JP2000283462A - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】確実な点火を行うことができ、しかも製造効率
を向上させることができる燃焼装置を提供する。 【解決手段】バーナ2を収納して燃焼室3を形成する燃
焼室ケーシング4に、バーナ2の燃料取り入れ口10に
向かって燃料ガスを噴出するノズル18を備えるマニホ
ールド14を取り付ける。マニホールド14は、ガス通
路部16と、側壁部17と、バーナ2の一部に係合して
位置決めを行う位置決め係合部21とを一体に備える。
側壁部17は、点火電極23を支持する支持孔25を備
え、支持孔25は、マニホールド14が位置決め係合部
21により位置決めされたとき、点火電極23の先端が
所定の間隔を存してバーナ2の上端に臨む位置に形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給湯器等に採用さ
れる燃焼装置に関し、詳しくは、燃焼室ケーシングの内
部にバーナが収納され、該バーナに点火するための点火
電極が燃焼室ケーシングの一側に支持されている燃焼装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の燃焼装置における燃焼室
ケーシングは、鋼板によって形成された左右の側板及び
後側板を備え、前方側が開口されている。該燃焼室ケー
シングにはバーナが収納され、該バーナの上方には該燃
焼室ケーシングの各側板によって包囲された空間である
燃焼室が形成される。バーナはその下方の一側から燃料
ガス及び燃焼空気を取り入れる燃料取り入れ口を備えて
おり、該燃料取り入れ口は、燃焼室ケーシングの前方に
向かって開口している。該燃焼室ケーシングの前方側開
口における前記バーナの燃料取り入れ口に対向する位置
には、該燃料取り入れ口に向かって燃料ガスを噴出する
ノズルを備えるマニホールドが取り付けられている。該
マニホールドは、燃焼室ケーシング内に向かって突出す
る位置決めピンを備え、該位置決めピンは、バーナの一
部に形成された位置決め孔に係合される。マニホールド
の位置決めピンがバーナの位置決め孔に係合されたとき
には、マニホールドのノズルがバーナの燃料取り入れ口
に正確に対向する。
【0003】また、燃焼室ケーシングの前方側開口のう
ち燃焼室に臨む部分には、燃焼室の一側壁を構成する前
側板が取り付けられる。該前側板は、ネジ等の連結部材
を介して燃焼室を囲む燃焼室ケーシングの左右の側板に
連結される。該前側板には、バーナに点火するための点
火電極やバーナの燃焼時の炎を検出するフレームロッド
等の炎検出器が取り付けられている。
【0004】前記点火電極は、リード線を介してイグナ
イタに電気的に接続される後端が前側板の外部に露出さ
れ、該前側板を貫通して該前側板に支持された胴部を介
して、先端が燃焼室内に延出しバーナに臨んでいる。該
点火電極は、イグナイタの駆動により点火電極の先端と
バーナを構成している金属部分との間で火花放電させる
ことにより、バーナへの点火を行う。このような点火方
式はダイレクト方式と言われ、バーナの上部に臨ませた
点火電極とバーナ自体との間に火花放電を生成するため
に、バーナの上部に臨ませた放電電極(点火電極)とバ
ーナの近傍に設けられた接地電極との間に火花放電を生
成する所謂ターゲット方式に比べて、バーナへの点火が
確実に行われることが知られている。しかしその反面、
ダイレクト方式を採用する場合には、点火電極の先端と
バーナ(の上端縁)との間隔寸法が、イグナイタの能力
に応じて設定された寸法に正確に一致していなければ確
実な点火が望めないことも知られている。
【0005】そして、前述した従来の燃焼装置の構造で
は、点火電極が取り付けられている前記前側板が、燃焼
室ケーシングの左右の側板及びマニホールドにネジ止め
等により連結されているため、該前側板の取り付け位置
にズレが生じ易い。このため、点火電極の先端とバーナ
との間隔寸法が不正確となり、確実な点火が行われない
おそれがある。
【0006】そこで、点火電極の先端とバーナとの間隔
寸法がイグナイタの能力に応じて設定された寸法と異な
る場合には、前側板の取り付け位置を調整することによ
って、確実な点火が行われるようにしているが、このと
きの調整作業が煩わしく、製造効率が低下する不都合が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解消し
て、本発明は、確実な点火を行うことができて、しかも
製造効率を向上させることができる燃焼装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、バーナを収納して該バーナの上方に燃
焼室を形成する燃焼室ケーシングと、該燃焼室ケーシン
グの一側部の開口に設けられ、前記バーナの燃料取り入
れ口に向かって燃料ガスを噴出するノズルが形成された
マニホールドとを備える燃焼装置において、前記マニホ
ールドは、前記ノズルに連通する燃料ガス通路が形成さ
れたガス通路部と、該ガス通路部の上部に起立して前記
燃焼室の一側壁を構成する側壁部と、前記バーナの一部
に係合することにより前記ノズルのバーナの燃料取り入
れ口への位置決めを行う位置決め係合部とを一体に備
え、前記側壁部は、点火電極を貫通させて支持する支持
孔を備え、該支持孔は、前記位置決め係合部により前記
ノズルとバーナの燃料取り入れ口とが位置決めされたと
き、該支持孔に装着された点火電極の先端が所定の間隔
を存してバーナの上端に臨む位置に形成されていること
を特徴とする。
【0009】本発明によれば、前記マニホールドは、ガ
ス通路部と側壁部とを一体に備えている。該マニホール
ドを前記燃焼室ケーシングの一側部に取り付けたとき、
前記側壁部は前記燃焼室の一側壁とされて、燃焼室ケー
シングを構成する他の側壁と共に燃焼室を包囲する。
【0010】該マニホールドは前記位置決め係合部を一
体に備えており、該マニホールドを前記燃焼室ケーシン
グに取り付けたときには、前記位置決め係合部がバーナ
の一部に係合され、前記ガス通路部のノズルとバーナの
燃料取り入れ口とが正確に対向する。
【0011】前記側壁部には、前記支持孔によって点火
電極が支持されている。該側壁部と前記ガス通路部及び
前記位置決め係合部とは一体に設けられているので、該
位置決め係合部に対する点火電極の位置は常に一定に維
持される。これにより、前記位置決め係合部により前記
ノズルが位置決めされたときには、同時に、点火電極の
先端とバーナの上端との間が確実に所定の間隔とされ
る。従って、この時の間隔を、点火電極とバーナとの間
に確実に火花放電が生成される寸法としておくことによ
り、該マニホールドを前記燃焼室ケーシングの一側部に
取り付けるだけで、バーナへの点火が確実に行われる所
定の位置に点火電極を設けることができ、該マニホール
ドを前記燃焼室ケーシングに取り付けた後に点火電極と
バーナとの間隔寸法を調整すると言った作業を不要とす
ることができる。 しかも、従来の燃焼装置のように、
ガス通路部(従来におけるマニホールド)と側壁部とが
別体とされているためにガス通路部(従来におけるマニ
ホールド)の取り付け作業と側壁部の取り付け作業とを
各別に行う必要があったものと異なり、本発明の燃焼装
置はマニホールドが側壁部を一体に備えているので、前
記燃焼室ケーシングへのマニホールドの取り付け作業工
程を削減して製造効率を向上することができる。
【0012】また、本発明において、前記点火電極を支
持する支持孔は、前記側壁部に形成された多角形状の孔
であり、前記点火電極は、前記支持孔に支持されたとき
該支持孔に対応して係合することにより、該点火電極の
先端が前記バーナ上端の所定位置に臨む姿勢に位置決め
される多角形状の係合胴部を備えることが好ましい。こ
れにより、前記支持孔に支持された点火電極の回転を確
実に防止して、点火電極の先端を前記バーナ上端の所定
位置に臨む姿勢に位置決めすることができ、前記点火電
極をより高い精度で前記側壁部に支持させることができ
る。
【0013】また、本発明において、前記側壁部の、少
なくとも前記燃焼室に対向する内面には、前記バーナか
らの熱を遮断する遮熱部材が設けられていることが好ま
しい。
【0014】本発明のマニホールドを形成する場合に
は、例えば、前記ガス通路部、側壁部及び位置決め係合
部とを備える形状に同一の材料で一体成形することが行
われる。一体成形されたマニホールドを、前記燃焼室ケ
ーシングに取り付けたときには、前記側壁部が燃焼室の
一側壁とされるので、バーナの火炎によって前記側壁部
が高温になる。このとき、該側壁部の内面に前記遮熱部
材を設けておくことにより、該側壁部へのバーナからの
熱を遮断することができる。こうすることにより、比較
的融点の低い金属(例えばアルミ合金等)を材料として
前記マニホールドを一体成形することができるので、前
記マニホールドを容易に製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本実施形態の燃焼装置の一部の縦
断面説明図、図2は本実施形態のマニホールドの説明的
斜視図である。
【0016】本実施形態の燃焼装置1は、図示しない給
湯器の内部に設けられ、図1に示すように、バーナ2を
収納すると共に該バーナ2の上部に燃焼室3を形成する
燃焼室ケーシング4と、該燃焼室ケーシング4の上部に
連結された熱交換器5とを備えている。
【0017】図1に示すように、前記バーナ2は、一対
の金属板を重合して形成された複数のバーナユニット6
によって形成されている。複数のバーナユニット6は横
方向に積層されてバーナケース7に一体に支持されてい
る。バーナユニット6は、各金属板に形成した大略S字
状の隆起部によってバーナヘッド8、混合管9及び燃料
取り入れ口10を備えている。該燃料取り入れ口10
は、燃焼装置1の前方に向かって開口され、バーナケー
ス7に形成されたバーリング11に嵌合することにより
位置決めされている。そして、該バーナケース7は、そ
の後端部の下方位置において前記燃焼室ケーシング4の
後側板4aにネジ部材12により連結固定されている。
【0018】前記燃焼室ケーシング4の前方側は開口さ
れており、図1及び図2に示すように、その開口縁の上
半部に沿ってシールパッキン13a(本実施形態におい
ては膨張黒鉛製)が設けられ、開口縁の下半部に沿って
シールパッキン13b(本実施形態においてはセラミッ
ク製)が設けられて、図1に示すように、これらのシー
ルパッキン13a,13bを介してマニホールド14が
取り付けられている。本実施形態においては、該マニホ
ールド14はアルミダイカストによって成形されてい
る。該マニホールド14は、燃料ガス通路15を形成す
るガス通路部16と、該ガス通路部16に上方に連設さ
れた平板状の側壁部17とを一体に備えている。これに
より、該マニホールド14が前記燃焼室ケーシング4に
取り付けられたときには、燃焼室ケーシング4の前方側
開口が閉塞される。
【0019】なお、燃焼室ケーシング4は、図示しない
が、後側板4aと左右の側板4bとによって平面視略コ
字形に形成することにより前方側を開放し底部に底板4
cを設けたものでもよく、また、本実施形態のように、
四角筒状に形成した後に、前側板4dのうち、熱交換器
5との接続フランジ部4eを残して、燃焼室3からバー
ナ2の前記燃料取り入れ口10を露出させる位置までを
切り抜いて開口させたものでもよい。前記マニホールド
14は、燃焼室ケーシング4の前方側開口に取り付けた
とき、該開口の略下半部を該ガス通路部16により閉塞
し、該開口の略上半部の燃焼室3に臨む部分を側壁部1
7により閉塞する。即ち、前記側壁部17は燃焼室3の
一側壁(或いは一側壁の一部)として燃焼室ケーシング
4の前方側を閉塞するようになっている。
【0020】ガス通路部16の内面側には、燃料ガス通
路15から送られる燃料ガスを前記バーナ2の燃料取り
入れ口10に噴出する複数のノズル18が一体に形成さ
れている。なお、ガス通路部16には、燃料ガス通路1
5の外方を覆う覆板19が複数のネジ部材20(図2参
照)によって取り付けられている。
【0021】また、図1に示すように、ガス通路部16
の両端部には、前記燃焼室ケーシング4の内部に向かっ
て突出する位置決めピン21(位置決め係合部)が一体
に形成されている。該位置決めピン21は、前記バーナ
ケース7に形成された位置決め孔22に係合させること
によって、マニホールド14のノズル18とバーナ2の
燃料取り入れ口10とが正確に対向するように設けられ
ている。
【0022】更に、該マニホールド14の側壁部17に
は、図1及び図2に示すように、点火電極23とフレー
ムロッド24(図2にのみ示す)とが貫通して支持され
ている。該点火電極23は、側壁部17に四角形状に形
成された第1支持孔25に係合胴部26を介して支持さ
れている。該点火電極23の係合胴部26は第1支持孔
25の孔形状に対応する四角形状に形成されており、第
1支持孔25に支持されたときに該点火電極23の回転
が防止されるようになっている。該点火電極23は、側
壁部17の第1支持孔25に係合され、その外方からグ
ラスウール等によるシールパッキン27及び亜鉛メッキ
鋼板等の押さえ板28を介してネジ部材29によって固
定されている。これにより、図示するように、点火電極
23の先端がバーナ2に対して接近する方向に傾斜する
形状である場合には特に、点火電極23の回転によって
点火電極23の先端がバーナ2に対向する位置からズレ
ることを防止することができる。同じように、フレーム
ロッド24は、図2に示すように、側壁部17に四角形
状に形成された第2支持孔30に、該第2支持孔30の
孔形状に対応する四角形状に形成された係合胴部31を
介して回転が防止された状態で固定されている。
【0023】図1に示すように、該点火電極23は、バ
ーナ2との間で火花放電させる所謂ダイレクト方式によ
りバーナ2への点火を行うものである。ダイレクト方式
においては、点火電極23の先端とバーナ2(の上端
縁)との間隔寸法xが所定の間隔に正確に一致している
必要がある。本実施形態においては、図1に示すよう
に、点火電極23はマニホールド14に一体に設けられ
た側壁部17に支持されているので、点火電極23と前
記位置決めピン21との間隔寸法は一定に維持されてい
る。これによって、前記位置決めピン21が前記バーナ
2に正確に位置決めされたときには、点火電極23もバ
ーナ2と所定の間隔xを介した位置に同時に正確に位置
決めされる。従って、マニホールド14を前記燃焼室ケ
ーシング4に取り付けて、前記位置決めピン21による
ノズル18とバーナ2の燃料取り入れ口10との正確な
位置決めを行うだけで、バーナ2と点火電極23との間
隔寸法xは正確に所定の間隔となり、確実な点火を行う
ことができる。しかも、マニホールド14を燃焼室ケー
シング4に取り付けた後に点火電極23の取り付け位置
を調整するといったことも行う必要がないので、製造効
率を向上させることができる。
【0024】また、図1及び図2に示すように、該マニ
ホールド14の側壁部17の前記燃焼室3に対向する内
面側には、ステンレス鋼板或いはアルミメッキ鋼板によ
って形成された遮熱板32(遮熱部材)が取り付けられ
ている。これにより、燃焼室3から側壁部17への熱を
遮断することができ、該マニホールド14を比較的融点
の低いアルミダイカスト製であっても支障なく側壁部1
7を一体成形によって設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の燃焼装置の一部の縦断面
説明図。
【図2】本実施形態のマニホールドの説明的斜視図。
【符号の説明】
1…燃焼装置、2…バーナ、3…燃焼室、4…燃焼室ケ
ーシング、10…燃料取り入れ口、14…マニホール
ド、15…燃料ガス通路、16…ガス通路部、17…側
壁部、18…ノズル、21…位置決めピン(位置決め係
合部)、23…点火電極、25…第1支持孔(支持
孔)、26…係合胴部、32…遮熱板(遮熱部材)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バーナを収納して該バーナの上方に燃焼室
    を形成する燃焼室ケーシングと、 該燃焼室ケーシングの一側部の開口に設けられ、前記バ
    ーナの燃料取り入れ口に向かって燃料ガスを噴出するノ
    ズルが形成されたマニホールドとを備える燃焼装置にお
    いて、 前記マニホールドは、前記ノズルに連通する燃料ガス通
    路が形成されたガス通路部と、該ガス通路部の上部に起
    立して前記燃焼室の一側壁を構成する側壁部と、前記バ
    ーナの一部に係合することにより前記ノズルのバーナの
    燃料取り入れ口への位置決めを行う位置決め係合部とを
    一体に備え、 前記側壁部は、点火電極を貫通させて支持する支持孔を
    備え、 該支持孔は、前記位置決め係合部により前記ノズルとバ
    ーナの燃料取り入れ口とが位置決めされたとき、該支持
    孔に装着された点火電極の先端が所定の間隔を存してバ
    ーナの上端に臨む位置に形成されていることを特徴とす
    る燃焼装置。
  2. 【請求項2】前記点火電極を支持する支持孔は、前記側
    壁部に形成された多角形状の孔であり、 前記点火電極は、前記支持孔に支持されたとき該支持孔
    に対応して係合することにより、該点火電極の先端が前
    記バーナ上端の所定位置に臨む姿勢に位置決めされる多
    角形状の係合胴部を備えることを特徴とする請求項1記
    載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】前記側壁部の、少なくとも前記燃焼室に対
    向する内面には、前記バーナからの熱を遮断する遮熱部
    材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記
    載の燃焼装置。
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