JP2000299901A - ハイブリッド式ダンプトラック - Google Patents
ハイブリッド式ダンプトラックInfo
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Abstract
ラックを提供する。 【解決手段】 駆動輪を駆動する駆動モータ9a,9b
と、発電機2で発電するエンジン1と、発電機2の出力
交流を直流に変換する整流器4と、整流器4の直流出力
ラインに接続され、かつ駆動モータ9a,9bの回転数
を制御するインバータ8a,8bと、整流器4の直流出
力ライン及びインバータ8a,8bの入力電源ラインに
並列に接続されたバッテリ7と、アクセル量に応じて速
度指令信号をインバータ8a,8bに出力するコントロ
ーラとを備えたハイブリッド式ダンプトラックにおい
て、駆動モータ9a,9bは、エンジン1よりも大きい
最大出力を有し、コントローラ20は、エンジン1の最
大出力時の発電電力よりも大きい電力が駆動モータ9
a,9bの駆動に必要な場合には、バッテリ7からの放
電を可能とするする指令をバッテリー開閉スイッチ5に
出力して放電電流により駆動モータ9a、9bの駆動電
力をアシストするバッテリ充放電制御手段23を有す
る。
Description
合するハイブリッド式ダンプトラックに関する。
搬するオフロード大型ダンプトラックとしては電気駆動
式ダンプトラックが広く使用されて来ている。また、露
天掘鉱山では、谷部で採鉱された鉱石をダンプトラック
に積み込み、坂を登って頂上部の所定の排土位置で排土
した後、再び谷部に戻るというサイクルの走行路を規定
して走行する作業が一般的である。登坂時は通常は走行
距離が長く、しかも積荷状態なので、平地走行よりもさ
らに大きな牽引力が必要となり、この登坂時間の短縮化
が鉱山における生産性向上のための非常に重要な課題の
一つとなっている。このことから、電気駆動式ダンプト
ラックには、おおよそ次の2つの駆動方式が採用されて
いる。
経路の内、大きな牽引力を必要とする場所(例えば、登
坂路)にトロリー用の架線51を敷設し、平地等での通
常走行時はエンジンにより発電機を回転させて発生した
電力エネルギを用いて直流電動モータを駆動して駆動輪
を制御し、登坂時はトロリー架線から受電する電力によ
り上記エンジン発電によるモータ駆動をアシストしてい
る。このようなトロリーアシストによるダンプトラック
は、降坂時及び制動時には、ダイナミックブレーキによ
り直流電動モータの回生エネルギを抵抗発熱で消費して
制動をかけるようにしている。また第2の方式では、エ
ンジンにより発電機を駆動して発生させた交流電圧を直
流に変換し、この発電電力のみにより直流電動モータを
駆動するものであり、制動時には上記第1の方式同様に
ダイナミックブレーキにより制動をかけるようにしてい
る。
来の電気駆動式ダンプトラックには、以下のような問題
がある。第1の電気駆動方式では、生産性を上げるため
に、登坂時にトロリーアシストにより牽引力を大きくし
て増速することはできるが、トロリー架線及びこのトロ
リー架線に高電圧の電力を供給する変電所等の地上設備
を設けなければならず、イニシャルコストが非常に高い
ので、全体として運搬コストが高価となる。また、走行
路面の凸凹を影響を受けてトロリー線とパンタグラフと
の接触及び離線が頻繁に発生し易く、このためにトロリ
ー線の摩耗が大きくてランニングコストもかかる。さら
に、登坂経路の変更及び延長に伴って新たな設備コスト
がかかり、このために谷部での採鉱が進むに連れての走
行経路の変更を自由にはできないという問題がある。
げるために登坂時の車速を増速する(例えば2倍とす
る)場合には、エンジン出力を増加する必要があり、こ
のためにさらに大出力のエンジンを搭載した大型ダンプ
トラックを導入しなければならない。ところが、大出力
が必要なのは登坂時のみであり、したがって通常の平地
走行では大出力エンジンの性能を充分に使用していると
は言えず、むしろ過剰性能となっており、この結果運搬
コストが高くなる。また、制動時には回生エネルギをダ
イナミックブレーキ抵抗で発熱させているだけなので、
エネルギ効率が悪く、よって消費燃料が多いのでランニ
ングコストが高くなり、生産性が低いという問題もあ
る。
たものであり、生産性を向上できるハイブリッド式ダン
プトラックを提供することを目的としている。
的を達成するために、本発明に係る第1発明は、駆動輪
を駆動する駆動モータと、発電機を回転駆動して発電す
るエンジンと、発電機の出力した交流を直流に変換する
整流器と、整流器の直流出力ラインに入力電源ラインが
接続され、かつ外部からの速度指令信号に応じて駆動モ
ータの回転数を制御して車速を制御するインバータと、
整流器の直流出力ライン及びインバータの入力電源ライ
ンに並列に接続されたバッテリと、アクセルペダルの踏
み込み量に応じて駆動モータの速度指令信号をインバー
タに出力して車速を制御するコントローラとを備えたハ
イブリッド式ダンプトラックにおいて、駆動モータは、
エンジンの最大出力よりも大きい最大出力を有し、バッ
テリから整流器の直流出力ライン及びインバータの入力
電源ラインまでの間に、入力指令によってバッテリから
インバータへの放電及び整流器からバッテリへの充電の
いずれかを可能とするように切り換えるバッテリー開閉
スイッチを設け、コントローラは、アクセルペダルの踏
み込み量に応じて駆動モータの回転速度を制御するとき
に、エンジンの最大出力時の発電電力よりも大きい電力
が駆動モータの駆動に必要な場合には、バッテリからイ
ンバータへの放電を可能とするする指令をバッテリー開
閉スイッチに出力して放電電流により駆動モータの駆動
電力をアシストするバッテリ充放電制御手段を有する構
成としている。
さい牽引力で走行できる場合は、エンジン発電電力によ
るモータ駆動を行い、登坂時のように大きな牽引力を必
要とする場合は、エンジン発電電力を最大出力とすると
共に、バッテリ放電電力によりアシストするようにして
いる。これにより、従来のトロリーアシスト方式のよう
なトロリー架線及び高電圧変電所等の地上設備なしで登
坂時等の大きな牽引力が得られるので、イニシャルコス
トを低減でき、また走行路の変更に対しても柔軟に、し
かもコストがかからずに対応できる。したがって、トー
タルの生産性を向上できる。また、小型のエンジンを使
用するので、エンジンの消費燃料を低減できると共に、
排気ガス量を低減できる。
ーラは、走行路の路面状態に応じた車速、並びに車速及
び路面状態に応じたエンジン1による発電のための回転
数等の走行データの目標値を入力する走行データ入力手
段と、入力された走行データの所定の目標値に従って所
定の走行路を1サイクル走行したとき、その間の実際の
エンジンの発電電力量、駆動モータの駆動電力量、及び
駆動モータから回生される回生電力量をそれぞれ演算し
て、バッテリに対する電力量積算値を求める電力量積算
手段と、求められた電力量積算値に基づいて、バッテリ
の放電時の総電力量よりも充電時の総電力量が大きくな
るように、現在の走行データを更新する走行データ更新
手段とを有する構成としている。
えば、登坂、降坂、平坦地及び非平坦地等)に応じた車
速及びエンジン回転数等の走行データの設定された目標
値に基づいて走行した後、この走行中のエンジンの発電
電力量、駆動モータの駆動電力量、及び駆動モータから
回生される回生電力量をそれぞれ演算してバッテリに対
する電力量積算値を求める。そして、求めた電力量積算
値に基づいて、バッテリの放電時の総電力量よりも充電
時の総電力量が大きくなるように、現在の走行データを
更新する。これにより、走行した時の充放電量により、
走行路の所定の基準位置(例えば、露天掘鉱山の現場の
低地部の所定位置等)にある時のバッテリの充電状態が
常時所定値以上になるように充電量が確保される。した
がって、エンジンによる発電電力だけではモータ駆動力
が不足するような時(例えば登坂時)に、直ちにバッテ
リでモータ駆動をアシストできるので、サイクルタイム
を短くして走行できる。また、バッテリの略満充電状態
から所定の使用可能な低充電状態までの範囲を短時間で
放電や充電を行えるので、バッテリを効率的に使用でき
る。
ーラのバッテリ充放電制御手段は、走行路が登坂の時の
駆動モータの駆動電力として、エンジンの発電電力をバ
ッテリからの放電電流によりアシストする指令をバッテ
リー開閉スイッチに出力する構成としている。
発電電力をバッテリの放電電力によりアシストして駆動
モータに電力供給するので、通常は小さいエンジン発電
電力のみにより小さい牽引力で走行し、登坂時にはバッ
テリアシストにより大きな牽引力で走行できる。これに
より、小出力エンジンで登坂時の大きな牽引力を出せる
ので、消費燃料を低減でき、生産性を向上できる。
ーラのバッテリ充放電制御手段は、エンジンの発電電力
が駆動モータが必要とする駆動電力よりも大きいとき、
余った発電電力をバッテリに充電する指令をバッテリー
開閉スイッチに出力する構成としている。
モータ駆動電力に対して余裕があるとき(降坂時、排土
時、積込時及び平地走行時等)は、余った発電電力をバ
ッテリの充電に使用するので、エンジン発電により走行
しながらバッテリが可能な限り短時間で充電される。し
たがって、1サイクル走行を完了して走行路の所定の基
準位置にある時のバッテリの充電状態が常時所定値以上
になるように充電量が確保される。これにより、必要な
ときに直ちにバッテリでモータ駆動をアシストできるの
で、サイクルタイムを短くして走行できる。また、バッ
テリの略満充電状態から所定の使用可能な低充電状態ま
での範囲を短時間で放電や充電を行えるので、バッテリ
を効率的に使用できる。
ーラのバッテリ充放電制御手段は、走行路が降坂の時
に、エンジンによる発電電力と、駆動モータによる回生
電力とをバッテリに充電する指令をバッテリー開閉スイ
ッチに出力する構成としている。
による発電電力に加えて駆動モータによる回生電力によ
ってもバッテリが充電されるので、バッテリが短時間で
充電される。したがって、1サイクル走行を完了して走
行路の所定の基準位置にある時のバッテリの充電状態が
常時所定値以上になるように充電量が確保される。これ
により、必要なときに直ちにバッテリでモータ駆動をア
シストできるので、サイクルタイムを短くして走行でき
る。また、バッテリの略満充電状態から所定の使用可能
な低充電状態までの範囲を短時間で放電や充電を行える
ので、バッテリを効率的に使用できる。さらに、降坂時
の回生エネルギを単に抵抗発熱させて無駄にすることな
くバッテリの充電電力として使用するので、充電及びモ
ータ駆動に必要なエンジンの発電電力を従来に比して低
減することができ、エンジンからの排気ガス量を低減で
きると共に、消費燃料も大きく低減(省エネ効果)でき
る。
図を参照して詳細に説明する。図1に実施形態に係るハ
ード構成ブロック図を示し、まず同図に基づいて構成を
説明する。エンジン1の出力軸は発電機2に連結されて
おり、エンジン1の図示しないスロットルレバーにはス
ロットルレバー制御部11が接続されている。発電機2
は3相交流を出力するものであり、その界磁コイル(図
示せず)には励磁電流を通電する図示しない励磁回路が
接続されている。発電機2の3相出力ラインには短絡防
止用のサーキットブレーカ3を介して整流器4が接続さ
れている。整流器4は3相交流を直流に整流し、平滑し
ており、直流のラインはバッテリ開閉スイッチ5及びヒ
ューズ6を介してバッテリ7に接続されると共に、2つ
のインバータ8a,8bの入力端子に接続されている。
バッテリ7の正端子側に接続され、かつバッテリ開閉ス
イッチ5とヒューズ6との間のラインには、バッテリ残
存量検出センサ26aが接続されている。バッテリ残存
量検出センサ26aは本実施形態ではバッテリ7の出力
端子電圧をバッテリ残存量信号としてモニタしており、
この残存量信号はコントローラ20に入力されている。
2つのインバータ8a,8bは入力した速度指令信号に
基づいて駆動モータ9a,9bの回転数を制御してお
り、2つのインバータ8a,8bのモータ出力ライン
(本例では3相)は、それぞれ前輪及び後輪の内いずれ
か1方の駆動モータ9a,9bに接続されている。イン
バータ8a,8bは駆動モータ9a,9bの駆動電力値
及び回生電力値をそれぞれモニタする検出器を有してお
り、この検出値信号はコントローラ20に入力されてい
る。また、駆動モータ9a,9bは本実施形態では3相
誘導モータにより構成されており、それぞれ左右1対の
前輪又は後輪を回転駆動する。
タ及び高速数値演算装置等の演算装置を備えており、内
部に読み書き可能な(いわゆるRAM)所定容量のメモ
リ20aを有している。コントローラ20は、スロット
ルレバー制御部11にスロットル開度制御指令を出力
し、励磁回路12には励磁電流指令を出力する。また、
2つのインバータ8a,8bには前輪用及び後輪用の駆
動モータ9a,9bのそれぞれの速度指令が出力されて
いる。さらに、バッテリ残存量検出センサ26aの検出
した残存量信号、2つのインバータ8a,8bに内蔵さ
れた回生ユニットを介して回生される電力量の信号、及
び2つの駆動モータ9a,9bの回転数をそれぞれ検出
する回転数センサ15a,15bからの回転数信号がそ
れぞれコントローラ20に入力されている。
ルの踏み込み量を検出するアクセル量検出器16からの
アクセル量信号、ブレーキペダルの踏み込み量を検出す
るブレーキ量検出器17からのブレーキ量信号、バッテ
リ7から電力をアシストして走行可能なバッテリモード
を選択するバッテリモードスイッチ18からのバッテリ
モード信号、及び車両の前後方向傾斜角度を検出する傾
斜計19の傾斜角度信号が入力されている。コントロー
ラ20は、上記の入力したアクセル量信号に応じた車速
になるように、回転数センサ15a,15bからの回転
数信号をフィードバック信号に基づいてインバータ8
a,8bに速度指令信号を出力して駆動モータ9a,9
bの回転数を制御し、またブレーキ量信号に応じた所定
の減速カーブで車速が減速されるようにインバータ8
a,8bを介して駆動モータ9a,9bの回転数を制御
すると共に、図示しない油圧式ブレーキ装置に制動指令
を出力して機械的に制動をかける。また、バッテリモー
ドスイッチ18からバッテリモード信号を入力したとき
は、コントローラ20は後述するような所定の処理を行
い、バッテリ7からの放電電力による駆動モータ9a,
9bの駆動のアシスト、及びエンジン1による発電電力
でのバッテリ充電及び駆動モータ9a,9bの駆動等を
所定のタイミングで行う。バッテリモード信号を入力し
てないときは、バッテリ7からの放電電力による駆動モ
ータ9a,9bの駆動は行わず、エンジン1による発電
電力のみによる駆動を行う。
ードでの車速やエンジン回転数等の走行データの目標値
を入力する走行データ設定スイッチ21aが接続されて
いる。そしてまた、コントローラ20には、コントロー
ラ20からの表示指令に従って走行データの設定値及び
演算値を表示してオペレータに知らせるデータ表示器2
8が接続されている。コントローラ20はバッテリモー
ドのとき、詳細は後述するように、設定された走行デー
タに基づいて所定の走行路を1サイクル走行の度に、所
定の処理によって、バッテリ7に対する充放電の電力量
積算値を演算し、この演算結果に基づいて次回の走行デ
ータを求めて更新して行き、常時バッテリ残存量が略満
充電状態となるように充放電電力量を制御している。
プトラックのバッテリ充放電ルールを表している。本発
明では、モータ駆動用として車載したバッテリを効率的
に使用することによりダンプトラックの登坂時の車速を
高速にして生産性を向上するようにしている。このた
め、バッテリの残存容量(残存量)を、満充電状態(1
00%)に略近い所定の上限値(例えば95%)から、
空状態(0%)に略近い所定の下限値(例えば5%)ま
での間で短時間に充放電を繰り返すようにしている。
バッテリ7からの放電電力とにより、駆動モータ9a,
9bを駆動する。このとき、走行路の頂上(例えば、露
天掘鉱山の排土位置である所定位置)でバッテリ7が略
空近傍(図示の所定の下限値Pd)となるように、車速
を設定し、バッテリ7の放電量を設定する。また、降坂
時は、制動の際の回生電力とエンジン発電電力とによ
り、バッテリ7を充電する。このとき、走行路の底部
(例えば露天掘鉱山の採鉱現場位置)でバッテリ7が満
充電(所定の上限値Pu以上)となるように、車速及び
エンジン回転数の目標値を設定する。降坂時、エンジン
1を定格回転数で回転させても満充電に満たない場合に
は、登坂時のバッテリ放電量(つまりアシスト量)の見
直しをしたり、あるいは排土時、積込み時又は平地走行
時等にもエンジン発電電力によりバッテリ7を充電する
ようにしている。そして、これらの走行条件は、サイク
ルタイム及びバッテリ満充電量等から総合的に判断して
設定される。
り、本発明に係るハイブリッド式ダンプトラックのバッ
テリ充放電制御機能を説明する。走行データ入力手段2
1は、ダンプトラックが所定の走行路に沿って走行する
とき、予め前記バッテリ充放電ルールに従って走行デー
タの初期値を設定するものである。入力されたデータ
は、走行データ記憶手段22に出力される。本実施形態
では、走行データ入力手段21は走行データ設定スイッ
チ21aにより構成されているが、本発明はこれに限定
されず、例えば予め所定の初期データが設定してあるI
Cメモリカード及びフロッピー等のデータ入力手段でも
よい。走行データ記憶手段22は走行データ入力手段2
1から入力された走行データをコントローラ20のメモ
リ20a内に記憶する。
存量を検出し、残存量信号をバッテリ充放電制御手段2
3に出力する。本実施形態では、バッテリ残存量検出手
段26はバッテリ残存量検出センサ26aにより構成さ
れているが、これに限定されず、例えば走行データに基
づいて充電量及び放電量をそれぞれ演算により求め、満
充電状態からのこれらの充電量及び放電量の積算値によ
り算出するようにしてもよい。バッテリ充放電制御手段
23は走行データ記憶手段22に記憶された走行データ
とバッテリ残存量検出手段26により検出されたバッテ
リ残存量とに基づいて、実際の走行時の、バッテリ7の
放電、スロットルレバー制御部11を介するエンジン回
転数の制御による発電電力量、及び回生電力及びエンジ
ン1からの電力によるバッテリ7への充電等を制御す
る。
電制御手段23の制御中にバッテリ7の放電量、エンジ
ン1(すなわち発電機2)による発電量、駆動モータ9
a,9bの駆動電力量、及び回生電力量等をモニタす
る。そして、所定の走行路を1サイクル走行した後、バ
ッテリ7への充放電の総電力量を積算する。走行データ
更新手段25は、電力量積算手段24により求めた電力
量積算値に基づいて、1サイクル走行後のバッテリ放電
量に対する充電量の比を演算し、前記バッテリ充放電ル
ールに従った充電状態になるように、走行データを所定
のアルゴリズムで演算し直して更新する。
降坂の走行を所定の時間比で有する場合の、コントロー
ラ20のバッテリ充放電及びエンジン発電の制御フロー
チャート例を示す。同図により、充放電制御方法を説明
する。以下では、各処理ステップ番号をSを付して表
す。まず、走行データ入力手段21により初期値の走行
データが設定されているか否か判断し(S1)、設定さ
れてなければオペレータにデータ表示器28でアラーム
表示して走行データ入力を促し、これに従ってオペレー
タは、走行データの目標値として登坂、降坂及び平坦走
行での車速、エンジン回転数、及び積荷と空荷の荷状況
等を入力する(S2)。前記S1で走行データが設定さ
れているときは、次のS3の処理を行う。次に、バッテ
リモードスイッチ18によりバッテリモードが選択され
ているか判断し(S3)、バッテリモードでないとき
は、バッテリー開閉スイッチ5を閉じてバッテリ7から
の放電を停止すると共に、エンジン発電電力のみによる
走行(以後、通常走行と言う)を行い(S4)、S3へ
戻って処理を繰り返す。バッテリモードのときは、設定
された走行データをデータ表示器28に表示し、オペレ
ータに設定された車速で走行するように促すとともに、
登坂走行中か、又は降坂走行中かチェックする(S5、
S6)。ここで登坂走行中か、また降坂走行中かは、傾
斜計19により検出した傾斜角度に基づいて判断するよ
うにしてもよいし、あるいはアクセル量検出器16から
のアクセル量によりアクセルペダルが踏み込まれている
と判断したときは登坂走行中と判断し、ブレーキ量検出
器17からのブレーキ量によりブレーキペダルが踏み込
まれていると判断したときは降坂走行中と判断してもよ
い。登坂走行中のときはS11へ、降坂走行中のときは
S21へ処理を移行し、両者以外の平地走行のときは通
常走行を行い(S7)、S5,S6処理を繰り返す。
の登坂時車速値になるようにインバータ8a,8bを介
して駆動モータ9a,9bを制御すると共に、エンジン
バッテリ残存量検出センサ26aにより検出したバッテ
リ残存量が所定の下限値以上かチェックし(S11)、
下限値より小さいときはこれ以上の放電を避けるために
通常走行を行う(S12)。この通常走行時は、設定し
た登坂時車速値に達しない場合もある。S11で下限値
以上のときは、さらにエンジン回転数が定格回転数に達
しているかをチェックし(S13)、定格回転数以下の
ときはそのまま通常走行を行い(S14)、定格回転数
に達しているときは前記設定した車速で走行するにはエ
ンジン発電電力のみでは牽引力が不足している可能性が
あるので、バッテリー開閉スイッチ5を開き、エンジン
発電電力に加えてモータ駆動電力をバッテリ7からアシ
ストして走行する(S15)。次に、登坂終了かチェッ
クし(S16)、終了するまでS11に戻って処理を繰
り返す。尚、S12、S14での通常走行処理の後は、
同様にS16で登坂終了するまで処理を繰り返す。登坂
終了したときは、登坂時のエンジン発電量、バッテリ放
電量及びモータ駆動電力をそれぞれ積算し(S17)、
この後通常走行を行って(S18)、S6に処理を移行
する。
センサ26aにより検出したバッテリ残存量が所定の上
限値以下かチェックし(S21)、上限値より大きいと
きはエンジン発電及びバッテリ7への充電を停止する
(S22)。このとき、駆動モータ9a,9bの回生エ
ネルギは図示しないブレーキ抵抗器で発熱させるととも
に、このブレーキ抵抗器の制動能力を超えないよう図示
しないメカニカルブレーキを併用する。上限値以下のと
きは設定した回転数でエンジン発電し(S23)、この
エンジン発電エネルギと回生エネルギとをバッテリ7に
充電する(S24)。この後、降坂終了かチェックし
(S25)、終了するまでS21に戻って処理を繰り返
す。尚、S22での処理の後は、同様にS25で降坂終
了まで処理を繰り返す。降坂終了したときは、降坂時の
エンジン発電量、制動回生電力量及びバッテリ充電量の
それぞれの積算値を演算し(S26)、この後通常走行
を行う(S27)。
ッテリモードスイッチ18によりバッテリモードが選択
されているか判断し(S28)、バッテリモードでない
ときはS4へ移行して通常走行を行い、以後前記同様の
処理を繰り返す。バッテリモードのときは、1サイクル
中のエンジン発電量、バッテリ放電量、モータ駆動電
力、制動回生電力量及びバッテリ充電量のそれぞれの積
算値に基づいて、バッテリ放電量に対する充電量の比を
演算し、充放電ルールに従ってこの比が所定の範囲内に
入るように走行データを演算する。すなわち、走行路の
谷部の所定基準位置においてバッテリ充電状態が所定の
上限値Pu(図2参照)以上となるように走行データを
学習する。この学習によって、登坂時、降坂時、排土
時、積込時及び平地走行時等のそれぞれの車速及びエン
ジン回転数を演算して設定値を更新し(S29)、そし
てS1に戻って以上の処理を繰り返す。
9における学習の詳細な手順を示したフローチャートで
あり、同図により学習方法を説明する。いま、直前まで
走行していたときの現在の設定値が、登坂時車速はV
u、降坂時車速はVd、エンジン回転数は最大発電量相
当の定格回転数rmax とする。先ず、数1より求めたバ
ッテリ7の充電量と放電量との第1の比R1を演算し、
この第1の比R1が数式「1≦R1≦1.1」を満足す
るかチェックする(S41)。ここで、第1の比R1は
数1により演算される。
る出力電力、Pd(Vd)は車速Vdでの降坂時の制動回生
による入力電力、Pe(rmax)は定格回転数rmaxでのエン
ジン発電電力、T(Vd)は車速Vdでの降坂走行時間、T
(Vu)は車速Vuでの登坂走行時間とする。数式「1≦R
1≦1.1」を満足するときは、現在の設定値のままと
して本学習処理を終了する(S42)。
式「1.1<R1」を満足するかチェックする(S4
3)。満足するときは過充電気味なので、登坂時車速V
u及び降坂時車速Vdは現在の設定値のままとし、第2
の比R2が数式「1≦R2≦1.1」となるような最小
のエンジン回転数r1を求めて降坂時のエンジン回転数
とし(S44)、本学習処理を終了する。ここで、第2
の比R2は数2により演算される。これにより、次回の
走行の降坂時は、エンジン回転数r1でエンジン発電を
行ってバッテリ充電が行われる。
る。
比R1が1以下なのでバッテリ放電気味であると判断
し、次に登坂時及び降坂時以外にエンジンを吹かして
(つまりエンジン回転数を所定回転以上に上げて)よい
か否かをチェックし(S45)、よくないときは、降坂
時車速Vdは現在のままとし、降坂時のエンジン回転数
は定格回転数rmax とし、登坂時車速Vuは第3の比R
3が数式「1≦R3≦1.1」を満たすような最大の登
坂時車速V3(但し、初期の登坂時車速Vuを上限値と
する)に設定し(S46),本学習処理を終了する。こ
こで、第3の比R3は数3により演算される。これによ
り、登坂時車速を前回走行時よりも遅くして放電量を前
回よりも抑え、降坂時の回生電力とエンジン発電のみで
バッテリを充電するようにする。
る出力電力、T(V3)は車速V3での降坂走行時間とす
る。
ンジンを吹かしてよいと判断したときは、次に第4の比
R4が数式「1≦R4」を満足するかチェックする(S
47)。満足するときは、登坂時車速Vu及び降坂時車
速Vdは現在のままとし、降坂時のエンジン回転数は定
格回転数rmax とし、さらに排土時のエンジン回転数は
第5の比R5が数式「1≦R5≦1.1」を満たすよう
な最大のエンジン回転数r3(但し、定格回転数rmax
を上限値とする)に設定し(S48)、本学習処理を終
了する。ここで、第4の比R4及び第5の比R5はそれ
ぞれ数4及び数5により演算される。これにより、降坂
時以外に排土時にもエンジン発電により充電される。
ジン発電電力とする。
ときは、第6の比R6が数式「1≦R6」を満足するか
チェックする(S49)。満足するときは、登坂時車速
Vu及び降坂時車速Vdは現在のままとし、降坂時のエ
ンジン回転数及び排土時のエンジン回転数を定格回転数
rmax とし、さらに積込時のエンジン回転数は第7の比
R7が数式「1≦R7≦1.1」を満たすような最大の
エンジン回転数r4(但し、定格回転数rmaxを上限値
とする)に設定し(S50)、本学習処理を終了する。
ここで、第6の比R6及び第7の比R7はそれぞれ数6
及び数7により演算される。これにより、降坂時及び排
土時以外に積込時にもエンジン発電により充電される。
ジン発電電力とする。
足しないときは、第8の比R8が数式「1≦R8」を満
足するかチェックする(S51)。満足するときは、登
坂時車速Vu及び降坂時車速Vdは現在のままとし、降
坂時、排土時及び積込時のエンジン回転数を定格回転数
rmax とし、さらに平地走行時のエンジン回転数(平地
走行車速V5での走行に必要な発電電力に対応する回転
数r2よりも余裕ある回転数とする)は第9の比R9が
数式「1≦R9≦1.1」を満たすような最大のエンジ
ン回転数r5(但し、定格回転数rmaxを上限値とす
る)に設定し(S52)、本学習処理を終了する。ここ
で、第8の比R8及び第9の比R9はそれぞれ数8及び
数9により演算される。これにより、降坂時、排土時及
び積込時以外に平地走行時にもエンジン発電により充電
される。
でのエンジン発電電力、T(V5)は平地走行車速V5での
走行時間とする。
ときは、降坂時車速Vdは現在のままとし、降坂時、排
土時及び積込時のエンジン回転数を定格回転数rmax と
し、登坂時車速Vuは第10の比R10が数式「1≦R
10≦1.1」を満たすような最大の登坂時車速V4
(但し、V4<Vu)に設定し(S53)、本学習処理
を終了する。ここで、第10の比R10は数10により
演算される。これにより、降坂時、排土時及び積込時に
エンジン発電により充電されると共に、登坂時車速V4
を前回走行時の登坂時車速Vuよりも遅くして登坂時の
放電量を少なくし、バッテリ7への充電が進むようにし
ている。
る出力電力、T(V4)は車速V4での登坂走行時間とす
る。
地走行等のように小さい牽引力で走行できる場合は、エ
ンジン発電電力によるモータ駆動を行い、登坂時のよう
に大きな牽引力を必要とする場合は、エンジン発電電力
をバッテリ放電電力によりアシストするようにしてい
る。これにより、従来のトロリーアシスト方式のような
トロリー架線及び高電圧変電所等の地上設備なしで登坂
時等の大きな牽引力が得られるので、イニシャルコスト
を低減でき、また走行路の変更に対しても柔軟に、しか
もコストがかからずに対応できる。したがって、トータ
ルの生産性を向上できる。また、小出力のエンジンを使
用するので、エンジンの消費燃料を低減できると共に、
排気ガス量を低減できる。
降坂、平坦地及び非平坦地等)に応じた車速及びエンジ
ン回転数等の走行データの設定された目標値に基づいて
走行した後、この走行中のエンジンの発電電力量、駆動
モータの駆動電力量、及び駆動モータから回生される回
生電力量をそれぞれ演算してバッテリに対する電力量積
算値を求めている。そして、求めた電力量積算値に基づ
いて、バッテリの放電時の総電力量よりも充電時の総電
力量が大きくなるように、現在の走行データを更新して
いる。このように学習を行って走行データを更新するの
で、走行した時の充放電量により、走行路の所定の基準
位置(例えば、露天掘鉱山の現場の低地部の所定位置
等)にある時のバッテリの充電状態が常時所定値以上に
なるように充電量が確保される。このとき、バッテリ充
電のタイミングとして、エンジンの発電電力がモータ駆
動電力に対して余裕があるとき(降坂時、排土時、積込
時及び平地走行時等)は余った発電電力をバッテリの充
電に使用する、あるいは降坂時には、エンジンによる発
電電力に加えて駆動モータによる回生電力によってバッ
テリが充電されるように走行データが更新される。この
結果、エンジン発電により走行しながら、バッテリが可
能な限り短時間で充電される。したがって、エンジンに
よる発電電力だけではモータ駆動力が不足するような時
(例えば登坂時)に、直ちにバッテリでモータ駆動をア
シストできるので、設定通りに高速走行が可能となり、
サイクルタイムを短くして走行できる。また、バッテリ
の略満充電状態から所定の使用可能な低充電状態までの
範囲を短時間で放電や充電を行えるので、バッテリを効
率的に使用できる。さらに、小出力エンジンが搭載され
ていても、登坂時の大きな牽引力を出せるので、消費燃
料を低減でき、生産性を向上できる。
発熱させて無駄にすることなくバッテリの充電電力とし
て使用するので、充電及びモータ駆動に必要なエンジン
の発電電力を従来に比して低減することができ、エンジ
ンからの排気ガス量を低減できると共に、消費燃料も大
きく低減できる。
ある。
ロック図である。
の制御フローチャート例を示す。
フローチャート例である。
の説明図である。
ー開閉スイッチ、7…バッテリ、8a,8b…インバー
タ、9a,9b…駆動モータ、11…スロットルレバー
制御部、15a,15b…回転数センサ、16…アクセ
ル量検出器、17…ブレーキ量検出器、18…バッテリ
モードスイッチ、20…コントローラ、21…走行デー
タ入力手段、21a…走行データ設定スイッチ、22…
走行データ記憶手段、23…バッテリ充放電制御手段、
24…電力量積算手段、25…走行データ更新手段、2
6…バッテリ残存量検出手段、26a…バッテリ残存量
検出センサ、28…データ表示器。
Claims (5)
- 【請求項1】 駆動輪を駆動する駆動モータ(9a,9b)
と、発電機(2)を回転駆動して発電するエンジン(1)と、
発電機(2)の出力した交流を直流に変換する整流器(4)
と、整流器(4)の直流出力ラインに入力電源ラインが接
続され、かつ外部からの速度指令信号に応じて駆動モー
タ(9a,9b)の回転数を制御して車速を制御するインバー
タ(8a,8b)と、整流器(4)の直流出力ライン及びインバー
タ(8a,8b)の入力電源ラインに並列に接続されたバッテ
リ(7)と、アクセルペダルの踏み込み量に応じて駆動モ
ータ(9a,9b)の速度指令信号をインバータ(8a,8b)に出力
して車速を制御するコントローラとを備えたハイブリッ
ド式ダンプトラックにおいて、駆動モータ(9a,9b)は、
エンジン(1)の最大出力よりも大きい最大出力を有し、
バッテリ(7)から整流器(4)の直流出力ライン及びインバ
ータ(8a,8b)の入力電源ラインまでの間に、入力指令に
よってバッテリ(7)からインバータ(8a,8b)への放電及び
整流器(4)からバッテリ(7)への充電のいずれかを可能と
するように切り換えるバッテリー開閉スイッチ(5)を設
け、コントローラ(20)は、アクセルペダルの踏み込み量
に応じて駆動モータ(9a,9b)の回転速度を制御するとき
に、エンジン(1)の最大出力時の発電電力よりも大きい
電力が駆動モータ(9a,9b)の駆動に必要な場合には、バ
ッテリ(7)からインバータ(8a,8b)への放電を可能とする
する指令をバッテリー開閉スイッチ(5)に出力して放電
電流により駆動モータ(9a,9b)の駆動電力をアシストす
るバッテリ充放電制御手段(23)を有することを特徴とす
るハイブリッド式ダンプトラック。 - 【請求項2】 請求項1記載のハイブリッド式ダンプト
ラックにおいて、コントローラ(20)は、走行路の路面状
態に応じた車速、並びに車速及び路面状態に応じたエン
ジン(1)による発電のための回転数等の走行データの目
標値を入力する走行データ入力手段(21)と、入力された
走行データの所定の目標値に従って所定の走行路を1サ
イクル走行したとき、その間の実際のエンジン(1)の発
電電力量、駆動モータ(9a,9b)の駆動電力量、及び駆動
モータ(9a,9b)から回生される回生電力量をそれぞれ演
算して、バッテリ(7)に対する電力量積算値を求める電
力量積算手段(24)と、求められた電力量積算値に基づい
て、バッテリ(7)の放電時の総電力量よりも充電時の総
電力量が大きくなるように、現在の走行データを更新す
る走行データ更新手段(25)とを有することを特徴とする
ハイブリッド式ダンプトラック。 - 【請求項3】 請求項1記載のハイブリッド式ダンプト
ラックにおいて、コントローラ(20)のバッテリ充放電制
御手段(23)は、走行路が登坂の時の駆動モータ(9a,9b)
の駆動電力として、エンジン(1)の発電電力をバッテリ
(7)からの放電電流によりアシストする指令をバッテリ
ー開閉スイッチ(5)に出力することを特徴とするハイブ
リッド式ダンプトラック。 - 【請求項4】 請求項1記載のハイブリッド式ダンプト
ラックにおいて、コントローラ(20)のバッテリ充放電制
御手段(23)は、エンジン(1)の発電電力が駆動モータ(9
a,9b)が必要とする駆動電力よりも大きいとき、余った
発電電力をバッテリ(7)に充電する指令をバッテリー開
閉スイッチ(5)に出力することを特徴とするハイブリッ
ド式ダンプトラック。 - 【請求項5】 請求項1記載のハイブリッド式ダンプト
ラックにおいて、コントローラ(20)のバッテリ充放電制
御手段(23)は、走行路が降坂の時に、エンジン(1)によ
る発電電力と、駆動モータ(9a,9b)による回生電力とを
バッテリ(7)に充電する指令をバッテリー開閉スイッチ
(5)に出力することを特徴とするハイブリッド式ダンプ
トラック。
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