JP2000283239A - 車両用エンジンにおけるバランサ装置 - Google Patents

車両用エンジンにおけるバランサ装置

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JP2000283239A
JP2000283239A JP11092656A JP9265699A JP2000283239A JP 2000283239 A JP2000283239 A JP 2000283239A JP 11092656 A JP11092656 A JP 11092656A JP 9265699 A JP9265699 A JP 9265699A JP 2000283239 A JP2000283239 A JP 2000283239A
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JP
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plate
clutch
crankshaft
crankcase
ramp
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JP11092656A
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English (en)
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Masahiro Kuroki
正宏 黒木
Yutaka Imoto
豊 井元
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】クランクシャフトの回転動力を駆動輪に伝達す
ることを可能とした発進クラッチが、クランクケース内
に収納される車両用エンジンにおいて、攪拌抵抗を極力
小さくするとともにオイルの劣化を極力少なくすること
可能とした上で、クランクケース内に専用の部屋を区
画、形成することを回避してバランスウエイトを配置す
る。 【解決手段】発進クラッチ85が、クランクシャフト3
6と平行な軸線に沿う方向の移動を阻止されつつクラン
クシャフト36の回転に同期して回転する円板状のクラ
ッチ板86と、クラッチ板86に対向配置される摩擦板
87と、クラッチ板86の回転数増大に応じて摩擦板8
7をクラッチ板86に摩擦係合する方向に押圧するラン
ププレート88と、ランププレート88を覆って摩擦板
87に噛合されるクラッチアウタ89とを備え、ランプ
プレート88のクラッチアウタ89で覆われる部分にバ
ランスウエイト103が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランクシャフト
の回転動力を駆動輪に伝達することを可能とした発進ク
ラッチが、クランクケース内に収納される車両用エンジ
ンにおいて、クランクシャフトのアンバランス量を調節
するためのバランサ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用エンジンのバランサ装置
が、たとえば実公平2−40343号公報等で既に知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
クランクシャフトと平行な軸線まわりに該クランクシャ
フトに同期して回転するバランスウエイトが、クランク
ケース内に貯溜されているオイルを該バランスウエイト
で攪拌することによって攪拌抵抗を受けたり、オイルの
劣化が生じたりすることを回避するために、クランクシ
ャフトを収納するクランク室とは区画されてクランクケ
ース内に設けられる専用の小室に収容されている。した
がって、クランクケース内の構造が複雑となったり、ク
ランクケースの大型化を招くおそれがある。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、攪拌抵抗を極力小さくするとともにオイルの
劣化を極力少なくすること可能とした上で、クランクケ
ース内に専用の部屋を区画、形成することを回避してバ
ランスウエイトを配置し得るようにした車両用エンジン
におけるバランサ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、クランクシャフトの回転動力を駆動輪に
伝達することを可能とした発進クラッチが、クランクケ
ース内に収納される車両用エンジンにおいて、発進クラ
ッチは、クランクシャフトと平行な軸線に沿う方向の移
動を阻止されつつ前記クランクシャフトの回転に同期し
て前記軸線まわりに回転する円板状のクラッチ板と、該
クラッチ板に対向配置される摩擦板と、前記クラッチ板
の回転数増大に応じて前記摩擦板を前記クラッチ板に摩
擦係合する方向に押圧することを可能として前記クラッ
チ板との間に前記摩擦板を挟む位置に配置されるランプ
プレートと、該ランププレートを覆う椀状に形成されて
前記摩擦板に噛合されるクラッチアウタとを備え、前記
ランププレートの前記クラッチアウタで覆われる部分
に、クランクシャフトのアンバランス量を調節するため
のバランスウエイトが設けられることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、バランスウエイ
トは、クラッチ板、摩擦板およびクラッチアウタで全体
形状がほぼ覆われるランププレートに設けられることに
なり、クランクケース内に貯溜されたオイルの発進クラ
ッチの内外間での流通はごく少量に制限されるので、バ
ランスウエイトによるオイルの攪拌を極力回避すること
が可能である。したがって、攪拌抵抗を極力小さくする
とともにオイルの劣化を極力少なくすること可能としつ
つ、クランクケース内に専用の部屋を区画、形成するこ
とを回避してバランスウエイトを配置することができ、
バランスウエイトの配置によってクランクケース内の構
造が複雑となったり、クランクケースの大型化を招いた
りすることがない。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明す
る。
【0008】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもの
であり、図1は補助エンジン付自転車の側面図、図2は
エンジンの縦断面図であって図3の2−2線に沿う断面
図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4
線断面図、図5は発進クラッチの拡大断面図、図6は図
5の6−6線矢視方向から見たランププレートの正面図
である。
【0009】先ず図1において、小型の車両である補助
エンジン付自転車の車体フレーム10は、その前端のヘ
ッドパイプ11と、ヘッドパイプ11から後下りに延び
るダウンフレーム12と、ヘッドパイプ11と平行にし
てダウンフレーム12の後端上部から上方に延びるシー
トポスト13とを備え、ヘッドパイプ11、ダウンフレ
ーム12およびシートポスト13は、アルミニウム合金
等により一体に鋳造成形される。しかもダウンフレーム
12は、下方を開放した略U字状に形成される。
【0010】ヘッドパイプ11にはフロントフォーク1
4が操向可能に支承され、該フロントフォーク14の下
端に前輪WF が軸支され、フロントフォーク14の上端
に操向ハンドル15が設けられる。またダウンフレーム
12の後端から後方に延出される左、右一対のリヤフォ
ーク16…の後端間に駆動輪としての後輪WR が軸支さ
れ、シートポスト13の上下方向中間部および両リヤフ
ォーク16…の後端間に左、右一対のステー17…が設
けられる。
【0011】シートポスト13は筒状に形成されるもの
であり、支持パイプ18が上方からシートポスト13に
差込まれるとともに、上下位置を調節可能としてシート
ポスト13に固定される。しかも支持パイプ18の上端
には、運転者が座乗するためのサドル20が装着され
る。
【0012】ダウンフレーム12の前半部内には、燃料
タンク21が収納され、該燃料タンク21が上端に備え
るキャップ22はダウンフレーム12から上方に突出さ
れる。
【0013】ダウンフレーム12の後部には、ペダルシ
ャフト23が回転自在に支承されており、該ペダルシャ
フト23の両端には、サドル20に座った運転者が踏む
ためのペダル24…がダウンフレーム12の両側に配置
されるようにして固着される。しかも補助エンジン付自
転車の走行方向前方を向いた状態で、ダウンフレーム1
2の右側には駆動スプロケット25がペダルシャフト2
3と同軸に配置されており、後輪WR に同軸に設けられ
た被動スプロケット26と、前記駆動スプロケット25
とに無端状のチェーン27が巻掛けられる。
【0014】車体フレーム10におけるダウンフレーム
12の下部には、運転者による前記ペダル24…の踏込
み力をアシストする動力を発揮するエンジン28が、ダ
ウンフレーム12の一部でクランクケース33の一部を
構成するようにして搭載される。
【0015】図2〜図4を併せて参照して、エンジン2
8のシリンダブロック30は、該シリンダブロック30
が備えるシリンダボア31の軸線を自転車の前後方向に
沿ってほぼ水平として配置され、該シリンダブロック3
0の前方に配置されるシリンダヘッド32と、シリンダ
ブロック30の後方に配置されるクランクケース33と
がシリンダブロック30に結合される。
【0016】シリンダブロック30に設けられるシリン
ダボア31に摺動自在に嵌合されるピストン34には、
自転車の幅方向に沿う軸線を有するクランクシャフト3
6がコンロッド35を介して連結される。このクランク
シャフト36を収容するクランクケース33は、シリン
ダブロック30に結合される下部ケース37と、ダウン
フレーム12の後部で形成される上部ケース38とが、
上部ケース38のシリンダブロック30への直接の結合
を回避して相互に結合されて成るものであり、下部ケー
ス37および上部ケース38の分割面39は、シリンダ
ボア31の軸線およびクランクシャフト36の軸線と平
行に設定される。
【0017】クランクシャフト36は、クランクケース
33を構成する両ケース37,38のうち下部ケース3
7側に収納されるものであり、該クランクシャフト36
のクランクピン36aを相互間に挟む2箇所が、下部ケ
ース37側で回転自在に支承される。すなわちクランク
シャフト36は、コンロッド35が連結されるクランク
ピン36aと、該クランクピン36aの両側のクランク
ウエブ36b,36cと、両クランクウエブ36b,3
6cから外方に突出するクランクジャーナル36d,3
6eとを一体に備えるものであり、両クランクジャーナ
ル36d,36eが、下部ケース37に固定されるホル
ダ40,41に、ボールベアリング42,43を介して
回転自在に支承される。
【0018】前記両ホルダ40,41は、シリンダブロ
ック30および下部ケース37間に挟まれるように配置
されるものであり、シリンダボア31の周囲に配置され
て下部ケース37にねじ込まれる4本のスタッドボルト
44,44…および各スタッドボルト44,44…にそ
れぞれ螺合されるナット45,45…によって、シリン
ダヘッド32、シリンダブロック30、ホルダ40,4
1および下部ケース37が共締めされる。すなわち、ね
じ込みによって下部ケース37に一端が植設されるスタ
ッドボルト44,44…が、ホルダ40,41、シリン
ダブロック30およびシリンダヘッド32にそれぞれ挿
通され、シリンダヘッド32から突出したスタッドボル
ト44,44…の他端部にナット45,45…が螺合さ
れる。また各スタッドボルト44,44…およびナット
45,45…による締付位置から離れた位置で、シリン
ダヘッド32は、1または複数のボルト46によりシリ
ンダブロック30に締結される。
【0019】両ホルダ40,41のうち自転車の前後方
向前方を向いた姿勢で左側に配置されるホルダ40の外
方側には、発電機48が配置される。該発電機48のロ
ータ49はホルダ40から突出したクランクシャフト3
6の一端部に固定され、該クランクシャフト36の一端
部を同軸に囲繞するようにしてホルダ40に一体に突設
される支持筒部40aに、前記発電機48のステータ5
0が固定される。
【0020】シリンダブロック30およびシリンダヘッ
ド32間には、ピストン34の頂部の一部を臨ませる燃
焼室54が、自転車の前後方向前方を向いた姿勢でシリ
ンダボア31の軸線から右側にずれた位置に中心を配置
するようにして形成される。またシリンダヘッド32に
は燃焼室54に内端を臨ませる点火プラグ57が取付け
られる。
【0021】シリンダブロック30の上部には、前記燃
焼室54に通じ得る吸気ポート55が設けられ、シリン
ダブロック30の下部には、前記燃焼室54に通じ得る
排気ポート56が設けられる。
【0022】吸気ポート55および燃焼室54間の連通
・遮断を切換える吸気弁58と、排気ポート56および
燃焼室54間の連通・遮断を切換える排気弁59とは、
エンジン本体29におけるシリンダブロック30に設け
られているシリンダボア31の上方に配置されており、
シリンダボア31の軸線と平行な方向に開閉作動するこ
とを可能としてシリンダブロック30に支承されるとと
もに閉弁方向にばね付勢される。
【0023】これらの吸気弁58および排気弁59は、
動弁機構60により開閉駆動されるものであり、該動弁
機構60は、クランクシャフト36に固定されるタイミ
ング駆動ギヤ61と、シリンダブロック30に固定され
る支軸62で回転自在に支承されて前記タイミング駆動
ギヤ61に噛合するタイミング被動ギヤ63と、タイミ
ング被動ギヤ63に一体に形成されるカム64と、該カ
ム64に従動して揺動するようにしてシリンダブロック
30に支承されるとともに前記吸気弁58に連動、連結
される吸気側ロッカアーム65と、前記カム64に従動
して揺動するようにしてシリンダブロック30に支承さ
れるとともに前記排気弁59に連動、連結される吸気側
ロッカアーム66とを備える。
【0024】前記タイミング駆動ギヤ61は、前記両ホ
ルダ40,41のうち自転車の前後方向前方を向いた姿
勢で右側に配置されるホルダ41の外方側で、クランク
シャフト36の他端に設けられており、該タイミング駆
動ギヤ61はクランクシャフト36の回転動力を1/2
に減速してタイミング被動ギヤ63およびカム64に伝
達する。すなわちカム64は、クランクシャフト36の
回転速度の1/2に減速されて回転することになる。
【0025】シリンダブロック30の上部には、吸気ポ
ート55に通じる吸気管72の下流端が接続されてお
り、該吸気管72の上流端は気化器73の下流端に接続
される。この気化器73は、燃料タンク21よりも後方
側で車体フレーム10におけるダウンフレーム12内に
一部を収納せしめるように配置されるシリンダブロック
30の下部には排気ポート56に通じる排気管74の上
流端が接続されており、該排気管74は、エンジン28
の下方を通って後方に延出され、エンジン28および後
輪WR 間に配置された排気マフラー75(図1参照)に
接続される。
【0026】再び図2において、クランクケース33に
おける下部ケース37には、クランクシャフト36と平
行な軸線を有するメインシャフト94の両端が回転自在
に支承されており、メインシャフト94と平行な軸線を
有するペダルシャフト23の一端部は、クランクケース
33の上部ケース38において自転車の前後方向に沿う
左側の側壁にボールベアリング95を介して回転自在に
支承される。また前記上部ケース38において自転車の
前後方向に沿う右側の側壁には、ペダルシャフト23の
他端側を同軸に囲繞する回転筒軸96の外端側が、ボー
ルベアリング97を介して回転自在に支承されており、
回転筒軸96の内端部は、ペダルシャフト23により相
対回転自在に支承され、回転筒軸96の外端側およびペ
ダルシャフト23間にはローラベアリング98が介装さ
れる。すなわち同軸であるペダルシャフト23および回
転筒軸96は、相対回転を可能としてクランクケース3
3の上部ケース38に支承されており、回転筒軸96の
外端に駆動スプロケット25が固定される。
【0027】クランクシャフト36が備える一対のクラ
ンクウエブ36b,36cの一方36cには、プライマ
リー駆動ギヤ99が固着されており、このプライマリー
駆動ギヤ99に噛合するプライマリー被動ギヤ100
は、メインシャフト94に相対回転自在に支承される。
【0028】図5を併せて参照して、メインシャフト9
4には発進クラッチ85が装着される。この発進クラッ
チ85は、クランクシャフト36と平行な軸線を有する
メインシャフト94の軸線に沿う方向の移動を阻止され
つつ該メインシャフト94の軸線まわりに回転する円板
状のクラッチ板86と、該クラッチ板86に対向配置さ
れる摩擦板87と、クラッチ板86の回転数増大に応じ
て摩擦板87をクラッチ板86に摩擦係合する方向に押
圧することを可能として前記クラッチ板86との間に前
記摩擦板87を挟む位置に配置されるランププレート8
8と、該ランププレート88を覆う椀状に形成されて前
記摩擦板87に噛合されるクラッチアウタ89とを備え
る。
【0029】メインシャフト94には、軸線方向の位置
を定められて円筒状のボス90がスプライン結合されて
おり、プライマリー被動ギヤ100はボス90に相対回
転自在に支承される。クラッチ板86の内周はボス90
の外周にスプライン結合され、プライマリー被動ギヤ1
00は、クラッチ板86にダンパ101を介して連結さ
れる。
【0030】前記ボス90には、ランププレート88が
軸線方向の相対移動を可能としてスプライン結合され、
クラッチ板86およびランププレート88間には、両者
86,88間の間隔を広げるようなばね力を発揮するば
ね91が設けられる。
【0031】図6を併せて参照して、ランププレート8
8の前記クラッチ板86と反対側の面には、メインシャ
フト94の半径方向に転動するウエイトローラ92…を
転動させることを可能としてそれらのウエイトローラ9
2…をそれぞれ収納する収納溝102,102…が設け
られており、各ウエイトローラ92…にランププレート
88とは反対側で当接するバックプレート93がボス9
0に装着される。しかもメインシャフト94の半径方向
に沿う各収納溝102,102…の外端側には、外方側
に向かうにつれてバックプレート93に近接する斜面1
02a…が形成される。
【0032】クラッチアウタ89は、ランププレート8
8、各ウエイトローラ92…およびびバックプレート9
3を覆う椀状に形成されて、メインシャフト94に相対
回転自在に支承されており、このクラッチアウタ89の
開口端に摩擦板87の外周が噛合され、出力ギヤ104
がクラッチアウタ89に固着される。
【0033】このような発進クラッチ85では、クラン
クシャフト36からプライマリー駆動ギヤ99、プライ
マリー被動ギヤ100およびダンパ101を介して駆動
されるクラッチ板86の回転速度が設定値以上になるの
に応じて、各ウエイトローラ92…が遠心力によって斜
面102a…を登ることになり、ランププレート88が
摩擦板87をクラッチ板86に摩擦係合する方向に押圧
する。これにより、クラッチ板86が摩擦板87を介し
てクラッチアウタ89に連結され、前進方向のクランク
シャフト36の回転動力が出力ギヤ104に伝達され
る。
【0034】しかも発進クラッチ86のランププレート
88においてクラッチアウタ89で覆われる部分に、た
とえばランププレート88の外周部の略半周には、クラ
ンクシャフト36のアンバランス量を調節するためのバ
ランスウエイト103が一体に設けられる。
【0035】前記発進クラッチ85の出力ギヤ104
は、第1の遊星ギヤ式減速機105を介して回転筒軸9
6に連結される。第1の遊星ギヤ式減速機105のキャ
リア106は回転筒軸96に相対回転不能に装着され、
サンギヤ107が出力ギヤ104に噛合され、リングギ
ヤ108は、回転筒軸96の軸線まわりに回転すること
を阻止するようにしてメインシャフト94に係合され
る。
【0036】第1の遊星ギヤ式減速機105に間隔をあ
けた位置で対向する第2の遊星ギヤ式減速機111がペ
ダルシャフト23に装着されており、この第2の遊星ギ
ヤ式減速機111におけるキャリア112は、ペダルシ
ャフト23の軸線まわりに回転しないように上部ケース
38に係合されており、リングギヤ113はペダルシャ
フト23に軸線まわりの回転を可能として支承され、サ
ンギヤ114はリングギヤ113で軸線まわりの回転を
可能として支承される。
【0037】第1および第2の遊星ギヤ式減速機10
5,111間で、ペダルシャフト23には、該ペダルシ
ャフト23と同軸のシフタ115がヘリカルギヤを介し
て装着されており、このシフタ115の外周には、上部
ケース38との係合によりペダルシャフト23の軸線ま
わりに回転することが阻止されているばね116が摩擦
係合される。而してペダルシャフト23が自転車の前進
方向に回転したときに、ばね116との摩擦係合によっ
て回転が阻止された状態にあるシフタ115は第1の遊
星ギヤ式減速機105側に移動し、またペダルシャフト
23が自転車の後進方向に回転したときに、ばね116
との摩擦係合によって回転が阻止された状態にあるシフ
タ115は第2の遊星ギヤ式減速機111側に移動す
る。しかもシフタ115は、第1の遊星ギヤ式減速機1
05のキャリア106にシフタ115からキャリア10
6への動力伝達を可能とするもののキャリア106から
シフタ115への動力伝達を不能とするようにしてラチ
ェット係合すること、ならびに第2の遊星ギヤ式減速機
111のリングギヤ113にシフタ115からリングギ
ヤ113への動力伝達を可能とするもののリングギヤ1
13からシフタ115への動力伝達を不能とするように
してラチェット係合することが可能である。
【0038】したがって、ペダル24…の踏込みにより
ペダルシャフト23を自転車の前進方向に回転駆動する
と、シフタ115が第1の遊星ギヤ式減速機105のキ
ャリア106にラチェット係合するまで移動し、ばね1
16との摩擦係合によってシフタ115に作用している
回転抵抗力を上回る回転動力をペダルシャフト23に加
えることにより、ペダルシャフト23からシフタ115
およびキャリア106を介して回転筒軸96に回転動力
を伝達することができる。
【0039】一方、メインシャフト94には、第2の遊
星ギヤ式減速機111におけるサンギヤ114の外周に
噛合するヘリカルギヤ117が回転自在に支承され、該
ヘリカルギヤ117には、下部ケース37との係合によ
りメインシャフト94の軸線まわりに回転することが阻
止されるばね118が摩擦係合される。しかもメインシ
ャフト94には、前記ヘリカルギヤ117に間隔をあけ
て対向する回転部材119が相対回転を不能として装着
される。
【0040】而してペダル24…の踏込みによりペダル
シャフト23を自転車の後進方向に回転駆動すると、シ
フタ115が第2の遊星ギヤ式減速機111のリングギ
ヤ113にラチェット係合するまで移動し、ばね116
との摩擦係合によってシフタ115に作用している回転
抵抗力を上回る回転動力をペダルシャフト23に加える
ことにより、ペダルシャフト23からシフタ115およ
び第2の遊星ギヤ式減速機111を介して、ヘリカルギ
ヤ117に回転動力が伝達される。これにより、ばね1
18との摩擦係合によって回転が阻止された状態にある
ヘリカルギヤ117は回転部材119側に移動する。し
かもヘリカルギヤ117は、該ヘリカルギヤ117から
回転部材119への動力伝達を可能とするものの回転部
材119からヘリカルギヤ117への動力伝達を不能と
するようにして、回転部材119にラチェット係合する
ことが可能である。
【0041】したがって、ペダルシャフト23を自転車
の後進方向に回転駆動することにより、ヘリカルギヤ1
17を回転部材119にラチェット係合するまで移動さ
せ、ばね118との摩擦係合によってヘリカルギヤ11
7に作用している回転抵抗力を上回る回転動力をペダル
シャフト23に加えることにより、ペダルシャフト23
からシフタ115、第2の遊星ギヤ式減速機111、ヘ
リカルギヤ117および回転部材119を介してメイン
シャフト94に回転動力を伝達することが可能である。
しかもメインシャフト94の回転動力は、発進クラッチ
85のクラッチ板86、ダンパ101、プライマリー被
動ギヤ100およびプライマリー駆動ギヤ99を介して
クランクシャフト36に伝達されるので、エンジン28
が始動することになる。
【0042】このようにペダルシャフト23の前進方向
の回転および後進方向の回転に応じて、シフタ115
と、エンジン28の前進方向の回転動力を回転筒軸96
に伝達する第1の遊星ギヤ式減速機105と、ペダルシ
ャフト23の後進方向の回転動力をヘリカルギヤ117
に伝達する第2の遊星ギヤ式減速機111とに選択して
連結するようにし、第2の遊星ギヤ式減速機111から
の動力伝達によりヘリカルギヤ117からメインシャフ
ト94に動力を伝達するようにした構成により、複雑な
一方向クラッチを用いない簡単な構造で、ペダルシャフ
ト23の後進方向の回転操作によるエンジン28の始動
が可能となる。
【0043】図2および図3に注目して、シートポスト
13のダウンフレーム12への下端開口部は、ブリーザ
管76を備えるブリーザキャップ77で塞がれており、
該ブリーザキャップ77は、上部ケース38と、該上部
ケース38に締結される押さえ板78との間に挟持され
る。またブリーザキャップ77および押さえ板78間に
は、一端をクランクケース33内に通じさせるとともに
他端を前記ブリーザ管76に通じさせる迷路79が形成
されており、クランクケース33内で生じたブリーザガ
スは、前記迷路79を通過する間にオイル成分を分離し
つつブリーザ管76側に流れることになる。しかも前記
ブリーザ管76は、ダウンフレーム12内に配置される
エアクリーナ(図示せず)に接続されており、該エアク
リーナから気化器73を経てエンジン28に吸入される
吸気中に前記ブリーザガスが混入される。
【0044】次にこの実施例の作用について説明する
と、エンジン28のクランクケース33は、クランクシ
ャフト36の軸線と平行な分割面39で分割可能な下部
ケース37および上部ケース38が相互に結合されて成
るものであり、シリンダブロック30には、下部ケース
38だけが結合されるので、シリンダブロック30およ
びクランクケース33の結合面のシール構造を単純なも
のとしてシール性を向上することができる。
【0045】しかもクランクシャフト36において、ク
ランクピン36aを相互間に挟む2箇所が下部ケース3
7側で回転自在に支承されているので、クランクシャフ
ト36の支持剛性を高め、クランクシャフト36の耐久
性向上に寄与することができる。
【0046】また前記分割面39が、シリンダブロック
30におけるシリンダボア31の軸線と平行に設定され
ていることにより、下部ケース37を上部が開放した碗
形とし、下部ケース37の形状を単純化することができ
る。
【0047】さらにクランクシャフト36は、下部ケー
ス37に固定されるホルダ40,41に、ボールベアリ
ング42,43をそれぞれ介して支承されているので、
加工工数の増大を回避しつつクランクシャフト36を精
度よく支持することができる。すなわち、クランクシャ
フト36をその両側に配置される一対の部材間に形成さ
れる支持孔に装着される軸受で支持する構造では、前記
両側の部材の組付状態で前記支持孔の共加工を施してク
ランクシャフト36の支持精度を確保しなければならな
いのであるが、各ホルダ40,41にボールベアリング
42,43をそれぞれ装着する構造としたことにより、
前記共加工を施すことを不要としてクランクシャフト3
6を精度よく支持することができるのである。
【0048】しかも発進クラッチ85におけるランププ
レート88のクラッチアウタ89で覆われる部分に、ク
ランクシャフト36のアンバランス量を調節するための
バランスウエイト103が設けられており、クランクケ
ース33内に貯溜されたオイルの発進クラッチ85の内
外間での流通はごく少量に制限されるので、バランスウ
エイト103によるオイルの攪拌を極力回避することが
可能である。したがって、攪拌抵抗を極力小さくすると
ともにオイルの劣化を極力少なくすること可能としつ
つ、クランクケース33内に専用の部屋を区画、形成す
ることを回避してバランスウエイト103を配置するこ
とができ、バランスウエイト103の配置によってクラ
ンクケース33内の構造が複雑となったり、クランクケ
ース33の大型化を招いたりすることがない。
【0049】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、攪拌抵抗
を極力小さくするとともにオイルの劣化を極力少なくす
ること可能としつつ、クランクケース内に専用の部屋を
区画、形成することを回避してバランスウエイトを配置
することができ、バランスウエイトの配置によってクラ
ンクケース内の構造が複雑となったり、クランクケース
の大型化を招いたりすることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】補助エンジン付自転車の側面図である。
【図2】エンジンの縦断面図であって図3の2−2線に
沿う断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】発進クラッチの拡大断面図である。
【図6】図5の6−6線矢視方向から見たランププレー
トの正面図である。
【符号の説明】
28・・・エンジン 33・・・クランクケース 36・・・クランクシャフト 85・・・発進クラッチ 86・・・クラッチ板 87・・・摩擦板 88・・・ランププレート 89・・・クラッチアウタ 103・・・バランスウエイト WR ・・・駆動輪としての後輪

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフト(36)の回転動力を
    駆動輪(WR )に伝達することを可能とした発進クラッ
    チ(85)が、クランクケース(33)内に収納される
    車両用エンジンにおいて、発進クラッチ(85)は、ク
    ランクシャフト(36)と平行な軸線に沿う方向の移動
    を阻止されつつ前記クランクシャフト(36)の回転に
    同期して前記軸線まわりに回転する円板状のクラッチ板
    (86)と、該クラッチ板(86)に対向配置される摩
    擦板(87)と、前記クラッチ板(86)の回転数増大
    に応じて前記摩擦板(87)を前記クラッチ板(86)
    に摩擦係合する方向に押圧することを可能として前記ク
    ラッチ板(86)との間に前記摩擦板(87)を挟む位
    置に配置されるランププレート(88)と、該ランププ
    レート(88)を覆う椀状に形成されて前記摩擦板(8
    7)に噛合されるクラッチアウタ(89)とを備え、前
    記ランププレート(88)の前記クラッチアウタ(8
    9)で覆われる部分に、クランクシャフト(36)のア
    ンバランス量を調節するためのバランスウエイト(10
    3)が設けられることを特徴とする車両用エンジンにお
    けるバランサ装置。
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