JP2006320222A - ビタミンc強化乳成分含有食品 - Google Patents
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Abstract
ビタミンCを強化した乳成分含有食品における劣化臭の発生を効果的に抑制する。
【解決手段】
上記乳成分含有食品において、ビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを添加してビタミンC強化乳成分含有食品を調製する。これにより、光及び/又は熱により生じる劣化臭の発生を抑えることが可能となる。
【選択図】 なし
Description
具体的には、本発明は下記の態様を包含する:
項1.乳成分、及びビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを含有するビタミンC強化乳成分含有食品。
項2.劣化臭の発生が抑制されてなるビタミンC強化乳成分含有食品の調製方法であって、乳成分とともに使用されるビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを用いることを特徴とする方法。
項3.乳成分を含有する食品のビタミンC強化方法であって、ビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを用いる方法。
項4.ビタミンC強化乳成分含有食品の熱及び/又は光に起因する劣化臭発生を抑制する方法であって、ビタミンC強化乳成分含有食品に配合するビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを用いる方法。
(1)ビタミンC強化乳成分含有食品、及びその調製方法
本発明が対象とする食品は、乳成分と共に栄養素強化等の目的でビタミンC源を含有する食品であって、劣化臭の発生が抑制されてなることを特徴とするビタミンC強化乳成分含有食品である。
本発明でビタミンC源として使用するアスコルビン酸グルコシドは、ビタミンC(アスコルビン酸)にグルコースが結合した配糖体である。グルコースの結合部位は特に制限されず、通常、アスコルビン酸の2位にグルコースが結合した配糖体を挙げることができるが、5位または6位に結合した配糖体であってもよい。アスコルビン酸グルコシドは生体内で小腸粘膜酵素によって容易にビタミンC、即ちアスコルビン酸とグルコースに分解され吸収される。
本発明は、また乳成分含有食品に対するビタミンC強化方法を提供する。通常、乳成分含有食品にビタミンC強化の目的でビタミンC(アスコルビン酸)を配合すると、保存、または光又は熱の影響によって劣化臭が発生するようになる。これに対して、本発明の方法は、乳成分含有食品についてビタミンCを強化しても劣化臭の発生がないか又は有意に抑制されてなるビタミンC強化方法である。当該方法は、乳成分含有食品に配合するビタミンC源として、アスコルビン酸グルコシドを用いることによって実施することができる。
本発明は、またビタミンC強化乳成分含有食品について劣化臭の発生を抑制する方法を提供する。前述するように、通常、乳成分含有食品にビタミンC強化の目的でビタミンC(アスコルビン酸)を配合すると、熱及び/又は光の影響によって劣化臭が発生するようになる。本発明の方法は、かかるビタミンC強化乳成分含有食品について、熱及び/又は光に起因して生じる劣化臭を抑制するための方法である。
本発明の方法が対象とする乳成分含有食品の種類、及び含有する乳成分の種類としては、上記(1)に記載するものを同様に挙げることができる。
<評価>
ビタミンC源無添加乳成分含有食品を標準品とし、L−アスコルビン酸添加品(比較例)、アスコルビン酸グルコシド添加品(実施例)の劣化臭の有無を、次の基準にて評価した。
2 わずかに標準品より劣化臭が感じられる
3 劣化臭が感じられ、食品として飲食することが困難
4 かなり劣化臭が感じられる
5 激しく劣化臭が発現している
試験例1 酸性乳飲料
表1の処方に基づき各種の酸性乳飲料(標準品、比較例1、実施例1)を調製し、5℃、25℃、40℃で2週間保存した後、及びカーボンアークフェードメーターで4時間照射した後に、ビタミンC源の違いによる劣化臭の有無を官能評価により調べた。表1に、結果を合わせて記す。
大豆食物繊維、乳化剤、砂糖を粉体混合し、水に添加し、80℃で10分間加熱溶解し、次いで室温まで冷却した。この水溶液に牛乳、クエン酸(無水)50%水溶液、及びグルコン酸(50%)を順次添加し、さらに比較例1と実施例1については各ビタミンC源を添加して、水にて全量補正した。
<試験結果>
ビタミンC源としてL−アスコルビン酸を添加した酸性乳飲料(比較例1)では、2週間の保存及びカーボンアークフェードメーター照射により、乳の加熱様の臭いが発生しており、得られた飲料の商品価値は著しく低下していた。一方、ビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを添加した酸性乳飲料(実施例1)は、劣化臭の有無に関して標準品(ビタミンC源無添加)と同等であり、40℃下2週間の保存並びにフェードメーター4時間照射によっても乳加熱様の臭いの発生は抑えられていた。
表2の処方に基づき、各種の乳入り酸性飲料(標準品、比較例2、実施例2)を調製し、5℃、25℃、40℃で2週間保存した後、及びカーボンアークフェードメーターで4時間照射した後、ビタミンC源の違いによる劣化臭の有無を官能評価により調べた。表2に、結果を合わせて記す。
果糖ブドウ糖液糖に水を加え、これに大豆食物繊維を混合し、80℃で10分間加熱溶解し、次いでこれを常温まで冷却した。冷却後、脱脂粉乳、クエン酸三ナトリウム20%水溶液、及びクエン酸(無水)50%水溶液、更に比較例2及び実施例2については各ビタミンC源を添加混合し、水で全量補正した。その後75℃に加熱し、ホモジナイザー(イズミフードマシナリー社 14700kPa)で乳化して、これを93℃達温で200ml容ジュース瓶に全満詰めした。
ビタミンC源としてL−アスコルビン酸を添加した乳入り酸性飲料(比較例2)では、2週間の保存及びカーボンアークフェードメーター照射により、乳の加熱様の臭いが発生しており、得られた飲料の商品価値は著しく低下していた。一方、ビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを添加した飲料(実施例2)は、劣化臭の有無に関して標準品(ビタミンC源無添加)と同等であり、40℃下2週間の保存並びにフェードメーター4時間照射によっても乳加熱様の臭いの発生は抑えられていた。
表3の処方に基づき、各種のチルド品の中性乳飲料(標準品、比較例3、実施例2)を調製し、5℃で2週間保存した後、及びカーボンアークフェードメーターで4時間照射した後、ビタミンC源の違いによる劣化臭の有無を官能評価により調べた。結果を表3に合わせて記す。
脱脂粉乳と乳化剤を粉体混合して水に添加し、80℃で10分間加熱溶解し、これを常温まで冷却した。この溶液に、牛乳、及び炭酸水素ナトリウム、更に比較例3及び実施例3に対してはビタミンC源を添加混合し、水で全量補正した。その後75℃に加熱し、ホモジナイザー(イズミフードマシナリー社 14700kPa)で乳化し、これを85℃達温で200ml容ジュース瓶に全満詰めし、湯浴(85℃)で30分間殺菌した。
ビタミンC源としてL−アスコルビン酸を添加した中性乳飲料(比較例3)では、5℃2週間の保存及びカーボンアークフェードメーター照射により、乳の加熱様の臭いが発生しており、得られた飲料の商品価値は著しく低下していた。一方、ビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを添加した飲料(実施例3)は、劣化臭の有無に関して標準品(ビタミンC源無添加)と同等であり、5℃下2週間の保存並びにフェードメーター4時間照射によっても乳加熱様の臭いの発生は抑えられていた。
表4の処方に基づき、各種のヨーグルト(チルド品)(標準品、比較例4、実施例4)を調製した後、5℃で2週間保存し、ビタミンC源の違いによる劣化臭の有無を官能評価した。結果を表4に合わせて記す。
水、牛乳を攪拌しながら、砂糖、脱脂粉乳、ゲル化剤、及び比較例4及び実施例4については更に各種ビタミンC源を含有する粉体混合物を加え、90℃で10分間攪拌溶解した。これを40℃まで冷却し、スターターを添加し、全量補正した後、プラスチック容器に充填した。これを40℃の恒温室で約4〜6時間保持し、pH4.5まで発酵させた。この後5℃冷蔵庫にて2週間保存した。
ビタミンC源としてL−アスコルビン酸を添加したヨーグルト(比較例4)では、5℃2週間の保存により乳の加熱様の臭いが発生しており、得られたヨーグルトの商品価値は著しく低下していた。一方、ビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを添加したヨーグルト(実施例4)は、劣化臭の有無に関して標準品(ビタミンC源無添加)と同等であり、5℃下2週間の保存によっても乳加熱様の臭いの発生は抑えられていた。
Claims (4)
- 乳成分、及びビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを含有するビタミンC強化乳成分含有食品。
- 劣化臭の発生が抑制されてなるビタミンC強化乳成分含有食品の調製方法であって、乳成分とともに使用されるビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを用いることを特徴とする方法。
- 乳成分を含有する食品のビタミンC強化方法であって、ビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを用いる方法。
- ビタミンC強化乳成分含有食品の熱及び/又は光に起因する劣化臭発生を抑制する方法であって、ビタミンC強化乳成分含有食品に配合するビタミンC源としてアスコルビン酸グルコシドを用いる方法。
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JP2005144698A JP2006320222A (ja) | 2005-05-17 | 2005-05-17 | ビタミンc強化乳成分含有食品 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020089308A (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | 株式会社 伊藤園 | ビタミン類を含有する容器詰乳飲料 |
CN112753953A (zh) * | 2021-01-25 | 2021-05-07 | 山东鲁维制药有限公司 | 富含维生素c的发酵豆奶的制备方法 |
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2005
- 2005-05-17 JP JP2005144698A patent/JP2006320222A/ja active Pending
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JP7049979B2 (ja) | 2018-12-06 | 2022-04-07 | 株式会社 伊藤園 | ビタミン類を含有する容器詰乳飲料 |
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