JP4229720B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4229720B2
JP4229720B2 JP2003044247A JP2003044247A JP4229720B2 JP 4229720 B2 JP4229720 B2 JP 4229720B2 JP 2003044247 A JP2003044247 A JP 2003044247A JP 2003044247 A JP2003044247 A JP 2003044247A JP 4229720 B2 JP4229720 B2 JP 4229720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
case
intake box
intake
outside
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003044247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004249907A (ja
Inventor
謙一郎 東
大 島津
和己 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Climate Systems Corp
Original Assignee
Japan Climate Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Climate Systems Corp filed Critical Japan Climate Systems Corp
Priority to JP2003044247A priority Critical patent/JP4229720B2/ja
Publication of JP2004249907A publication Critical patent/JP2004249907A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4229720B2 publication Critical patent/JP4229720B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空気調和装置に関し、特に、そのケース内の排水構造に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の車両用空気調和装置では、ケース内に空気通路を形成し、この空気通路に車室内外の空気を取り入れて吹き出させるブロワと、この空気を冷却するエバポレータと、空気を加熱するヒータコアとを設けている。
【0003】
上記ブロワは、外気及び内気導入口と出口とが開口するインテークボックスと、該インテークボックスの出口に接続されるファンハウジングと、該ファンハウジングの内部に配設されたブロワファンと、該ブロワファンを駆動するブロワモータとを備えている。
【0004】
そして、通常、上記ブロワを、エバポレータ及びヒータコアが配設された空調ユニットとは別体とした上で両者を車両のインストルメントパネル内等に車幅方向に並設し、両者間を送風ダクトで接続するようになされている。このような構造では、ブロワの上部にインテークボックスが形成される一方、下部にファンハウジングが形成され、このファンハウジングの下側に、ブロワモータがその出力軸を鉛直上向きにして設置される。
【0005】
ところで、上記インテークボックスの外気導入口から外気を取り入れるときに、この外気の流れに乗って雨水、雪、車両洗車時の洗浄水等の水滴がインテークボックス内に浸入することがあり、この水滴がブロワモータを覆うモータケースのフランジ部周辺に溜まるという問題が生じる。
【0006】
そこで、このように外気導入口からケース内に導入された水を処理する手段として、従来、ファンハウジングの下壁部に配置されたモータケースのフランジ部の周囲に環状の突起を設け、この突起により、フランジ部に溜まった水のモータへの浸入を防止するもの(例えば、特許文献1参照)や、ファンハウジングをブロワモータの下部を囲むように形成して、このファンハウジング下壁部に水滴を溜める受け皿部を設け、外気導入口を経てファンハウジング内に浸入した水滴を受け皿部に溜めることで、ファンハウジング下壁部に設けた下面吸入口を内気循環用ドアにより開いても、上記水がファンハウジング外に漏れ出さないようにしたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0007】
なお、この他、ファンハウジング上流側のインテークボックス下壁部にドアにより開閉させる補助的な内気取入口を設けて、この内気取入口よりも上側の下壁部に、外気導入口から浸入してインテークボックス壁面を伝わってきた水滴を下壁部に案内するガイド部を突設し、インテークボックス壁面を流下する水滴が内気取入口から車室内に漏れ出さないようするものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
一方、上記特許文献1又は2のように、インテークボックス内に浸入した水滴を所定箇所に単に溜めて自然に蒸発するのを待つようにしているものでは、この溜まった水がファンハウジング内に浸入することがある。そして、このファンハウジングからブロワモータを冷却する冷却風の流れにのって水滴がブロワモータ内に浸入し、ブロワモータが故障するという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−133393号公報
【特許文献2】
特開平6−127256号公報
【特許文献3】
特開2000−247129号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、近年、車両用空調装置の軽量化や省スペース化等の要求により、ブロワと空調ユニットとを一体的に形成することが行われている。この場合には、例えば車体左右方向の設置スペースを低減するために、ファンハウジングが空調装置のケースにその一部として車体前後方向に並んで一体的に形成され、このことで車体前後方向のスペースが制限される。このため、ブロワファンを駆動するモータの出力軸が水平に配設されることがある。そして、外気導入口から浸入した水滴が内気導入口から車室内へ漏れ出さないようにするために、外気及び内気導入口をインテークボックス上面に開口するとともに、この外気及び内気導入口を一方が開いたときに他方が閉じるように相反する方向に開閉する内外気切換ダンパの支持軸を上記モータの出力軸と平行にインテークボックス内に設け、このインテークボックス側面の出口部に、ファンハウジング側面に開口した吸込口を接続するようになされる。
【0011】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インテークボックスの形状に工夫を加えることにより、車両用空調装置の軽量化や省スペース化等の要求でブロワファンを駆動するモータの出力軸が水平に配設されるような場合であっても、ファンハウジング内への水の浸入を防止できるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、外気及び内気導入口が上面に開口されるとともに、側面に、ブロワファンに接続された出口が開口されたインテークボックスをケースの一部として備え、このインテークボックス内に外気及び内気導入口を相反する方向に開閉する内外気切換ダンパが設けられた車両用空気調和装置を前提とする。
【0013】
そして、上記内外気切換ダンパの支持軸は外気及び内気導入口の並んだ方向と略直交する方向に沿って略水平に延びるように設けられ、上記ブロワファンを駆動するブロワモータの出力軸が上記支持軸と略平行に設けられ、上記インテークボックスの下壁部は、上記出口に向かって下側に向かうように傾斜しており、インテークボックス下壁部の下端部には、外気導入口からインテークボックス内に浸入した水をインテークボックス外に排出するインテーク側貫通孔が開口され、上記インテーク側貫通孔の近傍の上記内気導入口側には、上記支持軸と略平行に延びる整流板が設けられる構成とする。
【0014】
上記の構成によると、外気及び内気導入口は上面に開口されているので、外気導入口から浸入した水滴が内気導入口から車室内へ漏れ出さないようにすることができる。さらに、インテークボックスの下壁部は、ブロワに向かうにつれて下側に向かうように傾斜しているので、外気導入口から水滴が浸入したとしても、その水滴は、インテークボックスの下壁部を伝って流れた後にブロワファンの手前に設けられたベルマウス等で塞き止められ、下壁部の下端側底面に集まる。このようにして集められた水は排水用のインテーク側貫通孔からインテークボックス外に排出される。よって、車両用空調装置の軽量化や省スペース化等の要求により、ブロワファンを駆動するモータの出力軸が水平に配設されている場合でも、インテークボックス内の水を外部に積極的に排出できるため、ブロワファン側への水の浸入が防がれる。このため、ファンハウジングからブロワモータを冷却する冷却風の流れにのって水滴がブロワモータ内に浸入し、ブロワモータが故障するのを確実に防止することができる。したがって、ファンハウジング内への水の浸入を防止することができる。
【0015】
請求項2の発明では、インテークボックス下側のケース下壁部には、ケース内部で冷却用熱交換器と空気との熱交換により発生した水をケース外部に排出するドレン口が設けられ、このドレン口上側のケース側壁にはケース側貫通孔が形成されていて、このケース側貫通孔とインテークボックスのインテーク側貫通孔とは排水用通路により接続される構成とする。
【0016】
上記の構成によると、インテークボックス内に浸入した水滴は、インテークボックス下壁部の下端側底面に集められ、インテーク側貫通孔から該インテーク側貫通孔に接続された排水用通路に排出される。そして、水滴はこの排水用通路を流れてケース側下壁部の貫通孔からケース内に再び戻された後、ケース内部で冷却用熱交換器と空気との熱交換により発生した水とともにドレン口近傍に集められ、このドレン口から一括して車外に排出される。よって、車両用空調装置内部の不要な水を一カ所から効率よく車外に排出することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものでは全くない。また、実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、「前」とは車両の前側を、また「後」とは車両の後側を、さらに「左」とは車両の左側を、さらにまた「右」とは車両の右側をそれぞれ表すこととしている。
【0018】
図13において、1は左側にステアリングホイール(図示せず)を備えた左ハンドル車の車室前部に設置されたインストルメントパネルで、このインストルメントパネル1後面の左右中央部には車室内の乗員の胸元に向けて温調風を吹き出すためのセンタ吹出しノズル2が、また左右端部には同様のサイド吹出しノズル3,3がそれぞれ開口されている。また、インストルメントパネル1の上面前部には、フロントウィンドガラス(図示せず)の内面に曇りを取るための空気を吹き出す左右1対のデフロスタ吹出しノズル4,4が開口されている。なお、本発明は右側にステアリングホイールを備えた右ハンドル車に対しても適用できるのは勿論である。
【0019】
上記インストルメントパネル1内には、車幅方向に延びて車体の一部をなす車体部材としての円筒状のインパネメンバ6が配置されている。そして、インストルメントパネル1内の左右略中央部には、本発明の実施形態に係る車両用空気調和装置Aが設置され、上記インパネメンバ6に固定支持されている。
【0020】
図1〜図7に拡大して示すように、上記空気調和装置Aはケース8を有する。このケース8には、空気導入口としての外気導入口28及び内気導入口29と、空気吹出口としてのデフロスタ口51、ベント口52、フロントヒート口57及びリアヒート口58とが開口されている。また、ケース8の内部には、上記外気導入口28及び内気導入口29(いずれも空気導入口)をデフロスタ口51、ベント口52、フロントヒート口57及びリアヒート口58(いずれも空気吹出口)に接続する空気通路12が設けられている。この空気通路12には、外気導入口28及び内気導入口29の少なくとも一方から空気を空気通路12に吸い込んだ後にベント口52、フロントヒート口57、リアヒート口58及びデフロスタ口51の少なくとも1つから吹き出させる送風手段としてのブロワ23と、空気を冷却する冷却用熱交換器としてのエバポレータ37と、空気を加熱する加熱用熱交換器としてのヒータコア44と、上記エバポレータ37を経由した冷風及びヒータコア44を経由した温風の混合割合を変えてミックスチャンバ15に供給するミックス手段としてのミックスダンパ46と、開閉ダンパとしてのデフロスタダンパ61、ベントダンパ62及びヒートダンパ63とが配置されている。
【0021】
上記ケース8は、上部ケース9、下部ケース10及びヒータコアカバーダクト11を一体的に組み付けてなる。上部ケース9下端の前半部及び後半部はそれぞれ互いに仕切られたダクト状の開口を形成しており、この上部ケース9下端の前半部F(ダクト状開口の周縁部。図5に示す)は前側に向かって上側に向かうように傾斜している一方、後半部R(ダクト状開口の周縁部。図5に示す)は略水平に配置されかつ前半部よりも上側に位置している。なお、図6に示すように、上部ケース9は左右中央部で左右に2分割されていて分割部9a,9aからなり、また、ヒータコアカバーダクト11も同様に左右に2分割されていて分割部11a,11aからなる。
【0022】
上記下部ケース10は有底箱状のもので、その上端の前半部は上部ケース9下端の前半部と同様に前側に向かって上側に向かうように傾斜している一方、後半部は前半部に対し上側に段差状に突出していて該前半部と略平行に前上がりに傾斜している。
【0023】
そして、上記上部及び下部ケース9,10同士は、下部ケース10上端の前半部と上部ケース9下端の前半部とが気密状に接合することで一体的に組み付けられる。この組付状態では、上部ケース9下端の前半部と下部ケース10上端の前半部とがダクト状にシールされて接続され、その内部に空気通路12の一部が形成される。
【0024】
また、上部ケース9下端の後半部と下部ケース10上端の後半部との間には、後側に略テーパ状に拡がる切欠状のダクト装着部17が形成され、このダクト装着部17に上記ヒータコアカバーダクト11が嵌合されている。このヒータコアカバーダクト11は、上端及び下端が開口する断面矩形状のダクトからなり、その上端部を上記上部ケース9下端の後半部に、また下端部を下部ケース10上端の後半部にそれぞれ気密状に接合することで組み付けられている。
【0025】
このようにヒータコアカバーダクト11を上部ケース9下端の後半部と下部ケース10上端の後半部との間のダクト装着部17に嵌合して装着したときに、ヒータコアカバーダクト11の上端開口が上部ケース9下端の後半部の開口に、またヒータコアカバーダクト11の下端開口が下部ケース10上端の後半部の開口にそれぞれ気密状に連通して連続状のダクトをなし、その内部に空気通路12の一部たる後述の温風通路14が形成されるようになっている。
【0026】
なお、図6に示すように、上記ダクト装着部17の下端に相当する下部ケース10上端の後半部においてその左右側壁には前後方向に延びるガイドレール部20,20が形成されている一方、ヒータコアカバーダクト11下端の左右側部には上記ガイドレール部20,20に摺動可能に嵌合する嵌合溝21,21が形成されており、この左右の嵌合溝21,21とガイドレール部20,20との嵌合により、ヒータコアカバーダクト11が前方向にスライドしながらダクト装着部17に係合して装着される。
【0027】
上記上部ケース9には、その前側上部の左右中央に上部ケース9の一部をなす中空円筒状のファンハウジング22(このファンハウジング22も上部ケース9の一部であるので、左右に分割されている)が他の部分と一体に形成され、このファンハウジング22の内部には上記ブロワ23を構成するシロッコファンからなるブロワファン24が配置収容されている。
【0028】
このファンハウジング22は、ブロワファン24に対して渦巻き状のスクロール部90と、このスクロール部90外周からその接線方向に延びるように後側に向かって斜め下方に延びる断面矩形状のダクト状の吐出部22cとからなる。図6及び図8に示すように、ファンハウジング22の左側壁(右側壁でもよい)にはモータ取付口22aが、また右側壁(左側壁でもよい)には吸込口22b(吸込部)が、さらに下側には吐出部22cがそれぞれ開口され、モータ取付口22aには上記ブロワ23を構成するブロワモータ25が水平左右方向に延びる出力軸25aをファンハウジング22内に臨ませて気密状に取付固定されている。このブロワモータ25の出力軸25aに上記ブロワファン24が回転一体に取付固定されている。そして、ブロワファン24の右側(左側でもよい)が環状のベルマウス93によって覆われることで、ファンハウジング22内に螺旋状をした空気通路12の一部が構成されている。このことで、ブロワファン24が略水平方向の回転軸心回りに回転して、上記吸込口22bからファンハウジング22内に吸い込まれた空気を吐出部22cから吹き出させるようになっている。
【0029】
一方、図9にも拡大詳示するように、上記ファンハウジング22の吸込口22bには、上部ケース9の一部をなしてはいるが他の部分と別体に形成されたインテークボックス27の下流端27b(開口端)が上記ベルマウス93を介して気密状に接続されている。このインテークボックス27は左右水平方向の中心線を持つ略有底円筒状のもので、左右略中央部において略垂直面に沿って左右に2つの分割部27c,27dに分割され、その左端が開口端27bとされている。インテークボックス27の下壁部27aは右側(ファンハウジング22側)に向かって下側に向かうように傾斜していて、インテークボックス27左端(右端でもよい)の開口端27bの断面積は他の部分よりも大に形成されており、この開口端27bが下流端とされてファンハウジング22の右側壁の吸込口22bに接続されている。
【0030】
上記インテークボックス27の前側上部は前側に向かって下側に、また後側上部は後側に向かって下側にそれぞれ傾斜し、前側上部には矩形状の上記外気導入口28が、また後側上部には外気導入口28と略同じ形状の上記内気導入口29がそれぞれ開口されている。上記内気導入口29はインストルメントパネル1内で車室内に開放されている一方、外気導入口28は、フロントウィンドガラス前側の車体カウル部(図示せず)を経て車外に連通しており、外気導入口28により車外の空気(外気)を、また内気導入口29により車室内の空気(内気)をそれぞれケース8内の空気通路12に導入するようにしている。このように、外気及び内気導入口28,29をインテークボックス27上面に開口したことで、外気導入口28から浸入した水滴が内気導入口29から車室内へ漏れ出さないようになっている。
【0031】
図9に拡大詳示するように、上記インテークボックス27の外気導入口28及び内気導入口29はいずれも空気を導入可能な格子状部材としてのグリル30,30により覆われている。このグリル30,30はインテークボックス27と一体に成形されたもので、該インテークボックス27の分割部27c,27dと同様に左右に2分割されている。そして、分割部27c,27dの外気導入口28及び内気導入口29のグリル30,30の外面において、各々の内外気切換ダンパ100の支持軸31寄りにはそれぞれケース8外に向かうボス部101,101が左右方向に対応するように突設され、これらのボス部101,101間をネジ105,105で締結することによってインテークボックス27の左右分割部27c,27dが一体的に組み付けられている。
【0032】
なお、図9中、98は上記外気導入口28の周囲に貼着された枠状の発砲ウレタン製のシール部材で、上記車体カウル部との接合面に当接して、空気の漏れ及び振動による騒音を防止するものである。
【0033】
上記インテークボックス27の内部には上端の外気及び内気導入口の並んだ方向と略直交する方向(水平左右方向)に延びる支持軸31(図9参照)回りに揺動する内外気切換ダンパ100が配置されている。すなわち、この内外気切換ダンパ100の支持軸31はブロワモータ25の出力軸25aと略平行となっている。そして、内外気切換ダンパ100の支持軸31はインテークボックス27の外気導入口28及び内気導入口29の間において、インテークボックス27(上部ケース9)に支持されている。この支持軸31の右端部(左端部でもよい)はインテークボックス27から外部に突出し、その突出部にはリンク機構32を介して電動アクチュエータ33が駆動連結されており、ブロワモータ25の作動に伴うブロワファン24の回転により、外気導入口28からの外気又は内気導入口29からの内気をファンハウジング22内(空気通路12の一部)に吸い込んで吐出部22cから吐出するとともに、電動アクチュエータ33による内外気切換ダンパ100の支持軸31回りの回動切換えにより、外気及び内気導入口28,29を相反する方向に開閉してファンハウジング22内に導入する空気を外気導入口28からの外気又は内気導入口29からの内気の少なくとも一方に切り換えるようにしている。
【0034】
さらに、上記インテークボックス27の傾斜した下壁部27a内面において、上記内外気切換ダンパ100の回動範囲の略中央位置に相当する部分には、切換ダンパ100の支持軸31と略平行に延びる上向きの整流板102が一体に設けられている(なお、インテークボックス27が左右方向に2分割されているので、整流板102も同様に左右方向(長さ方向)に2分割されている)。つまり、外気導入口28又は内気導入口29からそれぞれインテークボックス27内に導入された外気又は内気は下流側のファンハウジング22に向かって内外気切換ダンパ100(ブロワモータ25の出力軸25a)と略平行に流れるので、整流板102は上記外気導入口28又は内気導入口29からブロワ23側に向かって流れる空気の流れに沿って延びている。この整流板102は、その下端がインテークボックス27の下壁部27a内面(傾斜面)に沿う一方、上端が、内外気切換ダンパ100の回動端(下端)が近接したときに該回動端に僅かな隙間をあけて沿うように形成されていて、左右方向から見て略三角形状を有している。
【0035】
なお、整流板102はインテークボックス27と別体のものとしてもよい。その場合は、タッピングネジ等の締結部材によって、整流板をインテークボックスの下壁部に取り付ければよい。
【0036】
図8及び図9に示すように、上記インテークボックス27の下壁部27aにおいて開口端27bよりも上流側(右側)には、外気導入口28からの外気又は内気導入口29からの内気とともにインテークボックス27内に浸入してきた水滴をインテークボックス27外に排出するためのパイプ状のドレーンポート103(インテーク側貫通孔)が開口されている。このドレーンポート103にはゴム製や樹脂製等のドレーンホース104の上流端(上端)が接続されている(なお、図1及び図3ではドレーンホース104は省略されている)。
【0037】
一方、下部ケース10の左側部には、ケース8内部でエバポレータ37と空気との熱交換により発生した水を下部ケース10外部に排出するためにドレン口68(図5に示す)が設けられている。このドレン口68上側の下部ケース10の左側壁にはケース側貫通孔(図示せず)が形成されている。
【0038】
図2に仮想線で示すように、このドレーンホース104はケース8側壁に沿うように下側に延び、その下流端(下端)は上記ケース側貫通孔に接続されており、インテークボックス27の水をドレーンホース104を介して下部ケース10内に流下させ、上記ドレン口68を介してケース8外に排出するようにしている。なお、69はドレン口68に接続されたドレーンホースである。また、本実施形態のようにドレーンホース104を別体として設けるのではなく、インテークボックス及びケース側壁に排水用通路をそれぞれ一体的に形成してこれらを互いに接続するようにしてもよい。
【0039】
そして、図1及び図8に示すように、上記ファンハウジング22の左側壁(右側壁でもよい)において、スクロール部90と吐出部22cとの境界近傍にはパイプ状の冷却風出口部92が突設されている。一方、上記ブロワモータ25のモータケース95の下面には、ブロワモータ25内部に連通するパイプ状の冷却風入口部96が、その開口端を略下側に向けるように開口されている。さらに、上記ファンハウジング22の冷却風出口部92と上記モータケース95の冷却風入口部96とは冷却パイプ97によって接続されている。この冷却パイプ97の内部に冷却風通路が形成され、この冷却風通路は、ブロワファン24に加圧されてファンハウジング22の吐出部22cに向かう空気の一部をブロワモータ25の内部に冷却風として送り込む役割を果たしている。なお、ブロワモータ25のモータケース95内は図示しない連通部によってスクロール部90内の低圧部(吸込側)と連通されている。110はブロワモータ25を固定するリングである。
【0040】
上記冷却パイプ97の中間部には、他の箇所よりも高い位置に位置する中高部97aが設けられ、この中高部97aはファンハウジング22側の冷却風出口部92よりも50〜100mm上側に位置している(図1で示すh=50〜100mm)。また、この中高部97aの下流側(モータケース95側)にはブロワモータ25の冷却風入口部96よりも下側に位置した中低部97bが設けられている。
【0041】
なお、この冷却パイプ97としては、ゴム製や樹脂製等のものを使用すればよい。また、中低部97bは必ずしも設ける必要はない。
【0042】
図5に示すように、上記ファンハウジング22の吐出部22cは、後側に向かって斜め下方に延びる断面矩形状のダクトからなり、この吐出部22cの下流端部は、上部ケース9内下部の前端部と下部ケース10内の前端部とにより形成されるレジスタ収容部35に接続されている。このレジスタ収容部35は空気通路12の一部をなし、その下半部(下部ケース10内の部分)はファンハウジング22の吐出部22c下流端部から下側に拡がっている。
【0043】
そして、上記ファンハウジング22の吐出部22cの下流端部は空気通路12の一部をなすエバポレータ収容部36に上記レジスタ収容部35を介して接続されている。このエバポレータ収容部36は、ファンハウジング22後側の斜め下側に位置していて、上部ケース9内下部の前部と下部ケース10内の前部とにより形成されており、エバポレータ収容部36には上記エバポレータ37が空気通路12を横切るように配置されて収容されている。このエバポレータ37は矩形板状のもので、略垂直方向に沿うように縦置きに配置されている。エバポレータ37は、図示しないが、チューブの周りに多数の伝熱フィンを伝熱可能に取り付けたチューブアンドフィンタイプの熱交換器で、チューブの両端にはそれぞれ接続配管37a,37aが接続され、一方の接続配管37aは図外のエキスパンションバルブ等の減圧機構を介して放熱器に、また他方の接続配管37aは、車載エンジンにより駆動されるコンプレッサの吸込み側にそれぞれ接続されており、コンプレッサにより圧縮された冷媒ガスを放熱器で冷却して液冷媒にし、その液冷媒を減圧機構で減圧した後にエバポレータ37で蒸発させ、その蒸発潜熱によりブロワファン24からの空気と熱交換してそれを冷却し冷風を生成するようにしている。なお、エバポレータ37のチューブ内で液冷媒の蒸発がなくて蒸発潜熱が発生しない状態では、エバポレータ37に流入した空気は冷却されずに流入温度のままでエバポレータ37から出るが、本実施形態では、その場合もエバポレータ37下流の空気を冷風とする。
【0044】
また、上記ファンハウジング22の吐出部22c下流端部とエバポレータ収容部36との間には、エバポレータ37の直上流側を覆って該エバポレータ37に流入する空気を濾過するエアフィルタとしてのフィルタ機構38が配置されている。また、このフィルタ機構38の上流側、つまりレジスタ収容部35の下半部において下部ケース10の右側壁(左側壁でもよい)をなす後述の蓋部42の下部内面にはレジスタ39が多数の略矩形板状の放熱フィン39a,39a,…(図11に示す)をレジスタ収容部35内に突出させて臨むように取り付けられており、この放熱フィン39a,39a,…は、上記ブロワモータ25に印加する電圧を制御する制御用トランジスタ(図示せず)を冷却するためのものであり、ブロワモータ25の制御時にはトランジスタで生じた熱を放熱フィン39a,39a,…に伝熱し、このフィン39a,39a,…をブロワ23から吐出された空気により冷却して、それに蓄積した熱を放出するようにしている。
【0045】
図10〜図12に示すように、上記フィルタ機構38は、ブロワファン24からの送風空気が直接流入する上半部の第1フィルタ81と、ブロワファン24からの送風空気の一部が上記放熱フィン39a,39a,…を経由して流入する部分を有する下半部の第2フィルタ85とからなっている。この第1フィルタ81は略矩形枠状のフィルタケース82を備え、このフィルタケース82内には全体が波状に折り曲げられてプリーツ成形されたフィルタ基材83が設けられている。
【0046】
一方、第2フィルタ85も第1フィルタと同様の略矩形枠状のフィルタケース86を備え、このフィルタケース86において、上記放熱フィン39a,39a,…側の一部は、該放熱フィン39a,39a,…との干渉を避けるために薄肉に形成されている。つまり、この第2フィルタ85のフィルタケース86は隔壁86aで薄肉側(蓋部42側)とその反対側の厚肉側とに分けられ、厚肉側内には上記第1フィルタ81のフィルタ基材83と同様にプリーツ成形されたフィルタ基材83が配置されている。一方、薄肉側内には、上記プリーツ成形されたものと異なりプリーツ成形されていない略平面状のフィルタ基材87が配置されている。この略平面状のフィルタ基材87の材料はプリーツ成形されたフィルタ基材83の材料よりも通気抵抗が低いものとされ、プリーツ成形されていない部分のフィルタ基材87全体の通気抵抗はプリーツ成形された部分のフィルタ基材83全体の通気抵抗と同程度のものとする。この平面状のフィルタ基材87によって空いたスペースにレジスタ39が配設され、フィルタ機構38と放熱フィン39a,39a,…との干渉が回避されている。
【0047】
また、上記上部ケース9と下部ケース10とで形成されるエバポレータ収容部36の右側壁(左側壁でもよい)には、レジスタ収容部35からエバポレータ収容部36までの範囲に亘り矩形状の装着口41(図6参照)が上部ケース9及び下部ケース10の各一部を矩形状に切り欠くことで開口され、この装着口41は蓋部42によって気密状に閉塞されており、この装着口41を通してフィルタ機構38がケース8に対し着脱される。
【0048】
図5に示すように、上記エバポレータ37下流側の空気通路12は冷風通路13と温風通路14とに分岐されている。上記冷風通路13は、エバポレータ37下流側(後側)の略上半部から略上側に延びるダクト内に形成されるもので、この冷風通路13により、エバポレータ37を経由した冷風の一部ないし全部を直接流すようにしている。
【0049】
一方、温風通路14は、エバポレータ37下流側の略下半部から後方に延びた後に上側に向かい、上記下部ケース10上端の後半部(ダクト装着部17下端)の開口と、この開口に下端開口にて連通するヒータコアカバーダクト11内と、このヒータコアカバーダクト11の上端開口に連通する上部ケース9下端の後半部(ダクト装着部17上端)の開口とを通りながら前側に向かって斜め上側に延びている。この温風通路14の途中において上記下部ケース10上端の後半部には温風通路14(空気通路12)の一部をなすヒータコア収容部43が形成され、このヒータコア収容部43内に上記ヒータコア44が温風通路14を横切るように配置されて収容されている。すなわち、ヒータコア44は、上記エバポレータ37の下流側に略水平方向に沿うように横置きに配置されている。このヒータコア44も、上記エバポレータ37と同様に、チューブの周りに多数の伝熱フィンを取り付けたタイプの熱交換器であり、チューブの両端は接続配管44a,44aを介して車載エンジンのウォータジャケット(冷却水通路)に接続されており、エンジンの冷却により昇温した冷却水をヒータコア44に流すことにより、エバポレータ37を経由して冷却された冷風の一部ないし全部と熱交換してそれを加熱し温風を生成し、この温風を温風通路14に流すようにしている。なお、ヒータコア44のチューブに高温度の冷却水が流れないときには、ヒータコア44に流入した空気は加熱されずに流入温度のままでヒータコア44から出るが、本実施形態では、その場合もヒータコア44から出た空気を温風とする。
【0050】
なお、図6に示すように、下部ケース10の後半部の右側壁(左側壁でもよい)には装着口45が形成されており、この装着口45を通してヒータコア44がヒータコア装着部43に装着される。そして、このヒータコア44の装着状態では、装着口45はヒータコア44自体により気密状に閉塞され、この装着口45において接続配管44a,44aが下部ケース10(ケース8)外に位置するようになっている。そして、ヒータコアカバーダクト11には、上記装着口45から下部ケース10外に露出している接続配管44a,44aを覆うカバー部11b(図2ではカバー部11bを切り除いて示している)が一体に形成されている。
【0051】
上記冷風通路13の下流端(上端)と温風通路14の下流端(上端)とは互いにミックスチャンバ15(温調室)で連通している(ミックスチャンバ15は図5で一点鎖線にて示す)。このミックスチャンバ15は空気通路12の一部を構成しており、このミックスチャンバ15において冷風及び温風を混合させ、温調風を生成する。ミックスチャンバ15と冷風通路13及び温風通路14の各下流端との間には、冷風通路13からの冷風と温風通路14からの温風との混合割合を変えて温調風の温度を変更する上記ミックスダンパ46が設けられている。つまり、ミックスダンパ46はヒータコア44の下流側に配置されている。このミックスダンパ46は、冷風通路13及び温風通路14の各下流端間の近傍に位置する水平左右方向の支持軸46a回りに揺動する2つのダンパ部46b,46cを有するバタフライタイプのもので、両ダンパ部46b,46cは支持軸46aにおいて180°よりも小さい所定の角度(例えば125°)で交差しており、冷風通路13側にある一方のダンパ部46bが冷風通路13下流端を全閉してミックスチャンバ15との連通を遮断したときには、温風通路14側にある他方のダンパ部46cが温風通路14下流端を全開してミックスチャンバ15と連通させる一方、上記一方のダンパ部46bが冷風通路13下流端を全開してミックスチャンバ15と連通させたときには、他方のダンパ部46cが温風通路14下流端を全閉してミックスチャンバ15との連通を遮断する。そして、これら2つの位置の中間位置では、冷風通路13及び温風通路14の各開度を逆方向に相対的に変えて、ミックスチャンバ15に流入する冷風及び温風の各流量を変更し、ミックスチャンバ15において冷風及び温風の混合割合を変えて温調風の温度を変更調整するようになっている。
【0052】
ミックスダンパ46の支持軸46aは上部ケース9の右側壁(左側壁でもよい)から上部ケース9外に突出していて、この突出部には図外の電動アクチュエータが駆動連結されており、この電動アクチュエータによりミックスダンパ46を空調モードに合わせて開閉制御するようにしている。
【0053】
次に、上記実施形態の作用について説明する。インテークボックス27内の内外気切換ダンパ100の切換作動により、外気導入口28もしくは内気導入口29が全開になるか又は双方が中間開度で開かれ、ブロワ23の作動により、外気導入口28からの外気もしくは内気導入口29からの内気又はそれらの双方がベルマウス93を通ってケース8内の空気通路12の上流端部、つまりファンハウジング22内に吸い込まれる。そして、スクロール部90内でブロワファン24によって加圧され、この空気はファンハウジング22の吐出部22cから吐出された後にケース8のエバポレータ収容部36内に縦置きされたエバポレータ37との熱交換により冷却されて冷風となる。なお、エバポレータ37で液冷媒の蒸発がなくて蒸発潜熱が発生しない状態では、エバポレータ37からは冷却されていない流入温度のままの冷風が出る。
【0054】
そして、ミックスダンパ46が冷風通路13を全開し、温風通路14を全閉しているときには、エバポレータ37から出た冷風の全体が温風通路14に流れずに冷風通路13に流れ、その冷風通路13を通って下流側のミックスチャンバ15に導入されて温調風となる。
【0055】
一方、ミックスダンパ46が冷風通路13を全閉し、温風通路14を全開しているときには、エバポレータ37から出た冷風の全体が冷風通路13に流れずに温風通路14に流れ、その温風通路14を通って下流側のミックスチャンバ15に導入される。この温風通路14にはヒータコア収容部43内に横置きされたヒータコア44が配置されているので、温風通路14を通る間に冷風はヒータコア44に熱交換により加熱されて温風となり、その温風は温風通路14下流側のミックスチャンバ15に流入して温調風となる。なお、ヒータコア44のチューブに高温度の冷却水が流れないときには、ヒータコア44からは加熱されていない流入温度のままの温風が出る。
【0056】
さらに、上記ミックスダンパ46を、冷風通路13又は温風通路14の一方の開度が他方の開度に対し相対的に逆になるように切換変更することで、冷風通路13の冷風の流量と温風通路14の温風の流量とが相対的に逆向きに変化する。このことで、ミックスチャンバ15に流入する冷風及び温風の流量が調整され、ミックスチャンバ15では温度を変更調整された温調風が生成される。
【0057】
基本的には、このようにしてミックスチャンバ15で温調風が生成される。この温調風は、インストルメントパネル1のデフロスタ吹出しノズル4,4に連通するデフロスタ口51、インストルメントパネル1のセンタ吹出しノズル2及び左右のサイド吹出しノズル3,3に接続されたベント口52、フロントヒートダクトに接続されたフロントヒート口57、又はリアヒートダクトに接続されたリアヒート口58の少なくとも一部から吹き出される。これら複数の吹出し口のいずれかを選択するかは、空調モードに応じてデフロスタダンパ61、ベントダンパ62及びヒートダンパ63の連係した開閉切換えにより切り換えられる。
【0058】
インテークボックス27の外気導入口28はグリル30により覆われているので、仮に外気導入口28から導入される外気中に、上記車体カウル部を通過した異物(例えば、落ち葉等)が入り込もうとしても、その異物の侵入は外気導入口28に設けられたグリル30によって阻止される。よって、異物がファンハウジング22内のブロワファン24に引っ掛かってモータ25が過負荷になったり、下流側のエバポレータ37等の腐食を招いたりすることはない。また、上記グリル30がインテークボックス27と一体的に形成されているため、部品点数が増えず、コストの上昇等が抑えられる。よって、簡単な構造でブロワモータ25の故障や機器の腐食を防止することができる。
【0059】
また、インテークボックス27は内外気切換ダンパ100の支持軸31に対して略垂直な面に沿って2分割されているが、各分割部27c,27dのグリル30,30外面に突設されたボス部101,101同士をネジ105,105によって締結することで、分割されているインテークボックス27が一体化されるので、分割されたインテークボックス27を外気及び内気導入口28,29の部分でも接合してその接合度を高くすることができる。さらに、ボス部101,101が外気及び内気導入口28,29の中央部よりも相手側の導入口寄り(内外気切換ダンパ100の支持軸31寄り)にそれぞれ設けられているので、内外気切換ダンパ100の支持軸31を堅固に支持することができる。
【0060】
さらにまた、インテークボックス27の傾斜した下壁部27a内面には整流板102が突設され、この整流板102はブロワ23側に向かって流れる空気の流れに沿う方向に延びているため、この整流板102により外気及び内気のいずれに対してもブロワ23に向かうように整流してガイドでき、インテークボックス27内での乱流の発生を防止して乱流による風切り音が低減される。
【0061】
また、上記インテークボックス27の下壁部27aは、ブロワ23に向かうにつれて下側に向かうように傾斜しているので、外気導入口28から水滴が浸入したとしても、その水滴は、インテークボックス27の下壁部27aを伝って流れた後にブロワファン24の手前に設けられたベルマウス93で塞き止められ、吸込口22b手前の底面に集まる。こうして、集められた水は排水用のドレーンポート103からインテークボックス27外に排出される。よって、インテークボックス27内の水を外部に積極的に排出でき、このことでブロワモータ25内への水の浸入をさらに確実に防止できる。
【0062】
さらに、インテークボックス27外に排出された水はインテークボックス27のドレーンポート103に接続されたドレーンホース104を通って下側に流れ、下部ケース10左側壁のポートから下部ケース10内に再び戻された後、ケース8内部でエバポレータ37と空気との熱交換により発生した水とともにドレーン口68近傍に集められ、このドレン口68からドレーンホース69を通って一括して車外に排出される。このようにして、車両用空調装置A内部の不要な水を一カ所から効率よく車外に排出することができる。
【0063】
なお、上記ブロワモータ25は上部ケース9の前側上部の左右方向略中央部に位置し、乗員から見るとブロワモータ25が上部ケース9のベント口52及びデフロスタ口51の部分にすっぽり覆われるため、ブロワモータ25で発生した異音が遮断されるようになっている。
【0064】
このとき、上記ファンハウジング22においては、スクロール部90と吐出部22cとの境界近傍に開口する冷却風出口部92から、加圧された送風空気の一部が送り出され、この空気は冷却パイプ97の冷却風通路を介してブロワモータ25のケース95内に向かって冷却風として送り込まれる。なお、このモータケース95内に導入された冷却風は、該モータケース95内から連通部を通ってスクロール部90内の低圧部に戻される。このようにして、ブロワモータ25が冷却風によって冷却される。
【0065】
ここで、上記冷却風通路の上流端(冷却風出口部92)をスクロール部90及び吐出部22cの境界よりも上流側に接続すると、スクロール部90内は空気の圧力が高いため、ブロワモータ25内部に流れ込む冷却風の量が多くなり、その分、吐出部22cより下流側に送られる送風空気の損失が大きくなる。一方、上記境界よりも下流側に接続すると、ブロワモータ25内部に流れ込む冷却風の量が少なくなりすぎて冷却効果が弱まることとなる。したがって、冷却風通路の冷却風出口部92をスクロール部90及び吐出部22cの境界近傍に接続することにより、適切な風量の冷却風をブロワモータ25内部に送り込むことができる。
【0066】
そして、上記冷却風が冷却風出口部92に接続されている冷却パイプ97内の冷却風通路を通ってブロワモータ25の冷却風入口部96に送り込まれるときに、上記冷却パイプ97の中間部には冷却風出口部92よりも高い位置に位置する中高部97aが設けられているので、この中高部97aを冷却風は通る。しかし、その中に水滴が混入していると、その水滴は、中高部97aに向かうときに重力に抗して上昇せねばならず、これが抵抗となって中高部97aで塞き止められることとなり、水滴がブロワモータ25内部に浸入することはない。よって、従来のように、ファンハウジング22内に複雑に隔壁を設けて静圧に近い空間を設けなくても、簡単な構造でブロワモータ25内部への水滴の浸入を阻止してブロワモータ25の故障を防ぐことができる。
【0067】
また、冷却風通路は、ファンハウジング22と冷却パイプ97とに分割されて設けられるため、冷却風通路の形成や補修作業が容易である。
【0068】
上記フィルタ機構38においては、フィルタ基材83,87のプリーツ成形前の面積(展開面積)が大きいほどそれに反比例して通気抵抗が下がるため、第2フィルタ85のプリーツ成形されていないフィルタ基材87はプリーツ成形されているフィルタ基材83に比べ、展開面積が小さく、その通気抵抗は大きくなる。このため、仮に、第1及び第2フィルタ81,85のフィルタ基材83と第2フィルタ85の一部のフィルタ基材87とで同じ通気抵抗を有する材料を使用すると、後者側の通気抵抗が大きくなり、空気は通気抵抗の低いプリーツ成形されたフィルタ基材83に偏って流れようとする。しかし、本実施形態では、上記プリーツ成形されていない平面状のフィルタ基材87の材料を通気抵抗が低いものとすることで、その通気抵抗の悪化が抑えられる。
【0069】
よって、フィルタ機構38の性能面や機能面に悪影響を与えることなく、放熱フィン39a,39a,…の冷却効果を確保しながら、第1及び第2フィルタ81,85を通ってエバポレータ37に流入する空気の量を互いに均等にすることができる。
【0070】
また、通常、車両用空調装置Aでは、狭いスペースの中にエバポレータ37やレジスタ39等が配置されるため、フィルタ機構38全体において空気流に沿った奥行き方向に均一なスペースを確保するのが難しい。しかし、このフィルタ機構38のフィルタ基材は、一部がプリーツ成形されていない平面状のフィルタ基材87からなるため、このフィルタ基材87において、放熱フィン39a,39a,…との干渉を避けることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明の車両用空気調和装置によると、外気及び内気導入口の並んだ方向と略直交する方向に沿って略水平に延びるように設けた内外気切換ダンパの支持軸と略平行に、ブロワファンを駆動するブロワモータの出力軸を設け、インテークボックスの下壁部をブロワファンに接続された出口に向かって下側に向かうように傾斜するものとし、インテークボックス下壁部の下端部に、外気導入口からインテークボックス内に浸入した水をインテークボックス外に排出するインテーク側貫通孔を開口し、このインテーク側貫通孔の近傍の内気導入口側に支持軸と略平行に延びる整流板を設けたことにより、ファンハウジング内への水の浸入を防止することができる。
【0072】
請求項2の発明によると、インテークボックス下側のケース下壁部に、ケース内部で冷却用熱交換器と空気との熱交換により発生した水をケース外部に排出するドレン口を設け、このドレン口上側のケース側壁にケース側貫通孔を形成するものとし、このケース側貫通孔とインテークボックスのインテーク側貫通孔とを排水用通路により接続したことにより、車両用空調装置内部の不要な水を一カ所から効率よく車外に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る車両用空気調和装置の左側面図である。
【図2】 車両用空気調和装置の右側面図である。
【図3】 車両用空気調和装置を車両の前側から見て示す正面図である。
【図4】 車両用空気調和装置を車両の後側から見て示す背面図である。
【図5】 車両用空気調和装置の前後方向に沿った断面図である。
【図6】 車両用空気調和装置の要部を示す分解斜視図である。
【図7】 車両用空気調和装置の上部を示す斜視図である。
【図8】 車両用空気調和装置の要部を示す分解斜視図である。
【図9】 インテークボックスを示す分解斜視図である。
【図10】 図5のX−X線断面図である。
【図11】 図10のXI方向矢視図である。
【図12】 第2フィルタの正面図である。
【図13】 車両用空気調和装置が装着された車両のインストルメントパネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
A 車両用空気調和装置
24 ブロワファン
25 ブロワモータ
25a 出力軸
27 インテークボックス
27a 下壁部
27b 開口端(出口)
28 外気導入口
29 内気導入口
31 支持軸
37 エバポレータ(冷却用熱交換器)
68 ドレン口
100 内外気切換ダンパ
103 ドレーンポート(インテーク側貫通孔)
104 ドレーンホース(排水用通路)

Claims (2)

  1. 外気及び内気導入口が上面に開口されるとともに、側面に、ブロワファンに接続された出口が開口されたインテークボックスをケースの一部として備え、該インテークボックス内に上記外気及び内気導入口を相反する方向に開閉する内外気切換ダンパが設けられた車両用空気調和装置において、
    上記内外気切換ダンパの支持軸は外気及び内気導入口の並んだ方向と略直交する方向に沿って略水平に延びるように設けられ、
    上記ブロワファンを駆動するブロワモータの出力軸が上記支持軸と略平行に設けられ、
    上記インテークボックスの下壁部は、上記出口に向かって下側に向かうように傾斜しており、
    上記インテークボックス下壁部の下端部には、上記外気導入口からインテークボックス内に浸入した水をインテークボックス外に排出するインテーク側貫通孔が開口され
    上記インテーク側貫通孔の近傍の上記内気導入口側には、上記支持軸と略平行に延びる整流板が設けられていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 請求項1の車両用空気調和装置において、
    インテークボックス下側のケース下壁部には、ケース内部で冷却用熱交換器と空気との熱交換により発生した水をケース外部に排出するドレン口が設けられ、
    上記ドレン口上側のケース側壁にはケース側貫通孔が形成されていて、該ケース側貫通孔とインテークボックスのインテーク側貫通孔とは排水用通路により接続されていることを特徴とする車両用空気調和装置。
JP2003044247A 2003-02-21 2003-02-21 車両用空気調和装置 Expired - Fee Related JP4229720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003044247A JP4229720B2 (ja) 2003-02-21 2003-02-21 車両用空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003044247A JP4229720B2 (ja) 2003-02-21 2003-02-21 車両用空気調和装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004249907A JP2004249907A (ja) 2004-09-09
JP4229720B2 true JP4229720B2 (ja) 2009-02-25

Family

ID=33026997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003044247A Expired - Fee Related JP4229720B2 (ja) 2003-02-21 2003-02-21 車両用空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4229720B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4812474B2 (ja) * 2006-03-13 2011-11-09 株式会社日本クライメイトシステムズ 車両用空気調和装置
KR101442532B1 (ko) 2008-02-20 2014-09-23 한라비스테온공조 주식회사 센터 마운팅 타입 차량 공조장치
KR101222512B1 (ko) * 2010-01-25 2013-01-15 한라공조주식회사 차량용 공조장치
JP6262790B2 (ja) * 2016-03-28 2018-01-17 株式会社ケーヒン 車両用空調装置及びその組み付け方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004249907A (ja) 2004-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7942192B2 (en) Vehicle air conditioner
US7931075B2 (en) Air conditioner
KR100457942B1 (ko) 차량공조장치
JPH11115471A (ja) 空調装置
JP4326235B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3282623B2 (ja) 送風ユニット
KR20070059519A (ko) 차량용 공조장치
JP4229720B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3817332B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP4374199B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004249906A (ja) 車両用空気調和装置
JP4812474B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3817333B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP2004249908A (ja) 車両用空気調和装置
JP3926884B2 (ja) 自動車用空気調和装置の組み立て作業方法
JP5106326B2 (ja) 車両用空調装置
JP4812473B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP2004249947A (ja) 車両用空気調和装置
JP4394360B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3817334B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JP2002046447A (ja) 車両用空気調和ユニット
JP2004249945A (ja) 車両用空気調和装置
JP3468760B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004249920A (ja) 車両用空調ダクトの取付構造
JP2004249946A (ja) 車両用空気調和装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131212

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees