JP2000287657A - 未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料及びその製造法 - Google Patents

未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料及びその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未変性のラクトフェリンを含有させることに
より、飲料の機能性をさらに高めることを課題とする。 【解決手段】 殺菌した飲料の原料液(豆乳の原料液を
除く)に、加熱殺菌されかつ未変性のラクトフェリンを
混合した、未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺菌した飲料の原
料液(豆乳の原料液を除く)に、加熱殺菌され、かつ未
変性のラクトフェリンを混合した未変性ラクトフェリン
入り殺菌飲料、及びその製造法に関する。詳しくは、本
発明は、加熱殺菌しているにもかかわらず、含有される
ラクトフェリンが熱により失活していない殺菌飲料、及
びその製造法に関する。
【0002】本発明において、飲料は、豆乳を除き、通
常の飲料を意味しており、乳の他、果実飲料、乳性飲
料、野菜飲料、コ−ヒ−、各種の茶類、ココア等を例示
することができる。
【0003】
【従来の技術】一般に、飲料は、種々のものが市販され
ているが、このような飲料は、食品としての保存性及び
安全性を確保するために、通常は厳密に加熱殺菌の処理
を施されており、容器に密封された状態で、市場に流通
している。
【0004】しかしながら、殺菌した未変性のラクトフ
ェリンを含有する殺菌飲料は、知られておらず、文献も
皆無である。
【0005】ラクトフェリンは、生体内では、涙、唾
液、末梢血、乳等に含まれている鉄結合性蛋白質であ
り、有害細菌に対する抗菌作用[ジャーナル・オブ・デ
イリー・サイエンス(Journal of Dairy Science)、第6
7巻、第3ページ、1984年]、腸管からの鉄の吸収
促進作用[ジャーナル・オブ・ペディアトリック・ガス
トロエンテロロジー・アンド・ニュートリション(Journ
al of Paediatric Gastroenterlogy and Nutition)、第
2巻、第693ページ、1983年]、免疫賦活作用
(山内邦男、今村経明、守田哲朗編、「牛乳成分の特性
と健康」、第101ページの表IV−7、光生館、19
93年)、細胞増殖作用[島村ら、「ラクトフェリンの
構造及び作用」(Lactoferrin stracture and Functio
n)、第1回国際ラクトフェリン・シンポジウム、ハワ
イ、1992年]、抗炎症作用[ビオキミカ・エト・ビ
オフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta)
、第715巻、第116ページ、1982年]、ビフ
ィズス菌増殖効果[特公平7−79684公報、日本小
児科学学会雑誌、第87巻、第6号、第1000〜10
13ページ、1983年、ペディアトリック・リサーチ
(Pediatric Research)、第29巻、第2号、第208〜
213ページ、1991年]等、種々の生理活性を有し
ていることが報告されている。
【0006】また、ラクトフェリンは種々の食品、加工
食品、医薬品等に配合され、近年ラクトフェリン入りの
乳幼児用ミルクも発売されている。
【0007】従来、ラクトフェリンは中性において熱に
不安定であり、62.5℃で30分間の加熱によりほぼ
失活し、70℃で15分間の加熱により完全に失活する
ことが知られており[ジャーナル・オブ・ペディアトリ
ックス(Journal of Pediatrics) 、第90巻、第29ペ
ージ、1977年]、ラクトフェリン溶液を予め酸によ
りpHを1.0〜6.5に調整することによりラクトフ
ェリンの熱安定性が増加し、加熱の最高温度が、130
℃で1〜2分の処理でラクトフェリンの未変性率が60
%以上であることが開示されている(特許第26880
98号)。
【0008】しかしながら、消費者に飲料を安全に提供
するためには、原料由来の細菌を殺滅する必要があり、
例えば、130℃で2秒以上等の条件で加熱処理され
る。
【0009】また、長期保存を目的とする場合は、一般
細菌の他、耐熱性芽胞菌を完全に殺滅する必要がある
が、100〜130℃の温度での加熱処理では高温菌は
耐熱性胞子を形成するために完全に死滅させることがで
きず、保存中に耐熱性胞子が発芽し、増殖する場合もあ
る。
【0010】従って、長期保存可能な殺菌飲料を製造す
るためには、飲料中の耐熱性芽胞菌を死滅させ、クロス
トリジウム・ボツリナム(Clostridium boturinum) を完
全に殺菌できる最低殺菌条件であるF0 =3.1(Z=
18とする)以上を満たす加熱条件で殺菌する必要があ
る。
【0011】尚、F0 は、加熱殺菌の致死値であり、一
定温度で一定数の細菌を死滅させるのに要する加熱時間
(分)を意味し、Zは微生物の熱死滅時間を1/10に
短縮させるのに要する華氏の温度増加量であり、この値
が大きい程微生物の耐熱性が高いことを意味する(乳業
技術講座編集委員会編、「乳業技術講座第1巻 牛
乳」、第250〜252ページ、朝倉書店、昭和38
年)。
【0012】いずれにせよ、以上のように殺菌を目的と
して加熱処理を行った場合は、熱によってラクトフェリ
ンの活性は失われるのである。
【0013】また、ラクトフェリン分解物は、ラクトフ
ェリンと同様にビフィズス菌増殖促進効果、有害細菌の
静菌及び殺菌効果を有することも知られている(例え
ば、日本栄養・食糧学会誌、第42巻、第1号、第13
〜19ページ、1989年、特開平5−320068号
公報等)。
【0014】本発明者らは、先に未変性ラクトフェリン
入り殺菌豆乳及びその製造法を特許出願した(特願平1
1−17519号。以下先願と記載する。)が、先願の
技術が、豆乳以外の飲料にも適用し得ることを確認し、
本発明を特許出願するものである。
【0015】一方、乳及び乳製品の成分規格等に関する
省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号、以
下、乳等省令と記載する。)に規定されるところの「乳
等」も、広義の意味で飲料又は飲料原料の一種として流
通している場合がある。
【0016】前記のとおりラクトフェリンは、乳等に含
まれている鉄結合性蛋白質であるから、飲料として流通
する「乳等」(尚、本発明においては、飲料又は飲料原
料として流通する「乳等」を乳と記載するものとす
る。)においても、消費者がこれを飲用した場合には、
「乳等」に含有されるラクトフェリンの各種の生理効果
が当然に期待されるところである。このような観点か
ら、乳に含有されるラクトフェリンに関しても従来から
研究が続けられており、例えば、特開昭63−1524
00号公報には、ホエ−又は脱脂乳よりラクトフェリン
を分離する技術が開示されている。
【0017】しかしながら、乳においても、前記のとお
り飲料として流通させる場合には厳密な加熱殺菌処理を
要することは他の飲料と同様であり、飲料製品として市
場に流通する段階では、含有されているラクトフェリン
の活性は加熱によって失われているのである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術に鑑み
て、本発明者らは鋭意研究の結果、乳においては、一端
原料乳よりラクトフェリン溶液を分離し、分離したラク
トフェリン溶液のみを、ラクトフェリンを変性させない
特別な条件で加熱殺菌し、また他の成分は常法により加
熱殺菌し、各々を殺菌後に再度混合することにより、未
変性ラクトフェリンを含有しているにもかかわらず、実
質的に成分を調整しない加熱殺菌乳が得られることを見
い出した。
【0019】また、これに限ることなく、一般の飲料の
場合においては、殺菌処理した飲料原料液に、別途殺菌
処理した未変性のラクトフェリン溶液を無菌的に添加す
ることによりラクトフェリンの生理活性を損なうこと無
く、0.02〜5.0%(重量)の割合で未変性のラク
トフェリンを含有する殺菌飲料、及びその殺菌飲料を製
造し得ることを見い出し、本発明を完成した。
【0020】本発明は、各種生理効果を有する未変性の
ラクトフェリンを添加すること、又はラクトフェリンの
加熱処理中の失活を防止することにより、飲料の機能性
を向上させることを目的としており、ラクトフェリンの
有する生理効果をそのまま保持した加熱殺菌乳からなる
未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料、ラクトフェリンの
有するビフィズス菌増殖効果をそのまま保持した未変性
ラクトフェリン入り殺菌飲料、及びラクトフェリンに加
えてラクチュロース等の有するビフィズス増殖効果の相
乗効果により、腸内フロ−ラの改善をより一層高める未
変性ラクトフェリン入り殺菌飲料、並びにそれらの製造
方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第一の発明は、殺菌した飲料の原料液(豆乳の原料
液を除く)に、加熱殺菌され、かつ未変性のラクトフェ
リンを混合した未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料、で
ある。また、本発明の第一の発明は、前記原料液が乳で
あり、前記加熱殺菌され、かつ未変性のラクトフェリン
が、前記乳に含有されていたラクトフェリンを分離して
別途加熱殺菌したものであること、原料液が少なくとも
アロエ・エキス、ラクチュロース及びイノシトールから
なる群より選択される1種又は2種以上の物質を含有
し、加熱殺菌され、かつ未変性のラクトフェリンを0.
02〜5.0%(重量)の割合で含量すること、及び、
加熱殺菌されたラクトフェリンが、80〜100%(重
量)の割合で活性を残存していること、を望ましい態様
としている。
【0022】前記課題を解決する本発明の第二の発明
は、次のa)〜e)の工程、 a)乳からクリ−ムを分離し、脱脂乳を得る工程、 b)得られた脱脂乳よりラクトフェリンを分離する工
程、 c)分離したラクトフェリンを酸性下で加熱殺菌する工
程、 d)前記a)で分離したクリ−ム、及び/又は前記b)
のラクトフェリン分離後の脱脂乳を加熱殺菌する工程、
及び e)加熱殺菌されたクリ−ム及び/又は脱脂乳と、前記
c)で加熱殺菌された未変性のラクトフェリンとを混合
し、混合した殺菌乳を未変性ラクトフェリン入り殺菌飲
料として調製する工程、 からなることを特徴とする未変性ラクトフェリン入り殺
菌飲料の製造法、である。
【0023】前記課題を解決する本発明の第三の発明
は、次のf)〜h)の工程、 f)少なくともアロエ・エキス、ラクチュロース及びイ
ノシトールからなる群より選択される1種又は2種以上
の物質を含有する飲料の原料液(豆乳の原料液を除く)
を殺菌し、冷却する工程、 g)ラクトフェリン溶液に酸を添加し、溶液を酸性に調
整し、加熱殺菌する工程、及び h)加熱殺菌された未変性のラクトフェリンを、前記殺
菌した飲料原料液に対して0.02〜5.0%(重量)
の割合で添加する工程、 からなることを特徴とする未変性ラクトフェリン入り殺
菌飲料の製造法、である。
【0024】また、前記第二及び第三の発明は、加熱殺
菌したラクトフェリンが、80〜100%(重量)の割
合で活性を残存していること、加熱殺菌が、150〜1
55℃の温度で2〜5秒間加熱して行われること、及
び、ラクトフェリン溶液が、pH2.0〜5.5の範囲
の酸性に調整されること、を望ましい態様としている。
【0025】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳細に説明す
る。
【0026】本発明の第一の発明は、殺菌した飲料の原
料液(豆乳の原料液を除く)に、加熱殺菌され、かつ未
変性のラクトフェリンを混合した未変性ラクトフェリン
入り殺菌飲料、である。
【0027】本発明の飲料は、飲料の原料を殺菌した後
に、原料とは別に殺菌したラクトフェリンを混合するこ
とによって得ることができる。この場合、ラクトフェリ
ンを殺菌する方法として、例えば、前記の特許第268
8098号の公報に記載された技術を採用することによ
り、ラクトフェリンを変性させることなく殺菌処理する
ことができる。
【0028】次に本発明の第一の発明の望ましい態様に
ついて説明するが、望ましい態様の理解を容易にするた
め、その製造方法である本発明の第二の発明及び第三の
発明について、最初に説明し、次いで、再度第一の発明
について説明する。
【0029】本発明の第二の発明は、飲料として専ら乳
を対象としている製造方法である。この場合の出発原料
は乳であるが、ここに乳とは、乳等省令で規格されてい
る乳等のうち、牛乳、特別牛乳、殺菌やぎ乳、部分脱脂
乳、脱脂乳、加工乳等、専ら飲用又は飲用原料のために
供するものを意味する。
【0030】最初に、乳からクリ−ムを分離し、脱脂乳
を得る。クリ−ムを分離する方法は、公知の方法であ
り、通常の遠心式分離装置(クリ−ムセパレタ−等)を
使用することができる。
【0031】次に、クリ−ムを分離した後の脱脂乳か
ら、ラクトフェリンを分離する。ラクトフェリンを分離
する方法としては、例えば、特開昭63−152400
号公報に開示された方法を使用することができる。
【0032】即ち、最初に、カルボキシルメチル基を有
し、かつヘモグロビン吸着能が3.5g/100ml以
上である弱酸性陽イオン交換体に、0〜60℃、好まし
くは0〜10℃の温度において脱脂乳を接触させて吸着
処理し、吸着処理した弱酸性陽イオン交換体を水洗し、
水洗した弱酸性陽イオン交換体を塩類溶液(好ましくは
塩類の水溶液)で脱離処理することによってラクトフェ
リンを分離することができる。
【0033】この場合は、弱酸性陽イオン交換体は、体
積変化率が1.5以下であること(ただし、体積変化率
は、Na形における該交換体を水で膨潤させたときのベ
ッド・ボリュ−ムを、該交換体をイオン強度0.5以下
の塩化ナトリウム溶液と平衡化したときのベッド・ボリ
ュ−ムで除した値)が望ましく、また、塩類溶液は、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マ
グネシウム及びこれらの混合物からなる群より選択され
た塩類溶液であることが望ましい。
【0034】また、前記脱離処理工程は、弱酸性陽イオ
ン交換体が塩類の相対的に低濃度の水溶液によって処理
されイオン交換体から脱離する成分を除去する第1の脱
離処理工程、及び弱酸性陽イオン交換体が塩類の相対的
に高濃度の水溶液によって処理されイオン交換体から脱
離する成分を除去する第2の脱離処理工程からなり、ラ
クトフェリンを、回収された全蛋白質中98%以上の純
度で得ることが望ましい。また、この場合、相対的に低
濃度の水溶液の濃度が0.4〜2.5重量%であり、相
対的に高濃度の水溶液の濃度が1.5〜12重量%であ
ることが好ましい。
【0035】このように、特開昭63−152400号
公報に開示された技術を使用すれば、ラクトフェリンを
分離した後の脱脂乳が何ら損なわれることがなく、しか
も大量に処理することができる利点がある。
【0036】以上のように分離したラクトフェリンは、
変性しない方法で加熱殺菌処理するが、このような方法
としては、特許第2688098号公報に開示された技
術を採用することが望ましい。即ち、ラクトフェリン溶
液のpHを1.0以上6.5以下、好ましくはpH2.
0〜5.5の範囲の酸性に調整し、60℃以上の温度で
加熱処理する。
【0037】pH調整に使用する酸は、乳酸、塩酸、酢
酸、クエン酸等を例示することができるが、乳酸が風味
の点から特に望ましい。
【0038】pHを調整したラクトフェリン溶液を、公
知の方法により、例えば150〜155℃の温度で2〜
5秒間加熱して殺菌する。後記試験例から明らかなとお
り、pHを前記の範囲に調整することにより、加熱殺菌
後のラクトフェリンは、80%以上が未変性のまま残存
し、生理的活性が維持されているのである。
【0039】一方、最初の工程において乳から分離した
クリ−ムと、ラクトフェリンを分離した後の脱脂乳は、
常法により加熱殺菌する。この場合、クリ−ムと脱脂乳
とを再度混合した後に加熱殺菌することが好ましいが、
各々別個に殺菌することも可能である。
【0040】最後に、加熱殺菌後の未変性のラクトフェ
リンを、クリ−ム及び脱脂乳に混合する。この操作は無
菌状態で行うことが望ましい。また、混合後の成分が、
最初の原料乳と同一の成分になるように、混合比率を考
慮することが望ましい。混合後は、公知の方法により容
器に充填し、密封し、最終製品を得ることができる。
【0041】尚、飲料が殺菌脱脂乳である場合には、分
離したクリ−ムの加熱処理及び混合は不要であり、加熱
殺菌された脱脂乳と、加熱殺菌された未変性のラクトフ
ェリンとのみを混合すれば良い。即ち、前記のように、
分離したクリ−ム及びラクトフェリン分離後の脱脂乳を
加熱殺菌し、加熱殺菌されたクリ−ム及び脱脂乳に、前
記脱脂乳から分離され加熱殺菌された未変性のラクトフ
ェリンを混合する態様の他に、ラクトフェリン分離後の
脱脂乳のみを加熱殺菌し、加熱殺菌された脱脂乳のみ
に、前記脱脂乳から分離され加熱殺菌された未変性のラ
クトフェリンを混合する態様も採用することができるの
である。
【0042】以上のような各工程を経て得られた殺菌乳
は、殺菌前の乳から実質的に成分無調整の状態でありな
がら、ラクトフェリンが失活していないものであり、換
言すれば、本発明の第二の発明の製造方法によって、未
変性ラクトフェリン入り殺菌飲料の望ましい一態様であ
る未変性ラクトフェリン入り殺菌乳を得ることができる
のである。
【0043】尚、補足すれば、脱脂乳から分離したラク
トフェリンに乳酸を添加してpH調整する場合には、こ
のような乳酸は、原料の脱脂乳にスタ−タ−を加えて発
酵させて得られたものを使用することができる。即ち、
前記ラクトフェリンを分離する前又は分離した後の脱脂
乳を殺菌冷却し、のちスタ−タ−を添加して発酵させて
発酵乳を調製し、得られた発酵乳の乳酸を使用するので
ある。このような乳酸は、原料乳由来のものであるた
め、最終的に得られた殺菌乳は、完全に原料乳由来の成
分のみで構成されることになり、より好ましいのであ
る。
【0044】次に、本発明の第三の発明を説明する。
【0045】本発明の第三の発明の方法における飲料
は、乳に限られるものではなく、原料液は通常の飲料を
製造することができる原料液である。
【0046】例えば、果実飲料であれば、原水に、解凍
した冷凍濃縮果汁、糖類、酸味料、香料、着色料、その
他の原料を混合して飲料の原料液を調製することができ
る。また、乳性飲料、特に乳酸菌飲料であれば、脱脂乳
を殺菌冷却し、のちスタ−タ−を添加して発酵させ、発
酵乳を調製し、飲料の原料液を製造することができる。
また、コ−ヒ−飲料であれば、コ−ヒ−注出液に、液
糖、粉乳溶解液を混合撹拌することにより、飲料の原料
液を調製することができる。尚、飲料の原料液として、
乳を採用しても良いことはいうまでもない。
【0047】本発明の方法においては、飲料の原料液が
アロエ・エキス、ラクチュロース及びイノシトールから
なる群より選択される1種又は2種以上の物質を含有し
ていることが特徴である。
【0048】アロエ・エキスは、例えばケ−プアロエ、
アロエベラ、キダチアロエ等のアロエ植物の葉肉、又は
葉を圧搾して得られる「アロエ」又は「アロエゲル」と
呼ばれるもの、これらを乾燥粉砕した粉末状の「アロエ
末」、精製した「アロエエキス」、「アロエ抽出物」
等、アロエ植物由来の有効成分をもたらす全ての原料を
包括するものであり、その形状、加工の程度又は種類は
限定されない。しかしながら、本発明においては、医薬
品原料、食品原料等の目的で市販されている原料を用い
ることが望ましく、アロエ果汁を濃縮した液を採用する
ことが推奨される。
【0049】尚、以下の記載においては、前記アロエ・
エキスとしてアロエ果汁の濃縮液を採用した場合には、
「アロエ・エキス」の用語の後に濃縮倍率を併記して表
現するものとする。即ち、単に「アロエ・エキス」と表
記した場合には、前記のとおり全てのアロエ関係の原料
を包括する用語であるが、「アロエ・エキス(5倍濃
縮)」と表記した場合は、アロエ果汁を濃縮した液(5
倍に濃縮した液)を意味するものとする。後者の表記方
法は、後記する実施例において用いるものである。
【0050】本発明においては、以上のようなアロエ・
エキスを、0.5〜20.0重量%の範囲で、飲料の原
料液に含有させることが望ましい。
【0051】ラクチュロース(4-O-β-D−ガラクトピラ
ノシル−D-フラクトフラノース)は、ビフィズス菌増殖
促進因子として公知の物質であり、乳糖にロブリー・ド
ブリュイン転位を行って製造される天然に存在しない二
糖類である。このラクチュロースは、水に対する溶解度
が高いために、安定な粉末を得るのが困難であり、通常
シロップ状で利用されている。
【0052】通常、ラクチュロース・シロップは、水分
の他、45〜55%のラクチュロース、2〜8%のガラ
クトース、2〜5%の乳糖、および2〜8%のその他糖
類を含んでおり、固形分中のラクチュロース純度は70
〜90%である。尚、ラクチュロースの製品としては、
繁雑な工程で粉末化、または結晶化した製品も市販され
ている。
【0053】本発明においては、このようなラクチュロ
ースは、0.5〜4.0重量%の範囲で、飲料の原料液
に含有させることが望ましい。
【0054】イノシトールは、米糠に多く含まれるビタ
ミンB群の一種であり、世界のイノシト−ルの製造原料
の大部分は米糠である。イノシト−ルは、1850年に
穀類より分離され、9種類の立方異性体が認められてい
るが、動植物界に存在して生理活性を示すのはミオイノ
シト−ルだけである。ミオイノシト−ルは、生体内で
は、遊離状で、脳、脊髄、心臓、腎臓、甲状腺、眼球、
筋肉、睾丸等に広く分布し、各組織の細胞内で重要な役
割をなしている。
【0055】イノシト−ルは、ショ糖の約50%の甘味
を有し、熱、光、酸、アルカリに安定であり、従来か
ら、成長促進、脂肪肝及び肝硬変の予防、動脈硬化予
防、老化防止等の薬理効果が期待され、健康食品として
の将来性が約束されている(以上のイノシト−ルに関す
る記載は、ジャパンフ−ドサイエンス、第24巻、第3
号、73〜80ペ−ジ、1985年による。)。
【0056】本発明においては、このようなイノシト−
ルを、0.001〜1.0重量%の範囲で、飲料の原料
液に含有させることが望ましい。
【0057】以上説明したとおり、本発明においては、
最初に、アロエ・エキス、ラクチュロース及びイノシト
ールからなる群より1種又は2種以上の物質を選択し、
飲料の原料液に含有させ、調製するのである。
【0058】調製された飲料の原料液を公知の方法によ
り殺菌(例えば、UHT殺菌法等。)し、例えば、均質
機等により均質化する。
【0059】本発明の第三の発明におけるラクトフェリ
ンは、市販品であってもよく、牛乳から公知の方法(例
えば、特開昭63−152400号公報記載の方法
等。)により調製して使用することもできる。ラクトフ
ェリンは、通常牛乳から分離されたものが安価である
が、牛乳由来のラクトフェリンに限定されるものではな
い。ラクトフェリンの飲料への添加量は、後記する試験
例から明らかなとおり、飲料に対して0.02%以上で
あり、特に1.0〜5.0%の範囲が望ましい。
【0060】本発明の第三の発明におけるラクトフェリ
ン分解物は、市販品であってもよく、ウシラクトフェリ
ンから公知の方法(例えば、特開平5−320068号
公報記載の方法等。)により調製して使用することもで
きる。ラクトフェリン分解物は、通常牛乳から分離され
たラクトフェリンから得られるものが安価であるが、本
発明においては、牛乳由来のラクトフェリン分解物に限
定されるものではない。
【0061】本発明の第三の発明においては、このラク
トフェリン分解物をも、ラクトフェリンと併用して飲料
に添加することができる。ラクトフェリン分解物の添加
量は、前記ラクトフェリンの添加割合の範囲内であるこ
とが望ましい。具体的には、未変性ラクトフェリンとラ
クトフェリン分解物を併用添加する場合、それらの合計
の添加量が、0.02%以上、望ましくは1.0〜5.
0%の範囲である。
【0062】ラクトフェリン溶液は次のとおり調製され
る。即ち、ラクトフェリン単独、又はラクトフェリン及
びラクトフェリン分解物を、水に10〜25%の濃度で
溶解し、酸を添加してpHを2.0〜5.5の範囲に調
整する。pH調整に使用する酸は、乳酸、塩酸、酢酸、
クエン酸等を例示することができるが、乳酸が風味の点
から特に望ましい。
【0063】pHを調整したラクトフェリン液を、公知
の方法により、例えば150〜155℃の温度で2〜5
秒間加熱して殺菌する。後記試験例から明らかなとお
り、pHを前記の範囲に調整することにより、加熱殺菌
後のラクトフェリンは、80%以上が未変性のまま残存
する。従って、本発明の方法においては、加熱殺菌した
にもかかわらず、ラクトフェリンの生理的活性は維持さ
れているのである。
【0064】次に、前記殺菌飲料に、加熱殺菌した未変
性ラクトフェリン溶液の所定量を添加し、均一に混合
し、以下公知の方法により容器に無菌的に充填し、密封
し、最終製品を得る。
【0065】尚、未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料に
は、必要に応じてビタミン、果汁、香料等を添加するこ
ともできる。添加するビタミンとしては、ビタミンA、
ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミン
B12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシ
ン、パントテン酸、葉酸、ビタミンK、β−カロテン等
を例示することができ、また、これらの混合物を適宜使
用することもできる。また、果汁としては、リンゴ果
汁、ミカン果汁、バナナ果汁等を適宜使用することがで
きる。
【0066】更に、香料としては、バニラフレーバー、
ヨーグルトフレーバー等を適宜使用することができる。
【0067】本発明の第一の発明は、以上のような製造
方法によって製造されることを好ましい態様とする未変
性ラクトフェリン入り殺菌飲料である。
【0068】本発明の未変性ラクトフェリン入り殺菌飲
料は、少なくとも食品衛生法の規定に基づき加熱殺菌さ
れているので、保存、輸送が容易であり、かつ、直ちに
飲用に供することができ、後記試験例から明らかなとお
り、長期間の保存によってもラクトフェリンの凝集沈殿
の生成が生成せず、製造直後と変わらない良好な品質を
維持している。
【0069】また、本発明の未変性ラクトフェリン入り
殺菌飲料は、後記試験例から明らかなとおり、ラクトフ
ェリンの有するビフィズス菌増殖効果と飲料中に含有さ
れているビフィズス増殖効果との相乗効果により、腸内
フロ−ラの改善をより一層高める優れた効果を有してい
る。また、この効果は、ラクトフェリン分解物を併用す
ることにより、一層顕著に発揮されるのである。
【0070】更に、本発明の未変性ラクトフェリン入り
殺菌飲料は、乳の分野に適用することが可能であるが、
この場合のラクトフェリンは、原料液である乳に元来含
有されているラクトフェリンを未変性の状態で殺菌した
ものとすることができる。
【0071】即ち、原料液が乳であり、殺菌前の乳より
ラクトフェリンを分離して別途加熱殺菌し、加熱殺菌さ
れかつ未変性のラクトフェリンを、前記乳を殺菌した後
に、再度混合することによって、殺菌前の乳と実質的に
同一の成分組成を有することになり、換言すればほぼ成
分無調整の殺菌乳となるのである。
【0072】尚、以上説明した本発明においては、加熱
殺菌の条件は、耐熱性芽胞菌を完全に殺滅して長期保存
することができる条件、例えば、F0 =3.1(Z=1
8とする)以上を満たす加熱条件、具体的には150〜
155℃の温度で2〜5秒間の条件等であることが望ま
しい。このように長期保存可能な殺菌飲料に本発明を適
用すれば、本発明の効果を最大限に享受することができ
るのである。
【0073】次に、試験例を示して本発明について詳細
に説明する。
【0074】試験例1 この試験は、加熱によるラクトフェリン活性の残存を調
べるために行った。
【0075】1)試料の調製 市販のラクトフェリン(ベルギーのオレオフィナ社製)
を1%の濃度で精製水に溶解し、90%の第一乳酸(ナ
カライテスク社製)の10%溶液を添加し、pHを表1
に示す値に調整した。
【0076】2)試験方法 前記pH調整ラクトフェリン溶液を二等分し、一方を加
熱せず、他方を直接加熱式殺菌機(森永乳業社製)によ
り155℃、2秒間加熱処理(F0 =81、Z=18と
する)し、のち室温に冷却した。室温に冷却した各試料
について、ロケット法[アナリティカル・バイオケミス
トリー(Analitycal Biochemistry) 、第15巻、第45
〜52ページ、1966年]によりラクトフェリン残存
量を測定し、各pHの未加熱試料のラクトフェリン残存
量に対する各加熱試料のラクトフェリン残存量の比率か
ら残存率(%)を算出した。
【0077】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、pH2.0〜5.5の範囲に調整した
ラクトフェリン溶解液は、155℃、2秒間加熱処理を
行った場合、残存率は80%以上であった。
【0078】この試験結果から、pH2.0〜5.5の
ラクトフェリン溶液を高温で加熱しても、高い割合でラ
クトフェリンの活性が残存すること、即ち、未変性のラ
クトフェリンが存在することが判明した。
【0079】尚、ラクトフェリン、ラクトフェリンの濃
度、pH、及び加熱温度を変更して試験したが、ほぼ同
様の結果が得られた。
【0080】
【表1】
【0081】試験例2 この試験は、本発明の未変性ラクトフェリン入り殺菌飲
料の効果を調べるために行った。
【0082】1)試料の調製 投与飼料の調製 実施例1と同一の方法により未変性ラクトフェリン入り
殺菌飲料を調製した。 試験動物 田中の方法(治療学、第14巻、第5号、第594〜5
97ページ、1985年)により、新生児の初期感染時
期及び未熟児の腸内フロ−ラに近似した異常な腸内フロ
−ラを安定して保有するマウスを作成した。
【0083】2)試験方法 前記の方法により作成した5週齢のSPFマウス(SL
C)Balb/c雌10匹を、5匹ずつ2群に分けて糞
食防止ネットをいれたケージに入れ、1群(対照)を通
常の固形食で1週間飼育し、次に牛乳のみを自由摂取さ
せて1週間飼育した。他の1群を通常の常時固形食で1
週間飼育し、次に前記未変性ラクトフェリン入り殺菌飲
料のみを自由摂取させて1週間飼育した。尚、両群とも
水を自由に摂取させた。牛乳及び未変性ラクトフェリン
入り殺菌飲料を投与後、1、3、5及び7日目の各マウ
スの新鮮糞便を経時的に採取し、光岡の方法(「腸内細
菌の世界」、叢文社、1980年。以下に常法と記載す
る。)により糞便中の有害細菌数を測定し、各群の平均
値を算出して試験した。
【0084】3)試験結果 その結果、各試料投与後の経時的な糞便中のエンテロバ
クテリアッセ−、ストレプトコッカス、スタフィロコッ
カス、及びクロストリジウムの有害細菌数は、対照群で
は、9.0±0.2(第1日目)、8.2±0.2(第
3日目)、8.1±0.2(第5日目)、9.8±0.
9(第7日目。検出率60%)であった。
【0085】これに対して、未変性ラクトフェリン入り
殺菌飲料投与群では、それぞれ対数値で6.2±0.2
(第1日目)、6.1±0.2(第3日目)、5.2±
0.3(第5日目)、7.0(第7日目。検出限界)以
下であった。
【0086】また、糞便中のこれら有害細菌数は、飼育
条件を変更しない限り数週間にわたりほぼ安定に維持さ
れていた。これらの結果から、本発明の未変性ラクトフ
ェリン入り殺菌飲料により飼育したマウスの有害細菌数
は、牛乳で飼育したマウスのそれと比較して100〜1
000分の1以下に低減し、倍以上多い異常な腸内フロ
−ラを安定して長期間保有するマウスを作成することが
可能となった。
【0087】試験例3 この試験は、未変性ラクトフェリンの添加量による効果
を調べるために行った。
【0088】1)試料の調製 ウシラクトフェリンを0、0.02、0.04、0.0
6、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、及び
7.0%の割合で飲料に添加したことを除き、実施例1
と同一の方法により10種類の試料を調製した。
【0089】2)試験方法 前記試験例2と同一の方法により作成したマウス50匹
を、5匹ずつ10群に分け、試験例2と同一の方法によ
り試験を行った。
【0090】3)試験結果 この試験の結果、0.02%以上の未変性ラクトフェリ
ン添加試料の投与によって、糞便中の有害細菌数は低下
し、投与3日以降安定して低い水準に維持された。この
効果は、未変性ラクトフェリンの添加量が多くなるほど
顕著になった。また、1.0〜5.0%の未変性ラクト
フェリン添加試料投与群の糞便中のクロストリジウムの
細菌数は検出限界以下に低下し、7.0%未変性ラクト
フェリン添加試料投与群では、5.0%の未変性ラクト
フェリン添加試料投与群との差異が認められなかった。
【0091】この結果から、0.02%以上、望ましく
は1.0〜5.0%の未変性ラクトフェリン添加によ
り、異常な腸内フロ−ラを保有するマウスの糞便中の有
害細菌数を短期間に低下させ、異常な腸内フロ−ラを改
善する作用があることが判明した。尚、ラクトフェリン
の種類及び飲料の製造法を変更して試験したが、ほぼ同
様の結果が得られた。
【0092】試験例4 この試験は、ラクトフェリン分解物併用効果を調べるた
めに行った。
【0093】1)試料の調製 飲料中のラクトフェリン含量及びラクトフェリン分解物
含量を、それぞれ1%に調整したことを除き、実施例2
と同一の方法により、未変性ラクトフェリン及びラクト
フェリン分解物を添加した殺菌飲料を調製した。尚、ラ
クトフェリン及びラクトフェリン分解物を添加しないこ
とを除き、実施例2と同一の方法により対照試料を調製
した。
【0094】2)試験方法 殺菌飲料により2週間飼育したことを除き、試験例2と
同一の方法により試験を行った。
【0095】3)試験結果 この試験の結果は表2に示すとおりである。表2から明
らかなとおり、1%の未変性ラクトフェリン及び1%ラ
クトフェリン分解物を添加した殺菌飲料は、未添加の殺
菌飲料と比較して、糞便中の有害細菌の低下が顕著であ
った。この結果から、ラクトフェリン分解物の併用は、
良好であることが判明した。
【0096】尚、ラクトフェリン分解物の種類を変更し
て同様の試験を行ったが、腸内フロ−ラを改善する同様
の作用があることが判明した。
【0097】
【表2】
【0098】参考例 ラクトフェリン分解物を次のとおり調製した。市販のラ
クトフェリン(ベルギ−のオレオフィナ社製)50gを
5%の濃度で精製水に溶解し、1モルの塩酸を添加して
pHを3に調整した。次いでこの溶液を70℃の温度で
20分間加熱し、加水分解し、のち1モル苛性ソ−ダ溶
液でpHを7に調整し、凍結乾燥し、分解率が20%の
ラクトフェリン分解物20gを得た。
【0099】次に実施例を示して本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0100】
【実施例】実施例1 次に示す配合の白ぶどう果汁、アロエ・エキス、ラクチ
ュロースを含有する清涼飲料の原料液を作成し、110
℃、30秒間殺菌処理し、約20℃に冷却し、無菌タン
クに貯蔵した。 配合 砂糖混合異性化糖 11.12(kg) 白ぶどう果汁(6倍濃縮) 1.67 アロエ・エキス(5倍濃縮) 1.40 脱脂粉乳 3.00 クエン酸 0.21 ラクチュロース 3.00 香料 0.10 溶解水 59.50
【0101】これとは別に、14kgの常温水に、ウシ
ラクトフェリン(森永乳業社製。ラクトフェリン含量9
5%)2kgを添加し、TKホモミクサー(特殊機化工
業社製)を用いて溶解させ、ラクトフェリン液を調製
し、このラクトフェリン液に第一乳酸(ナカライテスク
社製。純度90%)を添加してpHを4.0に調整した
のち水を添加して総量20kgに調整し、10%ラクト
フェリン液を得た。
【0102】ラクトフェリン液をスチ−ムインジェクシ
ョン式殺菌機(森永乳業社製)により155℃で2秒間
殺菌処理し、均質機(三丸機械工業社製)を使用して1
段目20MPa、2段目2MPaの圧力で無菌的に均質
化処理し、前記、無菌タンクに貯蔵した殺菌液と混合
し、2%の未変性ウシラクトフェリンを含有する殺菌清
涼飲料、約100kgを得た。
【0103】外層から紙、アルミ箔、ポリエチレンのラ
ミネート材より構成された容器(テトラパック社製)
に、前記未変性ウシラクトフェリン入り殺菌清涼飲料を
アセプティック包装機械(テトラパック社製)を使用し
て200mlずつ無菌的に充填し、未変性ウシラクトフ
ェリン入り殺菌清涼飲料400個を製造した。
【0104】得られた未変性ウシラクトフェリン入り殺
菌飲料は、未変性のウシラクトフェリンを1.9%含有
し、細菌汚染もなく、室温で6か月間保存後においても
沈殿の生成が無く、良好な状態を維持していた。
【0105】実施例2 次に示す配合の白ぶどう果汁、アロエ・エキス、ラクチ
ュロース、イノシトールを含有する清涼飲料の原料液を
調製し、110℃、30秒間殺菌処理し、約10℃に冷
却し、無菌タンクに貯蔵した。 配合 砂糖混合異性化糖 11.12(kg) 白ぶどう果汁(6倍濃縮) 1.67 アロエ・エキス(5倍濃縮) 1.40 クエン酸 0.21 ラクチュロース 3.00 香料 0.10 イノシト−ル 0.01 溶解水 62.49
【0106】これとは別に、14kgの常温水に、ウシ
ラクトフェリン(森永乳業社製。ラクトフェリン含量9
5%)1kg、及び前記参考例と同一の方法により調製
したラクトフェリン分解物1kgを各々添加し、TKホ
モミクサー(特殊機化工業社製)を用いて溶解させ、ラ
クトフェリン液を調製し、このラクトフェリン液に第一
乳酸(ナカライテスク社製。純度90%)を添加してp
Hを4.0に調整し、のち水を添加して総量20kgに
調整し、10%ラクトフェリン液を得た。
【0107】ラクトフェリン液をスチ−ムインジェクシ
ョン式殺菌機(森永乳業社製)により155℃で2秒間
殺菌処理し、均質機(三丸機械工業社製)を使用して1
段目20MPa、2段目2MPaの圧力で無菌的に均質
化処理した。これを前記殺菌原料液に添加し、1%の未
変性ウシラクトフェリン及び1%のラクトフェリン分解
物を含有する清涼飲料約100kgを調製した。
【0108】この1%の未変性ウシラクトフェリン及び
1%のラクトフェリン分解物を含有する清涼飲料を50
0mlPET樹脂ボトル(吉野工業所製)にホット充填
し、40℃以下に冷却し未変性ウシラクトフェリン入り
殺菌清涼飲料200個を製造した。
【0109】得られた未変性ウシラクトフェリン入り殺
菌飲料は、未変性のウシラクトフェリンを0.8%、未
変性のラクトフェリン分解物を0.9%含有し、細菌汚
染もなく、室温で6か月間保存後においても沈殿の生成
が無く、良好な状態を維持していた。
【0110】実施例3 1)原料液の調製 原料乳を、ディスク型クリ−ムセパレ−タ−に通液し、
脱脂乳及びクリ−ムを調製した。
【0111】2)ラクトフェリンの分離 イオン交換基としてカルボキシメチル基を有し、ヘモグ
ロビン吸着能力が、4.6g/100ml、及び体積変
化が1.0であるCM−トヨパ−ル650(東洋ソ−ダ
製)500mlを内径10cmのカラムに充填し、10
%食塩水を通液した後水洗してNa型のイオン交換体を
調製した。続いて前記脱脂乳を、温度4℃で4l/hの
流速で前記イオン交換体に通液した。通過後の脱脂乳
は、外観、風味ともに変化は認められなかった。脱脂乳
通過後には、カラムに水を通液して水洗し、10%食塩
水を5l/hの流速で通液してイオン交換体吸着成分を
脱離し、回収液5.0lを得た。この間ヘッドボリュ−
ムの変化は認められなかった。この回収液のラクトフェ
リン濃度は、36mg/100mlであった。
【0112】3)原料液の加熱殺菌 前記1)で得られたクリ−ムと、前記2)でカラムを通
過した後の脱脂乳とを保冷タンクにて混合撹拌した後、
スチ−ムインジェクション式殺菌機(森永乳業社製)に
より155℃で2秒間殺菌処理し、均質機(三丸機械工
業社製)を使用して1段目30MPa、2段目3MPa
の圧力で無菌的に均質化処理し、加熱殺菌乳を得て無菌
タンクに貯留した。
【0113】4)ラクトフェリンの加熱殺菌及び殺菌飲
料の調製 前記2)で得られたラクトフェリン含有回収液に第一乳
酸(ナカライテスク社製。純度90%)を添加してpH
を4.0に調整し、スチ−ムインジェクション式殺菌機
(森永乳業社製)により155℃で2秒間殺菌処理し、
均質機(三丸機械工業社製)を使用して1段目20MP
a、2段目2MPaの圧力で無菌的に均質化処理し、前
記3)で無菌タンクに貯蔵しておいた加熱殺菌乳と混合
した。
【0114】以上の工程によって、原料乳とほぼ同一の
成分を有する加熱殺菌乳を得ることができたが、この加
熱殺菌乳のラクトフェリンの変性の程度を、逆相系カラ
ム(アサヒパックC4P−50:商標、旭化成社製)を
用いたアセトニトリル、0.5モル食塩のグラジェント
溶出による高速液体クロマトグラフィ−により試験した
ところ、変性率は0%であり、ラクトフェリンは全く変
性していないことが確認された。
【0115】比較例 前記実施例3と同一の原料乳を、従来法、即ち、前記実
施例3における3)と同一の装置及び条件により、加熱
殺菌し、加熱殺菌乳を得た。得られた加熱殺菌乳におけ
るラクトフェリンの変性の程度を、前記実施例3と同一
の方法で試験した結果、変性率は100%であり、ラク
トフェリンは完全に失活していることが確認された。
【0116】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり、本発明は、
殺菌した飲料の原料液(豆乳の原料液を除く)に、加熱
殺菌され、かつ未変性のラクトフェリンを混合した未変
性ラクトフェリン入り殺菌飲料、及びその製造法であ
り、本発明により奏せられる効果は次のとおりである。 1)未変性のラクトフェリンとラクチュロースのビフィ
ズス菌増殖因子との相乗効果により、ヒト又は動物の異
常な腸内フローラの細菌構成を改善する。 2)前記効果のある本発明の未変性ラクトフェリン入り
清涼飲料は、加熱殺菌されているので、長期間保存が可
能であり、容器から直ちに飲用することが可能である。 3)本発明の未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料は、保
存による品質の劣化がない。 4)本発明を乳に適用した場合には、成分を実質的に調
整しない加熱殺菌乳でありながら、ラクトフェリンが変
性していない加熱殺菌乳を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 吉隆 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社栄養科学研究所内 (72)発明者 武田 安弘 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社栄養科学研究所内 (72)発明者 安田 智彦 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社食品総合研究所内 Fターム(参考) 4B017 LC03 LE10 LG04 LG15 LK12 LK15 LK18 LP01 LP08 LP13 4B027 FB13 FB24 FC06 FE06 FK04 FK18 FP85 FQ19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺菌した飲料の原料液(豆乳の原料液を
    除く)に、加熱殺菌され、かつ未変性のラクトフェリン
    を混合した未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料。
  2. 【請求項2】 前記原料液が乳であり、前記加熱殺菌さ
    れ、かつ未変性のラクトフェリンが、前記乳に含有され
    ていたラクトフェリンを分離して別途加熱殺菌したもの
    である請求項1に記載の未変性ラクトフェリン入り殺菌
    飲料。
  3. 【請求項3】 原料液が少なくともアロエ・エキス、ラ
    クチュロース及びイノシトールからなる群より選択され
    る1種又は2種以上の物質を含有し、加熱殺菌され、か
    つ未変性のラクトフェリンを0.02〜5.0%(重
    量)の割合で含量する請求項1に記載の未変性ラクトフ
    ェリン入り殺菌飲料。
  4. 【請求項4】 加熱殺菌されたラクトフェリンが、80
    〜100%(重量)の割合で活性を残存している請求項
    1乃至請求項3のいずれかに記載の未変性ラクトフェリ
    ン入り殺菌飲料。
  5. 【請求項5】 次のa)〜e)の工程、 a)乳からクリ−ムを分離し、脱脂乳を得る工程、 b)得られた脱脂乳よりラクトフェリンを分離する工
    程、 c)分離したラクトフェリンを酸性下で加熱殺菌する工
    程、 d)前記a)で分離したクリ−ム、及び/又は前記b)
    のラクトフェリン分離後の脱脂乳を加熱殺菌する工程、
    及び e)加熱殺菌されたクリ−ム及び/又は脱脂乳と、前記
    c)で加熱殺菌された未変性のラクトフェリンとを混合
    し、混合した殺菌乳を未変性ラクトフェリン入り殺菌飲
    料として調製する工程、 からなることを特徴とする未変性ラクトフェリン入り殺
    菌飲料の製造法。
  6. 【請求項6】 次のf)〜h)の工程、 f)少なくともアロエ・エキス、ラクチュロース及びイ
    ノシトールからなる群より選択される1種又は2種以上
    の物質を含有する飲料の原料液(豆乳の原料液を除く)
    を殺菌し、冷却する工程、 g)ラクトフェリン溶液に酸を添加し、溶液を酸性に調
    整し、加熱殺菌する工程、及び h)加熱殺菌された未変性のラクトフェリンを、前記殺
    菌した飲料原料液に対して0.02〜5.0%(重量)
    の割合で添加する工程、 からなることを特徴とする未変性ラクトフェリン入り殺
    菌飲料の製造法。
  7. 【請求項7】 加熱殺菌したラクトフェリンが、80〜
    100%(重量)の割合で活性を残存している請求項5
    又は請求項6のいずれかに記載の未変性ラクトフェリン
    入り殺菌飲料の製造法。
  8. 【請求項8】 加熱殺菌が、150〜155℃の温度で
    2〜5秒間加熱して行われる請求項5乃至請求項7のい
    ずれかに記載の未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料の製
    造法。
  9. 【請求項9】 ラクトフェリン溶液が、pH2.0〜
    5.5の範囲の酸性に調整される請求項6乃至請求項8
    のいずれかに記載の未変性ラクトフェリン入り殺菌飲料
    の製造法。
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