JP7133681B2 - 照明装置、センサユニット、読取装置および画像形成装置 - Google Patents

照明装置、センサユニット、読取装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、照明装置、センサユニット、読取装置および画像形成装置に関する。
被照明体をライン状に照明する照明装置が知られている。
特許文献1に開示された照明装置は、端面から入射した照明光を光出射面から出射させる導光体を備えている。特許文献1の導光体は、直線状であって底面に凹球面が形成されている。
特許文献2に開示された導光体は、角錐部と扁平部とが組み合わされた構造であり、光入射部、傾斜面、光反射部、光出射部を有している。光出射部には、散乱手段としてのシボ部が設けられている。
特許文献3に開示された導光体は、入射面、反射面、出射面、側面などを有し、対峙する側面の間隔が入射面に向かうにしたがって広がるラッパ状に形成されている。反射面には、光を乱反射するようなパターン面が形成されている。
米国特許出願公開第2006/0165370号明細書 特開2010-21983号公報 特開2013-5321号公報
しかしながら、特許文献1の導光体は、断面形状が長手方向の何れの位置でも同一であるために光源からの光が長手方向に過度に導光され易く、光源側から出射される光量が減少してしまう。
また、特許文献2の導光体は、散乱手段が光反射部のみに設けられており、光源側から出射される光量が減少してしまう。
また、特許文献3の導光体は、パターン面が入射面側には形成されておらず、光源側から出射される光量が減少してしまう。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、導光体から出射される光のうち光源側から出射される光量の減少を抑制することを目的とする。
本発明の照明装置は、被照明体に光を照射する照明装置であって、光源からの光が入射する入射面、前記入射面から入射した光が拡散される拡散部が設けられた反射面、および、前記拡散部で拡散された光が前記被照明体に出射される出射面を有する棒状の導光体を備え、前記導光体は、前記入射面から途中位置までの形状変化部と、前記途中位置から前記導光体の長手方向における中央までの形状不変部とを有しており、前記形状不変部においては、前記長手方向と垂直な断面積が変化せず、前記形状変化部においては、前記導光体の前記長手方向への光の進行を抑制させるために、前記入射面から遠ざかるにつれて徐々に前記断面積が小さくなるように前記導光体の外周の少なくとも一部が傾斜して構成されており、且つ、前記反射面のうち前記入射面の位置から前記途中位置までの間に、前記拡散部が複数設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、導光体から出射される光のうち光源側から出射される光量の減少を抑制することができる。
図1は、第1の実施形態の導光体20の構成を示す図である。 図2は、イメージセンサユニット10を備えたMFP100の外観を示す斜視図である。 図3は、MFP100の画像形成部113の構造を示す概略図である。 図4は、イメージセンサユニット10の分解斜視図である。 図5は、イメージセンサユニット10の断面図である。 図6は、光が反射される軌跡を示す図である。 図7は、光が反射される軌跡を示す図である。 図8は、相対照度を示すグラフである。 図9は、第2の実施形態の導光体20の構成を示す図である。 図10は、フラットベッド方式のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。 図11は、シートフィード方式のスキャナの構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明を適用できる実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態は、照明装置と、この照明装置が適用されるイメージセンサユニット(イメージセンサ)10と、このイメージセンサユニット10が適用される画像読取装置(読取装置)および画像形成装置(形成装置)である。画像読取装置および画像形成装置では、イメージセンサユニット10が被照明体としての原稿Pに光を照射し、反射光を電気信号に変換することで画像を読取る(反射読取)。なお、被照明体は原稿Pに限られず、紙幣などの読取対象物に対しても適用できる。また、原稿Pを透過した透過光を電気信号に変換することで画像を読取る透過読取であっても適用できる。
以下の説明においては、三次元の各方向を、X,Y,Zの各矢印で示す。X方向が後述する導光体の長手方向であり、例えば主走査方向である。Y方向が主走査方向に直角な副走査方向である。Z方向が垂直方向(上下方向)である。
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係る画像読取装置または画像形成装置の一例である多機能プリンタ(MFP;Multi Function Printer)の構造について図2を参照して説明する。図2は、MFP100の外観を示す斜視図である。図2に示すように、MFP100は、原稿Pからの反射光を読取る画像読取手段としての画像読取部102と、記録媒体としてのシート101(記録紙)に原稿Pの画像を形成(印刷)する画像形成手段としての画像形成部113とを備えている。
画像読取部102はいわゆるイメージスキャナーの機能を有するものであり、例えば以下のように構成される。画像読取部102は、筐体103と、原稿載置部としてのガラス製の透明板からなるプラテンガラス104と、原稿Pを覆うことができるように筐体103に対して開閉自在に設けられるプラテンカバー105とを備えている。
筐体103の内部には、照明装置を備えたイメージセンサユニット10、保持部材106、イメージセンサユニットスライドシャフト107、イメージセンサユニット駆動モータ108、ワイヤ109、信号処理部110、回収ユニット111、給紙トレイ112などが収納されている。
イメージセンサユニット10は、例えば密着型イメージセンサ(CIS;Contact Image Sensor)ユニットである。保持部材106は、イメージセンサユニット10を囲むように保持する。イメージセンサユニットスライドシャフト107は、保持部材106をプラテンガラス104に沿って副走査方向に案内する。イメージセンサユニット駆動モータ108は、イメージセンサユニット10と原稿Pとを相対的に移動させる移動手段としての移動部であり、具体的には保持部材106に取り付けられたワイヤ109を動かす。回収ユニット111は筐体103に対して開閉自在に設けられ、印刷されたシート101を回収する。給紙トレイ112は、所定のサイズのシート101を収容する。
上述したように構成される画像読取部102では、イメージセンサユニット駆動モータ108がイメージセンサユニットスライドシャフト107に沿ってイメージセンサユニット10を副走査方向に移動させる。この際、イメージセンサユニット10はプラテンガラス104上に載置された原稿Pを光学的に読取って、電気信号に変換することで、画像の読取り動作を行う。
図3は画像形成部113の構造を示す概略図である。
画像形成部113はいわゆるプリンタの機能を有するものであり、例えば以下のように構成される。画像形成部113は筐体103内部に収容されており、図3に示すように、搬送ローラ114と、記録ヘッド115とを備えている。記録ヘッド115は、例えばシアンC、マゼンタM、イエローY、黒Kのインクを備えたインクタンク116(116c,116m,116y,116k)と、これらのインクタンク116にそれぞれ設けられた吐出ヘッド117(117c,117m,117y,117k)から構成される。また、画像形成部113は、記録ヘッドスライドシャフト118、記録ヘッド駆動モータ119、記録ヘッド115に取り付けられたベルト120を有している。
上述したように構成される画像形成部113では、給紙トレイ112から供給されたシート101は、搬送ローラ114によって記録位置まで搬送される。記録ヘッド115は、記録ヘッド駆動モータ119によりベルト120を機械的に動かすことで、記録ヘッドスライドシャフト118に沿って印刷方向に移動しつつ電気信号を基にシート101に対して印刷を行う。印刷終了まで上述した動作を繰り返した後、印刷されたシート101は搬送ローラ114によって回収ユニット111に排出される。
なお、画像形成部113としてインクジェット方式による画像形成装置を説明したが、電子写真方式、熱転写方式、ドットインパクト方式などどのような方式であっても構わない。
次に、本実施形態のイメージセンサユニット10について図1、図4、図5を参照して説明する。図1は、後述する導光体20の構成を示す図である。図1(a)は導光体20を主走査方向から見た図である。図1(b)は副走査方向から見た図である。図1(c)は導光体20の底面図である。図1(d)は導光体20を図1(a)の反対側の主走査方向から見た図である。図4はイメージセンサユニット10の分解斜視図である。図5はイメージセンサユニット10の断面図である。
イメージセンサユニット10は、フレーム11、導光体20、光源40、回路基板50、イメージセンサ(センサあるいはラインセンサ)60、集光体70などを備えている。これらの構成部材のうち、光源40および導光体20は、照明装置として機能する。また、上述した構成部材のうち、フレーム11、導光体20、回路基板50、イメージセンサ60、集光体70は、読取る原稿Pの主走査方向の寸法に応じた長さに形成される。
フレーム11は、イメージセンサユニット10の各構成部材を収容するフレームであり、主走査方向を長手方向とする略直方体状に形成される。フレーム11は例えば、黒色に着色された遮光性を有するポリカーボネートなどの樹脂材料により形成される。
図5に示すように、フレーム11には、導光体20を収容する導光体収容部12が主走査方向に沿って形成される。また、図4に示すように、フレーム11の導光体収容部12には主走査方向に間隔をあけて、導光体20を着脱自在に支持する保持部13が複数、形成される。
フレーム11には、導光体収容部12に隣接して集光体70を収容する集光体収容部14が主走査方向に形成される。また、フレーム11の下面には、回路基板50を配置するための基板収容部15が主走査方向に沿ってフレーム11の外側から凹状に形成される。また、図4に示すように、フレーム11の主走査方向における一方側には、光源40が配置される光源収容部16が形成される。
導光体20は、光源40が発光する光を原稿Pへと導くものであり、主走査方向を長手方向とする棒状に形成される。導光体20は、フレーム11の導光体収容部12の保持部13により位置決めされた状態で収容される。導光体20は例えば、アクリルやポリカーボネートなどの透明な樹脂材料により形成される。
図1および図4に示すように、導光体20は、主走査方向における一端面に光源40からの光を入射させる入射面21を有する。また、導光体20は、入射面21に対向する端面に平面状の他端面27を有する。また、導光体20は、原稿Pと対面する面に導光体20内に入射された光を原稿Pに向かって出射させる、凸の曲面状の出射面22を有する。また、導光体20は、出射面22と対向する面に入射面21から入射された光を反射させる平坦状の反射面23を有する。図1に示すように、反射面23には、入射面21から入射された光を出射面22に向かって拡散させる複数の拡散部24がドット状に形成される。本実施形態では、拡散部24は反射面23において、入射面21側から他端面27側までの全面に亘って形成される。
拡散部24は反射面23から凹んだ湾曲状、具体的には球状に形成されている。拡散部24は複数、形成され、それぞれ大きさが同一である。ここで、拡散部24の大きさが同一とは、反射面23における拡散部24の外形、反射面23から拡散部24の最も深い位置までの距離、拡散部24が湾曲状あるいは球状である場合の曲率半径、の何れもが同一である。なお、拡散部24を成形する場合の製造誤差の範囲は同一の概念に含まれる。また、拡散部24は入射面21側では密度が小さく、他端面27側では密度が大きく形成されている。すなわち、反射面23では入射面21側から他端面27側に向かうにしたがって徐々に反射面23に対する拡散部24の密度が増大している。入射面21側は光源40から近いために光源40から到達する光量が多い。到達する光量が多い分、入射面21側では拡散部24の密度を小さくすることで到達した光を少なく拡散させて、所望する光量を入射面21側の出射面22から出射させている。一方、他端面27側では光源40から遠いために光源40から到達する光量が少ない。到達する光量が少ない分、他端面27側では拡散部24の密度を大きくすることで到達した光をより多く拡散させて、所望する光量を他端面27側の出射面22から出射させている。入射面21から入射された光は反射面23により反射されたり、拡散部24によって拡散されたりすることで、出射面22から出射され原稿Pにライン状の光が出射される。
また、導光体20は、出射面22と反射面23との間に第1側面25および第2側面26を有する。第1側面25および第2側面26は、出射面22および反射面23とは異なる面であって、それぞれ導光体20の長手方向に沿った面である。第1側面25および第2側面26は、互いに反対側に位置する。具体的には、第1側面25は、出射面22の長手方向に沿った一方側の端部と反射面23の長手方向に沿った一方側の端部とを繋ぐ、凸の曲面状に形成される。第1側面25は主に入射面21から入射された光を導光体20の長手方向に向かって反射させる反射面として機能する。第2側面26は、出射面22の長手方向に沿った他方側の端部と反射面23の長手方向に沿った他方側の端部とを繋ぐ、凸の曲面状に形成される。第2側面26は拡散部24によって拡散された光を所定の方向、具体的には出射面22の上側であって反射面23に対して略直交する方向(図5に示す読取ラインS)に反射させる反射面として機能する。ただし、第2側面26に入射される方向および角度によっては、第2側面26も第1側面25と同様に導光体20の長手方向に向かって反射させる。ここでは、第1側面25の曲率半径が、第2側面26の曲率半径よりも大きく設定されている。なお、導光体20が導光体収容部12に収容された状態では、第1側面25は集光体70側に位置し、集光体70に対してフレーム11を挟んで対面する。すなわち、導光体20が導光体収容部12に収容された状態では、第1側面25は第2側面26よりも集光体70に近接する。
導光体20は金型を用いた射出成形によって製造することができる。すなわち、導光体20の原料となるアクリルやポリカーボネートなどを溶融して金型内に射出した後、冷却することで導光体20を製造する。金型は、導光体20と同様な形状の電極を用い、放電加工することにより作製する。金型は導光体20の凹凸が逆であるのに対して、電極は導光体20の凹凸と同様である。すなわち、電極のうち拡散部24に相当する形状も球状である。したがって、電極に対して球状の工具を用いて切削することで、容易に拡散部24に相当する形状を作製することが可能である。
光源40は、光を発光することで導光体20を介して原稿Pに光を照射する。光源40は、回路基板50に接続された状態でフレーム11の光源収容部16に収容される。光源40がフレーム11に収容された状態では、隙間を介して導光体20の入射面21と対面する。光源40は例えば、LEDパッケージ41が用いられる。LEDパッケージ41は、略矩形状に形成された筐体42と、筐体42から突出する複数のリード端子43とを備えている。筐体42は、導光体20の入射面21と対面する面に発光素子としてのLEDチップ44を複数、透明樹脂によって封止した状態で支持する。LEDチップ44には赤、緑、青、赤外、紫外などの発光波長を有するLEDチップを用いることができる。赤外、紫外の発光波長を有するLEDチップを用いるのは、セキュリティのために不可視インクが施された原稿Pを読取るためである。
なお、図5には、導光体20に対する光源40の配置が理解できるように、LEDパッケージ41およびLEDチップ44を想像線(二点鎖線)で図示している。
回路基板50は、LEDチップ44を発光させるための駆動回路やイメージセンサ60などを実装する基板であり、長手方向を主走査方向とする平板状に形成される。回路基板50は、フレーム11の基板収容部15に収容される。回路基板50は例えば、ガラスエポキシ基板が用いられる。また、回路基板50の主走査方向における一方の端部には、LEDパッケージ41のリード端子43を接続するための挿入孔51が形成される。
イメージセンサ60は、原稿Pから反射され集光体70によって結像された反射光を受光して電気信号に変換する。イメージセンサ60は集光体70の光軸の延長線上に配置されるように、回路基板50が基板収容部15によって支持される。イメージセンサ60は、イメージセンサユニット10の読取りの解像度に応じた複数の受光素子(光電変換素子)から構成されるイメージセンサIC61の所定数を回路基板50の実装面上に主走査方向に直線状に配列して実装される。なお、イメージセンサ60は、原稿Pから反射された反射光を電気信号に変換できればよく、公知の各種イメージセンサICを用いることができる。
集光体70は、原稿Pからの反射光をイメージセンサ60上に結像する光学部材であり、長手方向を主走査方向にして形成される。集光体70は、フレーム11の集光体収容部14に収容される。集光体70は例えば、複数の正立等倍結像型の結像素子(ロッドレンズ)が主走査方向に直線状に配列されるロッドレンズアレイが用いられる。なお、集光体70は、反射光をイメージセンサ60上に結像できればよく、ロッドレンズアレイに限られず、マイクロレンズアレイなど公知の各種集光機能を有する光学部材(例えばレンズアレイ)を用いることができる。
図5に示すように、上述したように構成されるイメージセンサユニット10では、フレーム11内に配置された光源40を発光させることにより導光体20から原稿Pの下面に対して矢印Lに示すように光を照射する。したがって、原稿Pには読取ラインS(主走査方向)に亘ってライン状に光が照射される。この光は原稿Pによって反射されることで、集光体70を介して反射光がイメージセンサ60上に結像される。イメージセンサ60は、結像された反射光を電気信号に変換することで、原稿Pの下面の画像を読取ることができる。
イメージセンサ60が反射光を1走査ライン分読取ることで、原稿Pの主走査方向における1走査ラインの読取り動作を完了する。1走査ラインの読取り動作終了後、イメージセンサユニット10の副走査方向への相対的な移動に伴い、上述する動作と同様に次の1走査ライン分の読取り動作が行われる。このようにイメージセンサユニット10が副走査方向に移動しながら1走査ライン分ずつ読取り動作を繰り返すことで、原稿Pの全面が順次走査されて反射光により画像の読取りが行われる。
次に、本実施形態の導光体20において、導光体20の出射面22から出射される光のうち光源40側から出射される光量の減少を抑制できる構成について説明する。
図1に示すように、導光体20は入射面21側から長手方向において、途中まで傾斜していることで面積が小さくなっている。ここでの面積は、導光体20の長手方向に対して直交する方向に切断した場合の断面積をいう。
図1(c)に示すように、導光体20は、後述する第1の傾斜部33のように傾斜することで、第1側面25と第2側面26との間の幅が入射面21から途中まで徐々に狭くなり、途中から他端面27までは略一定である。また、図1(b)に示すように、導光体20は、後述する第2の傾斜部34のように傾斜することで、出射面22と反射面23との間の幅が入射面21から途中まで徐々に狭くなり、途中から他端面27まで略一定である。
本実施形態の導光体20は、導光体20の長手方向の位置によって断面形状および断面積が異なる形状変化部31と、導光体20の長手方向の何れの位置でも断面形状および断面積が同一(略同一を含む)である形状不変部32とを有する。
形状変化部31は、入射面21側の長手方向における一定の範囲、具体的には入射面21から導光体20の長手方向における所定位置Aまでの範囲である。一方、形状不変部32は、他端面27側の長手方向における一定の範囲、具体的には所定位置Aから他端面27までの範囲である。
ここで、所定位置Aは、入射面21と他端面27との間の位置であって、中央よりも入射面21側に偏った位置である。本実施形態では、入射面21から所定位置Aまでの距離が略9mm、所定位置Aから他端面27までの距離が略218mmである。すなわち、入射面21から所定位置Aまでの距離と、所定位置Aから他端面27までの距離との比は、略1:24である。
形状変化部31は、入射面21側から所定位置Aに向かうにしたがって断面形状が変化しながら断面積が徐々に縮小する。すなわち、形状変化部31は、所定位置Aから入射面21側に向かうにしたがって断面積が徐々に拡大するベル(bell)形状である。本実施形態では、入射面21の面積が略8.5mm2であり、所定位置Aの断面積が略7.2mm2である。すなわち、入射面21の面積と所定位置Aの断面積との比は、略1:0.85である。
形状変化部31は外周の一部に傾斜部として、第1の傾斜部33および第2の傾斜部34を有することで、形状変化部31のベル形状を実現する。第1の傾斜部33および第2の傾斜部34は、導光体20の長手方向に沿った直線に対して傾斜する。出射面22および第2側面26は傾斜部を有さず、長手方向の何れの位置でも断面形状が同一(略同一を含む)である。
第1の傾斜部33は曲面状であって、第1側面25に形成される。第1の傾斜部33は導光体20を長手方向から見ると、所定位置Aから入射面21側に向かうにしたがって、外側に向かって拡大しつつ、外形線の曲率半径が所定位置Aから徐々に小さくなる。入射面21における第1側面25の外形線は、出射面22の曲率半径と同一(略同一を含む)である。
一方、第2の傾斜部34は平面状であって、反射面23に形成される。第2の傾斜部34は導光体20を長手方向から見ると、所定位置Aから入射面21側に向かうにしたがって、外形線の位置が外側に向かいつつ第1側面25側に平行移動する。なお、第2の傾斜部34は、反射面23の一部であって、拡散部24が形成される。
導光体20がフレーム11の導光体収容部12に収容された状態では、副走査方向から見て、導光体20の形状変化部31および形状不変部32は集光体70およびイメージセンサ60と重なっている。
次に、発明例として形状変化部31を有する導光体20と、比較例として形状不変部32のみからなる導光体80と、を用いて光が反射される状態について説明する。
図6(a)は、比較例の導光体80において光が反射される軌跡を示す平面図および主走査方向から見た図である。導光体80の第1側面25には、第1の傾斜部33を有していない。ここで、光源40からの光のうち第1側面25に向かう光は、第1の傾斜部33がないことで第1側面25により反射される場合の反射角αが大きくなるために、導光体80の長手方向に向かって進行する。すなわち、導光体80の拡散部24のうち光源40側に配置された拡散部24に向かう光が減少する。そのため、光源40側の拡散部24によって拡散される光が少なくなり、導光体80のうち光源40側から出射される光量が減少してしまう。
図6(b)は、発明例の導光体20において光が反射される軌跡を示す平面図および正面図である。導光体20の形状変化部31および形状不変部32の何れにも拡散部24が設けられている。また、導光体20の第1側面25には、第1の傾斜部33を有している。ここで、光源40からの光のうち第1側面25に向かう光は、第1の傾斜部33により反射されることで反射角βが小さくなり、導光体20の長手方向への進行が抑制される。すなわち、導光体20の拡散部24のうち光源40側に配置された拡散部24に向かう光が増加する。そのため、光源40側の拡散部24によって拡散される光が増えることから、導光体20のうち光源40側から出射される光量の減少を抑制することができる。
なお、光源40からの光のうち第2の傾斜部34の反射面23によって反射される光は反射角が小さくなるために、第1の傾斜部33と同様に、導光体20の長手方向への進行が抑制される。
図7(a)、(b)はそれぞれ比較例の導光体80と発明例の導光体20とにおいて光が反射される場合の軌跡のシミュレーションを示す図である。
図7(b)に示す発明例の導光体20では、図7(a)に示す比較例の導光体80よりも、光の反射する位置がD1、D2、D3のように徐々に入射面21側に移行しており、導光体20の長手方向への光の進行が抑制される結果を得ることができた。
図8は、比較例の導光体80と発明例の導光体20とをそれぞれ用いて、図1の読取ラインSにおける照度を計測した場合の相対照度を示すグラフである。一点鎖線が比較例の導光体80を用いた場合の相対照度であり、実線が発明例の導光体20を用いた場合の相対照度である。ここで、縦軸は、比較例の導光体80において照度が略一定となる範囲内の平均照度を1とした場合の相対照度である。横軸は、導光体の長手方向における位置であり、0mmが導光体の入射面21である。なお、発明例の導光体20には、0mmから10mmに亘って形状変化部31が形成されている。
図8に示すように、比較例の導光体80では長手方向の24mm付近から相対照度が略1.0になるのに対して、発明例の導光体20では長手方向の6mm付近から相対照度が略1.0となる。図8に示すように、発明例の導光体20を用いることで、導光体20から出射される光のうち光源40側から出射される光量の減少を抑制することが確認できた。
このように、光源40側から出射される光量の減少を抑制することで、導光体20を長手方向に亘って有効に利用することができる。すなわち、比較例の導光体80では長手方向の24mm付近からしか必要な照度が得られず、導光体80の長手方向の0mm~24mm付近までの長さを有効に利用することができない。一方、発明例の導光体20では長手方向の7mm付近から必要な照度が得られ、導光体20の長手方向の0mm~7mm付近までの長さを利用できないだけで、イメージセンサユニット10の読取り可能な長さを拡大することができる。換言すると、発明例の導光体20によれば、比較例の導光体80に比べて、長手方向の長さを短くしても必要な長さに亘って十分な照度を得られることから、照明装置あるいはイメージセンサユニット10を小型化することができる。
本実施形態によれば、導光体20は、入射面21側から導光体20の長手方向において、途中まで傾斜していることで面積が小さくなり、入射面21側から途中までは反射面23に拡散部24が設けられている。このように、入射面21側から途中まで面積が小さくなるように傾斜していることで、入射面21から入射された光のうち傾斜している部分によって反射した光は、反射角が小さくなるので導光体20の長手方向への光の進行が抑制される。進行が抑制された光は、入射面21側から途中までに設けられた反射面23の拡散部24によって拡散される機会が増えることから、導光体20のうち光源40側から出射される光量の減少を抑制することができる。
ここで、傾斜している部分とは、第1の傾斜部33および第2の傾斜部34に相当する。ただし、傾斜している部分は第1の傾斜部33および第2の傾斜部34の何れか一方であってもよい。また、傾斜している部分は、第2側面26に有していてもよく、導光体20の全周に亘って有していてもよい。
また、本実施形態では、形状変化部31は、導光体20の外周の少なくとも一部であって、導光体20の長手方向に対して傾斜する第1の傾斜部33および第2の傾斜部34を有する。このように、形状変化部31が第1の傾斜部33および第2の傾斜部34を有することで、入射面21から入射された光のうち第1の傾斜部33および第2の傾斜部34によって反射される光は反射角が小さくなるので、導光体20の長手方向への光の進行が抑制される。なお、形状変化部31は、外周の一部に傾斜部を有する場合に限られず、全周に亘って傾斜部を有していてもよい。
また、本実施形態では、第1側面25および第2側面26のうち第1側面25のみに第1の傾斜部33を有する。換言すると、第2側面26に傾斜部を有しないことで、第2側面26によって光を所定の方向に反射させる機能を低下させないようにすることができる。なお、このような効果を目的とする場合には、導光体20は入射面21側から途中までの反射面23に拡散部24を設けなくてもよい。
また、本実施形態では、出射面22および反射面23のうち反射面23のみに第2の傾斜部34を有する。換言すると、出射面22に傾斜部を有しないことで、出射面22によって光を所定の方向に出射させる機能を低下させないようにすることができる。なお、このような効果を目的とする場合には、導光体20は入射面21側から途中までの反射面23に拡散部24を設けなくてもよい。
また、本実施形態では、導光体20の傾斜している部分は、副走査方向において集光体70およびイメージセンサ60と重なっている。したがって、導光体20のうち光源40側から出射される光も、原稿Sによって反射された後に、重なっている集光体70によってイメージセンサ60に結像させることができることから、有効読取り領域を広げることができる。
また、本実施形態では、拡散部24は複数、形成され、それぞれ大きさが同一である。したがって、拡散部24を有する導光体20を容易に製造することができる。
また、本実施形態では、導光体20は、入射面21側から導光体20の長手方向において、途中まで傾斜していることで面積が小さくなると共に、第1側面25および第2側面26のうち第1側面25のみ傾斜している部分を有する。したがって、導光体20の長手方向への光の進行を抑制させることができると共に、第2側面26によって光を所定の方向に反射させる機能を低下させないようにすることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、導光体20に位置決め部90を形成する場合について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成は、同一符号を付して、その説明を省略する。
図9は、第2の実施形態の導光体20の構成を示す図である。
位置決め部90は、導光体20のうち第1の実施形態において入射面21であった位置に一体成形されている。本実施形態では、位置決め部90の端面が光源40からの光が入射される入射面91となる。位置決め部90は導光体20の長手方向から見て矩形状であり、導光体20の断面形状よりも大きい鍔部として機能する。すなわち、導光体20の位置決め部90をフレーム11の所定の位置に嵌め込むことで、導光体20をフレーム11に対して位置決めすることができる。一方、導光体20の他端面27をフレーム11に対して位置決めしないようにすることで、位置決め部90を固定端として、導光体20の他端面27を自由端とすることができる。したがって、環境温度の変化に応じて導光体20が伸縮した場合であっても、導光体20の他端面27側が導光体20の長手方向に移動するだけで、位置決め部90の入射面91と光源40との間の距離は一定に維持することができる。
また、導光体20自体は、第1の実施形態と同様であり、入射面91側から導光体20の長手方向における所定位置Aに向かうにしたがって断面形状が変化しながら断面積が縮小する形状変化部31と、所定位置Aから他端面27側までの間で断面形状が同一の形状不変部32と、を有する。ここで、断面形状とは、出射面22、反射面23、第1側面25および第2側面26によって囲まれる形状であって、位置決め部90は含まない。換言すると、形状変化部31に位置決め部90は含まない。
本実施形態によれば、導光体20に位置決め部90を一体成形したので、導光体20をフレーム11に容易に位置決めすることができる。
(第3の実施形態)
次に、上述したイメージセンサユニット10を画像読取装置としてのフラットベッド方式のスキャナ130に適用した構成について図10を参照して説明する。
図10は、フラットベッド方式のスキャナ130の構成の一例を示す斜視図である。
スキャナ130は、筺体131と、被照明体載置部としてのプラテンガラス132と、イメージセンサユニット10と、イメージセンサユニット10を駆動する駆動機構と、回路基板133と、プラテンカバー134とを有する。プラテンガラス132は、ガラスなどの透明板からなり、筺体131の上面に取り付けられる。プラテンカバー134は、プラテンガラス132に載置された原稿Pを覆うように、筺体131に対してヒンジ機構などを介して開閉可能に取り付けられる。イメージセンサユニット10と、イメージセンサユニット10を駆動するための駆動機構と、回路基板133とは、筺体131内に収容される。
駆動機構は、保持部材135と、ガイドシャフト136と、駆動モータ137と、ワイヤ138とを含む。保持部材135は、イメージセンサユニット10を囲むように保持する。ガイドシャフト136は、保持部材135をプラテンガラス132に沿って読取方向(副走査方向)に移動可能にガイドする。駆動モータ137と保持部材135とはワイヤ138を介して連結されており、駆動モータ137の駆動力によってイメージセンサユニット10を保持する保持部材135を副走査方向に移動させる。そして、イメージセンサユニット10は、駆動モータ137の駆動力によって副走査方向に移動しながら、プラテンガラス132に載置された原稿Pを読取る。このように、イメージセンサユニット10と原稿Pとを相対的に移動させながら、原稿Pを読取る。
回路基板133には、イメージセンサユニット10が読取った画像に所定の画像処理を施す画像処理回路や、イメージセンサユニット10を含むスキャナ130の各部を制御する制御回路や、スキャナ130の各部に電力を供給する電源回路などが構築される。
(第4の実施形態)
次に、上述したイメージセンサユニット10を画像読取装置としてのシートフィード方式のスキャナ140に適用した構成について図11を参照して説明する。
図11は、シートフィード方式のスキャナ140の構成の一例を示す断面図である。スキャナ140は、筺体141と、イメージセンサユニット10と、搬送ローラ142と、回路基板143とを有する。搬送ローラ142は、図示しない駆動機構によって回転し、原稿Pを挟んで搬送する。回路基板143には、イメージセンサユニット10を含むスキャナ140の各部を制御する制御回路や、スキャナ140の各部に電力を供給する電源回路などが構築される。
そして、スキャナ140は、搬送ローラ142によって原稿Pを読取り方向(副走査方向)に搬送しつつ、イメージセンサユニット10により原稿Pを読取る。すなわち、イメージセンサユニット10と原稿Pとを相対的に移動させながら、原稿Pを読取る。なお、図11では、原稿Pの片面を読取るスキャナ140の例を示すが、2つのイメージセンサユニット10が原稿Pの搬送経路を挟んで対向するように設けられ、原稿Pの両面を読取る構成であってもよい。
以上、本発明を上述した実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更が可能である。
上述した実施形態では、拡散部24が反射面23に対して凹状の半球状である場合について説明したが、この場合に限られず、例えば、シルク印刷等によるドット状のパターン形状が施されていてもよい。
上述した実施形態では、導光体20が第1側面25および第2側面26などの反射面を有する場合について説明したが、この場合に限られず、その他の反射面を有していてもよい。また、第1側面25および第2側面26が、凸の曲面状である場合について説明したが、この場合に限られず、複数の平面が連続的につながった略曲面状であってもよく、平面状であってもよい。
上述した実施形態では、形状不変部32が導光体20の所定位置Aから他端面27までの範囲に設けられる場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、他端面27に鍔部として機能する位置決め部などを有する場合には、形状不変部32は、所定位置Aから位置決め部を除く他端面27側までの範囲に設けることができる。
なお、移動手段としての移動部は、イメージセンサユニット10と原稿Pとの少なくとも何れかを相対的に移動させることができる。
10:イメージセンサユニット 11:フレーム 12:導光体収容部 13:保持部 20:導光体 21:入射面 22:出射面 23:反射面 24:拡散部 27:他端面 28:傾斜部 31:形状変化部 32:形状不変部 33:第1の傾斜部 34:第2の傾斜部 40:光源 50:回路基板 60:イメージセンサ 70:集光体 100:MFP(画像読取装置、画像形成装置) 101:シート(記録媒体) 102:画像読取部 108:イメージセンサユニット駆動モータ 113:画像形成部

Claims (12)

  1. 被照明体に光を照射する照明装置であって、
    光源からの光が入射する入射面、前記入射面から入射した光が拡散される拡散部が設けられた反射面、および、前記拡散部で拡散された光が前記被照明体に出射される出射面を有する棒状の導光体を備え、
    前記導光体は、
    前記入射面から途中位置までの形状変化部と、前記途中位置から前記導光体の長手方向における中央までの形状不変部とを有しており、
    前記形状不変部においては、前記長手方向と垂直な断面積が変化せず、
    前記形状変化部においては、前記導光体の前記長手方向への光の進行を抑制させるために、前記入射面から遠ざかるにつれて徐々に前記断面積が小さくなるように前記導光体の外周の少なくとも一部が傾斜して構成されており、
    且つ、
    前記反射面のうち前記入射面の位置から前記途中位置までの間に、前記拡散部が複数設けられていることを特徴とする照明装置。
  2. 前記導光体は、
    前記出射面および前記反射面とは異なる面であって前記長手方向に沿った第1側面と、前記第1側面の反対側に第2側面と、を有し、
    前記第1側面および前記第2側面のうち前記第1側面のみ傾斜している部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記第1側面は、
    前記出射面の長手方向に沿った一方側の端部と前記反射面の長手方向に沿った一方側の端部とを繋ぐ面であり、
    前記第2側面は、
    前記出射面の長手方向に沿った他方側の端部と前記反射面の長手方向に沿った他方側の端部とを繋ぐ面であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
  4. 前記導光体は、
    前記出射面および前記反射面のうち前記反射面のみに傾斜している部分を有していることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の照明装置。
  5. 前記拡散部は、前記反射面から凹んだ湾曲状であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の照明装置。
  6. 前記拡散部は、前記反射面の全面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の照明装置。
  7. 前記拡散部は、複数、設けられ、
    前記複数の拡散部は、それぞれ大きさが同一であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の照明装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか1項に記載の照明装置と、
    前記照明装置により被照明体に照射し、前記被照明体で反射した光を集光するレンズアレイと、
    前記レンズアレイによって集光された光を電気信号に変換するセンサと、を備えることを特徴とするセンサユニット。
  9. 請求項2または3に記載の照明装置と、
    前記照明装置により被照明体に照射し、前記被照明体で反射した光を集光するレンズアレイと、
    前記レンズアレイによって集光された光を電気信号に変換するセンサと、を備え、
    前記レンズアレイは、前記導光体のうち前記第1側面に近接して配置されていることを特徴とするセンサユニット。
  10. 前記傾斜している部分は、前記導光体の長手方向に対して直交する方向である副走査方向において前記レンズアレイと重なっていることを特徴とする請求項9に記載のセンサユニット。
  11. 請求項8ないし10の何れか1項に記載のセンサユニットと、
    前記センサユニットと前記被照明体との少なくとも何れかを相対的に移動させる移動手段と、を有していることを特徴とする読取装置。
  12. 請求項8ないし10の何れか1項に記載のセンサユニットと、
    前記センサユニットと前記被照明体との少なくとも何れかを相対的に移動させる移動手段と、
    前記センサユニットにより読取られた画像を記録媒体に形成する画像形成手段と、を有していることを特徴とする画像形成装置。
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