JP2000299765A - 導光部材およびこれを用いた画像読み取り装置 - Google Patents

導光部材およびこれを用いた画像読み取り装置

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JP2000299765A
JP2000299765A JP11106104A JP10610499A JP2000299765A JP 2000299765 A JP2000299765 A JP 2000299765A JP 11106104 A JP11106104 A JP 11106104A JP 10610499 A JP10610499 A JP 10610499A JP 2000299765 A JP2000299765 A JP 2000299765A
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Norihiro Imamura
典広 今村
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光源から発せられる光を所望のライン状の領域
に効率良くかつ合理的に導くことができる導光部材を提
供する。 【解決手段】一定方向に延びた複数の側面を有する透明
部材10を具備しており、かつそれら複数の側面のう
ち、第1の側面10Aが光源2に対向して配置される光
入射面とされるとともに、第1の側面10Aに対向する
第2の側面10Bが第1の側面10Aから透明部材10
の内部に進行した光を外部に出射させるための光出射面
とされる、導光部材1であって、第1の側面10Aの少
なくとも一部分は、透明部材10の長手方向に延びた凸
面10aとされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、光源から発せら
れた光を所望のライン状の領域に導くのに用いられる導
光部材およびこれを用いた画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像読み取り装置の一例として、本願出
願人は、特開平10−126579号公報に所載のもの
を先に提案している。同公報に所載の画像読み取り装置
は、本願の図8に示すように、ケース90の上面部に装
着された透明板91と一体的に成形された透明な導光部
材92を具備するものである。導光部材92は、主走査
方向(紙面と直交する方向)に延びており、その下端部
には、下向き開口状の凹部93が形成されている。この
凹部93内には、主走査方向に適当な間隔で設けられた
LEDなどの複数の光源94が設けられており、これら
複数の光源94から発せられた光は、導光部材92内を
通過してから透明板91の表面部におけるライン状の画
像読み取り対象領域Sbに導かれるようになっている。
ケース90内には、主走査方向に並べられた複数の受光
素子95とレンズアレイ96とが組み込まれており、透
明板91上に載置された原稿Dによって反射された光を
レンズアレイ96により集束させることにより、原稿D
の画像を複数の受光素子95上に結像させることができ
るように構成されている。複数の受光素子95は、その
受光量に対応した出力レベルの画像信号を出力する。
【0003】上記構成の画像読み取り装置によれば、導
光部材92の凹部93内に配置されている複数の光源9
4の周囲が、導光部材92によって囲まれた形態となっ
ているために、光源94から種々の方向に向けて発せら
れる光の多くを導光部材92内に入り込ませることがで
きる。したがって、導光部材92によって画像読み取り
対象領域Sbに導かれる光の量を多くすることができ、
画像読み取り対象領域Sbの照度を高めることができ
る。画像読み取り対象領域Sbの照度を高めると、各受
光素子95の受光量をそれだけ多くすることができるた
め、画質の良好な読み取り画像が得られることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の画像読み取り装置においては、導光部材92の凹部
93の上壁面93aや側壁面93b,93cが、単に複
数の光源94を囲み込むことが可能な平面状に形成され
ているに過ぎない。その一方、光源94としてLEDを
用いたような場合には、光源94から発せられる光の光
束密度は、光源94の発光面の正面(図面では直上)の
上壁面93aに向けて進行する部分が最大となるのが一
般的であり、しかもその光線は一定の広がり角度をもっ
て上壁面93aに入射する。したがって、従来において
は、上壁面93aから導光部材94内に入り込んだ光
は、一定の広がり角度をもったまま導光部材92内を側
面92C,92Dに向けて分散するように進行してい
た。
【0005】画像読み取り対象領域Sbに対する照明効
率を高めるには、各光源94からその正面に向けて進行
する光束密度が最も高い部分の光を、できる限り分散さ
せないようにして画像読み取り対象領域Sbに導くこと
が望まれる。ところが、従来においては、上述したとお
り、そのようなことは行えず、この点において改善の余
地があった。従来においては、導光部材92内に入り込
んでから分散するように進行する光を、側面92C,9
2Dの各所において全反射させることにより画像読み取
り対象領域Sbに導くようにしてはいるものの、このよ
うな手段では、側面92C,92Dから光が漏れ出ない
ようにするための側面92C,92Dの全体の形状が非
常に複雑な曲面状となり、その設計を誤ると照明効率が
大きく低下してしまう虞れがあった。
【0006】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、光源から発せられる光を所望の
ライン状の領域に効率良くかつ合理的に導くことができ
る導光部材を提供することをその課題としている。ま
た、本願発明は、ライン状の画像読み取り対象領域に光
を効率良く照射できるようにして、画質の良好な読み取
り画像を得ることが可能な画像読み取り装置を提供する
ことを他の課題としている。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】本願発明の第1の側面によって提供される
導光部材は、一定方向に延びた複数の側面を有する透明
部材を具備しており、かつ上記複数の側面のうち、第1
の側面が光源に対向して配置される光入射面とされると
ともに、上記第1の側面に対向する第2の側面が上記第
1の側面から上記透明部材の内部に進行した光を外部に
出射させるための光出射面とされる、導光部材であっ
て、上記第1の側面の少なくとも一部分は、上記透明部
材の長手方向に延びた凸面とされていることを特徴とし
ている。
【0009】このような構成の導光部材は、第1の側面
の凸面を光源の正面に配置させるようにして使用する。
このようにすると、光源から発せられた光のうち、光源
からその正面方向に進行する光束密度の高い光線束を上
記凸面に入射させることによって、その光線束を分散さ
せないように屈折させてから、そのまま第2の側面から
所望のライン状の領域に出射させることができる。した
がって、光束密度が高い光線束を分散させるように進行
させてから導光部材の側面によって所望の領域に向けて
全反射させていた従来のものと比較すると、照明効率の
向上を簡易かつ合理的に図ることができる。
【0010】本願発明の好ましい実施の形態において
は、上記透明部材の複数の側面としては、上記第1の側
面と交差して繋がっている第3の側面および第4の側面
をさらに具備しているとともに、上記第1の側面は、上
記凸面以外の面を具備しており、かつ、上記第3の側面
および上記第4の側面の少なくとも一方の全体または一
部は、上記第1の側面の上記凸面以外の面から進行して
きた光を上記第2の側面に向けて反射可能な面とされて
いる。
【0011】このような構成によれば、光源から発せら
れた光のうち、第1の側面の凸面以外の面に入射した光
については、この光を第3の側面または第4の側面に到
達させてから第2の側面に向けて進行させることができ
るために、第2の側面からの出射光量を多くすることが
できる。第1の側面の凸面のサイズを大きくするだけで
は、光源から一定の広がり角度をもって進行する光の全
てを上記凸面に入射させることができない場合がある。
ところが、上記構成によれば、凸面に入射させることが
できない光についても所望のライン状の領域に導くこと
が可能となり、照明効率を一層高めることができる。
【0012】本願発明の他の好ましい実施の形態におい
ては、上記第1の側面の上記凸面以外の面は、上記光源
の配置箇所またはその近傍を中心とする円弧状の凹面と
されている。
【0013】このような構成によれば、光源から発せら
れた光が第1の側面の凸面以外の面に入射するときの入
射角を、ゼロまたはゼロに近い小さな角度とすることが
できる。したがって、光源から発せられた光が第1の側
面の凸面以外の面によって全反射されないようにするこ
とができ、第1の側面の凸面以外の面から導光部材内に
光が入り込むことを確実なものにすることができる。ま
た、第1の側面の凸面以外の面を通過する光は、光源か
ら第3の側面または第4の側面に向けて直進または略直
進することとなるために、第3の側面や第4の側面によ
って光を所望の方向に進行させるように反射させるため
のそれらの面の形状などの設計が容易となる利点も得ら
れる。
【0014】本願発明の第2の側面によって提供される
画像読み取り装置は、光源と、この光源から発せられた
光をライン状の画像読み取り対象領域に導くための導光
部材と、上記画像読み取り対象領域から進行してきた光
を集束させるためのレンズアレイと、このレンズアレイ
によって集束された光を受けて画像信号を出力する複数
の受光素子と、を具備している、画像読み取り装置であ
って、上記導光部材として、本願発明の第1の側面によ
って提供される導光部材が用いられていることを特徴と
している。
【0015】このような構成の画像読み取り装置におい
ては、光源から発せられた光を導光部材を利用してライ
ン状の画像読み取り対象領域に効率良く導くことができ
るために、画像読み取り対象領域の照度を高めることが
でき、画質の良好な読み取り画像を得ることができる。
【0016】本願発明の好ましい実施の形態において
は、上記画像読み取り対象領域が表面部に設定される透
明板と、上記光源を表面に搭載した基板とを具備してお
り、かつ上記透明板は、上記基板の表面に対して傾斜し
て対向している。
【0017】このような構成によれば、導光部材とレン
ズアレイとを互いに干渉させないようにして、透明板の
表面の画像読み取り対象領域に対しては、光源から発せ
られた光を導光部材を利用して基板に略垂直な方向から
光を照射させることができるとともに、画像読み取り対
象領域によって反射される光については、透明板に略垂
直な方向に進行させてからレンズアレイを利用して複数
の受光素子上に集束させることができる。導光部材につ
いては、基板に対して略垂直な姿勢に設定することによ
り、第1の側面の凸面を上記基板上に搭載された光源の
正面に傾きのないように対向させることが可能となり、
光源から発せられる光を導光部材内に適切に入り込ませ
ることができる。
【0018】本願発明の他の好ましい実施の形態におい
ては、上記基板の表面には、画像の印字出力が可能な複
数の印字用素子が搭載されている。
【0019】このような構成によれば、画像の読み取り
処理に加え、画像の印字出力処理も可能となるので便利
となる。また、複数の印字用素子は、光源が搭載されて
いる基板の表面に搭載されているために、光源と印字用
素子とを基板に搭載する作業や、基板にそれら用の配線
パターンを形成する作業などの容易化も図ることができ
る。
【0020】本願発明のその他の特徴および利点につい
ては、次の発明の実施の形態の説明から、より明らかに
なるであろう。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0022】図1は、本願発明が適用された導光部材の
一例を示す一部断面斜視図である。図2は、図1に示す
導光部材の断面図である。図3は、図1および図2に示
す導光部材の作用説明図である。
【0023】本実施形態の導光部材1は、その全体また
は主要部が透明部材10からなるものである。その材質
としては、たとえば透明度および機械強度に優れたPM
MA(ポリメタクリル酸メチル(メタクリル樹脂))、
あるいはPC(ポリカーボネート)が用いられている。
透明部材10は、一定方向に延びたバー状であり、この
透明部材10の長手方向にそれぞれ延びる第1の側面1
0A、第2の側面10B、第3の側面10C、第4の側
面10D、および長手方向両端部の端面10E,10F
を有している。第1の側面10Aと第2の側面10Bと
は、透明部材10の上下厚み方向に対向している。第3
の側面10Cと第4の側面10Dとは、透明部材10の
幅方向に対向しており、第1の側面10Aや第2の側面
10Bに対して交差するようにして繋がっている。透明
部材10の長手方向両端部またはその近傍には、凹溝1
1が設けられている。この凹溝11は、導光部材1を所
定の箇所に固定して取り付ける場合の位置決めなどに利
用せれるものである。
【0024】複数の側面10A〜10Dおよび端面10
E,10Fは、いずれも鏡面状とされている。ここで、
鏡面状の面とは、必ずしも表面が積極的に研磨されてい
る面である必要はなく、たとえば金型を用いて透明部材
10を樹脂成形する場合において、その樹脂成形によっ
て得られた滑らかな表面も鏡面状の面に含まれる。透明
部材の表面を鏡面状にすれば、この面に対して透明部材
の材質によって特定される全反射臨界角よりも大きな角
度で入射する光線を全反射させることができる。これに
対し、上記全反射臨界角よりも小さな角度で入射する光
線については、その面を透過させることができる。
【0025】第1の側面10Aは、光入射面とされる面
であり、本実施形態においては導光部材1の下方に位置
する複数の光源2に対向して配置される下向き面となっ
ている。図2によく表れているように、第1の側面10
Aのうち、第3の側面10C寄りの一部分は、下向きに
膨出した滑らかな曲面状の凸面10aとして形成されて
いる。この凸面10aは、透明部材10の長手方向に断
面一様に延びており、レンズ面としての役割を果たす。
より具体的には、図3によく表れているように、凸面1
0aは、凸面10aよりも下方に位置する光軸C上の所
定の位置O1から放射状に広がって進行してくる光線を
光軸Cと平行な光線とするように光の屈折が可能な形状
とされている。第1の側面10Aの凸面10a以外の領
域は、凸面10aの一側縁に滑らかに繋がった凹面10
bとして形成されている。この凹面10bは、上記の位
置O1を中心とする適当な半径Rの円弧状であり、凸面
10aと同様に、透明部材10の長手方向に断面一様に
延びている。
【0026】第2の側面10Bは、凸面10aから進行
してくる光線を屈折させないように、凸面10aの光軸
Cと直交する平面部を有する面とされている。本実施形
態においては、第2の側面10Bにテーパ状の平面部1
0c,10dが設けられているが、このような平面部は
設けられていなくてもよい。第3の側面10Cは、平面
状である。第4の側面10Dは、その略全体が透明部材
10の長手方向に一様な曲面状に形成されている。この
第4の側面10Dの具体的な形状は、図3によく表れて
いるように、上記の位置O1からこの第4の側面10D
に向けて直進してきた光を、第2の側面10Bの光軸C
寄りの方向に向けて進行させるように全反射可能な曲面
とされている。
【0027】次に、上記構成の導光部材1の作用につい
て説明する。
【0028】図3に示すように、光源2から発せられた
光を導光部材1の第2の側面10Bに対向する所定の照
明領域Sに導くには、光源2の発光面(光源2の上面)
を、上記した位置O1またはその近傍に配置させる。光
源2としては、たとえばLED光源が用いられる。この
ような位置関係において、光源2を発光させると、光源
2から発せられる光の一部は、その正面に位置する凸面
10aに入射して光軸Cに平行な光線となり、第2の側
面10Bからそのまま照明領域Sに向けて出射する。凸
面10aに入射する光線の光束密度は高く、これらの光
線を分散させないようにして照明領域Sに導くことがで
きるために、照明領域Sへの照射効率を高めることがで
きる。
【0029】また、光源2から発せられる光の他の一部
は、凹面10bに対してその法線方向に入射することと
なるために、この光は屈折を生じたり、あるいは凹面1
0bによって全反射されるようなことなく、透明部材1
0内に進行し、凹面10bに向けて進行した光の全量が
第4の側面10Dに到達する。すると、この第4の側面
10Dによってそれらの光線が全反射され、第2の側面
10Bから光軸Cに接近するように出射する結果、これ
らの光線についても照明領域Sに導くことができる。し
たがって、照明効率をさらに高めることが可能となる。
【0030】上記した導光部材1による光のガイド作用
は、導光部材1の長手方向の各所において得られる。し
たがって、図1に示すように、導光部材1の下方に複数
の光源2を適当な間隔でライン状に並べるようにすれ
ば、導光部材1の第2の側面10Bの各所から光を略均
一に出射させて、ライン状の領域に光を適切に照射させ
ることができる。
【0031】図3から理解できるように、光源2から凸
面10aへの入射光量を多くしようとして凸面10aの
幅を大きくしても、凸面10aの光軸Cから遠ざかる部
分になるほど、その部分に対する光の入射角は大きくな
る。そして、遂にはその入射角が全反射臨界角を超える
こととなって、凸面10aから導光部材1内に光を進行
させることが困難となる。これに対し、凸面10aの片
側に上記した凹面10bを設けておけば、凸面10aを
光の入射が可能な適切な幅に設定しつつ、導光部材1内
への入射光量を多くすることができ、第2の側面10B
からの出射光量を多くすることができることとなる。本
実施形態においては、導光部材1の凸面10aの片側に
のみ凹面10bを形成しているために、導光部材1の薄
型化を図ることができる。なお、光源2から発せられる
光の一部については、導光部材1内に進行しないことと
なるが、このようにな構成であっても、既述した作用に
より、照明領域Sに照度不足を生じないようにすること
ができる。
【0032】図4は、本願発明が適用された画像読み取
り装置の一例を示す断面図である。
【0033】同図に示す画像読み取り装置Aは、原稿D
の画像の読み取り処理と記録紙Kへの画像の印字出力処
理とが可能な読み書き一体型の装置として構成されてい
る。より具体的には、画像読み取り装置Aは、上記した
導光部材1や複数の光源2に加え、ケース40、透明板
41、レンズアレイ42、複数の受光素子43、印字用
素子としての複数の発熱素子44、複数の駆動IC4
5、基板46、および放熱板47を具備して構成されて
いる。
【0034】複数の光源2、受光素子43、発熱素子4
4、および駆動IC45のそれぞれは、いずれも適当な
間隔を隔てて、あるいは密に接近するようにして主走査
方向(紙面の直交する方向)に延びる列状に並べられて
おり、基板46の同一表面上に実装されている。各受光
素子43は、光電変換機能を有しており、上向きの受光
面に光を受けるとそれに対応した出力レベルの画像信号
を出力する。各発熱素子44は、サーマルプリントヘッ
ドに用いられている発熱素子と同様な構成のものであ
り、複数の駆動IC45の制御によってドット単位で発
熱駆動とその停止とがなされるものである。基板46の
表面には、この基板46の表面上に実装された上述の各
部品への信号の入出力や駆動電力の供給を行うための図
示していない配線パターンが形成されている。放熱板4
7は、基板46の裏面に接触して設けられており、複数
の発熱素子44から発生した熱を逃がす役割を果たす。
【0035】ケース40は、複数の光源2、駆動IC4
5および受光素子43を取り囲むようにして基板46の
表面に組み付けられている。複数の発熱素子44の上方
はケース40によって覆われておらず、これら複数の発
熱素子44に対向する位置に記録紙用プフラテンローラ
Paが配置されている。透明板41は、原稿ガイドを行
うためのであり、基板46の表面に対して傾斜して対向
するようにケース40の斜め状の上面部に装着されてい
る。透明板41に対向する箇所には、原稿Dを副走査方
向に搬送するための原稿用プラテンローラPbが設けら
れる。
【0036】レンズアレイ42は、主走査方向に並んだ
複数の結像用レンズを有するものであり、レンズの光軸
C1が透明板41に対して垂直となるように、基板46
の表面に対しては傾斜した姿勢でケース40内に組み込
まれている。透明板41の表面部のうち、レンズアレイ
42の各レンズの上面に対向するライン状の領域が画像
読み取り対象領域Saである。レンズアレイ42の各レ
ンズは、画像読み取り対象領域Saから進行してきた光
を集束させることにより、透明板41上に載置されてい
る原稿Dの画像を複数の受光素子43上に結像させる役
割を果たす。
【0037】導光部材1は、複数の光源2との位置関係
が図3を参照して説明したのと同様となるようにしてケ
ース40内に組み込まれている。すなわち、導光部材1
は、その凸面10aの光軸C上に各光源2が位置するよ
うに配置されている。また、導光部材1は、光軸Cが基
板46の表面に対して略垂直となる姿勢とされており、
導光部材1の第2の側面10Bは画像読み取り対象領域
Saに対向している。基板46と透明板41とを互いに
傾かせた状態に対向させたことによって、導光部材1の
光軸Cとレンズアレイ42の光軸C1との角度が相違し
たものとしていることにより、レンズアレイ42と導光
部材1とが互いに干渉し合うといった不具合を生じさせ
ることなく、上記した状態に導光部材1を組み込むこと
が可能である。導光部材1をケース40内に安定的に組
み込むための手段としては、たとえば導光部材1の凹溝
11に係入可能な突起を有する支持部材を利用して導光
部材1をケース40内において支持する手段、あるいは
それ以外の種々の手段を用いることができる。
【0038】上記構成の画像読み取り装置Aにおいて
は、図3を参照して行った説明のとおり、複数の光源2
から発せられた光を導光部材1によって画像読み取り対
象領域Saに効率良く導くことができ、画像読み取り対
象領域Saにおける原稿Dの表面の照度を高めることが
できる。したがって、原稿Dによって反射されてからレ
ンズアレイ42および各受光素子43に向かう光量を多
くすることができるために、原稿画像の適切な読み取り
処理を行うことが可能となる。また、この画像読み取り
装置Aにおいては、原稿画像の読み取り処理と同時に、
あるいは画像の読み取り処理とは別に、複数の発熱素子
44を利用して記録紙Kへの画像の印字出力処理も行え
る。画像読み取り装置とプリンタ装置とのそれぞれのヘ
ッドを別々に設けたのでは、それら全体の構造が嵩張る
が、この画像読み取り装置Aによれば、画像読み取り装
置Aの一部をプリンタ用のヘッドとして構成しているた
めに、そのような不具合を無くすことができる。とく
に、複数の発熱素子44は、複数の光源2と同一の基板
46の表面上に実装されているために、2つのプラテン
ローラPa,Pbは基板46の同一片面側に配置される
こととなって、全体の上下厚み方向のサイズを小さくで
きる。また、複数の光源2や発熱素子44などを基板4
6の同一表面に実装させるようにすれば、それら各部ま
たは各部品の実装作業、およびそれらに付属する配線パ
ターンの形成作業も容易にすることができる。
【0039】図5ないし図7は、本願発明が適用された
導光部材の他の例を示す説明図である。
【0040】図5に示す導光部材1Aは、第1の側面1
0Aに2つの凹面10bを形成しており、それら2つの
凹面10bの間に凸面10aを形成した構成を有してい
る。また、第3の側面10Cは、第4の側面10Dと同
様に、その全体または一部が、凹面10bを透過してき
た光を第2の側面10Bに向けて、しかも凸面10aの
光軸Cに徐々に接近させるように全反射可能な曲面とさ
れている。このような構成によれば、光源2から一定の
広がり角度をもって発せられる光を導光部材1A内に多
く入射させることが可能となり、その分だけ第2の側面
10Bからの出射光量を多くして、照明効率をさらに高
めることが可能となる。
【0041】図6に示す導光部材1Bは、第3の側面1
0Cおよび第4の側面10Dの全体または一部が、光源
2から凹面10bを透過してきた光を受けると、その光
を光軸Cと平行な方向に進行させるように全反射させる
面とされている。これは、第3の側面10Cおよび第4
の側面10Dの全体または一部を放物面として、その放
物面の焦点またはその焦点の近傍に光源2の発光面を配
置させることによって達成できる。このような構成によ
れば、第2の側面10Bから出射する光の全量または略
全量を光軸Cに平行に進行させることができ、やはり照
明効率を高めることができる。凹面10bが光源2また
はその近傍を中心とする円弧状とされていることによ
り、光源2から発せられた光が凹面10bにおいて屈折
しないようになっているために、第3の側面10Cや第
4の側面10Dによって反射される光線光を所定の平行
光線にすることをより確実かつ正確に行うことができ
る。
【0042】図7に示す導光部材1Cは、第2の側面1
0Bをその長手方向に一様な凸状の湾曲面として形成さ
れたものであり、それ以外の構成は図6に示した導光部
材1Bと同様である。このような構成によれば、第2の
側面10Bが凸レンズの凸面と同様な作用を発揮すると
ともに、第2の側面10Bに対しては光軸Cに平行な光
線が進行するために、第2の側面10Bを透過した光を
適切に所定の位置O2に集束させることができる。した
がって、光の集束が可能な分だけ、所定の領域に対する
照明効率をさらに高めることが可能となる。このよう
に、本願発明では、導光部材の第1の側面のみならず、
第2の側面についても凸面を形成してもかまわない。
【0043】本願発明に係る導光部材および画像読み取
り装置の各部の具体的な構成は、上述した実施形態に限
定されず、種々に設計変更自在である。
【0044】たとえば、本願発明においては、導光部材
の薄型化を図るような場合には、導光部材の第1の側面
の一部分を凸面とする構成に代えて、第1の側面の全体
を凸面とした構成にしてもかまわない。また、本願発明
においては、導光部材の第1の側面の一部分のみを凸面
とする場合には、その凸面以外の領域については、これ
を凹面にするのではなく、たとえば平面状などにしても
かまわない。
【0045】さらに、本願発明においては、たとえば透
明部材の第1の側面や第2の側面以外の面に、光の反射
が可能な光反射膜を設けるなどして、透明部材内に進行
した光が透明部材の第1の側面や第2の側面以外の箇所
から外部に漏れ出ないようにするといった手段を講じて
もかまわない。上述の実施形態においては、導光部材の
凸面10aを通過した光が光軸と平行に進行するように
しているが、本願発明においては、これに代えて、凸面
10aを通過した光を所定の位置に集束させるように進
行させてもよいことは言うまでもない。さらに、本願発
明においては、従来技術で説明した導光部材と同様に、
原稿をガイドする役割を果たす透明板と導光部材とを一
体的に形成した構成、すなわち導光部材の一部を原稿ガ
イド用の透明板とした構成にしてもかまわない。
【0046】本願発明に係る画像読み取り装置は、画像
の印字出力機能を有しないものとして構成されていても
よい。本願発明に係る画像読み取り装置は、シートフィ
ード型の密着型イメージセンサタイプ以外のものとし
て、たとえばハンドスキャナタイプの密着型イメージセ
ンサ、あるいはフラットベッド型のイメージセンサとし
ても構成することができる。光源としては、LED光源
以外の光源を用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明が適用された導光部材の一例を示す一
部断面斜視図である。
【図2】図1に示す導光部材の断面図である。
【図3】図1および図2に示す導光部材の作用説明図で
ある。
【図4】本願発明が適用された画像読み取り装置の一例
を示す断面図である。
【図5】本願発明が適用された導光部材の他の例を示す
説明図である。
【図6】本願発明が適用された導光部材の他の例を示す
説明図である。
【図7】本願発明が適用された導光部材の他の例を示す
説明図である。
【図8】従来の画像読み取り装置の一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
A 画像読み取り装置 D 原稿 K 記録紙 Sa画像読み取り対象領域 1 導光部材 2 光源 10 透明部材 10a 凸面 10b 凹面 10A 第1の側面 10B 第2の側面 10C 第3の側面 10D 第4の側面 40 ケース 41 透明板 42 レンズアレイ 43 受光素子 44 発熱素子(印字用素子) 46 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H038 AA52 BA01 2H108 CB01 EA02 EA08 EA25 EA42 5C051 AA01 BA04 DA03 DB01 DB21 DB22 DB28 DB29 DC07 DE22 FA01 FA02 5C072 AA01 BA05 BA11 BA16 CA05 CA09 DA02 DA17 FA05 XA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定方向に延びた複数の側面を有する透
    明部材を具備しており、かつ上記複数の側面のうち、第
    1の側面が光源に対向して配置される光入射面とされる
    とともに、上記第1の側面に対向する第2の側面が上記
    第1の側面から上記透明部材の内部に進行した光を外部
    に出射させるための光出射面とされる、導光部材であっ
    て、 上記第1の側面の少なくとも一部分は、上記透明部材の
    長手方向に延びた凸面とされていることを特徴とする、
    導光部材。
  2. 【請求項2】 上記透明部材の複数の側面としては、上
    記第1の側面と交差して繋がっている第3の側面および
    第4の側面をさらに具備しているとともに、上記第1の
    側面は、上記凸面以外の面を具備しており、かつ、 上記第3の側面および上記第4の側面の少なくとも一方
    の全体または一部は、上記第1の側面の上記凸面以外の
    面から進行してきた光を上記第2の側面に向けて反射可
    能な面とされている、請求項1に記載の導光部材。
  3. 【請求項3】 上記第1の側面の上記凸面以外の面は、
    上記光源の配置箇所またはその近傍を中心とする円弧状
    の凹面とされている、請求項2に記載の画像読み取り装
    置。
  4. 【請求項4】 光源と、この光源から発せられた光をラ
    イン状の画像読み取り対象領域に導くための導光部材
    と、上記画像読み取り対象領域から進行してきた光を集
    束させるためのレンズアレイと、このレンズアレイによ
    って集束された光を受けて画像信号を出力する複数の受
    光素子と、を具備している、画像読み取り装置であっ
    て、 上記導光部材として、請求項1ないし3のいずれかに記
    載の導光部材が用いられていることを特徴とする、画像
    読み取り装置。
  5. 【請求項5】 上記画像読み取り対象領域が表面部に設
    定される透明板と、上記光源を表面に搭載した基板とを
    具備しており、かつ上記透明板は、上記基板の表面に対
    して傾斜して対向している、請求項4に記載の画像読み
    取り装置。
  6. 【請求項6】 上記基板の表面には、画像の印字出力が
    可能な複数の印字用素子が搭載されている、請求項5に
    記載の画像読み取り装置。
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