JP2003307011A - 建築物の内装材及びその製造方法 - Google Patents
建築物の内装材及びその製造方法Info
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Abstract
機能を有する建築物の内装材を提供する。 【解決手段】 本発明に係る建築物の内装材は、ライム
ケーキを含有し、調湿機能を有する。本発明に係る建築
物の内装材は、より好ましくは、ライムケーキを含有
し、0.87重量%〜1.3重量%の調湿機能を有す
る。さらに、本発明に係る建築物の内装材は、ライムケ
ーキを造粒し、ライムケーキを固化体にし、ライムケー
キを石膏ボードに添加し、又は、ライムケーキを発泡コ
ンクリートに添加したものである。
Description
関する。さらに、本発明は、建築物の内装材の製造方法
に関する。
イムケーキは、北海道内の8工場から年間28万トン排
出されており、その再資源化が求められている。ライム
ケーキは、主成分として炭酸カルシウムを含有し、さら
に、P2O5、K2O、有機物(窒素化合物)をも含有し
ている。このライムケーキの有効利用が、従来より種々
考えられている。
のため、弱酸性の畑に散布することが行われている。そ
して、畑に散布する場合におけるライムケーキの取扱性
を改善するために、ライムケーキを粒状化することが考
えられている。このような、ライムケーキを粒状化する
ためのものとして、日本国特許出願公告公報(特公)平
2−49773号公報(以下、「文献1」ともいう)に
は、てん菜製糖工場から廃出されるライムケーキを脱水
し、ステフエン廃水濃縮液を含む造粒剤とライムケーキ
とを、25〜70kg/cm2の高圧力下でのねつ和工
程を経た後押出造粒成形し、該造粒成形の後乾燥するこ
とを特徴とするライムケーキの造粒法が掲載されてい
る。また、日本国特許公報特許第3116024号公報
(以下、「文献2」ともいう)には、製糖工場から廃出
されるライムケーキを押出し成形する押出し造粒成形工
程と、造粒体を乾燥せしめる乾燥工程を順次経ることを
特徴とするライムケーキの造粒法が掲載されている。
灰を得ることも考えられている。生石灰は、農業用とし
ては造粒品よりもアルカリ分が高い肥料として用いら
れ、工業用としては土質安定剤として用いられる。この
ようにライムケーキから生石灰を得るものとして、文献
2には、製糖工場から廃出されるライムケーキを押出し
成形する押出し造粒成形工程と、造粒体を乾燥せしめる
乾燥工程と、乾燥造粒体を焼成する焼成工程を順次経る
ことを特徴とするライムケーキの焼成法が掲載されてい
る。
で銑鉄に溶製する粉鉱石を予め焼結鉱やペレット鉱に製
造する場合に使用される石灰石の代わりとして用いるこ
とも考えられている。ライムケーキを、高炉で銑鉄に溶
製する粉鉱石を予め焼結鉱やペレット鉱に製造する場合
に使用される石灰石の代わりとして用いるものとして、
日本国特許出願公開公報(特開)平5−263155号
公報(以下、「文献3」ともいう)には、ブレンド鉱な
どを用いて高炉原料としての焼結鉱を製造する方法にお
いて、製糖工場から廃棄されるライムケーキに、該ライ
ムケーキの重量の100倍までの水を加え、スラリー状
としたライムケーキスラリーとする工程と、ブレンド鉱
などの焼結鉱原料に、10重量%以下のライムケーキス
ラリーを加えて、塊状体に混練する工程と、その塊状体
を、1,400℃程度までの温度で焼成する工程と、そ
の焼成された塊状体を、その後に冷却する工程と、を具
備することを特徴とするライムケーキを使用した高炉原
料としての焼結鉱の製造法等が掲載されている。
精錬における塊状または粉状の石灰系フラックスの製造
に用いることも考えられている。ライムケーキを金属精
錬における塊状または粉状の石灰系フラックスの製造に
用いるものとして、特開平6−157084号公報(以
下、「文献4」ともいう)には、転炉や電気炉などの金
属精錬炉における溶湯内に供給し、溶融金属中の硫黄分
や燐酸分などと反応させて金属スラグ生成の促進を図る
ために使用される石灰系フラックスの製造法において、
ふっ化カルシウムを1mm径以下の大きさに粉砕する工
程と、炭酸カルシウムを1mm径以下の大きさに粉砕す
る工程と、粉砕された炭酸カルシウムに、粉砕されたふ
っ化カルシウムを5重量%ないし60重量%混合して、
5mmないし20mmに造粒する工程と、その造粒物を
900℃ないし1,000℃で假焼する工程と、を含む
ことを特徴とする金属精錬における塊状石灰系フラック
スの製造方法が掲載されており、さらに、炭酸カルシウ
ムとして、製糖工業における炭酸石灰清浄法によって処
理された後のライムケーキが使用されることを特徴とす
る金属精錬における塊状石灰系フラックスの製造方法が
掲載されている。
下、「文献5」ともいう)には、転炉や電気炉などの金
属精錬炉における溶湯内に供給し、溶融金属中の硫黄分
や燐酸分などと反応させて金属スラグ生成の促進を図る
ために使用される石灰系フラックスの製造法において、
炭酸カルシウムを1mm径以下の大きさに粉砕する工程
と、微細な水酸化カルシウムに、粉砕された炭酸カルシ
ウムを5重量%ないし40重量%混合して、5mmない
し20mm程度に造粒する工程と、その造粒物を700
℃ないし1,000℃で假焼する工程と、を含み、圧縮
強度の高い造粒生石灰を生成することを特徴とする金属
精錬用の塊状石灰系フラックスの製造方法が掲載されて
おり、さらに、炭酸カルシウムとして、製糖工業におけ
る炭酸石灰清浄法によって処理された後のライムケーキ
が使用されることを特徴とする金属精錬用の塊状石灰系
フラックスの製造方法が掲載されている。
クリート代替材として用いることも考えられている。ラ
イムケーキをコンクリート代替材として用いるものとし
て、特開2000−335948号公報(以下、「文献
6」ともいう)には、ライムケーキ45〜10体積%、
火山レキ55〜90体積%の混合物1m3に対してセメ
ントを300Kg/m3加え、所要の水分率に調製し、
撹拌、 転圧し、外気養生したコンクリート代替材が掲
載されている。
ーキの利用が考えられているが、これらは全てライムケ
ーキのバルク(炭酸カルシウム)の特性のみに着目して
おり、ライムケーキの形状、表面性質に着目した利用は
全く無かった。
開発されてきている。このような調湿機能を有する建材
が、寺村の論文「炭酸硬化技術を利用して製造した調湿
建材」セラミックス 36(2001)No.12 9
49頁〜951頁(以下、「文献7」ともいう)、福水
の論文「エネルギーを使わずに湿度を調節する−調湿建
材−」セラミックス 37(2002)No.1 6頁
〜9頁(以下、「文献8」ともいう)、大橋等の論文
「Ti含有メソポーラスシリカの水蒸気吸着特性」Jo
urnal of the Ceramic Soci
ety of Japan 107
9(1999)(以下、「文献9」ともいう)に掲載さ
れている。
は、ケイ酸カルシウムを炭酸化することにより硬化させ
たものであり、ライムケーキを有効利用するものではな
い。また、文献8に掲載された建材は、鹿沼土、陶磁器
用として一般に使用される粘土、及び、廃ガラスを主要
原料として、約900℃で焼成したものであり、ライム
ケーキを有効利用するものではない。また、文献9に掲
載された建材は、メソポーラスシリカに、異種金属とし
てTi(チタン)を導入したものであり、ライムケーキ
を有効利用するものではない。
み、本発明は、ライムケーキの形状、表面性質に着目
し、ライムケーキを有効利用するとともに、調湿機能を
有する建築物の内装材を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、そのような建築物の内装材の製造方法を
提供することを更なる目的とする。
め、本発明の第1の観点に係る建築物の内装材は、ライ
ムケーキを含有し、調湿機能を有することを特徴とす
る。
調湿機能を有することとしても良いし、ライムケーキを
造粒したものであっても良いし、ライムケーキを固化体
にしたものであっても良い。また、ライムケーキを石膏
ボードに添加したものであっても良いし、ライムケーキ
を発泡コンクリートに添加したものであっても良い。
の第1の観点に係る建築物の内装材の製造方法は、ライ
ムケーキに貝殻粉末を混合することにより、第1の混合
物を得る工程(a)と、第1の混合物と助剤とを混合す
ることにより、第2の混合物を得る工程(b)と、第2
の混合物に水を加えることにより、第3の混合物を得る
工程(c)と、第3の混合物を加圧成形することによ
り、第1の成形体を得る工程(d)と、第1の成形体に
熱処理を施す工程(e)とを具備する。
常圧のCO2−H2O気流中において、100℃、20時
間の熱処理を施すこととしても良い。
内装材の製造方法は、ライムケーキに貝殻粉末を混合す
ることにより、第1の混合物を得る工程(a)と、第1
の混合物と助剤とを混合することにより、第2の混合物
を得る工程(b)と、第2の混合物に水を加えることに
より、第3の混合物を得る工程(c)と、第3の混合物
を加圧成形することにより、第1の成形体を得る工程
(d)と、第1の成形体に炭酸ガス処理を施すことによ
り、第2の成形体を得る工程(e)と、第2の成形体に
乾燥処理を施す工程(f)とを具備する。
常温、20kg/cm2の圧力下で炭酸ガス処理を施す
こととしても良い。また、工程(f)が、第2の成形体
に、150℃で6時間の乾燥処理を施すこととしても良
い。
建築物の内装材の製造方法において、工程(a)が、ラ
イムケーキに、ライムケーキと等重量の貝殻粉末を混合
することとしても良いし、工程(b)が、第1の混合物
と第1の混合物の20重量%の助剤とを混合することと
しても良い。さらに、助剤が、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)、SiCaO3、Al2(SO4)3、NH4H
2PO4、CH3COOH、(NH4)2SO4、又は、Ca
3(PO4)2であることとしても良い。また、工程
(d)が、第3の混合物を、130kg/cm2の圧力
下で5分間加圧成形することとしても良い。
内装材は、本発明の第1及び第2の観点に係る建築物の
内装材の製造方法によって製造されたものであることを
特徴とする。
調湿機能を有することとしても良い。
するとともに、調湿機能を有する建築物の内装材を提供
することができる。
説明する。図1は、レーザ回折法により測定した、ライ
ムケーキの粒子径分布を示す図である。また、図2
(a)及び(b)は、走査型電子顕微鏡を用いて撮影し
たライムケーキの写真である。
定したライムケーキの粒子径の平均は、10μm程度で
ある。しかしながら、図2(a)及び(b)に示すよう
に、電子顕微鏡による観察から、ライムケーキの一次粒
子径は10μmより小さく、ライムケーキはサブミクロ
ンオーダーの超微粒子の集合体であることが判明した。
このことは、ライムケーキの一次粒子間の空隙が細孔を
形成しており、ライムケーキ固化体が多孔体であること
を示唆している。
する。本実施例は、ライムケーキを回転円盤型造粒装置
によって造粒し、粒状にしたものである。図3は、本実
施例の細孔分布を示す図である。図3に示すように、本
実施例の細孔半径は、20×10-10m(20オングス
トローム)〜25×10-10m(25オングストロー
ム)程度である。従って、本実施例の細孔直径は、40
×10-10m(40オングストローム)〜50×10-10
m(50オングストローム)程度である。
関係は、Kelvinの式 r=−(2Vγcosθ)/RTln(P/P0) …(1) で表される。ここで、Vは液体のモル体積、γは表面張
力、θは液体の毛細管壁との接触角、rは細孔半径、R
は気体定数、Tは絶対温度である。一般に、快適な住環
境を維持するための相対湿度範囲は、50〜70%程度
とされている。このような相対湿度範囲で水蒸気を吸脱
着する細孔直径は、(1)式を用いて算出すると、約3
0×10-10m(30オングストローム)程度となる。
このことは、本実施例が調湿機能を有することを示して
いる。
吸着等温線を示す図である。図4に示すように、本実施
例の水蒸気吸着量は、相対湿度40%付近から大きく立
ち上がる。図12は、一般的珪藻土(秋田珪藻土、石川
珪藻土、岡山珪藻土、及び、大分珪藻土)、及び稚内層
珪藻頁岩の水蒸気吸着等温線を示す図である。図4と図
12を比較すると、本実施例の水蒸気吸着量は、一般的
珪藻土及び稚内層珪藻頁岩の水蒸気吸着量に遜色ないこ
とがわかる。
4時間毎に変化させた場合における、本実施例の水蒸気
吸脱着特性を示す図である。図5に示すように、本実施
例が吸脱着する水蒸気量は、試料重量の1.3重量%で
あった。この結果から、本実施例で長手方向の長さ18
0cm、短手方向の長さ90cm、厚さ8mmの建材ボ
ード(以下、「第1の建材ボード」という)を作製した
場合に、第1の建材ボードが吸脱着する水蒸気量は、本
実施例の密度が1.66g/cm2であることから、 180(cm)×90(cm)×0.8(cm) ×1.66(g/cm2)×0.01(重量比)=215(g) …(2) となる。従って、第1の建材ボードは、およそ牛乳瓶1
本分の調湿能力を有することとなる。
する。本実施例は、ライムケーキに以下の工程を施すこ
とにより、固化体にしたものである。なお、ライムケー
キに以下の工程を施す理由は、主に強度を高くするため
である。まず、ライムケーキに、ライムケーキと等重量
の貝殻粉末(200mesh以下)を混合する。以下、
これにより得られた混合物を「第1の混合物」という。
混合物の20重量%の助剤(ここでは、水酸化カルシウ
ム)を、めのう乳鉢でよく混合する。以下、これにより
得られた混合物を「第2の混合物」という。次に、第2
の混合物に少量の蒸留水を加え、直径10mm、高さ1
0mmの円柱状の錠剤を成形するための錠剤成形器を用
いて、130kg/cm2の圧力下で5分間加圧成形す
る。以下、これにより得られた成形体を「第1の成形
体」という。
て、常圧のCO2−H2O気流中(50ml(Gas)/
min、0.077ml(Liq.)/min)におい
て、100℃、20時間の熱処理を施す。以上の工程に
よって作製された本実施例の圧縮破壊強度は、178
4.8103N/cm2(182kgf/cm2)であっ
た。
る。図6に示すように、本実施例の細孔半径は、20×
10-10m(20オングストローム)〜25×10-10m
(25オングストローム)程度である。従って、本実施
例の細孔直径は、40×10 -10m(40オングストロ
ーム)〜50×10-10m(50オングストローム)程
度である。このことは、本実施例が調湿機能を有するこ
とを示している。
ルシウム(Ca(OH)2)を用いることとしている
が、SiCaO3、Al2(SO4)3、NH4H2PO4、
CH3COOH、(NH4)2SO4、又は、Ca3(P
O4)2を用いることとしても良い。助剤として水酸化カ
ルシウム(Ca(OH)2)を用いた場合に、最も強度
が高くなった。これは、Ca(OH)2がCO2と反応し
て炭酸化され生成されたCaCO3が、主成分の貝殻や
ライムケーキの一部と結合して、硬化したものと考えら
れる。
(OH)2)を多く添加するほど強度が増大することも
わかった。また、貝殻の粒径が200mesh未満の貝
殻粉末を添加する方が、少量の助剤で高い強度となっ
た。
1:0、2:1、1:1、1:2、0:1に変化させた
場合の強度を調べた結果、1:1の場合に高い強度を示
した。
強度には影響はないが、400℃以上では強度の低下が
見られた。これは、ライムケーキに含まれる少量の有機
物が炭化したためと考えられ、400℃以上では黒色を
呈した。
する。本実施例は、ライムケーキに以下の工程を施すこ
とにより、固化体にしたものである。なお、ライムケー
キに以下の工程を施す理由は、主に強度を高くするため
である。まず、ライムケーキに、ライムケーキと等重量
の貝殻粉末(200mesh以下)を混合する。以下、
これにより得られた混合物を「第3の混合物」という。
混合物の20重量%の助剤(ここでは、水酸化カルシウ
ム)を、めのう乳鉢でよく混合する。以下、これにより
得られた混合物を「第4の混合物」という。次に、第4
の混合物に少量の蒸留水を加え、直径10mm、高さ1
0mmの円柱状の錠剤を成形するための錠剤成形器を用
いて、130kg/cm2の圧力下で5分間加圧成形す
る。以下、これにより得られた成形体を「第2の成形
体」という。
中で、常温、20kg/cm2の圧力下で炭酸ガス処理
を施す。以下、これにより得られた成形体を「第3の成
形体」という。その後、第3の成形体を、150℃で6
時間乾燥する。
圧縮破壊強度は、1176.798N/cm2(110
kgf/cm2)であった。
る。図7に示すように、本実施例の細孔半径は、20×
10-10m(20オングストローム)〜25×10-10m
(25オングストローム)程度である。従って、本実施
例の細孔直径は、40×10 -10m(40オングストロ
ーム)〜50×10-10m(50オングストローム)程
度である。このことは、本実施例が調湿機能を有するこ
とを示している。
吸着等温線を示す図である。図8と図12を比較する
と、本実施例の水蒸気吸着量は、一般的珪藻土及び稚内
層珪藻頁岩の水蒸気吸着量に遜色ないことがわかる。
4時間毎に変化させた場合における、本実施例の水蒸気
吸脱着特性を示す図である。図9に示すように、本実施
例が吸脱着する水蒸気量は、試料重量の0.87重量%
であった。この結果から、本実施例で長手方向の長さ1
80cm、短手方向の長さ90cm、厚さ8mmの建材
ボード(以下、「第2の建材ボード」という)を作製し
た場合に、第2の建材ボードが吸脱着する水蒸気量は、
本実施例の密度が1.66g/cm2であることから、 となる。従って、第2の建材ボードは、およそ牛乳瓶1
本分の調湿能力を有することとなる。
建材ボード(以下、「第3の建材ボード」という)を作
製したと仮定する。図10は、第3の建材ボード及び一
般的な調湿建材の水蒸気吸放出量を示す図である。
気吸着量(例えば、相対湿度50%の場合には、約1
%)は、鹿沼土又はゼオライト系調湿材と比較して1/
10程度である。しかしながら、第3の建材ボードの単
位体積あたりの水蒸気吸着量は、珪藻土系調湿材又はゼ
オライト系調湿材と同等、又は場合によっては高い調湿
能力を有する調湿材料になり得る。
ルシウム(Ca(OH)2)を用いることとしている
が、SiCaO3、Al2(SO4)3、NH4H2PO4、
CH3COOH、(NH4)2SO4、又は、Ca3(P
O4)2を用いることとしても良い。
(OH)2)を多く添加するほど強度が増大することも
わかった。また、貝殻の粒径が200mesh未満の貝
殻粉末を添加する方が、少量の助剤で高い強度となっ
た。
1:0、2:1、1:1、1:2、0:1に変化させた
場合の強度を調べた結果、1:1の場合に高い強度を示
した。
強度には影響はないが、400℃以上では強度の低下が
見られた。これは、ライムケーキに含まれる少量の有機
物が炭化したためと考えられ、400℃以上では黒色を
呈した。
11は、第1〜第3の実施例の細孔分布を示す図であ
る。なお、図11は、図3、図6、及び、図7を重ね合
わせたものと同等のものである。図11に示すように、
全細孔容積は、第3の実施例が最も大きく、次いで第2
の実施例が大きく、第1の実施例が最も小さい。しかし
ながら、調湿機能に影響を及ぼすメソ孔(30×10
-10m(30オングストローム)〜100×10-10m
(100オングストローム))の細孔容積は、第1の実
施例が最も大きく(2.4×10-2cm3/g)、次い
で第2の実施例が大きく(1.2×10-2cm3/
g)、第3の実施例が最も小さい(0.8×10- 2cm
3/g)。このことから、ライムケーキに助剤(ここで
は、水酸化カルシウム)を加えたり、高圧の炭酸ガス雰
囲気中でライムケーキ表面の溶解を促進させると、メソ
孔が減少することがわかる。また、比表面積は、第1の
実施例が最も大きく(32m2/g)、助剤を加えて硬
化させた第2及び第3の実施例は半分以下に減少(13
m2/gと、12m2/g)することもわかった。
キを造粒し、第2及び第3の実施例においてはライムケ
ーキを硬化させているが、ライムケーキを添加材料とし
て用いることとしても良い。例えば、ライムケーキの造
粒固化体を、石膏ボード、発泡コンクリートに添加する
こととしても良い。
まれる有機物は、悪臭の原因ともなっている。しかしな
がら、水蒸気雰囲気下150℃〜300℃で加熱処理し
たライムケーキは、悪臭を有さず、また、通常環境下で
1年以上放置してもカビが発生することなく非常に安定
している。さらに、ライムケーキに1%程度の塩基性硫
酸銅を添加すれば、より衛生的にすることができる。な
お、塩基性硫酸銅は、廃棄物から大量に回収されている
ものである。
ムケーキを有効利用するとともに、調湿機能を有する建
築物の内装材を提供することができる。
キの写真である。
る。
す図である。
化させた場合における、本発明の第1の実施例の水蒸気
吸脱着特性を示す図である。
る。
る。
す図である。
化させた場合における、本発明の第3の実施例の水蒸気
吸脱着特性を示す図である。
中湿域における吸放湿量を示す図である。
す図である。
藻頁岩の水蒸気吸着等温線を示す図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 ライムケーキを含有し、調湿機能を有す
ることを特徴とする、建築物の内装材。 - 【請求項2】 0.87重量%〜1.3重量%の調湿機
能を有することを特徴とする請求項1記載の建築物の内
装材。 - 【請求項3】 ライムケーキを造粒したものであること
を特徴とする請求項1又は2記載の建築物の内装材。 - 【請求項4】 ライムケーキを固化体にしたものである
ことを特徴とする請求項1又は2記載の建築物の内装
材。 - 【請求項5】 ライムケーキを石膏ボードに添加したも
のであることを特徴とする請求項1又は2記載の建築物
の内装材。 - 【請求項6】 ライムケーキを発泡コンクリートに添加
したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の
建築物の内装材。 - 【請求項7】 ライムケーキに貝殻粉末を混合すること
により、第1の混合物を得る工程(a)と、 前記第1の混合物と助剤とを混合することにより、第2
の混合物を得る工程(b)と、 前記第2の混合物に水を加えることにより、第3の混合
物を得る工程(c)と、 前記第3の混合物を加圧成形することにより、第1の成
形体を得る工程(d)と、 前記第1の成形体に熱処理を施す工程(e)と、を具備
する建築物の内装材の製造方法。 - 【請求項8】 工程(e)が、前記第1の成形体に、常
圧のCO2−H2O気流中において、100℃、20時間
の熱処理を施すことを特徴とする請求項7記載の建築物
の内装材の製造方法。 - 【請求項9】 ライムケーキに貝殻粉末を混合すること
により、第1の混合物を得る工程(a)と、 前記第1の混合物と助剤とを混合することにより、第2
の混合物を得る工程(b)と、 前記第2の混合物に水を加えることにより、第3の混合
物を得る工程(c)と、 前記第3の混合物を加圧成形することにより、第1の成
形体を得る工程(d)と、 前記第1の成形体に炭酸ガス処理を施すことにより、第
2の成形体を得る工程(e)と、 前記第2の成形体に乾燥処理を施す工程(f)と、を具
備する建築物の内装材の製造方法。 - 【請求項10】 工程(e)が、前記第1の成形体に、
常温、20kg/cm2の圧力下で炭酸ガス処理を施す
ことを特徴とする請求項9記載の建築物の内装材の製造
方法。 - 【請求項11】 工程(f)が、前記第2の成形体に、
150℃で6時間の乾燥処理を施すことを特徴とする請
求項9又は10記載の建築物の内装材の製造方法。 - 【請求項12】 工程(a)が、ライムケーキに、ライ
ムケーキと等重量の貝殻粉末を混合することを特徴とす
る請求項7〜11のいずれか1項に記載の建築物の内装
材の製造方法。 - 【請求項13】 工程(b)が、前記第1の混合物と前
記第1の混合物の20重量%の助剤とを混合することを
特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の建築
物の内装材の製造方法。 - 【請求項14】 前記助剤が、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2)、SiCaO3、Al2(SO4)3、NH4H
2PO4、CH3COOH、(NH4)2SO4、又は、Ca
3(PO4)2であることを特徴とする請求項7〜13の
いずれか1項に記載の建築物の内装材の製造方法。 - 【請求項15】 工程(d)が、前記第3の混合物を、
130kg/cm2の圧力下で5分間加圧成形すること
を特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に記載の建
築物の内装材の製造方法。 - 【請求項16】 請求項7〜15のいずれか1項に記載
の建築物の内装材の製造方法によって製造され、調湿機
能を有することを特徴とする建築物の内装材。 - 【請求項17】 0.87重量%〜1.3重量%の調湿
機能を有することを特徴とする請求項16記載の建築物
の内装材。
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