JP2000287657A - 未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料及びその製造法 - Google Patents
未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料及びその製造法Info
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Abstract
より、飲料の機能性をさらに高めることを課題とする。 【解決手段】 殺菌した飲料の原料液(豆乳の原料液を
除く)に、加熱殺菌されかつ未変性のラクトフェリンを
混合した、未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料。
Description
料液(豆乳の原料液を除く)に、加熱殺菌され、かつ未
変性のラクトフェリンを混合した未変性ラクトフェリン
入り殺菌飲料、及びその製造法に関する。詳しくは、本
発明は、加熱殺菌しているにもかかわらず、含有される
ラクトフェリンが熱により失活していない殺菌飲料、及
びその製造法に関する。
常の飲料を意味しており、乳の他、果実飲料、乳性飲
料、野菜飲料、コ−ヒ−、各種の茶類、ココア等を例示
することができる。
ているが、このような飲料は、食品としての保存性及び
安全性を確保するために、通常は厳密に加熱殺菌の処理
を施されており、容器に密封された状態で、市場に流通
している。
ェリンを含有する殺菌飲料は、知られておらず、文献も
皆無である。
液、末梢血、乳等に含まれている鉄結合性蛋白質であ
り、有害細菌に対する抗菌作用[ジャーナル・オブ・デ
イリー・サイエンス(Journal of Dairy Science)、第6
7巻、第3ページ、1984年]、腸管からの鉄の吸収
促進作用[ジャーナル・オブ・ペディアトリック・ガス
トロエンテロロジー・アンド・ニュートリション(Journ
al of Paediatric Gastroenterlogy and Nutition)、第
2巻、第693ページ、1983年]、免疫賦活作用
(山内邦男、今村経明、守田哲朗編、「牛乳成分の特性
と健康」、第101ページの表IV−7、光生館、19
93年)、細胞増殖作用[島村ら、「ラクトフェリンの
構造及び作用」(Lactoferrin stracture and Functio
n)、第1回国際ラクトフェリン・シンポジウム、ハワ
イ、1992年]、抗炎症作用[ビオキミカ・エト・ビ
オフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta)
、第715巻、第116ページ、1982年]、ビフ
ィズス菌増殖効果[特公平7−79684公報、日本小
児科学学会雑誌、第87巻、第6号、第1000〜10
13ページ、1983年、ペディアトリック・リサーチ
(Pediatric Research)、第29巻、第2号、第208〜
213ページ、1991年]等、種々の生理活性を有し
ていることが報告されている。
食品、医薬品等に配合され、近年ラクトフェリン入りの
乳幼児用ミルクも発売されている。
不安定であり、62.5℃で30分間の加熱によりほぼ
失活し、70℃で15分間の加熱により完全に失活する
ことが知られており[ジャーナル・オブ・ペディアトリ
ックス(Journal of Pediatrics) 、第90巻、第29ペ
ージ、1977年]、ラクトフェリン溶液を予め酸によ
りpHを1.0〜6.5に調整することによりラクトフ
ェリンの熱安定性が増加し、加熱の最高温度が、130
℃で1〜2分の処理でラクトフェリンの未変性率が60
%以上であることが開示されている(特許第26880
98号)。
するためには、原料由来の細菌を殺滅する必要があり、
例えば、130℃で2秒以上等の条件で加熱処理され
る。
細菌の他、耐熱性芽胞菌を完全に殺滅する必要がある
が、100〜130℃の温度での加熱処理では高温菌は
耐熱性胞子を形成するために完全に死滅させることがで
きず、保存中に耐熱性胞子が発芽し、増殖する場合もあ
る。
るためには、飲料中の耐熱性芽胞菌を死滅させ、クロス
トリジウム・ボツリナム(Clostridium boturinum) を完
全に殺菌できる最低殺菌条件であるF0 =3.1(Z=
18とする)以上を満たす加熱条件で殺菌する必要があ
る。
定温度で一定数の細菌を死滅させるのに要する加熱時間
(分)を意味し、Zは微生物の熱死滅時間を1/10に
短縮させるのに要する華氏の温度増加量であり、この値
が大きい程微生物の耐熱性が高いことを意味する(乳業
技術講座編集委員会編、「乳業技術講座第1巻 牛
乳」、第250〜252ページ、朝倉書店、昭和38
年)。
して加熱処理を行った場合は、熱によってラクトフェリ
ンの活性は失われるのである。
ェリンと同様にビフィズス菌増殖促進効果、有害細菌の
静菌及び殺菌効果を有することも知られている(例え
ば、日本栄養・食糧学会誌、第42巻、第1号、第13
〜19ページ、1989年、特開平5−320068号
公報等)。
入り殺菌豆乳及びその製造法を特許出願した(特願平1
1−17519号。以下先願と記載する。)が、先願の
技術が、豆乳以外の飲料にも適用し得ることを確認し、
本発明を特許出願するものである。
省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号、以
下、乳等省令と記載する。)に規定されるところの「乳
等」も、広義の意味で飲料又は飲料原料の一種として流
通している場合がある。
まれている鉄結合性蛋白質であるから、飲料として流通
する「乳等」(尚、本発明においては、飲料又は飲料原
料として流通する「乳等」を乳と記載するものとす
る。)においても、消費者がこれを飲用した場合には、
「乳等」に含有されるラクトフェリンの各種の生理効果
が当然に期待されるところである。このような観点か
ら、乳に含有されるラクトフェリンに関しても従来から
研究が続けられており、例えば、特開昭63−1524
00号公報には、ホエ−又は脱脂乳よりラクトフェリン
を分離する技術が開示されている。
り飲料として流通させる場合には厳密な加熱殺菌処理を
要することは他の飲料と同様であり、飲料製品として市
場に流通する段階では、含有されているラクトフェリン
の活性は加熱によって失われているのである。
て、本発明者らは鋭意研究の結果、乳においては、一端
原料乳よりラクトフェリン溶液を分離し、分離したラク
トフェリン溶液のみを、ラクトフェリンを変性させない
特別な条件で加熱殺菌し、また他の成分は常法により加
熱殺菌し、各々を殺菌後に再度混合することにより、未
変性ラクトフェリンを含有しているにもかかわらず、実
質的に成分を調整しない加熱殺菌乳が得られることを見
い出した。
場合においては、殺菌処理した飲料原料液に、別途殺菌
処理した未変性のラクトフェリン溶液を無菌的に添加す
ることによりラクトフェリンの生理活性を損なうこと無
く、0.02〜5.0%(重量)の割合で未変性のラク
トフェリンを含有する殺菌飲料、及びその殺菌飲料を製
造し得ることを見い出し、本発明を完成した。
ラクトフェリンを添加すること、又はラクトフェリンの
加熱処理中の失活を防止することにより、飲料の機能性
を向上させることを目的としており、ラクトフェリンの
有する生理効果をそのまま保持した加熱殺菌乳からなる
未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料、ラクトフェリンの
有するビフィズス菌増殖効果をそのまま保持した未変性
ラクトフェリン入り殺菌飲料、及びラクトフェリンに加
えてラクチュロース等の有するビフィズス増殖効果の相
乗効果により、腸内フロ−ラの改善をより一層高める未
変性ラクトフェリン入り殺菌飲料、並びにそれらの製造
方法を提供することを目的とする。
明の第一の発明は、殺菌した飲料の原料液(豆乳の原料
液を除く)に、加熱殺菌され、かつ未変性のラクトフェ
リンを混合した未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料、で
ある。また、本発明の第一の発明は、前記原料液が乳で
あり、前記加熱殺菌され、かつ未変性のラクトフェリン
が、前記乳に含有されていたラクトフェリンを分離して
別途加熱殺菌したものであること、原料液が少なくとも
アロエ・エキス、ラクチュロース及びイノシトールから
なる群より選択される1種又は2種以上の物質を含有
し、加熱殺菌され、かつ未変性のラクトフェリンを0.
02〜5.0%(重量)の割合で含量すること、及び、
加熱殺菌されたラクトフェリンが、80〜100%(重
量)の割合で活性を残存していること、を望ましい態様
としている。
は、次のa)〜e)の工程、 a)乳からクリ−ムを分離し、脱脂乳を得る工程、 b)得られた脱脂乳よりラクトフェリンを分離する工
程、 c)分離したラクトフェリンを酸性下で加熱殺菌する工
程、 d)前記a)で分離したクリ−ム、及び/又は前記b)
のラクトフェリン分離後の脱脂乳を加熱殺菌する工程、
及び e)加熱殺菌されたクリ−ム及び/又は脱脂乳と、前記
c)で加熱殺菌された未変性のラクトフェリンとを混合
し、混合した殺菌乳を未変性ラクトフェリン入り殺菌飲
料として調製する工程、 からなることを特徴とする未変性ラクトフェリン入り殺
菌飲料の製造法、である。
は、次のf)〜h)の工程、 f)少なくともアロエ・エキス、ラクチュロース及びイ
ノシトールからなる群より選択される1種又は2種以上
の物質を含有する飲料の原料液(豆乳の原料液を除く)
を殺菌し、冷却する工程、 g)ラクトフェリン溶液に酸を添加し、溶液を酸性に調
整し、加熱殺菌する工程、及び h)加熱殺菌された未変性のラクトフェリンを、前記殺
菌した飲料原料液に対して0.02〜5.0%(重量)
の割合で添加する工程、 からなることを特徴とする未変性ラクトフェリン入り殺
菌飲料の製造法、である。
菌したラクトフェリンが、80〜100%(重量)の割
合で活性を残存していること、加熱殺菌が、150〜1
55℃の温度で2〜5秒間加熱して行われること、及
び、ラクトフェリン溶液が、pH2.0〜5.5の範囲
の酸性に調整されること、を望ましい態様としている。
る。
料液(豆乳の原料液を除く)に、加熱殺菌され、かつ未
変性のラクトフェリンを混合した未変性ラクトフェリン
入り殺菌飲料、である。
に、原料とは別に殺菌したラクトフェリンを混合するこ
とによって得ることができる。この場合、ラクトフェリ
ンを殺菌する方法として、例えば、前記の特許第268
8098号の公報に記載された技術を採用することによ
り、ラクトフェリンを変性させることなく殺菌処理する
ことができる。
ついて説明するが、望ましい態様の理解を容易にするた
め、その製造方法である本発明の第二の発明及び第三の
発明について、最初に説明し、次いで、再度第一の発明
について説明する。
を対象としている製造方法である。この場合の出発原料
は乳であるが、ここに乳とは、乳等省令で規格されてい
る乳等のうち、牛乳、特別牛乳、殺菌やぎ乳、部分脱脂
乳、脱脂乳、加工乳等、専ら飲用又は飲用原料のために
供するものを意味する。
を得る。クリ−ムを分離する方法は、公知の方法であ
り、通常の遠心式分離装置(クリ−ムセパレタ−等)を
使用することができる。
ら、ラクトフェリンを分離する。ラクトフェリンを分離
する方法としては、例えば、特開昭63−152400
号公報に開示された方法を使用することができる。
し、かつヘモグロビン吸着能が3.5g/100ml以
上である弱酸性陽イオン交換体に、0〜60℃、好まし
くは0〜10℃の温度において脱脂乳を接触させて吸着
処理し、吸着処理した弱酸性陽イオン交換体を水洗し、
水洗した弱酸性陽イオン交換体を塩類溶液(好ましくは
塩類の水溶液)で脱離処理することによってラクトフェ
リンを分離することができる。
積変化率が1.5以下であること(ただし、体積変化率
は、Na形における該交換体を水で膨潤させたときのベ
ッド・ボリュ−ムを、該交換体をイオン強度0.5以下
の塩化ナトリウム溶液と平衡化したときのベッド・ボリ
ュ−ムで除した値)が望ましく、また、塩類溶液は、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マ
グネシウム及びこれらの混合物からなる群より選択され
た塩類溶液であることが望ましい。
ン交換体が塩類の相対的に低濃度の水溶液によって処理
されイオン交換体から脱離する成分を除去する第1の脱
離処理工程、及び弱酸性陽イオン交換体が塩類の相対的
に高濃度の水溶液によって処理されイオン交換体から脱
離する成分を除去する第2の脱離処理工程からなり、ラ
クトフェリンを、回収された全蛋白質中98%以上の純
度で得ることが望ましい。また、この場合、相対的に低
濃度の水溶液の濃度が0.4〜2.5重量%であり、相
対的に高濃度の水溶液の濃度が1.5〜12重量%であ
ることが好ましい。
公報に開示された技術を使用すれば、ラクトフェリンを
分離した後の脱脂乳が何ら損なわれることがなく、しか
も大量に処理することができる利点がある。
変性しない方法で加熱殺菌処理するが、このような方法
としては、特許第2688098号公報に開示された技
術を採用することが望ましい。即ち、ラクトフェリン溶
液のpHを1.0以上6.5以下、好ましくはpH2.
0〜5.5の範囲の酸性に調整し、60℃以上の温度で
加熱処理する。
酸、クエン酸等を例示することができるが、乳酸が風味
の点から特に望ましい。
知の方法により、例えば150〜155℃の温度で2〜
5秒間加熱して殺菌する。後記試験例から明らかなとお
り、pHを前記の範囲に調整することにより、加熱殺菌
後のラクトフェリンは、80%以上が未変性のまま残存
し、生理的活性が維持されているのである。
クリ−ムと、ラクトフェリンを分離した後の脱脂乳は、
常法により加熱殺菌する。この場合、クリ−ムと脱脂乳
とを再度混合した後に加熱殺菌することが好ましいが、
各々別個に殺菌することも可能である。
リンを、クリ−ム及び脱脂乳に混合する。この操作は無
菌状態で行うことが望ましい。また、混合後の成分が、
最初の原料乳と同一の成分になるように、混合比率を考
慮することが望ましい。混合後は、公知の方法により容
器に充填し、密封し、最終製品を得ることができる。
離したクリ−ムの加熱処理及び混合は不要であり、加熱
殺菌された脱脂乳と、加熱殺菌された未変性のラクトフ
ェリンとのみを混合すれば良い。即ち、前記のように、
分離したクリ−ム及びラクトフェリン分離後の脱脂乳を
加熱殺菌し、加熱殺菌されたクリ−ム及び脱脂乳に、前
記脱脂乳から分離され加熱殺菌された未変性のラクトフ
ェリンを混合する態様の他に、ラクトフェリン分離後の
脱脂乳のみを加熱殺菌し、加熱殺菌された脱脂乳のみ
に、前記脱脂乳から分離され加熱殺菌された未変性のラ
クトフェリンを混合する態様も採用することができるの
である。
は、殺菌前の乳から実質的に成分無調整の状態でありな
がら、ラクトフェリンが失活していないものであり、換
言すれば、本発明の第二の発明の製造方法によって、未
変性ラクトフェリン入り殺菌飲料の望ましい一態様であ
る未変性ラクトフェリン入り殺菌乳を得ることができる
のである。
トフェリンに乳酸を添加してpH調整する場合には、こ
のような乳酸は、原料の脱脂乳にスタ−タ−を加えて発
酵させて得られたものを使用することができる。即ち、
前記ラクトフェリンを分離する前又は分離した後の脱脂
乳を殺菌冷却し、のちスタ−タ−を添加して発酵させて
発酵乳を調製し、得られた発酵乳の乳酸を使用するので
ある。このような乳酸は、原料乳由来のものであるた
め、最終的に得られた殺菌乳は、完全に原料乳由来の成
分のみで構成されることになり、より好ましいのであ
る。
は、乳に限られるものではなく、原料液は通常の飲料を
製造することができる原料液である。
した冷凍濃縮果汁、糖類、酸味料、香料、着色料、その
他の原料を混合して飲料の原料液を調製することができ
る。また、乳性飲料、特に乳酸菌飲料であれば、脱脂乳
を殺菌冷却し、のちスタ−タ−を添加して発酵させ、発
酵乳を調製し、飲料の原料液を製造することができる。
また、コ−ヒ−飲料であれば、コ−ヒ−注出液に、液
糖、粉乳溶解液を混合撹拌することにより、飲料の原料
液を調製することができる。尚、飲料の原料液として、
乳を採用しても良いことはいうまでもない。
アロエ・エキス、ラクチュロース及びイノシトールから
なる群より選択される1種又は2種以上の物質を含有し
ていることが特徴である。
アロエベラ、キダチアロエ等のアロエ植物の葉肉、又は
葉を圧搾して得られる「アロエ」又は「アロエゲル」と
呼ばれるもの、これらを乾燥粉砕した粉末状の「アロエ
末」、精製した「アロエエキス」、「アロエ抽出物」
等、アロエ植物由来の有効成分をもたらす全ての原料を
包括するものであり、その形状、加工の程度又は種類は
限定されない。しかしながら、本発明においては、医薬
品原料、食品原料等の目的で市販されている原料を用い
ることが望ましく、アロエ果汁を濃縮した液を採用する
ことが推奨される。
エキスとしてアロエ果汁の濃縮液を採用した場合には、
「アロエ・エキス」の用語の後に濃縮倍率を併記して表
現するものとする。即ち、単に「アロエ・エキス」と表
記した場合には、前記のとおり全てのアロエ関係の原料
を包括する用語であるが、「アロエ・エキス(5倍濃
縮)」と表記した場合は、アロエ果汁を濃縮した液(5
倍に濃縮した液)を意味するものとする。後者の表記方
法は、後記する実施例において用いるものである。
エキスを、0.5〜20.0重量%の範囲で、飲料の原
料液に含有させることが望ましい。
ノシル−D-フラクトフラノース)は、ビフィズス菌増殖
促進因子として公知の物質であり、乳糖にロブリー・ド
ブリュイン転位を行って製造される天然に存在しない二
糖類である。このラクチュロースは、水に対する溶解度
が高いために、安定な粉末を得るのが困難であり、通常
シロップ状で利用されている。
の他、45〜55%のラクチュロース、2〜8%のガラ
クトース、2〜5%の乳糖、および2〜8%のその他糖
類を含んでおり、固形分中のラクチュロース純度は70
〜90%である。尚、ラクチュロースの製品としては、
繁雑な工程で粉末化、または結晶化した製品も市販され
ている。
ースは、0.5〜4.0重量%の範囲で、飲料の原料液
に含有させることが望ましい。
ミンB群の一種であり、世界のイノシト−ルの製造原料
の大部分は米糠である。イノシト−ルは、1850年に
穀類より分離され、9種類の立方異性体が認められてい
るが、動植物界に存在して生理活性を示すのはミオイノ
シト−ルだけである。ミオイノシト−ルは、生体内で
は、遊離状で、脳、脊髄、心臓、腎臓、甲状腺、眼球、
筋肉、睾丸等に広く分布し、各組織の細胞内で重要な役
割をなしている。
を有し、熱、光、酸、アルカリに安定であり、従来か
ら、成長促進、脂肪肝及び肝硬変の予防、動脈硬化予
防、老化防止等の薬理効果が期待され、健康食品として
の将来性が約束されている(以上のイノシト−ルに関す
る記載は、ジャパンフ−ドサイエンス、第24巻、第3
号、73〜80ペ−ジ、1985年による。)。
ルを、0.001〜1.0重量%の範囲で、飲料の原料
液に含有させることが望ましい。
最初に、アロエ・エキス、ラクチュロース及びイノシト
ールからなる群より1種又は2種以上の物質を選択し、
飲料の原料液に含有させ、調製するのである。
り殺菌(例えば、UHT殺菌法等。)し、例えば、均質
機等により均質化する。
ンは、市販品であってもよく、牛乳から公知の方法(例
えば、特開昭63−152400号公報記載の方法
等。)により調製して使用することもできる。ラクトフ
ェリンは、通常牛乳から分離されたものが安価である
が、牛乳由来のラクトフェリンに限定されるものではな
い。ラクトフェリンの飲料への添加量は、後記する試験
例から明らかなとおり、飲料に対して0.02%以上で
あり、特に1.0〜5.0%の範囲が望ましい。
ン分解物は、市販品であってもよく、ウシラクトフェリ
ンから公知の方法(例えば、特開平5−320068号
公報記載の方法等。)により調製して使用することもで
きる。ラクトフェリン分解物は、通常牛乳から分離され
たラクトフェリンから得られるものが安価であるが、本
発明においては、牛乳由来のラクトフェリン分解物に限
定されるものではない。
トフェリン分解物をも、ラクトフェリンと併用して飲料
に添加することができる。ラクトフェリン分解物の添加
量は、前記ラクトフェリンの添加割合の範囲内であるこ
とが望ましい。具体的には、未変性ラクトフェリンとラ
クトフェリン分解物を併用添加する場合、それらの合計
の添加量が、0.02%以上、望ましくは1.0〜5.
0%の範囲である。
る。即ち、ラクトフェリン単独、又はラクトフェリン及
びラクトフェリン分解物を、水に10〜25%の濃度で
溶解し、酸を添加してpHを2.0〜5.5の範囲に調
整する。pH調整に使用する酸は、乳酸、塩酸、酢酸、
クエン酸等を例示することができるが、乳酸が風味の点
から特に望ましい。
の方法により、例えば150〜155℃の温度で2〜5
秒間加熱して殺菌する。後記試験例から明らかなとお
り、pHを前記の範囲に調整することにより、加熱殺菌
後のラクトフェリンは、80%以上が未変性のまま残存
する。従って、本発明の方法においては、加熱殺菌した
にもかかわらず、ラクトフェリンの生理的活性は維持さ
れているのである。
性ラクトフェリン溶液の所定量を添加し、均一に混合
し、以下公知の方法により容器に無菌的に充填し、密封
し、最終製品を得る。
は、必要に応じてビタミン、果汁、香料等を添加するこ
ともできる。添加するビタミンとしては、ビタミンA、
ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミン
B12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシ
ン、パントテン酸、葉酸、ビタミンK、β−カロテン等
を例示することができ、また、これらの混合物を適宜使
用することもできる。また、果汁としては、リンゴ果
汁、ミカン果汁、バナナ果汁等を適宜使用することがで
きる。
ヨーグルトフレーバー等を適宜使用することができる。
方法によって製造されることを好ましい態様とする未変
性ラクトフェリン入り殺菌飲料である。
料は、少なくとも食品衛生法の規定に基づき加熱殺菌さ
れているので、保存、輸送が容易であり、かつ、直ちに
飲用に供することができ、後記試験例から明らかなとお
り、長期間の保存によってもラクトフェリンの凝集沈殿
の生成が生成せず、製造直後と変わらない良好な品質を
維持している。
殺菌飲料は、後記試験例から明らかなとおり、ラクトフ
ェリンの有するビフィズス菌増殖効果と飲料中に含有さ
れているビフィズス増殖効果との相乗効果により、腸内
フロ−ラの改善をより一層高める優れた効果を有してい
る。また、この効果は、ラクトフェリン分解物を併用す
ることにより、一層顕著に発揮されるのである。
殺菌飲料は、乳の分野に適用することが可能であるが、
この場合のラクトフェリンは、原料液である乳に元来含
有されているラクトフェリンを未変性の状態で殺菌した
ものとすることができる。
ラクトフェリンを分離して別途加熱殺菌し、加熱殺菌さ
れかつ未変性のラクトフェリンを、前記乳を殺菌した後
に、再度混合することによって、殺菌前の乳と実質的に
同一の成分組成を有することになり、換言すればほぼ成
分無調整の殺菌乳となるのである。
殺菌の条件は、耐熱性芽胞菌を完全に殺滅して長期保存
することができる条件、例えば、F0 =3.1(Z=1
8とする)以上を満たす加熱条件、具体的には150〜
155℃の温度で2〜5秒間の条件等であることが望ま
しい。このように長期保存可能な殺菌飲料に本発明を適
用すれば、本発明の効果を最大限に享受することができ
るのである。
に説明する。
べるために行った。
を1%の濃度で精製水に溶解し、90%の第一乳酸(ナ
カライテスク社製)の10%溶液を添加し、pHを表1
に示す値に調整した。
熱せず、他方を直接加熱式殺菌機(森永乳業社製)によ
り155℃、2秒間加熱処理(F0 =81、Z=18と
する)し、のち室温に冷却した。室温に冷却した各試料
について、ロケット法[アナリティカル・バイオケミス
トリー(Analitycal Biochemistry) 、第15巻、第45
〜52ページ、1966年]によりラクトフェリン残存
量を測定し、各pHの未加熱試料のラクトフェリン残存
量に対する各加熱試料のラクトフェリン残存量の比率か
ら残存率(%)を算出した。
明らかなとおり、pH2.0〜5.5の範囲に調整した
ラクトフェリン溶解液は、155℃、2秒間加熱処理を
行った場合、残存率は80%以上であった。
ラクトフェリン溶液を高温で加熱しても、高い割合でラ
クトフェリンの活性が残存すること、即ち、未変性のラ
クトフェリンが存在することが判明した。
度、pH、及び加熱温度を変更して試験したが、ほぼ同
様の結果が得られた。
料の効果を調べるために行った。
殺菌飲料を調製した。 試験動物 田中の方法(治療学、第14巻、第5号、第594〜5
97ページ、1985年)により、新生児の初期感染時
期及び未熟児の腸内フロ−ラに近似した異常な腸内フロ
−ラを安定して保有するマウスを作成した。
C)Balb/c雌10匹を、5匹ずつ2群に分けて糞
食防止ネットをいれたケージに入れ、1群(対照)を通
常の固形食で1週間飼育し、次に牛乳のみを自由摂取さ
せて1週間飼育した。他の1群を通常の常時固形食で1
週間飼育し、次に前記未変性ラクトフェリン入り殺菌飲
料のみを自由摂取させて1週間飼育した。尚、両群とも
水を自由に摂取させた。牛乳及び未変性ラクトフェリン
入り殺菌飲料を投与後、1、3、5及び7日目の各マウ
スの新鮮糞便を経時的に採取し、光岡の方法(「腸内細
菌の世界」、叢文社、1980年。以下に常法と記載す
る。)により糞便中の有害細菌数を測定し、各群の平均
値を算出して試験した。
クテリアッセ−、ストレプトコッカス、スタフィロコッ
カス、及びクロストリジウムの有害細菌数は、対照群で
は、9.0±0.2(第1日目)、8.2±0.2(第
3日目)、8.1±0.2(第5日目)、9.8±0.
9(第7日目。検出率60%)であった。
殺菌飲料投与群では、それぞれ対数値で6.2±0.2
(第1日目)、6.1±0.2(第3日目)、5.2±
0.3(第5日目)、7.0(第7日目。検出限界)以
下であった。
条件を変更しない限り数週間にわたりほぼ安定に維持さ
れていた。これらの結果から、本発明の未変性ラクトフ
ェリン入り殺菌飲料により飼育したマウスの有害細菌数
は、牛乳で飼育したマウスのそれと比較して100〜1
000分の1以下に低減し、倍以上多い異常な腸内フロ
−ラを安定して長期間保有するマウスを作成することが
可能となった。
を調べるために行った。
6、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、及び
7.0%の割合で飲料に添加したことを除き、実施例1
と同一の方法により10種類の試料を調製した。
を、5匹ずつ10群に分け、試験例2と同一の方法によ
り試験を行った。
ン添加試料の投与によって、糞便中の有害細菌数は低下
し、投与3日以降安定して低い水準に維持された。この
効果は、未変性ラクトフェリンの添加量が多くなるほど
顕著になった。また、1.0〜5.0%の未変性ラクト
フェリン添加試料投与群の糞便中のクロストリジウムの
細菌数は検出限界以下に低下し、7.0%未変性ラクト
フェリン添加試料投与群では、5.0%の未変性ラクト
フェリン添加試料投与群との差異が認められなかった。
は1.0〜5.0%の未変性ラクトフェリン添加によ
り、異常な腸内フロ−ラを保有するマウスの糞便中の有
害細菌数を短期間に低下させ、異常な腸内フロ−ラを改
善する作用があることが判明した。尚、ラクトフェリン
の種類及び飲料の製造法を変更して試験したが、ほぼ同
様の結果が得られた。
めに行った。
含量を、それぞれ1%に調整したことを除き、実施例2
と同一の方法により、未変性ラクトフェリン及びラクト
フェリン分解物を添加した殺菌飲料を調製した。尚、ラ
クトフェリン及びラクトフェリン分解物を添加しないこ
とを除き、実施例2と同一の方法により対照試料を調製
した。
同一の方法により試験を行った。
らかなとおり、1%の未変性ラクトフェリン及び1%ラ
クトフェリン分解物を添加した殺菌飲料は、未添加の殺
菌飲料と比較して、糞便中の有害細菌の低下が顕著であ
った。この結果から、ラクトフェリン分解物の併用は、
良好であることが判明した。
て同様の試験を行ったが、腸内フロ−ラを改善する同様
の作用があることが判明した。
クトフェリン(ベルギ−のオレオフィナ社製)50gを
5%の濃度で精製水に溶解し、1モルの塩酸を添加して
pHを3に調整した。次いでこの溶液を70℃の温度で
20分間加熱し、加水分解し、のち1モル苛性ソ−ダ溶
液でpHを7に調整し、凍結乾燥し、分解率が20%の
ラクトフェリン分解物20gを得た。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
ュロースを含有する清涼飲料の原料液を作成し、110
℃、30秒間殺菌処理し、約20℃に冷却し、無菌タン
クに貯蔵した。 配合 砂糖混合異性化糖 11.12(kg) 白ぶどう果汁(6倍濃縮) 1.67 アロエ・エキス(5倍濃縮) 1.40 脱脂粉乳 3.00 クエン酸 0.21 ラクチュロース 3.00 香料 0.10 溶解水 59.50
ラクトフェリン(森永乳業社製。ラクトフェリン含量9
5%)2kgを添加し、TKホモミクサー(特殊機化工
業社製)を用いて溶解させ、ラクトフェリン液を調製
し、このラクトフェリン液に第一乳酸(ナカライテスク
社製。純度90%)を添加してpHを4.0に調整した
のち水を添加して総量20kgに調整し、10%ラクト
フェリン液を得た。
ョン式殺菌機(森永乳業社製)により155℃で2秒間
殺菌処理し、均質機(三丸機械工業社製)を使用して1
段目20MPa、2段目2MPaの圧力で無菌的に均質
化処理し、前記、無菌タンクに貯蔵した殺菌液と混合
し、2%の未変性ウシラクトフェリンを含有する殺菌清
涼飲料、約100kgを得た。
ミネート材より構成された容器(テトラパック社製)
に、前記未変性ウシラクトフェリン入り殺菌清涼飲料を
アセプティック包装機械(テトラパック社製)を使用し
て200mlずつ無菌的に充填し、未変性ウシラクトフ
ェリン入り殺菌清涼飲料400個を製造した。
菌飲料は、未変性のウシラクトフェリンを1.9%含有
し、細菌汚染もなく、室温で6か月間保存後においても
沈殿の生成が無く、良好な状態を維持していた。
ュロース、イノシトールを含有する清涼飲料の原料液を
調製し、110℃、30秒間殺菌処理し、約10℃に冷
却し、無菌タンクに貯蔵した。 配合 砂糖混合異性化糖 11.12(kg) 白ぶどう果汁(6倍濃縮) 1.67 アロエ・エキス(5倍濃縮) 1.40 クエン酸 0.21 ラクチュロース 3.00 香料 0.10 イノシト−ル 0.01 溶解水 62.49
ラクトフェリン(森永乳業社製。ラクトフェリン含量9
5%)1kg、及び前記参考例と同一の方法により調製
したラクトフェリン分解物1kgを各々添加し、TKホ
モミクサー(特殊機化工業社製)を用いて溶解させ、ラ
クトフェリン液を調製し、このラクトフェリン液に第一
乳酸(ナカライテスク社製。純度90%)を添加してp
Hを4.0に調整し、のち水を添加して総量20kgに
調整し、10%ラクトフェリン液を得た。
ョン式殺菌機(森永乳業社製)により155℃で2秒間
殺菌処理し、均質機(三丸機械工業社製)を使用して1
段目20MPa、2段目2MPaの圧力で無菌的に均質
化処理した。これを前記殺菌原料液に添加し、1%の未
変性ウシラクトフェリン及び1%のラクトフェリン分解
物を含有する清涼飲料約100kgを調製した。
1%のラクトフェリン分解物を含有する清涼飲料を50
0mlPET樹脂ボトル(吉野工業所製)にホット充填
し、40℃以下に冷却し未変性ウシラクトフェリン入り
殺菌清涼飲料200個を製造した。
菌飲料は、未変性のウシラクトフェリンを0.8%、未
変性のラクトフェリン分解物を0.9%含有し、細菌汚
染もなく、室温で6か月間保存後においても沈殿の生成
が無く、良好な状態を維持していた。
脱脂乳及びクリ−ムを調製した。
ロビン吸着能力が、4.6g/100ml、及び体積変
化が1.0であるCM−トヨパ−ル650(東洋ソ−ダ
製)500mlを内径10cmのカラムに充填し、10
%食塩水を通液した後水洗してNa型のイオン交換体を
調製した。続いて前記脱脂乳を、温度4℃で4l/hの
流速で前記イオン交換体に通液した。通過後の脱脂乳
は、外観、風味ともに変化は認められなかった。脱脂乳
通過後には、カラムに水を通液して水洗し、10%食塩
水を5l/hの流速で通液してイオン交換体吸着成分を
脱離し、回収液5.0lを得た。この間ヘッドボリュ−
ムの変化は認められなかった。この回収液のラクトフェ
リン濃度は、36mg/100mlであった。
過した後の脱脂乳とを保冷タンクにて混合撹拌した後、
スチ−ムインジェクション式殺菌機(森永乳業社製)に
より155℃で2秒間殺菌処理し、均質機(三丸機械工
業社製)を使用して1段目30MPa、2段目3MPa
の圧力で無菌的に均質化処理し、加熱殺菌乳を得て無菌
タンクに貯留した。
料の調製 前記2)で得られたラクトフェリン含有回収液に第一乳
酸(ナカライテスク社製。純度90%)を添加してpH
を4.0に調整し、スチ−ムインジェクション式殺菌機
(森永乳業社製)により155℃で2秒間殺菌処理し、
均質機(三丸機械工業社製)を使用して1段目20MP
a、2段目2MPaの圧力で無菌的に均質化処理し、前
記3)で無菌タンクに貯蔵しておいた加熱殺菌乳と混合
した。
成分を有する加熱殺菌乳を得ることができたが、この加
熱殺菌乳のラクトフェリンの変性の程度を、逆相系カラ
ム(アサヒパックC4P−50:商標、旭化成社製)を
用いたアセトニトリル、0.5モル食塩のグラジェント
溶出による高速液体クロマトグラフィ−により試験した
ところ、変性率は0%であり、ラクトフェリンは全く変
性していないことが確認された。
施例3における3)と同一の装置及び条件により、加熱
殺菌し、加熱殺菌乳を得た。得られた加熱殺菌乳におけ
るラクトフェリンの変性の程度を、前記実施例3と同一
の方法で試験した結果、変性率は100%であり、ラク
トフェリンは完全に失活していることが確認された。
殺菌した飲料の原料液(豆乳の原料液を除く)に、加熱
殺菌され、かつ未変性のラクトフェリンを混合した未変
性ラクトフェリン入り殺菌飲料、及びその製造法であ
り、本発明により奏せられる効果は次のとおりである。 1)未変性のラクトフェリンとラクチュロースのビフィ
ズス菌増殖因子との相乗効果により、ヒト又は動物の異
常な腸内フローラの細菌構成を改善する。 2)前記効果のある本発明の未変性ラクトフェリン入り
清涼飲料は、加熱殺菌されているので、長期間保存が可
能であり、容器から直ちに飲用することが可能である。 3)本発明の未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料は、保
存による品質の劣化がない。 4)本発明を乳に適用した場合には、成分を実質的に調
整しない加熱殺菌乳でありながら、ラクトフェリンが変
性していない加熱殺菌乳を得ることができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 殺菌した飲料の原料液(豆乳の原料液を
除く)に、加熱殺菌され、かつ未変性のラクトフェリン
を混合した未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料。 - 【請求項2】 前記原料液が乳であり、前記加熱殺菌さ
れ、かつ未変性のラクトフェリンが、前記乳に含有され
ていたラクトフェリンを分離して別途加熱殺菌したもの
である請求項1に記載の未変性ラクトフェリン入り殺菌
飲料。 - 【請求項3】 原料液が少なくともアロエ・エキス、ラ
クチュロース及びイノシトールからなる群より選択され
る1種又は2種以上の物質を含有し、加熱殺菌され、か
つ未変性のラクトフェリンを0.02〜5.0%(重
量)の割合で含量する請求項1に記載の未変性ラクトフ
ェリン入り殺菌飲料。 - 【請求項4】 加熱殺菌されたラクトフェリンが、80
〜100%(重量)の割合で活性を残存している請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の未変性ラクトフェリ
ン入り殺菌飲料。 - 【請求項5】 次のa)〜e)の工程、 a)乳からクリ−ムを分離し、脱脂乳を得る工程、 b)得られた脱脂乳よりラクトフェリンを分離する工
程、 c)分離したラクトフェリンを酸性下で加熱殺菌する工
程、 d)前記a)で分離したクリ−ム、及び/又は前記b)
のラクトフェリン分離後の脱脂乳を加熱殺菌する工程、
及び e)加熱殺菌されたクリ−ム及び/又は脱脂乳と、前記
c)で加熱殺菌された未変性のラクトフェリンとを混合
し、混合した殺菌乳を未変性ラクトフェリン入り殺菌飲
料として調製する工程、 からなることを特徴とする未変性ラクトフェリン入り殺
菌飲料の製造法。 - 【請求項6】 次のf)〜h)の工程、 f)少なくともアロエ・エキス、ラクチュロース及びイ
ノシトールからなる群より選択される1種又は2種以上
の物質を含有する飲料の原料液(豆乳の原料液を除く)
を殺菌し、冷却する工程、 g)ラクトフェリン溶液に酸を添加し、溶液を酸性に調
整し、加熱殺菌する工程、及び h)加熱殺菌された未変性のラクトフェリンを、前記殺
菌した飲料原料液に対して0.02〜5.0%(重量)
の割合で添加する工程、 からなることを特徴とする未変性ラクトフェリン入り殺
菌飲料の製造法。 - 【請求項7】 加熱殺菌したラクトフェリンが、80〜
100%(重量)の割合で活性を残存している請求項5
又は請求項6のいずれかに記載の未変性ラクトフェリン
入り殺菌飲料の製造法。 - 【請求項8】 加熱殺菌が、150〜155℃の温度で
2〜5秒間加熱して行われる請求項5乃至請求項7のい
ずれかに記載の未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料の製
造法。 - 【請求項9】 ラクトフェリン溶液が、pH2.0〜
5.5の範囲の酸性に調整される請求項6乃至請求項8
のいずれかに記載の未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料
の製造法。
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