JP4889108B2 - 防菌防カビ消臭性無機組成物の製造方法 - Google Patents
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前記金属イオンが、銀、銅および亜鉛から選ばれた少なくとも一種であること、
前記金属イオンの担持率を、全組成物重量の0.5〜3.0重量%とすること、
前記原料粉体が低結晶性ケイ酸カルシウム水和物粉体であること、
前記原料粉体がトバモライト結晶を含む粉体であること、および
前記原料粉体が軽量気泡コンクリート粉体であること
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
ケイ酸質原料としては、石英、クリストバライトなどの非晶質シリカ鉱物、珪砂、フライアッシュ、スラグ、シリカフュームなどの内の一種類あるいは二種類以上の混合物を使用することができる。
石灰質原料としては、生石灰、消石灰、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントなどの内の一種類あるいは二種類以上の混合物を使用することができる。軽量気泡コンクリートは、軽量でかつ耐熱性に優れていることから、建築資材として多く用いられている。
具体的には、二酸化炭素濃度が3%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。二酸化炭素濃度が3%未満では反応速度が遅くなり過ぎるため工業的に適切ではない。混合ガスを用いる場合に二酸化炭素と混合される他のガスとしては、窒素などの不活性ガスや酸素などが好ましい。また、排気ガスを使用する場合には、脱硫、脱硝、集塵などの処理を行ったものを用いるのが適切である。
また、ケイ酸カルシウムをスラリー合成する場合、合成終了後直ちに同容器内に炭酸ガスをバブリングして炭酸化する方法も採用できる。
どのような形でこの金属イオンが原料粉体に担持されるかは明確ではないが、おそらく金属炭酸塩が生成されていると考えられる。
ここで使用する金属イオンを含む塩としては、例えば目的とする金属イオンが銀の場合は、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝酸塩、ジアンミン銀硫酸塩などが、目的とする金属イオンが銅である場合は、硝酸銅、硫酸銅、過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸カリウムなどが、目的とする金属イオンが亜鉛である場合は、硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛などが、それぞれ挙げられる。
したがって、当初適用を意図していた被吸着物の適用を阻害することがなく、その無機組成物を目的のとおりの防菌、防カビ、消臭用途へとそのまま適用することが可能となるのである。
原料粉体として、軽量気泡コンクリート(ALC)を切削し、その平均粒子径が0.1〜1.0μmとなるように粉砕・分級したものを使用した。
さらに、実施例1の無機組成物を、含まれる銀の総モル量が7.0X10−5molとなるようにシャーレに分注し、このシャーレを20℃、相対湿度50%に設定した100リットルの密閉容器に入れ、容器内を窒素ガスで約0.3ppmに希釈した硫化水素で充満した。
充満完了時を試験開始時刻とし、所定時間ごとに容器内の硫化水素濃度を測定した結果、5分以内に容器内の硫化水素濃度は0.1ppm以下にまで減少した。また、試験開始2時間後に容器内の温度を35℃まで昇温して容器内の硫化水素の濃度上昇を観測した結果、濃度上昇は全く認められなかった。この結果、当初脱臭を意図していた硫化水素の消臭を効果的に達成することができた。
シリカフュームと消石灰をCaO/SiO2モル比が1.0になるように調整してビーカーに入れた後に、これに20倍の水を加え、80℃に調整したウォータバス内で6時間攪拌することによって低結晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)を合成した。これを平均粒径が0.1μm〜1mmとなるように粉砕・分級し、原料粉体として使用した。
ここで、炭酸化処理およびイオン担持処理を行わないCSH粉体を参考例2、上記炭酸化処理のみを行いイオン交換処理を行わないで得た無機組成物を比較例3、まず最初イオン交換処理を行い、洗浄・乾燥した後に炭酸化処理を行って得られた無機組成物を比較例4とした。
微粉砕珪石と消石灰をCaO/SiO2モル比が0.83になるように調整し、これに20倍の水を加え、183℃、10atmに調整した攪拌オートクレーブ(200r.p.m.)で養生することによってトバモライトを合成した。これを平均粒径が0.1μm〜1mmとなるように粉砕・分級し、原料粉体として使用した。
そして、原料粉末に軽量気泡コンクリート(ALC)を使用した時と同様の方法・条件で、炭酸化処理および金属イオン担持処理を行い、防菌防カビ消臭性を有する無機組成物(実施例3)を得た。
さらに、得られた防菌防カビ消臭性無機組成物は、防菌、防カビ、消臭性能が著しく向上して、単位時間当たりの処理量の増大し、かつ長時間にわたって防菌防カビ消臭性能が維持できるばかりか、金属イオンの溶出による周囲環境の汚染を防止することができる。
また、従来のアルミノケイ酸塩のようなアルカリ性の母材を使用した抗菌剤組成物に比較して取り扱いが容易であり、母材を安価に入手できるため、各種防菌、防カビ、消臭用途に対し広く活用することができる。
Claims (5)
- ケイ酸カルシウム水和物を主成分とする原料粉体を、炭酸ガス雰囲気で養生する炭酸化処理工程に供し、次いでこの炭酸化した原料粉体を防菌防カビ消臭性を有する金属イオンと接触させることにより、前記原料粉体に前記金属イオンを担持させるイオン担持工程に供することを特徴とする防菌防カビ消臭性無機組成物の製造方法。
- 前記金属イオンが、銀、銅および亜鉛から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の防菌防カビ消臭性無機組成物の製造方法。
- 前記原料粉体が低結晶性ケイ酸カルシウム水和物粉体であることを特徴とする請求項1または2に記載の防菌防カビ消臭性無機組成物の製造方法。
- 前記原料粉体がトバモライト結晶を含む粉体であることを特徴とする請求項1または2に記載の防菌防カビ消臭性無機組成物の製造方法。
- 前記原料粉体が軽量気泡コンクリート粉体であることを特徴とする請求項1または2に記載の防菌防カビ消臭性無機組成物の製造方法。
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