JP3212586B1 - 調湿建材 - Google Patents
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Abstract
提供する。 【解決手段】 本発明の調湿建材は、主成分が炭酸カル
シウムと非晶質シリカである成形体を炭酸硬化反応によ
って製造する。そして、窒素ガス吸着法によるその比表
面積が80〜250m2/g、平均細孔直径が1.5〜
30.0nmであり、かつ、24時間全没吸水率が20
〜70%としている。
Description
た無機系で、室内の湿度を調整する機能を持つ調湿建材
に関する。
般に炭酸カルシウムを主成分としたしっくいがある。し
っくいは調湿建材として古くから使用されているが、実
際は吸放湿量が少ない。そして、乾燥収縮によるクラッ
クを防止するために、厚くしたり、例えばすさ等の補強
繊維を多量に混入する必要がある。しかし、厚くすると
吸放湿量は増えるが透湿性が落ちるという問題があり、
調湿性能は上がらない。
て、非晶質シリカを含む珪藻土を内添したしっくいや、
非晶質シリカを含む珪藻土を内添したセメント板がある
が、珪藻土がしっくいやセメントのアルカリ成分によっ
て変質し、本来珪藻土が持っている高い比表面積を低下
させてしまい、十分に調湿効果がでない。
安定性や不燃性が求められるが、前述の材料は重量があ
る割に強度が低い。つまり比強度が低い。また、吸水に
よる長さ変化率が大きく、クラックが発生したり寸法安
定性に劣る。そして、クラック防止のために、すさ等を
多量に混入すると不燃性が下がる等の問題がある。
な問題を解決し、湿気の吸放湿量、透湿性に優れ、かつ
建材として使用できる十分な強度を持った不燃性の調湿
建材を提供することを目的とするものである。
材は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であっ
て、主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカである成形
体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法によるそ
の比表面積が80〜250m2 /g、平均細孔直径が
1.5〜30.0nmであり、かつ、24時間全没吸水
率を20〜70%としたところに特徴を有する。ここ
で、24時間全没吸水率とは、次のようにして測定した
値をいう。
4時間吸水させる。このとき水面から試験体までの距離
は100mmとする。水没させる材料は桟木などを用い
て水槽の底より離して置く。また、比重が水より小さい
材料の場合には、材料の上部に吸水を極力妨げないよう
に重りを置いて沈めるようにする。 吸水後、水から取り出して手早く各面をウェス等で
ふき、吸水時の重量を測定する。 材料を105℃に調節した通風乾燥機内で24時間
乾燥させる。 デシケータ内で常温に冷却し、乾燥時の質量を測定
する。 およびで求めた重量から乾燥重量に対する吸水
量の百分率を求め、これを24時間全没吸水率とする。
条件は、一般に40〜70%の間がよいといわれてい
る。室内湿度をその間に保つためには、その範囲におい
てすぐれた調湿能力を発揮する調湿建材が適している。
また、調湿材とは、表面物理の観点からみた場合、高湿
度雰囲気では材料が持つ毛細管により空気中の水蒸気を
吸着し、低湿度雰囲気では吸着された水分を空気中に放
出する能力が高い材料であるといえる。
材となり得るかについて鋭意研究した結果、発明者ら
は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であって主
成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカからなるものにお
いては、平均細孔直径及び比表面積が調湿性能に大きく
影響することを見い出した。すなわち、調湿は材料内部
にある微細空隙壁に水蒸気が吸着・離脱することによっ
て行われるため、微細な細孔を持ち、かつ、比表面積の
大きな材料ほど吸放湿量が高い。しかし、細孔径が極端
に小さい場合には、水蒸気の離脱が困難になり吸湿はす
るが放湿しない状態になるので、比表面積が80〜25
0m2/gであって、平均細孔直径が1.5〜30.0
nmの範囲が最適である。
比表面積及び細孔径に起因する吸放湿量のみでは十分で
なく、周囲の湿度変化に対する応答性も重要なファクタ
ーである。湿気伝導率が高い材料は、湿度変化に対する
レスポンスが速く、調湿建材としては好ましいからであ
る。湿気伝導率を高くするには、材料組織的には水蒸気
が容易に材料内部へ進入することで吸着・離脱できる材
料構造を持っている必要がある。例えば、材料が先に述
べた平均細孔直径1.5〜30.0nmを持っていて
も、これらが互いに連通していない独立細孔であれば、
水蒸気は容易に進入・放出することができない。すなわ
ち、湿気伝導率を高くするには、材料内の細孔が材料表
面から内部に至るまで連続しつつ形成されていることが
必要なのである。材料内の細孔がどの程度連続している
かは、全没吸水率によって評価することができる。
にあり、かつ、24時間全没吸水率が20%以上である
ような材料とすると、湿気伝導率が8ng/(m・s・
Pa)以上となって湿度変化に対するレスポンスが極め
て良くなる。しかし、24時間全没吸水率が70%を越
えると、湿気伝導率は高いが、一般に連続した空隙が過
剰で密度が低くなるため、かえって吸放湿量が少なくな
り、しかも強度が低くなる。このため、比表面積と平均
細孔直径とが前述した範囲にあり、かつ、24時間全没
吸水率が20〜70%の範囲内にあることが必要であ
る。
造された成形体の組成を、炭酸カルシウムが15%〜6
5%、非晶質シリカが15%〜45%となるようにし、
その成形体内に骨材及び多孔質板の一方又は双方が含ま
れるように構成することが、好ましい。さらに、炭酸カ
ルシウム中にバテライトが含まれるようにするとより好
ましい。これらの組成により、全体として数nmの微細
孔を持つ比表面積の非常に大きな材料となるからであ
る。なお、前記成形体には骨材及び多孔質材の一方又は
双方が60%以下含むことができ、多孔質材が60%以
下であれば、十分な比強度を保ちながら調湿性能をあげ
ることができる。
径を10μm以上とすることにより、JIS A 54
30に示される、吸水による長さ変化率を0.25%以
下とすることができ、寸法安定性にも優れた特徴を持つ
こともできる。吸水による長さ変化率はJIS A 5
430に示されるように0.25%以下が望ましいとい
えるからである。ここで骨材には、珪石粉末、長石粉
末、雲母、人工軽量骨材等を用いることができ、また、
多孔質材には、アルミナ珪酸塩類を含むものや軽石やバ
ルン状充填材等を用いることができる。なお、主成分の
炭酸カルシウムは、700℃以上の高温で加熱されると
吸熱反応を起こして二酸化炭素と酸化カルシウムに解離
するから、不燃性に優れた建材でもある。
て、石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を用い、それを任
意のカルシウムとシリカ成分のモル比率(CaO/Si
O2)となるように調整する。過剰なSiO2は後述の
水和反応またはオートクレーブ反応で反応せず骨材とし
て残る。残った骨材の平均直径は10μm〜3mmが望
ましい。石灰質原料粉末として普通セメント、早強セメ
ント等のポルトランドセメント、消石灰、生石灰等の一
種または2種以上の混合物が使用できる。また、珪酸質
原料粉末としては、珪砂、珪石粉末、石炭灰、シリカゲ
ル、クリストバライト、珪藻土等の一種または2種以上
の混合物が使用できる。ただし、別途骨材及び多孔質材
の一方又は双方を必要に応じて60%以下混入しても良
い。
末、雲母、人工軽量骨材などがあり、その場合の平均粒
径も10μm〜3mmが望ましい。多孔質材は例えばア
ルミナ珪酸塩類を含むものや軽石やバルン状充填材等が
ある。なお、骨材と多孔質材の添加は、反応前または、
後述する加圧成形前でも良い。それを水和反応もしくは
オートクレーブ反応で、珪酸カルシウム系の水和物を生
成する。例えば180℃ではその主成分がトバモライト
であり、余剰な珪酸質原料が骨材となる粉末が合成でき
る。これを、プレス機を使用して板状に加圧成形を行
う。加圧力は5〜30MPaが望ましい。なお、加圧成
形を行う前に、0.1〜5.0%の補強繊維、0.01
〜5%の無機顔料、0.01〜5%の消臭効果のある化
学吸着剤を混入しても良い。さらに、材料の強度を増加
させる目的で普通、早強、中庸熱、白色などのポルトラ
ンドセメントやγ−C2Sを炭酸硬化後材料の炭酸カル
シウム含有量が65%を越えないように混入してもよ
い。なお、ポルトランドセメントを使用する場合には、
そのセメントの一部または全部が水和反応したものでも
構わない。
内で反応硬化させる。反応条件は、温度が0〜100
℃、炭酸ガス濃度が2〜100%が工業的には好ましい
が、例えば燃焼時に発生する排気ガス中の炭酸ガス等も
使用できる。炭酸硬化反応により、トバモライト中のカ
ルシウム成分が炭酸カルシウムとなり抜けだし、細孔を
多数有する非晶質シリカができる。この多孔質性が吸放
湿性だけでなく、熱伝導率にも影響を与える。また、炭
酸カルシウムは、その主成分がカルサイトだけではな
く、微細なバテライトも生成する。これらの生成物によ
り数nmの微細孔を持つ表面積が非常に大きな材料とな
る。
トライトやCSH等の珪酸カルシウム系の水和物または
それらを主成分とする廃材が使用できる。例えば、軽量
気泡コンクリート粉末、窯業系サイジング等のセメント
二次製品の破砕品、コンクリート廃材、セメントスラッ
ジなどが利用できる。また、この材料は十分な比強度を
もつため調湿性のある建材として利用できる。そして、
前記の主成分の比率は炭酸カルシウムが15%〜65
%、非晶質シリカが15%〜45%であることが望まし
い。また、骨材及び多孔質材の一方又は双方が60%以
下含まれ、骨材の平均粒径が10μm以上であることが
望ましい。
ng/(m・s・Pa)以上あり湿度変化に対するレス
ポンスが良い。図1に本実施形態に係る調湿建材の細孔
径分布の一例を示すが、平均細孔径の両側にそれぞれピ
ークを持つことが特徴であり、平均より小さい細孔径が
比表面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率を大き
くする働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が得られ
る。
実際の湿度変化雰囲気での評価として、25℃の一定温
度条件で湿度70%、30%を24時間づつ保持する4
8時間1サイクルの試験を行い、材料の重量変化を測定
し、単位面積当たりの吸放湿量を測定したところ、単位
面積当たり80g/m2以上あり吸放湿量が大きい。
06m厚さの建材で、0.3m幅を片持ちはりとした場
合の最大引っ張り応力から計算すると、曲げ強度(kg
/m 2)/かさ密度(kg/m3)で算出される比強度
が約180m必要であるが、この調湿建材はそれ以上の
比強度を有するため強度的にも十分である。
CaO/SiO2が0.25となるように粉体を調整し
た。それをオートクレーブで、180℃の温度条件で4
時間トバモライトの合成を行った。できた粉体を、プレ
ス成型機を用いて成形圧力を20MPaで、300mm
×300mm×12mm厚さの板を成形した。
し、炭酸硬化させることにより、炭酸カルシウムが29
%、非晶質シリカが21%、骨材が49%である調湿建
材を製造した。成分の分析は、炭酸カルシウムは、試料
を6Nの塩酸で溶解して、発生する炭酸ガス量から計算
した。非晶質シリカは、2Nの水酸化ナトリウムで溶解
した量から計算した。
た後、溶解液をろ過し温水で十分洗浄する。次に、ろ紙
上に残ったものを2Nの水酸化ナトリウムで溶解し、塩
酸で中和した後ろ過し温水で十分洗浄する。最後にろ紙
上に残ったものが骨材であるのでこれを定量した。な
お、骨材の平均粒径は、SALD−2000粒度分布測
定装置(株式会社島津製作所製)を用いて粒度分布を測
定し、平均粒径を求めた。これにより、骨材の平均粒径
が68μmと求められた。次に比表面積と平均細孔直径
を窒素吸着法、具体的には、マイクロメリテックス ア
サップ 2400(株式会社島津製作所製)を用い測定
したところ、比表面積は92m2/gで、平均細孔直径
は9.5nmであった。また、上記した測定方法にした
がって全没吸水率を求めたところ44.3%であった。
り、湿気伝導率を測定したところ、10.4ng/(m
・s・Pa)であった。次に吸放湿量を測定するため
に、一定温度の元で湿度変化を一定間隔で繰り返す試験
を以下の通り行った。まず材料を、300mm角面を1
面だけ調湿作用するように、他の5面をアルミニウムシ
ールで防湿処理を行った。これを環境試験器内で25℃
の一定温度で、湿度を30%に保ち試験体重量変動がな
くなるまで放置した。
湿度上昇時の吸湿による重量変化を測定し、その後30
%へ変更し24時間保持し湿度低下による放湿時の重量
変化を測定する48時間1サイクルの試験を行い、試験
体の単位面積当たりの吸放湿量を測定した。なお、吸放
湿量は次の式で求めた。 吸放湿量=((吸湿時の重量変化+放湿時の重量変化)
/2)/試験体面積 その結果、123g/m2であった。次に材料を100
mm×25mm×12mm(厚さ)に加工し、そのかさ
密度と曲げ強度を測定し、比強度を算出したところ、5
32mであった。最後にJIS A 5430に準ずる
方法で、吸水による長さ変化率を測定したところ、0.
14%であった。
分布図を示すが、平均細孔径9.5nmの両側にそれぞ
れピークを持つことが特徴であり、平均より小さい細孔
径が比表面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率を
大きくする働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が得
られた。
CaO/SiO2が0.4となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが40%、非晶質シリカが29%、骨材が2
9%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す
方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
CaO/SiO2が0.6となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが50%、非晶質シリカが36%、骨材が1
2%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す
方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
CaO/SiO2が0.8となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが57%、非晶質シリカが41%、骨材が1
%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す方
法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
料粉末を使い、CaO/SiO2が0.8となるように
粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、平均粒
径が8μmである珪石微粉末を14重量部ミキサーで混
合した。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、
炭酸カルシウムが50%、非晶質シリカが36%、骨材
が12%である調湿建材を製造した。それを実施例1に
示す方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示
す。
料粉末を使い、CaO/SiO2が0.25となるよう
に粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、多孔
質材粉末として粒径が74μm以下である粘土を30重
量部ミキサーで混合した。これを実施例1に示す手順で
炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが22%、非晶質シリ
カが16%、骨材が37%、多孔質材が23%である調
湿建材を製造した。それを実施例1に示す方法で各種の
測定を行った。以上の結果を表1に示す。
料粉末を使い、CaO/SiO2が0.8となるように
粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、多孔質
材粉末として粒径が74μm以下である粘土を140重
量部ミキサーで混合した。これを実施例1に示す手順で
炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが23%、非晶質シリ
カが17%、骨材が0.4%、多孔質材が58%である
調湿建材を製造した。それを実施例1に示す方法で各種
の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
料粉末を使い、CaO/SiO2が0.25となるよう
に調整し、オートクレーブで180℃4時間養生した。
この粉体100重量部に対し、普通ポルトランドセメン
トを10重量部ミキサーで混合した。これを実施例1に
示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが60%、
非晶質シリカが17%、骨材が23%である調湿建材を
製造した。それを実施例1に示す方法で各種の測定を行
った。以上の結果を表1に示す。
料粉末を使い、CaO/SiO2が0.6となるように
調整し、オートクレーブで180℃4時間養生した。こ
の粉体100重量部に対し、膨張パーライト系の軽量細
骨材を15重量部ミキサーで混合した。これを実施例1
に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが43
%、非晶質シリカが31%、パーライトを含む骨材が2
3%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す
方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
が80〜250m2/g、平均細孔直径が1.5〜3
0.0nm、24時間全没吸水率が20%以上となるた
め、湿気伝導率が8.0ng/(m・s・Pa)以上あ
り、吸放湿量が80g/m2以上となり調湿性能が高
く、比強度も180m以上を満足する十分な強度がある
調湿建材が得られた。また、骨材の平均粒径を10μm
以上としており、吸水による長さ変化率0.25%以下
を満足した。
対し、水を5.5kg、つのまたを0.3kg加え混練
した。それを型枠に入れ、300mm×300mm×1
2mm(厚さ)、100mm×25mm×12mm(厚
さ)の試験体に加工した。それぞれの試験体を4週間硬
化させ、実施例1に示す方法で各種の測定を行った。
平均細孔直径も1.4nmと小さいため、湿気伝導率は
7.3ng/(m・s・Pa)と小さく、吸放湿量も3
8g/m2 と低く調湿性能に劣った。また比強度も5
5mと小さかった。また、骨材の平均粒径が9μmと小
さいため、吸水による長さ変化率も0.4%と大きく調
湿建材としては使用しにくいことが分かった。以上の結
果を表1に示す。
gに対し、水を6.5kg加え混練した。それを型枠に
入れ、300mm×300mm×12mm(厚さ)、1
00mm×25mm×12mm(厚さ)の試験体に加工
した。それぞれの試験体を4週間硬化させ、実施例1に
示す方法で各種の測定を行った。
く、平均細孔直径も1.3nmと小さかった。また、湿
気伝導率は17.5ng/(m・s・Pa)と大きかっ
たが、吸放湿量が27g/m2と低く調湿性能に劣っ
た。また比強度は425mと十分高いが、骨材の平均粒
径が8μmと小さかったため、乾燥時にクラックが入っ
てしまうほど収縮が大きく、吸水による長さ変化率が測
定できなかった。つまり、調湿建材としては使用しにく
いことが分かった。
CaO/SiO2が0.25となるように粉体を調整
し、オートクレーブで180℃4時間養生した。この粉
体100重量部に対し、人工焼成系の軽量細骨材を30
重量部ミキサーで混合し、これを実施例1に示す手順で
炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが22%、非晶質シリ
カが16%、骨材が37%、多孔質材が23%である調
湿建材を製造した。それを実施例1に示す方法で各種の
測定を行った。以上の結果を表1に示す。
と非晶質シリカである炭酸硬化成形体であり、かつ、比
表面積及び平均細孔直径は請求項1の範囲内にあるが、
24時間全没吸水率が20%に満たないものである。こ
れは、添加した人工成型系軽量骨材の中の空隙が独立細
孔になっていて材料内の細孔が互いに連続する量が少な
いため、水蒸気が容易に進入・放出することができず、
湿気伝導率が6.2ng/(m・s・Pa)と低い値と
なって湿度変化に対するレスポンスが悪いものと考えら
れる。
湿性を持ち、強度も十分ある不燃性に優れた調湿建材が
得られ、しかも、24時間全没吸水率が20〜70%で
あるから表面から内部への水蒸気の進入・放出が迅速に
行われて湿度変化に対するレスポンスにも優れるという
効果を奏する。
ラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 炭酸硬化反応によって製造された成形
体であって主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカであ
る成形体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法に
よるその比表面積が80〜250m2/g、平均細孔直
径が1.5〜30.0nmであり、かつ、24時間全没
吸水率が20〜70%であることを特徴とする調湿建
材。 - 【請求項2】 比強度が180m以上であることを特徴
とする請求項1記載の調湿建材。 - 【請求項3】 前記成形体中に炭酸カルシウムが15%
〜65%、非晶質シリカが15%〜45%並びに骨材及
び多孔質材の一方又は双方が含まれることを特徴とする
請求項1又は2に記載の調湿建材。 - 【請求項4】 前記炭酸カルシウムにはバテライトが含
まれることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
載の調湿建材。 - 【請求項5】 前記骨材及び多孔質材の一方又は双方が
60%以下含まれることを特徴とする請求項3又は4に
記載の調湿建材。
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