JP4287065B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクシャフトに始動用動力を付与するためのエンジンの始動装置を備えた自動二輪車の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば実開昭57−145731号公報で開示されたものでは、クランクシャフトで駆動される発電機の一部を構成するようにしてクランクシャフトの一端側に固着されるフライホィールの外周にリングギヤが設けられ、該リングギヤに噛合するピニオンを発電機とは別の始動用電動機で回転駆動するようにし、クランクシャフトからの動力はクランクシャフトの他端側に固着されるギヤから出力される構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、エンジンの始動系が動力伝達系とは別に設けられることになり、その分だけエンジンの大型、重量化が避けられない。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの小型、軽量化を可能とした自動二輪車を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車体フレームに取付けたエンジンと、このエンジンのクランクシャフトに始動用動力を付与するための回転電機と、クランクシャフトからの動力を後輪に伝達する動力伝達系とを備えた自動二輪車において、前記動力伝達系は、クランクシャフトに同軸に固着された椀状の回転部材の外周に一体に形成された歯付き駆動プーリと、歯付き被動プーリと、その両プーリに巻掛けられる無端状のコグベルトと、該被動プーリから後輪側に伝達される回転動力を無段階に変速するベルト式無段変速機とを備え、前記回転電機は、前記回転部材の内周に固着された複数のマグネットと、これらマグネットと共働して前記回転部材に回転動力を付与し得るよう該回転部材内に固定配置されるコイルとを含み、前記ベルト式無段変速機は、それの無端ベルトが前記回転電機の外側に隣接した位置で走行するように配置されることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、動力伝達系の一部(即ち歯付き駆動プーリ)を構成する回転部材内に、クランクシャフトに始動用動力を付与するための始動系(即ちエンジン始動用回転電機)が収納されることになり、従来のものに比べて、エンジンの小型、軽量化を図ることが可能となる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記回転電機が、クランクシャフトに始動用動力を付与し得る始動用電動機として機能する状態ならびにクランクシャフトの回転に応じて発電する発電機として機能する状態を切換可能に構成されることを特徴とし、かかる構成によれば、クランクシャフトによって駆動される発電機を含んでエンジンをより一層小型、軽量化することができる。
【0008】
また請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の構成に加えて、前記動力伝達系が、前記ベルト式無段変速機の出力を減速して後輪に伝達し得る減速ギヤ列と、後輪の周辺で前記減速ギヤ列及び前記ベルト式無段変速機間に設けられる発進クラッチとを備えることを特徴とし、さらに請求項4記載の発明は、上記請求項1〜3の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記被動プーリが、エンジン本体に回転自在に支持されて両端にクランクペダルを設けたペダルシャフトに対し同一軸線上に配置されることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図6は本発明をペダル付き自動二輪車に適用したときの一実施例を示すものであり、図1はペダル付き自動二輪車の側面図、図2は図1の要部拡大縦断側面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面図である。
【0011】
先ず図1において、ペダル付き自動二輪車の車体フレーム11は、前端にッドパイプ12が設けられて後下がりに傾斜したメインフレーム13と、メインフレーム13の後部から上方に延設されるシートポスト14とを備える。
【0012】
ヘッドパイプ12には、フロントフォーク15が操向可能に支承され、該フロントフォーク15の下端に前輪WFが軸支され、フロントフォーク15の上端にバー状の操向ハンドル16が設けられる。
【0013】
シートポスト14には、ドライバが座乗するためのサドル状のシート17を上端に備える支持パイプ18が上方から差込まれ、該支持パイプ18は、上下位置を調節可能としてシートポスト14に固定される。
【0014】
後輪WRには、シート17上のライダーが左、右一対のクランクペダル30…を踏み込むことによる踏力を伝達することが可能であり、また車体フレーム11に搭載されるエンジン31の出力を伝達することも可能である。
【0015】
図2〜図5を併せて参照して、エンジン31は、サイドバルブ式の4サイクルエンジンであり、このエンジン31のエンジン本体33は、シリンダブロック34と、シリンダブロック34の下部に結合されるエンジンケース35と、シリンダブロック34の上部に結合されるシリンダヘッド36とで構成される。
【0016】
シリンダブロック34は、シリンダボア37が設けられるシリンダ部34aを一体に有しており、エンジン本体33は、シートポスト14の後方側に配置された前記シリンダ部34aを、シートポスト14および後輪WR間で後上がりに傾斜してシートポスト14に沿わせるようにして車体フレーム11に剛性的に固着される。
【0017】
エンジンケース35は、クランク室26を相互間に形成して相互に結合される第1および第2ケース部材38,39と、第1ケース部材38の後部に前端が締結されて後輪WRの左側まで延びる第3ケース部材40と、第2ケース部材39の後部に前端が締結されて後輪WRの右側まで延びる第4ケース部材41と、第1ケース部材38の前部に前端が締結されて後輪WRの左側まで延びるとともに第3ケース部材40にも締結される第5ケース部材42と、第2ケース部材39の前部に前端が締結されて後輪WRの右側まで延びるとともに第4ケース部材41にも締結される第6ケース部材43とを備える。
【0018】
第5ケース部材42は、第1および第3ケース部材38,40を外側方から覆うように形成されるものであり、第1および第3ケース部材38,40と第5ケース部材42との間にはクランク室26の左側方に配置される第1作動室27が形成される。また第6ケース部材43は、第2および第4ケース部材39,41を外側方から覆うように形成されるものであり、第2および第4ケース部材39,41と第6ケース部材43との間にはクランク室26の右側方に配置される第2作動室28が形成される。
【0019】
このようにしてエンジンケース35は、車体フレーム11の前後方向に長く形成され、該エンジンケース35の前端は車体フレーム11に連結される。
【0020】
第1および第2ケース部材38,39の分割面は、シリンダボア37の軸線Cを含む平面上に設定され、第1および第2ケース部材38,39が、シリンダ部34aの一部を相互間に挟むようにしてシリンダブロック34に締結される。
【0021】
クランク室26には、自動二輪車の幅方向に沿う軸線を有するクランクシャフト45の大部分が収納されており、シリンダボア37に摺動自在に嵌合されるピストン46がコンロッド47を介してクランクシャフト45に連結される。このクランクシャフト45は、一対のクランクウエイト45a,45aを有するものであり、両クランクウエイト45a,45aを相互間に挟む一対の保持板48,49で構成されてクランク室26に収納されるとともにエンジンケース35の第1および第2ケース部材38,39に締結されるホルダ50により、クランクシャフト45が回転自在に支承される。
【0022】
両保持板48,49間には複数の円筒状のスペーサ51…が介装されており、それらのスペーサ51…に挿通されるリベット52…で両保持板48,49を連結することによりホルダ50が構成される。該ホルダ50は、エンジンケース35の第1および第2ケース部材38,39にそれぞれ締結されるとともに、シリンダブロック34のシリンダ部34aに締結される。
【0023】
ホルダ50の両保持板48,49には、一対のボールベアリング53,53の外輪が同軸に圧入されており、クランクシャフト45は、それらのボールベアリング53,53を介してホルダ50に回転自在に支承される。
【0024】
シリンダボア37の軸線Cに沿う方向から見て前記クランクシャフト45の両側には、クランクシャフト45の一直径線上に回転軸線を有してクランク室26に収納される一対のバランサ54,54が配置されており、それらのバランサ54,54がそれぞれ備えるバランスウエイト54a,54aは、クランクシャフト45の軸線と平行な方向から見て前記クランクシャフト45の両クランクウエイト45a,45aに一部が重なるようにして、両クランクウエイト45a,45a間に配置される。
【0025】
両バランサ54,54は、対をなす2組のボールベアリング55…を介してホルダ50で回転自在に支承されており、各ボールベアリング55…の外輪はホルダ50の両保持板48,49に圧入される。
【0026】
ホルダ50の保持板49と、クランクシャフト45の一方のクランクウエイト45aとの間でクランクシャフト45には駆動ギヤ56が固設されており、両バランサ54,54には、駆動ギヤ56に噛合する被動ギヤ57,57がそれぞれ固設される。したがってクランクシャフト45の回転に連動して両バランサ54,54がクランクシャフト45と平行な軸線まわりに相互に逆方向に回転することになる。
【0027】
車体フレーム11の前後方向に沿って前記クランクシャフト45の前方側には、車体フレーム11が備えるシートポスト14の下方側への延長線上に軸線を有するペダルシャフト58が、その軸線を前記クランクシャフト45と平行にして配置される。該ペダルシャフト58は、エンジンケース35の第5ケース部材42にボールベアリング59を介して回転自在に支承されるとともに、エンジンケース35の第2ケース部材39にボールベアリング60を介して回転自在に支承されており、エンジンケース35の外方側でペダルシャフト58の両端にクランクペダル30…がそれぞれ設けられる。
【0028】
しかもクランクシャフト45およびペダルシャフト58は、それらのシャフト45,58の軸線を結ぶ直線Lに対してシリンダボア37の軸線Cが斜めに交差する位置で並列配置される。
【0029】
図6を併せて参照して、第1作動室27内でクランクシャフト45の一端部には、椀状の回転部材としてのフライホィール61が同軸に固着され、このフライホィール61の内周には複数のマグネット62…が固着される。而してフライホィール61およびマグネット62…はロータ63を構成するものであり、コイル65を備えるステータ66がフライホィール61内に配置されるようにして第1ケース部材38に固着される。
【0030】
前記ロータ63およびステータ66は共働して回転電機64を構成するものであり、この回転電機64においてコイル65に通電すると、該コイル65がマグネット62…を吸引する電磁力を発揮してフライホィール61がクランクシャフト45とともに回転することになり、回転電機64はクランクシャフト45に始動用動力を付与する始動用電動機として機能することになる。また回転電機64は、クランクシャフト45の回転に伴なうフライホィール61の回転に応じてコイル65から電力を得るようにした発電機としても機能し得るものであり、始動用電動機として機能する状態と、発電機として機能する状態とを切換可能に構成されている。
【0031】
またフライホィール61は、クランクシャフト45からの動力を被駆動部材である後輪WRに伝達する動力伝達系73の一部を構成するものである。
【0032】
この動力伝達系73は、フライホィール61の外周に一体に形成された歯付の駆動プーリ67と、ペダルシャフト58と同一軸線まわりに回転自在の被動プーリ68と、駆動プーリ67および被動プーリ68に巻掛けられる無端状のコグベルト69と、被動プーリ68の回転動力を無段階に変速するベルト式無段変速機70と、ベルト式無段変速機70の出力を減速して後輪WRに伝達し得る減速ギヤ列71と、ベルト式無段変速機70および減速ギヤ列71間に設けられる発進クラッチ72とを備える。
【0033】
駆動プーリ67および被動プーリ68間で前記コグベルト69は、該コグベルト69が緩むことを防止するためのアイドルプーリ74に巻掛けられ、このアイドルプーリ74は第1ケース部材38に軸支される。
【0034】
ベルト式無段変速機70は、遠心ウエイト75を有するとともに該遠心ウエイト75の作用で有効半径を変化させる駆動プーリ76と、該駆動プーリ76の有効半径変化に応じて有効半径を変化させる被動プーリ77と、駆動プーリ76および被動プーリ77に巻掛けられる無端ベルト78とを備える。
【0035】
駆動プーリ76は、ペダルシャフト58を同軸に囲繞するように配置されており、第5ケース部材42にボールベアリング79を介して回転自在に支承されるとともに第2ケース部材39にボールベアリング80を介して回転自在に支承される。しかもクランクシャフト45の回転に連動する被動プーリ68は駆動プーリ76で支承されており、駆動プーリ76に連結される。
【0036】
自動二輪車の前進方向を向いた状態で後輪WRの左側には、被動プーリ77、発進クラッチ72および減速ギヤ列71を収納した伝動ケース81が配置されており、この伝動ケース81は、エンジンケース35の一部を構成する第3および第5ケース部材40,42の後部間に形成され、後輪WRの車軸82の左端部は第3ケース部材40の後部で回転自在に支承される。
【0037】
このようなベルト式無段変速機70では、クランクシャフト45の回転数増加に伴う遠心ウエイト75の作用で駆動プーリ76の有効半径が増加し、それに伴って被動プーリ77の有効半径が減少することにより、変速比がロー側からトップ側に向けて無段階に変化することになり、該ベルト式無段変速機70で変速されたエンジン31の駆動力が減速ギヤ列71でさらに減速されて車軸82に伝達されることになる。
【0038】
しかもベルト式無段変速機70の無端ベルト78は、回転電機64の外側に走行可能に配置されており、コンパクトに配置したベルト式無段変速機70および回転電機64を第5ケース部材42で共通に覆うことができ、ペダル付き自動二輪車の小型化に寄与することができる。
【0039】
冷却ファン85は、エンジンケース35に設けられたファンケース86内に収納されており、このファンケース86は、冷却ファン85の回転に応じてエンジンケース35の上方から冷却空気を吸入すべく上端を開放した螺旋状に形成される。
【0040】
自動二輪車の前進方向を向いた状態で後輪WRの右側には、ドラムブレーキ87の背板88が配置される。この背板88は、エンジンケース35の一部を構成する第4ケース部材41の後部に一体に形成されるものであり、後輪WRの車軸82の右端部は前記背板88で回転自在に支承される。
【0041】
前記背板88よりも外方で車軸82には被動スプロケット89が固着され、ペダルシャフト58に固着された駆動スプロケット90と、前記被動スプロケット89とに無端状のチェーン91が巻掛けられる。したがってクランクペダル30…を踏み込んでペダルシャフト58を回転操作したときには、その踏力に応じた回転動力が後輪WRの車軸82に伝達されることになる。而して駆動スプロケット90、チェーン91および被動スプロケット89は第2作動室28に収納される。
【0042】
サイドバルブ式の4サイクルエンジンであるエンジン31のシリンダブロック34およびシリンダヘッド36間には、ピストン46の頂部の一部を臨ませる燃焼室95がシリンダボア37の軸線Cから前方側にずれた位置に中心を配置するようにして形成される。またシリンダヘッド36には燃焼室95に内端を臨ませる点火プラグ96が取付けられる。
【0043】
シリンダブロック34には、前記燃焼室95に通じ得る吸気ポート(図示せず)が前方側に臨んで設けられるとともに、前記燃焼室95に通じ得る排気ポートが自動二輪車の前進方向を向いたときに左側に位置するようにして設けられる。吸気ポートおよび燃焼室95間の連通・遮断を切換える吸気弁と、排気ポートおよび燃焼室95間の連通・遮断を切換える排気弁97とは、開閉作動可能としてシリンダブロック34に支承されるとともに閉弁方向にばね付勢される。
【0044】
前記吸気弁および排気弁97は、動弁機構98により開閉駆動されるものであり、該動弁機構98は、両バランサ54,54の一方に固定されるタイミング駆動ギヤ99と、前記タイミング駆動ギヤ99に噛合してホルダ50で回転自在に支承されるタイミング被動ギヤ101と、タイミング被動ギヤ101に一体に形成される吸気側および排気側カム102,103と、吸気側カム102に従動して揺動するようにして前記ホルダ50に支承されるとともに吸気弁に連動、連結される吸気側ロッカアーム(図示せず)と、排気側カム103に従動して揺動するようにして前記ホルダ50に支承されるとともに前記排気弁97に連動、連結される排気側ロッカアーム104とを備える。
【0045】
シリンダブロック34におけるシリンダ部34aの前部には吸気管108の下流端が前記吸気ポートに通じるようにして接続されており、この吸気管108の上流端は、エンジン31の上方に配置された気化器105の下流端に接続される。
【0046】
前記気化器105の後方側には、車体フレーム11のシートポスト14で支持された収納ケース109が配置されており、この収納ケース109に燃料タンク110が収納される。しかも燃料タンク110に着脱可能に装着される燃料注入用のキャップ111に対応する部分で、前記収納ケース109の上部には開閉可能な蓋112が設けられる。
【0047】
前記収納ケース109はエアクリーナ113のクリーナケースを兼用するものであり、このエアクリーナ113は、燃料タンク110の下方で収納ケース109内に収納されて一端が閉じられるとともに他端が前記気化器105の上流端に接続されるパイプ114と、収納ケース109内でパイプ114の外周に巻付けられるクリーナエレメント115とを備え、クリーナエレメント115が巻装される部分でパイプ114には流通孔116が穿設される。すなわち燃料タンク110およびパイプ114を除く部分で収納ケース109内に未浄化室117が形成されており、収納ケース109外から未浄化室117に流入した空気がクリーナエレメント115および流通孔116を経てパイプ114内に流通することで浄化され、浄化された空気が、パイプ114から気化器105に導かれる。
【0048】
エンジン31からの排気ガスを導く排気管118の上流端が排気ポートに通じるようにしてシリンダブロック34のシリンダ部34aに接続される。この排気管118は、エンジン31および後輪WR間で該後輪WRに沿うようにして下方に延びるものであり、エンジンケース35の一部を構成する第6ケース部材43で支持されて後輪WRの右側に配置されるマフラー119に排気管118の下流端が接続される。
【0049】
このように排気管118をエンジン31および後輪WR間で該後輪WRに沿うように配置することで、エンジンケース35の一部を構成して後輪WRの車軸82を回転自在に支承する第3および第4ケース部材40,41が、前記排気管118の左右に配置されることになる。
【0050】
次にこの実施例の作用について説明すると、ペダルシャフト58の後方側にクランクシャフト45が配置されるようにして車体フレーム11に支持されるエンジン31のシリンダ部34aが、車体フレーム11のシートポスト14および後輪WR間で後上がりに傾斜して配置され、エンジン31からの排気ガスを導く排気管118が、エンジン31および後輪WR間で該後輪WRに沿って下方に延びるように配置されてマフラー119に接続されるので、排気管118を車体フレーム11から離反させるととともにペダルシャフト58から遠ざけた位置に配置しつつ排気管長を容易に確保してエンジン31の性能を高めることができる。
【0051】
しかもエンジンケース35の一部を構成して後輪WRの車軸82を回転自在に支承する第3および第4ケース部材40,41が排気管118の左右に配置されており、排気管118は、シートポスト14、後輪WR、第2および第4ケース部材40,41で前、後および左、右を囲まれることになり、排気管118を覆うための専用のプロテクタ等を不要として部品点数を低減することができる。
【0052】
またクランクシャフト45およびペダルシャフト58を共通に支承して車体フレーム11の前後方向に長く形成される前記エンジンケース35の前端が車体フレーム11に連結され、エンジンケース35の後部で後輪WRの車軸82が軸支されるので、クランクシャフト45を支承するエンジンケース35でペダルシャフト58を回転自在に支承するとともに、エンジンケース35で後輪WRを支持するようにして、部品点数をより一層低減することができる。
【0053】
エンジンケース35には、一対のクランクウエイト45a,45aを有するクランクシャフト45が支承されるとともにペダルシャフト58が回転自在に支承されるのであるが、エンジンケース35を含むエンジン本体33は、車体フレーム11に剛性的に固着されており、一対のバランサ54,54が、クランクシャフト45の回転に連動して該クランクシャフト45と平行な軸線まわりに回転することを可能としてエンジンケース35内に収納されている。
【0054】
したがってバランサ54,54によりエンジン31の振動が抑制されることになり、エンジン本体33が車体フレーム11に剛性的に固着されていてもエンジン振動に起因した車体フレーム11の振動を低減することができ、またエンジン本体33の車体フレーム11への剛性的な固着により、エンジン本体33が備えるエンジンケース35に支承されたペダルシャフト58の両端のクランクペダル30…を踏み込む際の剛性感を確保することができるとともに、防振構造が不要となることで車体フレーム11へのエンジン本体33の支持構造をコンパクト化することができる。
【0055】
しかも両バランサ54,54は、クランクシャフト45の軸線と平行な方向から見て両クランクウエイト45a,45aに一部が重なるようにして両クランクウエイト45a,45a間に配置されるバランスウエイト54aをそれぞれ有するものであるので、バランサ54,54を有するにもかかわらず、クランクシャフト45の軸線に沿う方向でのエンジンケース35の幅を小さく設定することを可能としてエンジン31の大型化を防止することができる。
【0056】
また前記両バランサ54,54は、エンジン本体33が備えるシリンダボア37の軸線Cに沿う方向から見てクランクシャフト45の両側に、該クランクシャフト45の一直径線延長上に回転軸線を有するようにして配置されるものであり、クランクシャフト45まわりの回転モーメントを抑制し得る一対のバランサ54,54を、一対のクランクウエイト45a,45a間にコンパクトに配置することができる。
【0057】
しかもクランクシャフト45およびペダルシャフト58が、それらのシャフト45.58の軸線を結ぶ直線Lに対してシリンダボア37の軸線Cが斜めに交差する位置で並列配置されるので、シリンダボア37の軸線方向から見てクランクシャフト45の両側に一対のバランサ54,54が配置されるにもかかわらず、クランクシャフト45およびペダルシャフト58を極力近接させることを可能とし、エンジンケース35の小型化を図ることができる。
【0058】
またペダルシャフト58がボールベアリング59,60を介してエンジンケース35に支承されるのに対し、クランクシャフト45およびバランサ54,54は、エンジンケース35に取付けられるホルダ50にボールベアリング53…,55…をそれぞれ介して支承されている。すなわちエンジンケース35と別体であるホルダ50でクランクシャフト45およびバランサ54,54を支承することにより、バランサマスの集中化を図るとともにホルダ50の剛性を高めることを容易としてバランサ54,54による防振効果を高めてエンジンケース35への振動伝達を一層抑制することができ、その結果、車体フレーム11およびペダルシャフト58への振動伝達をより一層低減することができ、またホルダ50で剛性を確保することでエンジンケース35の軽量化を図ることができる。
【0059】
しかもエンジン31が、サイドバルブ式の4サイクルエンジンであることにより、エンジン31のシリンダ部34aに吸気管108および排気管118をシリンダ部34aに接続し得るので、排気ガスを清浄化し得る4サイクルエンジンでありながらエンジン31の全高を低く抑えることができ、エンジン31の下部の地上高ならびにエンジン31の上方の補機配置空間を稼ぐことができる。
【0060】
ペダルシャフト58の軸線は、シートポスト14の下方側への仮想延長線上に配置されており、そのペダルシャフト58の後方側にクランクシャフト45が配置されるようにして車体フレーム11に支持されるエンジン31のシリンダ部34aが、シートポスト14の後方側で該シートポスト14に沿って配置されている。したがってペダルシャフト58の両端のクランクペダル30…の回転に必要なスペースを避けるようにしてエンジン31の吸気系および排気系を配置することが可能である。
【0061】
さらにクランクシャフト45からの動力を後輪WRに伝達するための動力伝達系73の一部を構成すべく外周に駆動プーリ67を一体に有する椀状のフライホィール61が、クランクシャフト45に同軸に固着されており、フライホィール61の内周には複数のマグネット62…が固着される。しかもマグネット62…と共働してフライホィール61すなちクランクシャフト45に回転動力を付与し得るコイル65がフライホィール61内で固定配置されている。
【0062】
したがって動力伝達系73の一部を構成するフライホィール62内に、クランクシャフト45に始動用動力を付与するための始動系が収納されることになり、クランクシャフトに固着されるフライホィールの外周に設けられたリングギヤがに噛合し得るピニオンを始動用電動機で回転駆動するようにしていた従来のものに比べて、エンジン31の小型、軽量化を図ることが可能となる。
【0063】
しかもフライホィール61、マグネット62…およびコイル65は、回転電機64の構成要素の一部であり、この回転電機64は、クランクシャフト45に始動用動力を付与し得る始動用電動機として機能する状態ならびにクランクシャフト45の回転に応じて発電する発電機として機能する状態を切換可能であるので、クランクシャフト45によって駆動される発電機を含んでエンジン31をより一層小型、軽量化することができる。
【0064】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、クランクシャフトからの動力を後輪に伝達する動力伝達系の一部(即ち歯付き駆動プーリ)を構成する回転部材内に、クランクシャフトに始動用動力を付与するための始動系(即ちエンジン始動用回転電機)が収納されるので、エンジンの小型、軽量化を図ることが可能となる。
【0066】
また請求項2記載の発明によれば、クランクシャフトによって駆動される発電機を含んでエンジンをより一層小型、軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ペダル付き自動二輪車の側面図である。
【図2】 図1の要部拡大縦断側面図である。
【図3】 図2の3−3線断面図である。
【図4】 図3の要部拡大図である。
【図5】 図4の5−5線断面図である。
【図6】 図4の6−6線断面図である。
【符号の説明】
11・・・車体フレーム
30・・・クランクペダル
31・・・エンジン
33・・・エンジン本体
45・・・クランクシャフト
58・・・ペダルシャフト
61・・・回転部材としてのフライホィール
62・・・マグネット
64・・・回転電機
65・・・コイル
67・・・駆動プーリ
68・・・被動プーリ
69・・・コグベルト
70・・・ベルト式無段変速機
71・・・減速ギヤ列
72・・・発進クラッチ
73・・・動力伝達系
78・・・無端ベルト
WR・・・被駆動部材としての後輪
Claims (4)
- 車体フレーム(11)に取付けたエンジン(31)と、このエンジン(31)のクランクシャフト(45)に始動用動力を付与するための回転電機(64)と、クランクシャフト(45)からの動力を後輪(WR)に伝達する動力伝達系(73)とを備えた自動二輪車において、
前記動力伝達系(73)は、クランクシャフト(45)に同軸に固着された椀状の回転部材(61)の外周に一体に形成された歯付き駆動プーリ(67)と、歯付き被動プーリ(68)と、その両プーリ(67,68)に巻掛けられる無端状のコグベルト(69)と、該被動プーリ(68)から後輪(WR)側に伝達される回転動力を無段階に変速するベルト式無段変速機(70)とを備え、
前記回転電機(64)は、前記回転部材(61)の内周に固着された複数のマグネット(62)と、これらマグネット(62)と共働して前記回転部材(61)に回転動力を付与し得るよう該回転部材(61)内に固定配置されるコイル(65)とを含み、
前記ベルト式無段変速機(70)は、それの無端ベルト(78)が前記回転電機(64)の外側に隣接した位置で走行するように配置されることを特徴とする自動二輪車。 - 前記回転電機(64)が、クランクシャフト(45)に始動用動力を付与し得る始動用電動機として機能する状態ならびにクランクシャフト(45)の回転に応じて発電する発電機として機能する状態を切換可能に構成されることを特徴とする、請求項1記載の自動二輪車。
- 前記動力伝達系(73)は、前記ベルト式無段変速機(70)の出力を減速して後輪(WR)に伝達し得る減速ギヤ列(71)と、後輪(WR)の周辺で前記減速ギヤ列(71)及び前記ベルト式無段変速機(70)間に設けられる発進クラッチ(72)とを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動二輪車。
- 前記被動プーリ(68)は、エンジン本体(33)に回転自在に支持されて両端にクランクペダル(30)を設けたペダルシャフト(58)に対し同一軸線上に配置されることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の自動二輪車。
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