JP2000282250A - 耐食性に優れたクロメート処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れたクロメート処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法

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JP2000282250A
JP2000282250A JP8534799A JP8534799A JP2000282250A JP 2000282250 A JP2000282250 A JP 2000282250A JP 8534799 A JP8534799 A JP 8534799A JP 8534799 A JP8534799 A JP 8534799A JP 2000282250 A JP2000282250 A JP 2000282250A
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chromate
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corrosion resistance
galvanized steel
film
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JP8534799A
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Kazumi Kitamura
和美 北村
Makoto Yoshitake
誠 吉武
Shinya Furukawa
伸也 古川
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クロメート処理亜鉛系めっき鋼板の耐食性を改
良する。 【解決手段】この亜鉛系めっき鋼板は、クロメート皮膜
に燐酸クロム化合物を含有し、該化合物はめっき層との
界面近傍に濃化した膜厚方向の濃度勾配を有している。
めっき層との界面近傍に濃化分布した燐酸クロム化合物
は、腐食因子(H O,Cl,O2−等)が素地鋼へ浸
入するのを阻止するバリヤー層として機能し、耐食性を
強化する。上記クロメート皮膜は、1.8±0.2%濃
度の燐酸を含むクロム酸アンモニウム溶液をめっき層表
面に塗布し、昇温速度5〜25℃/秒で、100〜16
0℃の温度域に加熱昇温し、同温度域に20〜40秒間
保持することにより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロメート処理さ
れた亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系めっき(亜鉛または亜鉛合金めっ
き)鋼板は、保管中の白錆の防止(一次防錆)処理,塗
装下地処理等としてクロメート処理が施される。クロメ
ート処理は、6価クロムおよび無機酸を主成分とするク
ロメート処理液をめっき層表面に塗布し、加熱乾燥する
ことにより行われる。クロメート処理された亜鉛系めっ
き鋼板は、未処理のものに比し、耐食性が高く、また耐
指紋性に優れているほか、鋼板表面の色調が美麗であ
り、建材,家電製品,自動車,事務機器など、多方面の
用途に供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】クロメート処理された
亜鉛系めっき鋼板の耐食性をより高めるには、クロメー
ト皮膜の膜厚を厚くするか、またはクロメート皮膜の上
に更に有機樹脂膜を被覆させるというのが一般的な手段
である。しかし、クロメート皮膜の膜厚を厚くすること
は、処理液の消費の増加によるコストアップを招く。ま
た膜厚の増加に伴って該皮膜特有の黄色味が強くなり、
外観品質を損なうという問題を付随する。なお、この黄
色味を弱めるために、燐酸添加タイプのクロメート処理
液が使用されることもあるが、コストアップの問題はそ
のままである。他方、クロメート皮膜を有機樹脂膜で被
覆する場合は、有機処理工程が付加されることによる作
業上の煩瑣および大幅なコストアップを免れない。本発
明は、このような不利益を伴わず、改良された耐食性を
有するクロメート処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造
方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のクロメート処理
亜鉛系めっき鋼板は、めっき層を被覆するクロメート皮
膜が、燐酸クロム化合物を含有し、該化合物は、めっき
層との界面近傍に濃化した膜厚方向の濃度勾配を有する
ことを特徴としている。
【0005】クロメート皮膜内の燐酸クロム化合物は、
めっき層との界面近傍に濃化分布することにより、腐食
因子(HO,Cl,O2−等)が素地鋼へ浸入するの
を阻止するバリヤー層として機能する。このバリヤー効
果により、クロメート皮膜の膜厚の増加、あるいは有機
樹脂膜の被覆などを必要とすることなく、改良された耐
食性が得られる。なお、クロメート皮膜内に生成する燐
酸クロム化合物のこのような膜厚方向の濃度勾配の形成
によって、クロメート皮膜に要求される他の特性(例え
ば,塗装下地膜としての効果等)が損なわれることはな
い。
【0006】本発明のクロメート処理亜鉛系めっき鋼板
は、所定濃度の燐酸を含むクロム酸アンモニウム溶液を
塗布し、乾燥することにより製造される。クロメート皮
膜中に生成する燐酸クロム化合物は、処理液の塗布につ
づく乾燥処理工程の昇温速度,乾燥温度および処理時間
の制御により、膜厚方向の濃度勾配を生じさせ、めっき
層との界面近傍に濃化した分布形態を形成することがで
きる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のクロメート処理亜鉛系め
っき鋼板を製造するための、クロメート処理液は、燐酸
含有クロム酸アンモニウム溶液として調製される。クロ
ム酸アンモニウムの濃度は、Cr量に換算して、10±
2g/l、燐酸の濃度は、1.8±0.2%の範囲に調
整するのが好ましい。Cr及び燐酸の濃度がこれより低
いと、燐酸クロム化合物の生成量が少なく、十分な耐食
性を得ることができない。他方、これより濃度を高めて
も、耐食性の改善効果は飽和し、また高濃度化に伴い処
理液の安定性が損なわれ、ゲル化を引き起こす等の不具
合をきたす。なお、クロメート処理液は、所望により、
例えば、膜面に潤滑性を附与するための有機樹脂成分
(アクリル樹脂など)が適量(重量比にして、クロム酸
アンモニウム溶液/樹脂≒7/3〜6/4)添加され
る。
【0008】めっき層に対するクロメート処理液の塗布
量は、通常行われるクロメート処理におけるそれと異な
らない。従来は、耐食性を強化することを意図する場
合、クロメート皮膜の膜厚を厚くしているが、本発明で
はそのような必要はなく、例えば、Cr量に換算して約
10〜40mg/m程度の塗布量で十分である。クロ
メート処理液の塗布方式は任意であり、ロールコーティ
ング,スプレー,刷毛塗り等により行えばよい。
【0009】クロメート処理液の塗布につづいて乾燥処
理が施される。乾燥処理は、鋼板表面への熱風吹き付け
等の従来のそれと同様の乾燥装置を用いて行うことがで
きる。乾燥工程における乾燥温度(板温),保持時間、
およびその乾燥温度域に到る昇温速度の制御は重要であ
る。
【0010】乾燥温度(板温)は、100〜160℃、
同温度域での保持時間は20〜40秒に調節することを
要する。乾燥温度および保持時間がこれに満たないと、
塗膜内の水分の除去が不完全となり、クロメート皮膜品
質が損なわれ、かつ塗膜内に形成される燐酸クロム化合
物の膜厚方向の濃度勾配(めっき層近傍領域における濃
化)の形成も不十分となるからである。他方これを超え
る高温・長時間の処理を施しても、皮膜品質の改善効果
の増加はなく、熱経済性および作業性を損なうことにな
る。
【0011】また、上記乾燥温度に到る鋼板の加熱昇温
速度は、5〜25℃/秒の範囲に調節される。25℃/
秒を上限とするのは、これを超える急速昇温では、塗膜
液内のPおよびCrの膜厚方向の拡散が十分に生起しな
いうちに、板温が乾燥温度に到達し液膜が固化するから
である。5℃/秒を下限とするのは、これより緩徐の昇
温とする利益はなく、乾燥処理を非能率化するからであ
る。
【0012】図1は、本発明の亜鉛系めっき鋼板につい
て、クロメート皮膜の構成元素の膜厚方向分布(グロー
放電発光分析による)を示している(クロメート処理液
組成Cr:10g/l,P:2%、乾燥条件:昇温速度
20℃/秒,乾燥温度・時間130℃×30秒)。図2
は、クロメート処理液(液組成は、図1の供試材と同
じ)を塗布後、乾燥処理を常法に従って行った亜鉛系め
っき鋼板(乾燥条件:昇温速度20℃/秒,乾燥温度・
時間190℃×30秒)のクロメート皮膜の分析結果を
示している。各図の横軸(時間,sec)は、試料表面の
スパッター経過時間であり、約15秒の時点がクロメー
ト皮膜とめっき層との界面位置にほぼ相当している。
【0013】図2(比較例)では、燐酸クロム化合物の
構成元素であるP及びCrの強度のピークが膜厚方向に
ずれて位置しているのに対し、図1(発明例)における
P及びCrの強度のピークは、両者ほぼ一致してめっき
層との界面近傍に位置している。すなわち、そのクロメ
ート皮膜は、図2のそれと異なって、燐酸クロム化合物
が、めっき層との界面近傍に濃化した分布を有してい
る。この燐酸クロム化合物の膜厚方向の濃度勾配の効果
として、腐食物質の素地鋼への浸入が抑制阻止、改良さ
れた耐食性が得られる。
【0014】
【実施例】電気亜鉛めっき鋼板(めっき層厚:3μm)
にクロメート処理を施して供試鋼板を得る。 [クロメート処理] (1)処理液 組成 Cr:10±2g/l,P:1.8±0.2% 液温 室温 (2)塗布量:約0.5〜0.6μm(乾燥膜厚)
【0015】(3)乾燥処理 昇温速度:5〜25℃/秒 乾燥温度:60〜190℃ 保持時間:5〜40秒
【0016】図3に、各供試材のクロメート処理条件と
塩水噴霧試験(試験時間:200Hr)による耐食性評
価結果を示す。図中の各記号は白錆の発生面積率を示し
ている。符号 白錆発生率(面積%) 〇 :10%未満 △ :10%以上,50%未満 × :50%以上
【0017】図3に示したように、本発明の規定を満た
す供試材は、同じ燐酸含有クロメート処理液を使用して
クロメート皮膜を形成した比較例と比べて、塩水噴霧試
験における白錆の発生が少なく、良好な耐食性を有して
いる。これは、前記のようにクロメート皮膜内に形成さ
れたの燐酸クロム化合物の膜厚方向の濃度勾配(めっき
層界面近傍における燐酸クロム化合物の濃化)によるも
のである。
【0018】
【発明の効果】本発明のクロメート処理亜鉛系めっき鋼
板は改良された耐食性を有している。この耐食性は、従
来のようなクロメート皮膜の厚膜化や、有機樹脂皮膜の
積層成膜を必要とせず、燐酸含有クロメート処理液の使
用と、乾燥処理温度条件の制御により確保することがで
き、設備の付設・工数の増加等の負担がなく、コストお
よび操業面で有利であり、建材,家電製品,自動車,事
務機器などの多方面の用途における亜鉛系めっき鋼板の
実用価値を高めるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクロメート処理亜鉛系めっき鋼板にお
けるクロメート皮膜の構成元素の膜厚方向分布(グロー
放電発光分析による)を示すグラフである。
【図2】比較材のクロメート処理亜鉛系めっき鋼板にお
けるクロメート皮膜の構成元素の膜厚方向分布(グロー
放電発光分析による)を示すグラフである。
【図3】クロメート処理における塗布液乾燥処理条件と
製品めっき鋼板の耐食性(塩水噴霧試験結果)との関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 伸也 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4J038 AA011 HA241 HA246 HA411 HA416 NA03 PB02 PB05 PB07 PB09 PC02 4K026 AA02 AA07 AA12 AA22 BA07 BA11 BB04 BB08 CA16 CA20 CA26 CA39 DA02 DA11 DA15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき層を被覆するクロメート皮膜が、
    燐酸クロム化合物を含有し、該化合物は、めっき層との
    界面近傍に濃化した膜厚方向の濃度勾配を有することを
    特徴とする耐食性に優れたクロメート処理亜鉛系めっき
    鋼板。
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板のめっき層表面に、
    1.8±0.2%濃度の燐酸を含むクロム酸アンモニウ
    ム溶液を塗布し、昇温速度5〜25℃/秒で、100〜
    160℃の温度域に加熱昇温し、同温度に20〜40秒
    間保持することからなる請求項1に記載の耐食性に優れ
    たクロメート処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
JP8534799A 1999-03-29 1999-03-29 耐食性に優れたクロメート処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 Withdrawn JP2000282250A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020204089A (ja) * 2019-06-18 2020-12-24 日本製鉄株式会社 化成処理鋼板の製造方法
JP2021001390A (ja) * 2019-06-18 2021-01-07 日本製鉄株式会社 化成処理鋼板の製造方法

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606