JP2006244941A - 透明導電膜の形成方法、並びにこれを用いた透明導電基板及び有機el素子基板 - Google Patents

透明導電膜の形成方法、並びにこれを用いた透明導電基板及び有機el素子基板 Download PDF

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Abstract

【課題】
熱や曲げなどの機械的負荷が加わっても、導電性を維持できるフレキシビリティ性を有する透明導電膜の形成方法を提供する。
【解決手段】
可とう性の透明基板へ透明導電膜を形成した後に、該透明導電膜の表面へ、好ましくはレーザーが連続発振タイプであり、レーザー光の波長が400〜1200nmである可視域から赤外域の波長を有するレーザー光を照射して表面処理を施し、160℃のオーブンで1時間保持した後に常温に戻す操作を3回繰返す熱サイクル試験においても、透明導電膜にクラックが発生しないことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明導電膜の形成方法に関し、さらに詳しくは、基板を曲げてもクラックが発生しにくい柔軟性に優れた透明導電膜の形成方法、並びにこれを用いた透明導電基板及び有機EL素子基板に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「EL」はエレクトロルミネセンス、「/」印は一体的に積層されていることを示す。
(主なる用途)本発明の透明導電膜の形成方法を用いた透明導電基板の主なる用途としては、ディスプレイ用基板、照明用基板、太陽電池用基板、サーキットボード用基板、半導体用途、電子ペーパー用途等である。従来の重くて割れ易いガラス基材の欠点を解消したもので、ガラス基材に代替することができる、薄くて、軽くて、曲げても割れない透明樹脂フィルム基材を用いたフレキシブルな透明導電基板であり、種々の電子機器に使用である。しかしながら、薄くて、軽くて、曲げても割れないフレキシブル性、透明導電性を必要とする用途であれば、特に電子機器に限定されるものではない。
(背景技術)従来、透明熱線反射体、透明面状発熱体、透明電極等には、基材としての高分子フィルム表面に透明導電層を設けた透明導電性積層体が広く用いられてきている。この透明導電性積層体に形成する透明導電層については、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)などの金属薄膜タイプ、インジウム酸化物(In23)、スズ酸化物(SnO2)、これらの混合物であるITO、亜鉛酸化物(ZnO)などの金属酸化物薄膜タイプ、さらにTiO2/Ag/TiO2などの金属/金属酸化物の多層薄膜タイプ等の各種のものが知られている。これらの中でもITO等の金属酸化物薄膜は、透光性、導電性がともに非常に良好で、その上エッチング特性にも優れており、電極のパターン化が容易であるという特長を有しているものである。このため、精細なパターンを必要とするディスプレイの透明電極などに好適に用いられている。
該導電性の金属酸化物薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、あるいはCVD法などの各種の成膜方法により作成されている。透明電極をフレキシブルな基板上に形成することにより、フレキキシブル電極が作製される。それを用いたディスプレイ、照明、太陽電池、サーキットボード、半導体、電子ペーパー等、薄くて軽くて割れない、曲げられるフレキシブル電子機器が開発されている。
即ち、透明導電基板は、透明で導電性に優れ、薄くて、軽くて、フレキシブル性に富み割れにくく、曲げられる透明導電基板が求められている。しかしながら、例えば、透明導電膜がITO膜の場合、該ITO膜の結晶性を高めると、膜のフレキシビリティが劣り、膜クラックが生じて機能が保持できない。また、フレキシビリティを高めるために、結晶性が低め、非結晶性とすると、導電性が悪くなるので、結晶性が高く導電性に優れ、かつ、熱や曲げなどの機械的負荷が加わっても、導電性を維持できるフレキシビリティ性を有する透明導電膜の形成方法が求められている。
(先行技術)従来、レーザーアニールを施す多結晶薄膜の形成方法としては、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、反応性ガスを含有するガスを電極間の放電空間に導入してプラズマ状態とし、基材を前記プラズマ状態のガスに晒し薄膜を形成した後、例えば、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、水素、窒素、不活性ガスのうちの少なくとも1種類のガスを流通させた雰囲気下で、薄膜にレーザービームを照射する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、レーザーの波長が紫外領域であり、また、薄膜の形成後のレーザービームの照射を連続して行わなければならないという欠点がある。
特開2004−87846号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、透明導電膜を形成した後に、可視域から赤外域の波長を有するレーザー光を照射して表面処理を施すことで、結晶性が高く導電性に優れ、かつ、熱や曲げなどの機械的負荷が加わっても、導電性を維持できるフレキシビリティ性を有する透明導電膜の形成方法を提供することである。該透明導電膜の形成方法で形成された透明導電膜を有する透明導電基板は、透明で導電性に優れ、薄くて、軽くて、フレキシブル性に富み割れにくく、曲げられることができる。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる透明導電膜の形成方法は、可とう性の透明基板へ透明導電膜を形成した後に、該透明導電膜の表面へ、可視域から赤外域の波長を有するレーザー光を照射して表面処理を施すように、したものである。
請求項2の発明に係わる透明導電膜の形成方法は、上記レーザーが連続発振タイプであり、上記レーザー光の波長が400〜1200nmであるように、したものである。
請求項3の発明に係わる透明導電基板は、上記透明基板へ、請求項1〜2のいずれかに記載の透明導電膜の形成方法を用いて形成された透明導電膜を設けてなるように、したものである。
請求項4の発明に係わる透明導電基板は、透明導電基板の表面及び/又は層間へ、少なくとも1層のガスバリア性層を設けてなるように、したものである。
請求項5の発明に係わる透明導電基板は、160℃のオーブンで1時間保持した後に常温に戻す操作を3回繰返す熱サイクル試験においても、透明導電膜にクラックが発生しないように、したものである。
請求項6の発明に係わる有機EL素子基板は、請求項3〜4のいずれかに記載の透明導電基板を用いてなるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、導電性に優れ、かつ、熱や曲げなどの機械的負荷が加わっても、導電性を維持できるフレキシビリティ性を有する透明導電膜の形成方法が提供される。
請求項2の本発明によれば、より安全性の高いレーザー波長を用いて、低コストな透明導電膜の形成方法が提供される。
請求項3の本発明によれば、導電性に優れ、かつ、熱や曲げなどの機械的負荷が加わっても、導電性を維持できるフレキシビリティ性を有し、その結果、透明で導電性に優れ、薄く、軽く、フレキシブル性に富み割れにくく、曲げられる透明導電基板が提供される。
請求項4の本発明によれば、請求項3の効果に加えて、超高度な酸素や水蒸気などのガスバリア性を有する透明導電基板が提供される。
請求項5の本発明によれば、請求項3〜4の効果に加えて、高熱や温度変化に対する耐久性が高い透明導電基板が提供される。
請求項6の本発明によれば、請求項3〜4の効果によって、気体が基板を透過しにくく、酸素などによる電子デバイスの劣化が極めて少なく、ディスプレイ寿命の長い有機EL素子基板が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す透明導電基板の断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す透明導電基板の断面図である。
図3は、本発明の1実施例を示す透明導電基板の断面図である。
本発明の透明導電膜の形成方法は、可とう性の透明基板11へ透明導電層21を形成した後に、該透明導電層21の表面へ、可視域から赤外域の波長を有するレーザー光を照射して表面処理を施し、好ましくは、前記レーザーが連続発振タイプであり、レーザー光の波長が400〜1200nmである。
また、本発明の透明導電基板10は、図1に示すように、透明基板11へ、請求項1〜2のいずれかに記載の透明導電膜の形成方法を用いて形成された透明導電層21、及び必要に応じて補助電極層23からなる。
また、図2に示すように、該透明導電基板の表面及び/又は層間へ、少なくとも1層のガスバリア性層を設けてもよく、図2(A)のように、透明基板11の片面へガスバリア層13Aを、図2(B)のように、透明基板11の両面へガスバリア層13A及びガスバリア層13Bを設けてもよい。
さらに、図3に示すように、該透明導電基板の表面及び/又は層間へ他の層を設けてもよく、図3(A)のように、透明基板11の片面へ平坦化層15A、及びガスバリア層13Aを設けてもよく、図3(B)のように、透明基板11の片面へ、ガスバリア層13A、平坦化層15A、及びガスバリア層13Bを設けてもよく、図3(C)のように、透明導電層21と反対側の透明基板11の面へ、応力緩和層31を設けてもよい。
(透明基板)透明基板としては、透明性及び可とう性(フレキシビリティ性)があれば、特に限定されるものではなく、薄硝子や天然又は合成樹脂が挙げられる。該樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、又はテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン(商品名)6、ナイロン(商品名)66、ナイロン(商品名)610、又はナイロン(商品名)12などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、又はポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、又はポリメチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、又はポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、又はポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、又はABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、又はエチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、又はパーフルオロ−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂、セロファン、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、又はニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アセタール系樹脂、などがある。
該基材11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、該基材11は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材11は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム状、シート状、ボード状、板状、又はレンズなどの立体状でもよい。また、上記のフィルム状の基材の厚さとしては、フレキシビリティを有する透明な基材であれば特に制限はない。高分子樹脂フィルムの厚さについても特に制限はないが、可とう性及び形態保持性の点から、例えば10μm〜1000μm程度、好ましくは50〜400μmが好ましい。
(他の層)また、該基材11は、層を形成する面側に、層間の密着力を向上させるために、必要に応じてプライマ層13、またはコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾンガス処理、フレーム処理、予熱処理、除塵埃処理、アルカリ処理などなどの易接着処理を施してもよい。さらに、該基材11には、ガスバリア層、平坦化層、応力緩和層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層などの他の層を設けてもよい。表示装置用の透明導電基板に用いる場合には、ガスバリア層が好適に設けられる。
(透明導電層)透明基材11上に形成する透明導電層21としては、インジウム酸化物(In23)やスズ酸化物(SnO2)、AZO(酸化亜鉛と酸化アルミニウム)やIZO(酸化インジウムと酸化亜鉛)のような組合材料でもよい。インジウム酸化物(In23)またはこれにスズ酸化物(SnO2)を3〜15重量%混合したITOの単独層とするのが好適である。その厚さは、たとえば1000〜10000Åが好ましく、この範囲以内であれば表面抵抗を100Ω/cm2、さらには50Ω/cm2以下にすることができる。この範囲を越えると透光性が低下したり、この範囲未満では導電性等の特性が不十分となる。透明導電層21の形成は、1回の成膜であっても、複数回に分けて積層して構成しても構わない。好ましくは、単独層とすることにより、多層構造に比べてエッチング性が向上し高精細な回路とすることができ、さらに層間での剥離も発生しにくい。
(レーザー照射)従来から、透明導電層21の1つであるITO膜については、ITO膜を成膜した後に、あるいはITO成膜中にレーザーを照射することは知られている。しかしながら、いずれも紫外域(例えば波長308nm、247nm、193nm)波長のレーザーであった。これら紫外域の波長では、そのエネルギーが強過ぎるため、ITOが結晶化するもののフレキシビリティに劣った硬い膜となり、二次工程、例えば加熱工程などにおいてクラックが生じてしまう。特に、例えば160℃下で1時間保持した後に常温に戻されるような加熱−冷却が繰り返される熱サイクルでは、透明導電膜にクラックが発生し易かった。透明導電膜にクラックが入っていると、短絡の原因となり透明電極として使用できず、また、耐熱性が低く、曲げられず加工適性が悪く、外観も悪いので、透明電極としての利用ができなくなる問題がある。
紫外域波長のレーザーでもITOが結晶化するが、結晶が成長し過ぎるためか、フレキシビリティに欠け、曲げや熱サイクルでクラックが発生しやすいと推測される。
可視域から赤外域の波長のレーザーを照射することで、結晶の大きさや、結晶間の非晶が適度となり、フレキシビリティに優れ、曲げや熱サイクルでもクラックが発生しにくく、導電性が保持されるものと推測される。そこで、透明導電層21を形成した後に、可視域から赤外域の波長を有するレーザーを照射することで、160℃下で1時間保持した後に常温に戻す操作を3回繰返すような熱−冷却の熱サイクルの厳しい負荷においても、クラックの生じにくく、導電性が低下しない膜を作製することができた。
該膜は結晶性の膜なので、導電性に優れ、かつ、フレキシビリティを有しているので、高熱や曲げなどの機械的負荷が加わっても、クラックなどの透明導電膜の劣化がなく、優れた導電性を維持し、短絡を発生しにくい。即ち、耐熱性が高く、耐湾曲性にも優れるので、加工適性や外観もよく、曲げることのできる透明電極としての利用ができる透明導電層21とすることができる。
(レーザー装置)該レーザーを発振する装置としては特に限定されないが、例えば、連続発振固体レーザー、パルス発振固体レーザーなどがある。好ましくは、コストメリットの点から連続発振タイプのほうが好ましい。パルス発振タイプは装置価格が高く、高コストである。レーザーの照射量はITOが結晶化する程度のパワーを適宜選定すればよく、おおよそ10〜10000mj/cm2である。該レーザーの波長域としては、可視域で405、460、488、532、635nmなどが、また、赤外域では1064nmなどの波長を好ましく用いることができる。レーザーの照射は、透明導電層21を成膜した後でもよく、もちろん、成膜に引き続いて行ってもよい。
(ガスバリア層)本発明の透明導電基板10には、用途により必要性能が異なるので他の層を設けてもよい。ガスバリア性を必要とする用途に関しては、透明基材上に酸素や水蒸気の進入を遮断するガスバリア性の層を設けるのが良い。例えば、有機EL素子として使用する場合には、0.01g/m2/day以下の透湿度が必要であり、1又は複数層のガスバリア層13(ガスバリア性層13A、ガスバリア層13Bとをガスバリア層13と総称する)を設ける。
該透明導電基板10の表面及び/又は層間へ設けるガスバリア性層13Aとしては、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等の透明無機化合物あるいはその混合化合物からなるものを、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、あるいはCVD法などの各種の成膜方法を用いることにより作製することができる。特に、本発明の場合、可視域から赤外域の波長のレーザー照射を行うため、その波長範囲において吸収の少ない材料が好ましく、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、あるいはそれらの混合物からなるものが好ましい。
(ディスプレイ)本発明の透明導電基板10をディスプレイの基板として用いる場合には、各々のディスプレイの方式において必要な層を表裏のいずれか、又は層間に積層してもよい。ディスプレイとしては、上記のディスプレイ基板を用いたものであればよく、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機又は無機エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などの奥行きの少ない薄型に好適に適用できる。
(LCD)液晶ディスプレイは、二枚のガラス基板に、いずれも内側に透明電極を配置し、配向層等を伴なった間に液晶が挟まれ、周囲がシールされたものであり、カラー化するためのカラーフィルターを伴なう。このような液晶ディスプレイのガラス基板の外側に、本発明の透明導電基板10を適用することができ、全体がフレキシブルなディスプレイとすることができる。
(有機EL)有機ELディスプレイは、やはり、二枚の基板に、いずれも内側に透明電極を配置し、間に、例えば、(a)注入機能、(b)輸送機能、および(c)発光機能の各機能を持つ層を積層した複合層等からなる有機EL素子層が挟まれ、周囲がシールされたものである。基本構成としては、基材/ガスバリア層/平滑化層/透明導電層/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極であるが、この構成に限定されるものではない。また、本発明の透明導電基板10をカラー化するためのカラーフィルタ層を設けて、カラーフィルタとしてもよい。特に、有機EL素子は、蛍光発光を利用するために化学的に不安定であり、また、湿気に極度に弱いため、製品となった後の高度な水蒸気バリア性が望まれ、ガスバリア性を有する透明導電基板10が好ましい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)透明基板11として、厚さ200μmのアクリレート樹脂(三菱化学製)を用いて、50mm×50mm角の大きさシート状とし、160℃のオーブンで1時間乾燥させた後に、両面にスパッタリング法で膜厚100nmの酸化窒化珪素膜(ガスバリア層13Aである)を形成して、まずガスバリア性フィルムを得た。該ガスバリア性フィルムの透湿度を測定したところ、測定限界以下の値(0.0050g/m2/day以下)であった。
該ガスバリア性フィルムの片面の酸化窒化珪素膜(ガスバリア層13A)面へ、スパッタリング法で膜厚150nmのITO膜(透明導電層21に相当する)を形成し、フレキシブルな透明導電基板を得た。該ITO膜面をXRDにて測定したところ、ITOピークはなく非晶質であった。
次に、該ITO膜(透明導電層21)面へ、連続発振タイプ固体レーザー(米国、コヒーレント社製、VERDI共振器:波長532nm)を用いて、2000mj照射して表面処理を行って、透明導電基板10を得た。このITO膜面をXRDにて測定したところ、立方晶のITO結晶ピークが確認され、結晶化が確認できた。
(評価)該透明導電基板10を、160℃のオーブンで1時間保持した後に常温に戻す操作を3回繰返す熱サイクル試験においても、透明導電膜にクラックが認められず、その表面抵抗は35Ω/cm2と良好であった。該ガスバリア性フィルムの透湿度を測定したところ、測定限界以下の値(0.0050g/m2/day以下)が保持されていた。全光線透過率も76%と良好であった。
(評価方法)なお、評価方法は、次のように行った。
クラックは、160℃のオーブンで1時間保持した後に常温に戻す操作を3回繰返す熱サイクル試験後、評価は、光学顕微鏡にて観察した。
透湿度は、JIS−K−7129に準拠し、温度37.8℃、湿度100%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN3/31)〕を使用して測定した。
表面抵抗はJIS−K−6911に準拠し、全光線透過率はJIS−K7361−1に準拠して測定した。
(実施例2)透明基板11として、厚さ200μmのアクリレート樹脂(三菱化学製)を用いて、50mm×50mm角の大きさシート状とし、160℃のオーブンで1時間乾燥させた後に、基板の片面へスパッタリング法で膜厚150nmのITO膜(透明導電層21に相当する)を形成し、フレキシブルな透明導電基板を得た。該ITO膜面をXRDにて測定したところ、ITOピークはなく非晶質であった。
次に、該ITO膜(透明導電層21)面へ、連続発振タイプ固体レーザー(米国、コヒーレント社製、VERDI共振器:波長532nm)を用いて、3000mj照射して表面処理を行って、透明導電基板10を得た。このITO膜面をXRDにて測定したところ、立方晶のITO結晶ピークが確認され、結晶化が確認できた。
(評価)該透明導電基板10を、160℃のオーブンで1時間保持した後に常温に戻す操作を3回繰返す熱サイクル試験においても、透明導電膜にクラックが認められず、その表面抵抗は32Ω/cm2と良好であった。全光線透過率も78%と良好であった。
(比較例1)透明基板11として、厚さ200μmのアクリレート樹脂(三菱化学製)を用いて、50mm×50mm角の大きさシート状とし、160℃のオーブンで1時間乾燥させた後に、両面にスパッタリング法で膜厚100nmの酸化窒化珪素膜(ガスバリア層13Aである)を形成して、まずガスバリア性フィルムを得た。該ガスバリア性フィルムの酸素ガス透過度を測定したところ、測定限界以下の値(0.0050g/m2/day以下)であった。
該ガスバリア性フィルムの片面の酸化窒化珪素膜(ガスバリア層13A)面へ、スパッタリング法で膜厚150nmのITO膜(透明導電層21に相当する)を形成し、フレキシブルな透明導電基板を得た。該ITO膜面をXRDにて測定したところ、ITOピークはなく非晶質であった。
次に、該ITO膜(透明導電層21)面へ、連続発振タイプアルゴンガスレーザー(INOVA共振器:363nm)を用いて紫外域のレーザーを2000mj照射した。ITO膜面をXRDにて測定したところ、立方晶のITO結晶ピークが確認され、結晶化されていたが、この電極基板を160℃のオーブンで1時間保持した後に常温に戻す操作を3回繰返す熱サイクル試験に行ったところ、透明導電膜にクラックが認められ、フレキシビリティ性に欠けていた。
本発明の1実施例を示す透明導電基板の断面図である。 本発明の1実施例を示す透明導電基板の断面図である。 本発明の1実施例を示す透明導電基板の断面図である。
符号の説明
10:透明導電基板
11:透明基板
13、13A、13B:ガスバリア層
15A:平滑化層
21:透明導電層
23:補助電極層
31:応力緩和層

Claims (6)

  1. 可とう性の透明基板へ透明導電膜を形成した後に、該透明導電膜の表面へ、可視域から赤外域の波長を有するレーザー光を照射して表面処理を施すことを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  2. 上記レーザーが連続発振タイプであり、上記レーザー光の波長が400〜1200nmであることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜の形成方法。
  3. 上記透明基板へ、請求項1〜2のいずれかに記載の透明導電膜の形成方法を用いて形成された透明導電膜を設けてなることを特徴とする透明導電基板。
  4. 透明導電基板の表面及び/又は層間へ、少なくとも1層のガスバリア性層を設けてなることを特徴とする請求項3に記載の透明導電基板。
  5. 160℃のオーブンで1時間保持した後に常温に戻す操作を3回繰返す熱サイクル試験においても、透明導電膜にクラックが発生しないことを特徴とする請求項3〜4のいずれかに記載の透明導電基板。
  6. 請求項3〜4のいずれかに記載の透明導電基板を用いてなることを特徴とする有機EL素子基板。
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