JP3817333B2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空気調和装置、特に、ブロワー部、クーラユニット部、および、ヒータユニット部を一つのユニットケース内に一体的に形成した自動車用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車用空気調和装置は、車室内空気又は車室外空気を選択して取り込むインテークユニットと、インテークユニットからの空気を冷却するクーラユニットと、クーラユニットからの空気を加熱し所定温度として車室内所定位置より吹き出すヒータユニットと、を有している。
【0003】
近年では、車室内の前席足下周りの空間を広くすべく自動車用空気調和装置全体の小型化が強く要請されている。このため、前記インテークユニット、クーラユニット、ヒータユニットの各ユニットをいわば直列に連結し、直線的風路を通って空気を車室内に吹き出すようにすることができない場合があり、インテークユニットから吹き出された空気を例えばU字状に湾曲した風路に導くようにした自動車用空気調和装置が提案されている(例えば、実開昭60−169013号公参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示される自動車用空気調和装置では、エバポレータが配置されるクーラユニット部と、ヒータコアが配置されると共に空気を取り出す取出口が形成されたヒータユニット部とを、一つのユニットケース内に一体的に形成してあるが、空気を取り込むファンが配置されると共に前記ファンを回転駆動するモータが取り付けられるブロワー部は別個のユニットケースから形成されている。
【0005】
しかしながら、ブロワー部、クーラユニット部およびヒータユニット部を一つのユニットケースに一体的に形成する方が、ユニットケースを樹脂成形する際の成形型が少なくなり、また、ブロワー部を接続する作業も不要となるので、自動車用空気調和装置の製造作業および組立作業の簡素化を図る点で優れたものとなる。
【0006】
そこで本発明者らは、小型化を図ると共に製造作業や組立作業の簡素化をも図るべく、ブロワー部、クーラユニット部およびヒータユニット部を一つのユニットケース内に一体的に形成した自動車用空気調和装置について鋭意研究開発したところ、次のような課題があることがわかった。すなわち、ユニットケースは取付ブラケットを介して車両に取り付けられ固定されるが、ブロワー部に取り付けられるモータは比較的重いことから、当該モータの取付位置ないし姿勢によっては、車両の振動などが加わってユニットケースに不均等な力が作用し、当該ユニットケースの固定が不安定になる虞がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ブロワー部、クーラユニット部およびヒータユニット部を一つのユニットケース内に一体的に形成した自動車用空気調和装置であって、ユニットケースを長期にわたって安定して固定し得る自動車用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の発明は、空気を取り込むファンが配置されるブロワー部と、エバポレータが配置されるクーラユニット部と、ヒータコアが配置されると共に空気を吹き出す吹出口が形成されたヒータユニット部とを、一つのユニットケース内に一体的に形成した自動車用空気調和装置であって、
前記ファンを回転駆動するモータを、出力軸が水平方向に沿い、かつ、前記ユニットケースの水平方向中央位置から一の方向に偏って前記ブロワー部に取り付け、
前記モータの前記出力軸よりも上方に位置して前記ユニットケースに設けられ前記ユニットケースを車両に取り付ける2つの上部の取付ブラケットを、前記ユニットケースの水平方向中央位置から等しい距離だけ離れた位置に取り付け、
前記モータの前記出力軸よりも下方に位置して前記ユニットケースの下面に設けられ前記ユニットケースを車両に取り付ける1つの下部の取付ブラケットを、前記ユニットケースの前記水平方向中央位置から前記一の方向に偏位して取り付けたことを特徴とする自動車用空気調和装置である。
【0009】
このようにユニットケースの下面の取付ブラケットをモータの取付位置にあわせて偏位させて設けると、ユニットケース全体の重心の下方位置で当該ユニットケースを支持することになる。したがって、車両の振動などが加わっても、ユニットケースに不均等な力が作用することが少なくなり、ユニットケースの固定が長期にわたって安定する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る自動車用空気調和装置を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動車用空気調和装置を示す正面図であって、車両搭載時に車両前方から見た状態に対応する正面図、図2は、自動車用空気調和装置を示す側面図であって、車両搭載時に車両左側(助手席側)から見た状態に対応する側面図、図3は、自動車用空気調和装置を一部断面で示す側面図である。
【0011】
図示する自動車用空気調和装置10は、空気を取り込むファン11が配置されると共にファン11を回転駆動するモータ12が取り付けられるブロワー部13と、エバポレータ14が配置されるクーラユニット部15と、ヒータコア16が配置されると共に空気を吹き出す吹出口17、18、19が形成されたヒータユニット部20とを、一つのユニットケース21内に一体的に形成したものである。このユニットケース21は、車両前方のインストルメントパネルの下方で、車幅方向に沿う中央位置に配置されている。また、ユニットケース21は、図2に示すように、エンジンルーム22と車室23内とを仕切るダッシュパネル24の断面形状に沿う外観形状を有している。
【0012】
なお、説明の便宜上、以下の説明においては、車両搭載時に車両前方側(図1において紙面手前側、図2および図3において紙面左側)となるユニットケース21の端面を「前面」とも称し、車両後方側(図1において紙面奥側、図2および図3において紙面右側)となるユニットケース21の端面を「背面」とも称し、車両左側(図1において紙面右側、図2および図3において紙面手前側)となるユニットケース21の端面を「助手席側側面」とも称し、車両右側(図1において紙面左側、図2および図3において紙面奥側)となるユニットケース21の端面を「運転席側側面」とも称する。
【0013】
前記ブロワー部13は、渦巻状をしたファンスクロール30内に遠心式多翼ファンから構成されるファン11が内装されている。図1に示すように、ファンスクロール30は、ユニットケース21の前面中央に位置している。また、運転席側側面には、遠心式多翼ファン11の直上部位に位置して空気吸込口31が開口されている。この空気吸込口31に、車室内空気と車室外空気とを選択的に導入する図示しない内外気切換ボックスが取り付けられ、この内外気切換ボックスとブロワー部13とから、車室内又は車室外の空気を選択的に取り込むインテークユニットが構成される。ブロワー部13の空気吐出口32は、下に向けられている。
【0014】
ファン11を回転駆動するモータ12は、モータケーシング33に保持されてブロワー部13の助手席側側面に取り付けられている。また、図1に明らかに示されるように、モータ12は、出力軸12aが水平方向に沿い、かつ、ユニットケース21の水平方向中央位置から一の方向である助手席側に偏ってブロワー部13に取り付けられている。なお、符号「34」は、モータ12を冷却するための風をファンスクロール30内から取り出してモータケーシング33内に案内する可撓性を有する冷却ホースを示している。
【0015】
前記クーラユニット部15は、図2および図3に示すように、ブロワー部13の下方に位置し、ブロワー部13からの空気を冷却するエバポレータ14が配置されている。図示するエバポレータ14は、タンク部14aと、外側にフィンを備えると共に内側を流通する冷媒と空気との間で熱交換を行うプレート部14bとを有するいわゆる積層型エバポレータ14であり、タンク部14aを上にして配置されている。
【0016】
クーラユニット部15には、エバポレータ14を固定保持するための支持部が形成されている。支持部には、タンク部14aを支持する上部支持部40と、プレート部14bの下端を支持する下部支持部41とがあり、各支持部40、41は、ユニットケース21内に突出する板形状に形成されている。この支持部40、41の内側にエバポレータ14を嵌め込むことにより、エバポレータ14が所定位置に固定保持される。なお、空気漏れを防止するパッキンなどからなるシール部材が支持部40、41に取り付けられている。
【0017】
図示する実施形態の自動車用空気調和装置では、クーラユニット部15の上部位置、特に、上部支持部40が形成された部位の上部位置に前記ブロワー部13を連設してある。クーラユニット部15の上部位置は上部支持部40が形成されユニットケース21の剛性が高められているので、この上部位置に設けられるブロワー部13の剛性も高められることになる。さらに、図1に示すように、ブロワー部13とクーラユニット部15との接続部42は、ブロワー部13からクーラユニット部15に向けて略三角形状に広がって形成されている。接続部42のこのような形状によっても、ブロワー部13が支えられ、ブロワー部13の剛性が高まる。
【0018】
したがって、ブロワー部13に取り付けられるモータ12は比較的重い機器であるが、上記のようにしてブロワー部13自体の剛性を高めてある上、ブロワー部13下側のクーラユニット部15の内部には重量のあるエバポレータ14が設置されているので、モータ12が駆動してもブロワー部13に「びびり」が生じることが少なくなり、モータ12の振動に伴う騒音の発生を防止することが可能となる。さらに、ブロワー部13の剛性を高めるために専用のリブを設ける必要がなく、ユニットケース21の形状が複雑にならない。また、略三角形状に広がる接続部42により、ブロワー部13からクーラユニット部15に向けて空気を滑らかに送ることができる。
【0019】
クーラユニット部15の下部には、エバポレータ14における凝縮水を車室外に排出するドレンパイプ43が設けられている。図2に示すように、ドレンパイプ43は、ダッシュパネル24を貫通して設けられている。
【0020】
なお、図1中符号「44」は、エバポレータ14出口の空気温度を測定するサーミスタを示しており、ユニットケース21内の風路中に臨むように、またはエバポレータ14のフィンの間に取り付けられている。
【0021】
前記ヒータユニット部20は、図2および図3に示すように、クーラユニット部15の後方に位置し、クーラユニット部15からの空気を加熱して車室内の所定位置に向けて吹き出す。このヒータユニット部20には、エンジン冷却水により空気を加熱するヒータコア16が迂回路45を有するように配置されている。ヒータユニット部20にも、ヒータコア16を固定保持するための支持部46が形成されている。
【0022】
ヒータコア16の前面にはミックスドア47が回動自在に取り付けられている。このミックスドア47の開度を調整することによって、ヒータコア16を通過する空気量と迂回路45を流れる空気量との比率が調整され、車室内に吹き出す空気の温度制御がなされる。図3に示すように、ミックスドア47がヒータコア16の前面を閉じるフルクール位置FCに回動すると、エバポレータ14を通過した冷風の全てはUターンして迂回路45を上向きに流れる。一方、ミックスドア47が迂回路45を閉じるフルホット位置FHに回動すると、エバポレータ14を通過した冷風の全てはヒータコア16を通過して温風となり、Uターンして温風通路48を上向きに流れる。また、ミックスドア47が中間位置Mに回動すると、その開度に応じて定まる比率で、冷風が迂回路45を流れると共に温風が温風通路48を流れる。温風通路48の上端には、ミックスドア47の回動に連動して温風出口49を開閉する切替ドア50が回動自在に取り付けられている。ヒータユニット部20には、迂回路45から流下した冷風と温風通路48から流下した温風とをエアミックスするミックス室51が形成され、このミックス室51内の空気を取り出して車室内の所定位置に吹き出すために、複数の吹出口17、18、19が形成されている。つまり、ミックス室51の上部位置にベント吹出口17とデフロスト吹出口18とが形成され、ミックス室51から再度Uターンして下向きに伸びるフット風案内路52にフット吹出口19が形成されている。フット吹出口19は、フット風案内路52の途上に上下2カ所にわたって設けられている。
【0023】
また、ベント吹出口17およびデフロスト吹出口18の開閉を行うベント−デフドア53が回動自在に設けられ、フット風案内路52の開閉を行うフットドア54が回動自在に設けられている。これらベント−デフドア53およびフットドア54は、図示しないリンク機構を介して接続されており、空調モード(ベントモード、デフロストモード、バイレベルモード、フットモードなど)に応じて連動して回動する。
【0024】
ベント吹出口17からの空気は、当該ベント吹出口17に接続される図示しないベントダクトを通って乗員の上半身に向けて吹き出され、デフロスト吹出口18からの空気は、当該デフロスト吹出口18に接続される図示しないデフダクトを通って窓ガラスの内面に向けて吹き出される。また、フット吹出口19からの空気は、乗員の足下に向けて直接吹き出される。
【0025】
エバポレータ14およびヒータコア16は、エバポレータ14を車両前方に、ヒータコア16を後方にして、車両の前後方向に沿って配置されている。そして、エバポレータ14を、その空気通過面が鉛直方向から傾斜するように配置してある。なお、図示例ではエバポレータ14を傾斜させてあるが、エバポレータ14およびヒータコア16のうち少なくとも一方を、その空気通過面が鉛直方向から傾斜するように配置すればよい。例えば、ヒータコア16のみを傾斜させてもよく、さらにはエバポレータ14およびヒータコア16の両者を傾斜させてもよい。
【0026】
図2に示すように、ユニットケース21内には、ドア47、50、53、54が当接して空気漏れを防止するシール部を形成するためのリブ、所定の空気流を形成するためのリブ、冷風と温風とのエアミックスを促進するためのリブなど、種々のリブが風路中に突出するように設けられている。リブには以下のもがある。シール部を形成するリブとして、ミックスドア47のフルホット位置FHおよびフルクール位置FCに設けられるリブ60、61、切替ドア50が温風出口49を閉じる位置に設けられるリブ62、ベント−デフドア53のシール用のリブ63、64、フットドア54のシール用のリブ65、66などがある。所定の空気流を形成するリブとして、エバポレータ14の空気出口側に設けられるリブ67、フット風案内路52に設けられるリブ68などがある。また、エアミックス用のリブとして、迂回路45に設けられるリブ69、温風出口49から迂回路45にかけて設けられるリブ70などがある。前記フルホット位置FHに設けられるリブ60、エバポレータ14の空気出口側に設けられるリブ67はエアミックス用リブとしても機能している。そして、本実施の形態では、上述したリブ60〜70を、水平方向に沿わないように傾斜して配置してある。
【0027】
このようにエバポレータ14を傾斜させて配置すると共にリブ60〜70を水平方向に沿わないように配置したことから、車両の前面衝突時などにおいて許容以上の水平荷重が作用した場合に自動車用空気調和装置を壊れ易い構造とすることができる。したがって、衝突時の衝撃を自動車用空気調和装置の破壊吸収によって緩和することが可能となる。
【0028】
前述したように、ファン11は遠心式多翼ファンから構成されるが、ファンスクロール30の形状と遠心式多翼ファン11の特性上から吹出風の主流はモータ設置側つまり助手席側のケース壁面に偏っている。
【0029】
ここで、遠心式多翼ファン11から吹き出される空気流の偏流を緩和するために空気流の主流側に偏向板を突設することが一般的になされているが、かかる構成の場合には、通気抵抗が増加すると共に騒音が大きくなるという問題を回避できない。
【0030】
そこで、本実施の形態では、空気流のうち主流の流れ方向を強制的に変えるという固定観念を打破し、空気流のうち主流とは反対側の空気の流れ方向を主流側に向けて変えるという手法を採用した。つまり、ユニットケース21内の風路中に突出するように設けられるエアミックス用リブ60、67、70を、遠心式多翼ファン11から吹き出される空気流の主流とは反対側の空気が流れる部位が空気流の主流の空気が流れる部位よりも大きい面積に設定してある。
【0031】
具体的には、図4(A)に示すように、エバポレータ14の空気出口側に設けられるリブ67は、空気流の主流とは反対側つまり運転席側の壁面に沿う部位67bが、空気流の主流側つまり助手席側の壁面に沿う部位67aよりも大きい面積に形成されている。また、同図(B)に示すように、ミックスドア47のフルホット位置FHに設けられるリブ60および温風出口49から迂回路45にかけて設けられるリブ70は、運転席側の壁面に沿う部位60b、70bが、助手席側の壁面に沿う部位60a、70aよりも大きい面積に形成されている。
【0032】
なお、図示省略するが迂回路45に設けられるリブ69も、上記に準じて、運転席側の壁面に沿う部位が、助手席側の壁面に沿う部位よりも大きい面積に形成されている。
【0033】
このように構成することで、空気流の主流とは反対側の空気の流れが空気流の主流側に向けて流れるので、通気抵抗や騒音の増加を抑えつつ冷風と温風とのミックス性を高めることができ、また、頭寒足熱タイプの空調モードであるバイレベルモードにおいてベント風とフット風との上下差温を快適な温度差に設定することができる。
【0034】
上述したように一つのユニットケース21内にブロワー部13、クーラユニット部15およびヒータユニット部20が一体的に形成されるが、このユニットケース21は、全体として3分割されたケース体75、76、77から構成されている。つまり、図1に示すように、ユニットケース21は、左右方向(車幅方向)に2分割される上部ケース体75、76と、これら上部ケース体75、76の下側に連結される下部ケース体77とから構成されている。かかる構成によれば、下部ケース体77の下面にはケース体の継ぎ目が存在しないので、エバポレータ14における凝縮水が継ぎ目から車室内に漏れ出ることを完全に防止できる。また、上部ケース体75、76と下部ケース体77との接合部では、風漏れに対するシールのみを考慮すればよく、シール構造の簡素化を図ることができる。
【0035】
自動車用空気調和装置は、図2に示すように、ユニットケース21の下面に設けられ当該ユニットケース21を車両に取り付ける取付ブラケット80、および、ユニットケース21の背面上部に設けられ当該ユニットケース21を車両に取り付ける取付ブラケット81を介して、ボルトなどによって車体構造体に固定されている。上部の取付ブラケット81は2個設けられ、下部の取付ブラケット80は1個だけ設けられている。
【0036】
前述したように、モータ12は、出力軸12aが水平方向に沿い、かつ、ユニットケース21の水平方向中央位置から一の方向(助手席側)に偏ってブロワー部13に取り付けられている。そして、図1に明らかに示されるように、下部の取付ブラケット80は、ユニットケース21の水平方向中央位置から前記一の方向(助手席側)に偏位して取り付けてある。一方、上部の取付ブラケット81は、水平方向中央位置から等しい距離だけ離れた位置に取り付けてある。
【0037】
ここに、車両に対するユニットケース21の固定は主として上部取付ブラケット81によってなされ、下部の取付ブラケット80は主としてユニットケース21を支持する機能を果たしている。したがって、下部の取付ブラケット80をモータ12の取付位置にあわせて偏位させた本実施の形態では、ユニットケース21全体の重心の下方位置で当該ユニットケース21を支持することとなり、上部の2つの取付ブラケット81に不均等な力が作用することがなくなり、車両の振動などが加わってもユニットケース21を長期にわたって安定して固定することが可能となる。
【0038】
次に、エバポレータ14およびヒータコア16の車両幅方向に沿う配置について考察する。
図5(A)は、図2の5A−5A線に沿う概略断面図であり、同図(B)(C)は、エバポレータ14およびヒータコア16の車両幅方向に沿う配置の仕方についての説明に供する概念図である。なお、エバポレータ14およびヒータコア16の各熱交換器において空気との熱交換に実質的に寄与する熱交換有効部をクロス線で表す。また、遠心式多翼ファン11から吹き出される空気流の分布も併せて示してある。
【0039】
ヒータコア16は、エンジン冷却水を案内する入口側および出口側の温水配管94(図2参照)が接続されるタンク部16aと、入口側温水配管から流入したエンジン冷却水を出口側温水配管に向けてUターンさせるためのタンク部16bとを有する。車室内に吹き出される空気の温度調節はヒータコアを通過する温風量とヒータコアを迂回する冷風量との比を変えることによりなされるが、かかる温度調整においてヒータコアを通過させる空気量はそれほど多いものではない。このため、一般に、ヒータコアの大きさを所要の加熱能力を得る大きさに設定してもその大きさはエバポレータよりも小さく、図5(C)に示すように、ヒータコア16の熱交換有効部幅寸法L2エバポレータ14の熱交換有効部幅寸法L1よりも短く、ヒータコア16の全幅寸法もエバポレータ14の全幅寸法よりも短い。
【0040】
このようなエバポレータおよびヒータコアの幅寸法の違いから、従来の一般的な自動車用空気調和装置では、ユニットケース21の側面が傾斜されて、エバポレータ14からヒータコア16にかけての風路は狭められている。さらに、温水配管94が接続されるタンク部16aは熱交換に実質的に寄与しないことを考慮すると共に、エバポレータ14からの空気をヒータコア16の熱交換有効部に滑らかに導くため、ヒータコア16のタンク部16aはユニットケース21から外部に露出するように配置されている。
【0041】
ところが、ヒータコア16をこのように配置すると、ヒータコア16を迂回する迂回路45の幅寸法も狭められることになり、その結果、快適な冷風感を得るために比較的大風量が必要とされている冷房運転時において、冷風側通路の通気抵抗が増し、大風量化が阻害される要因の一つとなっていた。
【0042】
そこで、本実施の形態では、ヒータコア16のタンク部16aをユニットケース21の外部に配置するという従来の固定観念を打破し、ヒータコア16のタンク部16aをも風路内に配置するという新たな考え方を採用した。つまり、図5(B)に示すように、エバポレータ14からヒータコア16にかけての風路の幅を拡げ、ヒータコア16を、そのタンク部16aが風路内に臨むように配置してある。
【0043】
ヒータコア16のタンク部16aは通気せず、また、タンク部16aを固定する支持部も風路中に存在することから、上記のような配置は、確かに、ヒータコア16に通気する際の邪魔にはなる。しかしながら、前述したように、ヒータコア16を通過させる空気量は元々それほど多いものではないことから、通気抵抗の増加は小さいので実質上支障を来すことはない。その一方、エバポレータ14からヒータコア16にかけての風路の幅を拡げると冷風通路である迂回路45の幅寸法も拡げられることになる。その結果、冷風側通路の通気抵抗が著しく低減し、冷房運転時における大風量化を容易に達成でき、乗員に与える冷風感を快適なものにできた。
【0044】
さらに本実施形態の自動車用空気調和装置にあっては、図5(A)に示すように、ヒータコア16を、エバポレータ14を通過した空気の流れ方向に対して直交する方向で、かつ、前記タンク部16aを備える側つまり空気流の主流側にオフセットして配置してある。ヒータコア16をオフセットする方向は、助手席側でもある。そして、空気流の主流側(助手席側)では、エバポレータ14における熱交換有効部の端部と、ヒータコア16における熱交換有効部の端部とが、空気の流れ方向に沿って面一になるようにしてある。
【0045】
また、空気流の主流側では、前述したように、ヒータコア16のタンク部16aは、幅を拡げたユニットケース21により囲繞されている。一方、空気流の主流とは反対側(運転席側)では、ユニットケース21は他方のタンク部16bに向けてなだらかに傾斜されている。ユニットケース21の運転席側側面を傾斜させても、この部位はもともと空気流の主流に対して反対側であるので、通気抵抗が増大することはない。
【0046】
このようにすれば、空気流の主流側には空気の流れを阻害するものが存在しなくなるので、冷風側通路の通気抵抗を低減しつつ、空気がヒータコア16を流れる温風側通路の通気抵抗をも低減することができ、あらゆる空調モードにおける風量の低下や騒音の発生を防止できる。また、ヒータコア16のタンク部16aがユニットケース21から突出しないので、ユニットケース21を輸送する場合に前記タンク部16aを破損する虞がなくなり、梱包作業の容易化を図り得る。また、ヒータコア16およびエバポレータ14の配置は、遠心式多翼ファン11からの空気流の分布に合致した最適な配置状態となる。しかも、ヒータコア16を助手席側にオフセットして配置したことから、その分だけ運転席の足下が広くなり、ペダルスペースとして大きなスペースを確保できる。
【0047】
次に、エバポレータ14に設けられた冷媒配管接続部91と、ヒータコア16に設けられた温水配管接続部95との配置について説明する。
図2を参照して、エバポレータ14には、冷媒を案内する冷媒配管90を接続するための冷媒配管接続部91が設けられている。図示例の冷媒配管接続部91は、リキッドタンク(図示せず)からエバポレータ14に向かって冷媒が流れる高圧側冷媒通路と、エバポレータ14からコンプレッサに向かって冷媒が流れる低圧側冷媒通路と、膨張弁とを一体化したいわゆる一体型膨張弁92から構成されている。エバポレータ14は、車両搭載時に車両の幅方向に沿うユニットケース21の両側面のうち一の側面である助手席側側面に冷媒配管接続部91が位置するように配置されている。冷媒配管接続部91とタンク部14aとの間は、配管93により予め接続されている。
【0048】
一方、ヒータコア16のタンク部16aには、エンジン冷却水を案内する温水配管94を接続するための温水配管接続部95が設けられている。図示例の温水配管接続部95は、下向きで外側に傾斜して延伸するパイプ96から構成されている。ヒータコア16も、助手席側側面に温水配管接続部95が位置するように配置されている。
【0049】
図2から明らかなように、ユニットケース21を車両に組み付けて搭載したときには、冷媒配管接続部91および温水配管接続部95のうち温水配管接続部95が後方つまり車室内側に位置している。そして、図1に示すように、本実施形態では、温水配管接続部95を、冷媒配管接続部91よりも車両の幅方向に沿って短い寸法に設定してある。このため、車室内から見れば、奥側に位置する冷媒配管接続部91が温水配管接続部95よりも左側に飛び出ている。
【0050】
このようにすれば、ユニットケース21を車載した後に冷媒配管90および温水配管94を各接続部91、95に接続する作業時において、温水配管接続部95が邪魔とならず、冷媒配管90を車室内側から冷媒配管接続部91に簡単に接続できる。したがって、冷媒配管90および温水配管94の取付作業が簡単になり、作業性が向上する。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ブロワー部、クーラユニット部およびヒータユニット部を一つのユニットケース内に一体的に形成した自動車用空気調和装置であって、ユニットケースを長期にわたって安定して固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動車用空気調和装置を示す正面図であって、車両搭載時に車両前方から見た状態に対応する正面図
【図2】 自動車用空気調和装置を示す側面図であって、車両搭載時に車両左側(助手席側)から見た状態に対応する側面図
【図3】 自動車用空気調和装置を一部断面で示す側面図である。
【図4】 図4(A)(B)は、ユニットケース内の風路中に突出するように設けられるエアミックス用リブの一例を示す図および斜視図である。
【図5】 図5(A)は、図2の5A−5A線に沿う概略断面図であり、同図(B)(C)は、エバポレータおよびヒータコアの車両幅方向に沿う配置の仕方についての説明に供する概念図である。
【符号の説明】
11…遠心式多翼ファン(ファン)
12…モータ
12a…モータの出力軸
13…ブロワー部
14…エバポレータ
15…クーラユニット部
16…ヒータコア
17、18、19…吹出口
20…ヒータユニット部
21…ユニットケース
40…上部支持部
41…下部支持部
80…下部の取付ブラケッ
81…上部の取付ブラケット

Claims (3)

  1. 空気を取り込むファン(11)が配置されるブロワー部(13)と、エバポレータ(14)が配置されるクーラユニット部(15)と、ヒータコア(16)が配置されると共に空気を吹き出す吹出口(17、18、19)が形成されたヒータユニット部(20)とを、一つのユニットケース(21)内に一体的に形成した自動車用空気調和装置であって、
    前記ファン(11)を回転駆動するモータ(12)を、出力軸(12a)が水平方向に沿い、かつ、前記ユニットケース(21)の水平方向中央位置から一の方向に偏って前記ブロワー部(13)に取り付け、
    前記モータ(12)の前記出力軸(12a)よりも上方に位置して前記ユニットケース(21)に設けられ前記ユニットケース(21)を車両に取り付ける2つの上部の取付ブラケット(81)を、前記ユニットケース(21)の水平方向中央位置から等しい距離だけ離れた位置に取り付け、
    前記モータ(12)の前記出力軸(12a)よりも下方に位置して前記ユニットケース(21)の下面に設けられ前記ユニットケース(21)を車両に取り付ける1つの下部の取付ブラケット(80)を、前記ユニットケース(21)の前記水平方向中央位置から前記一の方向に偏位して取り付けたことを特徴とする自動車用空気調和装置
  2. 前記ブロワー部(13)は、前記クーラユニット部(15)の前記エバポレータ(14)の上方に配置され、前記1つの下部の取付ブラケット(80)は、前記エバポレータ(14)の下方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用空気調和装置。
  3. 前記クーラユニット部(15)は、前記エバポレータ(14)を固定保持するための上部支持部(40)と下部支持部(41)とが形成され、前記上部支持部(40)と前記下部支持部(41)の内側に前記エバポレータ(14)が嵌め込まれ、前記上部支持部(40)が形成された前記クーラユニット部(15)の上部位置に前記ブロワー部(13)を連設したことを特徴とする請求項2に記載の自動車用空気調和装置。
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