JPH02108629A - ラクトフェリンの殺菌方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 皮呈上生肌里分立 本発明は、種々の生理的活性を有し、薬理学的にも重要
な乳蛋白質であるラクトフェリンを、その生理的機能性
を維持した状態で加熱殺菌する方法に関する。

技五血宣見 ラクトフェリンは、乳等の外分泌液中に存在する鉄結合
性の糖蛋白質であって、病原性細菌に対する静菌作用、
白血球の分化調節作用及び殺菌力増強作用、リンパ球の
増殖作用及び鉄吸収調節作用等の種々の生理的活性を有
するため、栄養学的のみならず薬理学的にも重要な乳蛋
白質である。

これらラクトフェリンの生理的機能性は、主として、ラ
クトフェリンの鉄結合力に由来しており、ラクトフェリ
ンの三次元的立体構造が保持されている時のみ、鉄をキ
レート結合する能力を発揮する。

ところが、ラクトフェリンは、加熱によって三次元的立
体構造が破壊されて沈澱する。実際、濃度の希薄な０．
５％程度であっても、６０℃、１５分間加熱しただけで
、ラクトフェリンは沈澱するといわれている。したがっ
て、ラクトフェリン水溶液から縦画を除くには、フィル
ター除閉じか方法がなかった。

一方、生理的機能性を付与した食品にラクトフニリンを
利用する上で、ラクトフェリンの殺菌工程は不可欠であ
り、例えば、食品衛生法の清涼飲料水製造基準には、■
ｐＨ４，０以下の場合、６５℃、１０分間の加熱又はこ
れと同等以上の効果を有する殺菌を、■ｐＨ４，０以上
の場合、８５℃、３０分間の加熱又はこれと同等以上の
効果を存する殺菌をそれぞれ行わなければならない旨、
明記されているので、フィルター除菌を行ったラクトフ
ェリンは、清涼飲料水等の素材として用いることができ
ないという問題があった。

日が　°　しようとする課 本発明は、畝上の状況に鑑みなされたものであって、種
々の生理的機能性を発現する基本となる鉄結合能を保持
したままで、ラクトフェリン水溶液を加熱殺菌するため
の方法を堤供することを課題とする。

−、を　°するための 本発明の特徴は、ラクトフェリン水溶液のイオン強度１
を次式に示す条件下に調整した後、加熱殺菌することに
ある。

ｔｏｇ　　Ｉ　≦−＋５　　　（６０≦Ｔ≦８０℃）１
ｏｇ　　！　≦−３（Ｔ≧８０℃） （Ｔは温度℃を表ず。） 本発明でいうラクトフェリンは、未変性で鉄を結合する
能力のあるものであれば、鉄を結合した形であっても、
また、鉄を遊離している形であってもよい。

従来、ラクトフェリンの分離、精製方法として、イオン
交換樹脂を用いる方法（Ｇｏｒｄｏｎ　ｅｔ　ａｌ、＋
Ｂｉｏｃｈｉ＋ｍ、　Ｂｊｏｐｈｙｓ、　Ａｃｔａ、　
６０　：　４１０〜４１）．１９６２）、ヘパリンアフ
ィニテイクロマトグラフィを用いる方法（Ｂｌｏｃｋｂ
ｅｒｇ　ａｔ　ａｌ、、　ＦＥＢＳ　Ｌｅｔｔ、、　１
０９　：　１Ｂ０゜１９８０）　、抗ラクトフェリンモ
ノクローナル抗体固定化カラムを用いる方法（特開昭６
ｌ−１４５２００）、或いは、硫酸エステル化した担体
を用いる方法（特願昭６２−８８４５０）等が知られて
いるが、未変性で鉄を結合する能力のあるものであれば
、どのような方法で調製されたラクトフェリンであって
もよい。

加熱殺菌に用いるラクトフェリンは、溶液状のものであ
っても、或いは、粉末化されたものを溶解したものであ
ってもよい、ラクトフェリン水溶液の濃度は高濃度であ
っても構わない。

本発明において重要なことは、ラクトフェリン水溶液の
イオン強度■であって、そのイオン強度Ｉが次式に示す
条件となるように水溶液を調整しなければならない。

Ｌｏｇ　　Ｉ≦−＋５　　　（６０≦Ｔ≦８０°Ｃ）Ｌ
ｏｇ　　ｒ　≦−３（Ｔ≧８０℃） （７’は温度℃を表す、） Ｔが６０℃以下の場合、ラクトフェリンは変性しないの
で、特にイオン強度■を調整する必要はないが、Ｔが６
０℃以上の場合、上記式に示した条件からイオン強度■
が外れると、ラクトフェリンの沈澱が生じたり１．鉄結
合能が低下する。したがって、塩濃度の高いラクトフェ
リン水溶液を加熱殺菌する場合は、上記式に示した条件
に見合ったイオン強度Ｉとなるよう、脱塩して水溶液の
イオン強度を調整する必要がある。

ラクトフェリン水溶液のイオン強度及び加熱温度と沈澱
生成又は鉄結合能との関係を示すと表１並びに表２のと
おりである。

イオン強度 ６０℃、３０分間加熱 ７０℃、１５分間加熱 ８０℃、１０分間加熱 ９０℃、１０分間加熱 １０−３１０−” ± ± 十 １０伺 ± 十 ＋　＋ ＋＋十 表２．１０％ ラクトフェリン水溶゛のイオン強 イオン強度 ０　　１０−’　　１０−’ ６０℃、３０分間加熱　１００　１００　１００７０℃
、１５分間加熱　ｉｏｏ　　ｉｏｏ　　ｉｏ。

８０℃、１０分間加熱　９７　　９７　　９４９０℃、
１０分間加熱　９７　　９４　　９０１０−”　　１０
−’ 鉄結合能の算出は、沈澱を除去した上清１−に５％重炭
酸ソーダ水を１滴加えた時の４６５ｎｓにおける吸光度
ＯＤイこれに２％ＦｅＣ１）６ＨｚＯ溶液１０（ｌｃｒ
ｊ！を加えた時の４６５ｒ＋ａ＋における吸光度をＯＤ
ｒとし、同様に、未加熱のラクトフェリンを用いて測定
した庫−０及び面、の値から、次式に従って行った。

以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。

実施例１ 凍結乾燥されたウシラクトフェリン粉末１００ｇを脱イ
オン水１）に溶解した。これをフタ付容器に移して８５
℃温湯中で３０分間加熱殺菌した。加熱後、直ちに流水
で室温まで冷却した。沈澱物の生成は全く認められなか
った。また、冷却後測定した鉄結合能は９７％であった
。

実施例２ キトサンビーズに硫酸エステルを付与した担体に生脱脂
乳１０トンを流し、結合したウシラクトフェリンを１Ｍ
食塩水で溶出した。溶出液を限外濾過装置（ＤＯ３２０
）で脱塩・濃縮を行い、蛋白質濃度５．０％のラクトフ
ェリン溶液２ＯＡを得た。この液のイオン強度は原子吸
光計でナトリウムイオン濃度から計算した結果、４ＸＩ
Ｏ−’であった。

そこでプレート型殺菌機を用い、９５℃の温度で４秒間
加熱殺菌し、７℃まで冷却した。沈澱物は認められず、
鉄結合能も９８％であった。

又里■四来 本発明の方法に従って１．ラクトフェリン水溶液を加熱
殺菌することにより、沈澱物を生成するということもな
く、また、殺菌されたラクトフェリンの鉄結合能も十分
維持された。

したがって、ラクトフェリンの生理的機能性を殆ど損な
うことなく、ラクトフェリンを加熱殺菌し得ることがで
き、多様な生理的機能性を有するラクトフェリンを食品
素材として利用可能にするものであり、その産業上の効
果は計り知れない。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ラクトフェリン水溶液を加熱殺菌するに際して、
   水溶液のイオン強度 I を次式に示す条件下に調整した
   後、殺菌することを特徴とするラクトフェリンの殺菌方
   法。 ｌｏｇ I ≦−Ｔ／１０＋５（６０≦Ｔ≦８０℃）ｌｏ
   ｇ I ≦−３（Ｔ≧８０℃） （Ｔは温度℃を表す。）