JP2000289430A - オーバーヘッド型車両用空調ユニット - Google Patents
オーバーヘッド型車両用空調ユニットInfo
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Abstract
ができるオーバーヘッド型車両用空調ユニットを提供す
る。 【解決手段】 空調ケーシング31内にエバポレータ7
とクロスフローファン8Aとが組み込まれ、車室内の天
井部に設置して使用するオーバーヘッド型車両用空調ユ
ニットであって、空調ケーシング31内にクロスフロー
ファン8Aのケーシングを一体成形した。
Description
車両用空調ユニットに係り、特に、空調ユニット全体の
形状を薄くして車載性を向上させる技術に関する。
リムジンと呼ばれるような自動車においては、運転席及
び助手席前方に設置される空気調和ユニットに加えて、
第2列目や第3列目などの後部座席用として専用の空調
ユニットを設けることがある。このような後席用空調ユ
ニットには、図14及び図15に示すように、車室内の
天井に設置されるものが多く、一般的にはオーバーヘッ
ド型車両用空調ユニットと呼ばれている。
ユニットを図14ないし図22に基づいて簡単に説明す
る。図14及び図15は、セダン型乗用車に設置された
オーバーヘッド型車両用空調ユニット(以下、リヤ空調
ユニットと呼ぶ)の例を示しており、図中の符号1がリ
ヤ空調ユニットである。この場合、コンプレッサで圧縮
された高温高圧の冷媒は、コンデンサによって冷却さ
れ、リヤ空調ユニット1及び図示省略のフロント空調ユ
ニットに供給される。
ユニット1を車室後方側から見たものである。リヤ空調
ユニット1は、ブラケット2を用いて両側端部が車体構
成部材3に固定されている。実際には、ブラケット2な
どの取付部材が車室内に露出しないようにするため、適
当なカバー部材(図示省略)で覆うなどの処置が施され
ている。また、このリヤ空調ユニット1は、図16及び
図17に示すように、車室内への突出量を極力小さくす
るため、ルーフパネル4の車室側に設けられる車幅方向
の補強部材5,5の間に納めるなどの工夫がなされてい
る。これは、限られた条件の下で乗員の頭上空間をでき
るだけ広く確保して、快適な車室内空間を提供すること
を主な目的としたものである。
来のリヤ空調ユニット1の構成を簡単に説明する。この
リヤ空調ユニット1は、ケーシング6内に、冷房用の熱
交換器であるエバポレータ7と、車室内の空気(内気)
を吸引してエバポレータ7を通し、熱交換した空調空気
を車室内へ吹き出す送風機8とを備えている。なお、図
中の符号9は吸込口、10は吹出口である。このような
空調ユニット1においては、ケーシング6が上下(6
a,6b)に2分割され、送風機8としては、図19に
示すようにクロスフローファン8Aのユニット組み込ん
だものと、図20に示すようにシロッコファン8Bのユ
ニットを組み込んだものとがある。
内の天井に設置するものであり、しかも、ドレン水を排
出するエバポレータ7を内蔵したものであるため、この
ドレン水の排水処理が重要になる。図21及び図22は
従来のドレン水処理を説明するための図で、図21
(a)は下部ケーシング6bの熱交換器設置面を示す平
面図、図21(b)は下部ケーシング6bの正面図であ
る。この場合、基本的にはドレン水を両サイドに設けた
排水口11に導き、同排水口11に接続されるドレンホ
ース(図示省略)を通して車外へと排水する。従って、
下部ケーシング6bは、図21(b)に示すように、中
央部が最も高くかつ両サイドが最も低くなるように凸状
に湾曲した形状となっている。なお、下部ケーシング6
bは、ドレンパンとして機能する車両前方側の熱交換器
設置面と、車両後方側の送風機設置面とが一体の構成と
なっている。
車両の走行中にも使用されてドレン水が排出されるた
め、走行中に生じるあらゆる状況を考慮して排水処理を
する必要がある。具体的には、坂道を登ったり下ったり
する場合や加速及び減速によって生じるドレン水の前後
方向の移動、あるいは、旋回時におけるドレン水の左右
方向の移動があっても車室内にドレン水が漏れ出さない
ようにする必要がある。従って、従来のリヤ空調ユニッ
ト1においては、図21(a)及び図22に示すよう
に、下部ケーシング6bに車幅方向に延びるリブ12,
13,14、15及び車両前後方向のリブ16,17を
設けて、4本の排水流路18,19,20,21を形成
することで対処している。なお、図中の符号22は、断
熱及びエバポレータ7の保護を目的として、下部ケース
6aとエバポレータ7との間に設置するインシュレーシ
ョン部材である。なおまた、最前端に位置するリブ12
はケーシング6の前面の一部を構成し、同リブ12の上
方には吸込口9が開口している。
ヤ空調ユニット1は、車室内の天井に設置されるもので
あるため、乗員の頭上にできるだけ大きな空間を確保で
きるように、極力薄い形状として小型化することが求め
られる。ワンボックスカーに比べて車高が低いセダン型
乗用車においては、車室内空間の高さも低いものとなる
ため、このような要求が特に強い。しかしながら、従来
のリヤ空調ユニット1では、ケーシング6内に組み込む
送風機8自体が専用のケーシング8a(図18参照)を
備えたものであるため、その分のスペースが必要となっ
て小型化を阻む要因になっていた。
激な減速などの慣性により前方へ移動するドレン水の飛
び出しを防止するためには、最前端に位置してケーシン
グ6の一部を構成しているリブ12をできるだけ高くす
ることが望まれる。しかし、上述したように設置位置の
問題からリヤ空調ユニット1の厚さが制限されるため、
リブ12を高くするとその分吸込口9の開口面積が影響
を受けて減少するので、通気抵抗が大きくなるという問
題が生じてくる。このような通気抵抗の増大は、リヤ空
調ユニット1の運転騒音を増加させ、さらに、送風機8
の動力消費をも増すことになる。
れたもので、確実なドレン水処理とリヤ空調ユニットを
薄くして小型化することとを両立させたオーバーヘッド
型車両用空調ユニットの提供を目的とするものである。
決するため以下の手段を採用した。請求項1に記載のオ
ーバーヘッド型車両用空調ユニットは、空調ケーシング
内に冷房用の熱交換器と送風機とが組み込まれ、車室内
の天井部に設置して使用するオーバーヘッド型車両用空
調ユニットであって、前記空調ケーシング内に前記送風
機のケーシングを一体成形したことを特徴とするもので
ある。この場合、前記送風機がクロスフローファンであ
ることが好ましく、また、好適には前記空調ケーシング
が上下に2分割され、下部ケーシングに設けられたスタ
ビライザ部と上部ケーシングに設けられたファンケーシ
ング部とにより前記クロスフローファンのケーシングを
構成するとよい。
ニットによれば、送風機のケーシングが空調ケーシング
に一体化されたので、空調ユニットの小型化及び部品点
数の低減が可能となる。
空調ユニットは、空調ケーシング内に冷房用の熱交換器
と送風機とが組み込まれ、車室内の天井部に設置して使
用するオーバーヘッド型車両用空調ユニットであって、
前記空調ケーシングの熱交換器設置面にインシュレーシ
ョン部材を介して前記熱交換器を設置し、かつ前記熱交
換器の前後で車幅方向に延びる上下方向の壁面を形成し
て、該壁面と前記インシュレーション部材端面との間に
熱交換器ドレン水を両サイドの排水口に導く排水流路を
形成したことを特徴とするものである。この場合、前記
壁面がリブによって形成されてもよい。
ニットによれば、インシュレーション部材の厚み分だけ
排水流路を深くできるので、壁面を低くできる。従っ
て、空調ユニットを薄くするのに貢献できる。
空調装置は、空調ケーシング内に冷房用の熱交換器と送
風機とが組み込まれ、車室内の天井部に設置して使用す
るオーバーヘッド型車両用空調ユニットであって、前記
空調ユニットの熱交換器設置面に形成され熱交換器ドレ
ン水を排水口に導く排水流路に、流路巾を狭める仕切リ
ブを設けたことを特徴とするものである。
ニットによれば、排水流路内に溜まった熱交換器ドレン
水が加減速などの慣性力で前後方向に移動する距離を短
くできるため、排水流路を飛び越えて流出しにくくな
る。
空調ユニットは、空調ケーシング内に冷房用の熱交換器
と送風機とが組み込まれ、車室内の天井部に設置して使
用するオーバーヘッド型車両用空調ユニットであって、
前記空調ケーシングの熱交換器設置面に、前記空調ケー
シングの前端壁により形成された第1のリブと、前記熱
交換器の前後でそれぞれが車幅方向に延びる第2及び第
3のリブと、前記熱交換器設置面と後方の送風機設置面
との間を仕切る第4のリブとを設けて、前記第1のリブ
と前記第2のリブとの間の第1の排水流路、前記第2の
リブと前記熱交換器前面との間の第2の排水流路、前記
熱交換器後面と前記第3のリブとの間の第3の排水流
路、及び前記第3のリブと前記第4のリブとの間の第4
の排水流路を形成して熱交換器ドレン水を両サイドの排
水口に導くと共に、前記第1の排水流路に流路巾を狭め
る仕切リブを設けたことを特徴とするものである。この
場合、前記熱交換器がインシュレーション部材を介して
前記空調ケーシングの熱交換器設置面上に設置され、前
記インシュレーション部材端面と前記壁前記第2のリブ
及び前記第3のリブとの間に隙間を設けて前記第2の排
水流路及び前記第3の排水流路を形成するのが好まし
く、好適には、前記第2のリブが、両サイドで前記第1
のリブに接近し中央部で離間するよう湾曲して設けら
れ、前記仕切リブを前記第1流路の中央部に配設すると
よい。
ニットによれば、最前端に位置する第1の排水流路に仕
切板を設けたので、第1排水流路内に溜まった熱交換器
ドレン水が加減速などの慣性力で前後方向に移動する距
離を短くできる。このため、熱交換器ドレン水が第1排
水流路を飛び越えて空調ユニット外へ流出するのを防止
できる。
ド型車両用空調ユニットの一実施形態を図面に基づいて
説明する。図1及び図2において、符号の7はエバポレ
ータ(熱交換器)、8Aはクロスフローファン(送風
機)、30はオーバーヘッド型空調ユニット(以下、リ
ヤ空調ユニットと呼ぶ)、31は空調ケーシング、32
は吸込口、33は吹出口、34は排水口、40は上下に
2分割された空調ケーシング31の上部ケーシング、5
0は下部ケーシングである。このリヤ空調ユニット30
は、空調ケーシング31内にエバポレータ7及びクロス
フローファン8Aが組み込まれており、クロスフローフ
ァン8Aの作動によって車両前方の吸込口32から内気
を吸引し、エバポレータ7を通過して後述する冷媒系か
ら供給される冷媒と熱交換した後、車両後方の吹出口3
3から空調空気を車室内に吹き出す冷房機能を有してい
る。ここで、車両前方とは車両前進方向における車体の
前部のことをいい、車両後方とは車体の後部のことをい
う。
構成例を示したものである。図3の平面図において、下
部ケーシング50は、車体前方側の熱交換器設置面51
と、車体後方側の送風機設置面52とにより構成され
る。一方の熱交換器設置面51は、インシュレーション
部材64を介してエバポレータ7を設置する領域であ
り、エバポレータ7より排出されるドレン水の排水処理
をするドレンパンとしての機能を有している。この場合
においても、両サイドに設けられた排水口34から排水
するため、図4に示す正面図(車両後方から見た図)の
ように、熱交換器設置面51は車幅方向における中央部
が最も高くなるように凸状に湾曲している。
ケーシング50の前端壁を第1のリブ(以下、第1リ
ブ)53として、車体後方側へ順に、第2のリブ(以
下、第2リブ)54,第3のリブ(以下、第3リブ)5
5及び第4のリブ(以下、第4リブ)56が設けられて
いる。これらのリブ53,54,55,56は、いずれ
も車幅方向に延びるものである。このうち、第2リブ5
4は、両サイドで第1リブ53に接近し中央部で離間す
るよう湾曲して設けられ、第2リブ54と第3リブ55
との間にエバポレータ7が設置される。これら第2リブ
54及び第3リブ55はいずれも両サイド付近まで設け
られている。また、第4リブ56は、その両端が両サイ
ドに接続されて熱交換器設置面51と送風機設置面52
との間を仕切る機能を有している。そして、図中の符号
62,63は、熱交換器設置面51の両サイドに流れて
きたドレン水を前後に配設された各排水口34へ導く車
両前後方向の導水リブであり、ドレン水をスムーズに導
くことができるようにしてある。なお、上述した第2リ
ブ54及び第3リブ55の両端は、いずれも第1リブ5
3,第4リブ56及び導水リブ62,63との接続はな
く、排水口34へ通じる流路となる開口部が形成されて
いる。
により、図2及び図11に示すように、第1リブ53と
第2リブ54との間には第1の排水流路(以下、第1排
水流路)57が、第2リブ54とエバポレータ7前面と
の間には第2の排水流路(以下、第2排水流路)58
が、エバポレータ7後面と第3リブ55との間には第3
の排水流路(以下、第3排水流路)59が、そして第3
リブ55と第4リブ56との間には第4の排水流路(以
下、第4排水流路)60が形成される。これらの各排水
流路は、エバポレータ7より排出されるドレン水を両サ
イドの排水口34に導く機能を有している。また、第1
排水流路57には、その流路巾を狭める目的で仕切リブ
61が設けられている。この仕切リブ61は流路巾が広
い中央部に設けられており、この結果、第1排水流路5
7の中央部は、車両前方側の前流路57aと後方側の後
流路57bとに分けられる。
8Aを設置する領域であり、本実施形態では、左右一対
のクロスフローファンにそれぞれ駆動モータを取り付け
たものが設置される。この送風機設置面52には、図5
に示す側面図及び図6に示す断面図のように、クロスフ
ローファン8Aの下部ケーシングが一体成形されてお
り、符号65で示す部分がスタビライザである。
を示したものである。この上部ケーシング40は、上述
した下部ケーシング50と組み合わせることで空調ケー
シング31を形成する。この上部ケーシング40も、上
述した下部ケーシング50と同様に、熱交換器設置領域
41と、送風機設置領域42とにより構成される。一方
の熱交換器設置領域41は、下部ケーシング50の熱交
換器設置面51上に設置されたエバポレータ7を上から
抑え込んで支持する機能を有している。また、送風機設
置領域42には、下部ケーシング50の送風機設置面5
2に設けられたスタビライザ65と共に、クロスフロー
ファン8Aのケーシングを形成するファンケーシング部
43が一体に成形されている。
ータ保護を目的として、熱交換器設置面51に敷いたイ
ンシュレーション部材64の上に設置される。このイン
シュレーション部材64は、第2リブ54から第3リブ
55まで全面にわたって敷きつめてもよいが、本発明の
実施形態では、このインシュレーション部材64は、前
後の第2リブ54及び第3リブ55との間に隙間を形成
するようにして設けられている。この結果、インシュレ
ーション部材64の前端面と第2リブ54との間、及び
インシュレーション部材64の後端面と第3リブ55と
の間には、インシュレーション部材64の厚さ分だけ深
い第2排水流路58及び第3排水流路59が形成され
る。これは、同様の排水性能を得るのであればインシュ
レーション部材64の厚さ分だけリブを低くできること
を意味しており、空調ケーシング31を薄くできる要因
になる。
て説明する。この冷媒系80は、エバポレータ7に低温
低圧の液冷媒を供給するもので、コンプレッサ81、コ
ンデンサ82及び膨張弁83を具備している。コンプレ
ッサ81は、エバポレータ7で車室内の熱を奪って気化
した低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒
としてコンデンサ82へ送り出すものである。自動車用
空気調和装置の場合、コンプレッサ81は、通常エンジ
ンよりベルト及びクラッチを介して駆動力を受ける。コ
ンデンサ82は、通常エンジンルームの前部に配設さ
れ、コンプレッサ81から供給された高温高圧のガス冷
媒を外気で冷却し、ガス状の冷媒を凝縮液化させるもの
である。リヤ空調ユニット30の場合、フロント空調ユ
ニットとは別に専用のコンデンサを備えることもある。
こうして液化された冷媒は、図示省略のレシーバへ送ら
れて気液の分離がなされた後、高温高圧の液冷媒として
膨張弁83に送られる。この膨張弁83では、高温高圧
の液冷媒を減圧及び膨張させることによって低温低圧の
液(霧状)冷媒とし、エバポレータ7へ供給する。な
お、符号の84は空調装置における温度設定や送風量な
どの制御を行う制御部である。
の車両への取付構造例を示す分解斜視図であって、図中
の符号の85は左右一対設けられた車体固定用のブラケ
ット、86は排水口34に接続されてドレン水を車外へ
排出するドレンホース、87は冷媒系80における冷媒
循環用の冷媒配管、88はドレンホース86及び冷媒配
管87が車室内に露出しないように覆うカバー、89は
ブラケット85が車室内に露出しないように覆うカバー
である。
0の作用を説明する。上述したように、本発明では空調
ケーシング31にクロスフローファン8Aのケーシング
を一体成型してあるが、これによりクロスフローファン
8Aのケーシングが不要となり、部品点数の低減及び型
等の準備費低減によるコストの低減に加えて、ユニット
の軽量化が可能となる。クロスフローファン8Aのケー
シングが不要になると、リヤ空調ユニット30の厚みを
5〜8mm程度薄くできる。また、本発明では送風機と
してクロスフローファン8Aを採用しているが、このこ
とはリヤ空調ユニット30を薄くして小型化するには有
利である。なお、クロスフローファン8Aには、運転時
の騒音が低いというメリットもある。
の性能を確保する上でケーシング、特にスタビライザ6
5やファンケーシング部43の精度が重要になるが、空
調ケーシング31と一体成形したことで、その調整が容
易になる。すなわち、従来のケーシングを備えた送風機
ユニットを組み込む構成では、送風機ユニット自体の組
立時に調整した後、さらにリヤ空調ユニット30に組み
込む時にも調整が必要であり、組立作業はが面倒なもの
であったが、本発明の構造では調整が1回ですむように
なり、その分簡素化されて全体としての組立工数を低減
できる。
レン水の排水について説明する。このドレン水は、エバ
ポレータ7から落下した後、両サイドが低く設定されて
いる排水流路57,58,59,60を通って左右の排
水口34へ流れて行く。しかし、走行中の車両において
は、急ブレーキや急発進などにより排水流路内に溜まっ
ているドレン水が前後方向の移動を強いられたり、ある
いは、急旋回により左右方向の移動を強いられることが
ある。
いられた場合、流路を形成しているリブを飛び越えて流
出する恐れがある。このような現象は、同様の条件であ
れば流路巾(前後方向の巾)が大きいほどドレン水の移
動速度が加速されて飛び越えやすくなる。特に、吸込口
32に近い第1排水流路57でこのような現象が生じる
と、吹出口32から車室内へ流出するという重大な問題
が生じる。そこで、この第1排水流路57に仕切リブ6
1を設け、流路巾を狭めてある。この実施形態では、ス
ムーズな排水を行うため第2リブ54が湾曲しており、
これにより第1排水流路57の中央部で流路巾が広がっ
て大きくなっているので、この領域に仕切リブ61を設
けてある。この結果、第1排水流路57は前流路57a
と後流路57bとに分割され、前後方向のドレン水の移
動は狭い巾の範囲で行われることになる。このため、ド
レン水の移動が加速されるのを抑制でき、ドレン水が流
出しにくくなるので、その前方に位置している第1リブ
53の高さを低く設定することが可能となる。従って、
第1リブ53を低くした分だけリヤ空調ユニット30を
薄くして小型化することが可能になり、また、第1リブ
53を低くした分だけ吸込口32を大きくすることにも
利用できる。なお、このような仕切リブ61は、他の排
水流路にも応用可能であり、例えば第4排水流路が広く
なる場合に適用して送風機領域52にドレン水が飛び越
えて流入しないようにしたり、あるいは、前後方向だけ
でなく車幅方向のドレン水移動に対して適用してもよ
い。
59については、インシュレーション部材64と前後の
第2リブ54及び第3リブ55との間に隙間を形成し
て、それぞれ排水流路としている。このため、インシュ
レーション部材64の厚さに相当する分だけ実質的な排
水流路の深さが増すので、インシュレーション部材64
を全面に敷きつめた場合より第2リブ54及び第3リブ
55の高さを低くすることが可能となる。このことは、
ドレンパンとして機能する下部ケーシング50の厚さを
低減するのに利用でき、結果としてリヤ空調ユニット3
0を薄くして小型化するのに有効である。なお、上述し
たドレン水排水流路の工夫により、リヤ空調ユニット3
0の厚さを概ね30mm程度低減できると見込まれる。
してクロスフローファン8Aを採用していたが、ドレン
水の排水処理についてはシロッコファンを採用したリヤ
空調ユニットにも適用可能である。また、排水流路の形
成には、必ずしもリブを設ける必要はなく、適当な壁面
を有効に利用してもよい。
ニットの取付構造及び取付方法によれば、以下の効果を
奏する。 (1) 送風機としてクロスフローファンを採用し、ク
ロスフローファンのケーシングを空調ケーシングと一体
に成形する構成としたので、部品点数の低減、型などの
準備費低減が可能となってコスト削減に効果を奏する。
また、ケーシングの一体化は、リヤ空調ユニットの軽量
化、組立の簡素化にも有効である。 (2) 上述したケーシングの一体化により、クロスフ
ローファンのケーシングがなくなった分だけスペースの
節約ができるので、リヤ空調ユニットを薄くして小型化
することが可能になる。 (3) インシュレーション部材と前後のリブとで排水
流路を形成することにより、インシュレーション部材の
厚さ分だけ排水流路が深くなるので、リブの高さを低く
することができる。従って、リブが低くなる分だけリヤ
空調ユニットを薄くして小型化することが可能になる。 (4) 排水流路に仕切リブを設けて流路巾を狭めたの
で、慣性力により移動するドレン水が加速されてリブを
飛び越すように流出するのを防止できる。これを吸込口
に近い第1排水流路に適用すれば、下部ケーシングを薄
くしてリヤ空調ユニットの小型化が可能となり、また、
吸込口を大きくして運転騒音や消費動力を低減させるこ
ともできる。 (5) リヤ空調ユニットが薄くなって小型化されたの
で、車室内の高さを大きくとれないセダン型乗用車に設
置しても良好な車室内空間を提供できる。
ニットの一実施形態を示す部分断面斜視図である。
ニットの下部ケーシングを示す平面図である。
る。
ニットの上部ケーシングを示す平面図である。
る。
である。
図である。
付構造例を示す分解斜視図である。
ヘッド型車両用空調ユニットを示す図である。
ットを車室内後方から見た図である。
付位置を示す平面図である。
トを示す断面図である。
バーヘッド型車両用空調ユニットを示す主要構成要素の
分解斜視図である。
ヘッド型車両用空調ユニットを示す主要構成要素の分解
斜視図である。
は熱交換器設置領域の平面図、(b)は正面図である。
断面図、(b)はF−F断面図、(c)はG−G断面図
である。
両用空調ユニット) 31 空調ケーシング 32 吸込口 33 吹出口 34 排水口 40 上部ケーシング 41 熱交換器設置領域 42 送風機設置領域 43 ファンケーシング部 50 下部ケーシング 51 熱交換器設置面 52 送風機設置面 53 第1リブ 54 第2リブ 55 第3リブ 56 第4リブ 57 第1排水流路 57a 前流路 57b 後流路 58 第2排水流路 59 第3排水流路 60 第4排水流路 61 仕切リブ 62,63 導水リブ
Claims (9)
- 【請求項1】 空調ケーシング内に冷房用の熱交換器と
送風機とが組み込まれ、車室内の天井部に設置して使用
するオーバーヘッド型車両用空調ユニットであって、 前記空調ケーシング内に前記送風機のケーシングを一体
成形したことを特徴とするオーバーヘッド型車両用空調
ユニット。 - 【請求項2】 前記送風機がクロスフローファンである
ことを特徴とする請求項1に記載のオーバーヘッド型車
両用空調ユニット。 - 【請求項3】 前記空調ケーシングが上下に2分割さ
れ、下部ケーシングに設けられたスタビライザ部と上部
ケーシングに設けられたファンケーシング部とにより前
記クロスフローファンのケーシングを構成したことを特
徴とする請求項2に記載のオーバーヘッド型車両用空調
ユニット。 - 【請求項4】 空調ケーシング内に冷房用の熱交換器と
送風機とが組み込まれ、車室内の天井部に設置して使用
するオーバーヘッド型車両用空調ユニットであって、 前記空調ケーシングの熱交換器設置面にインシュレーシ
ョン部材を介して前記熱交換器を設置し、かつ前記熱交
換器の前後で車幅方向に延びる上下方向の壁面を形成し
て、該壁面と前記インシュレーション部材端面との間に
熱交換器ドレン水を両サイドの排水口に導く排水流路を
形成したことを特徴とするオーバーヘッド型車両用空調
ユニット。 - 【請求項5】 前記壁面がリブによって形成されること
を特徴とする請求項4に記載のオーバーヘッド型車両用
空調ユニット。 - 【請求項6】 空調ケーシング内に冷房用の熱交換器と
送風機とが組み込まれ、車室内の天井部に設置して使用
するオーバーヘッド型車両用空調ユニットであって、 前記空調ユニットの熱交換器設置面に形成された熱交換
器ドレン水を排水口に導く排水流路に、流路巾を狭める
仕切リブを設けたことを特徴とするオーバーヘッド型車
両用空調ユニット。 - 【請求項7】 空調ケーシング内に冷房用の熱交換器と
送風機とが組み込まれ、車室内の天井部に設置して使用
するオーバーヘッド型車両用空調ユニットであって、 前記空調ケーシングの熱交換器設置面に、前記空調ケー
シングの前端壁により形成された第1のリブと、前記熱
交換器の前後でそれぞれが車幅方向に延びる第2及び第
3のリブと、前記熱交換器設置面と後方の送風機設置面
との間を仕切る第4のリブとを設けて、前記第1のリブ
と前記第2のリブとの間の第1の排水流路、前記第2の
リブと前記熱交換器前面との間の第2の排水流路、前記
熱交換器後面と前記第3のリブとの間の第3の排水流
路、及び前記第3のリブと前記第4のリブとの間の第4
の排水流路を形成して熱交換器ドレン水を両サイドの排
水口に導くと共に、前記第1の排水流路に流路巾を狭め
る仕切リブを設けたことを特徴とするオーバーヘッド型
車両用空調ユニット。 - 【請求項8】 前記熱交換器がインシュレーション部材
を介して前記空調ケーシングの熱交換器設置面上に設置
され、前記インシュレーション部材端面と前記第2のリ
ブ及び前記第3のリブとの間に隙間を設けて前記第2の
排水流路及び前記第3の排水流路を形成したことを特徴
とする請求項7に記載のオーバーヘッド型車両用空調ユ
ニット。 - 【請求項9】 前記第2のリブが、両サイドで前記第1
のリブに接近し中央部で離間するよう湾曲して設けら
れ、前記仕切リブを前記第1の排水流路の中央部に配設
したことを特徴とする請求項7または8に記載のオーバ
ーヘッド型車両用空調ユニット。
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