JP6912872B2 - 調湿建材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、調湿建材の製造方法に関する。詳しくは、建物の内装材として好適な調湿建材の製造方法に関する。
従来、セメントを含む成形材料を調製し、この成形材料を所望の形状に成形した後に硬化させてセメント硬化物を製造することが行われている。このようなセメント硬化物は湿気を吸収したり放出したりする調湿機能を有しており、内壁材や天井材などの内装材に調湿建材として適用されている(例えば、特許文献1参照)。
セメント硬化物は多数のゲル孔(ゲル空隙)を有している。ゲル孔はセメント硬化物内に形成されている多数の空間(細孔)であって、一部のゲル孔はセメント硬化物の表面に開口している。ゲル孔はその直径の大きさに応じて、ミクロポア、メソポア、マクロポアの三種類に区別される。
ミクロポアは直径が2nm以下のゲル孔であって、ミクロポアが多いセメント硬化物は吸湿量が多いが、吸湿後の放湿率は低い。またメソポアは直径が2nmより大きく50nm未満のゲル孔であって、メソポアが多いセメント硬化物は吸湿量がミクロポアが多い場合と同様であるが、吸湿後の放湿率はミクロポアが多い場合と比べて高い。マクロポアは直径が50nm以上のゲル孔であって、このマクロポアが多いセメント硬化物では、吸湿量がミクロポアを多く含む場合よりもやや少ないが、吸湿後の放湿率はミクロポアを多く含む場合と比べて高い。
図4Aには直径2nm以下のミクロポア1を模式的に示す。図4Bには直径2nmよりも大きく50nm未満のメソポア2を模式的に示す。図4Cには直径50nm以上のマイクロポア3を模式的に示す。
特開2002−220274号公報
そして、セメント硬化物が多くのミクロポアを有していると、セメント硬化物の放湿量が吸湿量よりも少なくなり、水分がミクロポア内に溜まった状態でセメント硬化物の内部に残存しやすい。このように水分がセメント硬化物の内部に残存していると経年変化によりセメント硬化物に反りや寸法変化が生じることがあった。
また、セメント硬化物が多くのミクロポアを有していると、セメント硬化物の放湿量が吸湿量よりも少ないため、調湿性能が充分でない場合があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ミクロポアが少なくて調湿性能に優れる調湿建材の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る調湿建材の製造方法は、セメントと水とを含有する成形材料を成形して基材を形成し、該基材をオートクレーブ養生した後、炭酸化処理を施すことを特徴とするものである。
本発明では、炭酸化処理により基材のミクロポアを少なくすることができ、調湿性能に優れる調湿建材が得られる。
図1は、実施例及び比較例における細孔径分布測定の結果を示すグラフである。 図2は、セメント硬化物の細孔量と吸放湿率の関係を示すグラフである。 図3は、セメント硬化物の吸放湿量の経時変化を示すグラフである。 図4Aはミクロポアを示す概略図である。図4Bはミメソポアを示す概略図である。図4Cはマイクロポアを示す概略図である。 図5は、第2の実施の形態の調湿建材を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
[第1の実施の形態]
本実施形態で得られる調湿建材は、セメントと水とを含有する成形材料を成形して基材を形成し、基材をオートクレーブ養生した後、炭酸化処理を施すことにより製造される。
セメントは、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミナセメントなどであり、各種のセメントが併用可能である。
成形材料はセメントと水の他に、混和材、骨材、繊維材、スクラップ材などを含有していてもよい。混和材は調湿建材の強度や耐久性の向上を図るものであり、フライアッシュ、シリカフューム、各種ポゾラン(火山灰など)などである。骨材は調湿建材の強度の確保を図るものであり、珪酸を主成分とする珪酸質材であることが好ましく、珪砂、珪石、珪石粉などである。繊維材は調湿建材の強度の向上を図るものであり、パルプ、ロックウール、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維などである。スクラップ材は調湿建材の不良品や端材を粉砕したものであり、調湿建材の増量材として用いる。
成形材料はさらに吸放湿付与材を含有していてもよい。吸放湿付与材は調湿建材の吸湿性能及び放湿性能の向上を図るものであり、稚内珪藻土などの珪藻土、ゼオライト、アロフェン、セピオライト、ベントナイト、メタカオリン、カオリナイトなどである。
成形材料は、セメント、混和材、骨材、繊維材、スクラップ材、吸放湿付与材などからなる固形成分と水とを配合することにより調製される。固形成分の配合割合は、例えば、固形成分の合計量を100質量%とした場合、セメント30〜45質量%、混和材30〜45質量%、骨材2〜8質量%、繊維材4〜10質量%、スクラップ材10〜20質量%、吸放湿付与材0〜35質量%とすることができる。また固形成分と水との配合割合は、固形成分の全量に対して、水45〜55質量%とすることができる。
成形材料は抄造法や押出成形により板状等の基材に成形される。成形後の基材に対して脱水のためにプレスを行っても良い。
基材に対しては一次養生が行われる。一次養生は基材を30〜90℃の大気中で約20〜30時間保持する。一次養生の後、基材に対してオートクレーブ(AC)養生が行われる。オートクレーブ養生は基材を160〜190℃、気圧1.0〜1.2MPa、3〜5時間保持する。
オートクレーブ養生の後、基材に対して炭酸化処理が施される。炭酸化処理は基材を25〜35℃、湿度50〜95%、炭酸ガス濃度が3〜7%に調製された空気中に、3〜28日保持する。この炭酸化処理により、湿気の拡散孔であるマイクロポアを減少させないで、5nm以下の細孔(ミクロポア)を減少させた基材が得やすくなる。
本実施形態の調湿建材は、セメントを含む成形材料を一次養生及びオートクレーブ養生で硬化させた後、更に炭酸化処理を行うことで、直径が5nm以下の細孔(ミクロポア)が少なくなり、これにより、細孔の内部に水分が保持されにくくなって、吸放湿性能が優れるものである。
[第2の実施の形態]
本実施形態で得られる調湿建材は、セメントと水と軽量骨材とを含有する成形材料を押出成形して押出成形品を形成し、押出成形品の表面に、セメントを含有する散布材料を散布して基材を形成し、この基材をオートクレーブ養生した後、炭酸化処理を施すことにより製造される。
成形材料に含有されているセメントは、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミナセメントなどであり、各種のセメントが併用可能である。
成形材料に含有されている軽量骨材は、調湿建材の軽量化を図るために配合されるものであり、通常の骨材(珪石粉等)よりも単位体積あたりの質量が軽い。軽量骨材としては、ビーズ法発泡スチロール(expandedpolystyrene、EPS)などが用いられる。EPSの平均粒径は0.8〜2.0mm、好ましくは1.0〜1.5mmである。またEPSの弾性係数が1.5〜2.5、好ましくは1.6〜2.0である。尚、平均粒径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。また弾性係数は、発泡樹脂粒子に50(N)の荷重を加えた時の変位(mm)を測定し、荷重(N)/変位(mm)で算出される数値である。
成形材料はセメントと水と軽量骨材の他に、混和材、骨材、繊維材、スクラップ材などを含有していてもよい。混和材は調湿建材の強度や耐久性の向上を図るものであり、フライアッシュ、シリカフューム、各種ポゾラン(火山灰など)などである。骨材は調湿建材の強度の確保を図るものであり、珪酸を主成分とする珪酸質材であることが好ましく、珪砂、珪石、珪石粉などである。繊維材は調湿建材の強度の向上を図るものであり、パルプ(古紙パルプやバージンパルプなど)、ロックウール、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維などである。スクラップ材は調湿建材の不良品や端材を粉砕したものであり、調湿建材の増量材として用いる。
散布材料に含有されているセメントは上記成形材料と同様のものが使用可能である。散布材料はセメントの他に、水、混和材、骨材、繊維材、スクラップ材などを含有していてもよい。これらは上記成形材料と同様のものが使用可能である。
散布材料はさらに吸放湿付与材を含有していてもよい。吸放湿付与材は調湿建材の吸湿性能及び放湿性能の向上を図るものであり、稚内珪藻土などの珪藻土、ゼオライト、アロフェン、セピオライト、ベントナイト、メタカオリン、カオリナイトなどである。
成形材料は、セメント、軽量骨材、混和材、骨材、繊維材、スクラップ材などからなる固形成分と水とを配合することにより調製される。固形成分の配合割合は、例えば、固形成分の合計量を100質量%とした場合、セメント30〜45質量%、軽量骨材1〜2質量%、混和材30〜45質量%、骨材2〜8質量%、繊維材4〜10質量%、スクラップ材10〜20質量%とすることができる。また固形成分と水との配合割合は、固形成分の全量に対して、水45〜55質量%とすることができる。
成形材料は押出成形により板状等の押出成形品に成形される。成形後の押出成形品に対して脱水のためにプレスを行っても良い。
押出成形品に対して散布材料の供給が行われて基材が形成される。散布材料は、セメント、混和材、骨材、繊維材、スクラップ材、吸放湿付与材などからなる固形成分と水とを配合することにより調製される。固形成分の配合割合は、例えば、固形成分の合計量を100質量%とした場合、セメント30〜45質量%、混和材30〜45質量%、骨材2〜8質量%、繊維材4〜10質量%、スクラップ材10〜20質量%、吸放湿付与材0〜35質量%とすることができる。また固形成分と水との配合割合は、固形成分の全量に対して、水25〜35質量%とすることができる。ここで、散布材料は、成形材料よりも、固形成分に対する水の配合割合が少ない。すなわち、散布材料の含水量は、成形材料の含水量の略半分程度である。従って、成形材料は押出成形可能な流動性を有するのに対して、散布材料は散布可能な程度の乾燥状態(セミドライ)の粉体である。
押出成形品への散布材料の散布量は、2〜4kg/mであることが好ましく、より好ましくは2.5〜3kg/mである。散布量が多すぎると、散布材料により形成される表面層が厚くなりすぎて調湿建材の吸放湿性能が十分に発揮できないおそれがあり、散布量が少なすぎると、散布材料により形成される表面層が薄くなりすぎて基材の表面の隠蔽性が低下して、調湿建材の外観が向上しにくくなる。
基材に対しては一次養生が実施される。一次養生は基材を30〜90℃の大気中で約20〜30時間保持する。一次養生の後、基材に対してオートクレーブ(AC)養生が行われる。オートクレーブ養生は基材を160〜190℃、気圧1.0〜1.2MPa、3〜5時間保持する。
オートクレーブ養生の後、基材に対して炭酸化処理が施される。炭酸化処理は基材を25〜35℃、湿度50〜95%、炭酸ガス濃度が3〜7%に調製された空気中に、3〜28日保持する。この炭酸化処理により、湿気の拡散孔であるマイクロポアを減少させないで、5nm以下の細孔(ミクロポア)を減少させた基材が得やすくなる。
図5に本実施形態で得られる調湿建材10の断面図を示す。この調湿建材10は、押出成形品の硬化物である基材本体20の表面に、散布材料の硬化物である表面層30を備えて形成される。
本実施形態の調湿建材は、基材本体の表面に、ほぼ乾燥状態の粉体の散布材料で形成される表面層を有しているため、表面層で基材本体の表面の細孔(ゲル孔)等が隠蔽され、外観が向上する。しかも表面層は比較的柔軟であるため、プレス成形等で凹凸模様が付与しやすく、賦形性に優れるものである。また軽量骨材を配合した基材本体は、軽量骨材がオートクレーブ養生等で溶融して比較的大きな細孔が形成されるため、調湿性に優れるものである。しかも、表面層は透湿性が比較的良好であるため、透湿の阻害が小さくなり、調湿建材の調湿性能が損なわれにくい。さらに、軽量骨材を含有して調湿性能に優れる基材本体を形成するため、表面層に配合する吸放湿付与材が比較的少量でも、調湿建材は調湿性に優れるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
セメント36.1質量%、フライアッシュ35.6質量%、珪石粉4.0質量%、パルプ(NUKP)6.5質量%、スクラップ材17.8質量%からなる固形成分と水とを混合して成形材料であるスラリーを調製した。スラリーの固形成分の濃度は9%であった。
次に、スラリーを抄造法で抄造した後、2.0MPaでプレスすることにより、縦550mm、横550mm、厚み9mm、含水率18%の板状の基材を形成した。
次に、基材に一次養生を施した。一次養生の条件は、温度40℃で8時間保持した後、80℃まで6時間かけて昇温し、この後、80℃で10時間保持した。
次に、基材にオートクレーブ養生を施した。オートクレーブ養生の条件は、温度170℃、気圧1.0MPaで4時間保持した。
次に、基材に炭酸化処理を施した。炭酸化処理の条件は、温度30℃、湿度60%で、炭酸ガス濃度が5%に調製された大気中で、14日間保持した。
以上のようにして、調湿建材を得た。
(実施例2)
実施例1において、炭酸化処理の日数を28日間とした。これ以外は、実施例1と同様にして調湿建材を製造した。
(比較例1)
炭酸化処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にした。
(吸放湿試験)
実施例及び比較例の調湿建材について、吸放湿試験を行った。この試験は、調湿建材判定基準(一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会)に基づいて実施した。そして、調湿建材1mあたりの吸湿量及び放湿量を計測し、吸放湿率(放湿量/吸湿量×100)を算出した。結果を表1に示す。
(細孔量測定)
実施例及び比較例の調湿建材について、細孔量測定を行った。この測定は、ガス吸着法により実施した。そして、調湿建材1cmあたりの「直径5nm以下の細孔量」と「直径5nmより大きく直径50nm未満の細孔量」と「直径50nm以上の細孔量」とを測定した。結果を表1に示す。
(細孔径分布測定)
実施例及び比較例の調湿建材について、細孔径分布測定を行った。この測定は、ガス吸着法により実施した。結果を図1にグラフで示す。
Figure 0006912872
表1から明らかなように、実施例1、2は比較例よりも吸放湿率が高く、吸放湿性能が優れている。これは、実施例1、2における直径5nm以下の細孔量が、炭酸化処理により、比較例に比べて少なくなり、放湿量がほぼ同じであるにもかかわらず吸湿量が増加したためであると考えられる。
なお、図2に示すように、セメント硬化物は5nm以下の細孔が多く残ることがあるため、細孔量が多くなれば、吸放湿率が減少する傾向にある。また図3に示すように、セメント硬化物の吸放湿量は、時間の経過とともに増加する傾向にある。
(実施例3〜7)
表2に示す配合割合で成形材料を調製し、この成形材料を押出成形することにより、押出成形品を形成した。
次に、表2に示す配合割合で散布材料を調製し、この散布材料を押出成形品の表面に散布して基材を形成した。この時の散布材料の散布量は3kg/mとした。
次に、基材を一次養生した。一次養生の条件は、基材を温度40℃で8時間保持した後、80℃まで6時間かけて昇温し、この後、80℃で10時間保持した。この一次養生により、縦550mm、横550mm、厚み8.5mm、含水率18%の板状にした。
次に、基材にオートクレーブ養生を施した。オートクレーブ養生の条件は、温度170℃、気圧1.0MPaで4時間保持した。次に、基材を90℃で5時間保持して乾燥した。
次に、基材に炭酸化処理を施した。炭酸化処理の条件は、温度30℃、湿度60%で、炭酸ガス濃度が5%に調製された大気中で、14日間保持した。これにより、押出成形品の硬化物である基材本体の表面に表面層(散布材料の硬化物)が形成された調湿建材を得た。調湿建材の厚みは9mmであった。
(比較例2)
表2に示す配合割合で成形材料を調製し、この成形材料を押出成形することにより、押出成形品を形成した。なお、比較例2では軽量骨材としてマイクロカプセルを使用している。
この後、散布材料を散布せずに、押出成形品を一次養生し、オートクレーブ養生し、乾燥することにより、調湿建材を得た。比較例2は炭酸化処理をおこなっていない。
(比較例3)
表2に示す配合割合で成形材料を調製し、この成形材料を押出成形することにより、押出成形品を形成した。なお、比較例3は実施例3の成形材料と同じ配合である。
この後、散布材料を散布せずに、押出成形品を一次養生し、オートクレーブ養生し、乾燥することにより、調湿建材を得た。比較例3は炭酸化処理をおこなっていない。
(比較例4)
表2に示す配合割合で固形成分を調製し、この固形成分と水とを配合してスラリーを調製した。スラリーの固形成分の濃度は9%であった。次に、スラリーを抄造法で抄造した後、2.0MPaでプレスすることにより、抄造基材を形成した。抄造基材のサイズは実施例と同じであった。
この後、散布材料を散布せずに、抄造基材を一次養生し、オートクレーブ養生し、乾燥することにより、調湿建材を得た。比較例4は炭酸化処理をおこなっていない。
(比較例5)
比較例4と同様にして抄造基材を形成した後、抄造基材の表面に実施例3と同様の散布材料を散布し、この後、抄造基材を一次養生し、オートクレーブ養生し、乾燥することにより、調湿建材を得た。比較例5は炭酸化処理をおこなっていない。
(比較例6)
表2に示す配合割合で、比較例4と同様にして抄造基材を形成した後、抄造基材の表面に実施例3と同様の散布材料を散布し、この後、抄造基材を一次養生し、オートクレーブ養生し、乾燥することにより、調湿建材を得た。比較例6は炭酸化処理をおこなっていない。
(絶乾比重の測定)
実施例3〜7及び比較例2〜6の調湿建材について、絶乾比重を測定した。この測定方法は水中浸漬法を用いて測定した。結果を表2に示す。
(圧縮強度の測定)
実施例3〜7及び比較例2〜6の調湿建材について、圧縮強度を測定した。この測定方法はJIS A 1108に基づいて試験実施した。結果を表2に示す。
(吸放湿試験)
実施例3〜7及び比較例2〜6の調湿建材について、吸放湿性能を評価するために吸放湿試験を行った。この試験は、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会が定める調湿建材判定基準に基づいて実施した。そして、調湿建材1mあたりの吸湿量及び放湿量を計測し、吸放湿率(放湿量/吸湿量×100)を算出した。結果を表2に示す。
(外観評価)
実施例3〜7及び比較例2〜6の調湿建材について、外観の評価を行った。この評価方法は寸法及び形状を表面スキャニング装置を用いて実施した。そして、以下のような評価をした。結果を表2に示す。
Figure 0006912872
表2から明らかなように、比較例2,4,5,6は吸放湿率が目標値に達せず、吸放湿性能が低くなった。比較例2は表面層が形成されていないため、外観の評価が低くなった。比較例4と5を対比すると吸放湿率があまり差がなく、表面層が吸放湿(透湿)の阻害になりにくいことが判る。実施例4は吸放湿率が目標値に僅かに達しないが、比較例2、4、5、6よりは吸放湿性が向上し、外観も良好である。実施例3〜7は吸放湿性及び外観のいずれも良好である。

Claims (2)

  1. セメントと水とを含有する成形材料を成形して基材を形成し、該基材をオートクレーブ
    養生した後、該基材を25℃〜35℃、湿度50〜95%、炭酸ガス濃度が3〜7%に調整された空気中に、3〜28日保持する炭酸化処理を施す調湿建材の製造方法。
  2. セメントと水とを含有する成形材料を押出成形品に成形し、セメントと吸放湿付与材とを含み、散布可能な乾燥状態の粉体である散布材料を前記押出成形品の表面に散布して基材を形成し、該基材をオートクレーブ養生した後、炭酸化処理を施す調湿建材の製造方法
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