる。
((c)エチレン-不飽和カルボン酸共重合体)
中間緩衝層の構成成分として用いられるエチレン-不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸との共重合体であり、中でも汎用性の点からエチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体が好ましい。このエチレン-不飽和カルボン酸共重合体は任意の他の単量体を含んでいてもよい。
エチレン-不飽和カルボン酸共重合体におけるエチレン成分の割合は、汎用性、柔軟性の点から、65~90質量%であることが好ましく、中でも70質量%以上或いは85質量%以下であることがさらに好ましい。
不飽和カルボン酸成分の割合は10~35質量%であることが好ましく、中でも15質量%以上或いは30質量%以下であることがさらに好ましい。
上記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体に含まれていてもよい他の単量体成分としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステルを挙げることができ、これらの単量体成分は0~50質量%の割合で含有することができる。このようなエチレン-不飽和カルボン酸共重合体は、公知の方法、例えば、高温、高圧下でのラジカル重合等の方法によって得ることができる。
ガスバリア性、密着性等の点から、上記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体は、その中和物を含むことが好ましく、その中和物の中和度はガスバリア性の点から、10~100%が好ましく、中でも20%以上或いは100%以下、その中でも40%以上或いは100%以下であるのがさらに好ましい。
なお、中和度は、下記の式により求めることができる。
中和度=(A/B)×100(%)
(A:中和されたエチレン-不飽和カルボン酸共重合体1g中の中和されたカルボキシル基のモル数、B:中和する前のエチレン-不飽和カルボン酸共重合体1g中のカルボキシル基のモル数)
水性分散液の場合は、簡便的に、上記Aを(溶媒中の金属イオン数)×(その金属イオンの価数)とし、Bを中和する前のエチレン-不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の数として、算出することができる。
上記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体は、ガスバリア性の点から、上記共重合体とアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の中から選ばれる少なくとも1種を含む分散媒とからなる水性分散液を用いることが好ましく、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体の有するカルボキシル基の全モル数に対して、中和度が上記値となるように上記分散媒を用いたものが好ましい。
上記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体と上記分散媒から水性分散液を製造するには、例えば、撹拌可能な容器に、所定量の水と上記両原料を供給し、90~150℃の温度で10分ないし2時間程度攪拌することによって得ることができる。このようにして得られた水性分散液は、安定性に優れており、長期に保存しても粒径や粘度が大幅に変化することがない。
上記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体は、さらに2価あるいは3価の金属を含有してもよい。このような2価あるいは3価の金属は分散媒と共に水性分散液を製造する際に酸化物として添加することで前記共重合体に導入することができる。また、酸化物以外に炭酸金属塩、硫酸金属塩の形で添加することで前記共重合体に導入することもできる。その配合量は、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基のモル数に対して0~60モル%の割合で導入できる。
上記エチレン-不飽和カルボン酸共重合体は、1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
((d)架橋剤)
架橋剤を中間緩衝層に配合することにより、中間緩衝層の塗膜強度や本基材フィルムなどとの密着性を向上することができる。
架橋剤は、前記(a)成分のポリビニルアルコールや(b)成分のエチレン-不飽和カルボン酸共重合体の反応性官能基と反応して、これらを架橋し得る化合物であればよく、特に制限されず、上記反応性官能基に対応した様々な基を有する化合物を挙げることができる。
上記ポリビニルアルコールやエチレン-不飽和カルボン酸共重合体の反応性官能基としては、カルボキシル基や塩型カルボン酸基を始め、所望によりさらに共重合される他の成分によって、その他の活性水素をもつ様々な官能基を挙げることができる。
架橋剤における架橋性官能基としては、上記のポリビニルアルコールやエチレン-不飽和カルボン酸共重合体の反応性官能基と反応し得る基、例えばカルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基、エポキシ基、メチロール基、アルデヒド基、酸無水物基、アジリジニル基等を挙げることができるが、混合した水性分散液の安定性の点から、カルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基又はエポキシ基が好ましい。これらの架橋性官能基は、1分子中に1種導入されていてもよく、2種以上導入されていてもよいが、架橋性の点から、上記架橋性官能基は、1分子中に2個以上導入されていることが好ましい。
分子内にオキサゾリン基を2個以上有する水性重合体としては、オキサゾリン基含有単量体及び必要に応じて用いられるエチレン性不飽和単量体を重合してなるものを用いることができる。
ここでオキサゾリン基含有単量体としては例えば2-ビニル-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリンなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、なかでも2-イソプロペニル-2-オキサゾリンが工業的に入手しやすく、好適である。
架橋剤としては、上記の架橋性官能基を有する水性重合体が好ましく、特にポリビニルアルコールやエチレン-不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基や塩型カルボン酸基との反応性に優れ、所望の性能を有する架橋樹脂膜を与えるオキサゾリン基、カルボジイミド基、エポキシ基、イソシアネート基等を分子内に2個以上有する水性重合体がより好ましい。
(中間緩衝層の形成方法)
中間緩衝層は、例えば以下に示す方法により形成することができる。
先ず、(a)ポリビニルアルコール及び(b)珪素化合物を含む水性分散液を調製する。
水蒸気バリア性、高速グラビアコーティング性、耐熱水密着性の点から、更に(c)エチレン-不飽和カルボン酸共重合体、及び(d)架橋剤を含むことが望ましい。
その後、無機物含有層面に塗布し、乾燥することにより、中間緩衝層として樹脂層を形成することができる。
中間緩衝層の形成に用いる水性分散液中には、樹脂層中の含有量が上記値となるように、(a)ポリビニルアルコール及び(b)珪素化合物粒子、必要に応じてさらに(c)エチレン-不飽和カルボン酸共重合体及び(d)架橋剤の各成分を含有することが好ましい。
前記水性分散液には、必要に応じて、公知の各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール、シランカップリング剤、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、抗菌剤、滑剤、無機充填剤、ブロッキング防止剤、接着剤等を挙げることができる。
さらに、当該水性分散液は、他の樹脂の水性分散液と混合して使用することもできる。そのような樹脂水性分散液としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、メタクリルアミド樹脂、アクリロニトリル樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、ポリウレタン、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリエステル、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、プロピレン-エチレン共重合体、無水マレイン酸グラフト-プロピレン-エチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、EPDM、フェノール系樹脂、シリコーン樹脂等の水性分散液の単独または2種以上を挙げることができる。
水性分散液の調製方法は特に限定はされない。例えば、各樹脂を水に溶解させて、これに珪素化合物粒子又はその水性液、架橋性官能基を有する水性重合体からなる架橋剤又はその水性液を添加する方法、各樹脂の水性液及び珪素化合物粒子あるいはその水性液、架橋性官能基を有する水性重合体からなる架橋剤又はその水性液を混合する方法、ポリビニルアルコール水溶液中で各モノマーを重合させ、その後に珪素化合物粒子あるいはその水性液、架橋性官能基を有する水性重合体からなる架橋剤又はその水性液を添加する方法、ポリビニルアルコール水溶液中で各モノマーを重合させた後、アルカリで中和し、これに珪素化合物粒子あるいはその水性液、架橋性官能基を有する水性重合体からなる架橋剤又はその水性液を添加する方法等により調製することができる。上記の場合においては、アルコール類等の水以外の溶剤を用いて混合物を調製してもよい。
塗布液については、VOC(揮発性有機化合物)発生による環境への負荷、作業員の健康影響といった点から水性の塗布液とすることが好ましく、無機物含有層面への当該水性分散液の塗布には、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーターまたはスプレイなど、公知のコーティング方法を適用することができる。また、本基材フィルムに無機物含有層を形成した後に当該水性分散体に浸漬して行ってもよい。
(中間緩衝層の厚み)
中間緩衝層の厚みは、特に制限はない。0.05μm~20μmであるのが好ましく、中でも0.1μm以上或いは10μm以下、その中でも1μm以上或いは5μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、中間緩衝層には、耐水性、耐久性を高めるために、必要に応じて、電子線照射など、活性エネルギー線照射による架橋処理を行うこともできる。
<本保護フィルムの厚み>
本保護フィルムの全体厚みを調整することで、光透過性および光反射性を確保しつつシワの発生などを抑制することができる。
かかる観点から、本保護フィルムの全体厚みは20μm以上であるのが好ましく、中でも23μm以上或いは500μm以下、その中でも23μm以上或いは250μm以下であるのが特に好ましい。
<<本保護フィルムの用途>>
本保護フィルムは、上記のように、粒子含有層側から入射する光は透過する一方、粒子含有層とは反対側から入射する光は反射するという特殊な光学特性を備えた光学用保護フィルムであるため、バックライトユニット乃至ディスプレイ表示装置の構成部材として好適に用いることができる。
<波長変換フィルム積層体>
例えば、本保護フィルムを、蛍光体を含有する蛍光体シートと積層して、ディスプレイ表示装置の構成部材として用いることにより、ディスプレイ表示装置の輝度の向上を図ることができる。具体的には、例えば図3に示すように、樹脂及び蛍光体30Aを含有する蛍光体層を備えた蛍光体シート(30)の表裏一側に、本保護フィルム(「保護フィルム(10)」と称する)の本粒子含有層(3)が蛍光体シート(30)の反対側に位置するように、本保護フィルム(10)を積層してなる構成を備えた光学用フィルム積層体(「本波長変換フィルム積層体」と称する)(40)を構成することができる。
本波長変換フィルム積層体に関しては、例えば図4に示すように、前記蛍光体シート(30)の表裏他側に、前記保護フィルム(10)とは異なる保護フィルム(20)を積層してなる構成を備えたものとすることもできる。この際、保護フィルム(10)のフィルムヘーズが50%以上、中でも60%以上である一方、保護フィルム(20)のフィルムヘーズが30%未満、中でも20%未満であるという、特徴を備えることができる。
図3及び図4に示すように、光源(50)の視認側に本波長変換フィルム積層体(40)を配置してバックライトユニット(100)を構成すれば、光源(50)から視認側に照射された光線は、本保護フィルム(1)を透過して蛍光体シート(30)に入射し、当該光線によって蛍光体30Aが励起されて360度方向に光線を発光する。この光線のうち、本保護フィルム(10)側に入射して来た光を本粒子含有層(3)が蛍光体シート(30)側に多重反射することができるから、蛍光体30Aが励起されて360度方向に光線を発光する。このように、蛍光体シートの発光効率を高めることができるから、ディスプレイ表示装置の輝度を向上させることができる。
なお、上記蛍光体を含有する蛍光体層を備えた蛍光体シートの一例として、量子ドット層を備えた蛍光体シートを挙げることができる。この際、「量子ドット層」とは、量子ドットすなわちナノスケールのコロイド状半導体を含有する層であればよく、量子ドットフィルムとは、量子ドットを含有する単層フィルム、若しくは、前記量子ドット層を表面層として備えたフィルムであればよい。
量子ドット層の好適な一例として、マトリックスとしの樹脂中に、蛍光特性が異なる二種類以上の量子ドットが分散してなる層を挙げることができる。この際、蛍光特性が異なる二種類以上の量子ドットとしては、青色光LBにより励起されて蛍光(赤色光)LRを発光する量子ドットと、青色光LBにより励起されて蛍光(緑色光)LGを発光する量子ドットとの組み合わせを一例として挙げることができる。但し、この組み合わせに限定するものではない。
量子ドットは、酸素乃至水分に接触すると劣化するため、量子ドットを使用する場合には、特に蛍光体シート(30)の表裏一側又は両側にガスバリア層乃至水蒸気バリア層を積層するのが好ましい。
なお、蛍光体層からなる蛍光体シートの厚みは10~250μmであるのが好ましく、中でも25μm以上或いは125μm以下、その中でも38μm以上或いは100μm以下であるのがさらに好ましい。
<バックライトユニット及びディスプレイ表示装置>
本波長変換フィルム積層体を用いて、バックライトユニット乃至ディスプレイ表示装置を構成することができる。
(本バックライトユニット)
例えば、図3及び図4に示されるように、面状光源(50)の視認側に、本波長変換フィルム積層体(40)を設けてバックライトユニット(「本バックライトユニット」と称する)(100)を構成することができる。
この際、蛍光体シート(30)の光源側に保護フィルム(10)が位置し、且つ、該保護フィルム(10)においては、本粒子含有層(3)が当該蛍光体シート(30)の反対側すなわち光源側に位置するように配置することが必要である。
このような構成の本バックライトユニット(100)であれば、図3及び図4に示されるように、面状光源(50)から照射された一次光線Lは、本保護フィルム(1)を透過して蛍光体シート(30)に入射し、一部の一次光線Lによって蛍光体30Aが励起されて360度方向に二次光線Lを発光する。この二次光線Lの一部は本保護フィルム(10)側に入射し、当該二次光線Lを本粒子含有層(3)が蛍光体シート(30)側に反射し、その一部が蛍光体30Aを励起して360度方向に三次光線Lを発光する。このような過程を繰り返して多重反射することができるから、蛍光体シートの発光効率を高めることができ、ディスプレイ表示装置の輝度を向上させることができる。
上記面状光源は、本波長変換フィルム積層体の視認側とは反対側に、平行な平面状に光源を並べて配置された直下型方式のものであってもよい。この際、本波長変換フィルム積層体と光源との間には、必要に応じて、拡散板などを設けてもよい。
また、上記面状光源は、周側に配置された光源と、該光源から出射された一次光を視認側に導光させて出射させる導光板とからなるエッジライト方式のものであってもよい。
いずれの場合も光源としては、発光ダイオードやレーザー光源等を使用することができる。
なお、本バックライトユニットは、公知の光学部材を任意に備えてもよい。
例えば本波長変換フィルム積層体を挟んで面状光源と対向配置するように再帰反射性部材を設けてもよい。該再帰反射性部材としては、公知の拡散板や拡散シート、プリズムシート、導光板などを使用することができる。
また、面状光源を挟んで本波長変換フィルム積層体と対向配置するように反射板を設けてもよい。反射板としては、公知のものを用いることができる。
より具体的には、保護フィルム保護フィルム(1)又は保護フィルム(2)の視認側にプリズムシート又は拡散シート又はこれら両方を設けることができる。例えば、保護フィルム(2)の視認側にプリズムシート及び拡散シートを順次積層すれば、光源から発した光は、本保護フィルム(1)、蛍光体シート(30)及び保護フィルム(2)を通ってプリズムシートで集光され、次に拡散シートで光を拡散することができる。
図5に示すように、面状光源(50)の視認側に、本波長変換フィルム積層体(40)を配置し、さらにその視認側にプリズムシート(60)を配置すれば、上述した本バックライトユニット(100)による多重反射に加えて、光源側からプリズムシート(60)に入射して光源側に反射された光線Lは、蛍光体シート(30)に入射して蛍光体30Aを励起するため、360度方向に光線Lを発光する。この光線Lの一部は本保護フィルム(10)側に入射し、当該光線Lを本粒子含有層(3)が蛍光体シート(30)側に反射し、その一部が蛍光体30Aを励起して360度方向に光線Lを発光するというように、さらなる多重反射を生じ、蛍光体シートの発光効率をさらに高めることができ、ディスプレイ表示装置の輝度をさらに向上させることができる。
(本ディスプレイ表示装置)
上記本バックライトユニットとディスプレイユニット、例えば液晶ユニットを組み合わせてディスプレイ表示装置(「本ディスプレイ表示装置」と称する)、例えば液晶表示装置を構成することができる。
この際、液晶セルユニットは、液晶セルを2つに偏光板で挟持した構成であるのが通常である。
本ディスプレイ表示装置は、さらに必要に応じて光学補償を行う光学補償部材、カラーフィルター基板、薄層トランジスタ基板、レンズフィルム、拡散シート、ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層、接着層などを任意に設けることが可能である。
<<<語句の説明>>>
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シート及びフィルムを包含するものである。
本発明において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度(dl/g)
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステル原料中の粒子の平均粒径(D50:μm)
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA-CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)塗布層(ILC)の膜厚測定方法
塗布層の表面をRuOで染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片を再度RuO染色し、塗布層断面を透過型電子顕微鏡(Hitachi社製 H-7650、加速電圧100kV)を用いて測定した。
(4)フィルムヘーズ、全光線透過率
JIS K 7136に準拠し、村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHM-150を使用して、ヘーズ及び全光線透過率を測定した。
(5)ガスバリア性(WvTR)
実施例及び比較例のガスバリアフィルムの水蒸気バリア性は、JIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で評価した。
厚さ60μmの無軸延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東洋紡績(株)製「P1146」)の表面に、ウレタン系接着剤〔東洋モートン(株)製AD900とCAT-RT85を、AD900:CAT-RT85=10:1.5(重量比)の割合で配合したもの〕を塗布し、次いで乾燥し、厚さ約3μmの接着剤層を形成した。
この接着剤層上に実施例及び比較例のガスバリアフィルムの無機薄膜層側が接着剤層と隣接するようにラミネートし、水蒸気バリア性評価用の試料フィルムを得た。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の各試料フィルムを2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で重量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出し、表のガスバリア性の項目に示した。
水蒸気透過率[g/m/day]=(m/s)/t
m;試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s;透湿面積(m
t;試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
(6)真空蒸着法(PVD)により形成した無機物含有層の膜厚
無機物含有層の膜厚の測定は蛍光X線を用いて行った。この方法は、原子にX線を照射すると、その原子特有の蛍光X線を放射する現象を利用した方法で、放射される蛍光X線強度を測定することにより原子の数(量)を知ることができる。測定試料について同様に蛍光X線強度を測定し、検量線からその膜厚を測定した。
(7)化学蒸着法(CVD)により形成した無機物含有層の膜厚
エポキシ樹脂包埋超薄切片法で試料を調整し、フィルムの断面を日本電子(株)社製の断面TEM装置(JEM-1200EXII)により加速電圧120KVの条件で測定した。
なお、10nm以下のCVD無機層の厚みについては、断面TEM法による測定においても正確な値を得ることは難しいため、同様の成膜条件にて成膜した20nm以上の比較的厚いCVD無機層を、断面TEM法により測定して単位走行速度当たりの成膜レートを算出し、実施例記載の走行速度で成膜した場合の厚みを算出した。
(8)CVD無機物含有層の炭素含有量
サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製のXPS分析装置K-Alphaを使用し、XPS(X線光電子分光法)により結合エネルギーを測定し、Si2、C1、N1、O1等に対応するピークの面積から換算することによって元素組成(at.%)を算出した。なお、CVD無機層の炭素含有量は、XPSチャートのCVD無機層の部分の値を読み取ることで評価した。
(9)アンチニュートンリング効果の有無
ガスバリアフィルムのアンチニュートンリング効果の有無を下記評価方法で確認した。
(評価方法)
ガスバリアフィルムを30cm×30cmに切り出し、導光板(ブライト株式会社製BR-U10)上に静置し、LED光源からの光を該導光板に入射し、10分間経過したのちのフィルムの状態を目視確認することでニュートンリングの有無を確認した。
(判定基準)
○(good):アンチニュートンリング効果あり。
×(poor):アンチニュートンリング効果なし。
(10)輝度評価
市販のタブレット端末(Amazon社製、Kindle Fire HDX7”)を分解し、バックライトユニットからQDEF(3M社製量子ドットフィルム)を取り出し、QDEFに代えて矩形に切り出した、本発明の実施例および比較例の量子ドット含有樹脂シートに保護フィルムを貼りあわせた積層体構成の部材を組み込んで、評価用液晶表示装置を作製した。その後、導光板の面に対して、垂直方向760mmの位置に配置した輝度計(コニカミノルタ社製:CA-2000)にて測定し、比較例の輝度を相対値100としたとき、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
○(good):相対値が100を超える。
×(poor):相対値が100以下。
(11)総合評価
実施例および比較例で得られた、各保護フィルムについて、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
○(good):ガスバリア性、アンチニュートンリング効果、輝度の各項目について、すべてが○である。
△(little good):ガスバリア性、アンチニュートンリング効果、輝度の各項目について、少なくとも一つが△であり、残りが〇である。
×(poor):ガスバリア性、アンチニュートンリング効果、輝度の各項目について、少なくとも一つが×。
実施例および比較例において使用した各種材料は、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステルAの製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの固有粘度は0.63dl/gであった。
<ポリエステルBの製造方法>
ポリエステルAの製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径1.6μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65dl/gに相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステルAの製造方法と同様の方法を用いてポリエステルBを得た。得られたポリエステルBは、固有粘度0.65dl/gであった。
<ポリエステルCの製造方法>
ポリエステルAをあらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、固有粘度0.85dl/gのポリエステルCを得た。
<ポリエステルフィルムF1の製造方法>
ポリエステルA/B=90/10(質量%)の配合比でA層、ポリエステルA=100(質量%)の配合比でB層原料とし、2台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(外層)、B層を中間層として、2種3層の構成で20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.4倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て125℃で4.2倍の横延伸を施した後、235℃で5秒間の熱処理を行い、その後160℃で幅方向に2.0%の弛緩を加え、層構成がA層/B層/A層/=2μm/19μm/2μm、厚み23μmのポリエステルフィルムF1を得た。
<ポリエステルフィルムF2の製造方法>
ポリエステルC/B=90/10(質量%)の配合比でA層、ポリエステルA=100(質量%)の配合比でB層原料とする以外はポリエステルフィルムF1と同様にして製造し、層構成がA層/B層/A層=2μm/19μm/2μm、厚み23μmのポリエステルフィルムF2を得た。
<ポリエステルフィルムF3の製造方法>
ポリエステルフィルムF1において、縦延伸後、テンターにフィルムを導く前に、下記アンカーコート組成物をオキサゾリン化合物:樹脂A:樹脂B=60質量%:20質量%:20質量%の配合比率の条件下、塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるように塗布する以外はポリエステルフィルムF1と同様に製造し、層構成がA層/B層/A層/アンカーコート層からなるポリエステルフィルムF3を得た。
・オキサゾリン化合物:
オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー エポクロス
(オキサゾリン基量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
・樹脂A(水性アクリル樹脂):アクリル酸エチル40重量部、メタクリル酸メチル30重量部、メタクリル酸20重量部、グリシジルメタクリレート10重量部の混合物をエチルアルコール中で溶液重合し、重合後水を加えつつ加熱しエチルアルコールを除去した。アンモニア水でpH7.5に調節し、水性アクリル系樹脂水性塗料を得た。
・樹脂B(水性ウレタン樹脂):まず、テレフタル酸664質量部、イソフタル酸631質量部、1,4-ブタンジオール472質量部、ネオペンチルグリコール447質量部からなるポリエステルポリオールを得た。次いで、得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321質量部、ジメチロールプロピオン酸268質量部を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。更に、該ポリエステルポリオールA1880質量部にヘキサメチレンジイソシアネート160質量部を加えて水性ポリウレタン系樹脂水性塗料を得た。
<ポリエステルフィルムF4の製造方法>
ポリエステルフィルムF1において、縦延伸後、テンターにフィルムを導く前に、下記粒子含有層組成物を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるように塗布する以外は、ポリエステルフィルムF1と同様に製造し、層構成が粒子含有層/A層/B層/A層からなるポリエステルフィルムF4を得た。
(粒子含有層組成物)
・樹脂B(水性ウレタン樹脂): 60質量%
ポリエステルフィルムF3のアンカーコート層で使用のものと同様。
・オキサゾリン化合物: 10質量%
オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー
エポクロス(オキサゾリン基量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
・メラミン化合物:ヘキサメトキシメチロールメラミン 10質量%
・粒子:平均粒径0.20μmのシリカ粒子 20質量%
[実施例1]
ポリエステルフィルムF1上に、下記のように調製したアンカーコート層組成物を塗布量(乾燥後)が0.025g/mになるように塗布、乾燥し、アンカーコート層を形成した。
(アンカーコート剤組成物の調製)
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートL」)と飽和ポリエステル((株)東洋紡績製「バイロン300」数平均分子量23,000)とを1:1質量比で配合し、アンカーコート剤を調製した。
(PVD無機物含有層形成)
次いで、真空蒸着装置を使用して、SiO(純度99.9%以上)を加熱方式で蒸発させ、酸素を導入し、酸素分圧を3.5×10-3Paとし、5×10-3Paの真空下にてアンカーコート層上に厚さ40nmのSiOxのPVD無機物含有層を形成した。
(中間緩衝層形成)
さらに、無機物含有層表面に、下記のように調製した中間緩衝層組成物をグラビアコート方式で塗布量(湿潤状態で2.9g/m)、90℃の熱風で5秒間乾燥し、厚さ(乾燥後)0.4g/mの中間緩衝層を有するガスバリアフィルムを得た。
(中間緩衝層組成物の調製)
下記のようにして調製した、(a)、(b)、(c)及び(d)を配合比率が10:30:30:30(質量比)になるように混合し、水性分散液からなる中間緩衝層組成物を調製した。
(a)ポリビニルアルコール(PVA、日本合成化学工業(株)製「ゴーセノールNM-14」、ケン化度99%モル以上、重合度1400)をイオン交換水に攪拌しながら入れ、95℃で60分間溶解し、固形分濃度10%のPVA水性液(a)を調製した。
(b)エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)(メタクリル酸20重量%、MFR:300g/10分)、アンモニア及びイオン交換水を95℃で2時間攪拌混合し、中和度60%、固形分20%の水性液(b)を調製した。
(c)特開平6-16414号公報の記載に準じ、ナトリウム水ガラスJIS3号を硝酸ナトリウム水溶液に溶解し、珪酸ナトリウム水溶液を作製した。その後、水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、珪酸水溶液を得た。次いで該珪酸水溶液の20%量を減圧蒸留し蒸発水を除去すると共に、残りの珪酸水溶液を連続的に徐々に供給することにより、減圧蒸留を連続的に行い、コロイダルシリカゾルを作製した。該コロイダルシリカゾルを水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通し、その直後に特級アンモニア水を添加して、pH9、平均粒子径4nm、各種金属酸化物濃度が500ppmの水性シリカゾル(c)を調製した。
(d)攪拌機、還流冷却機、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオン水179質量部及び重合開始剤である2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩1質量部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら60℃に加熱し、そこへ予め調製したアクリル酸エチル2質量部、メタクリル酸メチル2質量部及び2-イソプロペニル-2-オキサゾリン16質量部からなる単量体混合物を滴下ロートより1時間で滴下した。その後、窒素気流下、60℃で10時間反応を行い、反応後、冷却して、固形分濃度10重量%の2-オキサゾリン基含有樹脂水性液(d)を調製した。
(易接着層の形成)
下記のようにして調製した易接着層組成物をA1/U1/C1=30/50/20(質量%)になるように配合し、トルエン溶媒にて10質量%に調整した。その後、中間緩衝層上に塗布量(乾燥後)が30nmになるように塗布、乾燥して、易接着層を設けた。
(易接着層組成物の調製)
易接着層組成物として、以下を用いた。
(A1)テトラメチロールメタンエチレンオキサイド変性テトラアクリレート(全エチレングリコール鎖=35)。全体に対する炭素-炭素二重結合部の割合が5重量%の4官能アクリレート。
(U1):イソホロンジイソシアネート:テレフタル酸:イソフタル酸:エチレングリコール:ジエチレングリコール:ジメチロールプロパン酸=12:19:18:21:25:5(mol%)から形成されるポリエステル系ウレタン樹脂。
(C1): オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー エポクロス(オキサゾリン基量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
上記のようにして、ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを作製した。
次に、下記粒子含有層(A)組成物から構成される粒子含有層組成物を厚み(乾燥後)が3μmになるようにバーコート方式にて、前記ガスバリアフィルムのポリエステルフィルムF1上に塗布、乾燥して粒子含有層を設け、粒子含有層(A)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなる保護フィルムを作製した。
(粒子含有層(A)組成物)
粒子:架橋アクリルビーズ(平均粒径:5μm) 30質量部
粒子:架橋アクリルビーズ(平均粒径:3μm) 10質量部
バインダー樹脂:アクリルポリオール 42質量部
硬化剤:イソシアネート 18質量部
溶剤:酢酸エチル 10質量部
他方、ウレタン系接着剤として東洋モートン(株)製AD900とCAT-RT85とを、AD900:CAT-RT85=10:1.5(重量比)の割合で配合したものを、ポリエステルフィルムF1の一面に塗布し、次いで乾燥して接着層(乾燥後の厚みが3μm)を設け、さらに、当該ポリエステルフィルムF1の他面に塗布量(乾燥後)が30nmになるように易接着層を塗布、乾燥して形成し、接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層からなる積層フィルムを作製した。
そして、ポリエステルフィルムF1/易接着層構成の積層フィルムを、フィルムF1側が接着基材層と接するように貼り合わせて、粒子含有層(A)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルムを得た。
(量子ドット層組成物膜の形成)
量子ドット層組成物を、乾燥後の厚みが10μmになるように、前記保護フィルムの易接着層上に塗布し、これを、(量子ドット層側)ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層から構成されるバリアフィルムとラミネートした後、紫外線照射装置から高圧水銀ランプ160Wで積算光量が1000mJ/cmとなるよう紫外線を照射して、量子ドット層組成物を構成するアクリル系樹脂を硬化させて、粒子含有層(A)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層/量子ドット層/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルム積層体を得た。
・量子ドット含有層組成物:
量子ドット1:CdSe/ZnS(発光ピーク530nm)2重量部
量子ドット2:CdSe/ZnS(発光ピーク620nm)2重量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 63重量部
日本化薬製KARAYAD R―128H 10重量部
エチレングリコール変性ビスフェノールAアクリレート(エチレングリコール鎖=8) 20重量部
ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド 3重量部
[実施例2]
実施例1において、粒子含有層(A)組成物に代えて下記粒子含有層(B)組成物を用いた以外は実施例1と同様に製造して、粒子含有層(B)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルムを得た。
(粒子含有層(B)組成物)
粒子:アクリルビーズ(平均粒径:6μm) 20質量部
粒子:アクリルビーズ(平均粒径:3μm) 10質量部
バインダー樹脂:アクリルポリオール 50質量部
硬化剤:イソシアネート 20質量部
溶剤:酢酸エチル 30質量部
次に、実施例1と同様にして、粒子含有層(B)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層/量子ドット層/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルム積層体を得た。
[実施例3]
実施例1において、粒子含有層(A)組成物に代えて下記粒子含有層(C)組成物を用いた以外は実施例1と同様に製造して、粒子含有層(C)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルムを得た。
(粒子含有層(C)組成物)
粒子:アクリルビーズ(平均粒径:6μm) 20質量部
粒子:アクリルビーズ(平均粒径:3μm) 10質量部
バインダー樹脂:アクリルポリオール 50質量部
硬化剤:イソシアネート 20質量部
溶剤:酢酸エチル 10質量部
次に、実施例1と同様にして、粒子含有層(C)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層/量子ドット層/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルム積層体を得た。
[実施例4]
実施例1において、ポリエステルフィルムF2に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、粒子含有層(A)/ポリエステルフィルムF2/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF2/易接着層の構成からなる保護フィルムを得た。
次に、実施例1と同様にして、粒子含有層(C)/ポリエステルフィルムF2/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層/量子ドット層/ポリエステルフィルムF2/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルム積層体を得た。
[実施例5]
実施例1において、ポリエステルフィルムF3に変更し、ポリエステルフィルムF3のインラインコート面(アンカーコート層に相当)に無機物含有層を設けたこと以外は実施例1と同様にして製造し、粒子含有層(A)/ポリエステルフィルムF3/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF3/易接着層の構成からなる保護フィルムを得た。
次に、実施例1と同様にして、粒子含有層(C)/ポリエステルフィルムF3/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF3/易接着層/量子ドット層/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルム積層体を得た。
[比較例1]
実施例1において、粒子含有層(A)組成物に代えて下記粒子含有層(D)組成物を用いた以外は実施例1と同様に製造して、粒子含有層(D)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルムを得た。
(粒子含有層(D)組成物)
粒子:平均粒径2μm シリカ粒子 5質量部
バインダー:アクリルポリオール 50質量部
硬化剤:イソシアネート 10質量部
溶剤:酢酸エチル 30質量部
次に、実施例1と同様にして、粒子含有層(D)/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層/量子ドット層/ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層/接着層/ポリエステルフィルムF1/易接着層の構成からなる保護フィルム積層体を得た。
<評価結果>
上記実施例および比較例で得られた、各ガスバリアフィルムの特性を下記表1に示す。
なお、下記表において、ILCはインラインコーティング(塗布延伸法)の略号であり、OLCはオフラインコーティングの略号である。
Figure 0007139741000001
<考察>
上記実施例及びこれまで発明者が行ってきた試験結果から、基材フィルム(本実施例ではポリエステルフィルムを使用)の一面側に粒子含有層を備えた光学用保護フィルムにおいて、粒子含有層の光散乱性を従来よりも大きく散乱させることにより、光線透過率および反射率を選択的に制御できることが分かった。この際、光学用保護フィルムにおいて、粒子含有層が設けられていないフィルム面から入射した光が、粒子含有層と直接接する基材フィルム層との界面近傍において、より強く反射することにより、特殊な光学特性に制御できるものと推察される。
そして、粒子含有層とは反対側のフィルム面の反射率R2と、粒子含有層側表面の反射率R1との差が4%より大きくする一方、粒子含有層表面側から光を照射した際に測定される光線透過率T1と、粒子含有層とは反対側から光を照射した際に測定される光線透過率T2との差が4%より大きくなるように制御することにより、ニュートンリング現象の発生を抑えつつ、輝度の向上を図ることができることが分かった。特に、例えば蛍光体シートの表裏一側に、前記粒子含有層とは反対側が、当該蛍光体シート側に位置するように、光学用保護フィルムを配置することにより、蛍光体が発光する光のうち、粒子含有層に入射する光を蛍光体シート側に反射することができ、蛍光体の発光効率を高めることができ、輝度の向上を図ることができることが分かった。
上記実施例及びこれまで発明者が行ってきた試験結果から、本粒子含有層は、石垣のごとく粒子が積み重なり、一定の空間体積における粒子密度が高くなり、粒子間の隙間が極力少ない状態で互いに接する構造を形成するのが好ましいと考えることができる。
一般的な粒子含有層に光が入射すると、本来であれば、そのまま直進するべきはずのところ、本粒子含有層の場合は、一部の光は、互いに接する粒子界面間を光が伝搬し、最後には一部が元々来た方向に近い角度で光散乱(反射)すると推察される。
さらに平均粒径のより小さい粒子を混ぜることにより、大きい粒子の隙間を埋めるように配置され、さらに微小な光散乱を生じていると推察される。そのため、粒径の異なる大小の粒子による光散乱の相乗効果により、反射率が予想に反して大きくなったものと推察することができる。
本粒子含有層は、上記のように特殊な光学特性を備えているため、蛍光体シートの片面に、本粒子含有層を備えた光学用保護フィルムを設けることで、光源から発する光が光学用保護フィルムを透過して蛍光体シートに入射し、蛍光体自身が全方位的に発光する光の一部は光源に向かって発光するため、前記と同様に粒子含有層に到達した光は、粒子界面で微小散乱する。この多重反射を繰りかえすことにより、蛍光体シート中の各種蛍光体(赤色、緑色)が発光する光を効率よく(透過率と反射率との合計が97%より大きいことより、光の吸収などによる、光学的なロスも少ないことが示唆される)利用できるため、輝度が向上すると推察される。
これに対し、比較例1は、光学的なロスが小さいだけでは、必ずしも輝度向上には寄与しない場合があることを示唆している。
また、本発明では、蛍光体シートを介して、従来の構成(従来品は両面対象な構成;両面ともに粒子含有層が設けられたフィルムを用いる)とは異なる、両面非対称構成(光源に近い側のみに粒子含有層を設けたフィルムを用いる)を採用することによって、顕著な輝度向上効果を奏することがわかったことも、特筆すべき点である。
なお、上記実施例では、基材フィルム(1)の表裏一面側に粒子含有層を備え、基材フィルム(1)の表裏他面側に、接着層、基材フィルム(2)及びその他の層を備えた構成のものであるが、上記作用機序からすると、基材フィルム(1)表裏一面側、すなわち光源側に本粒子含有層を備えていれば、基材フィルム(1)の視認側の構成は、光学用途の構成として知られている構成であれば、任意であっても、同様の効果を得ることができるものと考えることができる。
本発明の光学用保護フィルムは、特殊な光学特性を備えることができ、特に量子ドットなどの蛍光体を含有する蛍光体シートと組み合わせて使用することにより、ニュートンリング現象の発生を抑制することができ、しかも、輝度の向上を図ることもできる。よって、液晶ディスプレイ(LCD)など、各種表示装置の構成部材として好適に利用することができる。

Claims (14)

  1. 基材フィルム(1)の表裏一面側に粒子含有層を備えた光学用保護フィルムであって、
    粒子含有層とは反対側のフィルム面の反射率R2、粒子含有層側表面の反射率R1より大きく、前記反射率R2と前記反射率R1との差が4%より大きく、かつ、粒子含有層表面側から光を照射した際に測定される光線透過率T1が、粒子含有層とは反対側から光を照射した際に測定される光線透過率T2よりも大きいことを特徴とする光学用保護フィルム。
  2. 前記光線透過率T1と前記光線透過率T2との差が4%より大きいことを特徴とする請求項1記載の光学用保護フィルム。
  3. フィルムヘーズが40%より大きく、前記反射率R1が14%より小さく、前記反射率R2が14%より大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学用保護フィルム。
  4. 前記光線透過率T1が87%より大きく、前記光線透過率T2が85%より小さいことを特徴する、請求項1~3の何れか記載の光学用保護フィルム。
  5. 前記光線透過率T1と前記反射率R1の合計値が97%より大きく、且つ、前記光線透過率T2と前記反射率R2の合計値が97%より大きいことを特徴する、請求項1~4の何れかに記載の光学用保護フィルム。
  6. 水蒸気透過率(WvTR)が1g/m/dayより小さい、請求項1~5の何れかに記載の光学用保護フィルム。
  7. 基材フィルム(1)の表裏一面側に粒子含有層を備え、基材フィルム(1)の表裏他面側に、接着層及び基材フィルム(2)を備えた請求項1~6の何れかに記載の光学用保護フィルム。
  8. 前記基材フィルム(1)又は前記基材フィルム(2)はそれぞれ、ポリエステルを主成分樹脂とするフィルムである、請求項1~7の何れかに記載の光学用保護フィルム。
  9. 前記粒子含有層は、バインダー樹脂と平均粒径3μm~10μmの粒子とを含有する層である、請求項1~8の何れか記載の光学用保護フィルム。
  10. 前記粒子含有層は、粒径3μm~10μmの大きさの粒子と、粒径1μm~5μmの大きさの粒子とを含有する、請求項9に記載の光学用保護フィルム。
  11. 前記粒子含有層において、粒径3μm~10μmの大きさの粒子が、粒子含有層に含まれる粒子の40~80質量%を占める請求項10に記載の光学用保護フィルム。
  12. 粒子含有層は、バインダー樹脂100質量部に対して40質量部~300質量部の粒子を含有する請求項9~11の何れかに記載の光学用保護フィルム。
  13. 樹脂及び蛍光体を含有する蛍光体層を備えた蛍光体シートの表裏一側に、前記粒子含有層が当該蛍光体シートとは反対側に位置するように、請求項1~12の何れかに記載の光学用保護フィルム(「保護フィルム(10)」と称する)を積層してなる構成を備えた光学用フィルム積層体。
  14. 前記蛍光体シートの表裏他側に、前記保護フィルム(10)とは異なる保護フィルム(「保護フィルム(20)」と称する)を備えた光学用フィルム積層体であって、
    保護フィルム(20)のフィルムヘーズが30%未満である請求項13に記載の光学用フィルム積層体。
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