JP2000285752A - 透明電極及びその形成方法 - Google Patents

透明電極及びその形成方法

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光浩 暮石
Masahiro Orita
政寛 折田
Hideo Hosono
秀雄 細野
Hiroshi Kawazoe
博司 川副
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光照射により透明電極材料の結晶化を低温で
進めるに際して、プラスチック基板等の有機物基体の著
しい変質を抑止し、十分に高い電気伝導率を有する透明
電極を形成する方法等を提供する。 【解決手段】 有機物基体上に、該有機物基体の光変性
を防止する光変性防止層を形成する工程と、前記光変性
防止層上に、透明電極材料層を形成する工程と、前記透
明電極材料層にその基礎吸収端波長よりも短い波長の光
を照射して透明電極材料を結晶化させる工程とを有する
ことを特徴とする透明電極の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明電極及びその
形成方法等に関し、特に、プラスチック基板などの有機
物基体上への透明電極の形成方法等に関する
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、
プラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレ
イには画素電極として透明電極が用いられる。例えば、
液晶ディスプレイの場合、二枚の透明電極の間の電界を
オン・オフすることにより、透明電極間に挟まれた液晶
分子の配向を制御し、光の透過をオン・オフする。ま
た、太陽電池では、光が半導体に入射した際に生成する
キャリア電子または正孔を捕獲するために、透明電極を
用いる。
【0003】透明電極材料にはITO(Indium Tin Oxi
de)、ATO(Antimony doped TinOxide)、AZO(A
luminum doped Zinc Oxide)などがあり、フラットパネ
ルディスプレイには主にITOが、太陽電池には主にA
TOが用いられている。また、新しい透明電極材料とし
てInGaZnO4などの複合酸化物が提案されてい
る。
【0004】これらの透明電極材料は適当な基体の上に
適当な成膜方法によって膜状に形成されるのが通常であ
る。例えば液晶ディスプレイの場合には、ガラス基板ま
たはカラーフィルター、あるいはプラスチック基板の上
にスパッタリング法によりITO膜を形成することが通
常である。また、例えば太陽電池の場合には、ガラス基
板の上にCVD法によりATO膜を形成することが通常
である。このとき、透明電極材料を結晶化させるため
に、基体温度は各透明電極材料の結晶化温度以上に設定
する。結晶化が不十分である場合には、透明性や導電性
が十分に発現しない。
【0005】一般に、プラスチック基板はガラス基板と
比べて軽く、割れ難いことや、湾曲性(フレキシビリテ
ィ)を兼ね備えている。しかし、プラスチック基板上へ
ITO膜を形成する際には、一般にプラスチックのガラ
ス転移点が100℃付近にあるので、基板を十分に加熱
することが難しい。例えば、ITOの場合、結晶化温度
は160℃付近と言われているが、十分に高い結晶性を
得るためには300℃付近まで加熱する必要がある。こ
のため、プラスチック基板等の耐熱性の低い基体の上に
高い結晶性を有するITO膜を形成することができず、
十分に高い電気伝導率を得ることができなかった。
【0006】この課題を解決するために、比較的低温状
態で透明電極材料を結晶化させる方法として、基体上へ
形成した透明電極材料に対して基礎吸収端波長よりも短
い光を照射する方法が提案されている。例えば、基板を
室温状態に保ったままITO膜部分をレーザ光によって
アニールすることによる膜質の再現性を向上させる方法
がある(特開昭60−175314号公報)。しかるに
この公報に記載の方法は、ITO膜の結晶化促進の目的
でレーザを照射するものではなく、また、同公報中の記
載では、膜質とは具体的に何をさすのか不明であるため
に、実質的にどの様な透明電極が形成されたか把握する
ことができず、したがって、高い結晶性を有し、十分に
高い電気伝導率を有する透明電極を確実に得ることは困
難である。またレーザー光によるアニールは、真空中で
行なう必要があるとされており、技術的に不明確であ
る。また同様に、ITO透明導電膜面にレーザービーム
を照射する方法が提案されている(特開平4−6412
3号公報)。しかるにこの公報に記載の方法は、ITO
膜の結晶化促進の目的でレーザを照射するものではな
く、また、同公報中の記載の方法では、PETフィルム
上へ成膜したITO膜におけるYAGレーザの照射条
件、すなわち照射エネルギー、使用波長に関する記述が
明らかではないため、現実に良好な電極が形成できるも
のか確認することができず、したがって、高い結晶性を
有し、十分に高い電気伝導率を有する透明電極を確実に
得ることは困難である。いずれにせよ、本発明者らがレ
ーザー光源としてKrFエキシマレーザを用い、プラス
チック基板(PETフィルムなど)上へ成膜したITO
膜に対してレーザ照射を行なったところでは、プラスチ
ック基板に大きな変質が起こり、実用に耐えないことが
明らかになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、結晶
性の透明電極をプラスチック基板等の有機物基体上に形
成するために、光照射をする方法においては、透明導電
膜を透過してしまう光が有機物基体に吸収されるため
に、さらにはITO膜で発生する熱が有機物基体へ熱伝
導を起こすために、有機物基体が変質を起こすという問
題がある。
【0008】本発明は、光照射により透明電極材料の結
晶化を低温で進めるに際して、プラスチック基板等の有
機物基体の著しい変質を抑止し、十分に高い電気伝導率
を有する透明電極を形成する方法とその電極を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の構成としてある。
【0010】(構成1)有機物基体上に、該有機物基体
の光変性を防止する光変性防止層を形成する工程と、前
記光変性防止層上に、透明電極材料層を形成する工程
と、前記透明電極材料層にその基礎吸収端波長よりも短
い波長の光を照射して透明電極材料を結晶化させる工程
とを有することを特徴とする透明電極の形成方法。
【0011】(構成2)前記光変性防止層上に、アモル
フアス状の透明電極材料層を形成する工程を有すること
を特徴とする構成1記載の透明電極の形成方法。
【0012】(構成3)前記光変性防止層が、Si
2、SnO2、ZnO、MgO、CaO、SrO、Ba
O、Al23、ZrO2、Nb25、V25、TiO2
Sc23、Y23、La23、Ga23、Ge24、T
25、及びHfO2から選ばれる材料からなることを
特徴とする構成1又は2記載の透明電極の形成方法。
【0013】(構成4)前記光変性防止層が、複数層か
らなることを特徴とする構成1乃至3記載の透明電極の
形成方法。
【0014】(構成5)前記有機物基体が、プラスチッ
ク基板、又は、基板上に有機物材料層を形成した基体で
あることを特徴とする構成1乃至4記載の透明電極の形
成方法。
【0015】(構成6)前記プラスチック基板が、ポリ
カーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエーテルサルホン(PESF)、メタ
クリル樹脂(PMMA)から選ばれる材料からなること
を特徴とする構成1乃至5記載の透明電極の形成方法。
【0016】(構成7)前記透明電極材料が、ITO
(Indium Tin Oxide)、ATO(Antimony doped Tin O
xide)、AZO(Aluminum doped Zinc Oxide)、Cd
In24、MgIn24、ZnGa24、InGaZn
4、及び、Cuを含むデラフォサイト型の複合酸化物
から選ばれる材料からなることを特徴とする構成1乃至
6記載の透明電極の形成方法。
【0017】(構成8)有機物基体上に光照射によって
結晶化した結晶質透明電極材料を形成してなる透明電極
であって、前記結晶質透明電極材料と有機物基体との間
に、有機物基体の光変性を防止する光変性防止層を有す
ることを特徴とする透明電極。
【0018】
【作用】本発明では、光変性防止層を形成しているの
で、レーザ光等を照射して透明電極材料を結晶化する際
に有機物基体が光照射によって変質(変性)することが
ない。したがって、有機物基体を光照射によって変質さ
せることなく、有機物基体上に形成した透明電極材料を
光照射によって結晶化でき、その結果、有機物基体上に
高い結晶性を有する透明電極、つまり、十分に高い電気
伝導率を有する透明電極を形成することができる。本発
明では、有機物基体の光照射による変質のために実現で
きなかった、有機物基体上に形成した透明電極材料を光
照射によって結晶化させた高い電気伝導率を有する透明
電極を実現できる。また、本発明では、レーザ光を照射
して透明電極材料の結晶化を実現できるので、従来の加
熱法に比べ、より低い基体温度において高い結晶性を有
する透明電極を形成することができる。本発明において
は、レーザ照射によって特に光変性しやすいポリカーボ
ネート(PC)においても光変性を起こすことがなく、
このPC基体上に形成したアモルファスITO膜は接着
性が良好なため、特に有用である。
【0019】本発明における透明電極材料には、例え
ば、ITO(Indium Tin Oxide)、ATO(Antimony d
oped Tin Oxide)、AZO(Aluminum doped Zinc Oxid
e)や、CdIn24、MgIn24、ZnGa24
InGaZnO4などのn型を示す複合酸化物、Cuを
含むデラフォサイト型などのp型を含む複合酸化物等が
ある。
【0020】本発明において有機物基体とは、プラスチ
ック基板、その他の有機物基体を指す。ここで、プラス
チック基板は、無色透明であり、通常厚みが0.01m
mから10mmである。プラスチック基板の素材として
は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン(P
ESF)、メタクリル樹脂(PMMA)等があるが、特
にこれらに限定されるものではない。液晶ディスプレイ
用の場合、基板の厚みは、0.1mmから2mmが好ま
しい。一方、その他の有機物基体とは、有機物材料によ
って形成された層を有する基体を指し、例えばガラス基
板上に形成されたカラーフィルタ層であっても良く、有
機EL薄膜層であっても良く、あるいは、有機物材料に
よって形成された下地層等であっても良い。
【0021】本発明における光変性防止層は、有機物基
体へ到達する光のエネルギーを低減する機能を少なくと
も有する層であり、例えば、照射した光を吸収又は反射
などする働きを有する層であり、同時に有機物基体への
熱伝導を小さくする働きを併せ持つものであればさらに
良い。このような光変性防止層に好適な材料としては、
SiO2、SnO2、ZnO、MgO、CaO、SrO、
BaO、Al23、ZrO2、Nb25、V25、Ti
2、Sc23、Y23、La23、Ga23、Ge2
4、Ta25、及びHfO2などがある。これらのうちの
一種を光変性防止層としても良く、複数種を積層して光
変性防止層としても良い。また、例えば、ITOの格子
定数と整合する結晶材料を用いることにより、ITOの
結晶性が向上する効果が期待できる。これら光変性防止
層は、ゾルーゲル法、スパッタリング法、イオンプレー
テイング法、真空蒸着法など、通常の成膜方法によって
形成できる。光変性防止層の厚さは、有機物基体の変質
(変性)の防止又は抑制に適した厚さとする。これに加
え、基板全体の光透過率が80%以上となるような厚さ
とすることが好ましい。膜厚は材質によって異なるが、
SiO2やZrO2等の場合1μmから20nm程度であ
る。1μm以上では透過率が低くなりすぎ、20nm以
下では照射光が基板に達してしまうので好ましくない。
【0022】上記の透明電極材料は、有機物基体上に形
成した光変性防止層の上に、通常の成膜方法により成膜
する。成膜方法としては、例えばスパッタリング法、蒸
着法、MBE法、レーザーアブレーション法、CVD法
等がある。成膜させる膜はアモルファス状であってもよ
く、部分的に結晶化が進行していても良い。アモルファ
ス状である場合には、これに基礎吸収端波長よりも短い
波長の光を照射することにより結晶化を進行させること
ができる。結晶化が進行している場合には、これに基礎
吸収端波長よりも短い波長の光を照射することにより、
結晶化の程度を更に進行させて改質することができる。
【0023】ここで、基礎吸収端波長とは、透明電極材
料の価電子帯の項上に位置する電子を伝導帯の底に励起
するに足るエネルギーを持つ光の波長を言う。基礎吸収
端波長よりも短い波長の光は、基礎吸収端波長を持つ光
よりも大きなエネルギーを有するので、価電子帯に位置
する電子を伝導帯に励起して、吸収される。伝導帯に励
起された電子はやがて価電子帯に落ちていくが、この時
に放出されたエネルギーにより、透明電極材料の結晶化
が進行する。反対に基礎吸収端波長よりも長い波長の光
は、価電子帯に位置する電子を伝導帯に励起することが
できないので、吸収されない。このため基礎吸収端波長
よりも長い波長の光は、透明電極材料を透過してしま
い、透明電極材料の結晶化に寄与することができない。
透明電極材料の基礎吸収端波長は400nm付近にある
ので、基礎吸収端波長よりも短い光は、一般に紫外線で
ある。もっとも、例えば基礎吸収端波長が500nm付
近にある透明電極材料を用いる場合には、例えば450
nmの可視光でも良い。
【0024】基礎吸収端波長よりも短い波長の光は、連
続光として照射してもよく、パルス光として照射しても
良い。基礎吸収端波長よりも短い光の発生源には例えば
レーザー光やシンクロトロン放射光を用いる。水銀灯な
ども紫外光を発するが、結晶化を現実的な速度で進める
ためには、レーザー光やシンクロトロン放射光などの強
い光源が好ましい。紫外光を発するレーザーとしては、
エキシマーレーザーやNd:YAGレーザーの4倍波な
どが好ましい。
【0025】基礎吸収端波長よりも短い波長の光を照射
するときは、基体を適当な温度に制御する。光の照射に
よって発熱が起こり、基体が変質してしまう程度に温度
が上昇する場合には、例えば基体ホルダーに冷却水を流
すなどにより、基体の温度上昇を抑制する。また反対
に、結晶化の進行を助けるために、基体の変質が起こら
ない温度域の範囲で、基体を加熱しても良い。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明を説明する。 (実施例1)ポリカーボネート(PC)基板上にゾルー
ゲル法によりSiO2膜を形成し、さらにこのSiO2
上にアモルファス状のITO膜(SnO2:10wt%
含有)を、トッキ社製RFマグネトロンスパッタ装置を
用いて成膜した。この時の成膜雰囲気は1.2mTor
rのアルゴンガスであった。メタクリル樹脂基板は20
×20×1(mm)のサイズを持ち、SiO2膜の厚み
は0.5μmであり、ITO膜の厚みは200nmであ
った。次に、ラムダ・フィジックス社製COMPex1
02型エキシマレーザ装置を用い、上記アモルファスI
TO膜に波長193nmのArFエキシマレーザ光を照
射した。照射エネルギーは40mJ/cm2/puls
e、周波数20Hz、照射時間は4分とした。PMMA
基板におけるレーザ照射部位において変質(変性)は見
られなかった。マックサイエンス社製MXP18型X線
回折装置に用いて、広角法および薄膜法を用いてX線回
折パターンを測定したところ、In23相に対応する回
折ピークが明瞭に見られ、高い結晶性を有することが確
認された。自作のホール測定装置により測定したとこ
ろ、電気抵抗値2×10-3Ω・cm、移動度は7cm2
/V・sであって、十分に高い電気伝導率をを有するこ
とが確認された。
【0027】(比較例1)ポリカーボネート(PC)に
直接アモルファス状のITO膜を実施例1で用いたもの
と同じスパッタ装置を用いて形成し、同じエキシマレー
ザ光を、同じ照射エネルギーによって照射した結果、P
MMA基板におけるレーザ照射部位において著しい変質
が見られ、透明電極としての実用に耐えないものとなっ
た。
【0028】(実施例2〜4)ポリカーボネート(P
C)基板に替えてメタクリル樹脂(PMMA)基板(実
施例2)、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板
(実施例3)、ポリエーテルサルホン(PESF)基板
(実施例4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして
透明電極を形成したところ、各基板におけるレーザ照射
部位において変質は見られなかった。また、得られた透
明電極は高い結晶性を有し、十分に高い電気伝導率を有
していた。
【0029】(比較例2〜4)実施例2〜4で用いた各
基板上に直接アモルファス状のITO膜を形成し、変性
防止層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にし
て透明電極を形成したところ、PMMA基板を除いた各
基板におけるレーザ照射部位において著しい変質が見ら
れ、透明電極としての実用に耐えないものとなった。メ
タクリル樹脂(PMMA)基板の場合には、著しい変質
は見られなかったが、表面に波打ちが生じ、SiO2
を形成したものに比べて実用性に劣っていた。
【0030】(実施例5〜6)光変性防止層としてSi
2に替えて、ZrO2(実施例5)、Y23(実施例
6)を用いたこと以外は実施例1〜4と同様にして透明
電極を形成したところ、各基板におけるレーザ照射部位
において変質は見られなかった。また、得られた透明電
極は高い結晶性を有し、十分に高い電気伝導率を有して
いた。
【0031】(実施例7)光変性防止層を、基板側から
SiO2/YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)の
複数層としたこと以外は実施例1〜4と同様にして透明
電極を形成したところ、各基板におけるレーザ照射部位
において変質は見られなかった。また、得られた透明電
極は高い結晶性を有し、十分に高い電気伝導率を有して
いた。なお、光変性防止層としてYSZを挿入したこと
でITOの結晶性が向上した。
【0032】(実施例8)アモルファスITOに代え
て、それぞれ、アモルファス状態の、ATO、AZO、
及び、CdIn24、ZnGa24の複合酸化物、及
び、Cuを含むデラフォサイト型の複合酸化物のぞれぞ
れを用い、実施例1〜7と同様にして、透明電極を形成
したところ、それぞれの基板におけるレーザ照射部位に
おいて変質は見られなかった。また、得られた透明電極
は高い結晶性を有し、十分に高い電気伝導率を有してい
た。
【0033】以上実施例をあげて本発明を説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
【0034】例えば、アモルファス膜の組成や、照射光
及び照射条件、成膜条件等は、上記実施例に限定され
ず、適宜変更できる。また、得られた透明電極はエッチ
ングなどによって任意のパターニングを施こすことがで
きる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、光変性防止層を形成し
ているので、レーザ光等を照射して透明電極材料を結晶
化する際に有機物基体が光照射によって変質することが
ない。したがって、有機物基体を光照射によって変質さ
せることなく、有機物基体上に形成した透明電極材料を
光照射によって結晶化でき、その結果、有機物基体上に
高い結晶性を有する透明電極、つまり、十分に高い電気
伝導率を有する透明電極を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細野 秀雄 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学応用セラミックス研究所内 (72)発明者 川副 博司 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学応用セラミックス研究所内 Fターム(参考) 5G307 FA02 FB01 FC10 5G323 BB05 BC03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物基体上に、該有機物基体の光変性
    を防止する光変性防止層を形成する工程と、 前記光変性防止層上に、透明電極材料層を形成する工程
    と、 前記透明電極材料層にその基礎吸収端波長よりも短い波
    長の光を照射して透明電極材料を結晶化させる工程とを
    有することを特徴とする透明電極の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記光変性防止層上に、アモルフアス状
    の透明電極材料層を形成する工程を有することを特徴と
    する請求項1記載の透明電極の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記光変性防止層が、SiO2、Sn
    2、ZnO、MgO、CaO、SrO、BaO、Al2
    3、ZrO2、Nb25、V25、TiO2、Sc
    23、Y23、La23、Ga23、Ge24、Ta2
    5、及びHfO2から選ばれる材料からなることを特徴
    とする請求項1又は2記載の透明電極の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記光変性防止層が、複数層からなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3記載の透明電極の形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記有機物基体が、プラスチック基板、
    又は、基板上に有機物材料層を形成した基体であること
    を特徴とする請求項1乃至4記載の透明電極の形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記プラスチック基板が、ポリカーボネ
    ート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PE
    T)、ポリエーテルサルホン(PESF)、メタクリル
    樹脂(PMMA)から選ばれる材料からなることを特徴
    とする請求項1乃至5記載の透明電極の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記透明電極材料が、ITO(Indium T
    in Oxide)、ATO(Antimony doped Tin Oxide)、A
    ZO(Aluminum doped Zinc Oxide)、CdIn24
    MgIn24、ZnGa24、InGaZnO4、及
    び、Cuを含むデラフォサイト型の複合酸化物から選ば
    れる材料からなることを特徴とする請求項1乃至6記載
    の透明電極の形成方法。
  8. 【請求項8】 有機物基体上に光照射によって結晶化し
    た結晶質透明電極材料を形成してなる透明電極であっ
    て、 前記結晶質透明電極材料と有機物基体との間に、有機物
    基体の光変性を防止する光変性防止層を有することを特
    徴とする透明電極。
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