JP2000302731A - 芳香族カルボン酸化合物 - Google Patents
芳香族カルボン酸化合物Info
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Abstract
の耐熱性に優れた画像を与える顕色剤として有用な新規
な芳香族カルボン酸化合物を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(I)で表される化合物。 (式中Xは、カルボニル基、スルホニル基、脂肪族炭化
水素から誘導される2価の基、主鎖中に1個以上のヘテ
ロ原子、カルボニル基、スルホニル基、エステル結合、
芳香族環を含む脂肪族炭化水素から誘導される2価の
基、1個以上のヘテロ原子、カルボニル基、スルホニル
基、エステル結合、アルキレン、主鎖中にヘテロ原子を
含んだ脂肪族炭化水素で連結された2つの芳香族炭化水
素から誘導される2価の基のいずれかを示す。)
Description
保存性に優れた顕色剤として有用な新規な芳香族カルボ
ン酸化合物に関する。
供与性の無色もしくは淡色の染料前駆体と電子受容性の
顕色剤とを主成分とする感熱発色層を設けたもので、熱
ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、
染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し、記録画像が得られ
るものであり、特公昭43−4160号、特公昭45−
14039号公報等に開示されている。このような感熱
記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が
容易であること、騒音の発生が少ないなどの利点があ
り、近年、電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベル
プリンター、レコーダー等の記録材料として広範囲な分
野に利用されている。しかしながら、このような電子供
与性染料前駆体と電子受容性顕色剤を用いた感熱記録材
料は、外観がよい、感触がよい、発色濃度が高い等の優
れた特性を有している反面、記録画像部が、ポリ塩化ビ
ニルなどのプラスチック等と接触し、プラスチック中に
含有される可塑剤や添加剤などにより消色したり、ある
いは食品や化粧品等に含有される薬品と接触して、容易
に記録画像部が消色または地肌部が発色するなど、記録
材料としての保存性が劣るという欠点を有していた。
手段として高信頼性顕色剤の利用が従来から提案されて
いる。例えば、特開昭58−82788号、特開昭60
−13852号にはフェノールスルホン化合物が、特開
昭62−169681号には置換サリチル酸化合物が提
案されているが、これらの化合物を顕色剤として用いた
場合、画像部の可塑剤、油等に対する堅牢性の点では不
十分である。
保存性特に耐油性に優れ、更に地肌部の耐熱性にも優れ
た画像を与える顕色剤として有用な新規な芳香族カルボ
ン酸化合物を提供することを目的とする。
に、下記一般式(I)で表される芳香族カルボン酸化合
物が提供される。
水素から誘導される2価の基、主鎖中に1個以上のヘテ
ロ原子、カルボニル基、スルホニル基、エステル結合、
芳香族環を含む脂肪族炭化水素から誘導される2価の
基、1個以上のヘテロ原子、カルボニル基、スルホニル
基、エステル結合、アルキレン、主鎖中にヘテロ原子を
含んだ脂肪族炭化水素で連結された2つの芳香族炭化水
素から誘導される2価の基のいずれかを示す。)
官能基Xが、2価の脂肪族炭化水素から誘導される基の
いずれかであることを特徴とする上記第一の芳香族カル
ボン酸化合物が提供される。
用いた感熱記録材料が、高耐油性、高耐熱性を有する理
由は明らかではないが、概ね次のような要素が寄与して
いるものと考えられる。 電子吸引性基で置換された強い酸である芳香族カルボ
ン酸が顕色能を持つ。 芳香族カルボン酸を1分子中に2つ以上含有すること
により分子量が大きくなり、油や可塑剤等の不揮発性溶
剤に対する溶解性が低下する。
化合物は全く新規な化合物である。これらの化合物は、
例えば下記に示される様なルートで合成することが可能
である。この場合、通常は、カルボキシル基の置換位置
の異なる化合物(異性体)の混合物として得ることがで
き、これらの化合物を感熱記録材料用の顕色剤として用
いる場合には、異性体の混合物として用いることができ
る。また、必要に応じて異性体の分離精製を行って単独
品として用いることも可能である。
ものであり、実際の合成の際に、必要な保護、加水分解
等は省略して記載されている。Yはハロゲン原子等の脱
離基を示す。)
素数1から16のアルキレン、オキシアルキレン、ビス
オキシアルキレン、トリスオキシアルキレン、オキソア
ルキレン、ビスオキソアルキレン、トリスオキソアルキ
レン、チオアルキレン、ビスチオアルキレン、トリスチ
オアルキレン、スルフィニルアルキレン、ビススルフィ
ニルアルキレン、トリススルフィニルアルキレン、スル
ホニルアルキレン、ビススルホニルアルキレン、トリス
スルホニルアルキレン、ヒドロキシアルキレン、ビスヒ
ドロキシアルキレン、トリスヒドロキシアルキレン、ス
ルホニルジオキシアルキレン、ビススルホニルジオキシ
アルキレン、トリススルホニルジオキシアルキレン、カ
ルボニルジオキシアルキレン、ビスカルボニルジオキシ
アルキレン、トリスカルボニルジオキシアルキレン、カ
ルバモイルアルキレン、ビスカルバモイルアルキレン、
トリスカルバモイルアルキレン、及び、下記式で表され
る2価の官能基が挙げられる。
水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から8のアルキル
基、アラルキル基、またはアリール基を示し、nは1〜
4の整数を示す。
挙げられる。炭素数1から16のアルキレン、オキシア
ルキレン、ビスオキシアルキレン、トリスオキシアルキ
レン、オキソアルキレン、ビスオキソアルキレン、トリ
スオキソアルキレン、チオアルキレン、ビスチオアルキ
レン、トリスチオアルキレン、スルフィニルアルキレ
ン、ビススルフィニルアルキレン、トリススルフィニル
アルキレン、スルホニルアルキレン、ビススルホニルア
ルキレン、トリススルホニルアルキレン、ヒドロキシア
ルキレン、ビスヒドロキシアルキレン、トリスヒドロキ
シアルキレン、スルホニルジオキシアルキレン、ビスス
ルホニルジオキシアルキレン、トリススルホニルジオキ
シアルキレン、カルボニルジオキシアルキレン、ビスカ
ルボニルジオキシアルキレン、トリスカルボニルジオキ
シアルキレン、カルバモイルアルキレン、ビスカルバモ
イルアルキレン、トリスカルバモイルアルキレン。
挙げられる。直接結合(官能基が存在しない場合)、酸
素原子、カルボニル基、硫黄原子、スルフィニル基、ス
ルホニル基、スルホニルオキシ基、カルボニルオキシ
基、カルボニルアミノ基、尿素基、ヒドラジノカルボニ
ル基、ヒドラジノスルホニル基、フェニレン、ビフェニ
レン、キシリレン、
スオキシアルキレン、トリスオキシアルキレン、オキソ
アルキレン、ビスオキソアルキレン、トリスオキソアル
キレン、チオアルキレン、ビスチオアルキレン、トリス
チオアルキレン、スルフィニルアルキレン、ビススルフ
ィニルアルキレン、トリススルフィニルアルキレン、ス
ルホニルアルキレン、ビススルホニルアルキレン、トリ
ススルホニルアルキレン、ヒドロキシアルキレン、ビス
ヒドロキシアルキレン、トリスヒドロキシアルキレン、
スルホニルジオキシアルキレン、ビススルホニルジオキ
シアルキレン、トリススルホニルジオキシアルキレン、
カルボニルジオキシアルキレン、ビスカルボニルジオキ
シアルキレン、トリスカルボニルジオキシアルキレン、
カルバモイルアルキレン、ビスカルバモイルアルキレ
ン、トリスカルバモイルアルキレン。
物の具体例を列挙すると以下の様な物が挙げられるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。また、純度は高速液体クロマトグラフィー(以下、
HPLCと略す)又は、ゲル浸透クロマトグラフィー
(以下、GPCと略す)を用い、融点は示差走査熱量計
を用いて測定した。化合物の同定は核磁気共鳴スペクト
ル(以下、NMRと略す)を測定して行った。
成) 反応容器に4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸4
5.5g(0.25mol)、無水トリメリット酸5
7.1g(0.30mol)、トリエチルアミン90.
9g(0.90mol)をテトラヒドロフラン(TH
F)150gとジメチルホルムアミド50gの混合液に
懸濁させて仕込み、溶媒還流下約83℃にて3時間反応
させた。冷却後、反応混合物に水100mlを滴下し、
約30分撹拌させ、希塩酸をpH2以下となるまで滴下
した。静置により二層分離させ、有機層を結晶化が起こ
るまで水洗し、白色結晶91.5gを得た(収率98
%)。この生成物は、2種の構造異性体混合物で、2種
合わせた純度は97.7%(HPLC)、融点は258
℃であり、1H−NMR分析は、目的の化合物であるこ
とを示していた。そのNMRスペクトルを以下に示す。 δ(ppm)=13.20(broad s),8.25(1
H,d),8.16(1H,d),7.87(3H,
d),7.05(2H,d),4.48(4H,broad
s).
いた応用例を示す。なお、ここでの部は重量基準であ
る。
液〕〜〔E液〕を調製する。 〔A液〕 3−N,N−ジブチルアミノ−6−メチル−7− アニリノフルオラン 10部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10部 水 30部 〔B液〕 具体例No.1の化合物 10部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10部 水 30部 〔C液〕 P527(水沢化学製シリカゲル) 10部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10部 水 30部 〔D液〕 ステアリン酸亜鉛 10部 10%ポリビニルアルコール水溶液 10部 水 30部 次に、下記組成の混合物をディスパーにで撹拌分散して
E液を調製した。 〔E液〕 非発泡性プラスチック微小中空粒子 (固形分24%、平均粒径3μm、中空度90%) 40部 スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス 10部 水 50部 次に、〔A液〕〜〔E液〕を用いて感熱発色層塗布液と
アンダーコート塗布液を下記の混合比で調製した。 (感熱発色層塗布液) 〔A液〕:〔B液〕:〔C液〕:〔D液〕=1:4:
4:0.5 (アンダーコート塗布液) 〔E液〕:〔C液〕=2:1 〈各層の塗工〉市販の上質紙(坪量60g/m2)の表
面に(アンダーコート塗布液)を乾燥重量が3g/m2
となるように塗布乾燥して中間コート紙(アンダーコー
ト層塗布済紙)を得た。このアンダーコート層上に感熱
発色層塗布液をロイコ塗料の乾燥重量が0.5g/m2
となるように塗布乾燥して感熱発色層を設けた。その
後、10kg/cm2の圧力でキャレンダー処理して本
発明の感熱記録材料を得た。
に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)を用いた以外は応用例1と同様に
して調製し感熱記録材料を得た。
て、次に示す試験を行った。その結果を表3に示す。松
下部品(株)製薄膜ヘッドを有するシュミレータ印字実
験装置にて、ヘッド電力0.68W/dot、1ライン
記録時間10ms/ライン、走査線密度8×3.85d
ot/mmの条件でパルス幅0.9msで印字を行い、
得られた印字画像部に綿実油を塗布した後、40℃、1
5時間放置後の画像濃度をマクベス濃度計で測定し耐油
性を評価した。更に、同様に試験片を80℃及び、10
0℃の環境下に15時間放置後の地肌濃度をマクベス濃
度計で測定し、耐熱性を評価した。
感熱記録材料は画像の耐油性、地肌の耐熱性に優れてい
ることが明らかである。
合物は新規物質であり、このものは感熱記録材料の顕色
剤として有利であり、このものを顕色剤として用いた感
熱記録材料は画像の耐油性、地肌の耐熱性に優れたもの
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表される芳香族カル
ボン酸化合物。 【化1】 (式中Xは、カルボニル基、スルホニル基、脂肪族炭化
水素から誘導される2価の基、主鎖中に1個以上のヘテ
ロ原子、カルボニル基、スルホニル基、エステル結合、
芳香族環を含む脂肪族炭化水素から誘導される2価の
基、1個以上のヘテロ原子、カルボニル基、スルホニル
基、エステル結合、アルキレン、主鎖中にヘテロ原子を
含んだ脂肪族炭化水素で連結された2つの芳香族炭化水
素から誘導される2価の基のいずれかを示す。) - 【請求項2】 前記一般式(I)における2価の官能基
Xが、2価の脂肪族炭化水素から誘導される基のいずれ
かであることを特徴とする請求項1記載の芳香族カルボ
ン酸化合物。
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