JP2000297483A - 調湿建材 - Google Patents

調湿建材

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JP2000297483A
JP2000297483A JP10826599A JP10826599A JP2000297483A JP 2000297483 A JP2000297483 A JP 2000297483A JP 10826599 A JP10826599 A JP 10826599A JP 10826599 A JP10826599 A JP 10826599A JP 2000297483 A JP2000297483 A JP 2000297483A
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憲次 稲垣
Noribumi Isu
紀文 井須
Toshifumi Teramura
敏史 寺村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた調湿性を持ち、強度も十分にある不燃
性に優れた調湿建材を提供する。 【解決手段】 主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカ
である成形体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着
法によるその比表面積が80〜250m2 /g、平均細
孔直径が1.5〜30.0nmであることを特徴とする
調湿建材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に不燃性に優れ
た無機系で、室内の湿度を調整する機能を持つ調湿建材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から調湿性のある内装材として、一
般に炭酸カルシウムを主成分としたしっくいがある。し
っくいは調湿建材として古くから使用されているが、実
際は吸放湿量が少ない。そして、乾燥収縮によるクラッ
クを防止するために、厚くしたり、例えばすさ等の補強
繊維を多量に混入する必要がある。しかし、厚くすると
吸放湿量は増えるが透湿性が落ちるという問題があり、
調湿性能は上がらない。
【0003】このしっくいの調湿性を改善した材料とし
て、非晶質シリカを含む珪藻土を内添したしっくいや、
非晶質シリカを含む珪藻土を内添したセメント板がある
が、珪藻土がしっくいやセメントのアルカリ成分によっ
て変質し、本来珪藻土が持っている高い比表面積を低下
させてしまい、十分に調湿効果がでない。
【0004】建材としては、一般的に強度、寸法安定性
や不燃性が求められるが、前述の材料は重量がある割に
強度が低い。つまり比強度が低い。また、吸水による長
さ変化率が大きく、クラックが発生したり寸法安定性に
劣る。そして、クラック防止のために、すさ等を多量に
混入すると不燃性が下がる等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題を解決し、湿気の吸放湿量、透湿性に優れ、かつ
建材として使用できる十分な強度のある不燃性調湿建材
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の調湿建材は、主
成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカである成形体から
なる調湿建材において、窒素ガス吸着法によるその比表
面積が80〜250m 2 /g、平均細孔直径が1.5〜
30.0nmであることを特徴とする。
【0007】人間が快適に生活していくための相対湿度
条件は、一般に40〜70%の間がよいといわれてい
る。室内湿度をその間に保つためには、その範囲におい
てすぐれた調湿能力を発揮する調湿建材が適している。
また、調湿材とは、表面物理の観点からみた場合、高湿
度雰囲気では材料が持つ毛細管により空気中の水蒸気を
凝縮液化し、低湿度雰囲気では凝縮された水分を空気中
に気化する能力が高い材料であるといえる。
【0008】では実際にどのような材料が優れた調湿建
材となり得るかについて鋭意研究した結果、発明者ら
は、主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカである成形
体においては、平均細孔直径及び比表面積が調湿性能に
大きく影響することを見い出した。また、調湿性能のパ
ラメーターとしては、吸放湿量のみでは十分でなく、周
囲の湿度変化に対する応答性も重要なファクターであ
る。その因子は湿気伝導率で評価できる。湿気伝導率が
高い材料は、湿度変化に対するレスポンスが速く、調湿
建材としては好ましい。ただし、湿気伝導率が高すぎる
材料は一般に連続した空隙が多く、密度が低くなるた
め、吸放湿量および強度が低くなるものが多い。
【0009】本発明の調湿建材は、湿気伝導率が8ng
/(m・s・Pa)以上あり湿度変化に対するレスポン
スが良い。図1に本発明の細孔径分布の例を示すが、平
均細孔径の両側にそれぞれピークを持つことが特徴であ
り、平均より小さい細孔径が比表面積を大きくし、大き
な細孔径が湿気伝導率を大きくする働きがあり、その相
乗効果で高い調湿性が得られる。
【0010】また、実際の湿度変化雰囲気での評価とし
て、25℃の一定温度条件で湿度70%、30%を24
時間づつ保持する48時間1サイクルの試験を行い、材
料の重量変化を測定し、単位面積当たりの吸放湿量を測
定したところ、単位面積当たり80g/m2以上あり吸
放湿量が大きい。
【0011】例えば0.3m幅×0.6m長さ×0.0
06m厚さの建材で、0.3m幅を片持ちはりとした場
合の最大引っ張り応力から計算すると、曲げ強度(kg
/m 2)/かさ密度(kg/m3)で算出される比強度が
約180m-1必要であるが、この調湿建材はそれ以上の
比強度を有するため強度的にも十分である。なお、望ま
しいかさ密度は500〜2000kg/m3程度であ
る。
【0012】そして、そのような特性を得るためには、
成形体組成を炭酸カルシウムが15%〜65%、非晶質
シリカが15%〜45%、および骨材と多孔質材の両方
またはどちらか一方とすれば良い。また、炭酸カルシウ
ム中にはバテライトが含まれていることを特徴とする。
これらの組成により、全体として数nmの微細孔を持つ
比表面積の非常に大きな材料となる。
【0013】なお、前記成形体には骨材と多孔質材の両
方またはどちらか一方が60%以下含むことができ、多
孔質材が60%以下であれば、十分な比強度を保ちなが
ら調湿性能をあげることができる。
【0014】また、骨材が60%以下かつ骨材の平均粒
径を10μm以上とすることにより、JIS A 54
30に示される、吸水による長さ変化率を0.25%以
下とすることができ、寸法安定性にも優れた特徴を持つ
こともできる。吸水による長さ変化率はJIS A 5
430に示されるように0.25%以下が望ましいとい
えるからである。ここで骨材には、珪石粉末、長石粉
末、雲母、人工軽量骨材等を用いることができ、また、
多孔質材には、アルミナ珪酸塩類を含むものや軽石やバ
ルン状充填材等を用いることができる。
【0015】また、主成分の炭酸カルシウムを700℃
以上の高温で加熱すると、吸熱反応を起こし二酸化炭素
と酸化カルシウムに解離する。そのため不燃性に優れた
建材でもある。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の調湿建材の出発原料とし
て、石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を用い、それを任
意のカルシウムとシリカ成分のモル比率(CaO/Si
2)となるように調整する。過剰なSiO2は後述のオ
ートクレーブ内で反応せず骨材として残る。残った骨材
の平均直径は10μm〜3mmが望ましい。ただし、別
途骨材と多孔質材の両方またはどちらか一方を必要に応
じて60%以下混入しても良い。
【0017】混入できる骨材は例えば珪石粉末、長石粉
末、雲母、人工軽量骨材などがあり、その場合の平均粒
径も10μm〜3mmが望ましい。多孔質材は例えばア
ルミナ珪酸塩類を含むものや軽石やバルン状充填材等が
ある。
【0018】なお、骨材と多孔質材の添加は、オートク
レーブ処理前または、後述する加圧成形前でも良い。そ
れをオートクレーブで、珪酸カルシウム系の水和物、例
えば180℃ではその主成分がトバモライトであり、余
剰な珪酸質原料が骨材となる粉末が合成できる。これ
を、プレス機を使用して板状に加圧成形を行う。加圧力
は5〜30MPaが望ましい。なお、加圧成形を行う前
に、0.1〜5.0%の補強繊維や0.01〜5%の無
機顔料を混入しても良い。
【0019】次に、これを炭酸ガスを使用して密閉容器
内で反応硬化させる。反応条件は、温度が0〜100
℃、炭酸ガス濃度が2〜100%が工業的には好ましい
が、例えば燃焼時に発生する排気ガス中の炭酸ガス等も
使用できる。炭酸化反応により、トバモライト中のカル
シウム成分が炭酸カルシウムとなり抜けだし、細孔を多
数有する非晶質シリカができる。また、炭酸カルシウム
は、その主成分がカルサイトだけではなく、微細なバテ
ライトも生成する。これらの生成物により数nmの微細
孔を持つ表面積の非常に大きな材料となる。
【0020】なお、製造にはトバモライトの他に、ゾノ
トライトやCSH等の珪酸カルシウム系の水和物または
それらを主成分とする廃材が使用できる。また、この材
料は十分な比強度をもつため調湿性のある建材として利
用できる。そして、前記の主成分の比率は炭酸カルシウ
ムが15%〜65%、非晶質シリカが15%〜45%で
あることが望ましい。また、骨材と多孔質材の両方また
はどちらか一方が60%以下含まれ、骨材の平均粒径が
10μm以上であることが望ましい。
【0021】
【実施例1】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiO2が0.25となるように粉体を調整し
た。それをオートクレーブで、180℃の温度条件で4
時間トバモライトの合成を行った。できた粉体を、プレ
ス成型機を用いて成形圧力を20MPaで、300mm
×300mm×12mm厚さの板を成形した。
【0022】それを前記の方法で市販の炭酸ガスを使用
し、炭酸硬化させることにより、炭酸カルシウムが29
%、非晶質シリカが21%、骨材が49%である調湿建
材を製造した。成分の分析は、炭酸カルシウムは、試料
を6Nの塩酸で溶解して、発生する炭酸ガス量から計算
した。非晶質シリカは、2Nの水酸化ナトリウムで溶解
した量から計算した。
【0023】骨材は、まず、試料を6Nの塩酸で溶解し
た後、溶解液をろ過し温水で十分洗浄する。次に、ろ紙
上に残ったものを2Nの水酸化ナトリウムで溶解し、塩
酸で中和した後ろ過し温水で十分洗浄する。最後にろ紙
上に残ったものが骨材であるのでこれを定量した。な
お、骨材の平均粒径は、SALD−2000粒度分布測
定装置(島津製)を用いて粒度分布を測定し、平均粒径
を求めた。これにより、骨材の平均粒径が68μmと求
められた。次に比表面積と平均細孔直径を窒素吸着法、
具体的には、マイクロメリテックス アサップ 240
0(島津社)を用い測定したところ、比表面積は92m
2/gで、平均細孔直径は9.5nmであった。
【0024】次にJIS A1324に準ずる方法によ
り、湿気伝導率を測定したところ、10.4ng/(m
・s・Pa)であった。次に吸放湿量を測定するため
に、一定温度の元で湿度変化を一定間隔で繰り返す試験
を以下の通り行った。まず材料を、300mm角面を1
面だけ調湿作用するように、他の5面をアルミニウムシ
ールで防湿処理を行った。これを環境試験器内で25℃
の一定温度で、湿度を30%に保ち試験体重量変動がな
くなるまで放置した。
【0025】次に湿度を70%へ変更し24時間保持し
湿度上昇時の吸湿による重量変化を測定し、その後30
%へ変更し24時間保持し湿度低下による放湿時の重量
変化を測定する48時間1サイクルの試験を行い、試験
体の単位面積当たりの吸放湿量を測定した。なお、吸放
湿量は次の式で求めた。
【0026】吸放湿量=((吸湿時の重量変化+放湿時
の重量変化)/2)/試験体面積
【0027】その結果、123g/m2であった。次に
材料を100mm×25mm×12mm(厚さ)に加工
し、そのかさ密度と曲げ強度を測定し、比強度を算出し
たところ、532m-1であった。最後にJIS A 5
430に準ずる方法で、吸水による長さ変化率を測定し
たところ、0.14%であった。
【0028】以上の結果を表1に示す。図1にの細孔径
の分布図を示すが、平均細孔径9.5nmの両側にそれ
ぞれピークを持つことが特徴であり、平均より小さい細
孔径が比表面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率
を大きくする働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が
得られた。
【0029】
【表1】
【0030】
【実施例2】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiO2が0.4となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが40%、非晶質シリカが29%、骨材が2
9%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す
方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0031】
【実施例3】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiO2が0.6となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが50%、非晶質シリカが36%、骨材が1
2%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す
方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0032】
【実施例4】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiO2が0.8となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが57%、非晶質シリカが41%、骨材が1
%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す方
法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0033】
【実施例5】実施例4と同じ石灰質原料粉末と珪酸質原
料粉末を使い、CaO/SiO2が0.8となるように
粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、平均粒
径が8μmである珪石微粉末を14重量部ミキサーで混
合した。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、
炭酸カルシウムが50%、非晶質シリカが36%、骨材
が12%である調湿建材を製造した。それを実施例1に
示す方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示
す。
【0034】
【実施例6】実施例1と同じ石灰質原料粉末と珪酸質原
料粉末を使い、CaO/SiO2が0.25となるよう
に粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、多孔
質材粉末として粒径が74μm以下である粘土を30重
量部ミキサーで混合した。これを実施例1に示す手順で
炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが22%、非晶質シリ
カが16%、骨材が37%、多孔質材が23%である調
湿建材を製造した。それを実施例1に示す方法で各種の
測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0035】
【実施例7】実施例4と同じ石灰質原料粉末と珪酸質原
料粉末を使い、CaO/SiO2が0.8となるように
粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、多孔質
材粉末として粒径が74μm以下である粘土を140重
量部ミキサーで混合した。これを実施例1に示す手順で
炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが23%、非晶質シリ
カが17%、骨材が0.4%、多孔質材が58%である
調湿建材を製造した。それを実施例1に示す方法で各種
の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0036】実施例1から実施例7において、比表面積
が80〜250m2 /g、平均細孔直径が1.5〜3
0.0nmとなるため、湿気伝導率が10.0ng/
(m・s・Pa)以上あり、吸放湿量が80g/m2
上となり調湿性能が高く、比強度も180m-1以上を満
足する十分な強度がある調湿建材が得られた。また、骨
材の平均粒径を10μm以上とすることにより、吸水に
よる長さ変化率0.25%以下を満足した。
【0037】
【比較例1】水酸化カルシウム7kgと珪藻土3kgに
対し、水を5.5kg、つのまたを0.3kg加え混練
した。それを型枠に入れ、300mm×300mm×1
2mm(厚さ)、100mm×25mm×12mm(厚
さ)の試験体に加工した。それぞれの試験体を4週間硬
化させ、実施例1に示す方法で各種の測定を行った。
【0038】結果は比表面積が75m2 /gと小さく、
平均細孔直径も1.4nmと小さいため、湿気伝導率は
7.3ng/(m・s・Pa)と小さく、吸放湿量も3
8g/m2 と低く調湿性能に劣った。また比強度も55
-1と小さかった。また、骨材の平均粒径が9μmと小
さいため、吸水による長さ変化率も0.4%と大きく調
湿建材としては使用しにくいことが分かった。以上の結
果を表1に示す。
【0039】
【比較例2】ポルトランドセメント7kgと珪藻土3k
gに対し、水を6.5kg加え混練した。それを型枠に
入れ、300mm×300mm×12mm(厚さ)、1
00mm×25mm×12mm(厚さ)の試験体に加工
した。それぞれの試験体を4週間硬化させ、実施例1に
示す方法で各種の測定を行った。
【0040】結果は比表面積が60m2 /gと小さく、
平均細孔直径も1.3nmと小さかった。また、湿気伝
導率は17.5ng/(m・s・Pa)と大きかった
が、吸放湿量が27g/m2と低く調湿性能に劣った。
また比強度は425m-1と十分高いが、骨材の平均粒径
が8μmと小さかったため、乾燥時にクラックが入って
しまうほど収縮が大きく、吸水による長さ変化率が測定
できなかった。つまり、調湿建材としては使用しにくい
ことが分かった。以上の結果を表1に示す。
【0041】
【発明の効果】上述のように、本発明により、優れた調
湿性を持ち、強度も十分ある不燃性に優れた調湿建材が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における細孔径分布を示すグ
ラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月26日(1999.11.
26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】例えば0.3m幅×0.6m長さ×0.0
06m厚さの建材で、0.3m幅を片持ちはりとした場
合の最大引っ張り応力から計算すると、曲げ強度(kg
/m 2)/かさ密度(kg/m3)で算出される比強度が
約180必要であるが、この調湿建材はそれ以上の比
強度を有するため強度的にも十分である。なお、望まし
いかさ密度は500〜2000kg/m3程度である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】その結果、123g/m2であった。次に
材料を100mm×25mm×12mm(厚さ)に加工
し、そのかさ密度と曲げ強度を測定し、比強度を算出し
たところ、532であった。最後にJIS A 54
30に準ずる方法で、吸水による長さ変化率を測定した
ところ、0.14%であった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】以上の結果を表1に示す。図1に細孔径の
分布図を示すが、平均細孔径9.5nmの両側にそれぞ
れピークを持つことが特徴であり、平均より小さい細孔
径が比表面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率を
大きくする働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が得
られた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】実施例1から実施例7において、比表面積
が80〜250m2/g、平均細孔直径が1.5〜3
0.0nmとなるため、湿気伝導率が10.0ng/
(m・s・Pa)以上あり、吸放湿量が80g/m2
上となり調湿性能が高く、比強度も180以上を満足
する十分な強度がある調湿建材が得られた。また、骨材
の平均粒径を10μm以上とすることにより、吸水によ
る長さ変化率0.25%以下を満足した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】結果は比表面積が75m2/gと小さく、
平均細孔直径も1.4nmと小さいため、湿気伝導率は
7.3ng/(m・s・Pa)と小さく、吸放湿量も3
8g/m2と低く調湿性能に劣った。また比強度も55
と小さかった。また、骨材の平均粒径が9μmと小さ
いため、吸水による長さ変化率も0.4%と大きく調湿
建材としては使用しにくいことが分かった。以上の結果
を表1に示す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】結果は比表面積が60m2/gと小さく、
平均細孔直径も1.3nmと小さかった。また、湿気伝
導率は17.5ng/(m・s・Pa)と大きかった
が、吸放湿量が27g/m2と低く調湿性能に劣った。
また比強度は425と十分高いが、骨材の平均粒径が
8μmと小さかったため、乾燥時にクラックが入ってし
まうほど収縮が大きく、吸水による長さ変化率が測定で
きなかった。つまり、調湿建材としては使用しにくいこ
とが分かった。以上の結果を表1に示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の調湿建材は、
酸硬化反応によって製造された成形体であって、主成分
が炭酸カルシウムと非晶質シリカからなる調湿建材にお
いて、窒素ガス吸着法によるその比表面積が80〜25
0m2 /g、平均細孔直径が1.5〜30.0nmであ
ることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】では実際にどのような材料が優れた調湿建
材となり得るかについて鋭意研究した結果、発明者ら
は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であって主
成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカからなるものにお
いては、平均細孔直径及び比表面積が調湿性能に大きく
影響することを見い出した。また、調湿性能のパラメー
ターとしては、吸放湿量のみでは十分でなく、周囲の湿
度変化に対する応答性も重要なファクターである。その
因子は湿気伝導率で評価できる。湿気伝導率が高い材料
は、湿度変化に対するレスポンスが速く、調湿建材とし
ては好ましい。ただし、湿気伝導率が高すぎる材料は一
般に連続した空隙が多く、密度が低くなるため、吸放湿
量および強度が低くなるものが多い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井須 紀文 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材テクノ研究所内 (72)発明者 寺村 敏史 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材テクノ研究所内 Fターム(参考) 2E001 DB03 DB04 DE01 GA86 HA10 HA22 4D052 AA00 AA08 CA02 FA01 GA03 GA04 GB00 GB02 GB03 GB12 GB13 GB14 GB17 HA00 HA01 HA05 HB02 4G012 PA03 PA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカで
    ある成形体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法
    によるその比表面積が80〜250m2 /g、平均細孔
    直径が1.5〜30.0nmであることを特徴とする調
    湿建材。
  2. 【請求項2】前記成形体中に炭酸カルシウムが15%〜
    65%、非晶質シリカが15%〜45%、および骨材と
    多孔質材の両方またはどちらか一方が含まれる請求項1
    記載の調湿建材。
  3. 【請求項3】前記炭酸カルシウムにはバテライトが含ま
    れる請求項1又は2記載の調湿建材。
  4. 【請求項4】前記骨材と多孔質材の両方またはどちらか
    一方が60%以下含まれる請求項2記載の調湿建材。
  5. 【請求項5】前記骨材の平均粒径が10μm以上である
    請求項2又は4記載の調湿建材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003307011A (ja) * 2002-04-18 2003-10-31 Hokkaido Technology Licence Office Co Ltd 建築物の内装材及びその製造方法
JP2005187324A (ja) * 2003-01-15 2005-07-14 Sekisui Chem Co Ltd 炭酸化硬化体
JP2006075717A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Nippon Steel Corp 炭酸ガスの利用方法

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