JP2000302897A - ポリイミド系フィルムの製造方法 - Google Patents
ポリイミド系フィルムの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリイミド樹脂中に粘土鉱物が良好に分散し
たポリイミド系フィルムを提供する。 【解決手段】 粘土鉱物とポリアミド酸の混合液に、少
なくとも1種以上のカルボン酸無水物と少なくとも1種
以上のアミン類の混合物からなる脱水剤を混合し、ポリ
イミド系フィルムを得る。
たポリイミド系フィルムを提供する。 【解決手段】 粘土鉱物とポリアミド酸の混合液に、少
なくとも1種以上のカルボン酸無水物と少なくとも1種
以上のアミン類の混合物からなる脱水剤を混合し、ポリ
イミド系フィルムを得る。
Description
【0001】
【0002】本発明は、ポリイミド樹脂に粘土鉱物が含
有されているポリイミド系フィルムの製造方法に関す
る。
有されているポリイミド系フィルムの製造方法に関す
る。
【0003】
【従来の技術】従来、樹脂中に粘土鉱物を良好に分散さ
せ、粘土鉱物の厚みを薄い状態にさせると、樹脂の機械
的特性やガスバリヤー性、耐熱性が向上することが知ら
れている。
せ、粘土鉱物の厚みを薄い状態にさせると、樹脂の機械
的特性やガスバリヤー性、耐熱性が向上することが知ら
れている。
【0004】ポリイミド樹脂中に粘土鉱物を分散させた
ポリイミド複合材の製造方法として、粘土鉱物を有機オ
ニウムイオンで有機化して有機化粘土鉱物を調製し、こ
れを用いてポリイミド複合材を製造する方法が特開平4
−33955号に開示されている。
ポリイミド複合材の製造方法として、粘土鉱物を有機オ
ニウムイオンで有機化して有機化粘土鉱物を調製し、こ
れを用いてポリイミド複合材を製造する方法が特開平4
−33955号に開示されている。
【0005】しかしながら、特開平4−33955号で
は、ポリアミド酸と有機化された粘土鉱物を含有する溶
液から、加熱のみでポリアミド酸を脱水環化させる方
法、即ち熱的方法によって、ポリイミド系フィルムを製
造している。
は、ポリアミド酸と有機化された粘土鉱物を含有する溶
液から、加熱のみでポリアミド酸を脱水環化させる方
法、即ち熱的方法によって、ポリイミド系フィルムを製
造している。
【0006】このような熱的イミド化法では、粘土鉱物
の分散性がポリアミド酸の組成や性状、粘土鉱物の種類
やフィルム中における含有量、混合液の濃度等に影響を
うけ、常に分散性の良いポリイミド複合材を得ることは
困難であった。
の分散性がポリアミド酸の組成や性状、粘土鉱物の種類
やフィルム中における含有量、混合液の濃度等に影響を
うけ、常に分散性の良いポリイミド複合材を得ることは
困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記の問題点を解決し、粘土鉱物の樹脂に対する分
散性が良好で、機械的特性およびガスバリヤー性が非常
に優れ、かつ透明性の増したポリイミド系フィルムを製
造することに関し、鋭意検討を行った結果、本発明に到
ったのである。
は、上記の問題点を解決し、粘土鉱物の樹脂に対する分
散性が良好で、機械的特性およびガスバリヤー性が非常
に優れ、かつ透明性の増したポリイミド系フィルムを製
造することに関し、鋭意検討を行った結果、本発明に到
ったのである。
【0008】すなわち、熱的イミド化法によって製造さ
れたフィルムでは、イミド化を進行させるまでに高温か
つ長時間を要し、イミド化の進行状況によって、加熱下
でも樹脂が柔らかく流動性が高い場合があること、その
為に、熱的イミド化法では、イミド化が進行する前で
は、樹脂が柔らかくなり、粘土鉱物が樹脂を移動できる
状態を生じさせ、結果的に粘土鉱物を凝集させてしまう
ことを見いだし、このような凝集を生じさせず、粘土鉱
物の樹脂に対する分散性が良好なポリイミドフィルムを
製造することを目指して、本発明に想到した。
れたフィルムでは、イミド化を進行させるまでに高温か
つ長時間を要し、イミド化の進行状況によって、加熱下
でも樹脂が柔らかく流動性が高い場合があること、その
為に、熱的イミド化法では、イミド化が進行する前で
は、樹脂が柔らかくなり、粘土鉱物が樹脂を移動できる
状態を生じさせ、結果的に粘土鉱物を凝集させてしまう
ことを見いだし、このような凝集を生じさせず、粘土鉱
物の樹脂に対する分散性が良好なポリイミドフィルムを
製造することを目指して、本発明に想到した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のポリイミド樹脂
に粘土鉱物が含有されているポリイミド系フィルムの製
造方法の要旨とするところは、ポリアミド酸と粘土鉱物
との混合液に、少なくとも1種類以上のカルボン酸無水
物類と少なくとも1種類以上のアミン類を含む脱水剤を
添加してイミド化反応を行なわせることにある。
に粘土鉱物が含有されているポリイミド系フィルムの製
造方法の要旨とするところは、ポリアミド酸と粘土鉱物
との混合液に、少なくとも1種類以上のカルボン酸無水
物類と少なくとも1種類以上のアミン類を含む脱水剤を
添加してイミド化反応を行なわせることにある。
【0010】かかるポリイミド系フィルムの製造方法に
おいて、上記ポリイミド系フィルムに含有されている粘
土鉱物の平均層厚みは、20nm以下であり得る。
おいて、上記ポリイミド系フィルムに含有されている粘
土鉱物の平均層厚みは、20nm以下であり得る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は化学的方法によるポリイ
ミド系フィルムの製造方法である。本発明のポリイミド
系フィルムの製造方法においては、脱水剤を用いてイミ
ド化反応を行なわせる。
ミド系フィルムの製造方法である。本発明のポリイミド
系フィルムの製造方法においては、脱水剤を用いてイミ
ド化反応を行なわせる。
【0012】本発明で用いられる粘土鉱物とは、粘土を
構成する主成分鉱物として通常知られている物質を指
し、Si4+またはAl3 + が酸化物イオンに対して4配
位をとる四面体が構成する層と、Al、Mg、Li、N
a、Fe等のイオンが酸化物イオンおよび水酸化物イオ
ンに対して6配位をとる八面体の層とが、1:1または
2:1で結合して層状構造を構成する鉱物をいう。本発
明においては、2:1型で、その構成単位である1層の
厚みが通常1nm程度の粘土鉱物が好適に用いられ得る
がこれに限定されない。具体的には、モンモリロナイ
ト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、
バイデライト、スチブンサイト等のスメクタイト系粘土
鉱物類、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニ
オライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ
素雲母等の膨潤性合成雲母、バ−ミキュライト、フッ素
バ−ミキュライト、ハロイサイト等が挙げられ、天然の
ものでも合成されたものでも良く、またこれらを1種ま
たは2種以上混合して用いることもできる。
構成する主成分鉱物として通常知られている物質を指
し、Si4+またはAl3 + が酸化物イオンに対して4配
位をとる四面体が構成する層と、Al、Mg、Li、N
a、Fe等のイオンが酸化物イオンおよび水酸化物イオ
ンに対して6配位をとる八面体の層とが、1:1または
2:1で結合して層状構造を構成する鉱物をいう。本発
明においては、2:1型で、その構成単位である1層の
厚みが通常1nm程度の粘土鉱物が好適に用いられ得る
がこれに限定されない。具体的には、モンモリロナイ
ト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、
バイデライト、スチブンサイト等のスメクタイト系粘土
鉱物類、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニ
オライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ
素雲母等の膨潤性合成雲母、バ−ミキュライト、フッ素
バ−ミキュライト、ハロイサイト等が挙げられ、天然の
ものでも合成されたものでも良く、またこれらを1種ま
たは2種以上混合して用いることもできる。
【0013】このような粘土鉱物は、本発明のポリイミ
ド系フィルムの製造に用いる場合、予め有機化処理され
ていることが好ましい。
ド系フィルムの製造に用いる場合、予め有機化処理され
ていることが好ましい。
【0014】粘土鉱物の有機化処理は、公知の方法で行
うことが出来る。即ち、例えば、粘土鉱物を水やアルコ
ール類のプロトン性極性溶媒に微細に分散させ、粘土鉱
物に含まれるアルカリ金属イオンを有機オニウムイオン
に交換する方法により粘土鉱物の有機化処理が行える。
例えば、モンモリロナイトを例にとってみれば、まず、
約100gモンモリロナイト(陽イオン交換容量119
ミリ当量/100g)を約3リットルの水に分散し、こ
れに44.1gのラウリルアミンと24.1gの濃塩酸
(濃度36%)を加え室温で60分間攪拌する。更に十
分水洗した後、ブフナー漏斗を用いて吸引濾過し、含水
状態の粘土複合体を得る。この含水複合体を凍結乾燥し
てラウリルアミンのアンモニウムイオンを含むモンモリ
ロナイトを合成できる。
うことが出来る。即ち、例えば、粘土鉱物を水やアルコ
ール類のプロトン性極性溶媒に微細に分散させ、粘土鉱
物に含まれるアルカリ金属イオンを有機オニウムイオン
に交換する方法により粘土鉱物の有機化処理が行える。
例えば、モンモリロナイトを例にとってみれば、まず、
約100gモンモリロナイト(陽イオン交換容量119
ミリ当量/100g)を約3リットルの水に分散し、こ
れに44.1gのラウリルアミンと24.1gの濃塩酸
(濃度36%)を加え室温で60分間攪拌する。更に十
分水洗した後、ブフナー漏斗を用いて吸引濾過し、含水
状態の粘土複合体を得る。この含水複合体を凍結乾燥し
てラウリルアミンのアンモニウムイオンを含むモンモリ
ロナイトを合成できる。
【0015】本発明において用いられる有機オニウムイ
オンとしては、アルキルアンモニウムイオンが好まし
い。具体的には、ラウリルアミンイオン、ミリスチルア
ンモニウムイオン、ステアリルアミンイオンなどが例示
できる。
オンとしては、アルキルアンモニウムイオンが好まし
い。具体的には、ラウリルアミンイオン、ミリスチルア
ンモニウムイオン、ステアリルアミンイオンなどが例示
できる。
【0016】本発明のポリイミド系フィルムは、最も一
般的には、ポリアミド酸合成法により調製されたポリア
ミド酸に有機化粘土鉱物を混合し、その後イミド化反応
させることにより、製造され得る。
般的には、ポリアミド酸合成法により調製されたポリア
ミド酸に有機化粘土鉱物を混合し、その後イミド化反応
させることにより、製造され得る。
【0017】本発明の重合工程で用いられる有機溶剤
は、当業者に公知の種々の溶剤を用い得る。例えば、ポ
リアミド酸に対して高い溶解性を有する高極性溶媒を用
いることが好ましいが、これらの高極性溶媒に貧溶媒を
添加することも可能である。高極性溶媒の例としては、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類、N−メチル−2−ピロリドン等
のピロリドン類、フェノール、p−クロロフェノール、
o−クロロフェノール等のフェノール類等が挙げられ
る。貧溶媒の例としては、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタ
ノール等が挙げられる。これらの溶媒を混合して、適当
に溶解度パラメータを調整することにより、溶解性を高
めることもできる。
は、当業者に公知の種々の溶剤を用い得る。例えば、ポ
リアミド酸に対して高い溶解性を有する高極性溶媒を用
いることが好ましいが、これらの高極性溶媒に貧溶媒を
添加することも可能である。高極性溶媒の例としては、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類、N−メチル−2−ピロリドン等
のピロリドン類、フェノール、p−クロロフェノール、
o−クロロフェノール等のフェノール類等が挙げられ
る。貧溶媒の例としては、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタ
ノール等が挙げられる。これらの溶媒を混合して、適当
に溶解度パラメータを調整することにより、溶解性を高
めることもできる。
【0018】本発明において、ポリアミド酸を合成する
為には、テトラカルボン酸二無水物として、3,3' ,
4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ピロメリット酸二無水物、3,3' ,4,4' −
ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、3,
3' 、4,4' −ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸
二無水物、1,4−ヒドロキノンジベンゾエ−ト−3,
3' ,4,4' −テトラカルボン酸二無水物等が例示さ
れ、1種または2種以上混合して用いることもできる。
為には、テトラカルボン酸二無水物として、3,3' ,
4,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ピロメリット酸二無水物、3,3' ,4,4' −
ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、3,
3' 、4,4' −ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸
二無水物、1,4−ヒドロキノンジベンゾエ−ト−3,
3' ,4,4' −テトラカルボン酸二無水物等が例示さ
れ、1種または2種以上混合して用いることもできる。
【0019】ジアミン類としては、パラフェニレンジア
ミン、4,4' −ジアミノジフェニルエ−テル、4,
4' −ジアミノベンズアニリド、ジメチルベンジジン、
2、2' −ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロ
パン、4、4' −ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、またはこれらのフッ素等ハロゲン置換体等が例示
され、1種または2種以上混合して用いることができ
る。
ミン、4,4' −ジアミノジフェニルエ−テル、4,
4' −ジアミノベンズアニリド、ジメチルベンジジン、
2、2' −ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロ
パン、4、4' −ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、またはこれらのフッ素等ハロゲン置換体等が例示
され、1種または2種以上混合して用いることができ
る。
【0020】ポリアミド酸の合成のための各モノマーの
添加順序は特に限定されず、様々な方法が可能である。
溶媒に、全ジアミンを溶解し、これにテトラカルボン酸
二無水物を徐々に加えておおむね当量として粘度を調整
しつつ、さらに残りのテトラカルボン酸二無水物をその
ままあるいは適当な溶媒に溶解して加えて、当量比を等
しくさせることが一般的に行われているが、これに限定
されない。これらの添加順序によっては、フィルムの特
性を微妙に制御することも可能である。具体的には、ジ
アミン成分を溶剤中に溶解し、これに対して、テトラカ
ルボン酸二無水物を加える方法;テトラカルボン酸二無
水物を溶剤中に溶解し、後にジアミン成分を加える方
法、あるいは、ジアミンおよび/またはテトラカルボン
酸二無水物を交互に加える方法等を上げることができ
る。
添加順序は特に限定されず、様々な方法が可能である。
溶媒に、全ジアミンを溶解し、これにテトラカルボン酸
二無水物を徐々に加えておおむね当量として粘度を調整
しつつ、さらに残りのテトラカルボン酸二無水物をその
ままあるいは適当な溶媒に溶解して加えて、当量比を等
しくさせることが一般的に行われているが、これに限定
されない。これらの添加順序によっては、フィルムの特
性を微妙に制御することも可能である。具体的には、ジ
アミン成分を溶剤中に溶解し、これに対して、テトラカ
ルボン酸二無水物を加える方法;テトラカルボン酸二無
水物を溶剤中に溶解し、後にジアミン成分を加える方
法、あるいは、ジアミンおよび/またはテトラカルボン
酸二無水物を交互に加える方法等を上げることができ
る。
【0021】何れの場合もジアミン化合物のモル量の合
計と酸無水物化合物のモル量の合計はほぼ同一となるよ
うに用いる。ここで、「ほぼ同一」とは、完全な同一も
含み、ジアミン化合物モル量合計と、酸無水物化合物モ
ル量合計の比率が、0.95〜1.05、好ましくは
0.98〜1.02の範囲であることを指す。
計と酸無水物化合物のモル量の合計はほぼ同一となるよ
うに用いる。ここで、「ほぼ同一」とは、完全な同一も
含み、ジアミン化合物モル量合計と、酸無水物化合物モ
ル量合計の比率が、0.95〜1.05、好ましくは
0.98〜1.02の範囲であることを指す。
【0022】重合反応は、一般的にポリアミド酸の重合
反応に用いられる温度であれば、特に限定されないが、
80℃以下が好ましく、60℃以下で行うことがより好
ましい。高温度になると、ポリアミド酸の生成反応を阻
害することがある。
反応に用いられる温度であれば、特に限定されないが、
80℃以下が好ましく、60℃以下で行うことがより好
ましい。高温度になると、ポリアミド酸の生成反応を阻
害することがある。
【0023】重合反応は、窒素あるいはアルゴン等の不
活性ガス中で行わせることが好ましいが、その他の条件
下でも行い得る。
活性ガス中で行わせることが好ましいが、その他の条件
下でも行い得る。
【0024】ポリアミド酸の溶液中の濃度は、5〜30
wt%、さらには10〜25wt%が好ましい。これよ
り低いと溶剤が増え、フィルム製造後の乾燥に時間がか
かり、これより高い濃度の場合、粘度が上昇して加工が
困難となる場合がある。
wt%、さらには10〜25wt%が好ましい。これよ
り低いと溶剤が増え、フィルム製造後の乾燥に時間がか
かり、これより高い濃度の場合、粘度が上昇して加工が
困難となる場合がある。
【0025】ポリアミド酸溶液の粘度は、フィルム加工
できる粘度であれば特に限定されないが、22℃で約1
〜10000ポイズ程度、好ましくは、50〜6000
ポイズである。粘度が低過ぎるとフィルムの特性に悪影
響を与え、加工の際に厚みを安定化することも難しい。
一方、粘度が高過ぎる場合、溶液の攪拌が困難となり、
フィルム状に加工する際に強い力が必要となり、不都合
である。
できる粘度であれば特に限定されないが、22℃で約1
〜10000ポイズ程度、好ましくは、50〜6000
ポイズである。粘度が低過ぎるとフィルムの特性に悪影
響を与え、加工の際に厚みを安定化することも難しい。
一方、粘度が高過ぎる場合、溶液の攪拌が困難となり、
フィルム状に加工する際に強い力が必要となり、不都合
である。
【0026】次に、得られたポリアミド酸溶液と有機化
された粘土鉱物との混合溶液を調製する。ポリイミド樹
脂100重量部に対する有機化粘土鉱物の重量部は0.
1〜20重量部の範囲となるように混合させるのが好ま
しく、1〜15重量部が更に好ましい。0.1重量部未
満であると、特性の向上効果が見られず、逆に20重量
部を超えると靭性の低下が顕著になるからである。
された粘土鉱物との混合溶液を調製する。ポリイミド樹
脂100重量部に対する有機化粘土鉱物の重量部は0.
1〜20重量部の範囲となるように混合させるのが好ま
しく、1〜15重量部が更に好ましい。0.1重量部未
満であると、特性の向上効果が見られず、逆に20重量
部を超えると靭性の低下が顕著になるからである。
【0027】ポリアミド酸溶液と有機化粘土鉱物との混
合方法は、特に制限はなく、ポリアミド酸溶液に有機化
粘土鉱物を固体状で添加する方法、あるいは有機化粘土
鉱物を有機溶媒に予め分散させた溶液の状態で添加する
方法のいずれの方法でもよいが、添加後に均一になるま
で混練機などにより機械的剪断下で攪拌することが肝要
である。
合方法は、特に制限はなく、ポリアミド酸溶液に有機化
粘土鉱物を固体状で添加する方法、あるいは有機化粘土
鉱物を有機溶媒に予め分散させた溶液の状態で添加する
方法のいずれの方法でもよいが、添加後に均一になるま
で混練機などにより機械的剪断下で攪拌することが肝要
である。
【0028】本発明の有機化粘土鉱物は、得られたポリ
アミド酸溶液に混合する態様のみならず、任意の段階で
添加することができる。例えば、重合前のポリアミド酸
の原料溶液に添加する方法、あるいは重合途中段階の溶
液に添加する方法などを用いることができる。
アミド酸溶液に混合する態様のみならず、任意の段階で
添加することができる。例えば、重合前のポリアミド酸
の原料溶液に添加する方法、あるいは重合途中段階の溶
液に添加する方法などを用いることができる。
【0029】このポリアミド酸と有機化粘土鉱物の混合
溶液からポリイミド系フィルムを得るには、脱水剤を用
いる化学的方法で行わなければならない。
溶液からポリイミド系フィルムを得るには、脱水剤を用
いる化学的方法で行わなければならない。
【0030】本発明で用いられる脱水剤は、ポリアミド
酸に含まれるカルボン酸基の等モル以上のカルボン酸無
水物と触媒量のアミン類を必須成分として含む混合物で
ある。
酸に含まれるカルボン酸基の等モル以上のカルボン酸無
水物と触媒量のアミン類を必須成分として含む混合物で
ある。
【0031】カルボン酸無水物としては、無水酢酸、無
水プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸無水物、無水安息
香酸や無水フタル酸等の芳香族カルボン酸無水物が挙げ
られ、1種または2種以上混合して用いることができ
る。
水プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸無水物、無水安息
香酸や無水フタル酸等の芳香族カルボン酸無水物が挙げ
られ、1種または2種以上混合して用いることができ
る。
【0032】アミン類としては、トリエチルアミン、ジ
メチルアニリン、トリメチルアミン等の脂肪族アミン
や、イソキノリン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコ
リン、γ−ピコリン類などの芳香族アミンが挙げられ、
1種または2種以上混合して用いることができる。
メチルアニリン、トリメチルアミン等の脂肪族アミン
や、イソキノリン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコ
リン、γ−ピコリン類などの芳香族アミンが挙げられ、
1種または2種以上混合して用いることができる。
【0033】また、脱水剤にポリイミド系フィルムの特
性向上を目的にトリフェニルホスフェートやトリフェニ
ルホスフィン等のりん化合物等の添加剤を混合させても
良い。このような脱水剤は、例えば、無水酢酸等の脂肪
族酸無水物、芳香族酸無水物などである。
性向上を目的にトリフェニルホスフェートやトリフェニ
ルホスフィン等のりん化合物等の添加剤を混合させても
良い。このような脱水剤は、例えば、無水酢酸等の脂肪
族酸無水物、芳香族酸無水物などである。
【0034】ここで、ポリアミド酸と粘土鉱物の混合溶
液からポリイミド系フィルムを製造する方法を例示する
が、本発明のポリイミド系フィルムの製造方法は、これ
に限定されない。まず、0℃〜10℃の冷却下で、ポリ
アミド酸と有機化粘土鉱物の混合液に脱水剤を混合し攪
拌後、その溶液をドラムやエンドレスベルトあるいはP
ETフィルム等基材上に流延または塗布して膜状とし、
その膜を自己支持性を有するまで150℃以下の温度で
約5分〜60分乾燥させる。ついで、これを支持体から
引き剥がし、長手方向の両端部を把持した後、膜の収縮
を制限しながら約100℃〜500℃のまで徐々に加熱
することにより乾燥及びイミド化し、冷却後これより取
り外しポリイミド系フィルムを得る。
液からポリイミド系フィルムを製造する方法を例示する
が、本発明のポリイミド系フィルムの製造方法は、これ
に限定されない。まず、0℃〜10℃の冷却下で、ポリ
アミド酸と有機化粘土鉱物の混合液に脱水剤を混合し攪
拌後、その溶液をドラムやエンドレスベルトあるいはP
ETフィルム等基材上に流延または塗布して膜状とし、
その膜を自己支持性を有するまで150℃以下の温度で
約5分〜60分乾燥させる。ついで、これを支持体から
引き剥がし、長手方向の両端部を把持した後、膜の収縮
を制限しながら約100℃〜500℃のまで徐々に加熱
することにより乾燥及びイミド化し、冷却後これより取
り外しポリイミド系フィルムを得る。
【0035】フィルムを乾燥またはイミド化させる際
に、延伸してもよい。延伸することにより機械的特性に
優れるフィルムを得やすいからである。
に、延伸してもよい。延伸することにより機械的特性に
優れるフィルムを得やすいからである。
【0036】ポリイミド系フィルムの接着性や耐熱性、
または滑り性等の各種特性を向上させることを目的に、
製造の任意の段階で、酸化チタン、炭酸カルシウム、ア
ルミナ、シリカゲル等の粘土鉱物以外の微粒子を含有さ
せたり、フィルム表面に、シランカップリング剤などの
表面改質剤や微粒子とバインダ−樹脂を含む溶液等を塗
布したり、コロナ処理やプラズマ処理などの放電処理な
どを施してもよい。
または滑り性等の各種特性を向上させることを目的に、
製造の任意の段階で、酸化チタン、炭酸カルシウム、ア
ルミナ、シリカゲル等の粘土鉱物以外の微粒子を含有さ
せたり、フィルム表面に、シランカップリング剤などの
表面改質剤や微粒子とバインダ−樹脂を含む溶液等を塗
布したり、コロナ処理やプラズマ処理などの放電処理な
どを施してもよい。
【0037】フィルムの製造に際しては、さらに、熱劣
化防止剤を加えて焼成時のフィルムの劣化を防止し得
る。その他の添加剤を加えて、フィルム製造時における
フィルムの劣化等を防止することもできる。熱劣化防止
剤としては、トリフェニルフォスフェイト等の燐酸系の
劣化防止剤、置換基を有する又は置換基を有さないベン
ゾフェノン等が挙げられる。その他の添加剤としては、
金属単体、有機金属化合物、またはガラス系のフィラー
類等が挙げられる。
化防止剤を加えて焼成時のフィルムの劣化を防止し得
る。その他の添加剤を加えて、フィルム製造時における
フィルムの劣化等を防止することもできる。熱劣化防止
剤としては、トリフェニルフォスフェイト等の燐酸系の
劣化防止剤、置換基を有する又は置換基を有さないベン
ゾフェノン等が挙げられる。その他の添加剤としては、
金属単体、有機金属化合物、またはガラス系のフィラー
類等が挙げられる。
【0038】以下に実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例によって限定される
ものではない。
説明するが、本発明はこれら実施例によって限定される
ものではない。
【0039】
【実施例】次に、本発明の実施例をより具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみによって限定される
ものではない。
るが、本発明はこれらの実施例のみによって限定される
ものではない。
【0040】ポリイミドフィルムの特性として、ここ
で、引張弾性率および引張伸び率は、フィルム引張試験
をJIS C 2151に準拠し、温度20℃、湿度6
0%の雰囲気下、引張速度200mm/minで行い、
得られたチャートから算出した値である。
で、引張弾性率および引張伸び率は、フィルム引張試験
をJIS C 2151に準拠し、温度20℃、湿度6
0%の雰囲気下、引張速度200mm/minで行い、
得られたチャートから算出した値である。
【0041】実施例中、ODAは、4,4' −ジアミノ
ジフェニルエ−テル、PMDAはピロメリット酸二無水
物、BPDAは、3,3' ,4,4' −ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、ODPAは3,3' ,4,4'
−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物、NM
PはN−メチル−2−ピロリドンを表す。
ジフェニルエ−テル、PMDAはピロメリット酸二無水
物、BPDAは、3,3' ,4,4' −ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、ODPAは3,3' ,4,4'
−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物、NM
PはN−メチル−2−ピロリドンを表す。
【0042】(原料調製例A−1)室温下において、攪
拌機を備えた1リットルの三口セパラブルフラスコを用
いODA 20.10g(0.1mol)をNMP36
7.1gに溶解させた溶液にPMDA 20.71g
(0.095mol)を粉体で加え、窒素雰囲気で1時
間攪拌した。次いで、この溶液にゆっくりとPMDA
1.09g(0.005mol)をNMP10gに溶解
した溶液を加えた。更に1時間攪拌し10重量%のポリ
アミド酸溶液を得た。
拌機を備えた1リットルの三口セパラブルフラスコを用
いODA 20.10g(0.1mol)をNMP36
7.1gに溶解させた溶液にPMDA 20.71g
(0.095mol)を粉体で加え、窒素雰囲気で1時
間攪拌した。次いで、この溶液にゆっくりとPMDA
1.09g(0.005mol)をNMP10gに溶解
した溶液を加えた。更に1時間攪拌し10重量%のポリ
アミド酸溶液を得た。
【0043】(原料調製例A−2)室温下において、攪
拌機を備えた1リットルの三口セパラブルフラスコを用
いパラフェニレンジアミン10.80g(0.1mo
l)をNMP346.8gに溶解させた溶液にBPDA
27.93g(0.095mol)を粉体で加え、窒
素雰囲気で1時間攪拌した。次いで、この溶液にゆっく
りとBPDA 1.47g(0.005mol)をNM
P15gに溶解させた溶液を加えた。更に1時間攪拌し
10重量%のポリアミド酸溶液を得た。
拌機を備えた1リットルの三口セパラブルフラスコを用
いパラフェニレンジアミン10.80g(0.1mo
l)をNMP346.8gに溶解させた溶液にBPDA
27.93g(0.095mol)を粉体で加え、窒
素雰囲気で1時間攪拌した。次いで、この溶液にゆっく
りとBPDA 1.47g(0.005mol)をNM
P15gに溶解させた溶液を加えた。更に1時間攪拌し
10重量%のポリアミド酸溶液を得た。
【0044】(原料調製例A−3)室温下において、攪
拌機を備えた1リットルの三口セパラブルフラスコを用
いODAg(0.1mol)をNMP346.8gに溶
解させた溶液にODPA29.45g(0.095mo
l)を粉体で加え、窒素雰囲気で1時間攪拌した。次い
で、この溶液にゆっくりとODPA 1.55g(0.
005mol)をNMP15gに溶解させた溶液を加え
た。更に1時間攪拌し10重量%のポリアミド酸溶液を
得た。
拌機を備えた1リットルの三口セパラブルフラスコを用
いODAg(0.1mol)をNMP346.8gに溶
解させた溶液にODPA29.45g(0.095mo
l)を粉体で加え、窒素雰囲気で1時間攪拌した。次い
で、この溶液にゆっくりとODPA 1.55g(0.
005mol)をNMP15gに溶解させた溶液を加え
た。更に1時間攪拌し10重量%のポリアミド酸溶液を
得た。
【0045】(原料調製例B−1)膨潤性雲母をアルキ
ルアンモニウムイオンで有機化処理を行った、ソマシフ
MAE(コープケミカル社製)10gを90gのNMP
に投入しホモジナイザーで攪拌し、MAEのNMP分散
液をやや白色不透明の液体として得た。
ルアンモニウムイオンで有機化処理を行った、ソマシフ
MAE(コープケミカル社製)10gを90gのNMP
に投入しホモジナイザーで攪拌し、MAEのNMP分散
液をやや白色不透明の液体として得た。
【0046】(原料調製例B−2)膨潤性雲母をジエチ
ル(ポリプロピレングリコール)アンモニウムイオンで
有機化処理を行った、ソマシフ MPE(コープケミカ
ル社製)10gを90gのNMPに投入しホモジナイザ
ーで攪拌し、MPEのNMP分散液をやや白色不透明の
液体として得た。
ル(ポリプロピレングリコール)アンモニウムイオンで
有機化処理を行った、ソマシフ MPE(コープケミカ
ル社製)10gを90gのNMPに投入しホモジナイザ
ーで攪拌し、MPEのNMP分散液をやや白色不透明の
液体として得た。
【0047】(実施例1〜7)原料調製例A−1〜A−
3で調製したポリアミド酸溶液(A溶液)と原料調製例
B−1またはB−2で調製した粘土鉱物の分散液とを表
1に示す組み合わせ及び配合比で混合しポリアミド酸と
粘土鉱物を含む混合溶液を調製した。
3で調製したポリアミド酸溶液(A溶液)と原料調製例
B−1またはB−2で調製した粘土鉱物の分散液とを表
1に示す組み合わせ及び配合比で混合しポリアミド酸と
粘土鉱物を含む混合溶液を調製した。
【0048】上記の操作により得られたポリアミド酸と
粘土鉱物を含む混合溶液から化学的方法によりポリイミ
ド系フィルムを作製した。フィルムの作製は、以下のよ
うにして行う。10℃冷却下で200gの混合溶液に無
水酢酸30g、イソキノリン6g、NMP32gを加え
充分攪拌した後、PETフィルム上にコ−タ−機で連続
的に塗布し、80℃で10分間、100℃で5分間加熱
し自己支持性を有する膜を得た。この膜をPETから剥
したのち、長手方向の両端部を把持して各炉長1mの6
つの熱処理ゾーンからなるテンターで、各ゾーンの温度
が150℃、180℃、200℃、250℃、380
℃、450℃、ライン速度が0.5m/minで加熱
し、厚みが15μmのポリイミド系フィルム得た。
粘土鉱物を含む混合溶液から化学的方法によりポリイミ
ド系フィルムを作製した。フィルムの作製は、以下のよ
うにして行う。10℃冷却下で200gの混合溶液に無
水酢酸30g、イソキノリン6g、NMP32gを加え
充分攪拌した後、PETフィルム上にコ−タ−機で連続
的に塗布し、80℃で10分間、100℃で5分間加熱
し自己支持性を有する膜を得た。この膜をPETから剥
したのち、長手方向の両端部を把持して各炉長1mの6
つの熱処理ゾーンからなるテンターで、各ゾーンの温度
が150℃、180℃、200℃、250℃、380
℃、450℃、ライン速度が0.5m/minで加熱
し、厚みが15μmのポリイミド系フィルム得た。
【0049】得られたポリイミドフィルムのフィルム中
に含まれる粘土鉱物の分散性は、フィルム中に分散して
いる粘土鉱物の平均層厚みで評価した。粘土鉱物の平均
層厚みは、エポキシ包埋超薄切片法で調製したフィルム
断面の中央部分の任意の2点(各4μm2 の範囲)につ
いて、透過型電子顕微鏡(倍率:10万倍、日本電子J
EM−1200EX)を用いて観察し、その4μm2 の
範囲に分散している粘土鉱物の各厚みを測定した値を平
均した数値である。なお、フィルムの断面観察は、加速
電圧80kVで行なった。また、フィルムの透明性につ
いては、目視による定性評価を行い、透明であれば○、
やや濁るであれば△、不透明であれば×とした。それら
の結果を表1に示した。
に含まれる粘土鉱物の分散性は、フィルム中に分散して
いる粘土鉱物の平均層厚みで評価した。粘土鉱物の平均
層厚みは、エポキシ包埋超薄切片法で調製したフィルム
断面の中央部分の任意の2点(各4μm2 の範囲)につ
いて、透過型電子顕微鏡(倍率:10万倍、日本電子J
EM−1200EX)を用いて観察し、その4μm2 の
範囲に分散している粘土鉱物の各厚みを測定した値を平
均した数値である。なお、フィルムの断面観察は、加速
電圧80kVで行なった。また、フィルムの透明性につ
いては、目視による定性評価を行い、透明であれば○、
やや濁るであれば△、不透明であれば×とした。それら
の結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように、熱的イミド化法
によって製造されたフィルムと化学的イミド化法によっ
て製造されたフィルムとでは、明らかに粘土鉱物の分散
性の差異がある。この要因は、イミド化の進行速度が関
係していると推測される。熱的イミド化法では、化学的
イミド化法に比べ、イミド化を進行させるまでに高温か
つ長時間を要し、イミド化の進行状況によって、加熱下
でも樹脂が柔らかく流動性が高い場合がある。即ち、熱
的イミド化法では、イミド化が進行する前では、樹脂が
柔らかくなり、粘土鉱物が樹脂を移動できる状態を生じ
させ、結果的に粘土鉱物を凝集させてしまうと考えられ
る。しかし、本発明においては、イミド化の速度を速め
る方法を採用し、樹脂中に粘土鉱物がよく分散する状態
が顕現されている。
によって製造されたフィルムと化学的イミド化法によっ
て製造されたフィルムとでは、明らかに粘土鉱物の分散
性の差異がある。この要因は、イミド化の進行速度が関
係していると推測される。熱的イミド化法では、化学的
イミド化法に比べ、イミド化を進行させるまでに高温か
つ長時間を要し、イミド化の進行状況によって、加熱下
でも樹脂が柔らかく流動性が高い場合がある。即ち、熱
的イミド化法では、イミド化が進行する前では、樹脂が
柔らかくなり、粘土鉱物が樹脂を移動できる状態を生じ
させ、結果的に粘土鉱物を凝集させてしまうと考えられ
る。しかし、本発明においては、イミド化の速度を速め
る方法を採用し、樹脂中に粘土鉱物がよく分散する状態
が顕現されている。
【0052】更に、得られたフィルムを用い、フィルム
の弾性率、伸び率を求めた。その結果を表2に示した。
の弾性率、伸び率を求めた。その結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】( 比較例1〜5)原料調整例A−1〜A−
3で調製したポリアミド酸溶液(A溶液)に原料調製例
B−1またはB−2を加えたのち、熱的方法によりポリ
イミド系フィルムを作製した。フィルムの作製は、以下
のようにして行う。200gの混合溶液をPETフィル
ム上にコ−タ−機で連続的に塗布し、80℃で15分
間、100℃で10分間加熱し自己支持性を有する膜を
得た。この膜をPETから剥したのち、長手方向の両端
部を把持して各炉長1mの6つの熱処理ゾーンからなる
テンターで、各ゾーンの温度が150℃、180℃、2
00℃、250℃、380℃、450℃、ライン速度が
0.5m/minで加熱し、厚みが15μmのポリイミ
ドフィルム得た。
3で調製したポリアミド酸溶液(A溶液)に原料調製例
B−1またはB−2を加えたのち、熱的方法によりポリ
イミド系フィルムを作製した。フィルムの作製は、以下
のようにして行う。200gの混合溶液をPETフィル
ム上にコ−タ−機で連続的に塗布し、80℃で15分
間、100℃で10分間加熱し自己支持性を有する膜を
得た。この膜をPETから剥したのち、長手方向の両端
部を把持して各炉長1mの6つの熱処理ゾーンからなる
テンターで、各ゾーンの温度が150℃、180℃、2
00℃、250℃、380℃、450℃、ライン速度が
0.5m/minで加熱し、厚みが15μmのポリイミ
ドフィルム得た。
【0055】実施例と同様に粘土鉱物の平均層厚み、フ
ィルムの透明性を評価し、実施例と同様の試験により、
得られたフィルムの弾性率と伸び率を求めた。その結果
を表2に示した。
ィルムの透明性を評価し、実施例と同様の試験により、
得られたフィルムの弾性率と伸び率を求めた。その結果
を表2に示した。
【0056】通常、ポリイミドフィルムでは、樹脂組成
が同じであれば、弾性率が高くなるにつれて伸び率が低
下していき、この2つの特性は両立しにくいことが知ら
れている。しかしながら、表2から明らかなように、本
発明のポリイミドフィルムの製造方法によって得られる
フィルムは、比較例で得られたフィルムと比較して、組
成が同じ場合、弾性率が高くしかも伸び率も高くことが
わかる。
が同じであれば、弾性率が高くなるにつれて伸び率が低
下していき、この2つの特性は両立しにくいことが知ら
れている。しかしながら、表2から明らかなように、本
発明のポリイミドフィルムの製造方法によって得られる
フィルムは、比較例で得られたフィルムと比較して、組
成が同じ場合、弾性率が高くしかも伸び率も高くことが
わかる。
【0057】
【発明の効果】粘土鉱物の分散性が良好でポリイミド樹
脂に粘土鉱物を含有するポリイミド系フィルムを製造す
る際に、脱水剤を使用することによって分散性が良好
で、バランスのよい機械的特性を有する優れたフィルム
が得られる。
脂に粘土鉱物を含有するポリイミド系フィルムを製造す
る際に、脱水剤を使用することによって分散性が良好
で、バランスのよい機械的特性を有する優れたフィルム
が得られる。
【0058】本発明のポリイミド系フィルムは、ポリア
ミド酸の組成や性状、粘土鉱物の種類などに関係なく、
粘土鉱物が微細に分散し、フィルム中の粘土鉱物の厚み
が薄く、優れた特性を有する。
ミド酸の組成や性状、粘土鉱物の種類などに関係なく、
粘土鉱物が微細に分散し、フィルム中の粘土鉱物の厚み
が薄く、優れた特性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA60 AB30 AC09 AC12 AD05 AF08 AF45 AH19 BA02 BB02 BC01 BC17 4J002 CM041 DJ006 EF127 EL137 EN027 EN067 EU047 EU057 FD016 FD207 4J043 PA02 QB15 QB26 RA35 SA06 SB01 TA22 TB01 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA142 UA151 UB021 UB121 UB122 UB131 UB152 UB172 UB221 UB302 UB402 VA021 VA031 VA041 XA16 XA17 XA19 YA08 ZA12 ZB11
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリイミド樹脂に粘土鉱物が含有されて
いるポリイミド系フィルムの製造方法であって、ポリア
ミド酸と粘土鉱物との混合液に、少なくとも1種類以上
のカルボン酸無水物類と少なくとも1種類以上のアミン
類を含む脱水剤を添加してイミド化反応を行なわせるこ
とを特徴とするポリイミド系フィルムの製造方法。 - 【請求項2】 前記ポリイミド系フィルムに含有されて
いる粘土鉱物の平均層厚みが、20nm以下であること
を特徴とする請求項1に記載のポリイミド系フィルムの
製造方法。 【0000】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11114367A JP2000302897A (ja) | 1999-04-22 | 1999-04-22 | ポリイミド系フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11114367A JP2000302897A (ja) | 1999-04-22 | 1999-04-22 | ポリイミド系フィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000302897A true JP2000302897A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14635949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11114367A Pending JP2000302897A (ja) | 1999-04-22 | 1999-04-22 | ポリイミド系フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000302897A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005226059A (ja) * | 2004-02-16 | 2005-08-25 | Hitachi Chem Co Ltd | 樹脂組成物及びこれを用いた接着フィルム |
JP2006037079A (ja) * | 2004-06-21 | 2006-02-09 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 無色透明性ポリイミド複合フィルムおよびその製造方法 |
KR100814752B1 (ko) * | 2002-01-24 | 2008-03-19 | 주식회사 코오롱 | 폴리이미드 나노복합체 및 그 제조방법 |
WO2009008030A1 (en) * | 2007-07-10 | 2009-01-15 | Mitsui Chemicals, Inc. | Process of producing composite film |
KR20120067646A (ko) * | 2010-12-16 | 2012-06-26 | 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 | 폴리아믹산 중합체 및 이로부터 제조된 폴리이미드 필름 |
US20150018466A1 (en) * | 2012-01-09 | 2015-01-15 | E I Du Pont De Nemours And Company | Aqueous binder solutions |
WO2016032299A1 (ko) * | 2014-08-29 | 2016-03-03 | 연세대학교 원주산학협력단 | 단량체 염을 이용한 폴리이미드 제조방법 |
-
1999
- 1999-04-22 JP JP11114367A patent/JP2000302897A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100814752B1 (ko) * | 2002-01-24 | 2008-03-19 | 주식회사 코오롱 | 폴리이미드 나노복합체 및 그 제조방법 |
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KR20120067646A (ko) * | 2010-12-16 | 2012-06-26 | 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 | 폴리아믹산 중합체 및 이로부터 제조된 폴리이미드 필름 |
KR101698968B1 (ko) * | 2010-12-16 | 2017-01-23 | 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 | 폴리아믹산 중합체 및 이로부터 제조된 폴리이미드 필름 |
US20150018466A1 (en) * | 2012-01-09 | 2015-01-15 | E I Du Pont De Nemours And Company | Aqueous binder solutions |
US9518189B2 (en) * | 2012-01-09 | 2016-12-13 | The Chemours Company Fc, Llc | Binder solutions |
US9580609B2 (en) * | 2012-01-09 | 2017-02-28 | The Chemours Company Fc, Llc | Aqueous binder solutions |
WO2016032299A1 (ko) * | 2014-08-29 | 2016-03-03 | 연세대학교 원주산학협력단 | 단량체 염을 이용한 폴리이미드 제조방법 |
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