JP3212589B1 - 調湿建材 - Google Patents

調湿建材

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JP3212589B1 JP2000194047A JP2000194047A JP3212589B1 JP 3212589 B1 JP3212589 B1 JP 3212589B1 JP 2000194047 A JP2000194047 A JP 2000194047A JP 2000194047 A JP2000194047 A JP 2000194047A JP 3212589 B1 JP3212589 B1 JP 3212589B1
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敏史 寺村
紀文 井須
憲次 稲垣
克己 平林
雅司 坂下
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クリオン株式会社
株式会社建材技術研究所
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/20Resistance against chemical, physical or biological attack
    • C04B2111/28Fire resistance, i.e. materials resistant to accidental fires or high temperatures

Abstract

【要約】 【課題】 湿気の吸放湿性、透湿性に優れ、かつ、吸水
性がなく汚れにも強い調湿建材を提供する。 【解決手段】 本発明の調湿建材は、主成分が炭酸カル
シウムと非晶質シリカである成形体を炭酸硬化反応によ
って製造され、窒素ガス吸着法によるその比表面積が8
0〜250m/g、平均細孔直径が1.5〜30.0
nmであり、少なくとも一面に透湿撥水性被膜が形成さ
れている。この透湿撥水性被膜は、シリコーン系又はシ
ラン系のいずれかのアルコール溶剤系撥水剤及び植物系
油脂を主成分とする透湿性撥水塗料のうちの少なくとも
1種を塗布して形成されたものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に不燃性に優れ
た無機系で、室内の湿度を調整する機能を持つ調湿建材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から調湿性のある建築材として、一
般に炭酸カルシウムを主成分としたしっくいがある。し
っくいは調湿建材として古くから使用されているが、実
際は吸放湿量が少ない。そして、乾燥収縮によるクラッ
クを防止するために、厚くしたり、例えばすさ等の補強
繊維を多量に混入する必要がある。しかし、厚くすると
吸放湿量は増えるが透湿性が落ちるという問題があり、
調湿性能は上がらない。
【0003】このしっくいの調湿性を改善した材料とし
て、非晶質シリカを含む珪藻土を内添したしっくいや、
非晶質シリカを含む珪藻土を内添したセメント板がある
が、珪藻土がしっくいやセメントのアルカリ成分によっ
て変質し、本来珪藻土が持っている高い比表面積を低下
させてしまい、十分に調湿効果がでない。
【0004】さらに、建材としては、一般的に強度、寸
法安定性や不燃性が求められるが、前述の材料は重量が
ある割に強度が低い。つまり比強度が低い。また、吸水
による長さ変化率が大きく、クラックが発生したり寸法
安定性に劣る。そして、クラック防止のために、すさ等
を多量に混入すると不燃性が下がる等の問題がある。
【0005】また、一般的に調湿建材は微細な空隙を有
しそれぞれの空隙が連通した組織で構成されており、そ
の連通空隙が表層まで存在する。この連通空隙を通して
周囲の湿分を吸収したり放出したりするが、同時に水分
も吸収してしまう。そのため、果汁、ソース、泥水など
の着色した水分が調湿建材に付着すると、直ぐに材料内
部に染み込んでしまい汚れてしまう問題がある。このよ
うな汚れに対して塩素系漂白剤を使用して、染み抜きを
する方法などがあるが、著しい汚れに対しては完全に除
去できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題を解決し、湿気の吸放湿量、透湿性に優れ、かつ
建材として使用できる十分な強度を備えると共に、水分
の吸収が少なく汚れにくい不燃性の調湿建材を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の調湿建
材は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であっ
て、主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカである成形
体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法によるそ
の比表面積が80〜250m /g、平均細孔直径が
1.5〜30.0nmであり、かつ、少なくとも一面に
透湿撥水性被膜を形成したところに特徴を有する。
【0008】人間が快適に生活していくための相対湿度
条件は、一般に40〜70%の間がよいといわれてい
る。室内湿度をその間に保つためには、その範囲におい
てすぐれた調湿能力を発揮する調湿建材が適している。
また、調湿材とは、表面物理の観点からみた場合、高湿
度雰囲気では材料が持つ毛細管により空気中の水蒸気を
吸着し、低湿度雰囲気では吸着された水分を空気中に放
出する能力が高い材料であるといえる。
【0009】では実際にどのような材料が優れた調湿建
材となり得るかについて鋭意研究した結果、発明者ら
は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であって主
成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカからなるものにお
いては、平均細孔直径及び比表面積が調湿性能に大きく
影響することを見い出した。
【0010】すなわち、調湿は材料内部にある微細空隙
壁に水蒸気が吸着・離脱することによって行われるた
め、微細な細孔を持ち、かつ、比表面積の大きな材料ほ
ど吸放湿量が高い。しかし、細孔径が極端に小さい場合
には、水蒸気の離脱が困難になり吸湿はするが放湿しな
い状態になるので、比表面積が80〜250m/gで
あって、平均細孔直径を1.5〜30.0nmの範囲と
することが最適である。
【0011】また、成形体が上述のような比表面積及び
平均細孔直径を有するようにするには、成形体組成を炭
酸カルシウムが15%〜65%、非晶質シリカが15%
〜45%、および骨材及び多孔質材の一方又は双方が含
まれる構成とすれば良い。さらに、炭酸カルシウム中に
はバテライトが含まれることが好ましい。これらの組成
とすることにより、全体として数nmの微細孔を持つ比
表面積の非常に大きな材料となる。
【0012】なお、前記成形体には骨材及び多孔質材の
一方又は双方を60%以下含むことができ、多孔質材が
60%以下であれば、十分な比強度を保ちながら調湿性
能をあげることができる。ここで骨材には、珪石粉末、
長石粉末、雲母、人工軽量骨材等を用いることができ、
また、多孔質材には、アルミナ珪酸塩類を含むものや軽
石やバルン状充填材等を用いることができる。また、本
調湿建材の主成分である炭酸カルシウムは、700℃以
上の高温で加熱されると吸熱反応を起こして二酸化炭素
と酸化カルシウムに解離するから、本発明の調湿建材は
不燃性に優れる。
【0013】本発明では、さらに、材料の少なくとも一
面に透湿撥水性被膜を形成してあるところにも特徴を有
する。この被膜によって調湿性をあまり妨げることなく
水分をはじき、使用時のメンテナンスを容易にすること
ができる。
【0014】被膜としては透湿撥水性を有するものであ
ればよいが、そのなかで特にシリコーン系またはシラン
系のいずれかのアルコール溶剤系撥水剤及び植物系油脂
を主成分とする透湿性塗料の少なくとも1種を塗布して
形成されたものが、飛沫程度の水滴であれば殆ど吸水が
なく高い撥水性を示すため好ましい。なお、シリコーン
系またはシラン系の撥水剤にはエマルジョン系(水系)
タイプのものもあるが、これは被膜が無い場合と比して
吸水性は低下するが、撥水性はあまり望めないから、シ
リコーン系またはシラン系ではアルコール溶剤系である
ことが必要である。
【0015】植物系油脂としては亜麻仁油、向日葵油、
大豆油、アザミ油、椰子油、ユーカリ油、カルナバワッ
クス、カンデリラワックス等を主成分とし、溶剤として
アルコール系を使用したものがVOC(揮発性有機化合
物)の発生もなく好ましい。また、被膜は数〜数十μm
の厚さにするのが好ましい。これ以上の膜厚では透湿性
の低下が著しくなるので好ましくない。被膜には着色の
ための顔料を含んでいてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の調湿建材の出発原料とし
て、石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を用い、それを任
意のカルシウムとシリカ成分のモル比率(CaO/Si
)となるように調整する。過剰なSiOは後述の
水和反応またはオートクレーブ反応で反応せず骨材とし
て残る。残った骨材の平均直径は10μm〜3mmが望
ましい。石灰質原料粉末として普通セメント、早強セメ
ント等のポルトランドセメント、消石灰、生石灰等の一
種または2種以上の混合物が使用できる。また、珪酸質
原料粉末としては、珪砂、珪石粉末、石炭灰、シリカゲ
ル、クリストバライト、珪藻土等の一種または2種以上
の混合物が使用できる。ただし、別途骨材と多孔質材の
両方またはどちらか一方を必要に応じて60%以下混入
しても良い。
【0017】混入できる骨材は例えば珪石粉末、長石粉
末、雲母、人工軽量骨材などがあり、その場合の平均粒
径も10μm〜3mmが望ましい。多孔質材は例えばア
ルミナ珪酸塩類を含むものや軽石やバルン状充填材等が
ある。なお、骨材と多孔質材の添加は、反応前または、
後述する加圧成形前でも良い。それを水和反応もしくは
オートクレーブ反応で、珪酸カルシウム系の水和物を生
成する。例えば180℃ではその主成分がトバモライト
であり、余剰な珪酸質原料が骨材となる粉末が合成でき
る。
【0018】トバモライトの他に、ゾノトライトやCS
H等の珪酸カルシウム系の水和物またはそれらを主成分
とする粉末および廃材が使用できる。例えば、軽量気泡
コンクリート粉末、窯業系サイジング等のセメント系二
次製品の破砕品、コンクリート廃材、セメントスラッジ
などが使用できる。
【0019】これを、プレス機を使用して板状に加圧成
形を行う。加圧力は5〜30MPaが望ましい。なお、
加圧成形を行う前に、0.1〜5.0%の補強繊維、
0.01〜5%の無機顔料、0.01〜5%のVOC
(揮発性有機化合物)の吸着剤を混入しても良い。さら
に、材料の強度を増加させる目的で普通、早強、中庸
熱、白色などのポルトランドセメントやγ−C2Sを炭
酸化後材料の炭酸カルシウム含有量が65%を越えない
ように混入してもよい。なお、ポルトランドセメントを
使用する場合には、そのセメントの一部または全部が水
和反応したものでも構わない。
【0020】次に、これを炭酸ガスを使用して密閉容器
内で反応硬化させる。反応条件は、温度が0〜100
℃、炭酸ガス濃度が2〜100%が工業的には好ましい
が、例えば燃焼時に発生する排気ガス中の炭酸ガス等も
使用できる。炭酸化反応により、トバモライト中のカル
シウム成分が炭酸カルシウムとなり抜けだし、細孔を多
数有する非晶質シリカができる。また、炭酸カルシウム
は、その主成分がカルサイトだけではなく、微細なバテ
ライトも生成する。これらの生成物により数nmの微細
孔を持つ表面積の非常に大きな材料となる。
【0021】また、この材料は十分な比強度をもつため
調湿性のある建材として利用できる。そして、前記の主
成分の比率は炭酸カルシウムが15%〜65%、非晶質
シリカが15%〜45%であることが望ましい。また、
骨材と多孔質材の両方またはどちらか一方が60%以下
含まれ、骨材の平均粒径が10μm以上であることが望
ましい。
【0022】炭酸硬化が終了した成形体に前記の透湿撥
水剤を塗布するが、材料表面に付着する汚れを防止する
のを目的とするため、塗布面が表面層であることが実用
上好ましい。塗布方法は、スプレー、刷毛、ローラー等
のいずれの方法も採用できる。塗布量は、主剤成分が数
〜100g/mの範囲とするのが好ましい。
【0023】撥水性を付加するその他の方法として、珪
酸質原料粉末および石灰質原料粉末に撥水剤を混合す
る、あるいは水和・水熱合成後の粉粒体に撥水材を混合
する、またプレス成形後の成形体に撥水材を塗布するな
どの撥水性を付加する方法が考えられる。さらに珪酸カ
ルシウム水和物原料として撥水性軽量気泡コンクリート
を利用する方法もある。しかしこれらの方法によると撥
水性はあまり望めない。なぜなら、これらの方法は、そ
の後の炭酸硬化工程で炭酸カルシウムの析出が起こり、
撥水性のない新たな表面が生成されるからと推測され
る。
【0024】また、調湿性能のパラメーターとしては、
吸放湿量の他にも、周囲の湿度変化に対する応答性も重
要なファクターである。その因子は湿気伝導率で評価で
きる。湿気伝導率が高い材料は、湿度変化に対するレス
ポンスが速く、調湿建材としては好ましい。ただし、湿
気伝導率が高すぎる材料は一般に連続した空隙が多く、
密度が低くなるため、吸放湿量および強度が低くなるも
のが多い。
【0025】本実施形態の調湿建材は、湿気伝導率が8
ng/(m・s・Pa)以上あり湿度変化に対するレス
ポンスが良い。図1に本実施形態に係る調湿建材の細孔
径分布の一例を示すが、平均細孔径の両側にそれぞれピ
ークを持つことが特徴であり、平均より小さい細孔径が
比表面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率を大き
くする働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が得られ
る。
【0026】また、本実施形態の調湿建材の一例につい
て、実際の湿度変化雰囲気での評価として、25℃の一
定温度条件で湿度70%、30%を24時間づつ保持す
る48時間1サイクルの試験を行い、材料の重量変化を
測定し、単位面積当たりの吸放湿量を測定したところ、
単位面積当たり80g/m以上あり吸放湿量が大き
い。
【0027】また、例えば0.3m幅×0.6m長さ×
0.006m厚さの建材で、0.3m幅を片持ちはりと
した場合の最大引っ張り応力から計算すると、曲げ強度
(kg/m)/かさ密度(kg/m)で算出される
比強度が約180m必要であるが、この調湿建材はそれ
以上の比強度を有するため強度的にも十分である。な
お、かさ密度は500〜2000Kg/m程度が望ま
しい。
【0028】
【実施例1】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiOが0.25となるように粉体を調整し
た。それをオートクレーブで、180℃の温度条件で4
時間トバモライトの合成を行った。できた粉体を、プレ
ス成型機を用いて成形圧力を20MPaで、300mm
×300mm×12mm厚さの板を成形した。
【0029】それを前記の方法で市販の炭酸ガスを使用
し、炭酸硬化させることにより、炭酸カルシウムが29
%、非晶質シリカが21%、骨材が49%である調湿建
材を製造した。成分の分析は、炭酸カルシウムは、試料
を6Nの塩酸で溶解して、発生する炭酸ガス量から計算
した。非晶質シリカは、2Nの水酸化ナトリウムで溶解
した量から計算した。
【0030】骨材は、まず、試料を6Nの塩酸で溶解し
た後、溶解液をろ過し温水で十分洗浄する。次に、ろ紙
上に残ったものを2Nの水酸化ナトリウムで溶解し、塩
酸で中和した後ろ過し温水で十分洗浄する。最後にろ紙
上に残ったものが骨材であるのでこれを定量した。な
お、骨材の平均粒径は、SALD−2000粒度分布測
定装置(株式会社島津製作所製)を用いて粒度分布を測
定し、平均粒径を求めた。これにより、骨材の平均粒径
が68μmと求められた。次に比表面積と平均細孔直径
を窒素吸着法、具体的には、マイクロメリテックス ア
サップ 2400(株式会社島津製作所製)を用い測定
したところ、比表面積は92m/gで、平均細孔直径
は9.5nmであった。
【0031】次に成形体の300×300cmの一面に
シリコーン系の撥水剤(東レダウコーニング社製 BY
16−805)をイソプロピルアルコールで20倍に希
釈したものを200g/mの塗布量でスプレーした。
これでシリコーン主剤は10g/mを塗布したことに
なる。
【0032】この塗布した材料をJIS A1324に
準ずる方法により、湿気伝導率を測定したところ、8.
9ng/(m・s・Pa)であった。次に吸放湿量を測
定するために、一定温度の元で湿度変化を一定間隔で繰
り返す試験を以下の通り行った。まず材料を、塗布を施
した300mm角面を1面だけ調湿作用するように、他
の5面をアルミニウムフィルムで防湿処理を行った。こ
れを環境試験器内で25℃の一定温度で、湿度を30%
に保ち試験体重量変動がなくなるまで放置した。
【0033】次に湿度を70%へ変更し24時間保持し
湿度上昇時の吸湿による重量変化を測定し、その後30
%へ変更し24時間保持し湿度低下による放湿時の重量
変化を測定する48時間1サイクルの試験を行い、試験
体の単位面積当たりの吸放湿量を測定した。なお、吸放
湿量は次の式で求めた。 吸放湿量=((吸湿時の重量変化+放湿時の重量変化)
/2)/試験体面積 その結果、111g/mであった。次に材料を100
mm×25mm×12mm(厚さ)に加工し、そのかさ
密度と曲げ強度を測定し、比強度を算出したところ、5
32mであった。
【0034】次に、水をメスピペットで5mlとり、こ
の水を水平に置いた材料の表面に滴下した。この状態で
水玉が材料表面に形成されていた。5分後材料の表面を
乾いたペーパータオルで拭き取ったが、材料の変色は認
められなかった。拭き取り後の重量と滴下前の重量との
差は、0.2gであり殆ど吸水していないことが明らか
になった。
【0035】以上の結果を表1に示す。また、図1に細
孔径の分布図を示すが、平均細孔径9.5nmの両側に
それぞれピークを持つことが特徴であり、平均より小さ
い細孔径が比表面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝
導率を大きくする働きがあり、その相乗効果で高い調湿
性が得られた。
【表1】
【実施例2】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiOが0.40となるように粉体を調整し
たものを用い、実施例1と同様の方法で、珪酸カルシウ
ムを合成、プレス成形、炭酸反応を行った。この方法に
より炭酸カルシウムが40%、非晶質シリカが29%、
骨材が29%である調湿建材を製造した。またこの材料
骨材の平均粒径が57μm、比表面積は115m2/
g、平均細孔直径は4.5nmであった。
【0036】次に成形体の300×300cmの一面に
天然油脂系塗料(Ostermann & Schei
we社製 オスモカラー エキストラクリアー#110
1)を原液で40g/mの塗布量になるように刷毛塗
りした。これで油脂剤が34g/mを塗布されたこと
になる。
【0037】この塗布した材料の湿気伝導率および吸放
湿性能を実施例1と同様の方法で測定したところ、それ
ぞれ8.5ng/(m・s・Pa)、109g/m
あった。また比強度は、669mであった。
【0038】次に、実施例1と同様に滴下による撥水効
果を観察したが、水玉が材料表面に形成され水が材料内
部に浸透することはなかった。また拭き取り後の重量変
化は、0.1gであった。以上の結果も表1に示す。
【0039】
【比較例1】実施例1で製造した成形体と同じ材料で、
表面に撥水塗装を施さない材料の湿気伝導率、吸湿量を
測定し、その結果を表1に示す。また水5mlの滴下に
よる撥水効果を調査したところ、滴下後数秒で水は材料
内部に浸透してしまい、5分後にはペーパタオルで拭き
取れる状態ではなかった。拭き取り後の重量変化は4.
8gであった。完全に含浸したにも係わらず、5g以下
となったのは、含浸した水が材料から放湿したためと考
えられる。
【0040】
【比較例2】実施例2で製造した成形体と同じ材料で、
表面に撥水塗装を施さない材料の湿気伝導率、吸湿量を
測定し、その結果を表1に示す。また水5mlの滴下に
よる撥水効果を調査したところ、滴下後数秒で水は材料
内部に浸透してしまい、5分後にはペーパタオルで拭き
取れる状態ではなかった。拭き取り後の重量変化は4.
8gであった。完全に含浸したにも係わらず、5g以下
となったのは、比較例1と同様の原因と思われる。
【0041】
【発明の効果】上述のように、本発明により、優れた調
湿性を持ち、強度も十分ある不燃性に優れた調湿建材が
得られる。しかも、優れた調湿性を持ちながら、透湿撥
水性被膜を有するから、水分の吸収を抑えて汚れに強い
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における細孔径分布を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C04B 111:28 C04B 111:28 (72)発明者 稲垣 憲次 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株 式会社建材技術研究所内 (72)発明者 平林 克己 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株 式会社建材技術研究所内 (72)発明者 坂下 雅司 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株 式会社建材技術研究所内 (56)参考文献 特開 平7−284628(JP,A) 特開 平8−81284(JP,A) 特開 平7−25679(JP,A) 特開 平9−12404(JP,A) 特開 平9−12924(JP,A) 特開 平6−248259(JP,A) 特開 平8−176502(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/18 - 28/22 C04B 41/62 - 41/64 C04B 40/02 B01D 53/28 E04B 1/64 C04B 28/00 C04B 28/10 C04B 12/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸硬化反応によって製造された成形
    体であって主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカであ
    る成形体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法に
    よるその比表面積が80〜250m/g、平均細孔直
    径が1.5〜30.0nmであり、かつ、少なくとも一
    面に透湿撥水性被膜が形成されていることを特徴とする
    調湿建材。
  2. 【請求項2】 前記透湿撥水性被膜は、シリコーン系又
    はシラン系のいずれかのアルコール溶剤系撥水剤及び植
    物系油脂を主成分とする透湿性撥水塗料のうちの少なく
    とも1種を塗布して形成されたものであることを特徴と
    する請求項1記載の調湿建材。
  3. 【請求項3】 比強度が180m以上であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の調湿建材。
  4. 【請求項4】 前記成形体中に炭酸カルシウムが15%
    〜65%、非晶質シリカが15%〜45%並びに骨材及
    び多孔質材の一方又は双方が含まれることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の調湿建材。
  5. 【請求項5】 前記炭酸カルシウムにはバテライトが含
    まれることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記
    載の調湿建材。
  6. 【請求項6】 前記骨材及び多孔質材の一方又は双方が
    60%以下含まれることを特徴とする請求項4又は5に
    記載の調湿建材。
JP2000194047A 2000-06-28 2000-06-28 調湿建材 Expired - Fee Related JP3212589B1 (ja)

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