JP4859221B2 - 多孔質材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質材料の製造方法に関する。更に詳しくは、抗菌性、抗カビ性、あるいは消臭性を有する多孔質材料の製造方法に関する。
従来、抗菌性、抗カビ性、あるいは消臭性を有する多孔質材料がいろいろと開発されている。例えば、銀を担持させた活性炭や活性アルミナなどが開発されている。また、銀、銅、亜鉛等の金属を担持させたアルミノケイ酸塩やケイ酸カルシウムなどが開発されている(特許文献1参照)。
特開平1−286913号公報
しかし、上記した従来の多孔質材料は、吸着しようとする物質に適合する細孔径を有しているとは限らないために、抗菌性、抗カビ性、あるいは消臭性を十分に発揮しない場合があるので問題であった。
一般に、多孔質材料によって物質を吸着しようとする場合、その物質(あるいはその分子)の10倍程度の細孔径が最も効率的であると言われている。しかし、吸着しようとする物質の大きさはまちまちであるために、複数種類の物質を効率的に吸収することはできない。例えば、市販の脱臭炭の多くは、気相吸着性能の優れたミクロ孔(細孔直径2nm以下)中心の細孔分布を持ち、高い消臭性能を示すが、カビ臭の素である2-MIBやジェオスミンといった分子量の大きな物質の吸着性能は高くなく、カビ臭の消臭には不向きである。そこで、多孔質材料の細孔径を、吸着しようとする物質の大きさに適合させることが考えられるが、多孔質材料の細孔径分布を制御することは困難であった。
そこで、本発明は、多孔質材料の細孔径分布を制御することが可能な多孔質材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ケイ酸カルシウムを含有する原料粉末を炭酸化処理して炭酸カルシウム及び非晶質シリカを含有する多孔質材料を製造する過程において、前記原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの種類を変化させることによって、最終的に得られる多孔質材料の細孔径分布を制御することが可能であることを発見し、以下の(1)〜(5)に係る発明を完成させた。
(1)以下の(a)〜(c)の工程を有する多孔質材料の製造方法。
(a)ケイ酸カルシウムを含有する原料粉末に金属イオンを接触させることによって、前記ケイ酸カルシウムに含まれるカルシウムイオンの少なくとも一部を前記金属イオンによって置換するイオン交換工程。
(b)前記イオン交換工程後の原料粉末に炭酸ガスを接触させることによって、前記原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの少なくとも一部を炭酸カルシウム及び非晶質シリカに変化させる炭酸化処理工程。
(c)前記原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムとして低結晶質ケイ酸カルシウム水和物あるいはトバモライトを選択的に用いることによって、最終的に得られる多孔質材料の細孔径分布を制御する細孔径分布制御工程。
(2)上記(1)に記載の多孔質材料の製造方法であって、
前記細孔径分布制御工程では、前記原料粉末に含まれる低結晶質ケイ酸カルシウム水和物の量を変化させる、多孔質材料の製造方法。
(3)上記(1)に記載の多孔質材料の製造方法であって、
前記細孔径分布制御工程では、前記原料粉末に含まれるトバモライトの量を変化させる、多孔質材料の製造方法。
(4)上記(1)に記載の多孔質材料の製造方法であって、
前記細孔径分布制御工程では、前記原料粉末として、低結晶質ケイ酸カルシウム水和物粉末、トバモライト粉末、および軽量気泡コンクリート粉末のうちいずれか一種以上を選択して使用する、多孔質材料の製造方法。
(5)上記(1)から(4)のうちいずれかに記載の多孔質材料の製造方法であって、
前記金属イオンが、銀イオン、銅イオン、および亜鉛イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、多孔質材料の製造方法。
本発明によれば、多孔質材料の細孔径分布を制御することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
本発明は、抗菌性、抗カビ性、あるいは消臭性を有する多孔質材料の製造方法である。
本発明は、以下に説明する(a)イオン交換工程、(b)炭酸化処理工程、(c)細孔径分布制御工程、の3つの工程を有している。
(イオン交換工程)
まず、イオン交換工程について説明する。
イオン交換工程では、ケイ酸カルシウムを含有する原料粉末に金属イオンを接触させることによって、ケイ酸カルシウムに含まれるカルシウムイオンの少なくとも一部を金属イオンによって置換する。本工程において、ケイ酸カルシウムを含有する原料粉末としては、低結晶質ケイ酸カルシウム水和物粉末(CSH粉末)、トバモライト粉末、軽量気泡コンクリート粉末(ALC粉末)等を使用することができる。
(低結晶質ケイ酸カルシウム水和物粉末(CSH粉末))
低結晶質ケイ酸カルシウム水和物粉末とは、一般にCSHと呼ばれる低結晶質ケイ酸カルシウム水和物を粉砕して得られる粉末のことである。低結晶質ケイ酸カルシウム水和物は、セメントの水和反応やトバモライトの製造過程で得ることができるが、純度や生産性などを考えると、ポゾラン反応性を有するケイ酸質原料と石灰質原料とを混合した原料に水を加え、60〜95℃に加熱しながら混合する方法が好ましい。一般的には、ケイ酸質原料と石灰質原料とを混合した原料に水を加えた後に100℃未満で合成すれば、トバモライトは生成せず、高純度の低結晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)を得ることができる。
低結晶質ケイ酸カルシウム水和物の原料となるポゾラン反応性を有するケイ酸質原料としては、アエロジル、シリカヒューム、シラスバルーン、フライアッシュ、ガラス粉末、シリカゲル、ホワイトカーボン、パーライトなどを使用することができる。また、低結晶質ケイ酸カルシウム水和物の原料となる石灰質原料としては、試薬級消石灰、あるいは、JIS−R−9001に規定される工業用消石灰などを使用することができる。
(トバモライト粉末)
トバモライト粉末とは、純合成トバモライトを粉砕して得られる粉末のことである。ここでいう純合成トバモライトとは、軽量気泡コンクリートに含まれているトバモライトのことではなく、軽量気泡コンクリートの製造とは別に、トバモライトの合成を主目的とする工程で製造されたトバモライトのことである。純合成トバモライトには、トバモライト以外のものは殆ど含まれていない。
純合成トバモライトは、ケイ酸質原料と石灰質原料を混合した原料に水を加えてオートクレーブ養生することによって得ることができる。具体的には、例えば、微粉砕珪石と消石灰をCaO/SiOモル比が0.83になるように調製し、これに20倍の水を加え、183℃、1.01325MPa(10atmに調整した撹拌オートクレーブ(200r.p.m.)で水熱合成させて得ることができる。
純合成トバモライトは、できるだけ高純度で結晶性の高いものを得る目的で合成するため、用いる原料の種類や比率は、軽量気泡コンクリートの場合よりも限定される。ケイ酸質原料としては、SiOの純度90%以上、ブレーン比表面積5000cm/g以上の微粉砕珪石または珪砂を使用するのが好ましい。純合成トバモライトの原料となる石灰質原料としては、CaO純度の高さから、消石灰が好ましい。消石灰としては、試薬級消石灰、あるいはJIS−R−9001に規定される工業用消石灰などを使用することができる。上記原料および方法によって、低結晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)を含まない結晶性の高いトバモライトを得ることができる。
(軽量気泡コンクリート粉末(ALC粉末))
軽量気泡コンクリート粉末とは、一般にALCなどと呼ばれる軽量気泡コンクリートを粉砕して得られる粉末のことであり、トバモライトを含有する粉末の一種である。軽量気泡コンクリートは、ケイ酸質原料と石灰質原料を主原料として、これに金属アルミニウムなどの発泡剤を添加し、さらにこれに水を加えてスラリーとなし、型枠に充填して発泡成形後、オートクレーブ養生することによって製造することができる。ケイ酸質原料としては、石英、クリストバライトなどの非晶質シリカ鉱物、珪砂、フライアッシュ、スラグ、シリカフュームなどのうち一種類あるいは二種類以上の混合物を使用できる。石灰質原料としては、生石灰、消石灰、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントなどのうち一種類あるいは二種類以上の混合物を使用できる。軽量気泡コンクリートは、軽量でかつ断熱性に優れることから、建築資材などに多く用いられている。
軽量気泡コンクリートは、主に建築資材として用いるため、素材強度も重要なファクターとなる。そのため、敢えて未反応のケイ酸質原料が残るようにし、骨材として強度向上に寄与させる。即ち、CaO/SiOモル比をトバモライトの理論値0.83よりも低くなるようにケイ酸質原料を多めに入れたり、ケイ酸質原料の粒径をある程度大きめにしたりする。そのため、軽量気泡コンクリートには、ケイ酸質原料と石灰質原料の反応により生成するトバモライトの他に、石灰質原料と反応しなかったケイ酸質原料を起源とするシリカが含まれている。
イオン交換工程は、上記3種の原料粉末(CSH粉末、トバモライト粉末、ALC粉末)のいずれかに目的の金属イオンを含む塩の水溶液を混合することによって実施することができる。これにより、原料粉末中のケイ酸カルシウムに含まれるカルシウムイオンが、目的の金属イオンによって置換される。金属イオンを含む塩としては、例えば目的の金属が銀である場合には、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝酸塩、ジアンミン銀硫酸塩等を、目的の金属が銅である場合には、硝酸銅、硫酸銅、過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸カリウム等を、また目的の金属が亜鉛である場合には、硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等を使用することができる。
ケイ酸カルシウムに含まれるカルシウムイオンと置換する金属イオンとしては、抗菌性、抗カビ性、あるいは消臭性を発揮する金属イオンであれば特に制限はなく、例えば銀、銅、亜鉛イオンを用いることができる。これらの金属イオンは、1種のみで使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、イオン交換工程では、金属イオンを含む水溶液のpHを3以上10以下に調整しておくことが好ましく、5以上7以下に調整しておくことがより好ましい。このように調整することによって、金属の酸化物がケイ酸カルシウムの表面または細孔内部に析出することを抑制できる。
原料粉末と金属塩の水溶液との混合は、例えば撹拌容器の内部にアジテータ等の撹拌装置を備えた通常のミキサ等を用いて、バッチ式または連続式で行うことができる。混合温度は、10℃以上80℃以下とすることが好ましい。また、混合時間は3時間以上24時間以下とすることが好ましい。
イオン交換が終了したら、原料粉末を吸引ろ過しながら水洗した後に乾燥させるのが好ましい。洗浄は、ろ液に例えば塩酸や塩化ナトリウム水溶液を滴下して塩化銀による白濁が生じなくなるまで充分に行なうことが好ましい。また、乾燥は、常圧下で105℃〜110℃、あるいは減圧[133.322Pa〜3999.66Pa(1〜30Torr)下で70℃〜90℃で行なうことが好ましい。
なお、イオン交換工程において、ケイ酸カルシウム中のカルシウムイオンが目的の金属イオンに置換されていることの確認は、X線回折等によって行なうことができる。図1には、例として銀の担持量を0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%となるようにした場合、および、イオン交換を行なわなかった場合(未添加)のイオン交換処理後のトバモライトのX線回折チャートを部分的に拡大した図を示した。図1より、銀の担持量が増大するにつれて、7.8°付近のピークが高角度側にシフトしている。このことから、カルシウムのサイトへの銀イオンの置換によってトバモライトの結晶構造が変化していることが確認できる。
(炭酸化処理工程)
次に、炭酸化処理工程について説明する。
炭酸化処理工程では、上述のイオン交換工程後の原料粉末に炭酸ガスを接触させることによって、原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの少なくとも一部を炭酸カルシウム及び非晶質シリカに変化させる。原料粉末に炭酸ガスを接触させるためには、原料粉末を例えば養生用の釜内において炭酸ガスと接触させればよい。
炭酸化処理工程で使用する炭酸ガスとしては、純度100%の二酸化炭素を用いてもよく、他の気体と混合された混合ガスを用いてもよい。具体的には、市販の液化炭酸ガスまたはドライアイスを気化したもの、燃焼ガス、排気ガス等を用いることができる。混合ガスを用いる場合には、炭酸ガス濃度が高いほど反応が早く進行するため、二酸化炭素濃度が高いほど好ましい。具体的には、二酸化炭素濃度が3%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。炭酸ガス濃度が3%以下では、反応速度が遅くなりすぎ、工業的には適切でない。混合ガスを用いる場合に、混合される他の気体としては、窒素等の不活性ガス、酸素等が好ましい。また排気ガスを使用する場合には、脱硫・脱硝・集塵処理を行なったものを使用することが好ましい。
また、炭酸化処理工程の温度条件は特に限定しないが、原料粉末中の水分が炭酸化反応を促進することから、原料粉末中に水分が存在しうる状態、すなわち0℃以上100℃以下に設定するのが好ましい。特に炭酸化反応が促進される範囲は30℃〜80℃であるが、炭酸化反応は発熱を伴ない、これにより雰囲気内の温度が上昇するため、反応開始時における雰囲気内の温度をおおよそ60℃以下に設定するのが好ましい。また、圧力が高いほど炭酸化反応は促進されるが、工業的には2MPa以下で本工程を実施するのが好ましい。
さらに、炭酸化反応を効率的に実施するためには、釜内への炭酸ガスの流入に先立ち予め釜内を真空にする真空工程を設けることによって、原料粉末中の空気を抜き、この後に高濃度の炭酸ガスを釜内へ流入させるといった方法が適用できる。
この炭酸化反応により、ケイ酸カルシウム中のカルシウム成分が炭酸カルシウムとなって抜け出す。炭酸カルシウムとしては、最も安定なカルサイトだけではなく、微細なバテライトも生成する。また、ケイ酸カルシウムにおいてカルシウムイオンが存在していた部分は微細な空隙となり、元のケイ酸カルシウムの骨格を維持するとともに細孔を多数有する非晶質シリカができる。このとき、イオン交換工程においてカルシウムイオンと置換された金属イオンは、カルシウム成分とともに抜け出すことなく、非晶質シリカ中に残留する。これにより、非晶質シリカの細孔内に銀などの金属のイオンが担持されている多孔質材料を得ることができる。
(細孔径分布制御工程)
次に、細孔径分布制御工程について説明する。
細孔径分布制御工程では、原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの種類や混合比率を変化させることによって、最終的に得られる多孔質材料の細孔径分布を制御する。
すなわち、本発明者らは、上述したイオン交換工程及び炭酸化処理工程を実施して炭酸カルシウム及び非晶質シリカを含有する多孔質材料を製造する過程において、原料粉末中に含まれるケイ酸カルシウムの種類や混合比率を変化させることで、最終的に得られる多孔質材料の細孔径分布を制御することが可能であることを発見した。本発明は、かかる新規な発見にもとづくものであり、従来は困難であった多孔質材料の細孔径分布の制御を容易にするものである。
ここで、「原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの種類や混合比率を変化させる」とは、例えば、ケイ酸カルシウムとして低結晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)を使用し、その量や比率を変化させることである。あるいは、ケイ酸カルシウムとして結晶性ケイ酸カルシウム水和物(トバモライト)を使用し、その量や比率を変化させることである。この意味について、以下、さらに具体的に説明する。
図2は、CSH粉末のX線回折結果を示している。X線回折ピークは、ブロード状の低結晶質ケイ酸カルシウム水和物のものが認められるだけで、トバモライトは含まれていない。
図3は、12時間オートクレーブ養生後の純合成トバモライト粉末のX線回折結果を示している。図3に示すように、純合成トバモライト粉末の主成分はトバモライトであり、石英は殆ど残っていない。トバモライトのX線回折ピークは、非常にシャープであり、トバモライトの結晶性が高いことがわかる。
図4は、ALC粉末のX線回折結果を示している。図4に示すように、ALC粉末の主成分はトバモライト及び石英であり、相対的に多くの石英が含まれている。トバモライトのX線回折ピークは、図3に示した純合成トバモライトと比較するとシャープさに欠けており、トバモライトの結晶性が高くないことが分かる。
CSH粉末を炭酸化処理して得られる非晶質シリカは、顕微鏡でその表面を観察すると、アルミホイルをクシャクシャにしたような形状をなしており、比較的緻密な構造となっている。原料粉末としてCSH粉末を使用して得られる多孔質材料の細孔は、炭酸化処理時にカルシウムイオンが溶出して生じたミクロ孔を除けば、このクシャクシャな部分の隙間が主であるため、2〜100nm程度の比較的小さな細孔が多くなる。
一方、トバモライトを炭酸化処理して得られる非晶質シリカは、顕微鏡でその表面を観察すると、板状または繊維状をなしており、アスペクト比の高い細長い形状をなしているため、CSH粉末の場合と比較すると粗い構造をなしている。原料粉末としてトバモライト粉末を使用して得られる多孔質材料の細孔は、炭酸化処理時にカルシウムイオンが溶出して生じたミクロ孔を除けば、この細長い結晶の隙間が主であるため、100〜500nm程度の比較的大きな細孔が多くなる。
このように、原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの種類を変化させることによって、最終的に得られる多孔質材料の細孔径分布を制御することが可能となる。また、CSH粉末とトバモライト粉末を任意の比率で混合することによって、幅広い細孔径分布を持った多孔質材料を得ることも可能である。そして、原料粉末中におけるCSH粉末とトバモライト粉末との混合比率を変化させることによって、大きな細孔が多いもの、小さな細孔が多いものといったように、多孔質材料の細孔径分布の制御が可能となる。
なお、原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの種類を変化させるためには、原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムとして、低結晶質ケイ酸カルシウム水和物あるいはトバモライトを選択的に用いればよい。つまり、低結晶質ケイ酸カルシウム水和物あるいはトバモライトのうちいずれか一方が含まれている原料粉末を使用するか、あるいは、これら両者が任意の割合で混合されている原料粉末を使用すればよい。
ケイ酸カルシウムを含有する原料粉末としては、一般にトバモライト建材として使用される軽量気泡コンクリート(ALC)を粉砕したALC粉末を使用することも可能である。ALC粉末は、ALC建材の切削粉や切断粉などとして発生する。また、製造時や建て込み時に発生する端材、ALC建造物の取り壊し時などに大量に発生する不要となったALCを回収して粉砕することでも得られ、本発明の多孔質材料を製造するための原料粉末として用いることが可能である。
ALC粉末の主成分はトバモライトであるが、CaO/SiOモル比が0.4〜0.6程度と低い状態で合成されることもあり、トバモライトの結晶性はあまり高くない。そのため、純合成したトバモライトよりも結晶性が低めであり、結晶粒径が小さくなる傾向にある。したがって、ALC粉末を原料として得られる多孔質材料は、純合成したトバモライトの粉末を用いた場合よりも、細孔径が全体的に小さくなる傾向にある。また、細孔をもたない未反応の石英が相対的に多く含まれているため、細孔容積の総量が少なめであり、吸着性能は純合成したトバモライトの粉末を用いた場合よりも若干低くなる。しかし、ALC粉末を用いた場合には、リサイクル材料として地球環境に優しいものになるだけでなく、より低コストで多孔質材料の製造が可能になるというメリットがある。
上述した「イオン交換工程」、「炭酸化処理工程」、及び「細孔径分布制御工程」を経ることによって、抗菌性、抗カビ性、あるいは消臭性を発揮する多孔質材料を得ることができる。このような多孔質材料を抗菌剤、抗カビ剤、あるいは消臭剤として使用するためには、例えば、この多孔質材料を容器に入れ、処理したい菌・カビ・臭気等を含む雰囲気中に置く。すると、菌・カビ・臭気等の被処理物は多孔質材料の細孔中に吸着される。このとき、多孔質材料の細孔径は被処理物の吸着に適した大きさに制御されているために、被処理物が速やかに多孔質材料の細孔中に取り込まれていく。そして、取り込まれた被処理物は、担持されている金属イオンの抗菌、抗カビ、消臭作用を受ける。
また、本発明によって得られる多孔質材料は、非晶質シリカの構造中に抗菌性、抗カビ性、あるいは消臭性を発揮する金属のイオンが担持されているために、金属イオンの溶出の抑制が図られ、長期間にわたって抗菌、抗カビ、消臭作用を発揮できるとともに、金属イオンの溶出による周囲環境の汚染を防止することができる。また、炭酸カルシウムと非晶質シリカとを主成分とする中性の多孔質材料であるから、従来のアルミノケイ酸塩のようなアルカリ性の母材を使用した抗菌剤と比較して、取り扱いが容易である。
1.多孔質材料の調製
(1)原料粉末
多孔質材料の原料粉末として、CSH粉末、純合成トバモライト粉末、ALC粉末、及び、混合粉末、の4種類を調製した。
CSH粉末は、シリカヒュームと消石灰をCaO/SiOモル比が0.6になるように調製してビーカーに入れた後に、これに20倍の水を加え、80℃に調整したウォーターバス内で6時間撹拌することによって低結晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)を合成し、このCSHを平均粒子径が0.1μm〜1mmとなるように粉砕・分級して製造した。
純合成トバモライト粉末は、微粉砕珪石と消石灰をCaO/SiOモル比が0.83になるように調製し、これに20倍の水を加え、183℃、1.01325MPa(10atmに調整した撹拌オートクレーブ(200rpm)で養生することによってトバモライトを合成し、このトバモライトを平均粒子径が0.1μm〜1mmとなるように粉砕・分級して製造した。
ALC粉末は、まずALCを切削し、その平均粒子径が0.1μm〜1mmとなるように粉砕・分級して製造した。
混合粉末は、上記で製造したCSH粉末及び純合成トバモライト粉末を、重量比で50:50の割合で混合して製造した。
(2)イオン交換工程および洗浄工程
原料粉末1kgに水を加えて3リットルのスラリーとし、9リットルの容器内で50℃に保持した状態で攪拌し、脱気した。さらに適量の0.5N硝酸水溶液と蒸留水とを加えてpHを7に調整した。1リットルの硝酸銀水溶液を上記で調製したスラリーに加え、50℃に保持した状態で18時間攪拌してイオン交換を行なった。なお、硝酸銀水溶液の濃度は、最終的に得られる多孔質材料の全重量に対する銀の重量が0.05重量%程度となるように調整した。
つぎに、イオン交換終了後の原料粉末を蒸留水で洗浄ろ過した。ろ液に塩酸または塩化ナトリウム水溶液を滴下し、塩化銀の沈殿と思われる白濁が観察されなくなるまで洗浄・ろ過を繰り返し、過剰の銀を洗い流した。洗浄終了後の原料粉末を減圧下70℃で乾燥させた。
(3)炭酸化処理工程
続いて、イオン交換後の原料粉末を炭酸化処理した。イオン交換後の原料粉末を密閉容器中に入れ、真空ポンプで容器内を脱気した後、市販の純度99.5%の炭酸ガスを容器内に圧力0.2MPaとなるまで導入し、初期温度25℃で18時間保持して炭酸化反応を行なわせ、目的の多孔質材料を得た。なお、この炭酸化反応に伴う発熱により、容器内の温度は最終的に60℃〜70℃となった。
2.細孔径分布の測定
上記1で得られた多孔質材料を粉状になるまで粉砕し、カンタクローム社(Quantachrome Corp.)製オートソーブ−1(Autosorb-1)にて、ガス吸着法により細孔径分布を測定した。測定結果を、積算細孔容積および対数微分細孔容積(dV/d(logD))として図5〜図8に示す。
図5に示すように、CSH粉末を原料として得られた多孔質材料は、細孔径3nm、9nm、25nm付近に最大ピークを持つ、比較的小さな細孔を多く含む分布を示した。これより、細孔径2〜100nm付近の細孔で吸着しやすい物質向けに利用すると、効率的であると推測される。
図6に示すように、純合成トバモライト粉末を原料として得られた多孔質材料は、ガス吸着法で測定できない100nm以上のピークを持つ、かなり大きな細孔を多く含む分布を示した。最大ピークは、恐らく200〜300nm付近にあると推定され、100〜500nm付近の細孔で吸着しやすい物質向けに利用すると、効率的であると推測される。
図7に示すように、ALC粉末を原料として得られた多孔質材料は、細孔径70nm付近に最大ピークを持つ、比較的大きな細孔を多く含む分布を示した。また、細孔径4nm付近にも大きなピークが見られた。これより、細孔径20〜200nm付近、および4nm付近の細孔で吸着しやすい物質向けに利用すると、効率的であると推測される。
図8に示すように、CSH粉末と純合成トバモライト粉末とを混合して得られた混合粉末を原料として得られた多孔質材料は、特に目立ったピークは見あたらないが、細孔径10nm以上における広い範囲で細孔がまんべんなく存在している細孔径分布を示した。このことは、この多孔質材料が、分子径が異なる複数種類の物質を効率良く吸着できる可能性を示すものである。
以上の結果より、CSH粉末、純合成トバモライト粉末、ALC粉末、及び混合粉末を炭酸化処理して得られる多孔質材料は、細孔径分布がそれぞれ顕著に異なることが判明した。このことは、4種の原料粉末のうちいずれかの原料粉末を選択することによって、最終的に得られる多孔質材料の細孔径分布を、目的とする細孔径分布に近づけるように制御できることを意味するものである。
本実施例により、原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの種類や混合比率を変化させることによって、最終的に得られる多孔質材料の細孔径分布を制御することが可能であることを実証することができた。
1.無機成型体の作製
上記実施例1で調製したCSH粉末100重量部に硝酸銀水溶液35重量部を加えて攪拌した。なお、水溶液中の硝酸銀濃度は、最終的に得られる多孔質材料の全重量に対する銀の重量が0.05重量%程度となるように調整した。
このようにして得られた混練物を、300mm×300mm型枠に充填してから、20MPaの圧力で厚さ8mmとなるようプレス成型した。続いて、得られた成型物を炭酸化処理した。炭酸化処理は、成型物を密閉容器内に入れ、真空ポンプで容器内を脱気した後、市販の純度99.5%の炭酸ガスを容器内に圧力0.2MPaとなるまで導入し、初期温度25℃で18時間保持して炭酸化反応させることによって実施した。これにより、目的の無機成型体を得た。
2.試験
(1)分析
得られた無機成型体が満遍なく炭酸化しているか確認するため、50mm間隔で切断し、その断面にフェノールフタレイン指示薬を噴霧した。炭酸化反応が十分に進行していれば無色透明なままで、反応が不十分でCSH粉末のアルカリが残存していると赤紫色(濃い桃色)を呈する。
(2)強度
無機成型体を100mm×25mm×8mmに切り出して試験体とし、JIS A 5209に準じて曲げ強度を測定した。
(3)結果
フェノールフタレイン反応による検査の結果、無機成型体の何れの箇所においても呈色は示さず、炭酸化が満遍なく行われていることが確認された。無機成型体の比重は0.97、曲げ強度は5.9N/mmであり、成型体として十分な強度を有していることが確認された。
以上より、原料粉末をイオン置換後にプレス成型してから炭酸化することで、最終的に得られる多孔質材料からなる無機成形体の細孔径分布を制御できることを確認することができた。このようにして得られた無機成型体は、建築分野で利用するなど、より広い用途で利用することが可能となる。
交換する金属イオンとして銀イオンを用いた場合において、加える金属塩の量を、銀の量がケイ酸カルシウムの重量に対して0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%となるようにした場合、および、金属塩を加えなかった場合(未添加)のイオン交換処理後のトバモライトのX線回折チャートの部分拡大図。 CSH粉末のX線回折結果を示す図である。 12時間オートクレーブ養生後の純合成トバモライト粉末のX線回折結果を示す図である。 ALC粉末のX線回折結果を示す図である。 CSH粉末を炭酸化処理して得られた多孔質材料の積算細孔容積および対数微分細孔容積を示す図である。 純合成トバモライト粉末を炭酸化処理して得られた多孔質材料の積算細孔容積および対数微分細孔容積を示す図である。 ALC粉末を炭酸化処理して得られた多孔質材料の積算細孔容積および対数微分細孔容積を示す図である。 CSH粉末と純合成トバモライト粉末とを50:50の割合で混合して得られた混合粉末を炭酸化処理して得られた多孔質材料の積算細孔容積および対数微分細孔容積を示す図である。

Claims (5)

  1. 以下の(a)〜(c)の工程を有する多孔質材料の製造方法。
    (a)ケイ酸カルシウムを含有する原料粉末に金属イオンを接触させることによって、前記ケイ酸カルシウムに含まれるカルシウムイオンの少なくとも一部を前記金属イオンによって置換するイオン交換工程。
    (b)前記イオン交換工程後の原料粉末に炭酸ガスを接触させることによって、前記原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムの少なくとも一部を炭酸カルシウム及び非晶質シリカに変化させる炭酸化処理工程。
    (c)前記原料粉末に含まれるケイ酸カルシウムとして低結晶質ケイ酸カルシウム水和物あるいはトバモライトを選択的に用いることによって、最終的に得られる多孔質材料の細孔径分布を制御する細孔径分布制御工程。
  2. 請求項1に記載の多孔質材料の製造方法であって、
    前記細孔径分布制御工程では、前記原料粉末に含まれる低結晶質ケイ酸カルシウム水和物の量を変化させる、多孔質材料の製造方法。
  3. 請求項1に記載の多孔質材料の製造方法であって、
    前記細孔径分布制御工程では、前記原料粉末に含まれるトバモライトの量を変化させる、多孔質材料の製造方法。
  4. 請求項1に記載の多孔質材料の製造方法であって、
    前記細孔径分布制御工程では、前記原料粉末として、低結晶質ケイ酸カルシウム水和物粉末、トバモライト粉末、および軽量気泡コンクリート粉末のうちいずれか一種以上を選択して使用する、多孔質材料の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の多孔質材料の製造方法であって、
    前記金属イオンが、銀イオン、銅イオン、および亜鉛イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、多孔質材料の製造方法。
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