JP4812473B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空気調和装置に関し、特に、空気吸入部分での空気流のスムーズ化を図るための対策に関する技術分野に属する。
従来より、この種の車両用空気調和装置として、空気導入口(内気導入口及び外気導入口)及び空気吹出口(デフロスタ口、ベント口、ヒート口等)が開口されたケース内の空気通路に、空気導入口から空気を空気通路に吸い込んだ後に空気吹出口から吹き出させる送風手段としてのブロワと、空気を冷却する冷却用熱交換器としてのエバポレータと、空気を加熱する加熱用熱交換器としてのヒータコアと、エバポレータ(冷却用熱交換器)を経由した冷風及びヒータコア(加熱用熱交換器)を経由した温風の混合割合を変えるミックスダンパとを配置したものが一般に知られている(特許文献1参照)。
具体的には、図12に示すように、ケース108のうち側面視で略扇形状に形成された部分127には、外気導入口128及び内気導入口129がそれぞれ車両前後方向の斜め上方に向かって開口するように形成されている。これらの外気導入口128若しくは内気導入口129から導入された空気は、車幅方向に吸込口が開口するように配置された遠心ファン124によって吸い込まれて、空気通路の下流側へ送られるようになっている。
なお、上記ケース108の扇形状部分127の内部には、空気の吸い込み側を車外若しくは車室内に切り換えるためのダンパ134が配設されていて、該ダンパ134によって外気導入口128若しくは内気導入口129のいずれか一方から空気を導入するように構成されている。上記ダンパ134は、モータ133によって駆動するように構成されていて、該モータ133は図12に示すように、上記略扇形状部分127の側壁に配設されている。
特開2004−249944号公報
ところで、上述のような構成では、空気導入口は、空気調和装置の内部に配設される遠心ファンの吸込口の開口方向に対して略直交する方向に開口しており、該空気導入口から遠心ファンまでの通風路における通風抵抗が大きく、あまり効率の良い構成とはいえなかった。これに対して、上記遠心ファンの吸込口にほぼ真っ直ぐ空気が吸い込まれるように、上記空気導入口を該遠心ファンの吸込口の開口方向に沿って開口させることで、該空気導入口から遠心ファンまでの通風抵抗を極力小さくすることが考えられる。
しかしながら、上述のような構成にすると、空気の吸い込み側を車外側若しくは車室内側に切り換えるダンパの駆動用モータを、ケースの側壁に直接、取り付けることができなくなるため、該ケースに取付部等を介して取り付ける必要がある。
この場合、上記取付部は、空気調和装置の周辺に配設される他の部材(例えば配管等)と干渉しないようにする必要があるため、その一部が上記ケースから外方に突出した状態で設けられる場合がある。そうすると、上記モータを確実に支持できるように上記取付部にリブ等を設けて該取付部の剛性を確保する必要がある。
ところが、上記取付部を空気導入口の近傍に設けると、該取付部に設けられたリブの一部が空気導入口の内側に向かって突出する場合があり、そうすると、該リブによって吸入空気の流れが阻害されて、装置全体の効率を悪化させる可能性がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気導入口の形成されたケース内に送風手段が設けられた車両用空気調和装置において、該空気導入口の近傍に設けられた取付部のリブの構成に工夫を凝らして、該取付部の強度を確保しつつ当該リブによって空気の流れが大きく阻害されないようにすることにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る車両用空気調和装置では、2つの空気導入口のうち少なくとも一方の空気導入口を空気が送風手段の吸込口にほぼ真っ直ぐ吸い込まれるように設けるとともに、該一方の空気導入口近傍に設けられた取付部に、該空気導入口の内側に向かって突出し且つ空気の流入方向に延びるリブを設けた。
具体的には、請求項1の発明では、それぞれ車外及び車室内から空気を導入する2つの空気導入口及び該車室内へ空気を吹き出す空気吹出口が開口されたケースと、該ケース内における上記空気導入口と空気吹出口とを接続する空気通路に設けられ、上記空気導入口から空気を吸い込んで上記空気吹出口から当該空気を吹き出させる送風手段と、該送風手段に吸い込まれる空気を、上記2つの空気導入口のうちのいずれか一方から導入される空気に切り換えるための電動アクチュエータとを備えた車両用空気調和装置を対象とする。
そして、上記2つの空気導入口のうち少なくとも一方の空気導入口の上記ケースにおける開口位置は、空気が当該空気導入口から上記送風手段の吸入口に向かって略直線状に吸い込まれるよう該送風手段の吸入口と対向した位置に設けられていて、上記ケースの外面上で且つ上記一方の空気導入口の近傍には、外方に向かって膨出する、上記電動アクチュエータを取り付けるための取付部が設けられていて、上記取付部には、空気の流入方向上流側から見て上記一方の空気導入口の内側に向かって突出するとともに、該空気流入方向に沿って延びるリブが設けられているものとする。
以上の構成により、2つの空気導入口のうち少なくとも一方の空気導入口において、空気は当該一方の空気導入口から送風手段の吸入口に対してほぼ真っ直ぐに吸い込まれることになるため、該一方の空気導入口から送風手段までの空気通路における通風抵抗を小さくすることができる。しかも、このような構成にすることで上記少なくとも一方の空気導入口近傍にモータなどを取り付けるための取付部が外方に膨出した状態で設けられる場合でも、該取付部には、該少なくとも一方の空気導入口の内側に向かって突出し且つ空気の流入方向に延びるリブが形成されるため、該取付部の剛性を確保することができるとともに、上記リブは通風ガイドしての役割を果たすため該リブによって空気の流れが大きく阻害されるのを防止することができる。
ここで、上記車両用空気調和装置は、インストルメントパネル内に配設されるため、該装置の上方にはスペースの余裕があまりない。しかも、例えば、送風手段としての遠心ファンを、その吸込口が車両側方に向かって開口するように配置する場合には、上述の請求項1の発明のような構成にすると、空気導入口は空気調和装置の側方に開口することになり、2つの空気導入口を開閉させて空気の取り込み側を切り換えるダンパの駆動用モータを、従来のように装置ケースの側壁に取り付けることはできない。
そこで、上述の構成においては、上記取付部は、上記一方の空気導入口の下方に設けられていて、上記リブは、上記取付部から上方に向かって突出しているのが好ましい(請求項2の発明)。こうすれば、比較的、スペースの制約が少ない空気導入口の下方にモータ等を配設することができ、装置周りのスペースを有効利用することができる。
また、上記リブは、上記取付部側の基端部の空気流入方向長さよりも上記一方の空気導入口側の突出端部の空気流入方向長さのほうが短くなるように、該空気流入方向の上流側部分が傾斜しているものとする(請求項3の発明)。このようなリブの形状にすることで、リブの基端側で膨出部の強度を確保できるとともに、比較的空気の流量の多い空気導入口の内側に向かって突出する先端部では摩擦抵抗を小さくすることができる。したがって、リブ本来の機能を確保しつつ、装置内に導入される空気の流れがリブによって大きく阻害されるのを防止することもできる。
また、上記リブは、上記空気導入口側の突出端が上記空気導入口の中間位置よりも上記取付部側に位置しているのが好ましい(請求項4の発明)。これにより、空気の流量が多い空気導入口の中央部分(中間位置)まで上記リブは突出しないため、該リブによって空気の流れが大きく阻害されるのをより確実に防止することができる。
さらに、上記一方の空気導入口には、該空気導入口を覆うように格子部が設けられていて、上記リブは、上記格子部に一体形成されていてもよい(請求項5の発明)。このようにリブを格子部と一体形成すれば、該リブによって格子部を補強できるとともに、該格子部とリブとの間に隙間が生じて該隙間によって空気の流れが大きく阻害されるのを防止することができる。
さらにまた、上記リブは、上記取付部に複数、設けられていて、各リブの空気流入方向の長さが同等であってもよい(請求項6の発明)。こうすることで、各リブの長さが異なることによって通風抵抗にばらつきが生じるのを防止することができ、空気の流れがリブによって部分的に阻害されるのを防止することができる。
また、上記ケースは、上記一方の空気導入口の開口された第1外壁部が、他方の空気導入口の開口された第2外壁部に対して鋭角をなすとともに、該一方の空気導入口への空気の流入方向に対して傾斜するように形成されているのが好ましい(請求項7の発明)。
これにより、一方の空気導入口から送風手段の吸入口までの距離を部分的に短くすることができるため、当該部分の空気の摩擦抵抗を小さくすることができ、通風抵抗を小さくすることができる。そして、このような構成において、上記一方の空気導入口近傍に取付部を設けると、該取付部が部分的に外方に突出するため、その部分に設けられたリブに上述の請求項1〜6の発明の構成を適用すれば、該リブによって空気の流れが大きく阻害されるのを防止することができる。
なお、上記2つの空気導入口のうちの他方の空気導入口が送風手段の吸入口へ略直線状に空気を流すように形成されていない場合でも、上述のように、該送風手段の吸入口に対して空気を略直線状に流すように形成された一方の空気導入口が開口する第1外壁部に対して、上記他方の空気導入口の開口する第2外壁部が鋭角をなすように形成することで、該他方の空気導入口から導入される空気は上記一方の空気導入口の外壁部に対して鈍角をなすように流れ込み、該一方の空気導入口を覆う導入口切換手段にぶつかって、上記送風手段の吸入口側へスムーズに曲がりながら流れることになる。これにより、2つの空気導入口から送風手段までの通風抵抗をより小さくすることができ、装置全体の効率を向上することができる。
しかも、上記導入口切換手段を、一方の空気導入口の開口された第1外壁部と他方の空気導入口の開口された第2外壁部との交線を中心軸として回動する切換ダンパによって構成すれば、上述のように上記第1外壁部と第2外壁部とが鋭角をなしていることから、該切換ダンパの回動範囲を小さくすることができ、導入口の切換時間を短縮することができる。
さらに、上記一方の空気導入口は、車室内から空気を導入する内気導入口であるのが好ましい(請求項8の発明)。車室内から空気を導入する内気導入口は、走行風などを取り入れる外気導入口に比べて、空気通路の通風抵抗の影響を受けやすいため、上述の各発明のような構成を採用することで内気導入口側の通風抵抗を小さくすることができ、装置全体の効率を向上することができる。
以上より、本発明に係る車両用空気調和装置によれば、2つの空気導入口のうち少なくとも一方の空気導入口を、送風手段の吸込口に空気がほぼ真っ直ぐ流入するように設けて、該少なくとも一方の空気導入口の近傍に配設された取付部に、該空気導入口の内側に向かって突出し且つ空気の流入方向に延びるリブを設けるようにしたため、該リブによって上記取付部を補強しつつ、空気導入口付近での空気の流れが大きく阻害されるのを防止することができる。特に、上記取付部及びリブを、上記空気導入口の下側に設けるようにすれば、装置周辺の空間を有効利用することができる。
また、上記リブの空気流入方向長さを、基端部である取付部側よりも突出端部である空気導入口側のほうが短くなるようにすることで、リブ本来の機能を確保しつつ、該リブによって空気の流れが大きく阻害されるのをより確実に防止することができる。さらに、上記リブの空気導入口側の突出端は該空気導入口の中央部分を越えて突出しないので、該リブによって空気の流れが大きく阻害されるのをさらに確実に防止することができる。
また、上記リブは、上記空気導入口を覆うように設けられた格子部と一体形成されているため、該格子部を補強しつつ該格子部との間の隙間によって空気の流れが阻害されるのを防止することができる。
さらに、上記リブは複数設けられていて、各リブの空気流入方向の長さが同等であるので、通風抵抗のばらつきが少なくなって、リブにより空気の流れが部分的に阻害されるのを確実に防止することができる。
さらにまた、上記2つの空気導入口が開口された外壁部同士が鋭角をなすとともに、一方の空気導入口が開口された外壁部を空気の流入方向に対して傾斜させることで、該一方の空気導入口から送風手段の吸入口までの通風抵抗を小さくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものでは全くない。また、実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、「前」とは車両の前側を、また「後」とは車両の後側を、さらに「左」とは車両の左側を、さらにまた「右」とは車両の右側をそれぞれ表すこととしている。
−全体構成−
図11において、1は左側にステアリングホイール(図示せず)を備えた左ハンドル車の車室前部に設置されたインストルメントパネルで、このインストルメントパネル1後面の左右中央部には車室内の乗員の顔面に向けて温調風を吹き出すためのセンタ吹出しノズル2が、また左右端部には同様のサイド吹出しノズル3,3がそれぞれ開口されている。また、インストルメントパネル1の上面前部には、フロントウィンドガラス(図示せず)の内面の曇りを取るために空気を吹き出す左右1対のデフロスタ吹出しノズル4,4が開口されている。尚、本発明は右側にステアリングホイールを備えた右ハンドル車に対しても適用できるのは勿論である。
上記インストルメントパネル1内には、車幅方向に延びて車体の一部をなす車体部材としての円筒状のインパネメンバ6が配置されている。そして、インストルメントパネル1内の左右略中央部には、本発明の実施形態に係る車両用空気調和装置Aが設置されている。
図1〜図6に拡大して示すように、上記空気調和装置Aはケース8を有する。このケース8には、空気導入口としての外気導入口28及び内気導入口29と、空気吹出口としてのデフロスタ口51、ベント口52、フロントヒート口57及びリアヒート口58とが開口されている。尚、これら外気導入口28、内気導入口29、デフロスタ口51、ベント口52、フロントヒート口57及びリアヒート口58の各々のケース8での開口位置は、本実施形態に記載の位置以外の位置に変更してもよいのは勿論である。
また、上記ケース8の内部には、上記外気導入口28及び内気導入口29(いずれも空気導入口)をデフロスタ口51、ベント口52、フロントヒート口57及びリアヒート口58(いずれも空気吹出口)に接続する空気通路12が設けられている(図6参照)。この空気通路12には、図6に示すように、外気導入口28または内気導入口29の一方から空気を空気通路12に吸い込んだ後にベント口52、フロントヒート口57、リアヒート口58及びデフロスタ口51の少なくとも1つから吹き出させる送風手段としてのブロワ23と、空気を冷却する冷却用熱交換器としてのエバポレータ37と、空気を加熱する加熱用熱交換器としてのヒータコア44と、上記エバポレータ37を経由した冷風及びヒータコア44を経由した温風の混合割合を変えてミックスチャンバ15に供給するミックス手段としてのミックスダンパ46と、開閉ダンパとしてのデフロスタダンパ61、ベントダンパ62及びヒートダンパ63とが配置されている。
上記ケース8は、図1〜図6及び図8に示すように、上部ケース9、下部ケース10、ヒータコアカバーダクト11及びインテークボックス27を一体的に組み付けてなる。上部ケース9下端の前半部及び後半部は、それぞれ互いに仕切られたダクト状の開口を形成しており、この上部ケース9下端の前半部(ダクト状開口の周縁部)は前側に向かうほど上側に位置するように傾斜している一方、後半部(ダクト状開口の周縁部)は略水平で前半部よりも上側に位置している(図8参照)。尚、前記図8に示すように、上部ケース9は左右中央部で左右に2分割された分割カバー9a,9a’からなり、また、ヒータコアカバーダクト11も同様に左右に2分割された分割カバー11a,11a’からなる。一方、上記インテークボックス27は、上下に2分割された分割カバー27a,27a’からなる。
上記下部ケース10は有底箱状のもので、その上端の前半部は上部ケース9下端の前半部と同様に前側に向かうほど上側に位置するように傾斜している一方、後半部は前半部よりも上側に段差状に突出していて該前半部と略平行に前上がりに傾斜している(図8参照)。
そして、上記上部及び下部ケース9,10同士は、下部ケース10上端の前半部と上部ケース9下端の前半部とを気密状に接合することで一体的に組み付けられる。この組付状態では、上部ケース9下端の前半部と下部ケース10上端の前半部とがダクト状にシールされて接続され、その内部に空気通路12の一部が形成される。
また、上部ケース9下端の後半部と下部ケース10上端の後半部との間には、ダクト装着部17が形成され、このダクト装着部17に上記ヒータコアカバーダクト11が装着されている。このヒータコアカバーダクト11は、上端及び下端が開口する断面矩形状のダクトからなり、その上端部を上記上部ケース9下端の後半部に、また下端部を下部ケース10上端の後半部にそれぞれ気密状に接合されている。
すなわち、図6に示すように、上記ヒータコアカバーダクト11を上部ケース9下端の後半部と下部ケース10上端の後半部との間のダクト装着部17に装着したときに、ヒータコアカバーダクト11の上端開口が上部ケース9下端の後半部の開口に、またヒータコアカバーダクト11の下端開口が下部ケース10上端の後半部の開口にそれぞれ気密状に連通して連続状のダクトをなし、その内部に空気通路12の一部たる後述の温風通路14が形成されるようになっている。
上記上部ケース9下端の後半部においてダクト装着部17の奥端部に相当する前端部には、上記円筒状のインパネメンバ6の略前半部を収容する断面円弧状の上部ケース側収容凹部18が形成されている。一方、ヒータコアカバーダクト11の前端部(嵌合方向の先端部)はダクト壁部をなすもので、この前端部にはインパネメンバ6の略後半部を収容する断面円弧状のカバーダクト側収容凹部19が形成されており、ヒータコアカバーダクト11をダクト装着部17に嵌合して装着したときに、両収容凹部18,19間にインパネメンバ6を挟み込んで固定し、その状態でケース8つまり空気調和装置Aがインパネメンバ6に支持されるようになっている。
尚、上記図8に示すように、上記ダクト装着部17の下端に相当する下部ケース10上端の後半部においてその左右側壁の上端部には前後方向に延びるガイドレール部20,20が形成されている一方、ヒータコアカバーダクト11下端の左右側部には上記ガイドレール部20,20に摺動可能に係合する係合部21,21が形成されており、この左右の係合部21,21と上記ガイドレール部20,20との係合により、ヒータコアカバーダクト11が前方向にスライドしながらダクト装着部17に装着される。
上記上部ケース9には、図1〜図4にも示すように、その前側上部の左右中央に上部ケース9の一部をなす中空円筒状のファンハウジング22(このファンハウジング22も上部ケース9の一部であるので、左右に分割されている)が該上部ケース9の他の部分と一体に形成され、このファンハウジング22の内部には上記ブロワ23を構成するシロッコファンからなるブロワファン24(送風手段)が配置収容されている(図6参照)。そして、図8にも示すように、ファンハウジング22の左側壁(右側壁でもよい)にはモータ取付口22aが、また右側壁(左側壁でもよい)には吸込口22bが、さらに下側には吐出部22cがそれぞれ開口され、モータ取付口22aには上記ブロワ23を構成するブロワモータ25が左右方向に延びる出力軸(図示せず)をファンハウジング22内に臨ませて気密状に取付固定されている。このブロワモータ25の出力軸に上記ブロワファン24が回転一体に取付固定されている。
一方、上記ファンハウジング22の吸込口22bには、該ハウジング22内方側に上記ブロワファン24の吸入口が位置付けられている一方、該ハウジング22外方側に詳しくは後述する上記インテークボックス27の下流端が気密状に接続されている(図8参照)。このインテークボックス27は図1に示すように中心線が左右方向に延びるように配置された概略有底円筒状のもので、開口端側が下流端とされてファンハウジング22の右側壁の吸込口22bに接続されている。
上記インテークボックス27の詳しい構成については後述するが、図7にも示すように、該インテークボックス27の前側上部は、前側に向かうほど下側に傾斜するように形成されていて、その傾斜部分(第2外壁部)のほぼ全面に亘って略矩形状の外気導入口28が開口している。また、上記インテークボックス27の後側部分は、後側に向かうほど左右方向長さが短くなるように傾斜していて、その傾斜部分(第1壁部)のほぼ全面に亘って略矩形状の内気導入口29が開口している。そして、後述するように、上記インテークボックス27内に配設された内外気切換ダンパ34の位置を切り換えることによって外気導入口28若しくは内気導入口29から空気を導入するように構成されている。
ここで、上記内気導入口29は、インストルメントパネル1内で車室内に開放されている一方、外気導入口28は、フロントウィンドガラス前側の車体カウル部(図示せず)を経て車外に連通しており、外気導入口28により車外の空気(外気)を、また内気導入口29により車室内の空気(内気)をそれぞれケース8内の空気通路12に導入するようにしている。
図6に示すように、上記ファンハウジング22の吐出部22cは、後側に向かって斜め下方に延びる断面矩形状のダクトからなり、この吐出部22cの下流端部は、上部ケース9内下部の前端部と下部ケース10内の前端部とにより形成されるパワトラ収容部35に接続されている。このパワトラ収容部35は空気通路12の一部をなし、その下半部(下部ケース10内の部分)はファンハウジング22の吐出部22c下流端部から下側に拡がっている。
そして、上記ファンハウジング22の吐出部22cの下流端部は、空気通路12の一部をなすエバポレータ収容部36に上記パワトラ収容部35を介して接続されている。このエバポレータ収容部36は、ファンハウジング22後側の斜め下側に位置していて、上部ケース9内下部の前部と下部ケース10内の前部とにより形成されており、上記エバポレータ37が空気通路12を横切るように配置されている。
上記エバポレータ37は、チューブの周りに多数の伝熱フィンが伝熱可能に取り付けられたチューブアンドフィンタイプの略矩形板状の熱交換器で、チューブの両端にはそれぞれ接続配管37a,37aが接続されている。これにより、図外のコンプレッサにより圧縮された冷媒ガスを冷却して液冷媒にして、その液冷媒を減圧機構で減圧した後に上記エバポレータ37で蒸発させ、その蒸発潜熱によりブロワファン24からの空気と熱交換してそれを冷却し冷風を生成するようになっている。尚、エバポレータ37のチューブ内で液冷媒の蒸発がなくて蒸発潜熱が発生しない状態では、エバポレータ37に流入した空気は冷却されずに流入温度のままでエバポレータ37から出るが、本実施形態では、その場合でもエバポレータ37から出た空気を冷風とする。
また、上記ファンハウジング22の吐出部22c下流端部とエバポレータ収容部36との間には、エバポレータ37の直上流側を覆って該エバポレータ37に流入する空気を濾過するフィルタ機構38が配設されている。また、このフィルタ機構38の上流側、つまりパワトラ収容部35の下半部において下部ケース10の右側壁(左側壁でもよい)には放熱用パワトラ39がパワトラ収容部35内に臨むように取り付けられている。なお、この放熱用パワトラ39は、上記ブロワモータ25への印加電圧を制御するブロワモータ印加電圧制御用トランジスタ(図示せず)を冷却するためのものである。
上記エバポレータ37下流側の空気通路12は、冷風通路13と温風通路14とに分岐されている。上記冷風通路13は、エバポレータ37下流側(後側)の略上半部から上記カバーダクト側収容凹部19前側を通って略上側に延びるダクト内に形成されるもので、この冷風通路13により、エバポレータ37を経由した冷風の一部ないし全部を直接流すようにしている。
一方、上記温風通路14は、エバポレータ37下流側の略下半部から後方に延びた後に上側に向かい、上記下部ケース10上端の後半部(ダクト装着部17下端)の開口と、この開口に下端開口にて連通するヒータコアカバーダクト11内と、このヒータコアカバーダクト11の上端開口に連通する上部ケース9下端の後半部(ダクト装着部17上端)の開口とを結ぶように前側且つ斜め上側に延びている。この温風通路14の途中において上記下部ケース10上端の後半部には温風通路14(空気通路12)の一部をなすヒータコア収容部43が形成され、このヒータコア収容部43内に上記ヒータコア44が温風通路14を横切るように配置されている。すなわち、ヒータコア44は、図6に示すように、上記エバポレータ37の下流側に略水平方向に配置されている。このヒータコア44も、上記エバポレータ37と同様に、チューブの周りに多数の伝熱フィンが取り付けられたタイプの熱交換器であり、チューブの両端は接続配管44a,44a(図1及び図2参照)を介して車載エンジンのウォータジャケット(冷却水通路)に接続されており、エンジンの冷却により昇温した冷却水をヒータコア44に流すことにより、エバポレータ37を経由して冷却された冷風の一部ないし全部と熱交換してそれを加熱し温風を生成し、この温風を温風通路14に流すようにしている。尚、ヒータコア44のチューブに高温度の冷却水が流れないときには、ヒータコア44に流入した空気は加熱されずに流入温度のままでヒータコア44から出るが、本実施形態では、その場合もヒータコア44から出た空気を温風とする。
尚、上記図8に示すように、下部ケース10の後半部の右側壁(左側壁でもよい)には装着口45が形成されており、この装着口45を通してヒータコア44がヒータコア装着部43に装着される。そして、このヒータコア44の装着状態では、装着口45はヒータコア44自体により気密状に閉塞され、この装着口45において接続配管44a,44aが下部ケース10(ケース8)外に位置するようになっている。
上記冷風通路13の下流端(上端)と温風通路14の下流端(上端)とは互いにミックスチャンバ15(温調室)で連通している(ミックスチャンバ15において実質的に冷風と温風とを混合して温調風を生成している部分を図6で一点鎖線にて示す)。このミックスチャンバ15は空気通路12の一部を構成しており、このミックスチャンバ15において冷風及び温風を混合させ、温調風を生成する。ミックスチャンバ15と冷風通路13及び温風通路14の各下流端との間には、冷風通路13からの冷風と温風通路14からの温風との混合割合を変えて温調風の温度を変更する上記ミックスダンパ46が設けられている。このミックスダンパ46は、冷風通路13及び温風通路14の各下流端間の近傍に位置し左右方向に延びる支持軸46a回りに揺動する2つの冷風及び温風ダンパ部46b,46cを備えたバタフライタイプのもので、該両ダンパ部46b,46cは支持軸46aに対してその下方に180°よりも小さい所定の角度(例えば125°)をなすように交差している。
上記冷風ダンパ部46bは、冷風通路13の下流端を、また上記温風ダンパ部46cは温風通路14の下流端をそれぞれ開閉するようになっており、冷風通路13側にある冷風ダンパ部46bが冷風通路13下流端を全閉状態にしてミックスチャンバ15との連通を遮断したときには、温風通路14側にある温風ダンパ部46cが温風通路14下流端を全開状態にしてミックスチャンバ15と連通させる一方、上記冷風ダンパ部46bが冷風通路13下流端を全開状態にしてミックスチャンバ15と連通させたときには、温風ダンパ部46cが温風通路14下流端を全閉状態にしてミックスチャンバ15との連通を遮断する。そして、これら2つの位置の中間位置では、冷風通路13及び温風通路14の各開度を逆方向に相対的に変えて、ミックスチャンバ15に流入する冷風及び温風の各流量を変更し、ミックスチャンバ15において冷風及び温風の混合割合を変えて温調風の温度を変更調整するようになっている。
上記ミックスダンパ46の支持軸46aは上部ケース9の右側壁(左側壁でもよい)から該上部ケース9外に突出していて、この突出部には図外の電動アクチュエータが駆動連結されており、この電動アクチュエータによりミックスダンパ46を空調モードに合わせて開閉制御するようにしている。
上記ミックスダンパ46の支持軸46a真下には、上部ケース9の一部を構成し且つ上記冷風通路13及び温風通路14を仕切る隔壁9eの上端部(下流端部)が位置し、この隔壁9eの上端部には、その左右幅の全体に亘り調整手段としての調整リブ48が先端(上端)を支持軸46a下面に近接させた状態で突設されており、この調整リブ48により支持軸46aとその下側の上部ケース9内面との間の隙間の大きさを調整するようにしている。このような構成にすることで、例えば空調モードがコールドモードとフルホットモードとの間で切り換わったときの温度変化をスムーズに変化させることが可能になる。
図1にも示すように、上記ファンハウジング22後側の上部ケース9の上面には前側に上記デフロスタ口51が、またそのさらに後側には上記ベント口52が前後に並んで開口していて、これらデフロスタ口51及びベント口52は上部ケース9の隔壁9bにより連通不能に区画されている。上記デフロスタ口51は図外のデフロスタダクトを介して上記インストルメントパネル1のデフロスタ吹出しノズル4,4に、またベント口52は図外のベントダクトを介してインストルメントパネル1のセンタ吹出しノズル2及び左右のサイド吹出しノズル3,3にそれぞれ接続されている。
また、上部ケース9の上側後部にはヒートダクト部54が一体に形成されている。このヒートダクト部54は、図5にも示すように、上部ケース9の上側後部から後方に向かって斜め下方に延びる角筒状のダクト本体54aと、このダクト本体54aの後部左右側壁から左右方向に突出する1対のフロント分岐ダクト部54b,54bと、ダクト本体54aの後壁左右中央部から後方に向かって斜め下方にダクト本体54aを延長するように突出するリア分岐ダクト部54cとを備えてなり、これらダクト本体54a、フロント分岐ダクト部54b,54b及びリア分岐ダクト部54c内にヒート通路55が形成され(図6参照)、このヒート通路55の上流端は上記ミックスチャンバ15に対し、温風通路14下流端の後側で、つまり冷風通路13の下流端よりも温風通路14の下流端に近い側で該両下流端と前後方向に略直列に並ぶように配置されて連通されている。
また、上記両フロント分岐ダクト部54b,54bのそれぞれの先端には上記フロントヒート口57,57が、またリア分岐ダクト部54cの先端には上記リアヒート口58がそれぞれ開口している。これにより、ヒート通路55の下流側部は、フロント分岐ダクト部54b,54b及びリア分岐ダクト部54cの3つに分岐されて上記フロントヒート口57,57及びリアヒート口58に連通し、そのうち、リア分岐ダクト部54c内に形成される、リアヒート口58への分岐通路55dは、該分岐通路55d上流側のヒート通路55を下流側に延長するように延びている。そして、車両の左側又は右側側方から見て、リア分岐ダクト部54cのダクト本体54aからの分岐位置(開口位置)は、両フロント分岐ダクト部54b,54bの同分岐位置に比べミックスチャンバ15から離れた後側に位置している。尚、55cはフロント分岐ダクト部54b内に形成されたヒート通路55の分岐通路である。
上記各フロントヒート口57には、下流端がインストルメントパネル1下部の車室内(前席に着座した乗員の足元部分)まで延びる図外のフロントヒートダクトの上流端が、またリアヒート口58には、下流端が車室内の後席まで延びる図外のリアヒートダクトの上流端がそれぞれ接続されている。これにより、各フロントヒート口57から温風を吹き出させて、それをフロントヒートダクトを介して前席に着座した乗員の足元に送給する一方、リアヒート口58からも温風を吹き出させて、それをリアヒートダクトを介して後席に着座した乗員の足元に送給することができる。
上記ミックスチャンバ15は、上記フロントヒート口57及びリアヒート口58と連通しているだけでなく、上記デフロスタ口51及びベント口52とも連通している。このミックスチャンバ15とデフロスタ口51との間には該デフロスタ口51を開閉するためのデフロスタダンパ61が、またミックスチャンバ15とベント口52との間には該ベント口52を開閉するためのベントダンパ62が、さらにミックスチャンバ15とフロントヒート口57及びリアヒート口58との間には該両ヒート口57,58を開閉するためのヒートダンパ63がそれぞれ配置されている。すなわち、ヒートダンパ63は、ヒートダクト部54においてダクト本体54aのフロント分岐ダクト部54b,54b及びリア分岐ダクト部54cへの分岐位置(フロント及びリアヒート口57,58への分岐位置)よりも上流側のヒート通路55、つまりヒート通路55の上流端(ミックスチャンバ15との境界部)を開閉するようになっている。尚、これに代え、ヒートダンパ63をヒート通路55の上流端よりも下流側に配置してその部分を開閉するようにしてもよい。
これらデフロスタダンパ61、ベントダンパ62及びヒートダンパ63は、いずれも左右方向に延びる支持軸61a〜63a回りに揺動する2つのダンパ部を備えたバタフライ型のもので、両ダンパ部は支持軸61a〜63aに対して略180°の角度をなすように交差しており、その回動によりデフロスタ口51、ベント口52、フロントヒート口57及びリアヒート口58の各開度を変えるようにしている。そして、デフロスタダンパ61、ベントダンパ62及びヒートダンパ63の各支持軸61a〜63aは上部ケース9の左側壁(右側壁でもよい)から上部ケース9外に突出していて、この突出部には、カム及びリンクからなる連動機構65を介して電動アクチュエータ66が連結されており(図3参照)、この電動アクチュエータ66により各ダンパ61〜63を空調モードに合わせて連係させながら開閉制御するようにしている。
図2〜図6に示すように、上記ヒータコア44の略下側に位置するケース8の底部、つまり下部ケース10の底部は、上側に向かってテーパ状に拡開する断面形状とされている。すなわち、この下部ケース10底部の前側部10a(一側部)は、上記エバポレータ37側つまり前側に向かうほど上側に位置付けられるように水平面に対し所定の傾斜角度で傾斜し、上記エバポレータ収容部36の下部を経てパワトラ収容部35の下部まで滑らかに連続している。一方、下部ケース10底部の後側部10b(他側部)は、ヒータコア44側つまり後側に向かうほど上側に位置付けられるように水平面に対し所定の傾斜角度で傾斜している。この下部ケース10の底部において前側部10a及び後側部10bの境界部分(テーパ形状の先端部)が最下端部10cとなっている。そして、この下部ケース10底部の最下端部10cは右側(左側であってもよい)に向かうほど下方に傾斜し、その右側壁部に、エバポレータ37にて発生した凝縮水を排水させるためのドレン口68が設けられている。なお、上記図2〜6において、69はドレン口68に接続されたドレンホースである。
さらに、上記図6に示すように、上部ケース9内のミックスチャンバ15には、上記ミックスダンパ46が温風通路14を開状態にしているときに、その温風通路14の出口部から出た温風の一部を、上記デフロスタ口51近傍のミックスチャンバ15前端部周辺にバイパスして供給する左右1対の温風バイパス通路71,71が形成されている。この温風バイパス通路71,71を介して、温風通路14の下流端から出た温風の一部をデフロスタダンパ61の略真下位置まで導くことで、そのバイパスされた温風がデフロスタ口51から吹き出すため、デフロスタ性能を高めることができる。
具体的には、図10にも示すように、上部ケース9において上記ミックスチャンバ15近くの左右側壁には、上記温風通路14の下流端近傍からデフロスタダンパ61の略真下位置までの範囲に亘り、左右方向外側に折れ曲がった段部9cが形成され、この段部9c上側の上部ケース9側壁内面には、該段部9cとの間に溝部が形成されるようにリブ9dが水平方向に突出している。そして、この段部9cとリブ9dとの間の溝部は、上部ケース9とは別体のガイドプレート72により閉断面空間を形成するように覆われて、この閉断面空間が上述の各温風バイパス通路71を構成するようになっている。なお、この各温風バイパス通路71の上流端は、温風通路14の下流端近傍に、下流端はデフロスタダンパ61の略真下位置に、それぞれ開口している。
このように、各温風バイパス通路71をケース8内に設けることで、その温風バイパス通路をケース8外に形成する場合のように、空気調和装置Aにおけるケース8外の他の部品や車両の部品との干渉等を考慮せずとも済み、ケース8外のスペースを有効に確保することができる。
なお、上記ガイドプレート72は、その周縁部のブラケットを貫通する取付ねじ72bを上部ケース9の側壁(詳しくはそのボス部)に螺合締結することで、上部ケース9の側壁に取付固定されている。
上記各ガイドプレート72において温風バイパス通路71の下流端部に位置する部分には、相対する上部ケース9の左右側壁に向かって延びるガイド部72aがそれぞれ一体形成されていて、これら両ガイドプレート72,72のガイド部72a,72a先端同士は上部ケース9の左右略中央位置で一体的に接合(単なる当接でもよく、或いは若干の間隙をあけて離隔していてもよい)されている。つまり、これら両ガイド部72a,72aは、上記各ガイドプレート71において温風バイパス通路71の下流端に位置する部分にミックスチャンバ15の幅方向(左右方向)の全体に延びるように形成されている。
また、上記両ガイド部72a,72aにより、ミックスチャンバ15の前端部(一部)つまり冷風通路13の出口側に、デフロスタ口51(上側)に向かって開放された出口室16が区画されて形成され、この出口室16に各温風バイパス通路71の下流端が開口している。これにより、温風通路14の下流端から出た温風の一部を上部ケース9の左右側部にて2つの温風バイパス通路71,71に導入し、この温風を略ミックスチャンバ15の大半部をバイパスさせながらデフロスタダンパ61の略真下位置まで導いて、ガイドプレート72,72のガイド部72a,72aによりケース8の左右の全体に亘り略均等に吹き出させることができる。
さらに、このように温風をケース8の左右の全体に亘り略均等に吹き出させる特性の他に、例えば両ガイドプレート72,72のガイド部72a,72a等により温風バイパス通路71の出口部の構造や形状を変えたり、温風バイパス通路71の断面積等を変えたりすることで、ガイドされる温風の風量、風速、風向等を変更して、その吹出しのバリエーションを広げることもできる。例えば、ケース8の左右中央部での温風吹出し量を左右側部よりも多くしたり、或いは逆に、ケース8の左右側部での温風吹出し量を左右中央部よりも多くしたり、さらには、ケース8の左右中央部及び左右側部での温風吹出し量を両者の中間部よりも多くしたりすることができる。これらは必要に応じて適宜選択すればよい。
また、上述のように、各温風バイパス通路71を、上部ケース9の段部9c及びリブ9dとガイドプレート72とにより区画形成することで、上部ケース9の他にガイドプレート72を設けるだけで温風バイパス通路71を形成することができ、その形成が容易であり、温風バイパス通路71の構造も簡単になる。
なお、この実施形態では、上部ケース9の壁部に段部9c及びリブ9dを形成し、これらをガイドプレート72で覆って閉断面空間の温風バイパス通路71を形成しているが、この他、壁部に1対のリブを互いに平行に突設し、これらをガイドプレートにより覆うか、或いは壁部全体に凹溝を形成して、その開口をガイドプレートで覆うかすることにより、閉断面空間の温風バイパス通路を形成してもよい。
また、上記各温風バイパス通路71は、ケース8内のミックスチャンバ15において上部ケース9の段部9c及びリブ9dとガイドプレート72とによって区画される閉断面空間で構成されているので、仮に、この各温風バイパス通路71を流れる温風が通路71外に漏れ出たとしても、その漏出した温風はミックスチャンバ15に流入するだけでケース8外に出ることはない。このため、同様の温風バイパス通路をケース8外に形成する場合では、その温風バイパス通路から温風が漏出するのを避けるために各種取付ねじの締結やシール構造を精度よく行っておく必要があるが、それに比べ、温風バイパス通路71の漏れ防止用のシール構造等を簡略化でき、部品点数の低減等を図ることができる。
さらに、上記両ガイドプレート72,72のガイド部72a,72aにより、ミックスチャンバ15の前端部に、デフロスタ口51側(上側)に開放された形状の出口室16がミックスチャンバ15の他の部分(大半部)と区画されて形成されているので、この出口室16は、冷風通路13の出口部や上記ミックスチャンバ15の大半部(前端部を除く部分)に対しガイド部72aによって遮断された構造になる。そして、この出口室16に各温風バイパス通路71の下流端が開口しているので、この温風バイパス通路71から出口室16に吐出された温風は、上記ミックスチャンバ15の大半部にある温調風、特に冷風通路13から出た冷風の流れの影響を受け難くなる。このことで、そのバイパスされた温風を安定して吐出させることができる。
なお、この実施形態は温風バイパス通路71を設けたものであるが、これに代え、同様の構造により、例えば上流端が冷風通路13の下流端近傍に、また下流端がベントダンパ62の略真下位置にそれぞれ開口している冷風バイパス通路を設けて、冷風通路13からの冷風の一部を上部ケース9の左右側部にて2つの冷風バイパス通路に導入し、この冷風をガイドプレートのガイド部によりケース8の左右の全体に亘り略均等に吹き出させるようにしてもよい。さらには、温風バイパス通路71及び冷風バイパス通路の双方を設けることもできる。また、温風バイパス通路71や冷風バイパス通路を上部ケース9の左右一方のみに設けてもよい。
上記図6に示す如く、上記上部ケース9内の下端部において上記冷風通路13の後壁部を形成する部分と上記ヒータコア収容部43の前壁部との間には、冷風通路13を流れる冷風のうち、上記ダクト装着部17奥端の断面円弧状のケース側収容凹部18の前側近傍(冷風通路13の後端部)を流れる冷風を整流しながら案内する冷風ガイド部74が設けられている。この冷風ガイド部74は上部ケース9と一体のパネル状のもので、その上端部が上記上部ケース側収容凹部18に接続され、この上端部から冷風通路13を流れる冷風の流れ方向と略平行に、つまり下側に向かって前側に向かうように少し傾斜して滑らかに延びた後に後側に曲がり、下端部がヒータコア収容部43の前壁部に接続されている。すなわち、この冷風ガイド部74はケース側収容凹部18前側であって冷風通路14の後壁となる部分の略下半部を覆い、その前面は滑らかに傾斜している。尚、上部ケース側収容凹部18は断面円弧状であり、この収容凹部18の略下半部の形状が冷風の流れに対し異形となるので、その略下半部を覆って整流しているが、収容凹部18が他の形状であれば、その略上半部や他の部分、或いは全体を覆うようにすればよい。
このような冷風ガイド部74を設けることにより、該冷風ガイド部74によってケース側収容凹部18の前側近傍(冷風通路13の後端部)を流れる冷風を整流してスムーズにしながらミックスチャンバ15に案内することができ、冷風通路13に設けられた異形形状の上部ケース側収容凹部18により冷風が乱されて、乱流や風切り音が発生したり、通風抵抗が増大したりするのを防止することができる。
そして、上記冷風ガイド部74ないしダクト装着部17前端の上部ケース側収容凹部18は、エバポレータ37から出た冷風を冷風通路13と温風通路14とに略2分する位置、つまり両通路13,14の境界部分であって各々の上流端の分岐位置に位置するように配設されている。尚、このように冷風通路13及び温風通路14の上流端の分岐位置に収容凹部18を配置する構造に代え、冷風通路及び温風通路のレイアウトが本実施形態と異なる場合には、両通路の境界部分であって各々の下流端の合流位置に収容部を配置してもよく、さらには、両通路中間の境界部分に配置することもできる。
このように、上記冷風ガイド部74ないしダクト装着部17前端の収容凹部18を、エバポレータ37から出た冷風を冷風通路13と温風通路14とに略2分する分岐位置に配設することで、その収容凹部18の位置を通過する空気流を、一方が冷風通路13の冷風のみとなり、他方が温風通路14の温風のみとなるように確実に2つに分けることができる。このため、例えば冷風通路(又は温風通路)が収容凹部18の位置で2つに分かれるように形成された場合のように、その通路を流れる空気(冷風又は温風)の通風抵抗が大きくなることはなく、これら各通路での空気の流れがスムーズになり、冷風又は温風の温度分布が不均一になるのを防止できる。よって、冷風又は温風の温度分布の均一化を図ることができ、延いては各空調モードでの吹出し温度の調整が容易になる。
−インテークボックス−
次に、本願発明の特徴部分である上記インテークボックス27の構成について以下で詳細に説明する。
上記インテークボックス27は、上述のとおり、中心線が左右方向に延びるように配置された概略有底円筒状の部材で、開口端部がファンハウジング22の右側壁の吸込口22bに接続されている(図8参照)。なお、上記インテークボックス27は、その下部が上記一方の端部(ファンハウジング22側)に向かうほど下側に傾斜していて、インテークボックス27の上記開口端部の断面積は他の部分よりも大に形成されている。
また、上記インテークボックス27は、上述のとおり、その前側部分が、前側に向かうほど下方に位置するように傾斜していて、その傾斜部分には、ほぼ全面に亘って開口する略矩形状の外気導入口28が形成されている。一方、上記インテークボックス27の後側部分は、後側に向かうほど該ボックス27の左右方向長さが短くなるように傾斜する傾斜面が形成されていて、その傾斜面には、ほぼ全面に亘って開口する略矩形状の内気導入口29が設けられている。
すなわち、上記内気導入口29は、上記インテークボックス27の傾斜した他方の端部を開口するように設けられている。このことにより、該内気導入口29から取り込まれた内気は上記ブロワファン24の吸入口(ファンハウジング22の吸込口22b)に対してほぼ真っ直ぐ流れることになる。したがって、比較的、通風抵抗の影響を受けやすい内気導入口側の通風抵抗を小さくすることができ、装置全体の効率を向上することができる。なお、本実施形態では、上記内気導入口29をインテークボックス27の他方の端部に開口させているが、この限りではなく、上記外気導入口28のみをインテークボックス27の他方の端部に開口させたり、両方の導入口28,29を該他方の端部に開口させたりしてもよい。
また、図7に示すように、上記インテークボックス27の他端側を、後側に向かうほど軸方向長さが短くなるように傾斜させたので、上記内気導入口29から内気を取り込む際の摩擦抵抗を小さくすることができ、これによっても装置全体の効率を向上することができる。
さらに、上記図7に示すように、上記外気導入口28の形成された傾斜面(第2外壁部)と内気導入口29の形成された傾斜面(第1外壁部)とのなす角が上面視で90度未満の鋭角になっているため、両者の開口のいずれか一方を開けるとともに他方を閉じる後述の内外気切換ダンパ34の可動範囲を小さくすることができ、切換時間の短縮や機構の簡略化が図れるとともに、上記外気導入口28から外気を導入する場合には、上記内気導入口29を塞ぐ内外気切換ダンパ34によって外気がスムーズに上記ブロワファン24に取り込まれることになり、通気性能を向上することができる。
上記外気導入口28及び内気導入口29には、それぞれの開口を覆うように格子状のグリル30,30(格子部)が設けられている。このようなグリル30,30を設けることで、外気若しくは内気とともに取り込まれる比較的大きな異物が上記ブロワファン24内に流れ込むのを防止することができる。
上記インテークボックス27の内部には、その右端部で上下方向に延びるように配設された支持軸31(図1及び図2等参照)回りに回動する内外気切換ダンパ34が配置されている。この内外気切換ダンパ34の支持軸31は、その両端部でインテークボックス27に支持されていて、下端部はインテークボックス27から外部に突出し、その突出部にはリンク機構32を介して電動アクチュエータ33が駆動連結されており、電動アクチュエータ33による内外気切換ダンパ34の支持軸31回りの回動切換えにより、ファンハウジング22内に導入する空気を外気導入口28からの外気又は内気導入口29からの内気の一方に切り換えるようにしている。
上記電動アクチュエータ33は、上記インテークボックス27の下部に一体形成された取付板部80(取付部)の下側に取り付けられている。具体的には、該取付板部80は、上記インテークボックス27の他端側の開口端である上記内気導入口29の下方から、右側方に向かって膨出した板状部分であり、該取付板部80に設けられた取付穴にボルトを介して電動アクチュエータ33が吊り支持されている。なお、該電動アクチュエータ33は、その上方に向かって出力軸(図示省略)が突出していて、リンク機構32を介して上記内外気切換ダンパ34の支持軸31の突出部に駆動連結されている。
上記取付板部80は、上面視でインテークボックス27の内気導入口29の略中央付近に設けられていて、該インテークボックス27の他端部の先端と同等の位置まで膨出している。そして、上記取付板部80の上面には、上記インテークボックス27の軸方向に延びる補強用の複数のリブ81,81,…が並設されている。すなわち、これらの各リブ81は、上記内気導入口29から取り込まれる内気の流れを阻害しないように、該内気の流れ方向に沿って形成されていて、通風ガイドとしての役割も果たすようになっている。なお、上記各リブ81は、その内気の上流側の先端が上記インテークボックス27の先端付近に位置するように上記取付板部80上に設けられていて、該インテークボックス27の後側に位置するリブ81ほど内気の流れ方向長さが長くなっている。
また、上記各リブ81は、内気導入口29側がグリル30の格子部分と一体になっている一方、内気の流れの上流側部分は、その上側部分(突出端部)が下側部分(基端部)よりも内気の流れ方向の長さが短くなるように斜めに形成されている。このように、上記各リブ81をグリル30と一体形成することで、該各リブ81によってグリル30を補強することができるとともに、該各リブ81とグリル30との間に隙間が生じてその隙間により内気の流れが乱れるのを防止することができる。
さらに、上記各リブ81は、その高さが上記内気導入口29の上下方向中央位置よりも低くなっていて、この実施形態では、図7に示すように、該内気導入口29の略4分の1の高さになるように形成されている。このように、上記各リブ81の内気導入口29の突出高さを抑えて適切な高さにすることで、上記取付板部80の強度を確保しつつ、各リブ81によって内気の流れが大きく阻害されるのを防止することができる。すなわち、上記内気導入口29において、その中心部分はブロワファン24によって吸い込まれる空気量が比較的多いことから、その中心部分まで上記各リブ81を突出させないようにすることで、内気の流れが各リブ81によって大きく阻害されるのを防止することができる。
上記インテークボックス27は、図8及び図9に示すように、上下に分割された分割カバー部27a,27a’が組み合わされてなる。すなわち、図9に示すように、上記インテークボックス27は、上下方向のほぼ中央位置で上下2つに分割されており、外気導入口28及び内気導入口29のグリル30,30部分では、横方向に延びるリブ部分で分割されるようになっている。そして、上記内気導入口29のグリル30では、上述の取付板部80上に突出するリブ81,81,…よりも上方位置で分割されていて、該リブ81,81,…を上下方向に分断しないようになっている。このように上記インテークボックス27を分割することで、上記リブ81,81,…の強度が低下して上記取付板部80を十分に補強できなくなるのを防止できるとともに、該リブ81,81,…を分断した場合の隙間によって空気の流れが乱れて阻害されるのを防止することができる。
また、上記インテークボックス27の分割カバー27a,27a’には、それぞれ、ボルト締結部27b,27b,…及び係合部27cが形成されていて、これらを互いに接続することで、該分割カバー27a,27a’が一体になるようになっている。さらに、上記分割カバー27a,27a’の接合面には、一方のカバー27aに凸部(図示省略)が、他方のカバー27a’に該凸部と係合する凹部27dがそれぞれ設けられていて、該凸部と凹部27dとの係合によって接合面から空気が外方へ漏れにくくなっている。従来構成では、上記インテークボックス27は、他の上部ケース9などと同様、左右分割によって形成されているため、インテークボックス27内に導入された空気に含まれている水分が該インテークボックス内に溜まって分割面から漏れないように、該分割面にシール構造を設ける必要があるが、本実施形態のように上記インテークボックス27を上下分割すれば、そのようなシール構造が不要になるため、接合面の構成を上述のように簡略化することができる。
なお、図7や図9などに示す27eは、上記外気導入口28の周囲に貼着された枠状の発砲ウレタン製のシール部材で、車体カウル部との接合面に当接して、空気の漏れ及び振動による騒音を防止するためのものである。
−空気調和装置Aの動作−
次に、上述のような構成の空気調和装置Aの動作について以下で説明する。
上記インテークボックス27内の内外気切換ダンパ34の切換作動により、外気導入口28もしくは内気導入口29が全開になり、ブロワ23の作動により、外気導入口28からの外気もしくは内気導入口29からの内気がケース8内の空気通路12の上流端部、つまりファンハウジング22内に吸い込まれ、この空気はファンハウジング22の吐出部22cから吐出された後にケース8のエバポレータ収容部36内に縦置きされたエバポレータ37との熱交換により冷却されて冷風となる。尚、エバポレータ37で液冷媒の蒸発がなくて蒸発潜熱が発生しない状態では、エバポレータ37で冷却されずに流入温度のままの冷風が出る。
そして、ミックスダンパ46が冷風通路13を全開し、温風通路14を全閉しているときには、エバポレータ37から出た冷風の全体が温風通路14に流れずに冷風通路13に流れ、その冷風通路13を通って下流側のミックスチャンバ15に導入されて温調風となる。
一方、上記ミックスダンパ46が冷風通路13を全閉し、温風通路14を全開しているときには、エバポレータ37から出た冷風の全体が冷風通路13に流れずに温風通路14に流れ、その温風通路14を通って下流側のミックスチャンバ15に導入される。この温風通路14にはヒータコア収容部43内に横置きされたヒータコア44が配置されているので、温風通路14を通る間に冷風はヒータコア44に熱交換により加熱されて温風となり、その温風は温風通路14下流側のミックスチャンバ15に流入して温調風となる。尚、ヒータコア44のチューブに高温度の冷却水が流れないときには、ヒータコア44からは加熱されていない流入温度のままの温風が出る。
さらに、上記ミックスダンパ46を、冷風通路13又は温風通路14の一方の開度が他方の開度に対し相対的に逆になるように切換変更することで、冷風通路13の冷風の流量と温風通路14の温風の流量とが相対的に逆向きに変化する。このことで、ミックスチャンバ15に流入する冷風及び温風の流量が調整され、ミックスチャンバ15では温度を変更調整された温調風が生成される。
基本的には、このようにしてミックスチャンバ15で温調風が生成される。この温調風は、インストルメントパネル1のデフロスタ吹出しノズル4,4に連通するデフロスタ口51、インストルメントパネル1のセンタ吹出しノズル2及び左右のサイド吹出しノズル3,3に接続されたベント口52、フロントヒートダクトに接続されたフロントヒート口57、又はリアヒートダクトに接続されたリアヒート口58の少なくとも一部から吹き出される。これら複数の吹出し口のいずれかを選択するかは、空調モードに応じてデフロスタダンパ61、ベントダンパ62及びヒートダンパ63の連係した開閉切換えにより切り換えられる。
また、空調モードがヒートモード(又はヒート・デフモード)にあるとき、図6に示すように、上記ヒートダンパ63が全開状態となり、その上側ダンパ部63b及び下側ダンパ部63cがヒートダクト部54におけるダクト本体54aないしリア分岐ダクト部54c内のヒート通路55の延びる方向に略平行に配置され、このヒートダンパ63の下側ダンパ部63cにより、ヒート通路55の上流側部が、下側ダンパ部63cに対し温風通路14下流端側つまり下側に位置する第1通路55aと、下側ダンパ部63cに対し温風通路14下流端と反対側つまり上側に位置する第2通路55bとに上下方向に略2等分される。このヒートダンパ63は、ヒート通路55の上流端(ミックスチャンバ15との境界部分)でかつ温風通路14の出口端近傍に配置されているので、上記ヒートダンパ63の全開状態では、温風通路14からミックスチャンバ15に導入されようとする温風の一部が上記ヒートダンパ63の下側ダンパ部63c下面に当たってそれに案内されながら第1通路55aに流入し、この温風はミックスチャンバ15で冷風通路13からの冷風と殆ど混合されずに略温風のままで第1通路55aをヒートダンパ63の下側ダンパ部63cが向いているリア分岐ダクト部54c側に流れ、その大半がリア分岐ダクト54c内の分岐通路55dを経てリアヒート口58から吹き出され、該リアヒート口58に接続されているリアヒートダクトを介して後席の着座乗員の足元に送られる。
一方、ミックスチャンバ15では、残りの温風と冷風とが混合されて、上記リア分岐ダクト部54c側に流れる温風よりも相対的に低温の温調風(これも温風である)が生成されるが、ヒートダンパ63とヒートダクト部54のリア分岐ダクト部54c下端にあるリアヒート口58との間のダクト本体54aの左右側壁に、フロントヒート口57が開口するフロント分岐ダクト部54b,54bが分岐接続されているので、温調風は上記ヒートダンパ63とその上側のケース8上部との間の第2通路55b(上記主としてリアヒート口58側に案内される温風に対しその背面側)を通ってリア分岐ダクト部54c側に向かって流れ、その大半が途中で上記フロント分岐ダクト部54b,54b内の分岐通路55cに流入して各々の下流端のフロントヒート口57から吹き出され、該フロントヒート口57に接続されているフロントヒートダクトを介して前席の着座乗員の足元に送られる。
こうして、フロントヒート口57から吹き出される温調風(温風)よりも相対的に高い温度の温風がリアヒート口58から吹き出されるので、そのリアヒート口58に接続されているリアヒートダクトの長さが、フロントヒート口57に接続されているフロントヒートダクトよりも長くて、そのリアヒートダクトの通過の際の熱ロスが大きい場合であっても、その熱ロスを補償するようにリアヒートダクトを高い温度の温風が流れることとなり、後席の着座乗員の足元に吹き出される温風の温度を比較的高温度に保って、後席の暖房性を向上することができる。
ところで、上記ブロワ23から吐出された空気がエバポレータ37を通過してエバポレータ37との熱交換により冷却される際には、その冷却に伴って凝縮水が発生し、この凝縮水はエバポレータ37からケース8内に流れ落ちる。しかしながら、本実施形態では、上記ヒータコア44略下側の下部ケース10底部は、前側部10aがエバポレータ37に向かって上側に向かうように、また後側部10bがヒータコア44に向かって上側に向かうようにそれぞれ傾斜していて、上側に向かってテーパ状に拡開する断面形状になっているので、上記エバポレータ37から流れ落ちる凝縮水は、上記下部ケース10底部においてエバポレータ37下側にあって傾斜した前側部10aに滴下することとなり、この前側部10aに落ちた凝縮水は下部ケース10底部の最下端部10cに向かって後側に流れ、その最下端部10cに溜まることとなる。この最下端部10cにはドレン口68が開口されているので、下部ケース10内下部に溜まったドレン水はドレン口68からドレンホース69を経てケース8外に排出される。
そして、エバポレータ37の伝熱フィン部分に溜まっていた凝縮水がブロワ23の送風量の急激な増大等によりエバポレータ37から下流側に飛散したとしても、そのうちで温風通路14に向かった凝縮水(例えば主にエバポレータ37の下半部から飛散したもの)の水滴はヒータコア44やその周りのケース8内面に当たった後に下部ケース10底部の後側部10bに落ちてドレン口68に流れる。一方、エバポレータ37から冷風通路13に向かった凝縮水(例えば主にエバポレータ37の上半部から飛散したもの)の水滴はケース8の壁やミックスダンパ46等に当たった後に自然落下により温風通路14やヒータコア44を経由して下部ケース10底部の後側部10bに落ちてドレン口68に流れることとなり、これらの凝縮水はドレン口68からケース8外に排出される。以上により、凝縮水を確実にケース8外に排出し、凝縮水がケース8内に溜まるのを防止でき、車両用空気調和装置Aの信頼性、商品性の向上を図ることができる。
以上より、本実施形態では、外気若しくは内気を導入するための外気導入口28及び内気導入口29の形成された概略円筒状のインテークボックス27において、該内気導入口29を他端側に設けて、一端側の開口部に位置付けられるブロワファン24の吸込口に対して内気がほぼ真っ直ぐ吸い込まれるようにしたため、該ブロワファン24に内気を吸い込む際の通風抵抗を小さくすることができ、装置全体の効率を向上することができる。そして、上記内気導入口29の下側部分に、上記インテークボックス27の内部で空気の吸い込み側を内気と外気とに切り換える内外気切換ダンパ34を駆動させるための電動アクチュエータ33を取付板部80を介して取り付ける構成において、該取付板部80の上側に内気の流れ方向に沿うように延びる複数のリブ81,81,…を設けることで、該取付板部80を補強しつつ、該リブ81,81,…によって内気の流れが阻害されるのを防止することができる。
また、上記各リブ81は、その内気導入口29側が、該内気導入口29を塞ぐように設けられたグリル30の格子部分に一体形成されているため、該各リブ81によってグリル30を補強することができるとともに、該各リブ81とグリル30との間に隙間が形成されて内気の流れが乱れるのを確実に防止することができる。さらに、上記各リブ81の内気上流側部分は、その上側部分の内気流れ方向の長さが下側部分よりも短くなるように傾斜しているため、下側部分で上記取付板部80の補強としての機能を確保しつつ、多量の内気に接する上側部分の長さを短くして摩擦抵抗を小さくすることができ、内気の流れが大きく阻害されるのを防止することができる。
さらに、上記各リブ81は、上記内気導入口29の高さ寸法の4分の1程度しか突出しておらず、その突出端が比較的流量の多い内気導入口24の中央付近よりも下側に位置しているため、該各リブ81によって内気の流れが大きく阻害されるのをより確実に防止することができる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、内外気切換ダンパ34を駆動させる電動アクチュエータ33を取り付けるための取付板部80を、インテークボックス27の内気導入口29の下側に設けているが、この限りではなく、例えば、該内気導入口29の上側や側方に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図7に示すように、取付板部80に設けるリブ81,81,…の内気流れ方向の長さをインテークボックス27の形状に合わせて変えて、同じ位置まで突出するようにしたが、この限りではなく、上記各リブ81の内気流れ方向の長さを同じにして、内気に対する各リブ81の摩擦抵抗が同程度になるようにしてもよい。こうすれば、上記リブ81,81,…間の通風抵抗のばらつきをなくすことができる
以上説明したように、本発明における車両用空気調和装置は、内気導入口からブロワファンの吸込口へ内気がほぼ真っ直ぐ取り込まれるように該内気導入口を設けるとともに、該内気導入口の下方に設けられる取付板部のリブの形状に工夫を凝らすことで、内気の流れが大きく阻害されるのを防止できるから、例えば乗用車の空気調和装置に特に有用である。
本発明の実施形態に係る車両用空気調和装置の斜視図である。 車両用空気調和装置の右側面図である。 車両用空気調和装置の左側面図である。 車両用空気調和装置を車両の前側から見て示す正面図である。 車両用空気調和装置を車両の後側から見て示す背面図である。 本発明の実施形態に係る車両用空気調和装置の前後方向に沿った断面図である。 インテークボックスの斜視図である。 車両用空気調和装置の分解斜視図である。 インテークボックスの分解斜視図である。 図6のX−X線拡大断面図である。 車両用空気調和装置が装着された車両のインストルメントパネルを示す斜視図である。 従来の車両用空気調和装置の図2相当図である。
A 空気調和装置
8 ケース
12 空気通路
22a モータ取付口
22b 吸込口
22c 吐出部
24 ブロワファン(送風手段)
27 インテークボックス
27a、27a’ 分割カバー
28 外気導入口(空気導入口)
29 内気導入口(空気導入口)
30 グリル(格子部)
31 支持軸
32 リンク機構
33 電動アクチュエータ
34 内外気切換ダンパ
51 デフロスタ口(空気吹出口)
52 ベント口(空気吹出口)
57 フロントヒート口(空気吹出口)
58 リアヒート口(空気吹出口)
80 取付板部(取付部)
81 リブ

Claims (8)

  1. それぞれ車外及び車室内から空気を導入する2つの空気導入口及び該車室内へ空気を吹き出す空気吹出口が開口されたケースと、該ケース内における上記空気導入口と空気吹出口とを接続する空気通路に設けられ、上記空気導入口から空気を吸い込んで上記空気吹出口から当該空気を吹き出させる送風手段と、該送風手段に吸い込まれる空気を、上記2つの空気導入口のうちのいずれか一方から導入される空気に切り換えるための電動アクチュエータとを備えた車両用空気調和装置であって、
    上記2つの空気導入口のうち少なくとも一方の空気導入口の上記ケースにおける開口位置は、空気が当該空気導入口から上記送風手段の吸入口に向かって略直線状に吸い込まれるよう該送風手段の吸入口と対向した位置に設けられていて、
    上記ケースの外面上で且つ上記一方の空気導入口の近傍には、外方に向かって膨出する、上記電動アクチュエータを取り付けるための取付部が設けられていて、
    上記取付部には、空気の流入方向上流側から見て上記一方の空気導入口の内側に向かって突出するとともに、該空気流入方向に沿って延びるリブが設けられていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 請求項1において、
    上記取付部は、上記一方の空気導入口の下方に設けられていて、
    上記リブは、上記取付部から上方に向かって突出していることを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 請求項1または2のいずれか一つにおいて、
    上記リブは、上記取付部側の基端部の空気流入方向長さよりも上記一方の空気導入口側の突出端部の空気流入方向長さのほうが短くなるように、該空気流入方向の上流側部分が傾斜していることを特徴とする車両用空気調和装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
    上記リブは、上記空気導入口側の突出端が上記空気導入口の中間位置よりも上記取付部側に位置していることを特徴とする車両用空気調和装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つにおいて、
    上記一方の空気導入口には、該空気導入口を覆うように格子部が設けられていて、
    上記リブは、上記格子部に一体形成されていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つにおいて、
    上記リブは、上記取付部に複数、設けられていて、各リブの空気流入方向の長さが同等であることを特徴とする車両用空気調和装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つにおいて、
    上記ケースは、上記一方の空気導入口の開口された第1外壁部が、他方の空気導入口の開口された第2外壁部に対して鋭角をなすとともに、該一方の空気導入口への空気の流入方向に対して傾斜するように形成されていることを特徴とする車両用空気調和装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つにおいて、
    上記一方の空気導入口は、車室内から空気を導入する内気導入口であることを特徴とする車両用空気調和装置。
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