JP6988376B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents
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Description
LCDに対しては、さらなる省電力化及び色再現性の向上が求められており、そのための対応策の一つとして、入射光の波長を変換して出射する量子ドットの利用が提案されている。
また、ガスバリアフィルムをディスプレイユニットに組み込む際、光干渉による縞模様、いわゆるニュートンリング現象が発生し易く、液晶表示装置など、特に高度な視認性が必要とされる用途においては大きな問題であった。
また、ポリエステルフィルムの一面側にアンカーコート層及び無機物含有層を順次積層することで、水蒸気の透過を抑制し得る優れたガスバリア性を確保できることが分かった。
さらに、前記アンカーコート層を設けないガスバリアフィルムの他面側表面の表面粗さ(Sa)を15nm以上とすることにより、ニュートンリング現象の発生を抑えることができることが分かった。
よって、本発明が提案するガスバリアフィルムによれば、水蒸気の透過を抑制し得るガスバリア性を備えつつ、量子ドット層若しくは量子ドットフィルムとの接着性を高めることができ、さらにはニュートンリング現象の発生を抑えることができる。
本発明の実施形態の一例に係るガスバリアフィルム(「本ガスバリアフィルム」と称する)は、ポリエステルフィルム(「本基材フィルム」とも称する)の一面側にアンカーコート層、無機物含有層及び易接着層が順次積層されてなる構成を備えており、当該ポリエステルフィルムの他面側の本ガスバリアフィルムの表面が粗面化されてなる構成を備えたフィルムである。
なお、「機能層」とは、所定の機能を発揮することができる層を意味する。
以下、順次各層について説明する。
基材フィルムとしてのポリエステルフィルムは、ポリエステルを主成分樹脂として含有するフィルムであればよく、ポリエステル以外の樹脂或いは樹脂以外の成分を含有していてもよい。
この際、「主成分樹脂」とは、ポリエステルフィルムを構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂を意味し、例えばポリエステルフィルムを構成する樹脂のうち50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂である。
本基材フィルムすなわちポリエステルフィルムは、単層構成であっても、多層構成であってもよい。
本基材フィルムが多層構成の場合、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
本基材フィルムすなわちポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。
ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができる。
前記脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等を例示することができる。
本基材フィルムとしてのポリエステルフィルムには、フィルム表面を粗面化して易滑性を付与する目的および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を含有してもよい。
さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
また、上記粒子の硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
5μmを超える場合には、本基材フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において各種の表面機能層を形成させる場合等に不具合が生じる場合がある。
粒子含有量をこのような範囲とすることで、フィルムの滑り性と透明性との両立が可能となるので好ましい。
本基材フィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではなく、9μm〜100μmであるのが好ましく、中でも12μm以上或いは75μm以下、その中でも15μm以上或いは60μm以下であるのがさらに好ましい。
ポリエステルフィルムの製造方法の一例について具体的に説明する。但し、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
先に述べたポリエステル原料を乾燥したペレットを、押出機を用いてダイから溶融シートとして押し出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。
延伸温度は、70〜120℃であるのが好ましく、中でも80℃以上或いは110℃以下であるのがさらに好ましい。延伸倍率は2.5〜7倍であるのが好ましく、中でも3.0以上或いは6倍以下であるのがさらに好ましい。
次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は70〜170℃であるのが好ましく、延伸倍率は3.0〜7倍であるのが好ましく、中でも3.5倍以上或いは6倍以下であるのが好ましい。
そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
アンカーコート層は、本基材フィルムと無機物含有層との接着性を高めるための層である。よって、アンカーコート層はアンカー層とも称する。
当該アンカーコート剤としては、溶剤性又は水性のポリエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂、アルコキシル基含有樹脂、変性スチレン樹脂及び変性シリコーン樹脂等を挙げることができ、これらを単独或いは2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、密着性及び耐熱水性の点から、ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート含有樹脂及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましく、その中でも、ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の1種類以上と、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂から選ばれる少なくとも1種を単独で又は2種以上と、を組み合わせて用いることが好ましい。
アンカーコート層の厚さは0.005〜5μmであることが好ましく、中でも0.01μm以上或いは1μm以下、その中でも0.02μm以上或いは0.5μm以下であることがより好ましい。
アンカーコート層の厚さが5μm以下であれば、滑り性が良好であり、アンカーコート層自体の内部応力による本基材フィルムからの剥離もほとんどなく、また、0.005μm以上の厚さであれば、均一な厚さを保つことができるから好ましい。
無機物含有層は、主にガス透過を抑制する役割の層である。
無機物含有層は、無機物、特に無機酸化物を主成分として含有する層であるから、ガスバリア特性、特に水蒸気バリア特性に優れているばかりか、成膜が容易であり、さらには他層との密着性にも優れている。
なお、主成分とは、無機物含有層の50質量%以上、中でも70質量%以上、中でも80質量%以上、中でも90質量%以上を無機物が占めるという意味である。
無機物含有層は、物理的気相蒸着法(PVD)により形成されたPVD無機物含有層を少なくとも1層備えていることが好ましい。これにより高いガスバリア性を発揮させることができる。
PVD無機物含有層が、SiOx(1.0<X≦2.0)で表される珪素酸化物から構成される、該Xの値(下限値)が小さくなれば、ガス透過度は小さくなるが、珪素酸化物膜自体が黄色性を帯び、透明性が低くなる場合がある。上記組成であることはXPS分析などで確認することが可能である。
無機物含有層は、上記PVD無機物含有層からなる単層構成でもよいし、また、より高いガスバリア性確保のために、当該PVD無機物含有層上に、化学的気相(例えば、特開2013−226829号公報など)蒸着法により形成したCVD無機物含有層や、組成が同一もしくは異なるPVD無機物含有層を形成した複層(二層以上)構成としてもよい。
CVD無機物含有層は炭素を含有し、その炭素含有量は、ガスバリア性の観点から20at.%未満であることが好ましく、中でも10at.%以下がより好ましく、その中でも5at.%以下が最も好ましい。炭素含有量が上記範囲を満足することで、無機物含有層の表面エネルギーが大きくなり、無機物含有層同士の間の密着性が良好となるため、バリアフィルムの耐折曲げ性、耐剥離性が向上する。
また、CVD無機物含有層の炭素含有量は0.5at.%以上、好ましくは1at.%以上、より好ましくは2at.%以上がよい。CVD無機物含有層中間層に炭素を微量含有することで、応力緩和が効率よくなされ、バリアフィルム自体のカール低減効果にもつながる。
なお、「at.%」とは、原子組成百分率(atomic%)を示す。また、組成に関してはXPS分析などで確認することが可能である。
CVD無機物含有層として、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、窒化珪素及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種からなるものが更に好ましい。また、金属酸化物又は金属窒化物としては、有機化合物をプラズマ分解して得られるものが好ましい。
無機物含有層の厚さ(無機物含有層が複層構成である場合はそれらの合計厚)は、0.1nm〜500nmであることが好ましく、中でも1nm以上或いは300nm以下、その中でも5nm以上或いは100nm以下であるのがさらに好ましい。
無機物含有層の厚さがこのような範囲であれば、所望するガスバリア性を確保することが可能となる。
無機物含有層は、上記無機物含有層に柔軟な層を積層して2層以上の構成とするのが好ましい。すなわち、基材フィルムの粗大突起部が起点となって生じたり、加熱蒸着によって上記無機物含有層を形成した際に原料が塊となって飛来し付着したりするなどして、上記無機物含有層中には、ピンホールと呼ばれる微小な欠陥が生じることがあり、この欠陥による空隙をガスが通過することによってガスバリア性が低下することがあるため、上記無機物含有層に、柔軟な材料からなる層を積層して2層以上の構成とし、ガスバリア性をより一層高めるのが好ましい。
主成分とは、柔軟な層の50質量%以上、中でも70質量%以上、中でも80質量%以上、中でも90質量%以上を上記主成分が占めるという意味である。
量子ドット層若しく量子ドットフィルムとの接着性を良好にするには、どのような層を設ければよいか、様々な樹脂について試験した結果、少なくともウレタン樹脂または炭素−炭素二重結合を有する化合物のいずれかを含有する易接着性を表層に設けることで、ガスバリアフィルムと量子ドット層との接着性を良好にすることができることが分かった。
上記炭素−炭素二重結合を有する化合物は、例えば単官能(メタ)アクリレート基、二官能(メタ)アクリレート基、多官能(メタ)アクリレート基、ビニル基、アリル基等を有する化合物を挙げることができる。
なお、「(メタ)アクリレート化合物」の表記は「アクリレート化合物およびメタクリレート化合物」を表す。
密着性向上の観点から、これらの(メタ)アクリレート化合物の中でも、二官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートが好ましく、その中でも多官能(メタ)アクリレートが特に好ましい。
ポリウレタン樹脂は、ウレタン結合を分子内に有する高分子化合物であればよく、ポリオールとイソシアネートの反応により得られる高分子化合物であればよい。
当該ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類などを挙げることができ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。密着性向上の観点から、ポリカーボネートポリオール類またはポリエステルポリオール類が好ましく、ポリカーボネートポリオール類がより好ましい。
この際、多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等を挙げることができる。
カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等を挙げることができ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等を挙げることができる。
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環族ジアミン等を挙げることができる。
水系のポリウレタン樹脂の場合、ポリウレタン樹脂を水に分散または溶解させるには、乳化剤を用いる強制乳化型、ポリウレタン樹脂中に親水性基を導入する自己乳化型あるいは水溶型等がある。特に、ポリウレタン樹脂の骨格中にイオン基を導入しアイオノマー化した自己乳化タイプが、液の貯蔵安定性や得られる塗布層の耐水性、透明性、密着性に優れており好ましい。また、導入するイオン基としては、カルボキシル基、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、第4級アンモニウム塩等、種々のものを挙げることができ、中でもカルボキシル基が好ましい。
ポリウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法を採用することができる。例えば、プレポリマー合成時に、カルボキシル基を持つ樹脂を共重合成分として用いる方法や、ポリオールやポリイソシアネート、鎖延長剤などの一成分としてカルボキシル基を持つ成分を用いる方法を採用することができる。特に、カルボキシル基含有ジオールを用いて、この成分の仕込み量によって所望の量のカルボキシル基を導入する方法が好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂の重合に用いるジオールに対して、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸等を共重合させることができる。またこのカルボキシル基はアンモニア、アミン、アルカリ金属類、無機アルカリ類等で中和した塩の形にするのが好ましい。特に好ましいものは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。かかるポリウレタン樹脂は、塗布液の乾燥工程において中和剤が外れたカルボキシル基を他の架橋剤による架橋反応点として利用できる。これにより、塗布液状態での安定性に優れ、得られる易接着層の耐久性、耐水性、耐ブロッキング性等を更に改善することが可能となる。
易接着層は、ウレタン樹脂および炭素−炭素二重結合を有する化合物の他に、塗布外観、透明性、密着性向上の観点から、バインダーポリマーを含有するのが好ましい。
ポリビニルアルコールのケン化度は、特に限定されなく、70モル%以上であるのが好ましく、中でも80モル%以上或いは99.9モル%以下、その中でも86モル%以上或いは97モル%以下、その中でも95モル%以下であるのがさらに好ましい。
他方、良好な塗膜強度を得る観点からは、易接着層中のバインダーポリマーの含有量は、90重量%以下であるのが好ましく、中でも80重量%以下、その中でも75重量%以下であるのがさらに好ましい。
易接着層は、架橋剤を含有することにより、該易接着層の架橋度を高めて、その接着性及び耐久性を高めることができる。
密着性向上の観点から、オキサゾリン化合物のオキサゾリン基量は、0.5〜10mmol/gであるのが好ましく、中でも1mmol/g以上或いは9mmol/g以下、その中でも3mmol/g以上或いは8mmol/g以下、その中でも4mmol/g以上或いは6mmol/g以下であるのがさらに好ましい。
このカルボジイミド化合物は従来公知の技術で合成することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物の縮合反応が用いられる。ジイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、芳香族系、脂肪族系いずれも使用することができ、具体的には、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
他方、量子ドット層との良好な密着性が得られる観点から、易接着層中の架橋剤の含有量は、70重量%以下であるのが好ましく、中でも60重量%以下、その中でも50重量%以下の範囲であるのがさらに好ましい。
易接着層には、滑り性やブロッキングの改良のため、粒子を含有するようにしてもよい。
易接着層が粒子を含有する場合、その平均粒径は、フィルム透明性の観点から、1.0μm以下の範囲であるのが好ましく、中でも0.5μm以下、その中でも0.2μm以下であるのがさらに好ましい。
易接着層が含有する粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、有機粒子等の粒子を挙げることができる。
これらの添加剤は単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
易接着層を設ける方法は、例えばリバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
インラインコーティングによって設ける場合、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布するようにするのが好ましい。
また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
一方、インラインコーティングにより易接着層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのがよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
易接着層は、単層であっても、2層以上の層からなるものであってもよい。
ここで言う「2層」とは、易接着層自体が二層以上から構成されてもよいし、易接着層を有するフィルム構成として、二層構成以上であってもよく、いずれの場合でもよいと解釈するものである。
この際、接着層は、上述した易接着層の説明のとおりであればよく、その厚みや形成方法も上述したようにすればよい。
他方、接着基材層は、当該接着層の基材として機能する層であればよい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリトニトリル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ABS、環状オレフィン・コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロースなどを主成分樹脂とする樹脂層又は樹脂フィルムを挙げることができる。強度を高めるため、これらの延伸フィルムであってもよい。
接着基材層の厚さは、支持特性を確保する観点から、3μm〜50μmが好ましく、中でも4μm以上或いは30μm以下、その中でも5μm以上或いは25μm以下であるのがさらに好ましい。
易接着層の膜厚(乾燥後)は、0.002μm〜10.0μmであるのが好ましく、中でも0.005μm以上或いは5μm以下、その中でも0.01μm以上或いは2μm以下、その中でも0.01μm以上或いは0.5μm以下の範囲であるのがさらに好ましい。
易接着層の膜厚が上記の範囲であれば、密着性を確保することができると共に、ブロッキングの悪化やヘーズ上昇等を抑制することができる。
本ガスバリアフィルムにおいては、必要に応じて、前記無機物含有層と前記易接着層との間に無機物含有層の表面凹凸を吸収する中間緩衝層を設けてもよい。
この中間緩衝層はトップコート層とも称される層であり、無機物含有層の表面凹凸を吸収して当該無機物含有層に起因する黄色化抑制或いは黄褐色化抑制を目的として設ける層である。
中間緩衝層を設けることで、ヘーズ値を低くし、色調及び透明性を良好なものとすることができる。
中間緩衝層における(a)ポリビニルアルコールと(b)珪素化合物の含有割合は、ガスバリア性及び透明性の観点から、質量比で1/6〜1/2であることが好ましく、1/5〜1/3であることがより好ましい。
また、高速グラビアコーティング性、耐印刷性、耐熱水密着性の点から、(b)珪素化合物粒子を20〜70質量%含有することが好ましく、中でも30質量%以上或いは60質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
また、ガスバリア性、高速グラビアコーティング性、耐熱水密着性の点から、(c)エチレン−不飽和カルボン酸共重合体を10〜70質量%含有することが好ましく、中でも20質量%以上或いは60質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
さらに、耐熱水性の点から、(d)架橋剤を2〜30質量%含有することが好ましく、中でも3質量%以上或いは10質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
中間緩衝層の構成成分としてのポリビニルアルコールは公知の方法で製造することができ、通常は、酢酸ビニルの重合体をケン化することで得られる。ケン化度は80%以上、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、98%以上であることが特に好ましい。
また、ポリビニルアルコールとしては、40%以下の割合でエチレンを共重合したタイプも使用することができ、カルボキシル変性したタイプも使用することができる。
ケン化度及び平均重合度は、JIS K6726(ポリビニルアルコール試験方法)に従い、測定することができる。
ポリビニルアルコール水性液は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂を常温水中で攪拌しながら供給して昇温し、80〜95℃で30〜60分攪拌することで調製することができる。
珪素化合物としては、珪素の酸化物が好ましく、例えば二酸化珪素粒子、SiOxで表される珪素酸化物粒子、シリカゾル等が挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、SiOxのXは1.0よりも大きく、2.0以下であることが好ましい。
また、その平均粒子径は、耐熱水性及び耐凝集破壊性の点から、0.5nm〜2μmであることが好ましく、中でも1nm以上或いは200nm以下、その中でも100nm以下であることが特に好ましい。
上記珪素化合物粒子の平均粒子径は、例えば、窒素ガス吸着(BET)法、電子顕微鏡観察、小角X線散乱分析法、動的光散乱法などの方法により測定できる。但し、本発明では動的光散乱法により測定した値を用いる。
前者の調製方法の場合の官能基比率の算出は、例えば上記国際公開パンフレットの第15頁19行〜16頁8行に記載された方法で行うことができ、後者の調製方法の場合はシラノール基100モル%と見積もることができる。
アルコキシシランを加水分解縮合し熟成させ部分架橋反応を十分進ませることにより、シリカを粒子形状とし且つ好ましくはシラノール基を含有させたものを用いることにより、塗布層の樹脂成分との相互作用や凝集力を調整することができる。
中間緩衝層の構成成分として用いられるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸との共重合体であり、中でも汎用性の点からエチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体が好ましい。このエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は任意の他の単量体を含んでいてもよい。
不飽和カルボン酸成分の割合は10〜35質量%であることが好ましく、中でも15質量%以上或いは30質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、中和度は、下記の式により求めることができる。
(A:中和されたエチレン−不飽和カルボン酸共重合体1g中の中和されたカルボキシル基のモル数、B:中和する前のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体1g中のカルボキシル基のモル数)
水性分散液の場合は、簡便的に、上記Aを(溶媒中の金属イオン数)×(その金属イオンの価数)とし、Bを中和する前のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の数として、算出することができる。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体と上記分散媒から水性分散液を製造するには、例えば、撹拌可能な容器に、所定量の水と上記両原料を供給し、90〜150℃の温度で10分ないし2時間程度攪拌することによって得ることができる。このようにして得られた水性分散液は、安定性に優れており、長期に保存しても粒径や粘度が大幅に変化することがない。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
架橋剤を中間緩衝層に配合することにより、中間緩衝層の塗膜強度や本基材フィルムなどとの密着性を向上することができる。
上記ポリビニルアルコールやエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の反応性官能基としては、カルボキシル基や塩型カルボン酸基を始め、所望によりさらに共重合される他の成分によって、その他の活性水素をもつ様々な官能基を挙げることができる。
架橋剤における架橋性官能基としては、上記のポリビニルアルコールやエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の反応性官能基と反応し得る基、例えばカルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基、エポキシ基、メチロール基、アルデヒド基、酸無水物基、アジリジニル基等を挙げることができるが、混合した水性分散液の安定性の点から、カルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基又はエポキシ基が好ましい。これらの架橋性官能基は、1分子中に1種導入されていてもよく、2種以上導入されていてもよいが、架橋性の点から、上記架橋性官能基は、1分子中に2個以上導入されていることが好ましい。
ここでオキサゾリン基含有単量体としては例えば2−ビニル−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、なかでも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすく、好適である。
中間緩衝層は、例えば以下に示す方法により形成することができる。
先ず、(a)ポリビニルアルコール及び(b)珪素化合物を含む水性分散液を調製する。
水蒸気バリア性、高速グラビアコーティング性、耐熱水密着性の点から、更に(c)エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、及び(d)架橋剤を含むことが望ましい。
その後、無機物含有層面に塗布し、乾燥することにより、中間緩衝層として樹脂層を形成することができる。
中間緩衝層の厚みは、特に制限はない。0.05μm〜20μmであるのが好ましく、中でも0.1μm以上或いは10μm以下、その中でも1μm以上或いは5μm以下であるのがさらに好ましい。
本ガスバリアフィルムにおいて、ポリエステルフィルムのアンカーコート層を設けない側、すなわち他面側表面は粗面化されており、当該他面側表面の表面粗さ(Sa)は15nm以上であるのが好ましい。
本ガスバリア性フィルムを液晶装置に組み合わせる場合、光干渉が発生し、縞模様が見える、いわゆるニュートンリング現象が発生し、外観不良になる場合があった。液晶表示装置のように、特に高度な視認性が必要とされる用途においては特に重要な技術課題となっていた。このようなニュートンリング現象を抑制するために、本ガスバリアフィルムの表面を粗面化するのが好ましい。
かかる観点から、本ガスバリアフィルムの他面側の表面粗さ(Sa)は15nm以上であるのが好ましく、中でも20nm以上或いは500nm以下、その中でも25nm以上或いは300nm以下、その中でも30nm以上或いは150nm以下であるのがさらに好ましい。
次に、本ガスバリアフィルムの他面側表面を上記のように粗面化するための各構成について説明する。
この際、粒子の平均粒径は、一つの粒子における((短径+長径)/2)の複数粒子、少なくとも10個以上の複数粒子の平均値である。
上記粒子の形状は、特に限定されるわけではない。例えば球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれであってもよい。
上述のように、ポリエステルフィルムの他面側に、平均粒径0.01μm〜1μmの粒子を含有する粒子含有層を設けて、本ガスバリアフィルムの他面側表面を粗面化することができる。
さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
上述のように、ポリエステルフィルムの他面側に、ポリエステルを主成分樹脂として含有し且つ平均粒径0.01μm〜3μmの粒子を含有する粒子含有ポリエステル層を設けることで、本ガスバリアフィルムの他面側表面を粗面化することができる。
また、粒子としては、上記粒子含有層の粒子と同様の粒子を挙げることができる。
粒子含有ポリエステル層と上記ポリエステルフィルムとを共押出することにより、新たに別に粗面化工程を設ける必要がなく、工程の簡略化を図れるという利益を得ることができる。
上述のように、ポリエステルフィルムの他面側にアンチグレア層を設けることで、本ガスバリアフィルムの他面側表面を粗面化することができる。
前記防眩性を有する粒子状の物質としては、例えばシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機微粒子の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などからなる有機微粒子が挙げられる。
他方、前記バインダーとしての高分子樹脂には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂からなる高分子樹脂を用いることが出来る。
一般的なエンボス成形法により形成することで得られるが、その成形方法は特に限定するものではない。
本ガスバリアフィルムの全体厚みを調整することで、ガスバリア性を確保しつつシワの発生などを抑制することができる。
かかる観点から、本ガスバリアフィルムの全体厚みは20μm以上であるのが好ましく、中でも23μm以上或いは500μm以下、その中でも50μm以上或いは250μm以下であるのが特に好ましい。
本ガスバリアフィルムは、40℃、90%RHにおける水蒸気透過率が0.1g/m2/day未満であるのが好ましい。この範囲を満足することで水分の侵入に伴う量子ドットの劣防止を図ることが可能となる。
本ガスバリアフィルムは、水蒸気の透過を抑制し得るガスバリア性を備えており、ニュートンリング現象の発生を抑制することができるから、LCDなどの各種画像表示装置の構成部材のガスバリアフィルムとして好適に用いることができる。
中でも、本ガスバリアフィルムは、量子ドット層若しくは量子ドットフィルムとの接着性が良好であるから、量子ドット層を備えた各種部材のガスバリアフィルムとして好適に用いることができる。よって、例えば量子ドットフィルムの両面に本ガスバリアフィルムが積層してなる構成を備えたガスバリアフィルム積層体として提供することができる。
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シート及びフィルムを包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
実施例及び比較例のガスバリアフィルムについて、アンカーコート層を設けていないフィル面側の表面を、非接触表面計測システムを用いて、フィルム表面の平均粗さ(Sa)を計測した。
非接触表面計測システムは、直接位相検出干渉法、いわゆるマイケルソンの干渉を利用した2光束干渉法を用いた、非接触表面計測システム「日立化成社株式会製Vertscan)」を使用した。
塗布層の表面をRuO4で染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片を再度RuO4染色し、塗布層断面をTEM(Hitachi社製 H−7650、加速電圧100kV)を用いて測定した。
下記のように量子ドット含有層を設けた積層ポリエステルフィルムの量子ドット層にカッターナイフで5mm間隔の碁盤目状にキズをつけて、24mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−24)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、次の基準で判定した。表には「接着性(耐QD層)の初期」として示した。
A:剥離面積がテープ全面積の5%以下であった。
B:剥離面積がテープ全面積の5%を超え20%以下であった。
C:剥離面積がテープ全面積の20%を超え50%以下であった。
D:剥離面積がテープ全面積の50%を超えていた。
量子ドット層組成物を塗布層上に厚み(乾燥後)が10μmになるよう塗布し、離型フィルム(三菱ケミカル株式会社製MRF38)でラミネート後紫外線照射装置から高圧水銀ランプ160Wで積算光量が1000mJ/cm2となるよう紫外線を照射し、樹脂を硬化させた。次いで離型フィルムを剥離し、量子ドット層が形成されたガスバリアフィルムを得た。
・量子ドット含有層組成物:
量子ドット1:CdSe/ZnS(発光ピーク530nm)2重量部
量子ドット2:CdSe/ZnS(発光ピーク620nm)2重量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 63重量部
日本化薬製KARAYAD R―128H 10重量部
エチレングリコール変性ビスフェノールAアクリレート(エチレングリコール鎖=8) 20重量部
ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド 3重量部
量子ドット層が形成された積層ポリエステルフィルムを、80℃、90%RHの条件下で50時間処理したのち、量子ドット層にカッターナイフで5mm間隔の碁盤目状にキズをつけて、24mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−24)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、次の基準で判定した。表には「接着性(耐QD層)の促進」として示した。
A:剥離面積がテープ全面積の5%以下であった。
B:剥離面積がテープ全面積の5%を超え20%以下であった。
C:剥離面積がテープ全面積の20%を超え50%以下であった。
D:剥離面積がテープ全面積の50%を超えていた。
JIS K 7136に準拠し、村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHM−150を使用して、ヘーズ及び全光線透過率を測定した。
実施例及び比較例のガスバリアフィルムの水蒸気バリア性は、JIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で評価した。
厚さ60μmの無軸延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東洋紡績(株)製「P1146」)の表面に、ウレタン系接着剤〔東洋モートン(株)製AD900とCAT−RT85を、D900:CAT−RT85=10:1.5(重量比)の割合で配合したもの〕を塗布し、次いで乾燥し、厚さ約3μmの接着剤層を形成した。
この接着剤層上に実施例及び比較例のガスバリアフィルムの無機薄膜層側が接着剤層と隣接するようにラミネートし、水蒸気バリア性評価用の試料フィルムを得た。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の各試料フィルムを2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で重量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出し、表のガスバリア性の項目に示した。
水蒸気透過率[g/m2/day]=(m/s)/t
m;試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s;透湿面積(m2)
t;試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
無機物含有層の膜厚の測定は蛍光X線を用いて行った。この方法は、原子にX線を照射すると、その原子特有の蛍光X線を放射する現象を利用した方法で、放射される蛍光X線強度を測定することにより原子の数(量)を知ることができる。具体的には、フィルム上に既知の2種の厚みの薄膜を形成し、それぞれについて放射される特定の蛍光X線強度を測定し、この情報より検量線を作成する。測定試料について同様に蛍光X線強度を測定し、検量線からその膜厚を測定した。
エポキシ樹脂包埋超薄切片法で試料を調整し、日本電子(株)社製の断面TEM装置(JEM−1200EXII)により加速電圧120KVの条件で測定した。
なお、10nm以下のCVD無機層の厚みについては、断面TEM法による測定においても正確な値を得ることは難しいため、同様の成膜条件にて成膜した20nm以上の比較的厚いCVD無機層を、断面TEM法により測定して単位走行速度当たりの成膜レートを算出し、実施例記載の走行速度で成膜した場合の厚みを算出した。
サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製のXPS分析装置K−Alphaを使用し、XPS(X線光電子分光法)により結合エネルギーを測定し、Si2P、C1S、N1S、O1S等に対応するピークの面積から換算することによって元素組成(at.%)を算出した。なお、CVD無機層の炭素含有量は、XPSチャートのCVD無機層の部分の値を読み取ることで評価した。
ガスバリアフィルム製造過程でシワ発生の有無を確認した。
(判定基準)
○(good):シワ発生なし。
△(usual):シワ発生あり。
ガスバリアフィルムのアンチニュートンリング効果の有無を下記評価方法で確認した。
(評価方法)
ガスバリアフィルムを30cm×30cmに切り出し、導光板(ブライト株式会社製BR−U10)上に静置し、LED光源からの光を該導光板に入射し、10分間経過したのちのフィルムの状態を目視確認することでニュートンリングの有無を確認した。
(判定基準)
○:アンチニュートンリング効果あり。
×:アンチニュートンリング効果なし。
実施例および比較例で得られた、各ガスバリアフィルムについて、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
○(good):透明性、接着性(対QD層)、ガスバリア性、シワ発生有無、アンチニュートンリング効果の各項目について、すべてが○である(なお、接着性(対QD層)に関しては初期、促進共にA判定)。
△(usual):透明性、密着性、ガスバリア性、シワ発生有無、アンチニュートンリング効果の各項目について、少なくとも一つが△であり、残りが〇である(なお、接着性(対QD層)に関しては初期、促進の何れかがB判定)。
×(poor):透明性、密着性、ガスバリア性、シワ発生有無、アンチニュートンリング効果の各項目について、少なくとも一つが×。(なお、接着性(対QD層)に関しては初期、促進の何れかがC判定以下)。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの固有粘度は0.63dl/gであった。
ポリエステルAの製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径1.6μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65dl/gに相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステルAの製造方法と同様の方法を用いてポリエステルBを得た。得られたポリエステルBは、固有粘度0.65dl/gであった。
ポリエステルAをあらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、固有粘度0.85dl/gのポリエステルCを得た。
ポリエステルAの製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径0.8μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65dl/gに相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステルAの製造方法と同様の方法を用いてポリエステルDを得た。得られたポリエステルDは、固有粘度0.65dl/gであった。
ポリエステルA/B=90/10(質量%)の配合比でA層、ポリエステルA=100(質量%)の配合比でB層原料とし、2台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(外層)、B層を中間層として、2種3層の構成で20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.4倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て125℃で4.2倍の横延伸を施した後、235℃で5秒間の熱処理を行い、その後160℃で幅方向に2.0%の弛緩を加え、層構成がA層/B層/A層/=5μm/40μm/5μm、厚み50μmのポリエステルフィルムF1を得た。
ポリエステルC/B=90/10(質量%)の配合比でA層、ポリエステルA=100(質量%)の配合比でB層原料とする以外はポリエステルフィルムF1と同様にして製造し、層構成がA層/B層/A層=5μm/40μm/5μm、厚み50μmのポリエステルフィルムF2を得た。
ポリエステルフィルムF1において、縦延伸後、テンターにフィルムを導く前に、下記アンカーコート組成物をオキサゾリン化合物:樹脂A:樹脂B=60質量%:20質量%:20質量%の配合比率の条件下、塗布量(乾燥後)が0.1g/m2になるように塗布する以外はポリエステルフィルムF1と同様に製造し、層構成がA層/B層/A層/アンカーコート層からなるポリエステルフィルムF3を得た。
・オキサゾリン化合物:
オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー エポクロス
(オキサゾリン基量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
・樹脂A(水性アクリル樹脂):アクリル酸エチル40重量部、メタクリル酸メチル30重量部、メタクリル酸20重量部、グリシジルメタクリレート10重量部の混合物をエチルアルコール中で溶液重合し、重合後水を加えつつ加熱しエチルアルコールを除去した。アンモニア水でpH7.5に調節し、水性アクリル系樹脂水性塗料を得た。
・樹脂B(水性ポリウレタン樹脂):まず、テレフタル酸664質量部、イソフタル酸631質量部、1,4−ブタンジオール472質量部、ネオペンチルグリコール447質量部からなるポリエステルポリオールを得た。次いで、得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321質量部、ジメチロールプロピオン酸268質量部を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。更に、該ポリエステルポリオールA1880質量部にヘキサメチレンジイソシアネート160質量部を加えて水性ポリウレタン系樹脂水性塗料を得た。
ポリエステルフィルムF1において、縦延伸後、テンターにフィルムを導く前に、下記粒子含有層組成物を塗布量(乾燥後)が0.1g/m2になるように塗布する以外は、ポリエステルフィルムF1と同様に製造し、層構成が粒子含有層/A層/B層/A層からなるポリエステルフィルムF4を得た。
(粒子含有層組成物)
・樹脂B(水性ポリウレタン樹脂): 60質量%
ポリエステルフィルムF3のアンカーコート層で使用のものと同様。
・オキサゾリン化合物: 10質量%
オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー
エポクロス(オキサゾリン基量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
・メラミン化合物:ヘキサメトキシメチロールメラミン 10質量%
・粒子:平均粒径0.20μmのシリカ粒子 20質量%
ポリエステルA/B=90/10(質量%)の配合比でA層原料、ポリエステルA=100(質量%)の配合比でB層原料、ポリエステルA/B=70/30(質量%)の配合比でC層原料とし、3台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層、C層を最外層(外層)、B層を中間層として、3種3層の構成で20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.4倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て125℃で4.2倍の横延伸を施した後、235℃で5秒間の熱処理を行い、その後160℃で幅方向に2.0%の弛緩を加え、層構成がC層/B層/A層=5μm/40μm/5μm、厚み50μmのポリエステルフィルムF5を得た。
ポリエステルフィルムF1の片面に下記アンチグレア組成物をオフラインにてグラビアコートにて塗布量(乾燥後)が5μmになるように塗布、180℃、30秒で乾燥、紫外線照射(積算光量:500mJ/cm2)して、層構成がアンチグレア層/A層/B層/A層からなるアンチグレア層付きポリエステルフィルムF6を得た。
(アンチグレア組成物)
アンチグレア塗布液
(日本ペイント株式会社製ルシフラール(登録商標)NAG−1000、固形分濃度50重量%)100質量部
メチルエチルケトン 70質量部
ポリエステルフィルムF1において厚み構成がA層/B層/A層=3μm/19μm/3μmと異なる以外は、同様にして製造し、厚み25μmのポリエステルフィルムF7を得た。
ポリエステルフィルムF1において厚み構成がA層/B層/A層=5μm/65μm/5μmと異なる以外は、同様にして製造し、厚み75μmのポリエステルフィルムF8を得た。
ポリエステルフィルムF1において厚み構成がA層/B層/A層=3μm/6μm/3μmと異なる以外は、同様にして製造し、厚み12μmのポリエステルフィルムF9を得た。
ポリエステルA/D=90/10(質量%)の配合比でA層、ポリエステルA=100(質量%)の配合比でB層原料とする以外は、ポリエステルフィルムF1と同様にして製造し、層構成がA層/B層/A層=5μm/40μm/5μm、厚み50μmのポリエステルフィルムF10を得た。
ポリエステルフィルムF1上に、下記のように調製したアンカーコート層組成物を塗布量(乾燥後)が0.025g/m2になるように塗布、乾燥し、アンカーコート層を形成した。
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製「コロネートL」)と飽和ポリエステル((株)東洋紡績製「バイロン300」数平均分子量23,000)とを1:1質量比で配合し、アンカーコート剤を調製した。
次いで、真空蒸着装置を使用して、SiO(純度99.9%以上)を加熱方式で蒸発させ、酸素を導入し、酸素分圧を3.5×10-3Paとし、5×10-3Paの真空下にてアンカーコート層上に厚さ40nmのSiOxのPVD無機物含有層を形成した。
さらに、無機物含有層表面に、下記のように調製した中間緩衝層組成物をグラビアコート方式で塗布量(湿潤状態で2.9g/m2)、90℃の熱風で5秒間乾燥し、厚さ(乾燥後)0.4g/m2の中間緩衝層を有するガスバリアフィルムを得た。
下記のようにして調製した、(a)、(b)、(c)及び(d)を配合比率が10:30:30:30(質量比)になるように混合し、水性分散液からなる中間緩衝層組成物を調製した。
(a)ポリビニルアルコール(PVA、日本合成化学工業(株)製「ゴーセノールNM−14」、ケン化度99%モル以上、重合度1400)をイオン交換水に攪拌しながら入れ、95℃で60分間溶解し、固形分濃度10%のPVA水性液(a)を調製した。
(b)エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)(メタクリル酸20重量%、MFR:300g/10分)、アンモニア及びイオン交換水を95℃で2時間攪拌混合し、中和度60%、固形分20%の水性液(b)を調製した。
(c)特開平6−16414号公報の記載に準じ、ナトリウム水ガラスJIS3号を硝酸ナトリウム水溶液に溶解し、珪酸ナトリウム水溶液を作製した。その後、水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、珪酸水溶液を得た。次いで該珪酸水溶液の20%量を減圧蒸留し蒸発水を除去すると共に、残りの珪酸水溶液を連続的に徐々に供給することにより、減圧蒸留を連続的に行い、コロイダルシリカゾルを作製した。該コロイダルシリカゾルを水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通し、その直後に特級アンモニア水を添加して、pH9、平均粒子径4nm、各種金属酸化物濃度が500ppmの水性シリカゾル(c)を調製した。
(d)攪拌機、還流冷却機、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオン水179質量部及び重合開始剤である2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1質量部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら60℃に加熱し、そこへ予め調製したアクリル酸エチル2質量部、メタクリル酸メチル2質量部及び2−イソプロペニル−2−オキサゾリン16質量部からなる単量体混合物を滴下ロートより1時間で滴下した。その後、窒素気流下、60℃で10時間反応を行い、反応後、冷却して、固形分濃度10重量%の2−オキサゾリン基含有樹脂水性液(d)を調製した。
下記のようにして調製した易接着層組成物をA1/U1/C1=30/50/20(質量%)になるように配合し、トルエン溶媒にて10質量%に調整した。その後、中間緩衝層上に塗布量(乾燥後)が30nmになるように塗布、乾燥して、易接着層を設けた。
易接着層組成物として、以下を用いた。
(A1)テトラメチロールメタンエチレンオキサイド変性テトラアクリレート(全エチレングリコール鎖=35)。全体に対する炭素−炭素二重結合部の割合が5重量%の4官能アクリレート。
(A2):エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)のアクリル樹脂(ガラス転移点40℃)
(U1):イソホロンジイソシアネート:テレフタル酸:イソフタル酸:エチレングリコール:ジエチレングリコール:ジメチロールプロパン酸=12:19:18:21:25:5(mol%)から形成されるポリエステル系ウレタン樹脂。
(U2):1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール:メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート):ジメチロールプロパン酸=45:50:5(mol%)から形成されるポリカーボネート系ウレタン樹脂。
(U3):ヒドロキシエチルアクリレート:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体:カプロラクトン:エチレングリコール:ジメチロールプロパン酸=6:10:20:38:22:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が0.7重量%であるウレタン樹脂。
(U4):炭素−炭素二重結合を有するポリウレタン樹脂:
ヒドロキシエチルアクリレート:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体:カプロラクトン:エチレングリコール:ジメチロールプロパン酸=18:12:22:26:18:4(mol%)から形成される炭素−炭素二重結合部の重量が2.0重量%であるウレタン樹脂。
(E1):(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)からなる組成で重合したポリエステル樹脂。
(C1):オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー エポクロス(オキサゾリン基量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
(C2):ヘキサメチレンジイソシアネート1000部を60℃で攪拌し、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプレート0.1部を加えた。4時間後、リン酸0.2部を添加して反応を停止させ、イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物を得た。得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物100部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29.5部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を60℃に保持し、イソブタノイル酢酸メチル35.8部、マロン酸ジエチル32.2部、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液0.88部を添加し、4時間保持した。n−ブタノール58.9部を添加し、反応液温度80℃で2時間保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86部を添加して得られたブロックポリイソシアネート。
(C3):ヘキサメトキシメチロール化メラミン
実施例1において、ポリエステルフィルムF2に変更した以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF2/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、無機物含有層の厚みが異なる以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、無機物含有層の厚みが異なる以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステルフィルムF3に変更し、ポリエステルフィルムF3のインラインコート面(アンカーコート層に相当)に無機物含有層を設けたこと以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF3/無機物含有層/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステルフィルムF4に変更し、ポリエステルフィルムF4のコート面とは反対面にアンカーコート層を設けたこと以外は実施例1と同様にして製造し、アンカーコート層/ポリエステルフィルムF4/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステルフィルムF5に変更し、ポリエステルフィルムF5のA層側にアンカーコート層を設けたこと以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF5/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステルフィルムF6に変更し、ポリエステルフィルムF6のアンチグレア層とは反対面にアンカーコート層を設けたこと以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF6/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステルフィルムF7に変更したと共に、接着基材層を形成するためのポリエステルフィルムF8上に、ウレタン系接着剤〔東洋モートン(株)製AD900とCAT−RT85とを、D900:CAT−RT85=10:1.5(重量比)の割合で配合したものを塗布し、次いで乾燥して、接着基材層上に厚さ3μmの接着層を形成して易接着層とした以外は、実施例1と同様に、ポリエステルフィルムF7/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/ポリエステルフィルムF8/接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステルフィルムF9に変更したと共に、接着基材層を形成するためのポリエステルフィルムF8上に、ウレタン系接着剤〔東洋モートン(株)製AD900とCAT−RT85とを、D900:CAT−RT85=10:1.5(重量比)の割合で配合したものを塗布し、次いで乾燥して、接着基材層上に厚さ3μmの接着層を形成して易接着層とした以外は、実施例1と同様に、ポリエステルフィルムF9/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/ポリエステルフィルムF8/接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、易接着層の配合条件が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、易接着層を設けない以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、無機物含有層を設けない以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、アンカーコート層を設けない以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF1/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステルフィルムF10に変更した以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF10/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層からなるガスバリアフィルムを得た。
実施例1において、塗布液組成を塗布液22に変更した以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF1/アンカーコート層/PVD無機物含有層/中間緩衝層/易接着層(炭素―炭素二重結合を有する化合物を含まない)からなるガスバリアフィルムを得た。
上記実施例および比較例で得られた、各ガスバリアフィルムの特性を下記表2〜表6に示す。
上記実施例及びこれまで発明者が行ってきた試験結果から、ポリエステルフィルムの一面側にアンカーコート層、無機物含有層及び易接着層が順次積層されてなる構成を備えたガスバリアフィルムにおいて、前記易接着層を少なくともウレタン樹脂または炭素−炭素二重結合を有する化合物のいずれかを含有させて形成することにより、ガスバリアフィルムと量子ドット層若しくは量子ドットフィルムとの接着性を良好にすることができることが分かった。
また、前記ポリエステルフィルムの他面側のガスバリアフィルムの表面の表面粗さ(Sa)を15nm以上とすることで、ニュートンリング現象の発生を抑えることができることが分かった。
さらに、前記無機物含有層と前記易接着層との間に、無機物含有層の表面凹凸を吸収する中間緩衝層を設けることにより、当該無機物含有層に起因する黄色化抑制或いは黄褐色化抑制することができることが分かった。
Claims (10)
- ポリエステルフィルムの一方の面側(「一面側」と称する)にアンカーコート層、無機物含有層及び易接着層が順次積層されてなる構成を備えたガスバリアフィルムであり、
前記ポリエステルフィルムの他方の面側(「他面側」と称する)のガスバリアフィルムの表面の表面粗さ(Sa)が15nm以上150nm以下であり、
前記易接着層は少なくともウレタン樹脂または炭素−炭素二重結合を有する化合物のいずれかを含有することを特徴とするガスバリアフィルム。 - 40℃、90%RHにおける水蒸気透過率が0.1g/m2/day未満であることを特徴とする請求項1記載のガスバリアフィルム。
- 前記無機物含有層が、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム及び酸化炭化アルミニウムからなる群の中から選択される1種又は2種以上の無機化合物を含有する層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリアフィルム。
- 前記易接着層が、接着基材層と接着層とを備えたものである請求項1〜3の何れかに記載のガスバリアフィルム。
- 前記無機物含有層と前記易接着層との間に、当該無機物含有層の表面凹凸を吸収する中間緩衝層を備えた請求項1〜4の何れか記載のガスバリアフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの前記他面側に、平均粒径0.01μm〜1μmの粒子を含有する粒子含有層を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか記載のガスバリアフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの前記他面側に、ポリエステルを主成分樹脂として含有し且つ平均粒径0.01μm〜3μmの粒子を含有する粒子含有ポリエステル層を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか記載のガスバリアフィルム。
- ヘーズが14.8%以下である、請求項1〜7の何れかに記載のガスバリアフィルム。
- 前記アンカーコート層が、ポリエステル及びウレタン樹脂から選ばれる1種類以上と、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂から選ばれる1種又は2種以上と、を含むアンカーコート剤からなる、請求項1〜8の何れかに記載のガスバリアフィルム。
- 量子ドットフィルムの両面に、請求項1〜9の何れかに記載のガスバリアフィルムが積層してなる構成を備えたガスバリアフィルム積層体。
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